JP2020085504A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
Description
前記センサ素子は、
ランタンガレート系酸化物によって構成された板状の固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体の表面(301,302)に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体に積層され、金属酸化物によって構成された板状の基体(33A,33B)と、を有し、
前記固体電解質体を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、前記固体電解質体の部位によって異なっている、ガスセンサにある。
<実施形態>
本形態のガスセンサ1は、図1〜図5に示すように、検出対象ガスGにおけるガス検出を行うセンサ素子2を備える。センサ素子2は、ランタンガレート系酸化物によって構成された板状の固体電解質体31と、固体電解質体31の表面301,302に互いに対向して設けられた一対の電極311,312と、固体電解質体31に積層され、絶縁性の金属酸化物によって構成された板状の基体としての絶縁体33A,33Bとを有する。固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、固体電解質体31の部位によって異なっている。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、本形態のガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)から排気管に排気される排ガスの一部を内燃機関の吸気管7に再循環させる排気再循環機構(EGR)の吸気管7の取付口71に配置されて使用される。そして、ガスセンサ1は、吸気管7内の燃焼用空気と排ガスとの混合気体を検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度を検出する吸気酸素センサとして使用される。
図2〜図5に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の直方体形状に形成されており、固体電解質体31、一対の電極としての検出電極311及び基準電極312、第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、ガス室35、基準ガスダクト36及び発熱体34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。
図3及び図4に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物は、ペロブスカイト構造を有するものであり、La1-xAxGa1-yByO3-δの構造式によって示されるものである。ただし、Aは、アルカリ土類金属としてのSr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、Ba(バリウム)のうちの少なくとも1つであり、Bは、Mg(マグネシウム)、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Co(コバルト)のうちの少なくとも1つであることを示す。また、xは0〜0.3の値をとり、yは0〜0.3の値をとり、δは、酸素の欠乏量を示し、0〜0.5の値をとる。
固体電解質体31の各部位におけるSrの濃度は、種々の態様で異ならせることができる。第1態様の固体電解質体31として、図3及び図4に示すように、固体電解質体31における、一対の電極311,312の間に挟まれた電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、電極形成部位315を除く電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を高くすることができる。
第2態様の固体電解質体31としては、図6及び図7に示すように、第1態様とは逆に、固体電解質体31における、一対の電極311,312の間に挟まれた電極形成部位315を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、電極形成部位315を除く電極非形成部位316を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を低くすることもできる。
図3及び図4に示すように、第1絶縁体33Aにおける、固体電解質体31の第1表面301に隣接する部位には、拡散抵抗部32を介して検出対象ガスGが導入されるとともに、一対の電極311,312のうちの検出電極311を収容するガス室35が形成されている。第2絶縁体33Bにおける、固体電解質体31の第2表面302に隣接する部位には、基準ガスAが導入されるとともに、一対の電極311,312のうちの基準電極312を収容する基準ガスダクト36が形成されている。また、第2絶縁体33Bには、発熱体34が埋設されている。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の絶縁性の金属酸化物によって構成されている。
第3態様の固体電解質体31としては、図8及び図9に示すように、ガス室35及び基準ガスダクト36が形成された部位を境界として、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの濃度を異ならせることができる。具体的には、固体電解質体31における、ガス室35と基準ガスダクト36との積層方向Dの間に位置する内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、内側部位317を除く外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を高くすることができる。内側部位317は、センサ素子2を積層方向Dから見たときに、ガス室35と基準ガスダクト36とが重なる部位とする。
第4態様の固体電解質体31としては、図10及び図11に示すように、第3態様とは逆に、固体電解質体31における、ガス室35と基準ガスダクト36との積層方向Dの間に位置する内側部位317を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、固体電解質体31における、内側部位317を除く外側部位318を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値を低くすることができる。
また、図示は省略するが、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるSrの単位体積当たりの濃度の平均値は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bの積層方向Dにおいて、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接触部位、換言すれば固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの接合部位331において最も高くなるようにすることができる。
