<空気調和装置の構成の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置の全体構成を示す概略図である。空気調和装置1は、室内の壁に取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3と、室内機2及び室外機3の運転状態の設定条件などを指示するためのリモートコントローラ5とを備えている。これら室内機2と室外機3とは、冷媒配管、加湿ホース、伝送線及び通信線などを集合した集合連絡管4によって接続されている。熱交換の面から空気調和装置1をみると、例えば、室内機2の室内側熱交換器(冷房時は蒸発器/暖房時は凝縮器)及び、室外機3の圧縮機と室外側熱交換器(冷房時は凝縮器/暖房時は蒸発器)と膨張弁などが、集合連絡管4の中を通る冷媒配管で連結されて冷媒回路を構成している。
一方、制御の面から空気調和装置1をみると、リモートコントローラ5などが空気調和装置1の制御端末として働く。さらに、リモートコントローラ5から指令を受けて室内機2の室内ファンモータなどの室内側機器を制御するための制御デバイスが室内機2に備えられ、室外機3の室外ファンモータなどの室外側機器を制御するための制御デバイスが室外機3に備えられている。これら室内機2の制御デバイスと室外機3の制御デバイスとは集合連絡管4の中を通る伝送線及び通信線で接続されており、後述する本体側制御部を構成する。
室内機2は、送受信窓22を備えている。この送受信窓22は、室内機2に対して与えられる設定条件などに係る指示信号を、リモートコントローラ5から双方向の無線通信により受信するためのものである。また、送受信窓22は、室内機2及び室外機3の制御デバイスに与える設定条件の受信確認やその他の情報に係る信号を、リモートコントローラ5に対して無線通信により送信する。
室内機2は、前面パネル24にパネル表示部23を備え、吹出口25と前面パネル24との間にLED(light emitting diode)表示部26を備えている。パネル表示部23は、図2に示すように、筐体21に開閉自在に取り付けられている前面パネル24の裏側の筐体前面に取り付けられているため、表示を行っていないときには不透明な前面パネル24に隠れて見えない状態にある。しかし、パネル表示部23において表示を行うためにLEDを点灯したときには、LEDから発せられた光が前面パネル24を透過するように構成されているため、ユーザは透過光によって表示内容を認識することができる。このパネル表示部23は、縦横に5×3のマトリクス状に15個のLEDを並べて形成されたセグメントを、室内機2の長手方向に沿って4個並べて構成されている。パネル表示部23を構成するLEDには、3段階に輝度の調整ができるタイプのものが用いられている。
LED表示部26は、複数のLEDから構成され、1個のLEDの点滅により情報を伝達するように構成されている。一般に、複数配置されるLEDの点滅の組み合わせなどにより複数の情報が伝達される。LEDの点滅で、例えば、自動運転・冷房・暖房・除湿などの運転モード、ダストボックスの掃除要請などのメンテナンスに関する情報、及び故障に関する情報を知らせることができる。
また、室内機2は、パネル表示部23やLED表示部26による報知と合わせて音による報知を行う場合があり、そのために筐体21の内側にスピーカ27を備えている(図2参照)。
<空気調和装置の制御>
空気調和装置1は、室内機2及び室外機3の制御、並びにリモートコントローラ5の制御を行う機能を有している。図3(a)は、室内機2及び室外機3の制御つまり本体側の制御の概要を説明するためのブロック図であり、図3(b)は、リモートコントローラ5の制御つまり外部機器側の制御の概要を説明するためのブロック図である。
室内機2及び室外機3は、図3(a)に示す本体側制御部100を備えている。本体側制御部100は、図示を省略するが、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどからなり、ROM中に格納されているプログラムに基づいて、空気調和に関する運転を制御するための運転制御部101、及び空気調和関連情報をユーザに報知する制御を行うための報知制御部102を備えて構成されている。
本体側制御部100には、室外機3に設けられる各種センサ111、圧縮機112、四路切換弁113、電動弁114及び室外ファンモータ115などが接続されている。室外機3に設けられる各種センサ111は、吐出管用サーミスタ、外気用サーミスタ、室外熱交換器用サーミスタ、外気用湿度センサなどの各種センサや吐出側圧力保護スイッチなどの感応スイッチなどを含み、それぞれで検知した情報を検知信号として本体側制御部100に出力する。
圧縮機112、四路切換弁113及び電動弁115は、室外機3に配置され、冷媒回路の一部を構成するものである。また、室外ファンモータ116は、室外機3の室外側熱交換器に外気を導入するとともに室外側熱交換器と熱交換を行った後の空気を室外に排出するための室外ファンを駆動する。そのため、圧縮機112、四路切換弁113、電動弁115及び室外ファンモータ116は、環境状態及び運転状態に関する情報などに基づいて、最適な動作を行うように本体側制御部100の運転制御部101により制御される。
また、本体側制御部100には、室内機2に設けられる各種センサ121、室外ファンモータ122、本体側表示部123、本体側送受信部124、スピーカ27及びその他作動部125が接続されている。室内機2に設けられる各種センサ121は、冷媒回路中の室内熱交換器用サーミスタ、室温センサ、湿度センサなどを含み、それぞれで検知した情報を検知信号として本体側制御部100に出力する。室内ファンモータ122は、室内機2の室内側熱交換器に室内空気を導入するとともに室内側熱交換器と熱交換を行った後の調整空気を室内に供給するための室内ファンを駆動する。そのため、室内ファンモータ122は、環境状態及び運転状態に関する情報などに基づいて、室内に調整空気の最適な空気流を生成するように本体側制御部100の運転制御部101により制御される。
