JP2020085504A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質体によるイオン伝導特性を維持して、固体電解質体と基体との接合強度を高めることができるガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ1のセンサ素子2は、ランタンガレート系酸化物によって構成された固体電解質体31と、固体電解質体31の表面301,302に互いに対向して設けられた一対の電極311,312と、固体電解質体31に積層された絶縁体33A,33Bとを有する。固体電解質体31における、一対の電極311,312の間に挟まれた電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、電極形成部位315を除く電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値は高い。【選択図】図3

Description

本発明は、センサ素子を有するガスセンサに関する。
ガスセンサは、例えば、内燃機関の排気管に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける空燃比、又は酸素、NOx、アンモニア等の特定ガス成分の濃度を検出するために用いられる。ガスセンサのセンサ素子は、酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体と、固体電解質体の両表面における互いに重なる位置に設けられた一対の電極とを有する。また、固体電解質体に積層された基体には、通電によって発熱する発熱体が埋設されている。また、発熱体における発熱部は、固体電解質体と基体との積層方向において、一対の電極に重なる位置に配置されている。そして、発熱部から発生する熱によって、一対の電極及び一対の電極間に挟まれた固体電解質体の部分を活性温度に加熱している。
また、特許文献1の固体電解質焼結体においては、センサ素子を構成する基材となる基板にジルコニア系酸化物を用いるとともに、固体電解質層にランタンガレート系酸化物等を用いている。そして、基板にジルコニア系酸化物を用いることにより、ランタンガレート系酸化物からなる固体電解質層が基板と反応しにくくし、固体電解質層に特性の低下が生じにくくしている。
特開2002−8439号公報
ジルコニア系酸化物は、基材として一般的に用いられるアルミナ系酸化物よりも強度が低い。そのため、ジルコニア系酸化物を基材に用いてセンサ素子を構成する場合には、センサ素子の製造時及び使用時において、基材に、被水、熱衝撃等によって剥離、割れ等が生じるおそれがある。
また、特許文献1においては、ランタンガレート系酸化物を固体電解質層に用いる場合に、固体電解質層と基材とが反応しにくくすることを目的としている。しかし、発明者らの研究開発の結果、固体電解質層のイオン伝導特性を維持して、センサ素子の強度を高めるためには、固体電解質層と基材とが化学反応を伴った方がよいことが分かった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、固体電解質体によるイオン伝導特性を維持して、固体電解質体と基体との接合強度を高めることができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、センサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
ランタンガレート系酸化物によって構成された板状の固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体の表面(301,302)に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体に積層され、金属酸化物によって構成された板状の基体(33A,33B)と、を有し、
前記固体電解質体を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、前記固体電解質体の部位によって異なっている、ガスセンサにある。
前記一態様のガスセンサにおいては、固体電解質体にランタンガレート系酸化物を用いる場合に、固体電解質体と基体との接合強度を高めるための工夫をしている。具体的には、固体電解質体を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度(含有量)を、固体電解質体の部位によって異ならせている。
ランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属は、アルミナ(酸化アルミニウム)等の絶縁性の酸化物との反応性がよく、固体電解質体から基体へ拡散することが発明者らの研究開発によって見出された。そして、固体電解質体内に、アルカリ土類金属の濃度の分布を意図的に形成する。
アルカリ土類金属は、基体を構成する金属酸化物と反応することによって、固体電解質体から基体へ拡散する。そして、基体に拡散したアルカリ土類金属によって、固体電解質体と基体との接合強度を高めることができる。また、例えば、固体電解質体における、一対の電極が形成された部位におけるアルカリ土類金属の濃度を、他の部位におけるアルカリ土類金属の濃度と異ならせることによって、固体電解質体によるイオン伝導特性を適切に維持することができる。
それ故、前記一態様のガスセンサによれば、固体電解質体によるイオン伝導特性を維持して、固体電解質体と基体との接合強度を高めることができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態にかかる、ガスセンサを示す断面図。 実施形態にかかる、積層前のセンサ素子を示す斜視図。 実施形態にかかる、第1態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す断面図。 実施形態にかかる、第1態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面図。 実施形態にかかる、センサ素子を示す、図3のV−V断面図。 実施形態にかかる、第2態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す断面図。 実施形態にかかる、第2態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す、図6のVII−VII断面相当図。 実施形態にかかる、第3態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す断面図。 実施形態にかかる、第3態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す、図8のIX−IX断面相当図。 実施形態にかかる、第4態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す断面図。 実施形態にかかる、第4態様の固体電解質体を有するセンサ素子を示す、図10のXI−XI断面相当図。 実施形態にかかる、一態様の絶縁体を有するセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態にかかる、一態様の絶縁体を有するセンサ素子を示す、図12のXIII−XIII断面図。 実施形態にかかる、図3のセンサ素子と比べて、拡散抵抗部が異なる固体電解質体を有するセンサ素子を示す断面図。 実施形態にかかる、接合界面と一対の電極との間の最短距離と、一対の電極の間に挟まれた固体電解質体の部分における電気抵抗値との関係を示すグラフ。 確認試験2にかかる、(a)基準品、(b)試験品A、(c)試験品B、(d)試験品C、(e)試験品D、(f)試験品Eについてのセンサ素子の模擬品を示す断面図。 確認試験2にかかる、基準品及び試験品A〜Eについてのセンサ素子の模擬品について、断面に存在するSrの分布量としてのSrの信号強度を示すグラフ。
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態>