各絶縁体33A,33Bは、アルミナ等の絶縁性の金属酸化物中に、アルカリ土類金属としてのSrを含有している。各絶縁体33A,33BにおけるSrは、センサ素子2の製造前における、各絶縁体33A,33Bを形成するための金属酸化物シートに含有させておくことができる。また、各絶縁体33A,33BにおけるSrは、固体電解質体31から拡散したものであってもよい。
図12及び図13に示すように、各絶縁体33A,33Bの接合部位331における、Sr等のアルカリ土類金属の含有量は、10〜40質量%とすることができる。また、各絶縁体33A,33Bにおけるアルカリ土類金属の含有量は、10〜30質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがさらに好ましい。
固体電解質体31の一部及び各絶縁体33A,33Bの接合部位331等におけるSrの単位体積当たりの濃度の平均値は、次のようにして求めることができる。すなわち、センサ素子2における、固体電解質体31及び各絶縁体33A,33Bが形成された部位を、積層方向Dに平行に切断する。そして、この切断面を、エネルギー分散型X線分析法によって観察し、切断面に存在する元素の種類及び元素の濃度を測定することができる。例えば、10〜100箇所等の複数の切断面について、元素の種類及び元素の濃度を測定し、この複数の切断面についての測定値の平均値として、単位体積当たりの濃度の平均値を求めることができる。
検出電極311及び基準電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのランタンガレート系酸化物を含有している。共材は、固体電解質体31にペースト状の電極材料を印刷(塗布)して両者を焼成する際に、電極材料によって形成される検出電極311及び基準電極312と固体電解質体31との結合強度を維持するためのものである。
図2〜図5に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aにおける、検出電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。吸気管7内を流れる排ガスである検出対象ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して形成されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aにおいて、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口内に充填されている。ガス室35に導入される検出対象ガスGの拡散速度(流量)は、検出対象ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
図2〜図4に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた基準ガスダクト36が隣接して形成されている。基準ガスダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、基準電極312を収容する位置からセンサ素子2の後端位置まで形成されている。センサ素子2の長尺方向Lの後端位置には、基準ガスダクト36の後端開口部361が形成されている。基準ガスダクト36は、後端開口部361から固体電解質体31を介してガス室35と対向する位置まで形成されている。基準ガスダクト36には、後端開口部361から大気等の基準ガスAが導入される。
図2〜図5に示すように、発熱体34は、基準ガスダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が検出電極311及び基準電極312に重なる位置に配置されている。
固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接合界面Kに隣接する固体電解質体31の部位においては、固体電解質体31から各絶縁体33A,33BへのSrの拡散等により、電気抵抗値が増加する傾向にある。図15には、接合界面Kと一対の電極311,312との間の最短距離S[μm]と、一対の電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分における電気抵抗値[Ω]との関係を示す。電気抵抗値は、交流インピーダンス法によって測定し、固体電解質体31の電気抵抗値を、一対の電極311,312の電気抵抗値から分離して求めたものである。図4に、最短距離Sを示す。
図1に示すように、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位の全周には、検出電極311に対する被毒物質、吸気管7内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が拡散抵抗部32を覆う状態で設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミック(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる検出対象ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる検出対象ガスGの流量よりも多い。
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2の他に、センサ素子2を保持する第1インシュレータ42、第1インシュレータ42を保持するハウジング41、第1インシュレータ42に連結された第2インシュレータ43、第2インシュレータ43に保持されてセンサ素子2に接触する接点端子44を備える。また、ガスセンサ1は、ハウジング41の先端側L1の部分に装着されてセンサ素子2の先端側L1の部分を覆う先端側カバー45、ハウジング41の後端側L2の部分に装着されて第2インシュレータ43、接点端子44等を覆う後端側カバー46、接点端子44に繋がるリード線48を後端側カバー46に保持するためのブッシュ47等を備える。
センサ素子2を製造する際には、固体電解質体31を構成するシート、各絶縁体33A,33Bを構成するシート等を、積層するとともに接着層を介して接着する。また、固体電解質体31を構成するシートには、一対の電極311,312を構成するペースト材料を印刷(塗布)し、第2絶縁体33Bを構成するシートには、発熱体34を構成するペースト材料を印刷(塗布)する。そして、各シート、各ペースト材料によって形成されたセンサ素子2の中間体を、所定の焼成温度において焼成して、センサ素子2を形成する。
本形態のガスセンサ1においては、固体電解質体31にランタンガレート系酸化物を用いる場合に、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの接合強度を高めるための工夫をしている。具体的には、固体電解質体31を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属としてのSrの濃度(含有量)を、固体電解質体31の部位によって異ならせている。
