JP4930479B2 - ロータリーピストンエンジン及びその設計方法 - Google Patents

ロータリーピストンエンジン及びその設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4930479B2
JP4930479B2 JP2008233325A JP2008233325A JP4930479B2 JP 4930479 B2 JP4930479 B2 JP 4930479B2 JP 2008233325 A JP2008233325 A JP 2008233325A JP 2008233325 A JP2008233325 A JP 2008233325A JP 4930479 B2 JP4930479 B2 JP 4930479B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
working chamber
pair
housing
rotary piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008233325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009115077A (ja
Inventor
律治 清水
信也 植木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008233325A priority Critical patent/JP4930479B2/ja
Publication of JP2009115077A publication Critical patent/JP2009115077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4930479B2 publication Critical patent/JP4930479B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B55/00Internal-combustion aspects of rotary pistons; Outer members for co-operation with rotary pistons
    • F02B55/02Pistons
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B55/00Internal-combustion aspects of rotary pistons; Outer members for co-operation with rotary pistons
    • F02B55/14Shapes or constructions of combustion chambers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B53/00Internal-combustion aspects of rotary-piston or oscillating-piston engines
    • F02B2053/005Wankel engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B53/00Internal-combustion aspects of rotary-piston or oscillating-piston engines
    • F02B53/12Ignition

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、ロータリーピストンエンジン及びその設計方法に関する。
ロータリーピストンエンジンは、トロコイド内周面を有するローターハウジングの両側にサイドハウジングを配置することによって形成したローター収容室内に、概略三角形状のローターを収容したエンジンである。ロータリーピストンエンジンは、ローターの回転につれて、ローターとハウジングとの間で区画した3つの作動室それぞれを周方向に移動させながら、順に吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を行わせる(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に開示されたロータリーピストンエンジンにおいては、吸気ポートはサイドハウジングに開口させている一方で、その排気ポートはローターハウジングに開口させている。つまり、このロータリーピストンエンジンでは、いわゆるペリフェラル排気方式が採用されている。
ところが、ペリフェラル排気方式のロータリーピストンエンジンは、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとが一部重なってしまうことで、多量の残留排ガスが次行程に持ち込まれてしまう。つまり、ペリフェラル排気方式のロータリーピストンエンジンは、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)量が増大するため、燃焼安定性を確保するためには、混合気を理論空燃比よりもリッチにしなければならない。
これに対し、特許文献2のロータリーピストンエンジンでは、排気ポートをサイドハウジングに開口させた、いわゆるサイド排気方式を採用している。これによって、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとの重なりを無くすことが可能になる。その結果、次行程に持ち込まれる残留排ガスを低減させて、理論空燃比でも安定した燃焼を実現している。その結果、サイド排気方式のロータリーピストンエンジンは、ペリフェラル排気方式のロータリーピストンエンジンよりも燃料消費量が低減する。
特開平5−202761号公報 特開平7−11969号公報
前述したように、サイド排気方式のロータリーピストンエンジンは、相対的に燃費が改善しているとはいえ、ロータリーピストンエンジンの燃費については、さらなる向上が求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロータリーピストンエンジンの燃費をさらに向上させることにある。