本形態のガスセンサ1は、図1〜図5に示すように、検出対象ガスGにおけるガス検出を行うセンサ素子2を備える。センサ素子2は、ランタンガレート系酸化物によって構成された板状の固体電解質体31と、固体電解質体31の表面301,302に互いに対向して設けられた一対の電極311,312と、固体電解質体31に積層され、絶縁性の金属酸化物によって構成された板状の基体としての絶縁体33A,33Bとを有する。固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、固体電解質体31の部位によって異なっている。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、本形態のガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)から排気管に排気される排ガスの一部を内燃機関の吸気管7に再循環させる排気再循環機構(EGR)の吸気管7の取付口71に配置されて使用される。そして、ガスセンサ1は、吸気管7内の燃焼用空気と排ガスとの混合気体を検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度を検出する吸気酸素センサとして使用される。
吸気管7内の混合気体の温度は、排気管内の排ガスの温度に比べて低く、吸気管7に配置して使用される吸気酸素センサは、500℃以下の低温環境下においても活性化されることが必要となる。本形態のガスセンサ1には、ランタンガレート系酸化物からなる固体電解質体31を用いていることにより、500℃以下の低温環境下における酸素濃度の検出が可能となる。
なお、ガスセンサ1は、内燃機関の排気管の取付口に配置し、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度等を検出するために用いることもできる。また、ガスセンサ1は、排ガスにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることもできる。
吸気酸素センサとしてのガスセンサ1においては、拡散抵抗部(拡散律速部)32によって、ガス室35へ導かれる検出対象ガスGの拡散速度が絞られる際に、一対の電極としての検出電極311と基準電極312との間に、酸素イオン(O2-)の移動量に応じた電流が出力される限界電流特性を示すための所定の電圧が印加される。ガスセンサ1において、酸素濃度を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる酸素が、イオンとなって検出電極311から固体電解質体31を介して基準電極312へ移動する際に生じる電流を検出する。拡散抵抗部32及びガス室35については後述する。
(センサ素子2)
図2〜図5に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の直方体形状に形成されており、固体電解質体31、一対の電極としての検出電極311及び基準電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス室35、基準ガスダクト36及び発熱体34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。
検出電極311は、固体電解質体31における、燃焼用空気及び排ガスの混合気体等の検出対象ガスGが接触する第1表面301に設けられており、基準電極312は、固体電解質体31における、大気等の基準ガスAが接触する第2表面302に設けられている。検出電極311と基準電極312とは、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して互いに対向している。センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位には、検出電極311及び基準電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによる検知部21が形成されている。絶縁体33A,33Bには、固体電解質体31の第1表面301に積層された第1基体としての第1絶縁体33Aと、固体電解質体31の第2表面302に積層された第2基体としての第2絶縁体33Bとがある。
本形態において、センサ素子2の長尺方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、長尺方向Lに直交し、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとが積層された方向、換言すれば、固体電解質体31、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された方向を、積層方向Dという。また、長尺方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長尺方向Lにおいて、検知部21が形成された側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を後端側L2という。
(固体電解質体31)
図3及び図4に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物は、ペロブスカイト構造を有するものであり、La1-xxGa1-yy3-δの構造式によって示されるものである。ただし、Aは、アルカリ土類金属としてのSr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、Ba(バリウム)のうちの少なくとも1つであり、Bは、Mg(マグネシウム)、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Co(コバルト)のうちの少なくとも1つであることを示す。また、xは0〜0.3の値をとり、yは0〜0.3の値をとり、δは、酸素の欠乏量を示し、0〜0.5の値をとる。
ランタンガレート系酸化物は、La(ランタン)、Ga(ガリウム)、O3(酸素)を有する結晶構造を基本とし、Laサイトの一部が、アルカリ土類金属としてのSr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、Ba(バリウム)のうちの少なくとも1種に置き換えられ、Gaサイトの一部が、Mg(マグネシウム)、又はMg及びNi(ニッケル)に置き換えられたものとすることができる。この場合、ランタンガレート系酸化物は、LSGM:La1-xSrxGa1-yMgy3-δ、又はLSGMN:La1-xSrxGa1-y-zMgyNiz3-δの構造式によってすることができる。ここで、xは0.15〜0.35の値をとり、yは、0.05〜0.15の値をとり、zは0.05〜0.15の値をとり、δは0〜0.5の値をとる。
本形態の固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物においては、Laサイトの一部を置換するアルカリ土類金属としてのSrの濃度(置換量)は、固体電解質体31の適宜部位において異なっている。固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物におけるSrの濃度は、LaサイトにおけるSrの置換量を示すxが0.15〜0.35の範囲内で適宜変更することができる。
(第1態様の固体電解質体31)
固体電解質体31の各部位におけるSrの濃度は、種々の態様で異ならせることができる。第1態様の固体電解質体31として、図3及び図4に示すように、固体電解質体31における、一対の電極311,312の間に挟まれた電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、電極形成部位315を除く電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を高くすることができる。