本体側表示部123は、図2に示すパネル表示部23及びLED表示部26を含み、環境状態や運転状態などの空気調和関連情報を表示するための構成である。環境状態としては、室内温度、室外温度、室内湿度、及び室外湿度などがあり、運転状態としては、室内温度や室内湿度の設定値などの設定条件に関する情報、管内の温度や圧力や消費電力などの各部や全体の状態に関する情報、故障の報知やダストボックス28の掃除要請などのイベント情報及び電気代などの空気調和装置運用上の情報などがある。この本体側表示部123は報知制御部102により制御される。
スピーカ27は、報知音や音声によって本体側表示部123の報知を補助するものであって、例えば、リモートコントローラ5から信号を受信したときに、受信した旨の通知や設定条件の変更などを報知音や音声などにより報知することで、ユーザの視覚だけでなく聴覚に訴えて情報の伝達を確実にするためのものである。このスピーカ27は報知制御部102により制御される。
本体側送受信部124は、図2に示す室内機2の送受信窓22以外にも、室内機2の操作盤及び室内機2や室外機3に設けられた各種スイッチを含み、室内機2及び室外機3とユーザとの間で情報の遣り取りを行うための構成である。室内機2の送受信窓22は、室内機2が停止しているときでも赤外線によりリモートコントローラ5との間で双方向の送受信が行える。ただし、室内機2からリモートコントローラ5への空気調和関連情報に係る送信は、リモートコントローラ5から指示信号が室内機2に送信されてきたタイミングで返信する返信信号のみによって行われる。
他の作動部125は、フラップ(上下風向調節羽根)やルーバー(左右風向調節羽根)を作動させる作動用モータなどを含んでおり、記憶されている設定条件やリモートコントローラ5などにからの指示に応じて運転制御部101により制御される。
<リモートコントローラ>
リモートコントローラ5は、図3(b)に示すようにコントローラ側制御部200、コントローラ側操作部211、コントローラ側表示部212及びコントローラ側送受信部213を備えている。また、リモートコントローラ5は、図4に示す外観を呈する。外観上、このリモートコントローラ5は、コントローラ本体51、入出力ポート52、液晶画面53、及び操作面54を備えている。
コントローラ側制御部200は、図示を省略するが、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどからなり、ROM中に格納されているプログラムに基づいて、種々の情報を室内機2との間で送受信するための制御を行う表示制御部201を備えて構成されている。
コントローラ本体51の形状は、全体的に丸みを帯びた扁平な直方体をしており、手で握って操作し易いようなコンパクトな大きさである。このコントローラ本体51の上面に、液晶画面53と操作面54とが設けられ、前面に入出力ポート52が設けられている。入出力ポート52は、コントローラ側送受信部213に含まれ、コントローラ側制御部200により制御される。
液晶画面53は、入出力ポート52が設けられている前面に近い側の上面の約半分を占めており、操作面54は前面から遠い側の上面の約半分を占めている。コントローラ本体51の形状をコンパクトにしなければならないため、液晶画面53の大きさが限られ、液晶画面53に一度に表示できる情報も限られる。空気調和装置1が高機能化するに従い種々の表示を行わせる必要が生じており、限られた面積で種々の表示を行わせるために、リモートコントローラ5を操作する様々な場面で液晶画面53の表示を切り替えることが行われる。
液晶画面53は、コントローラ側表示部212に含まれ、コントローラ側制御部200の表示制御部201により制御される。液晶画面53には、操作内容の表示領域並びに、設定温度、設定湿度、風量の設定、現在の室内温度、室外温度、消費電力など各種情報を表示する表示領域がある。この液晶画面53の表示は、リモートコントローラ5を操作したときだけでなく、室内温度や室外温度などの情報が室内機2から送られてきたときにも切り替わるよう構成される。
操作面54は、コントローラ側操作部211に含まれ、コントローラ側制御部200により制御される。操作面54には、液晶画面53の一辺に沿って並んだ切タイマーボタン54a、情報表示ボタン54b及び運転・停止ボタン54cがあり、それらの後方に運転モードを切り替えるための冷房ボタン54d、暖房ボタン54e、加湿ボタン54f及び除湿ボタン54gがあり、さらにそれらの後方に室内温度及び室内湿度の設定値を変更するための温度ボタン54h及び湿度ボタン54iがある。
切タイマーボタン54a、情報表示ボタン54b及び運転・停止ボタン54cを押すことにより設定を変更すると、変更された設定が表示制御部201の制御に従って液晶画面53に表示され、変更された設定がコントローラ側制御部200の制御に従ってコントローラ側送受信部213の入出力ポート52から室内機2に送信される。同様に、冷房ボタン54d、暖房ボタン54e、加湿ボタン54f及び除湿ボタン54gを押して運転モードを変更すると、変更された運転モードが液晶画面53に表示され、変更された運転モードがコントローラ側送受信部213の入出力ポート52から室内機2の送受信窓22に向けて送信される。前後に長い長方形状の温度ボタン54hや湿度ボタン54iは、前半分の領域を押すと押す回数または押している時間に比例して順次設定値が高くなり、後半分の領域を押すと順次設定値が低くなる。温度ボタン54h及び湿度ボタン54iの場合も、変更された設定値が液晶画面53に表示され、変更された設定値が入出力ポート52から送受信窓22に向けて送信される。
室内温度や室内湿度の設定値の場合は最終的に確定された設定値だけが必要になるので、送信側のリモートコントローラ5で最終的に確定した情報だけを送るか、もしくは受信側の室内機2で最終的な情報を確定すればよいので、本体側制御部100またはコントローラ側制御部200における設定値確定の判断条件を設けて、その条件に当てはまる値だけを運転制御に用いるように構成できる。
リモートコントローラ5のコントローラ側送受信部213は、操作面54を操作して情報を入出力ポート52から送信するタイミングで、室内機2からの情報を入出力ポート52で受信する。リモートコントローラ5で受信した情報で表示が必要な場合には、液晶画面53に表示される。一方、室内機2は、リモートコントローラ5に送信する情報の一部をパネル表示部23やLED表示部26やスピーカ27を使ってユーザに報知する。また、リモートコントローラ5から情報を受信した場合も同様に、パネル表示部23やLED表示部26やスピーカ27を使ってユーザに報知することがある。