前記の目的に鑑みて、本願発明者が、ロータリーピストンエンジンの、特にローターの寸法関係に着目して検討したところ、概略三角形状のローターの一辺の長さL(つまり、ローターを構成する略長方形状のフランク面における長手方向の長さ)と、幅b(前記フランク面における短手方向の長さ)と、を含むパラメータL/b(アスペクト比)が、燃焼安定性を向上させる上で重要であることが判明した。
すなわち、図6は、アイドル運転状態(回転数:820rpm)における、前記ローターの寸法パラメータL/bに対する回転変動の関係を示している。ペリフェラル排気方式では、前述したように、吸気と排気とのオープンタイミングがオーバーラップすることにより内部EGR量が増大する。このため、図6に仮想線で示すように、理論空燃比(A/F=14.7)では軽負荷時における燃焼安定性が悪くなってしまう。そこでペリフェラル排気方式では、図6にバツ印をプロットした実線や白丸をプロットした実線で示すように、混合気を理論空燃比よりもリッチにする(A/F=14.0又は13.0)ことにより燃焼安定性を確保している。この設定では、寸法パラメータL/bと回転変動との関係はリニアな関係にならない。
これに対し、サイド排気方式では、前述したように、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとのオーバーラップを無くすことが可能であり、それによって、混合気を理論空燃比までリーンにしても、燃焼安定性を確保することができる(図6の黒丸をプロットした破線参照)。このような、サイド排気方式でかつ理論空燃比の設定では、寸法パラメータL/bと回転変動との関係はリニアな関係になる。このため、寸法パラメータL/bを大きく設定すればするほど、燃焼安定性はより高まるようになる。ひいては燃費が改善することになる。
ここで、寸法パラメータL/bと燃焼安定性との関係は、次のように説明することができる。
ロータリーピストンエンジンでは、燃焼速度を高めるために、圧縮乃至膨張行程にある作動室に臨むように、ローター回転方向(換言すればローターの周方向)に所定間隔を開けて、トレーリング側及びリーディング側の2つの点火プラグを配置している。トレーリング側及びリーディング側点火プラグそれぞれの点火によって発生した火炎(T側火炎及びL側火炎)は、ローター回転方向及びローター幅方向のそれぞれに伝播することになる。ここで、ロータリーピストンエンジンの構造上、ローター回転方向の火炎の伝播速度は比較的高くなるのに対し、ローター幅方向への火炎の伝播速度は、ローター回転方向の伝播速度に比べて低くなる。
そうして、ローター回転方向のリーディング側に伝播するT側火炎と、トレーリング側に伝播するL側火炎とは、2つの火炎の中間付近で衝突することになるが、その衝突後は、T側火炎及びL側火炎の燃焼が共に減衰することになり、ローター回転方向及びローター幅方向のそれぞれについて火炎の伝播速度が低下する。
以上のようなロータリーピストンエンジンにおける燃焼形態の前提において、寸法パラメータL/bを小さくした場合を検討する。排気量を一定にして寸法パラメータL/bを小さくすることは、ローターの一辺の長さLを相対的に短くする一方で、ローターの幅bを相対的に広くすることに対応する。つまり、ローターは、その三角形が小さくて、厚みが分厚い形状になる。長さLを短くすることに伴いトレーリング側及びリーディング側点火プラグの間隔も狭くなるため、T側及びL側火炎の発生から、その火炎同士が衝突するまでの時間は短くなる。また、幅bが広くなることと、前記火炎同士の衝突までの時間が短くなることとが相俟って、T側火炎及びL側火炎のそれぞれがローター幅方向に伝播してサイドハウジングに到達する前に、前記火炎同士の衝突が起こるようになる。火炎同士の衝突後は火炎の伝播速度が低下することから、結果として火炎は、ローター幅方向にはあまり広がらなくなる。
これに対し、寸法パラメータL/bを大きくした場合を検討する。排気量を一定にして寸法パラメータL/bを大きくすることは、ローターの一辺の長さLを相対的に長くする一方で、その幅bを相対的に狭くすることに対応する。つまり、ローターは、その三角形が大きくて、厚みが薄い形状になる。長さLを長くすることに伴いトレーリング側及びリーディング側点火プラグの間隔も広がるため、T側火炎とL側火炎とが衝突するまでの時間が比較的長くなる。
そのT側火炎とL側火炎との衝突までの時間が長くなることと、幅bが狭くなることとが組み合わさって、ローター幅方向に伝播するT側火炎及びL側火炎のそれぞれは、火炎同士の衝突前にサイドハウジングにまで到達するようになる。火炎がサイドハウジングに到達した後は、その近傍圧力の増大によって火炎の伝播が、ローター回転方向に向きを変える。それによってローター回転方向の火炎の伝播が促進される。そうしてその後に、ローター回転方向におけるT側及びL側火炎の衝突が生じるようになる。
このように寸法パラメータL/bを大きくすることによって、燃焼安定性が高まるように、作動室内における燃焼パターンが改善されると考えられる。
本発明の一側面によると、ロータリーピストンエンジンは、出力軸回りを軌道運動すると共に、当該出力軸に対し平行かつオフセットした偏心軸を中心に回転する、前記軸方向に見て概略三角形状のローターと、前記ローターの軸線方向両側にそれぞれ配置されかつ、前記ローターのサイドシールと接触する一対のサイドハウジングと、互いに直交する長軸及び短軸によって規定される概略楕円形状のトロコイド内周面を有しかつ、その内部に前記ローターを収容すると共に、その内周面が前記ローターのアペックスシールと接触しかつ、前記ローター及び前記一対のサイドハウジングと共に、3つの作動室を規定するローターハウジングと、前記作動室の一つに連通して当該作動室に空気を吸入させることが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する吸気ポートと、前記作動室の一つに連通して当該作動室から排気を排出することが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する排気ポートと、前記ローターハウジングに対して、実質的に前記ローターの周方向に並んで配置される一対の点火プラグと、前記ローターハウジングの頂部に、吸気行程にある作動室に望んで配設されかつ、当該吸気作動室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、を備える。
