JP2001093325A - LaGaO3系電子−酸素イオン混合伝導体及びそれを用いた酸素透過膜 - Google Patents
LaGaO3系電子−酸素イオン混合伝導体及びそれを用いた酸素透過膜Info
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Abstract
性を有するLaGaO3電子−酸素イオン混合伝導体を
提供する。また、酸素の分圧の差のみにより酸素を透過
させることのできる優れた性能の酸素透過膜を提供す
る。 【解決手段】 La2O3、SrCO3、Ga2O3、Fe2
O3を所定の化学量論比になるように混合し、大気中
で、温度1000℃にて6時間仮焼し、得られた仮焼体
を粉砕後、再びよく混合し、大気中で、温度1500℃
にて6時間焼成することにより得られる。この焼結体を
所定の大きさに研磨する等の加工を施し、酸素透過膜が
得られる。この酸素透過膜は、酸素を酸素濃度の高い側
から低い側へ透過することができ、温度1000℃にお
けるその酸素透過量は89μmol/cm2・minを
達成することができる。
Description
子−酸素イオン混合伝導体(以下、単に「LaGaO3
系混合伝導体」ともいう。)及びそれを用いた酸素透過
膜に関する。更に詳しくは、ペロブスカイト型結晶構造
を有するLaGaO3系焼結体のLaサイトの一部にS
r、Ca及びBaが固溶され、Gaサイトの一部にFe
が固溶されており、優れた酸素イオン伝導性及び電子伝
導性からなる混合イオン伝導性を具備するLaGaO3
系混合伝導体に関する。また、優れた耐還元性を有し、
飛躍的に大きな酸素透過性を有するLaGaO3系混合
伝導体に関する。更に、このLaGaO3系混合伝導体
を利用した酸素透過膜に関する。本発明のLaGaO3
系混合伝導体は、センサ、電極、及び酸素透過膜等とし
て使用することができる。更に、本発明の酸素透過膜
は、炭化水素の部分酸化用酸素分離膜として使用するこ
とができる。
ル、イオンがある。本発明では、これらを同時に移動さ
せることができるものを総称して電子−酸素イオン混合
伝導体と称する。この電子−酸素イオン混合伝導体は、
センサ、電極等への応用に加え、酸素透過膜への応用が
期待されている。これまで、電子−酸素イオン混合伝導
体としてLaCoO3系、LaFeO3系、又はSeFe
O3系などの材料が知られている。しかし、これらの材
料はいずれも酸素透過量が少ない。更に、電子−酸素イ
オン混合伝導体自身が還元され易く、低酸素分圧下にお
ける使用が困難である。また、現在、CH4を部分酸化
することで合成ガスを製造する方法がメタンのアップ・
グレーディングの観点より注目されている。この方法に
おいては、供給される空気から酸素を分離する必要があ
り、CH4−空気の広い酸素分圧下で安定に酸素を輸送
できる材料が望まれている。
イオン伝導性の高い材料であり、耐還元性を有すること
が知られており、特開平9−161824号公報に開示
されているように、LaGaO3系焼結体の両面に電極
を形成することによって低温領域において優れた発電特
性を有する固体電解質型燃料電池として利用することが
できる。また、このLaGaO3系焼結体からなる固体
電解質に電極を取り付け、外部回路を形成することで、
酸素分圧の高い側から、低い側へ酸素を透過させること
が可能となる。
9)2081−2088に開示されているように、LaGaO3の
GaサイトにCoを固溶させると電子伝導性が大きくな
り、電圧を印加することなく酸素分圧の高い側から低い
側に酸素を透過させることができることが知られてい
る。しかし、酸素の透過量は1000℃において約30
μmol/cm2・minと少ない。
透過性能を有し、且つ高い耐還元性を備えるLaGaO
3系混合伝導体を提供することを課題とする。そして、
本発明は、電極を形成することなく、比較的低温におい
ても酸素を透過させることができ、且つ、特にその酸素
透過量が飛躍的に多い酸素透過膜を提供することを課題
とする。
3系混合伝導体は、ペロブスカイト型結晶構造を有し、