情報表示ボタン54bを操作することにより、例えば、現在の室内温度、室外温度、湿度、消費電力などの各種状態情報や運転に関するアドバイスなどのナビゲーション情報を液晶画面53に表示させるように構成し得る。この場合は、情報表示ボタン54bが操作されると、リモートコントローラ5から指示信号が室内機2に送信され、その返信として室内機2から送信されてくる情報が液晶画面53に表示される。例えば、通常の運転状態において、液晶画面53には、設定温度及び設定湿度が表示される構成であるとする。そこで情報表示ボタン54bが押されると、室内機2に現在の室内温度及び室内湿度のデータ送信を指示する指示信号が送信され、この送信に対する返信でリモートコントローラ5が室内機2から受信したデータに基づいて、液晶画面53に、設定温度及び設定湿度に対する現在の室内温度及び室内湿度の到達レベルが表示され、続いて現在の室内温度及び室内湿度が表示されるように構成されている。現在の室内温度及び室内湿度が表示された後直ぐに通常画面に戻すよう構成してもよいが、例えば、この後さらに、情報表示ボタン54bが操作される毎に或いは所定時間が経過する毎に、現在の室外温度、室外湿度及び消費電力などの各種データが液晶画面53に表示されように構成することができる。
<設定条件の送受信>
到達レベルの表示について説明するのに先立ち、一般的な設定条件に関する情報の送受信について説明する。
室内機2は、リモートコントローラ5から設定条件を含む指示信号を受信すると、本体側制御部100の運転制御部101が、指示信号の受信後所定時間が経過するまでは現在の運転制御を継続し、この所定時間が経過しても次の指示信号を受信しなかった場合には、指示信号に基づいて設定条件を変更して運転制御を行う。このような運転制御部101による運転制御を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
また、報知制御部102は、運転制御部101による運転制御と連動して、本体側表示部123の制御を行い、本体側表示部123にリモートコントローラ5からの受信に応じた表示を行う。
空気調和装置1の電源が投入されると、運転制御部101はステップS1において初期設定を行う。運転制御部101は、ROM内に格納された各種パラメータと、必要に応じて各種センサ111,121からの検出信号から得た環境情報とから、運転に必要となる各種設定値を特定し、必要なデータおよび制御信号を生成する。
ステップS2では、運転制御部101は、運転に必要となる各種設定値を設定条件として各部の運転制御を実行する。このとき、本体側制御部100は、室内ファンモータ122、他の作動部125、圧縮機112、四路切換弁113、電動弁114、室外ファンモータ115などを制御して、対応する運転制御を実行する。
ステップS3では、運転制御部101は、本体側送受信部124の送受信窓22が指示信号を受信したか否かを判別する。運転制御部101は、本体側送受信部124が指示信号を受信していないと判断した場合、現在の運転制御を継続し、本体側送受信部124が指示信号を受信したと判断した場合にはステップS4に移行する。本体側送受信部124が指示信号を受信したと判断した場合には、運転制御部101は、報知制御部102に対し、受信を受けたことを報知するよう要求を出す。報知制御部102は、パネル表示部23及びLED表示部26に対して表示をさせるように制御する。例えば、パネル表示部23には、アニメーションや文字を表示するように指示することができる。また、LED表示部26においては、本体側制御部100が受信を確認した時点でLED表示部26のいずれのLEDを点滅させるかをユーザとの間で予め取り決めておけば、一つのLEDの点滅でも受信のあったことを報知できる。また、必要に応じて、スピーカ27から音声などを流すこともできる。
ステップS4では、運転制御部101は、本体側送受信部124の送受信窓22により指示信号を受信してからの経過時間を計測するためのタイマーT1をリセットし、指示信号を受信してからの経過時間の計測を開始する。
ステップS5では、運転制御部101は、本体側送受信部124により指示信号を受信してからの経過時間が所定時間を超えたか否かを判別する。運転制御部101は、タイマーT1の値が所定時間を超えていないと判断した場合にはステップS6に移行し、タイマーT1の値が所定時間を超えたと判断した場合にはステップS7に移行する。ここで、タイマーT1の閾値となる所定時間は、ユーザがリモートコントローラ5を連続して操作する場合の操作間隔に所定のマージンを加算した時間に設定することができ、例えば、3〜5秒程度に設定することができる。
ステップS6では、運転制御部101は本体側送受信部124の本体側送受信部124が指示信号を受信したか否かを判別する。運転制御部101は、本体側送受信部124が指示信号を受信していないと判断した場合ステップS5に移行し、本体側送受信部124が指示信号を受信したと判断した場合にはステップS4に移行する。
ステップS7では、運転制御部101は、受信した指示信号中に運転終了の指示が含まれているか否かを判別する。運転制御部101は、本体側送受信部124により受信した指示信号中に運転終了の指示が含まれていないと判断した場合にはステップS8に移行し、運転終了の指示が含まれていると判断した場合にはステップS9に移行する。
ステップS8では、運転制御部101は、最後に受信した指示信号に含まれる設定条件に基づいて、現在の設定条件を変更して運転制御を行う。たとえば、受信した指示信号中に室内温度を1度下げるような指示があった場合には、本体側制御部100はこの設定条件に応じて設定値を変更し、これに基づいて室内ファンモータ122、他の作動部125、圧縮機112、四路切換弁113、電動弁114、室外ファンモータ115などの制御を行う。この後、運転制御部101は、ステップS3に移行し、本体側送受信部124により指示信号を受信するまで現在の設定条件による運転制御を継続する。
ステップS9では、運転制御部101は、必要なパラメータを電源バックアップされたメモリに格納するとともに、各部を停止するための制御信号を出力して終了処理を実行する。
このような構成とすることで、リモートコントローラ5からの指示信号を受信した後、所定時間経過するまで待機し、確実な制御運転を可能とする。
<到達レベルに関する表示>