そして、前記作動室に供給される空気/燃料の比率は、理論空燃比に設定され、前記ローターの厚みは、70mm以下であり、前記一対の点火プラグの一方は、前記短軸を挟んだ一側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置され、他方の点火プラグは、前記短軸を挟んだ他側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置されていると共に、前記一対の点火プラグは、少なくとも前記ローターの厚みの0.7倍以上1.0倍以下の距離だけ互いに離間しており、前記ローターの一辺の長さ(L)を、前記ローターの厚み(b)の少なくとも2.4倍にする。
この構成によると、前述したように、寸法パラメータL/bを比較的大きくする(L/b≧2.4)ことによって、燃焼パターンが改善されて燃焼安定性が高まる。
また、排気量を一定にして寸法パラメータL/bを大きくすることは、前述したように、長さLを長くして幅bを狭くすることであるから、作動室の形状が細長くなることに対応する。よって、圧縮行程から燃焼行程にかけての作動室の表面積/容積比(S/V比)は低下する。それによって熱効率が改善されるから、ロータリーピストンエンジンの燃費は、さらに向上する。
前記ローターの幅b70mm以下に設定することで、ローター幅方向及びローター回転方向への火炎の伝播速度の低下が抑制される。
記一対の点火プラグを、前記ローターの厚みの0.7倍以上1.0倍以下の距離だけ互いに離間させて、一対の点火プラグの間隔を比較的広げることによって、前述したように、2つの火炎が衝突するまでの時間が長くなる。その結果、燃焼パターンが改善されることにより、燃焼安定性が高まる。
また、前記一対の点火プラグの一方、前記短軸を挟んだ一側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置、前記一対の点火プラグの他方、前記短軸を挟んだ他側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置すること、点火プラグの配置適正化する。
前記作動室に供給される空気/燃料の比率、理論空燃比に設定することにより、寸法パラメータL/bと回転変動との関係がリニアな関係になる。
前記一対の点火プラグ間の距離は、48mm以上である、としてもよい。また、前記一対の点火プラグ間の距離は、60mm以上である、としてもよい。
本発明の別の側面によると、設計方法は、出力軸回りを軌道運動すると共に、当該出力軸に対し平行かつオフセットした偏心軸を中心に回転する、前記軸方向に見て概略三角形状のローターと、前記ローターの軸線方向両側にそれぞれ配置されかつ、前記ローターのサイドシールと接触する一対のサイドハウジングと、互いに直交する長軸及び短軸によって規定される概略楕円形状のトロコイド内周面を有しかつ、その内部に前記ローターを収容すると共に、その内周面が前記ローターのアペックスシールと接触しかつ、前記ローター及び前記一対のサイドハウジングと共に、3つの作動室を規定するローターハウジングと、前記作動室の一つに連通して当該作動室に空気を吸入させることが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する吸気ポートと、前記作動室の一つに連通して当該作動室から排気を排出することが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する排気ポートと、前記ローターハウジングに対して、実質的に前記ローターの周方向に並んで配置される一対の点火プラグと、前記ローターハウジングの頂部に、吸気行程にある作動室に望んで配設されかつ、当該吸気作動室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、を備えたロータリーピストンエンジンの設計方法である。
この設計方法は、前記作動室に供給される空気/燃料の比率を、理論空燃比に設定し、前記ローターの厚みを、70mm以下に設定する工程、前記一対の点火プラグの一方を、前記短軸を挟んだ一側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置し、他方の点火プラグを、前記短軸を挟んだ他側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置すると共に、前記一対の点火プラグの間の距離を、前記ローターの厚みの0.7倍以上1.0倍以下の距離となるように設定する工程、及び、前記ローターの一辺の長さを、前記ローターの厚みの少なくとも2.4倍となるように設定する工程を含む。
前記設計方法は、前記ローターの最大許容回転数を設定する工程をさらに含み、前記ローターの一辺の長さは、前記最大許容回転数が低いほど長く設定される、としてもよい。
ローターの一辺の長さが長くなることは、概略三角形状のローターがその分大型化することになる。このため、ローターにおいてアペックスシールが取り付けられた各頂部の摺動速度が高くなる。従って、摺動速度の制約によって、ローターの最大許容回転数が規定されるため、ローターの一辺の長さの上限は、その最大許容回転数によって規定すればよい。
以上説明したように、本発明によると、寸法パラメータL/bを比較的大きく設定することによって、T側火炎とL側火炎とがローター回転方向に衝突する前に、それぞれの火炎をローター幅方向に十分に伝播させることができ、燃焼安定性を高めることができる。さらに、一対の点火プラグの間隔を比較的広げることによっても、燃焼安定性を高めることができる。また、寸法パラメータL/bを比較的大きく設定することに伴いS/V比が小さくなるため、それによる熱効率の向上と相俟って、ロータリーピストンエンジンの燃費を大幅に向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るロータリーピストンエンジン1(以下、単にエンジン1という)を示している。このエンジン1は、2つのローター2,2を備えた2ロータータイプであり、2つのローターハウジング3,3が、インターミディエイトハウジング(サイドハウジング)4をその間に挟んだ状態で、これらの両側からさらに2つのサイドハウジング5,5で挟み込むようにして一体化されることによって構成されている。尚、図1では、その右側の一部は切り欠いて内部を示すとともに、左側のサイドハウジング5も内部を示すために分離してある。また、図中の符号Xはエキセントリックシャフト6の軸心となる回転軸(出力軸)である。