この構成により、電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を適切に維持しつつ、電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrが絶縁体33A,33Bへ拡散(浸透)しやすくすることができる。電極形成部位315及び電極非形成部位316は、固体電解質体31における、長尺方向L及び幅方向Wによる平面方向の一部の領域のことを示す。電極形成部位315及び電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの積層方向Dの濃度は一定にすることができる。
電極形成部位315は、検出電極311と基準電極312との間を酸素イオンが伝導する部位であり、センサ素子2のイオン伝導特性に影響を与える部位となる。一方、電極非形成部位316は、センサ素子2のイオン伝導特性にあまり関与しない部位である。また、電極非形成部位316の多くは、絶縁体33A,33Bと接合された部位となり、絶縁体33A,33BへSrが拡散することを見込んで、電極非形成部位316におけるSrの濃度を高くすることができる。
より具体的には、固体電解質体31における、電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、x=0.15〜0.25の範囲内で設定することができる。また、固体電解質体31における、電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、電極形成部位315よりも高く、かつx=0.2〜0.35の範囲内で設定することができる。
(第2態様の固体電解質体31)
第2態様の固体電解質体31としては、図6及び図7に示すように、第1態様とは逆に、固体電解質体31における、一対の電極311,312の間に挟まれた電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、電極形成部位315を除く電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を低くすることもできる。
この構成により、電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を高くして、センサ素子2のイオン伝導特性を高くすることができる。一方、電極非形成部位316は、センサ素子2のイオン伝導特性にあまり影響を与えない部位であり、電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度が低くても、センサ素子2のイオン伝導特性を悪化させる可能性は低い。
より具体的には、固体電解質体31における、電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、x=0.2〜0.35の範囲内で設定することができる。また、固体電解質体31における、電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、電極形成部位315よりも低く、かつx=0.15〜0.25の範囲内で設定することができる。
(絶縁体33A,33B)
図3及び図4に示すように、第1絶縁体33Aにおける、固体電解質体31の第1表面301に隣接する部位には、拡散抵抗部32を介して検出対象ガスGが導入されるとともに、一対の電極311,312のうちの検出電極311を収容するガス室35が形成されている。第2絶縁体33Bにおける、固体電解質体31の第2表面302に隣接する部位には、基準ガスAが導入されるとともに、一対の電極311,312のうちの基準電極312を収容する基準ガスダクト36が形成されている。また、第2絶縁体33Bには、発熱体34が埋設されている。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の絶縁性の金属酸化物によって構成されている。
各絶縁体33A,33Bは、アルミナ以外にも、固体電解質体31との接合強度が保たれる種々の金属酸化物によって形成することができる。また、各絶縁体33A,33Bには、アルミナを用いる代わりに、固体電解質体31に積層された基体としての、ジルコニア(酸化ジルコニウム)等を含有する金属酸化物を用いることも可能である。
(第3態様の固体電解質体31)
第3態様の固体電解質体31としては、図8及び図9に示すように、ガス室35及び基準ガスダクト36が形成された部位を境界として、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を異ならせることができる。具体的には、固体電解質体31における、ガス室35と基準ガスダクト36との積層方向Dの間に位置する内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、内側部位317を除く外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を高くすることができる。内側部位317は、センサ素子2を積層方向Dから見たときに、ガス室35と基準ガスダクト36とが重なる部位とする。
この構成により、内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を適切に維持しつつ、外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrが絶縁体33A,33Bへ拡散(浸透)しやすくすることができる。内側部位317及び外側部位318は、固体電解質体31における、長尺方向L及び幅方向Wによる平面方向の一部の領域のことを示す。内側部位317及び外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの積層方向Dの濃度は一定にすることができる。
固体電解質体31における、ガス室35が隣接せず、基準ガスダクト36が隣接する部位、及び固体電解質体31における、基準ガスダクト36が隣接せず、ガス室35が隣接する平面方向の部位は、外側部位318に含まれることとする。内側部位317は、センサ素子2を積層方向Dから見たときに、ガス室35と基準ガスダクト36とが互いに重なる位置に存在する固体電解質体31の平面方向の部位とする。外側部位318は、固体電解質体31と第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bの少なくとも一方とが接合された平面方向の部位となる。そして、外側部位318から絶縁体33A,33BへSrが拡散することを見込んで、外側部位318におけるSrの濃度を内側部位317におけるSrの濃度よりも高くすることができる。
より具体的には、固体電解質体31における、内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、x=0.15〜0.25の範囲内で設定することができる。また、固体電解質体31における、外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、電極形成部位315よりも高く、かつx=0.2〜0.35の範囲内で設定することができる。
(第4態様の固体電解質体31)
第4態様の固体電解質体31としては、図10及び図11に示すように、第3態様とは逆に、固体電解質体31における、ガス室35と基準ガスダクト36との積層方向Dの間に位置する内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、内側部位317を除く外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を低くすることができる。
この構成により、内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を高くして、センサ素子2のイオン伝導特性を高くすることができる。一方、外側部位318は、センサ素子2のイオン伝導特性にあまり影響を与えない部位であり、外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度が低くても、センサ素子2のイオン伝導特性を悪化させる可能性は低い。