一般式(La1-xMx)(Ga1-yFey)O3 - δで表さ
れ、MはSr、Ca及びBaのうちの少なくとも1種で
あり、yは0.2〜0.6であることを特徴とする。
aGaO3を基本とするペロブスカイト型結晶格子から
なり、この結晶格子中のLaの一部は、Sr、Ca及び
Baの少なくとも一種によって置換され、Gaの一部
は、Feによって置換されている焼結体である。本発明
においては、LaサイトにMを固溶させることにより酸
素イオン伝導性を向上させ、GaサイトにFeを固溶さ
せることにより電子伝導性を向上させることができ、そ
れによって混合伝導体とすることができる。特に、同様
な性質を有するCoと比べて、Feを固溶させた場合は
Mの固溶量を増加させることができる。但し、本発明に
おいて「電子伝導性」はホール伝導性を含む意味に用い
るものとする。
aO3系混合伝導体において、La及びGaの酸化数は
通常それぞれ+3であるが、本発明のLaGaO3系混
合伝導体では、このLaサイトに、安定な酸化数が+2
であるMを固溶させることにより、結晶格子中に酸素欠
陥が形成され、これにより酸素イオン伝導性が向上して
いるものと考えられる。また、Gaサイトに安定な酸化
数が+3であるFeを固溶させた場合、酸素分圧が高く
なると、このFeの酸化数は+4となりホールが形成さ
れる。これにより優れた電子伝導性が発現しているもの
と考えられる。
伝導体の結晶中におけるイオン半径がLaのそれに近い
金属であることが好ましい。これによりMは結晶中のL
aサイトに固溶しやすくなる。従って、MはSr、Ca
及びBaとすることができる。このことは、Ga及びF
eの結晶中のイオン半径についても同様である。
半径が最もLaのイオン半径に近いSrが好ましい。ま
た、Laサイトに固溶するSrの量比を表すxは0.0
5〜0.6であることが好ましく、0.2〜0.4であ
ることがより好ましい。このxが0.05未満であると
LaサイトにMを固溶させたことによる効果が十分に得
られないため好ましくない。このxが0.6を超える
と、固溶しないMが酸化物等として混合伝導体中に析出
し、別相を形成することにより、酸素イオン伝導性が十
分に向上しないため好ましくない。
トに固溶しているFeの量比を表わす。このyは0.2
〜0.6であり、0.25〜0.45とすることが好ま
しい。このyが0.2未満であるとGaサイトにFeを
固溶させたことによる効果が十分に得られないため好ま
しくない。このyが0.6を超えると、固溶しないFe
が酸化物等として混合伝導体中に析出し、別相を形成す
ることにより、酸素イオン伝導性が十分に向上しないた
め好ましくない。
は0.05〜0.6、且つyは0.2〜0.6であるこ
とが好ましく、xは0.2〜0.4、且つyは0.25
〜0.45であることがより好ましい。尚、上記「δ」
は、Laサイト及びGaサイトに固溶するM及びFeの
量比により変化する値である。従って、「3−δ」は上
記一般式における酸素原子が、mol比において正確に
(La1-xMx)及び(Ga1-yFey)に対して3倍量が
結晶格子中に含まれないことを表すものである。
量は、特に限定されず大きいほど好ましく、1000℃
において測定した場合の酸素透過量(以下、T1000とも
表す。)を30μmol/cm2・min以上とするこ
とができる。更に、50μmol/cm2・min以上
とすることができ、特に70μmol/cm2・min
以上とすることができる。(最高値は、少なくとも90
μmol/cm2・min以上である。
系混合伝導体を直径15.7mm、厚さ0.5mmの円
盤状に成形し、この円盤の一面が流速50cc/min
の乾燥空気に接し、他面が流速50cc/minの窒素
に接する場合(以下、単に「窒素−空気系」という。)
に、この乾燥空気側から窒素側へ透過する酸素の量を測
定することにより求めた場合の値である。尚、この酸素
透過量は、酸素分圧差に依存するため、一面がメタンに
接し、他面が空気に接する場合(以下、単に「メタン−
空気系」という。)は、250μmol/cm2・mi