そして、各ローターハウジング3,3の、平行トロコイド曲線で描かれるトロコイド内周面3a,3aと、これらローターハウジング3,3を両側から挟むサイドハウジング5,5の内側面5a,5aと、インターミディエイトハウジング4の両側の内側面4a,4aとによって、図2に示すように回転軸Xの方向から見て繭のような略楕円形状をしたローター収容室7が、2つ横並びに区画されており、これらローター収容室7にそれぞれローター2が1つずつ収容されている。各ローター収容室7,7は、インターミディエイトハウジング4に対して対称に配置されており、ローター2の位置及び位相が異なっている点を除けば構成は同じであるため、以下、1つのローター収容室7について説明する。
ローター2は、回転軸Xの方向から見て各辺の中央部が膨出する略三角形状をしたブロック体からなり、その外周には、各頂部間に3つの略長方形をしたフランク面2a,2a,2aが備えられている。各フランク面2aの中央部分には、その長軸方向に延びるリセス2bが形成されている。
そして、ローター2は、各頂部に図示しないアペックスシールを有し、これらアペックスシールがローターハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接しており、このローターハウジング3のトロコイド内周面3aと、インターミディエイトハウジング4の内側面4aと、サイドハウジング5の内側面5aと、ローター2のフランク面2aとで、ローター収容室7の内部に、3つの作動室8,8,8がそれぞれ区画形成されている。
また、ローター2の内側には位相ギアが設けられている(図示せず)。すなわち、ローター2の内側の内歯車(ローターギア)とサイドハウジング5側の外歯車(固定ギア)とが噛合するとともに、ローター2は、インターミディエイトハウジング4及びサイドハウジング5を貫通するエキセントリックシャフト6に対して、遊星回転運動をするように支持されている。
すなわち、ローター2の回転運動は内歯車と外歯車との噛み合いによって規定され、ローター2は、3つのシール部が各々ローターハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接しつつ、エキセントリックシャフト6の偏心輪(偏心軸)6aの周りを自転しながら、回転軸Xの周りに自転と同方向に公転する(この自転、公転を含め、広い意味で単にローターの回転という)。そして、ローター2が1回転する間に3つの作動室8,8,8が周方向に移動し、それぞれで吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程が行われて、これにより発生する回転力がローター2を介してエキセントリックシャフト6から出力される。
より具体的に、図2において、ローター2は矢印で示すように、時計回りに回転しており、回転軸Xを通るローター収容室7の長軸Yを境に分けられるローター収容室7の左側が概ね吸気及び排気行程の領域となり、右側が概ね圧縮及び膨張行程の領域となっている。
そして、図2における左上の作動室8に着目すると、これは吸気と噴射された燃料とによって混合気を形成する吸気行程を示しており(以下、この状態にある作動室を吸気作動室8ともいう)、この作動室8がローター2の回転につれて圧縮行程に移行すると、その内部にて混合気が圧縮される。その後、図の右側に示す作動室8のように圧縮行程の終盤から膨張行程にかけて所定のタイミングにて点火プラグ91,92により点火されて、燃焼・膨張行程が行われる(以下、この状態にある作動室を圧縮・膨張作動室8ともいう)。そして、最後に図の左下の作動室8のような排気行程に至ると(以下、この状態にある作動室を排気作動室8ともいう)、燃焼ガスが排気ポート10から排気された後、再び吸気行程に戻って各行程が繰り返されるようになっている。
ローターハウジング3の長軸Y上に相当する、該ローターハウジング3の頂部には、インジェクタ15(燃料噴射弁)が取り付けられている。このインジェクタ15は、前記吸気作動室8に臨んで配設されていて、その吸気作動室8内に燃料を直接噴射する。
この吸気作動室8にはまた、複数の吸気ポート11,12,13が連通している。すなわち、吸気作動室8に面するインターミディエイトハウジング4の内側面4aには、ローター収容室7の外周側の短軸Z寄りに第1吸気ポート11が開口している。また、図1に示すように、吸気作動室8に面するサイドハウジング5の内側面5aには、第1吸気ポート11に対向するように、そのローター収容室7の外周側の短軸Z寄りに第2吸気ポート12及び第3吸気ポート13が開口している。
そうして、例えば、エンジン1の低回転域では、第1吸気ポート11のみから吸気され、吸気量が不足するようになると第2吸気ポート12からも吸気され(中回転域)、さらに吸気量が不足するようになると第3吸気ポート13からも吸気されて(高回転域)、吸気量が変化しても最適な吸気流速を維持して、エンジン1の低負荷低回転から高負荷高回転までの全運転領域に渡って効率よく吸気できるようになっている。
ローターハウジング3の側部における、短軸Zを挟んだローター回転方向のトレーリング側(遅れ側)位置と、リーディング側(進み側)位置と、にはそれぞれ、T側点火プラグ91とL側点火プラグ92とが取り付けられている。これら2つの点火プラグ91,92は、前記圧縮・膨張作動室8に臨んでおり、この圧縮・膨張作動室8内の混合気に、同時に又は位相差を持って順に点火をする。このように2つの点火プラグ91,92を備えることによって、扁平形状となる圧縮・膨張作動室8において、その燃焼速度を高めるようにしている。ここで、T側点火プラグ91は、短軸Zに対してd1だけ離れた位置に配置され、L側点火プラグ92は、短軸Zに対してd2だけ離れた位置に配置されている。このT側点火プラグ91は、図2に示すように、短軸Zから、ローター2の一辺の長さLの半分の領域内に配置される一方、L側点火プラグ92もまた、短軸Zから、ローター2の一辺の長さLの半分の領域内に配置される。こうすることによって、T側点火プラグ91及びL側点火プラグ92をそれぞれ、圧縮・膨張作動室8内に位置付けることが可能になる。