より具体的には、固体電解質体31における、内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、x=0.2〜0.35の範囲内で設定することができる。また、固体電解質体31における、外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を示す置換量xは、電極形成部位315よりも低く、かつx=0.15〜0.25の範囲内で設定することができる。
(第5態様の固体電解質体31)
また、図示は省略するが、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bの積層方向Dにおいて、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接触部位、換言すれば固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの接合部位331において最も高くなるようにすることができる。
より具体的には、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、固体電解質体31における、各絶縁体33A,33Bとの接合部位331を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、各絶縁体33A,33Bとの接合部位331よりも積層方向Dの内側の部位を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を低くすることができる。固体電解質体31における内側の部位は、固体電解質体31の積層方向Dの中心部位を構成する。
固体電解質体31から各絶縁体33A,33BへのSrの拡散は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接合部位331の界面付近において活発になると考えられる。そのため、この接合部位331の界面付近における、ランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を高くすることにより、固体電解質体31から各絶縁体33A,33BへのSrの拡散を効果的に行うことができる。
(一態様の絶縁体33A,33B)
各絶縁体33A,33Bは、アルミナ等の絶縁性の金属酸化物中に、アルカリ土類金属としてのSrを含有している。各絶縁体33A,33BにおけるSrは、センサ素子2の製造前における、各絶縁体33A,33Bを形成するための金属酸化物シートに含有させておくことができる。また、各絶縁体33A,33BにおけるSrは、固体電解質体31から拡散したものであってもよい。
より具体的には、図12及び図13に示すように、各絶縁体33A,33Bにおける固体電解質体31との接合部位331の少なくとも一部には、アルカリ土類金属としてのSrが含まれている。各絶縁体33A,33Bにおける、固体電解質体31との接合部位331にSrを含有させておくことにより、固定電解質体から各絶縁体33A,33Bへ過剰にSrが拡散することを抑制することができる。また、各絶縁体33A,33Bにおける、固体電解質体31との接合部位331には、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物から拡散したSrが含まれていてもよい。
各絶縁体33A,33Bにおける固体電解質体31との接合部位331は、例えば、各絶縁体33A,33Bと固体電解質体31とが接触している部位であって、各絶縁体33A,33Bにおける、固体電解質体31と接触する表面から100μmの深さまでの部位とすることができる。
また、接合部位331は、各絶縁体33A,33Bにおける固体電解質体31との境界部位を含んでいればよい。センサ素子2を製造する際に、各絶縁体33A,33Bを構成するシートのうちの最も固体電解質体31の近くに位置する隣接シート332にSrが含まれるようにすることができる。この場合には、接合部位331は隣接シート332に形成される。
換言すれば、Srは、第1絶縁体33Aを構成する複数のシートのうちの、ガス室35の積層方向Dに直交する側面を形成する隣接シート332の厚みの範囲内の金属酸化物に含ませることができる。また、Srは、第2絶縁体33Bを構成する複数のシートのうちの、基準ガスダクト36の積層方向Dに直交する側面を形成する隣接シート332の厚みの範囲内の金属酸化物に含ませることができる。
各絶縁体33A,33Bの接合部位331にSrが含有されていることにより、固体電解質体31から各絶縁体33A,33Bへ過剰にSrが拡散することを抑制することができる。また、各絶縁体33A,33Bの接合部位331にSrを含有させる量を調整することにより、固体電解質体31から各絶縁体33A,33BへのSrの拡散量を適切に調整することができる。
固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、各絶縁体33A,33Bにおける、固体電解質体31との接合部位331を構成する金属酸化物としてのアルミナに含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、各絶縁体33A,33Bにおける、固体電解質体31との接合部位331よりも積層方向Dの外側の部位を構成する金属酸化物としてのアルミナに含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値は低い。各絶縁体33A,33Bにおける外側の部位は、各絶縁体33A,33Bにおける、固体電解質体31から離れた部位を構成する。
各絶縁体33A,33Bの接合部位331は、固体電解質体31からSrが拡散される部位である。この接合部位331に含まれるSrの濃度を調整することにより、固体電解質体31から各絶縁体33A,33BへのSrの拡散量を効果的に調整することができる。
(絶縁体33A,33Bの接合部位331におけるSrの含有量)
図12及び図13に示すように、各絶縁体33A,33Bの接合部位331における、Sr等のアルカリ土類金属の含有量は、10〜40質量%とすることができる。また、各絶縁体33A,33Bにおけるアルカリ土類金属の含有量は、10〜30質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがさらに好ましい。
接合部位331におけるアルカリ土類金属の含有量が10質量%未満である場合には、固体電解質体31から各絶縁体33A,33Bへのアルカリ土類金属の拡散を抑制することが難しくなる。一方、接合部位331におけるアルカリ土類金属の含有量が40質量%超過である場合には、接合部位331に添加されたアルカリ土類金属が固体電解質体31へ拡散するおそれがあり、固体電解質体31におけるアルカリ土類金属の含有量が、規定量からずれるおそれがある。
また、アルカリ土類金属としてのSrは、各絶縁体33A,33Bの全体に含有されていてもよい。この場合には、各絶縁体33A,33Bを構成するシートの製造を容易にすることができる。また、この場合には、各絶縁体33A,33Bにおける、Sr等のアルカリ土類金属の含有量は、10〜40質量%とすることができる。
(単位体積当たりの濃度の平均値の求め方)
固体電解質体31の一部及び各絶縁体33A,33Bの接合部位331等におけるSrの単位体積当たりの濃度の平均値は、次のようにして求めることができる。すなわち、センサ素子2における、固体電解質体31及び各絶縁体33A,33Bが形成された部位を、積層方向Dに平行に切断する。そして、この切断面を、エネルギー分散型X線分析法によって観察し、切断面に存在する元素の種類及び元素の濃度を測定することができる。例えば、10〜100箇所等の複数の切断面について、元素の種類及び元素の濃度を測定し、この複数の切断面についての測定値の平均値として、単位体積当たりの濃度の平均値を求めることができる。