本確認試験においては、固体電解質体31又は絶縁体33A,33BにSrが添加されたセンサ素子2についての試験品1〜3、及び固体電解質体31及び絶縁体33A,33B(基体)にSrが添加されていない比較のためのセンサ素子についての比較品1〜3について、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの間に剥離が生じたか否かを確認し、固体電解質体31の電気抵抗値を測定した。
比較品1は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成せず、絶縁体33A,33Bにアルミナを用いた場合である。比較品1において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
比較品2は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成しない一方、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの間に酸化セリウムを形成した場合である。比較品2において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。また、比較品2においては、絶縁体33A,33Bにアルミナを用いた。
比較品3は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成せず、基体にジルコニアを用いた場合である。比較品3において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
試験品1は、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを固体電解質体31に用いるとともに、固体電解質体31にSrの濃度分布を形成せず、絶縁体33A,33Bに、Srが20質量%添加されたアルミナを用いた場合である(図12及び図13参照)。試験品1において、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。また、試験品1において、絶縁体33A,33BにおけるSrは、ガス室35の側面を形成する第1絶縁体33Aのシート及び基準ガスダクト36の側面を形成する第2絶縁体33Bのシートに添加した。
試験品2は、固体電解質体31の外側部位318におけるSrの濃度を内側部位317に比べて高くするために、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを内側部位317に用いるとともに、La0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを外側部位318に用い、絶縁体33A,33Bに、アルミナを用いた場合である(図8及び図9参照)。試験品2において、固体電解質体31の内側部位317におけるSrの濃度は、0.2とし、固体電解質体31の外側部位318におけるSrの濃度は、0.3とした。
試験品3は、固体電解質体31の内側部位317におけるSrの濃度を外側部位318に比べて高くするために、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを内側部位317に用いるとともに、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δを外側部位318に用い、絶縁体33A,33Bに、アルミナを用いた場合である(図10及び図11参照)。試験品3において、固体電解質体31の内側部位317におけるSrの濃度は、0.3とし、固体電解質体31の外側部位318におけるSrの濃度は、0.2とした。
表1に示すように、Srの濃度分布がないランタンガレート系酸化物からなる固体電解質体31を用いた比較品1においては、センサ素子2の製造時に、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとの間に剥離が発生しなかったものの、固体電解質体31の電気抵抗値が900Ωと高くなった。この理由は、固体電解質体31から絶縁体33A,33BへSrが拡散し、固体電解質体31のイオン伝導性が低下したためであると考える。比較品1の評価は×(改善の余地あり)となった。
本確認試験においては、ランタンガレート系酸化物から構成された固体電解質体31の単体(基準品)におけるSrの分布量を基準とし、固体電解質体31にアルミナから構成された基体33が積層された種々の場合(試験品A〜E)について、固体電解質体31におけるSrの分布量を観察した。基準品及び試験品A〜Eは、センサ素子2の模擬品とした。
基準品は、図16(a)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δから構成された固体電解質体31の単体である。基準品において、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
試験品Aは、図16(b)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δから構成された固体電解質体31に、アルミナから構成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Aにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前の(製造時の仕込み量としての)Srの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
試験品Bは、図16(c)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δから構成された固体電解質体31に、Srが20質量%添加されたアルミナから構成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Bにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
試験品Cは、図16(d)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δから構成された固体電解質体31に、アルミナから構成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Cにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.3とした。
試験品Dは、図16(e)に示すように、ランタンガレート系酸化物(LSGMN)であるLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δから構成された固体電解質体31に、アルミナから構成されるとともに気体が通過可能な空間350が形成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Dにおいて、固体電解質体31にSrの濃度分布は形成しておらず、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、固体電解質体31の全体において、0.2とした。