前記排気作動室8には、複数の排気ポート10,10が連通している。すなわち、排気作動室8に面するインターミディエイトハウジング4の内側面4aには、ローター収容室7の外周側の短軸Z寄りに排気ポート10が開口している。また、図1に示すように、排気作動室8に面するサイドハウジング5の内側面5aにも、前記排気ポート10に対向して排気ポート10が開口している。このようにこのエンジン1では、いわゆるサイド排気方式が採用されており、この排気ポート10の開口位置及び開口形状は、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとがオーバーラップしないように設定されている。これによって、次行程に持ち込まれる残留排ガスを低減するようにしており、その結果、混合気がリーンであっても燃焼安定性が向上するようになる。そのため、このエンジン1では、混合気の空燃比を理論空燃比となるようにしている。
本実施形態に係るエンジン1において特徴的な点は、概略三角形状のローター2が比較的大きくされている一方で、その厚みが比較的薄くされている点である。つまり、図3に示すように(尚、図3は、ローター座標系で見たときのロータの側面図である)、そのローター2の一辺の長さLが比較的長くかつ、その幅bが比較的狭く設定されており、長さLと幅bとを含む寸法パラメータL/bは、従来のローターの寸法パラメータL/bよりも大きくされている。このことによって、このエンジン1では、燃焼安定性が向上すると共に、熱効率が向上して、燃料消費量が改善することなる。以下、その理由について説明する。
先ず図4は、横軸をローター2の幅b(mm)、縦軸をエキセン角(°CA)として、ローター2の幅bを変更した場合の、ローター幅方向の火炎の伝播速度の変化を示している。尚、エキセン角とは、圧縮・膨張作動室8の容積が最小となる状態(上死点:TDC)を基準とし、これに対するエキセントリックシャフト6の回転方向側への回転角である。
同図において白丸をプロットした破線は、L側点火プラグ92の点火により生じた火炎(L側火炎)がローター幅方向に伝播してサイドハウジング5(又はインターミディエイトハウジング4)、つまり作動室8におけるローター幅方向の端にまで到達したときのエキセン角である。また、同図において黒丸をプロットした実線は、T側点火プラグ91の点火により生じた火炎(T側火炎)がローター幅方向に伝播してその端にまで到達したときのエキセン角である。さらに、同図においてバツ印をプロットした破線は、L側火炎がローター回転方向のトレーリング側に伝播する(LT方向、図3参照)と共に、T側火炎がローター回転方向のリーディング側に伝播する(TL方向)ことによって両者が衝突したときのエキセン角である。
同図によると、ローター2の幅bが75mm以下であるときには、T側火炎がサイドハウジング5に到達するときのエキセン角及びL側火炎がサイドハウジング5に到達するときのエキセン角はそれぞれ、L側火炎とT側火炎とが衝突するときのエキセン角と同じか、それよりも小さいのに対し、ローター2の幅bが75mmよりも大きいときには、T側及びL側火炎がサイドハウジング5に到達するときのエキセン角よりも、L側火炎とT側火炎とが衝突するときのエキセン角の方が小さくなる。これは、ローター2の幅bが大きくなると、T側及びL側火炎がローター幅方向に伝播して、サイドハウジング5にまで到達するまでの時間が、その分長くなることで、L側火炎とT側火炎との衝突が先に起こってしまい、燃焼が減衰して、火炎がサイドハウジング5に到達し難くなるためと考えられる。従って、ローター幅方向への火炎の伝播速度の低下を抑制する観点からは、ローター2の幅bとしては、75mm以下とすることが好ましい。
次に図5は、横軸をローター2の幅b(mm)、縦軸をエキセン角(°CA)として、ローター2の幅bを変更した場合の、ローター回転方向の火炎の伝播速度の変化を示している。同図において黒丸をプロットした実線は、T側火炎がローター回転方向のトレーリング側に伝播して(TT方向、図3参照)、その端部にまで到達したときのエキセン角である。また、同図において黒丸をプロットした破線は、L側火炎がローター回転方向のリーディング側に伝播して(LL方向)、その端部にまで到達したときのエキセン角である。さらに、同図においてバツ印をプロットした破線は、L側火炎とT側火炎とがローター回転方向に衝突したときのエキセン角である。
同図によると、ローター2の幅bが70mm以下であるときには、T側火炎がトレーリング側端部に到達するときのエキセン角及びL側火炎がリーディング側端部に到達するときのエキセン角は略一定であるのに対し、ローター2の幅bが70mmよりも大きいときには、特にT側火炎がトレーリング側端部に到達するときのエキセン角が次第に大きくなる。これは、T側火炎及びL側火炎の衝突前に、そのT側火炎及びL側火炎がサイドハウジング5に到達した場合は、その近傍圧力の増大によって火炎の伝播方向がローター回転方向に切り換わってローター回転方向の火炎の伝播が促進されるのに対し、T側火炎及びL側火炎がサイドハウジング5に到達する前に、T側火炎及びL側火炎が衝突して燃焼が減衰したときには、前述したローター回転方向への火炎伝播の促進が無くなるため、特にT側火炎のトレーリング側への火炎伝播が遅れてしまうと考えられる。従って、ローター回転方向への火炎の伝播速度の低下を抑制する観点からは、ローター2の幅bは、70mm以下とすることが好ましい。
次に、表1に示す例1、4、5、実施例2、3、従来例、及び比較例1,2のそれぞれのロータリーピストンエンジンについて検討する。例1、4、5、実施例2、3は、寸法パラメータL/bが2.4以上に設定されている。また、従来例は、例1に対してローターの幅bを拡大しかつ長さLを短くした例であり、寸法パラメータL/bが2.4よりも小さく設定されている。さらに、比較例1,2はそれぞれ、従来例に対して幅bを拡大した例であり、寸法パラメータL/bが2.4よりも小さく設定されている。
また、表1では、例1、4、5、実施例2、3、従来例、及び比較例1,2のそれぞれについて、配置パラメータd/bを規定している。この配置パラメータd/bは、一対の点火プラグ91,92間の距離をd(=d1+d2)として、ローターの幅b、換言すればローターハウジング3の幅と組み合わせたパラメータである。例1、4、実施例2、3は、配置パラメータd/bが0.7以上であり、従来例及び比較例1,2はそれぞれ点火プラグ91,92間の距離が例1よりも短く設定されており、配置パラメータd/bが0.7よりも小さく設定されている。
Figure 0004930479
図6は、前記寸法パラメータL/bに対する、アイドル運転状態(回転数:820rpm)での回転変動(σ−ne)を示している。