エネルギー分散型X線分析法においては、X線、電子線等を物体に照射した際に発生する蛍光X線を半導体検出器によって検出し、発生した電子−正孔対のエネルギー及び個数に基づいて、切断面に存在する元素の種類及び元素の濃度を求めることができる。また、センサ素子2の切断面を観察する際には、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いることができる。
(電極311,312)
検出電極311及び基準電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのランタンガレート系酸化物を含有している。共材は、固体電解質体31にペースト状の電極材料を印刷(塗布)して両者を焼成する際に、電極材料によって形成される検出電極311及び基準電極312と固体電解質体31との結合強度を維持するためのものである。
図3に示すように、検出電極311及び基準電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部313が接続されており、この電極リード部313は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。
(ガス室35)
図2〜図5に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aにおける、検出電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。吸気管7内を流れる排ガスである検出対象ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
(拡散抵抗部32)
本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して形成されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口内に充填されている。ガス室35に導入される検出対象ガスGの拡散速度(流量)は、検出対象ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
拡散抵抗部32は、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して形成してもよい。この場合には、多孔質体によって形成された拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して開口された導入口内に充填される。また、図14に示すように、なお、拡散抵抗部32は、多孔質体を用いて形成する以外にも、ガス室35に連通された小さな貫通穴であるピンホール320を用いて形成することもできる。
(基準ガスダクト36)
図2〜図4に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた基準ガスダクト36が隣接して形成されている。基準ガスダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、基準電極312を収容する位置からセンサ素子2の後端位置まで形成されている。センサ素子2の長尺方向Lの後端位置には、基準ガスダクト36の後端開口部361が形成されている。基準ガスダクト36は、後端開口部361から固体電解質体31を介してガス室35と対向する位置まで形成されている。基準ガスダクト36には、後端開口部361から大気等の基準ガスAが導入される。
(発熱体34)
図2〜図5に示すように、発熱体34は、基準ガスダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が検出電極311及び基準電極312に重なる位置に配置されている。
また、発熱体34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長尺方向Lの後端側L1に繋がる一対の発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、直線部分及び曲線部分によって蛇行する線状の導体部によって形成されている。本形態の発熱部341の直線部分は、長尺方向Lに平行に形成されている。発熱体リード部342は、直線状の導体部によって形成されている。発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。発熱体リード部342は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。発熱体34は、導電性を有する金属材料を含有している。
本形態の発熱部341は、発熱体34における長尺方向Lの先端側L1の位置において、長尺方向Lに蛇行する形状に形成されている。なお、発熱部341は、幅方向Wに蛇行して形成されていてもよい。発熱部341は、長尺方向Lに直交する積層方向Dにおいて、検出電極311及び基準電極312に対向する位置に配置されている。発熱体リード部342からの通電によって発熱部341が発熱することにより、検出電極311、基準電極312、及び固体電解質体31における、各電極311,312の間に挟まれた部分が目標とする温度に加熱される。
発熱部341の断面積は、発熱体リード部342の断面積よりも小さく、発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも高い。この断面積とは、発熱部341及び発熱体リード部342が延びる方向に直交する面の断面積のことをいう。そして、一対の発熱体リード部342に電圧が印加されると、発熱部341がジュール熱によって発熱し、この発熱によって、センサ素子2の検知部21の周辺が加熱される。
なお、発熱体34は、ガス室35を形成する第1絶縁体33A内に埋設されていてもよい。また、発熱体34は、センサ素子2の内部に配置せず、センサ素子2の外部に配置するヒータとして構成することもできる。
(最短距離S)
固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接合界面Kに隣接する固体電解質体31の部位においては、固体電解質体31から各絶縁体33A,33BへのSrの拡散等により、電気抵抗値が増加する傾向にある。図15には、接合界面Kと一対の電極311,312との間の最短距離S[μm]と、一対の電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分における電気抵抗値[Ω]との関係を示す。電気抵抗値は、交流インピーダンス法によって測定し、固体電解質体31の電気抵抗値を、一対の電極311,312の電気抵抗値から分離して求めたものである。図4に、最短距離Sを示す。
同図に示すように、最短距離Sが100μmよりも小さい範囲においては、電気抵抗値が大きく、最短距離Sが100μm以上になると、電気抵抗値が小さな値に収束していくことが分かる。そのため、接合界面Kと一対の電極311,312との間の最短距離Sは、100μm以上とすることが好ましい。
(多孔質層37)
図1に示すように、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位の全周には、検出電極311に対する被毒物質、吸気管7内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が拡散抵抗部32を覆う状態で設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミック(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる検出対象ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる検出対象ガスGの流量よりも多い。
(ガスセンサ1の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2の他に、センサ素子2を保持する第1インシュレータ42、第1インシュレータ42を保持するハウジング41、第1インシュレータ42に連結された第2インシュレータ43、第2インシュレータ43に保持されてセンサ素子2に接触する接点端子44を備える。また、ガスセンサ1は、ハウジング41の先端側L1の部分に装着されてセンサ素子2の先端側L1の部分を覆う先端側カバー45、ハウジング41の後端側L2の部分に装着されて第2インシュレータ43、接点端子44等を覆う後端側カバー46、接点端子44に繋がるリード線48を後端側カバー46に保持するためのブッシュ47等を備える。