一般に、空気調和装置1においては、室内機2及び室外機3(本体)で各種センサ111,121から得られる状態情報を解析して、ユーザに役立つ情報に加工し、本体側表示部123やコントローラ側表示部212に表示することが行われる。このようなユーザに役立つ情報の中に、時間的に変化する状態情報を設定条件に基づいて演算して得られる2次的な空気調和関連情報がある。2次的な空気調和関連情報としては、例えば、室内機2の各種センサ121に属する室温センサで測定された室内温度と、運転制御部101が目標温度としている室内温度の設定値とを比較して得られる到達レベルがある。到達レベルとして表示できる対象は、室内温度だけでなく、室内湿度、室内温度と室内湿度の組み合わせなど種々のものが考えられる。
しかし、説明を分かり易くするため、簡単な室内温度の到達レベルに関する表示に対象を絞って説明する。図6は、室内温度の到達レベルの表示タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図6には、暖房運転における室内温度と到達レベルの関係の一例を示している。暖房運転において、室内温度は、運転制御部101により室内温度の設定値(目標値)に制御される。時刻t1から時刻t6までは設定値が変化しないため、室内温度も一定値に保たれるような制御となっている。ところが、時刻t6にリモートコントローラ5から設定値変更の指示信号を室内機2の本体側送受信部124が受信すると、運転制御部101は室内温度の設定値を変化させる。時刻t6において設定値が高くなると温度の上昇が始まる。このとき、本体側制御部100は、新たに設定された設定値に基づいて到達レベルを演算し直すため、室内温度の設定値が高くなることから、図6のように室内温度の変化がなくても到達レベルはダウンする。
ところで、本体側制御部100で演算することにより得られる到達レベルは、時間とともに変化しており、目標値付近で細かく変化するものを逐次表示していると、ユーザにとっては不快感を覚える場合も生じる。そこで、本体側表示指示タイミングとして、報知制御部102のタイマーT2を使って、一定時間が経過する毎に報知制御部102が室内機2のパネル表示部23に到達レベルを表示させる。図6においては、室内機2において、時刻t1でパネル表示部23に表示した後は、その後の時刻t2〜t3における変化を無視して、一定時間が経過する時刻t4まで表示を変えない。
なお、室内機2のパネル表示部23の到達レベルの表示は、数値で示されることもあるが、到達レベルに応じて、例えば、三角形のマークの個数の変化で示されることもある。例えば、到達レベル85%以上で三角マークが1つ表示され、到達レベル90%以上で三角マークがさらに1つ追加表示され、到達レベル95%以上でさらに1つ追加されるなどである。
上述のように、時刻t6に設定値の変更を指示されると、到達レベルが大きくダウンすることになる。このように到達レベルがダウンすることは、リモートコントローラ5の操作を行ったユーザも当然に予想していることである。もし、リモートコントローラ5の操作を行ってからしばらくパネル表示部23の表示に変化がないと、ユーザはリモートコントローラ5からの指示が正しく室内機2の伝わっていないと錯誤するかもしれないし、また故障したと思うかもしれない。このようなユーザの誤解を避けるために、設定値が変更されたときは、時刻t7において速やかに、変更後の設定値で演算し直した到達レベルに表示を変更する。
そして、時刻t7においてパネル表示部23の到達レベルの表示を変更したときは、タイマーT2をリセットして、本体側表示指示のタイミングは時刻t7を基準に新たに経過時間の計測が開始される。そのため、時刻t8においては、パネル表示部23の表示の変更は行われず、時刻t10に次の表示の変更が行われる。
この到達レベルは、室内機2のパネル表示部23だけでなく、リモートコントローラ5の液晶画面53にも表示させることができる。リモートコントローラ5で、時刻t9に操作面54の情報表示ボタン54bが押されて、到達レベルをリモートコントローラ5にも表示することが要求されたものとする。このとき、時刻t7の時点からされに温度が上昇しているので、時刻t7における到達レベルに比べて時刻t9の到達レベルが高くなっている。そのため、時刻t9において、室内機2からリモートコントローラ5に送信される到達レベルを表示する液晶画面53の表示内容は、時刻t7のパネル表示部23の表示内容とは異なってくる。そこで、設定値の変更がなくても、リモートコントローラ5から到達レベルに関する情報の通知を受けるための指示信号を受信したときも、設定値の変更の場合と同様に室内機2の報知制御部102はパネル表示部23の表示の変更を指示するように構成することができる。
なお、上述の説明では、室内温度の設定値が変更された場合について説明したが、運転モードが変更された場合も同様にタイマーT2による表示の遅延処理が解除され、直ちに変更後の到達レベルが表示されるように構成される。例えば、運転モードが暖房運転から冷房運転に切り替えられた場合、切替の時点で、室内温度の設定値が26℃であり、室内温度が28℃であったとすると、暖房運転のモードにおいては既に目標温度に到達しているので到達レベルは100%である。ところが、切替後の冷房運転のモードでは、2℃温度を低下させなければ目標値に到達しないので到達レベルが変化する。従って、設定値が切り替えられたときと同様に運転モードの切替のときにも表示の遅延処理という待機機能を無効化して、即時に変更後の到達レベルの内容で表示を行わせるよう構成されている。
ところで、運転モードの場合、室内温度の到達レベルについては、暖房運転や冷房運転が関係するが、除湿運転など運転モードによっては運転の目的と到達レベルの表示目的とが一致しなくなる場合がある。そこで、室内温度が到達レベルの対象として設定されていた場合に、除湿運転に切り替えられたときは到達レベルの表示そのものを終了する。一方、室内湿度の到達レベルの場合には、除湿運転のときにも到達レベルを表示するように構成してもよい。どのような場合に到達レベルの表示を終了するかは、運転モードと到達レベルの表示対象と到達レベルの表示目的によって適宜選択される。
(表示の制御)