先ず、従来のペリフェラル排気方式のエンジンにおいては、前述したように、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとのオーバーラップが生じることから、空燃比を理論空燃比よりもリッチに設定することによって、燃焼安定性を確保していた(図6における、バツ印をプロットした実線及び白丸をプロットした実線参照)。この設定では、寸法パラメータL/bと回転変動の関係とはリニアな関係にはならない。
これに対し、サイド排気方式のエンジンであって、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとのオーバーラップがない設定とした、本実施形態のようなエンジンでは、理論空燃比に設定することで混合気を従来よりもリーンにしても、燃焼安定性を確保することが可能になる(図6における、黒丸をプロットした破線参照)。この設定では、寸法パラメータL/bと回転変動の関係とはリニアな関係になり、寸法パラメータL/bを大きくした方が安定性限界から離れるようになる。つまり、寸法パラメータL/bを大きくした方が、燃焼がより安定になる。同図によると、燃焼安定性を十分に確保する観点からは、寸法パラメータL/bは、2.4以上であることが好ましい。
次に、図7は、寸法パラメータL/bに対する燃焼変動率(σ−Pmax)を示している。エンジン1の運転状態は、回転数:2000rpm、BMEP(Brake Mean Effective Pressure、正味平均有効圧):294kPaの、比較的低回転数でかつ低負荷の条件で比較した。これにおいても前記と同様に、サイド排気方式でかつ、理論空燃比に設定した、本実施形態のようなエンジンでは、寸法パラメータL/bと燃焼変動率との関係はリニアな関係になり(図7における黒丸をプロットした破線参照)、パラメータL/bを大きくした方が、燃焼がより安定になる。
図8は、TDCでの表面積/容積比(S/V比)に対する、ローター回転方向の燃焼速度の変化を示している。同図において、黒丸は、T側火炎のトレーリング側方向(TT方向、図3参照)の燃焼速度、白三角は、T側火炎のリーディング側方向(TL方向)の燃焼速度、黒四角は、L側火炎のトレーリング側方向(LT方向)の燃焼速度、バツ印は、L側火炎のリーディング側方向(LL方向)の燃焼速度をそれぞれ示している。
寸法パラメータL/bを大きくすることは、幾何学上、S/V比が小さくなることに対応する。図8によると、S/V比が小さくなるにつれて、特にTT方向の火炎伝播速度が増大している。これは、S/V比が小であることによる熱効率の向上に起因していると考えられる。
次に、図9は、例1、比較例1及び従来例のそれぞれについて、熱発生パターンの比較を示している。横軸はエキセン角(°CA)、縦軸は熱発生率(dQ/dθ)(J/deg)である。
図9によると、破線で示す従来例は、熱発生率のピークが低いと共に、そのピークの後は、熱発生率が急激に減少している。また、一点鎖線で示す比較例1は、燃焼安定性の観点から点火タイミングを従来例よりも進角させているが、熱発生率のピークが、従来例と同様に低い。一方で、そのピークの後は、熱発生率が従来例よりも若干高い部分が生じていて(エキセン角60°CA付近)、緩慢な燃焼が続いている。
これに対し、実線で示す例1は、熱発生率のピークが、従来例及び比較例1に比べて大幅に高く、さらにそのピーク後も、比較的高い熱発生率を維持している(同図の白抜きの矢印参照)。これは、ローターの幅方向に火炎が十分に伝播しているためと考えられる。従って、例1の曲線によって囲まれた面積は、従来例及び比較例1に比べて十分に大きく、熱発生が高い。
図10は、横軸にS/V比とし、縦軸に燃費率として、例1、比較例1及び従来例それぞれの燃費率を示している。ここでは、低回転かつ低負荷の条件(回転数:1500rpm、BMEP:294kPa)の下で比較をした。これによると、前記例1は、比較例1及び従来例に比べて、燃費率が5%程度、改善している(同図の白抜きの矢印参照)。
次に、図11は、配置パラメータd/bに対する、アイドル運転状態(回転数:820rpm)での回転変動(σ−ne)を示している。また、図12は、回転数:2000rpm、BMEP:294kPaにおける、配置パラメータd/bに対する燃焼変動率(σ−Pmax)を示している。これらの図より、配置パラメータd/bも寸法パラメータL/bと同様に、配置パラメータd/bを大きくした方が燃焼がより安定になる。同図によると、燃焼安定性を十分に確保する観点からは、配置パラメータd/bは、0.7以上であることが好ましい。また、表1よると、点火プラグ91,92間の距離dは、48mm以上であることが好ましく、60mm以上であることがより好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るロータリーピストンエンジンによると、寸法パラメータL/bを比較的大きくすることによって、T側火炎及びL側火炎がローター回転方向に衝突する前に、そのT側火炎及びL側火炎をローター2の幅方向に十分に伝播させることができるため、燃焼パターンの改善により燃焼安定性が高まる。
また、寸法パラメータL/bを大きくすることによって、S/V比が低下して熱効率の改善も図られる。このため、前記の燃焼安定性の向上と組み合わさって、ロータリーピストンエンジン1の燃料消費量を大幅に改善することができる。
さらに、ロータリーピストンエンジン1の燃焼安定性に関係する別の指標として配置パラメータd/bが存在し、この配置パラメータd/bを大きくすることによってもまた、燃焼安定性を高めることができる。
以上説明したように、本発明は、ロータリーピストンエンジンにおいて、燃焼パターンを改善して、その燃焼安定性を向上させることにより、燃費をさらに向上させることができる点で有用である。
本発明の実施形態に係るロータリーピストンエンジンの概要を示す斜視図である。 同エンジンの要部を示す、一部を簡略化した断面図である。 ローターの寸法関係を示す側面概略図である。 ローターの幅に対するローター幅方向への火炎伝播速度の関係を示す図である。 ローターの幅に対するローター回転方向への火炎伝播速度の関係を示す図である。 寸法パラメータL/bに対する回転変動の関係を示す図である。 寸法パラメータL/bに対する燃焼変動率の関係を示す図である。 S/V比に対するローター回転方向の燃焼速度の関係を示す図である。 実施例、比較例及び従来例についての熱発生パターンの比較を示す図である。 S/V比に対する燃費率の関係を示す図である。 配置パラメータd/bに対する回転変動の関係を示す図である。 配置パラメータd/bに対する燃焼変動率の関係を示す図である。