センサ素子2の先端側L1の部分及び先端側カバー45は、内燃機関の吸気管7内に配置される。先端側カバー45には、検出対象ガスGとしての排ガスを通過させるためのガス通過孔451が形成されている。先端側カバー45は、二重構造のものとすることができ、一重構造のものとすることもできる。先端側カバー45のガス通過孔451から先端側カバー45内に流入する検出対象ガスGとしての排ガスは、センサ素子2の多孔質層37及び拡散抵抗部32を通過して検出電極311へと導かれる。
後端側カバー46は、内燃機関の吸気管7の外部に配置される。後端側カバー46には、後端側カバー46内へ基準ガスAを導入するための大気導入孔461が形成されている。大気導入孔461には、液体を通過させない一方、気体を通過させるフィルタ462が配置されている。大気導入孔461から後端側カバー46内に導入される基準ガスAは、後端側カバー46内の隙間及び基準ガスダクト36を通過して基準電極312へと導かれる。
接点端子44は、検出電極311及び基準電極312の各電極リード部313、発熱体34の発熱体リード部342のそれぞれに接続されるよう、第2インシュレータ43に複数配置されている。また、リード線48は、接点端子44のそれぞれに接続されている。
図1に示すように、ガスセンサ1におけるリード線48は、ガスセンサ1におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置6に電気接続される。センサ制御装置6は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置と連携してガスセンサ1における電気制御を行うものである。センサ制御装置6には、検出電極311と基準電極312との間に流れる電流を測定する測定回路61、検出電極311と基準電極312との間に電圧を印加する印加回路62等が形成されている。なお、センサ制御装置6は、エンジン制御装置内に構築してもよい。
センサ制御装置6には、発熱体34に通電を行うための通電回路も形成されている。センサ素子2における、検出電極311、基準電極312、及び検出電極311と基準電極312との間に挟まれた固体電解質体31の部分の温度は、発熱体34への通電量によって所定の活性温度になるよう制御される。
(センサ素子2の製造方法)
センサ素子2を製造する際には、固体電解質体31を構成するシート、各絶縁体33A,33Bを構成するシート等を、積層するとともに接着層を介して接着する。また、固体電解質体31を構成するシートには、一対の電極311,312を構成するペースト材料を印刷(塗布)し、第2絶縁体33Bを構成するシートには、発熱体34を構成するペースト材料を印刷(塗布)する。そして、各シート、各ペースト材料によって形成されたセンサ素子2の中間体を、所定の焼成温度において焼成して、センサ素子2を形成する。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1においては、固体電解質体31にランタンガレート系酸化物を用いる場合に、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接合強度を高めるための工夫をしている。具体的には、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属としてのSrの濃度(含有量)を、固体電解質体31の部位によって異ならせている。
ランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属としてのSrは、各絶縁体33A,33Bを構成する金属酸化物としてのアルミナとの反応性がよく、固体電解質体31から各絶縁体33A,33Bへ拡散することが発明者らの研究開発によって見出された。そして、センサ素子2においては、固体電解質体31内に、アルカリ土類金属の濃度の分布を意図的に形成する。
アルカリ土類金属としてのSrは、各絶縁体33A,33Bを構成する金属酸化物としてのアルミナと反応することによって、固体電解質体31から各絶縁体33A,33Bへ拡散する。そして、各絶縁体33A,33Bに拡散したSrによって、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接合強度を高めることができる。また、固体電解質体31における、電極形成部位315又は内側部位317におけるアルカリ土類金属の濃度を、電極非形成部位316又は外側部位318におけるアルカリ土類金属の濃度と異ならせることによって、固体電解質体31によるイオン伝導特性を適切に維持することができる。
それ故、本形態のガスセンサ1によれば、固体電解質体31によるイオン伝導特性を維持して、固体電解質体31と基体としての各絶縁体33A,33Bとの接合強度を高めることができる。
本形態のガスセンサ1には、ランタンガレート系酸化物からなる固体電解質体31を用いていることにより、500℃以下の低温環境下においても活性化が可能である。また、固体電解質体31の厚みをできるだけ薄くすることにより、固体電解質体31を酸素イオンがより伝導しやすくすることができる。また、本形態のガスセンサ1を用いることにより、固体電解質体31を加熱するヒータの消費電力を減らすことができ、エンジン始動時からガスセンサ1が活性化するまでの時間を短縮することができる。そして、本形態のガスセンサ1は、排ガスの浄化率の向上、排気再循環機構の高効率化等に寄与する。
<確認試験1>
本確認試験においては、固体電解質体31又は絶縁体33A,33BにSrが添加されたセンサ素子2についての試験品1〜3、及び固体電解質体31及び絶縁体33A,33B(基体)にSrが添加されていない比較のためのセンサ素子についての比較品1〜3について、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの間に剥離が生じたか否かを確認し、固体電解質体31の電気抵抗値を測定した。
(比較品1)
比較品1は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成せず、絶縁体33A,33Bにアルミナを用いた場合である。比較品1において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
(比較品2)
比較品2は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成しない一方、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの間に酸化セリウムを形成した場合である。比較品2において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。また、比較品2においては、絶縁体33A,33Bにアルミナを用いた。
(比較品3)
比較品3は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成せず、基体にジルコニアを用いた場合である。比較品3において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
(試験品1)
試験品1は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成せず、絶縁体33A,33Bに、Srが20質量%添加されたアルミナを用いた場合である(図12及び図13参照)。試験品1において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。また、試験品1において、絶縁体33A,33BにおけるSrは、ガス室35の側面を形成する第1絶縁体33Aのシート及び基準ガスダクト36の側面を形成する第2絶縁体33Bのシートに添加した。