試験品Eは、図16(f)に示すように、Srの濃度分布を有するランタンガレート系酸化物(LSGMN)から構成された固体電解質体31に、アルミナから構成されるとともに気体が通過可能な空間350が形成された基体33を焼成によって積層したものである。試験品Eにおいて、固体電解質体31における、空間350と接する内側部位317は、La0.7Sr0.3Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δによって構成し、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、0.3とした。また、試験品Eにおいて、固体電解質体31における、基体33と接する外側部位318は、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.1Ni0.1O3-δによって構成し、焼成前のSrの濃度(SrによるLaサイトの置換量)は、0.2とした。
本確認試験においては、固体電解質体31を切断した断面に、エネルギー分散型X線分析装置による電子ビームを照射して、この断面に存在するSrの分布量を測定した。断面に存在するSrの分布量は、Srの信号強度として表される。基準品におけるSrの信号強度を1とし、試験品A〜EにおけるSrの信号強度が、基準品と比較してどれだけ減少したかを確認した。基準品及び試験品A〜Eにおける、Srの信号強度を確認した結果を、図17に示す。
2 センサ素子
31 固体電解質体
311 検出電極
312 基準電極
315 電極形成部位
316 電極非形成部位
317 内側部位
318 外側部位
33A,33B 絶縁体(基体)
Claims (8)
- センサ素子(2)を備えるガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
ランタンガレート系酸化物によって構成された板状の固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体の表面(301,302)に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体に積層され、金属酸化物によって構成された板状の基体(33A,33B)と、を有し、
前記固体電解質体を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の濃度は、前記固体電解質体の部位によって異なっている、ガスセンサ。 - 前記固体電解質体における、一対の前記電極の間に挟まれた電極形成部位(315)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記電極形成部位を除く電極非形成部位(316)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が高い、請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記固体電解質体における、一対の前記電極の間に挟まれた電極形成部位(315)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記電極形成部位を除く電極非形成部位(316)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が低い、請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記基体は、前記固体電解質体の第1表面(301)に積層された第1基体(33A)と、前記固体電解質体の、前記第1表面と反対側の第2表面(302)に積層された第2基体(33B)とがあり、
前記第1基体における、前記第1表面に隣接する部位には、拡散抵抗部(32)を介して検出対象ガス(G)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの検出電極(311)を収容するガス室(35)が形成されており、
前記第2基体における、前記第2表面に隣接する部位には、基準ガス(A)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの基準電極(312)を収容する基準ガスダクト(36)が形成されており、
前記固体電解質体における、前記ガス室と前記基準ガスダクトとの間に位置する内側部位(317)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記内側部位を除く外側部位(318)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が高い、請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記基体は、前記固体電解質体の第1表面(301)に積層された第1基体(33A)と、前記固体電解質体の、前記第1表面と反対側の第2表面(302)に積層された第2基体(33B)とがあり、
前記第1基体における、前記第1表面に隣接する部位には、拡散抵抗部(32)を介して検出対象ガス(G)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの検出電極(311)を収容するガス室(35)が形成されており、
前記第2基体における、前記第2表面に隣接する部位には、基準ガス(A)が導入されるとともに、一対の前記電極のうちの基準電極(312)を収容する基準ガスダクト(36)が形成されており、
前記固体電解質体における、前記ガス室と前記基準ガスダクトとの間に位置する内側部位(317)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記固体電解質体における、前記内側部位を除く外側部位(318)を構成するランタンガレート系酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が低い、請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記基体における、前記固体電解質体との接合部位(331)の少なくとも一部には、アルカリ土類金属が含まれている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記固体電解質体と前記基体との積層方向(D)において、前記基体における、前記固体電解質体との接合部位(331)を構成する金属酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値に比べて、前記基体における、前記固体電解質体との前記接合部位よりも前記積層方向の外側の部位を構成する金属酸化物に含まれるアルカリ土類金属の単位体積当たりの濃度の平均値が低い、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記基体の全体には、アルカリ土類金属が含まれている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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