次に、上述の到達レベル表示を行うための制御ついて図7のフローチャートを用いて説明する。リモートコントローラ5の操作面54の情報表示ボタン54bを用いて到達レベルを表示するような設定条件の指示信号を入出力ポート52から送信することができる。室内機2では、送受信窓22で入出力ポート52から受信すると、本体側送受信部124から本体側制御部100に指示信号の受信通知が出力され、報知制御部102によりパネル表示部23を用いて到達レベルの表示を行うための初期設定が行われる(ステップS101)。それにより、各種センサ111で測定された室内温度と、運転制御部101が運転制御に用いている室内温度の設定値とから演算された到達レベルを報知制御部102が継続して得ることができるようになる。
報知制御部102では、タイマーT2がリセットされ、本体側の表示指示タイミングを決めるための経過時間の計測が開始される(ステップS102)。そして、各種センサ121を使って室内温度の検知が行われ(ステップS103)、検知された室内温度を用いて到達レベルの演算が行われる(ステップS104)。
ステップS105においては、前回の演算後に新たにリモートコントローラ5から受信した指示信号の内容を取得する。受信した指示信号に運転モードを切替える指示信号が含まれているか否かを判別する(ステップS106)。運転モードを切替える指示信号を受信していなかった場合にはステップS107に移行する。そしてさらに、室内温度の設定値が変更されているか否かを判別する(ステップS107)。設定値の変更がされていない場合にはステップS108に移行して、リモートコントローラ5から到達レベル送信の指示があったか否かを判別する(ステップS108)。到達レベル送信の指示もいない場合にはステップS109に移行して、報知制御部102が前回表示の指示信号の出力をしてから所定時間が経過したか否かを判別する。所定時間が経過していないときには、ステップS110に移行して、運転停止または到達レベル表示の解除の指示信号が受信されたか否かを判別する。運転停止の指示信号も到達レベル表示の解除の指示信号も受信されていないときは、ステップS103に戻り、ステップS103からステップS110までのルーチンを繰り返す。
ステップS106において、運転モードの切替が有ったと判断されたときには、ステップS111に移行し、切替え後の運転モードが到達レベル表示の必要のないモードであって到達レベル表示を解除するようなモードであるか否かを判別する。例えば、暖房運転のモードから除湿運転のモードに切り替わった場合には、室内温度の到達レベル表示を解除すると判断される。到達レベル表示を解除すると判断された場合には、ステップS115に移行して、本体側制御部100が報知制御部102による到達レベル表示を解除し処理を終了する。ステップS111において、到達レベル表示を解除しないモードへの変更であると判断された場合は、ステップS112に移行して新たに到達レベルの演算をやり直す。新たに得られた到達レベルは、本体側送受信部124によりリモートコントローラ5のコントローラ側送受信部213へ送信され(ステップS112)、ステップS114に移行する。ステップS114では、ステップS112の演算で新たに得られた到達レベルを用いて本体側表示部123に表示を指示し、ステップS102に戻る。
ステップS107において、室内温度の設定値の変更があったと判断されたときは、ステップS112に移行して、ステップS112以降の処理を行う。
ステップS108において、リモートコントローラ5から到達レベル表示の指示信号が送信されてきたと確認されたときは、ステップ113に移行して、リモートコントローラ5に現在の到達レベルのデータを送信して、ステップS114に移行しステップS114以降の処理を行う。
ステップS109において、報知制御部102が前回表示の指示信号の出力をしてから所定時間が経過したと判断されたときは、ステップS114に移行しステップS114以降の処理を行う。
ステップS110において、運転停止または到達レベルの表示解除の指示信号を受信したと判断されたときは、ステップS115に移行して到達レベルの表示を解除して処理を終了する。
次に、図8を用いて、リモートコントローラ5の到達レベルの表示について説明する。リモートコントローラ5は、到達レベル表示を要求する指示信号を送信する前は、通常表示を行っている(ステップS201)。
リモートコントローラ5の操作面54の情報表示ボタン54bが押されると、コントローラ側操作部211からコントローラ側制御部200に要求信号が出力され、コントローラ側制御部200の制御のもと、コントローラ側送受信部213の入出力ポート52から室内機2の送受信窓22に到達レベル表示を指示する指示信号が送信される。
リモートコントローラ5では、到達レベル表示を要求する指示信号が送信されると、コントローラ側制御部200からの要求信号を受けて表示制御部201がコントローラ側表示部212の液晶画面53に到達レベルの表示を要求した旨の送信表示を行う(ステップS203)。このとき、例えば室内機2とリモートコントローラ5との間で送受信に失敗した場合に、失敗したことを知らせる表示を行うとともに警報音によって知らせるなどの動作を行わせて、確実に送受信を成立させるようなルーチンを設けてもよい。
室内機2では、図7に示したフローで処理を行っているので、リモートコントローラ5からの到達レベルの表示指示を受けたときには、図7のステップS113を実施してリモートコントローラ5へ到達レベルの表示指示信号つまり到達レベルのデータを送信してくる。リモートコントローラ5は、到達レベル表示の指示信号の受信を待っており(ステップS204,S205)、到達レベル表示の指示信号を受信するとタイマーT3をリセットして(ステップS206)、到達レベル表示を行う(ステップSS207)。
リモートコントローラ5は、液晶画面53に到達レベルの表示を所定時間、例えば10秒程度行った後に(ステップS208)、通常表示に表示を戻す(ステップS209)。なお、到達レベルの表示を行った後に通常表示に戻さず、例えば外気温度や消費電力などの他の空気調和関連表示を行わせるようにしてもよい。また、ここでは、時間経過によって到達レベルの表示から他の画面表示に切替える例について説明したが、例えばリモートコントローラ5の操作面54の操作により表示を切替えるように構成することも可能である。
<パネル表示部の表示>