(試験品2)
試験品2は、固体電解質体31の外側部位318におけるSrの濃度を内側部位317に比べて高くするために、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを内側部位317に用いるとともに、La0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを外側部位318に用い、絶縁体33A,33Bに、アルミナを用いた場合である(図8及び図9参照)。試験品2において、固体電解質体31の内側部位317におけるSrの濃度は、0.2とし、固体電解質体31の外側部位318におけるSrの濃度は、0.3とした。
(試験品3)
試験品3は、固体電解質体31の内側部位317におけるSrの濃度を外側部位318に比べて高くするために、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを内側部位317に用いるとともに、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δを外側部位318に用い、絶縁体33A,33Bに、アルミナを用いた場合である(図10及び図11参照)。試験品3において、固体電解質体31の内側部位317におけるSrの濃度は、0.3とし、固体電解質体31の外側部位318におけるSrの濃度は、0.2とした。
なお、比較品1〜3及び試験品1〜3における固体電解質体31及び絶縁体33A,33B(基体)の組成は、焼成前のシートにおける組成(仕込み量)として表す。固体電解質体31及び絶縁体33A,33Bが焼成された後には、Srの拡散が生じ、固体電解質体31及び絶縁体33A,33Bの組成に若干の変化が生じる。
試験品1〜3及び比較品1〜3における、剥離の有無及び固体電解質体31の電気抵抗値を確認した結果を表1に示す。
Figure 2020085504
(評価)
表1に示すように、Srの濃度分布がないランタンガレート系酸化物からなる固体電解質体31を用いた比較品1においては、センサ素子2の製造時に、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの間に剥離が発生しなかったものの、固体電解質体31の電気抵抗値が900Ωと高くなった。この理由は、固体電解質体31から絶縁体33A,33BへSrが拡散し、固体電解質体31のイオン伝導性が低下したためであると考える。比較品1の評価は×(改善の余地あり)となった。
固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの間に酸化セリウムが形成された比較品2、及び基体にジルコニアを用いた比較品3においては、固体電解質体31の電気抵抗値はそれほど高くならなかったものの、センサ素子2の製造時に、固体電解質体31と絶縁体33A,33B又は基体との間に剥離が発生した。この理由は、固体電解質体31と絶縁体33A,33B又は基体との結合強度が小さかったためであると考える。比較品2,3の評価は×(改善の余地あり)となった。
一方、Srが添加されたアルミナからなる基体を用いた試験品1、及び固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物のSrに濃度分布がある試験品2,3においては、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの間に剥離が発生せず、かつ固体電解質体31の電気抵抗値も小さくなった。これにより、実施形態に示したセンサ素子2によれば、固体電解質体31によるイオン伝導特性を高く維持するとともに、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの接合強度を高く維持できることが分かった。試験品1〜3の評価は○(良好)となった。
<確認試験2>
本確認試験においては、ランタンガレート系酸化物から構成された固体電解質体31の単体(基準品)におけるSrの分布量を基準とし、固体電解質体31にアルミナから構成された基体33が積層された種々の場合(試験品A〜E)について、固体電解質体31におけるSrの分布量を観察した。基準品及び試験品A〜Eは、センサ素子2の模擬品とした。
(基準品)
基準品は、図16(a)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δから構成された固体電解質体31の単体である。基準品において、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
(試験品A)
試験品Aは、図16(b)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δから構成された固体電解質体31に、アルミナから構成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Aにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前の(製造時の仕込み量としての)Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
(試験品B)
試験品Bは、図16(c)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δから構成された固体電解質体31に、Srが20質量%添加されたアルミナから構成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Bにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
(試験品C)
試験品Cは、図16(d)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δから構成された固体電解質体31に、アルミナから構成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Cにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.3とした。
(試験品D)
試験品Dは、図16(e)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δから構成された固体電解質体31に、アルミナから構成されるとともに気体が通過可能な空間350が形成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Dにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
(試験品E)
試験品Eは、図16(f)に示すように、Srの濃度分布を有するランタンガレート系酸化物(LSGMN)から構成された固体電解質体31に、アルミナから構成されるとともに気体が通過可能な空間350が形成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Eにおいて、固体電解質体31における、空間350と接する内側部位317は、La0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δによって構成し、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、0.3とした。また、試験品Eにおいて、固体電解質体31における、基体33と接する外側部位318は、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.13-δによって構成し、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、0.2とした。
(評価)