n以上とすることができる。
素−空気系においては、xを0.25、且つyを0.4
とすることにより、T1000は80μmol/cm2・m
in以上とすることができる。更に、xを0.3、且つ
yを0.4とすることにより、T1000は90μmol/
cm2・min以上とすることができる。
は、高い耐還元性を有する。この耐還元性とは、還元雰
囲気に曝された場合に混合伝導体が還元され難く、La
GaO3系混合伝導体の結晶構造を保つことができるこ
とをいう。この耐還元性は、LaGaO3系混合伝導体
を還元性雰囲気に曝すことによる重量変化で評価するこ
とができる。この重量変化が少ないほど還元性雰囲気に
おける安定性が高い。耐還元性は、示差熱分析(以下、
単に「TG−DTA」という。)により評価することが
できる。例えば、示差熱分析装置の試料皿にLaGaO
3系混合伝導体を載置し、一酸化炭素を10体積%含有
する窒素基準気体を毎分200ccで通過させながら加
熱し、昇温させ、その重量変化を測定することにより評
価することができる。このような測定において、本発明
のLaGaO3系混合伝導体は30〜900℃まで昇温
させた場合であっても、その重量変化は、0.1%以下
(更には0.09%以下)と低く、十分な耐還元性を有
する。
合伝導体では、ペロブスカイト型結晶構造を形成させる
ため、更に、Laサイト及びGaサイトに各元素を固溶
させるため大きな熱エネルギーを必要とする。従って、
比較的高温で2回以上の焼成を行うことが好ましい。具
体的には、Sr、Ca、Ba、La、Ga及びFe等を
含有する化合物からなる原料粉末を所定の割合に混合
し、大気中で温度800〜1200℃にて3〜10時間
仮焼し、得られた仮焼物を粉末にし、これを成形した
後、大気中で温度1350〜1550℃にて3〜10時
間焼成することにより得ることができる。また、この原
料粉末として、各粉末が均一に混合された、分散性に優
れたものを使用することが特に好ましい。
末を乳鉢等でよく混合することで達成することができ
る。この場合、各金属化合物としては、La、Sr、C
a、Ba、Ga、Feのそれぞれの酸化物、炭酸塩、水
酸化物、複合金属酸化物、複合金属炭酸塩、シュウ酸塩
等の加熱によりLa、Sr、Ca、Ba、Ga、Feの
各酸化物になる化合物を使用することできる。
ことによっても各粉末をより均一分散させることができ
る。この共沈とは2種以上の金属イオン等が共存する溶
媒から、これらの金属を含む化合物等を同時に沈殿させ
ることであり、これを利用した共沈法によれば、これら
の2種以上の金属元素を含む分散性に優れた混合粉末を
生成させることができる。共沈法において使用する溶媒
としては、水、有機溶媒、及びその混合溶媒等を使用す
ることができる。また、この金属イオンを生成する化合
物としては、La、Sr、Ca、Ba、Ga、Feの各
硝酸塩、硫酸塩、塩化物等を溶媒に溶解して所定の条件
下で共沈するものを使用することができる。有機溶媒を
用いる場合には有機金属化合物を使用することもでき
る。また、これらの金属イオンは、水酸化ナトリウム
等のアルカリ又はアンモニア等の添加、大量の水の添
加による加水分解、有機溶媒の添加、及び必要に応じ
て加熱する等により沈殿させることができる。
は、図2に示すように混合伝導体中に空孔を有する。こ
の空孔の直径は、0.5〜30μmであり、この空孔が
大きすぎたり、多すぎたりすると、即ち、緻密度が低い
と機械的強度が低下するため好ましくなく、また、十分
な気密性が保たれず、気体自体がこの混合伝導体を通過
するため好ましくない。尚、本発明のLaGaO3系混
合伝導体では、xが0.05〜0.6、且つyが0.2
〜0.6である場合、理論密度の95%以上にまで焼結
させることができる。その結果、密度は6g/cm3以
上(更には6.5以上、特に7以上)とすることができ
る。
ト型結晶構造を有し、一般式(La 1-xMx)(Ga1-y
Fey)O3 - δで表され、MはSr、Ca及びBaのう
ちの少なくとも1種であるLaGaO3系混合伝導体か