リモートコントローラ5から設定条件の指示信号を受信すると、本体側制御部100の報知制御部102は、運転制御部101による運転制御と連動して、現在の運転状態や指示信号の受信状態などに応じた表示をパネル表示部23に行うための表示制御を実行する。リモートコントローラ5の情報表示ボタン54bを用いて、設定条件として到達レベルの表示が指示された場合のパネル表示部23の表示について図9のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS301において、室内機2の送受信窓22で到達レベルの表示の指示信号を受信すると、本体側送受信部124から本体側制御部100に指示信号の受信を通知する信号が出力される。本体側制御部100は、到達レベルの表示指示を確認すると、報知制御部102に対して指示信号を受信した旨の表示を要求する要求信号を出力する。
ステップS302において、報知制御部102は、パネル表示部23に受信表示パターンが表示されるように表示制御を行う。受信表示パターンは、ROMなどの記憶手段中に格納しておくように構成でき、本体側制御部100から報知制御部102に表示要求信号の入力があると、報知制御部102がROMの所定領域から受信表示パターンを読み出して、パネル表示部23に受信表示パターンを表示するように構成されている。
例えば、パネル表示部23には、図10に示すようなアニメーションを表示するように指示することができる。図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、図10(e)、図10(f)の順で、時間をずらして表示を変えることで、パネル23bの右端中央とパネル23cの左端中央から次第に光が外側に向けて広がるようなアニメーションを表示できる。最後の図10(f)は表示が消えた状態を示しており、パネル23a、23dは終始消えたままの状態を保つ。このような受信表示パターンは、種々の形態を用いることができ、特に限定されるものではなく、リモートコントローラ5からの指示信号が室内機2で受信されたことをイメージできるようなデザインとするのが好ましいが、ユーザとの間で取り決めておけば、どのようなデザインであっても受信表示パターンとなり得る。
ステップS303において、報知制御部102は、本体側制御部100から要求信号を受けたタイミングでタイマーT2をリセットする。報知制御部102は、タイマーT2により、要求信号を受信してからの経過時間を計測する。
ステップS304において、報知制御部102は、パネル表示部23に待機表示パターンが表示されるように表示制御を行う。待機表示パターンは、ROMなどの記憶手段中に格納しておくように構成でき、表示指示信号の入力を受けて報知制御部102がROMの所定領域から読み出した受信表示パターンの所定時間の表示が終了すると、報知制御部102がROMの所定領域から待機表示パターンを読み出して、パネル表示部23に待機表示パターンを表示するように構成されている。待機表示パターンも、パネル表示部23のマトリクス表示を使って、受信表示パターンと同様に様々なデザインやアニメーションなどを用いて作られる。
ステップS305において、報知制御部102は、本体側送受信部124で到達レベルの表示を指示する指示信号を受信してから所定時間が経過したか否かを判別する。報知制御部102でタイマーT2の値が所定時間を超えていないと判断されたときはステップS306に移行し、所定時間を超えたと判断されたときはステップS307に移行する。ここで、タイマーT2の閾値(所定時間)は、前述のタイマーT1の閾値と同様に、ユーザがリモートコントローラ5を連続して操作する場合の操作間隔に所定のマージンを加算した時間に設定することができ、例えば、数秒程度に設定する。
ステップS306において、報知制御部102は、本体側送受信部124がリモートコントローラ5から指示信号を受信したか否かを判別する。報知制御部102により指示信号を受信していないと判断された場合はステップS304に移行して待機表示を継続する。報知制御部102により指示信号を受信したと判断された場合はステップS302に移行して受信表示パターンの表示とタイマーT2のリセットを行った後に待機表示に移る。
ステップS307では、報知制御部102は、本体側表示部123に指示確定表示パターンが表示されるように表示制御を行う。本体側表示部123は、パネル表示部23に指示確定表示パターンを表示するが、必要に応じてLED表示部26の表示変更を行うように構成されてもよい。指示確定表示パターンは、ROMなどの記憶手段中に格納しておくように構成でき、報知制御部102はリモートコントローラ5から受信した指示信号に含まれる設定条件を確定し、到達レベルの表示指示に対応する指示確定表示パターンの表示を行う。一般に、指示確定表示パターンは、受信表示パターンと同様に様々なデザインやアニメーションなどを用いて作られ、設定条件に合わせて複数用意される。
次に、ステップS308に移行し、報知制御部102の制御のもと本体側表示部123により到達レベルの表示が行われる。
到達レベルは、例えば、3段階で表示され、図11及び図12に示すようなアニメーションによって表示される。図11(a)から図11(f)まで、さらに続けて図12(a)から図12(f)まで所定時間の間隔をおいて順次表示が移り変わる。図11及び図12の黒く塗りつぶされている領域は最も輝度が高く、密なハッチングの領域は次に輝度が高く、疎なハッチングの領域は最も輝度が低く、白抜きの領域は消灯していることを示している。
図11(a)、図11(b)及び図11(c)のセグメント23b,23c,23dには同じ図形が表示され、矢印の先のような形をした図形が3つ並んでいるように見える。図11(a)、図11(b)及び図11(c)の順で次第に輝度が増して行く。この図11(a)、図11(b)及び図11(c)の表示は、到達レベルの表示を開始する合図である。
図11(d)、図11(e)、図11(f)、図12(a)、図12(b)、図12(c)の表示には到達レベルの程度が示されている。つまり、セグメント23b,23cが三角形になっているので、これらは3段階の達成表示の2段階目までを達成していることを示している。図11(d)から図11(f)に進むに従い、徐々に三角形が明るく形成され、図12(a)から図12(c)に進むに従って部分的に輝度が低下して行き、三角形が矢印の先の形状に変化して行く。
図12(d)及び図12(e)のセグメント23b,23c,23dには矢印の先の形状が3つ並んでいる。図12(d)、及び図12(e)の順で次第に輝度が減少して行き、図12(f)で表示が消える。この図12(d)、図12(e)及び図12(f)の表示は、到達レベルの表示を終了する合図である。