1 ロータリーピストンエンジン
10 排気ポート
11、12,13 吸気ポート
2 ローター
3 ローターハウジング
3a トロコイド内周面
4 インターミディエイトハウジング
5 サイドハウジング
7 ローター収容室
8 作動室
91 トレーリング側点火プラグ
92 リーディング側点火プラグ

Claims (5)

  1. 出力軸回りを軌道運動すると共に、当該出力軸に対し平行かつオフセットした偏心軸を中心に回転する、前記軸方向に見て概略三角形状のローターと、
    前記ローターの軸線方向両側にそれぞれ配置されかつ、前記ローターのサイドシールと接触する一対のサイドハウジングと、
    互いに直交する長軸及び短軸によって規定される概略楕円形状のトロコイド内周面を有しかつ、その内部に前記ローターを収容すると共に、その内周面が前記ローターのアペックスシールと接触しかつ、前記ローター及び前記一対のサイドハウジングと共に、3つの作動室を規定するローターハウジングと、
    前記作動室の一つに連通して当該作動室に空気を吸入させることが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する吸気ポートと、
    前記作動室の一つに連通して当該作動室から排気を排出することが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する排気ポートと、
    前記ローターハウジングに対して、実質的に前記ローターの周方向に並んで配置される一対の点火プラグと、
    前記ローターハウジングの頂部に、吸気行程にある作動室に望んで配設されかつ、当該吸気作動室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、を備え、
    前記作動室に供給される空気/燃料の比率は、理論空燃比に設定され、
    前記ローターの厚みは、70mm以下であり、
    前記一対の点火プラグの一方は、前記短軸を挟んだ一側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置され、他方の点火プラグは、前記短軸を挟んだ他側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置されていると共に、前記一対の点火プラグは、前記ローターの厚みの0.7倍以上1.0倍以下の距離だけ互いに離間しており、
    前記ローターの一辺の長さは、前記ローターの厚みの少なくとも2.4倍であるロータリーピストンエンジン。
  2. 請求項1に記載のロータリーピストンエンジンにおいて、
    前記一対の点火プラグ間の距離は、48mm以上であるロータリーピストンエンジン。
  3. 請求項2に記載のロータリーピストンエンジンにおいて、
    前記一対の点火プラグ間の距離は、60mm以上であるロータリーピストンエンジン。
  4. 出力軸回りを軌道運動すると共に、当該出力軸に対し平行かつオフセットした偏心軸を中心に回転する、前記軸方向に見て概略三角形状のローターと、
    前記ローターの軸線方向両側にそれぞれ配置されかつ、前記ローターのサイドシールと接触する一対のサイドハウジングと、
    互いに直交する長軸及び短軸によって規定される概略楕円形状のトロコイド内周面を有しかつ、その内部に前記ローターを収容すると共に、その内周面が前記ローターのアペックスシールと接触しかつ、前記ローター及び前記一対のサイドハウジングと共に、3つの作動室を規定するローターハウジングと、
    前記作動室の一つに連通して当該作動室に空気を吸入させることが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する吸気ポートと、
    前記作動室の一つに連通して当該作動室から排気を排出することが可能な、前記サイドハウジングの少なくとも一つに開口する排気ポートと、
    前記ローターハウジングに対して、実質的に前記ローターの周方向に並んで配置される一対の点火プラグと、
    前記ローターハウジングの頂部に、吸気行程にある作動室に望んで配設されかつ、当該吸気作動室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、を備えたロータリーピストンエンジンの設計方法であって、
    前記作動室に供給される空気/燃料の比率を、理論空燃比に設定し、
    前記ローターの厚みを、70mm以下に設定する工程、
    前記一対の点火プラグの一方を、前記短軸を挟んだ一側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置し、他方の点火プラグを、前記短軸を挟んだ他側において、当該短軸から前記ローターの一辺の長さの半分の領域内に配置すると共に、前記一対の点火プラグの間の距離を、前記ローターの厚みの0.7倍以上1.0倍以下の距離となるように設定する工程、及び、
    前記ローターの一辺の長さを、前記ローターの厚みの少なくとも2.4倍となるように設定する工程を含む設計方法。
  5. 請求項4に記載の設計方法において、
    前記ローターの最大許容回転数を設定する工程をさらに含み、
    前記ローターの一辺の長さは、前記最大許容回転数が低いほど長く設定される設計方法。
JP2008233325A 2007-10-17 2008-09-11 ロータリーピストンエンジン及びその設計方法 Expired - Fee Related JP4930479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008233325A JP4930479B2 (ja) 2007-10-17 2008-09-11 ロータリーピストンエンジン及びその設計方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007270151 2007-10-17
JP2007270151 2007-10-17
JP2008233325A JP4930479B2 (ja) 2007-10-17 2008-09-11 ロータリーピストンエンジン及びその設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009115077A JP2009115077A (ja) 2009-05-28