らなり、該LaGaO3系混合伝導体に電極を形成する
ことなく、酸素分圧の高い面から低い面に向かって酸素
を透過させることができることを特徴とする。
に限定されない。この厚さが小さくなるほど、単位時間
当たりの酸素透過量は大きくすることができるが、通
常、10〜3000μmであることが好ましく、薄いほ
ど好ましい。この酸素透過膜は、例えば所定の基体表面
に形成されて使用することができる。
の膜間に酸素分圧差が生ずれば起こるものであり、特
に、低温においてもこの透過が起きることが好ましい。
この酸素分圧は、酸素透過膜間の酸素分圧の高い面(酸
素が浸入する面)における分圧が、酸素分圧の低い面
(酸素が放出される面)における分圧に対して10倍以
上であるとよく、105倍以上であることが好ましく、
1010倍以上であることがより好ましい。これにより多
くの酸素を透過させることができる。更に、電極を形成
することにより、酸素透過量を向上させることもでき
る。この電極としては、Ag及びPt等の金属、LaN
iO3系酸化物、LaCoO3系酸化物及びLaFeO3
系酸化物等を挙げることができる。
されないが、この量は大きいほど好ましく、例えば前記
のような測定方法により、窒素−空気系において測定し
たT1000は、30μmol/cm2・min以上と
することができ、更にT1000は50μmol/cm
2・min以上とすることができ、特に80μmol/
cm2・min以上とすることができる。
的に説明する。 実施例1(組成による評価) LaGaO3系混合伝導体の作製 市販されている純度99%以上のLa2O3、SrC
O3、Ga2O3、Fe2O3の各粉末を、一般式(La1-x
Srx)(Ga1-yFey)O3- δにおけるxおよびyを
表1の実験例1〜5ような化学量論比になるように秤量
し、アルミナ乳鉢を用いて1時間乾式混合した。得られ
た原料粉末をアルミナるつぼに入れて、大気中で温度1
000℃において6時間仮焼した。
砕した後、この粉末を金型にて円盤状に成形した。この
成形体をポリウレタン製の袋に入れ脱気し真空を保っ
た。これを2.7トンに加圧しながら15分間、CIP
(等方静水圧プレス)を施した。その後、大気雰囲気に
おいて、温度1500℃で6時間焼成し、直径が約16
mmで、厚さが0.6mmの5種類のLaGaO3系混
合伝導体を得た。
系混合伝導体の表面を研磨し、各々ムライト製の円筒管
11a及び11bの間に耐熱ガラス製のパッキン3を用
いて挟着し、試験体1a(図3参照)を作製した。この
試験体を更に保熱装置内に設置し、酸素透過量の測定を
行った。導入口12a(直径10mm)より乾燥空気を
流量50cc/分で供給し、導入口13aより窒素を流
量50cc/分で供給し、管11a及び11b(長さ5
0cm、直径17cm)の温度を表1に示す700℃、
800℃、900℃及び1000℃に30分間保ち、排
出口13b(直径10mm)より排出される窒素中の酸
素量をモレキュラーシーブをカラムとして用いたガスク
ロマトグラフにより測定した。この結果を表1に併記す
る。また、実験例1〜4のLaGaO3混合伝導体のX
線回折チャートを図1に、実施例3のLaGaO3混合
伝導体の表面を鏡面研磨し、撮影した1000倍の電子
顕微鏡写真を図2に、酸素透過量と温度の相関を図4
に、酸素透過量とy=0.4であるLaGaO3系混合
伝導体のxとの相関を図5に各々示す。
ことからLaGaO3系混合伝導体が生成されているこ
とが分かる。更に、この混合伝導体は結晶化のよく進ん
だものであることが分かる。このことは、図2において
1〜10μmの僅かな空隙しか認められないことからも
分かる。
4、y=0.4、装置温度900℃では酸素透過量が6
5.1μmol/cm2・minであり、1000℃に
おいては86.1μmol/cm2・minに達してい
ることが分かる。特に、x=0.3、y=0.4、装置
温度900℃では酸素透過量が64.8μmol/cm
2・minであり、1000℃においては89.1μm
ol/cm2・minに達しており、極めて優れた酸素
透過性を有することが分かる。