ところで、パネル表示部23の表示はLEDをマトリクス状に多数配置しているので、LED表示部26の表示に比べて消費電力が大きい。そこで、図11及び図12を用いて説明したように、段階的に輝度を変えられるよう構成して、またLED表示部26の表示だけで十分な場合にはパネル表示部23の表示をさせないようにして、ユーザの視認性を落とすことなく消費電力を小さくする工夫が行える。
図9を用いて説明した受信表示パターンなどの受信時の表示は、時間が短く消費電力も小さいのでユーザへの報知を重視して全て表示を行う。そして、比較的長く表示を継続する場合には、全てのリモートコントローラ5の操作後の輝度を大きくしてパネル表示部23を明るく表示する一方、リモートコントローラ5の操作から所定時間を経過したときには輝度を小さくしてパネル表示部23の表示を暗くする。ただし、所定時間が経過してからでも、リモートコントローラ5の操作により表示内容が更新されるときには、再び輝度を大きくしてパネル表示部23の表示を所定時間だけ明るくする。
このように室内機2のパネル表示部23だけでなく、リモートコントローラ5でも表示に用いられる電力を削減することが重要である。特に、リモートコントローラ5は、電池で電力の供給を受けるため、消費電力削減により電池交換などの回数を減らすことができる。そのために、リモートコントローラ5の液晶画面53においては、運転停止中は、例外を除いて時計以外の表示は行わないようにする。そして、運転停止中に、室内温度や室外温度を表示するように設定されているときには、リモートコントローラ5の操作があったときだけ所定時間表示を行うようにする。また、運転停止中に、特定の設定条件が設定されているときには液晶画面53に何も表示しないように構成することもできる。一方、運転停止中であっても、リモートコントローラ5の操作面54の特定のボタンが押されたときは、予め設定されている表示内容の表示を行うように構成することもできる。
<スピーカによる報知>
パネル表示部23の表示と並行して、スピーカ27を通じて音による報知が行われる。リモートコントローラ5から到達レベルの表示の指示信号を受信すると、本体側制御部100の報知制御部102は、本体側表示部123を用いてパネル表示部23に上述の表示を行わせるとともに、スピーカ27を通じて音声出力を行う。このような報知制御部102が行う音声出力制御について図13のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS401において、室内機2の送受信窓22が指示信号を受信すると、既に説明したように、本体側制御部100は、報知制御部102に対して到達レベル表示の指示を受信した旨の表示を要求する要求信号を出力する。
ステップS402において、報知制御部102は、スピーカ27に受信音パターンが出力されるように制御を行う。受信音パターンは、ROMなどの記憶手段中に格納しておくように構成でき、本体側制御部100から報知制御部102に表示指示信号の入力があると、報知制御部102がROMの所定領域から受信音パターンを読み出して、パネル表示部23への受信表示パターンの表示に同期して、スピーカ27から受信音パターンに応じた音を流す。受信音パターンとしては、例えば、「ピッ、ピピッ、ピピピッ」などの警報音ばかりでなく、「信号を受信しました」などの音声に対応するものやメロディーに対応するものもある。
ステップS403において、報知制御部102は、本体側制御部100から要求信号を受けたタイミングでタイマーT2をリセットする。報知制御部102は、表示するタイミングと音を流すタイミングを一致させるためにタイマーT2により、要求信号を受信してからの経過時間を計測する。ただし、スピーカ27の制御用に別のタイマーを用いることも可能である。
ステップS404において、報知制御部102の制御により、スピーカ27から待機音パターンに応じた音を流す。待機音パターンは、ROMなどの記憶手段中に格納しておくように構成できる。報知制御部102がROMの所定領域から待機音パターンを読み出して、パネル表示部23の待機表示パターンの表示に合わせてスピーカ27から音を流す。
ステップS405において、報知制御部102は、本体側送受信部124で到達レベルの表示を指示する指示信号を受信してから所定時間が経過したか否かを判別する。これは、図9のステップS305に相当するステップである。報知制御部102でタイマーT2の値が所定時間を超えていないと判断されたときはステップS406に移行し、所定時間を超えたと判断されたときはステップS407に移行する。
ステップS406において、報知制御部102は、本体側送受信部124がリモートコントローラ5から指示信号を受信したか否かを判別する。これは、図9のステップS306に相当するステップである。報知制御部102により指示信号を受信していないと判断された場合はステップS404に移行して待機表示を継続する。報知制御部102により指示信号を受信したと判断された場合はステップS402に移行して受信表示パターンの表示とタイマーT2のリセットを行った後に待機表示に移る。
ステップS407では、報知制御部102は、スピーカ27に指示確定音パターンに応じた音を流す。指示確定音パターンは、ROMなどの記憶手段中に格納しておくように構成でき、報知制御部102はリモートコントローラ5から受信した指示信号に含まれる設定条件を確定し、到達レベルの表示指示に対応する指示確定音パターンに応じた音を流させる。一般に、指示確定音パターンは、指示確定表示パターンに対応して作られ、必要に応じて設定条件に合わせて複数用意される。
次に、ステップS408に移行し、報知制御部102の制御のもとスピーカ27から音を流す。このときの音による報知は、例えば、到達レベルが最高レベルに達したときだけ、「目標値に達しました」などの報知を行う。また、別の条件で別の音や音声を流すこともできる。ここでは、到達レベルの表示中に音声出力を行う例を示したが、到達レベルの表示中にスピーカ27から音を流さなくてもよい。
なお、以上の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<変形例>