本確認試験においては、固体電解質体31を切断した断面に、エネルギー分散型X線分析装置による電子ビームを照射して、この断面に存在するSrの分布量を測定した。断面に存在するSrの分布量は、Srの信号強度として表される。基準品におけるSrの信号強度を1とし、試験品A〜EにおけるSrの信号強度が、基準品と比較してどれだけ減少したかを確認した。基準品及び試験品A〜Eにおける、Srの信号強度を確認した結果を、図17に示す。
同図に示すように、試験品Aにおいては、Srの信号強度が約0.7となり、基準品に対して、固体電解質体31におけるSrの分布量が大幅に減少することが分かった。この理由は、Srが固体電解質体31から基体33へ分散したためである。
試験品Bにおいては、Srの信号強度が約0.92となり、基準品に対して、固体電解質体31におけるSrの分布量の減少幅が縮小されることが分かった。この理由は、基体33に予めSrが含まれていることによって、Srが固体電解質体31から基体33へ過剰に分散されなかったためである。
試験品Cにおいては、Srの信号強度が1に近くなり、固体電解質体31におけるSrの分布量が基準品と同等になることが分かった。この理由は、Srが固体電解質体31から基体33へ分散しても、固体電解質体31に予め過剰なSrが含まれていたことにより、固体電解質体31におけるSrの分布量が十分に確保されたためである。
試験品Dにおいては、Srの信号強度が約0.9となり、基準品に対するSrの分布量の減少幅が縮小されることが分かった。この理由は、基体33における空間350の形成により、固体電解質体31から基体33へのSrの拡散が抑制されたためである。
試験品Eにおいては、Srの信号強度が1に近くなり、固体電解質体31におけるSrの分布量が基準品と同等になることが分かった。この理由は、基体33における空間350の形成により、固体電解質体31から基体33へのSrの拡散が抑制され、かつ固体電解質体31の内側部位317に予め過剰なSrが含まれていたことにより、固体電解質体31におけるSrの分布量が十分に確保されたためである。
なお、試験品D,Eにおける、Srの信号強度を測定した固体電解質体31の部位は、基体33と接合された外側部位318とした。
以上の結果より、特に、試験品B,C,Eとして、基体33を構成するアルミナに予めSrを添加しておくこと、又は固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に予め過剰なSrを含有させておくことにより、固体電解質体31から基体33への過剰なSrの拡散が抑制されることが分かった。
本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
31 固体電解質体
311 検出電極
312 基準電極
315 電極形成部位
316 電極非形成部位
317 内側部位
318 外側部位
33A,33B 絶縁体(基体)

Claims (8)

  1. センサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    ランタンガレート系酸化物によって構成された板状の固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体の表面(301,302)に設けられた一対の電極(311,312)と、
    前記固体電解質体に積層され、金属酸化物によって構成された板状の基体(33A,33B)と、を有し、
    前記固体電解質体を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、前記固体電解質体の部位によって異なっている、ガスセンサ。
  2. 前記固体電解質体における、一対の前記電極の間に挟まれた電極形成部位(315)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記電極形成部位を除く電極非形成部位(316)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が高い、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記固体電解質体における、一対の前記電極の間に挟まれた電極形成部位(315)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記電極形成部位を除く電極非形成部位(316)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が低い、請求項1に記載のガスセンサ。
  4. 前記基体は、前記固体電解質体の第1表面(301)に積層された第1基体(33A)と、前記固体電解質体の、前記第1表面と反対側の第2表面(302)に積層された第2基体(33B)とがあり、
    前記第1基体における、前記第1表面に隣接する部位には、拡散抵抗部(32)を介して検出対象ガス(G)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの検出電極(311)を収容するガス室(35)が形成されており、
    前記第2基体における、前記第2表面に隣接する部位には、基準ガス(A)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの基準電極(312)を収容する基準ガスダクト(36)が形成されており、
    前記固体電解質体における、前記ガス室と前記基準ガスダクトとの間に位置する内側部位(317)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記内側部位を除く外側部位(318)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が高い、請求項1に記載のガスセンサ。
  5. 前記基体は、前記固体電解質体の第1表面(301)に積層された第1基体(33A)と、前記固体電解質体の、前記第1表面と反対側の第2表面(302)に積層された第2基体(33B)とがあり、
    前記第1基体における、前記第1表面に隣接する部位には、拡散抵抗部(32)を介して検出対象ガス(G)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの検出電極(311)を収容するガス室(35)が形成されており、
    前記第2基体における、前記第2表面に隣接する部位には、基準ガス(A)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの基準電極(312)を収容する基準ガスダクト(36)が形成されており、
    前記固体電解質体における、前記ガス室と前記基準ガスダクトとの間に位置する内側部位(317)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記内側部位を除く外側部位(318)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が低い、請求項1に記載のガスセンサ。
  6. 前記基体における、前記固体電解質体との接合部位(331)の少なくとも一部には、アルカリ土類金属が含まれている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  7. 前記固体電解質体と前記基体との積層方向(D)において、前記基体における、前記固体電解質体との接合部位(331)を構成する金属酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記基体における、前記固体電解質体との前記接合部位よりも前記積層方向の外側の部位を構成する金属酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が低い、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  8. 前記基体の全体には、アルカリ土類金属が含まれている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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