rx)(Ga1-yFey)O3- δにおけるx=0.3及び
y=0.4であり、直径約16mm、厚さ0.33、
0.5mm、0.66mm、1.0mmの4種類のLa
GaO3系混合伝導体を得た。
酸素透過量と膜厚の相関を図6示した。
が多いことが分かる。特に、膜厚が0.33mmであれ
ば、装置温度900℃では酸素透過量が51μmol/
cm 2・minであり、1000℃においては73μm
ol/cm2・minに達していることが分かる。
ス」)の白金からなる試料皿に、実施例1において作製
した実験例3(x=0.3、y=0.4)のLaGaO
3系混合伝導体20.211mgを載置した。その後、
毎分10℃ずつ昇温させながら、一酸化炭素を10体積
%含有する窒素基準の気体を毎分200ccの流速で混
合伝導体に接触するように通過させながら重量変化及び
熱量変化を測定した。この結果を図7に示す。
まで僅かながら重量が減少しており、熱量も同様な温度
において吸熱となっている。これは、この温度において
混合伝導体中のFeが4価から3価に還元されることに
より、酸素が脱離したことを表す。しかし、その重量変
化は0.1重量%と小さく、更に、680℃より高温に
おいては重量変化及び熱量変化がほとんど無い。従っ
て、本発明のLaGaO 3系混合伝導体は、高い耐還元
性を有することが分かる。
溶解し、アンモニアにより調製したアルカリ性溶液を滴
下し、各金属元素を含む沈殿を得た。この沈殿を乾燥し
原料粉末を得た。この原料粉末をアルミナるつぼに入れ
て、大気中で温度600〜800℃において6時間仮焼
し、仮焼粉末を得た。この仮焼粉末1kgとエタノール
1リットルと窒化珪素製玉石3.8kgを容量4.8リ
ットルの樹脂製ポットに投入し、16時間湿式粉砕し
た。粉砕後の泥しょうをステンレスボールに移し、湯せ
んによりエタノールを除去し、60メッシュのふるいを
通し、原料粉末を調製した。その後、実施例1と同様に
してLaGaO3系混合伝導体を得た。
器としての使用) 反応器の作製 実施例1と同様にして直径15.7mm、厚さ0.5m
m、密度6.69g/cm3(理論密度の95%以上に
緻密化されている)のLaGaO3系混合伝導体を得
た。このLaGaO3系混合伝導体からなる酸素透過膜
の一面にLa0.6Sr 0.4CoO3(図8における6a、
直径8mmの面に塗布)を、他面に炭化水素の部分酸化
触媒としてNiを塗布(図8における6b、直径8mm
の面に塗布)した。更に、図8に示すように、実施例1
の試験体と同様のムライト製の円筒管11a及び11b
の間にパイレックス製のパッキン3を用いて挟着し、反
応器1bを得た。
化活性の評価を行った。導入口12a(直径10mm)
より乾燥空気を流量50cc/分で供給した。そして、
導入口13aよりメタンと窒素の2:1混合気を流量5
0cc/分で供給し、管11a及び11b(長さ50c
m、直径17cm)の温度を700℃、800℃、90
0℃及び1000℃に30分間保ち、各温度において排
出口13b(直径10mm)より排出される気体をガス
クロマトグラフにより分析した。それにより得られたメ
タンの転化率、一酸化炭素、水素及び二酸化炭素の収
率、酸素透過量を表2に示す。
なく、CO/H2=1/2の合成ガスを50%以上の高
い収率で得ることができた。特に、メタン−空気系であ
る本実施例における酸素透過量は極めて多く、T1000=
399.62μmol/cm 2・minであった。
器としての使用) 管状反応器の作製 実施例1と同様の方法で得た粉末を所定のゴム型にて
1.5トンに加圧しながら15分間CIP(等方静水圧
プレス)を施し、大気雰囲気において、温度1500℃
において6時間焼成し、外径14mm、内径10mm、
長さ400mmの管状体を得た。
うな管型反応器1cを作製した。上記管状体からなる内
管4と、ムライトからなる外管5の間には、毎分50c
cとなるように空気を流入させた。また、内管内には粒
状のNi系触媒6aを充填した。この装置を温度800
〜1000℃に加熱しながら、内管の一端からメタンを