(a)上記実施形態においては、室内温度の到達レベルについて説明したが、図3の各種センサ121で測定される室内湿度と、室内湿度の設定値を比較して得られる比率を到達レベルとして表示してもよい。また、室内温度の到達レベルと室内湿度の到達レベルをそれぞれ演算して得るようにしておき、いずれかレベルの高い方のみを到達レベルとして表示するようにしてもよい。また、室内温度や室内湿度以外にも、単位時間当たりの消費電力などの他の空気調和関連情報に関する到達レベルを表示することもできる。
(b)上記実施形態では、パネル表示部23により3段階の到達レベルを表示する場合について説明したが、到達レベルは何段階であってもよく、また数値で表示してもよい。また、到達レベルの表示を行う本体側表示部123としては、LED表示部26を用いてもよく、例えば3つのLEDや3段階に輝度が変化するLEDで表示することもできる。また、本体側表示部123としては、LED以外の素子を用いて形成されたディスプレイを用いることもでき、例えば液晶パネルやEL(Electro-Luminescence)パネルを用いたディスプレイやプラズマディスプレイなどを用いることができる。
(c)上記実施形態では、壁掛け型室内機を備えるセパレートタイプの空気調和装置について説明したが、壁掛け型室内機に限定されるものではなく、天井埋め込み型、壁面埋め込み型、または床設置型の室内機を備えるものであってもよい。また、セパレートタイプだけでなくビルマルチタイプの空気調和装置であってもよい。さらには、加湿器や除湿機や空気清浄機などの空気調和装置にも適用することが可能である。
<特徴>
(1)
空気調和装置1は、本体側制御部100(制御部)と、室内機2のパネル表示部23及びリモートコントローラ5の液晶画面53(表示部)とを備えている。パネル表示部23と液晶画面53のうちの少なくとも一方を用いて、到達レベル(空気調和関連情報)を表示することができる。到達レベル(空気調和関連情報)は、時間の経過にともなって変化する室内温度や室内湿度などの状態情報と、室内温度や室内湿度の設定値などの設定条件とに基づいて得られる2次的な空気調和関連情報である。これら室内温度や室内湿度などの状態情報は、各種センサ111,121(検知部)を用いて検知される。上記の説明では、室内温度を室内温度の設定値で除して得られる比率を到達レベルとしている。ただし、到達レベルは室内温度に限られず、室内湿度を室内湿度の設定値で除して得られる比率を用いてもよく、空気調和関連情報のうち状態情報と設定条件とに基づき得られるものであれば本発明の対象となり得る。
到達レベルのような空気調和関連情報は、その演算の項に状態情報が入るため、時間が経つと状態情報の経時変化にともなって到達レベルが変化する。そこで、本体側制御部100の報知制御部102では、タイマーT2によって所定時間が経過するタイミングで到達レベルの表示の変更を行っている(待機機能)。ただし、待機機能は、タイマーT2による所定時間の経過に限られず、他の条件、例えば2回到達レベルの変化があるごとに1回表示を変更するなどであってもよく、決められた条件の成立を待って適切なタイミングで表示ができればよい。
その一方で、タイマーT2による所定時間経過の前であっても表示をすべきと考えられるタイミングが存在することを発明者は見出した。それは、例えば、到達レベルにおける設定値の変更や運転モードの変更である。室内温度についての到達レベルの場合に、室内温度の設定値が変更されると、到達レベルが大きく変化する。このような場合に、設定値の変更の指示信号をリモートコントローラ5から受信したタイミングで、本体側制御部100の報知制御部102は到達レベルの変更を行う。つまり、タイマーT2で到達レベルの表示(変更)の待機を行っているのを、室内温度の設定値の変更の指示信号の受信によって待機を無効化して早期に表示する(待機無効化機能)。
それにより、ユーザが室内温度の設定値(設定条件)を変更することで期待している到達レベル(空気調和関連情報)の変更を適切なタイミングで行うことができる。室内温度の設定値(設定条件)が変更された時点で、変更された設定値に基づく到達レベルに変更することができるので、変更された設定条件から予想される表示の変化、例えば到達レベルのダウンに実際の表示を合致させることができ、ユーザの混乱が防止される。
このように報知制御部102のタイマーでT2到達レベル表示変更のタイミングを与えている場合には、タイマーT2のリセットという簡単な操作で待機無効化機能を構成できる。
また、室内温度の到達レベルの場合には暖房運転のモードと冷房運転のモードを切替えることで到達レベルが大きく変わるが、このような運転モードの変更という重要な設定条件の転換点で本体側制御部100の報知制御部102が図7のステップS106の判断を行って待機無効化機能の働かせることでユーザの混乱防止の効果が大きくなる。
また、室内温度または室内湿度の設定値の変更という空気調和の基礎となる設定条件の変更時点で本体側制御部100の報知制御部102が図7のステップS107の判断を行って待機無効化機能を働かせることでユーザの混乱防止の効果が大きくなる。
(2)
空気調和装置1は、室内機2及び室外機3(本体)に本体側制御部100(制御部)を備え、リモートコントローラ5(外部機器)にコントローラ側表示部212の液晶画面53を備えている。液晶画面53に到達レベルの表示を行う場合、リモートコントローラ5から到達レベルの表示(設定条件)の指示信号を受信したタイミングで、図7に示すステップS108の判断を行って待機無効化機能を働かせる。それにより、無線通信によりリモートコントローラ5(外部機器)と室内機2(本体)との間で情報の遣り取りのタイミングが制限される場合であってもリモートコントローラ5の液晶画面53への表示を遅滞なく行うことができる。
また、液晶画面53に表示するとともに、室内機2のパネル表示部23にも到達レベルを表示する場合、到達レベルの表示(設定条件)の指示信号を受信したタイミングで、図7に示すステップS108の判断を行って待機無効化機能を働かせることにより、パネル表示部23と液晶画面53の表示内容と表示タイミングを一致させることができる。それにより、無線通信により情報の遣り取りを行うリモートコントローラ5(外部機器)と室内機2(本体)の間で、表示内容や表示タイミングがずれることによるユーザの混乱を防止することができる。
さらに、他の条件を付加して液晶画面53とパネル表示部23の表示タイミングを同時に後にずらすこともできる。