流入させ、他端から流出する気体を、ガスクロマトグラ
フにより分析したところ、先の例に示すのとほぼ同じ結
果が得られた。この結果、本発明のLaGaO3系混合
伝導体を酸素透過膜を空気分離材として使用することが
できることが分かる。
施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明
の範囲内で種々変更した実施例とすることがでる。即
ち、La、Sr、Ca、Ba、Ga、Fe以外にも、酸
素透過性等に実質的に影響を及ぼさない範囲で他の成分
等、或いは、不可避不純物等が含まれてもよい。また、
本発明の酸素透過膜は、高酸素分圧側の表面、又は酸素
透過膜の両表面を、十分な気密性が保たれ、導入した気
体自体が通過しない程度に多孔質性にすることもでき
る。これにより酸素の接触する表面積を増やすことがで
きる。
を用いた炭化水素部分酸化反応器においては、管状体1
本のみで使用するだけでなく、これらを集めた集管体
(ハニカム状体)とすることができる。このような集管
体では、隣り合う管ごとに各々炭化水素又は空気(酸素
のみでもよい)を通過させることにより、改質効率を大
幅に向上させることができる。この管状体の断面形状も
円形だけでなく、より隣り合う管状体との接触面積を増
やすことのできる3〜6角形とすることができる。更
に、内部に充填する触媒もNi系触媒だけでなく、ロジ
ウム系触媒等を使用することができる。
r、Ca及び/又はBaを固溶させることで、酸素イオ
ン伝導性が向上し、GaサイトにFeを固溶させること
で、電子伝導性が向上したLaGaO3系混合伝導体を
得ることができる。更に、この両伝導性を向上すること
により、酸素透過量が極めて大きなLaGaO3系混合
伝導体を得ることができる。加えて、耐還元性の高いL
aGaO3系混合伝導体とすることができる。本第3発
明によると、第1又は第2発明のLaGaO3系混合伝
導体を使用することで、電極を形成することなく、所定
の温度において、酸素の分圧差があれば酸素を透過させ
ることができる酸素透過膜を得ることができる。
線回折チャートである。
000倍の電子顕微鏡写真である。
いた試験体の模式図である。
の酸素透過量と温度との相関を表すグラフである。
素透過量とでSrの固溶量(x)との相関示すグラフで
ある。
示すグラフである。
グラフである。
的に示す断面図である。
的に示す断面図である。
a及び11b;円筒管、12a及び13a;導入口、1
2b及び13b;排出口、2;LaGaO3系混合伝導
体(酸素透過膜)、3;封止材、4;内管(酸素透過
膜)、5;外管、6a;Ni系触媒、6b;La0.6S
r0.4CoO3。
Claims (3)
- 【請求項1】 ペロブスカイト型結晶構造を有し、一般
式(La1-xMx)(Ga1-yFey)O3 - δで表され、M
はSr、Ca及びBaのうちの少なくとも1種であり、
yは0.2〜0.6であることを特徴とするLaGaO
3系電子−酸素イオン混合伝導体。 - 【請求項2】 上記MはSrであり、上記xは0.05
〜0.6である請求項1記載のLaGaO3電子−酸素
イオン混合伝導体。 - 【請求項3】 ペロブスカイト型結晶構造を有し、一般
式(La1-xMx)(Ga1-yFey)O3 - δで表され、M
はSr、Ca及びBaのうちの少なくとも1種であるL
aGaO3系電子−酸素イオン混合伝導体からなり、該
LaGaO3系電子−酸素イオン混合伝導体に電極を形
成することなく、酸素分圧の高い面から低い面に向かっ
て酸素を透過させることができることを特徴とする酸素
透過膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27335399A JP4153132B2 (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | LaGaO3系電子−酸素イオン混合伝導体及びそれを用いた酸素透過膜 |
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