JP4930479B2 true JP4930479B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=40149680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008233325A Expired - Fee Related JP4930479B2 (ja) 2007-10-17 2008-09-11 ロータリーピストンエンジン及びその設計方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8220435B2 (ja)
EP (1) EP2050941B1 (ja)
JP (1) JP4930479B2 (ja)
CN (1) CN101413436B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009022490B4 (de) * 2009-05-19 2014-10-23 Wankel Super Tec Gmbh Kolbenläufer für einen Rotationskolbenmotor und Rotationskolbenmotor
US8539931B1 (en) 2009-06-29 2013-09-24 Yousry Kamel Hanna Rotary internal combustion diesel engine
US20140338348A1 (en) * 2011-12-16 2014-11-20 Daniel Guy Pomerleau Rotary pulse detonation engine
CN103883391B (zh) * 2014-01-26 2016-04-27 王文阁 一种活塞式发动机及由其组成的发动机装置
CN106640387B (zh) 2016-12-06 2022-11-18 江苏大学 一种可实现转子发动机不同压缩比的执行机构
US10526961B2 (en) * 2017-02-09 2020-01-07 Pratt & Whitney Canada Corp. Rotary internal combustion engine with unequal volumetric ratios
JP7305930B2 (ja) * 2018-07-17 2023-07-11 マツダ株式会社 ロータリピストンエンジン

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1151413B (de) * 1960-08-29 1963-07-11 Nsu Motorenwerke Ag Dichtsystem fuer Rotationskolbenmaschinen
DE1144052B (de) * 1959-06-09 1963-02-21 Nsu Motorenwerke Ag Brennkraftmaschinensatz
DE1151993B (de) * 1961-03-25 1963-07-25 Nsu Motorenwerke Ag Radialdichtung fuer Rotationskolbenmaschinen
US3102492A (en) * 1961-05-10 1963-09-03 Curtiss Wright Corp Compensated rotary mechanism construction
US3196852A (en) * 1962-11-02 1965-07-27 Curtiss Wright Corp Rotating combustion engine with direct fuel injection
DE1242043B (de) * 1963-11-02 1967-06-08 Schmidt Gmbh Karl Kolbenlager fuer Rotationskolbenmaschinen
US3441007A (en) * 1966-11-10 1969-04-29 Johannes Kwaak Rotary piston engine
US3793996A (en) * 1972-07-18 1974-02-26 Curtiss Wright Corp Rotary combustion engine with improved firing system
US3941526A (en) * 1975-02-26 1976-03-02 General Motors Corporation Rotary engine assembly
JPS538410A (en) * 1976-07-12 1978-01-25 Haarii W Hoodorii Two stage rotary cylinder engine
DE3701659A1 (de) * 1986-01-21 1987-07-23 Mazda Motor Einlasssystem fuer verbrennungsmotoren
JPS63100227A (ja) * 1986-10-15 1988-05-02 Mazda Motor Corp 多気筒ロ−タリピストンエンジンの構造
JPS6436929A (en) * 1987-07-31 1989-02-07 Mazda Motor Ignition device for rotary piston engine
CN1073744A (zh) * 1991-12-28 1993-06-30 张寿龄 二冲程三角转子发动机
JPH05202761A (ja) 1992-01-28 1993-08-10 Mazda Motor Corp ロータリエンジンの点火装置
JP3392183B2 (ja) * 1993-06-23 2003-03-31 マツダ株式会社 ロータリピストンエンジン
US6014791A (en) * 1998-02-09 2000-01-18 Soundesign, L.L.C. Quiet vacuum cleaner using a vacuum pump with a lobed chamber
JP2004116492A (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Mazda Motor Corp ロータリーエンジンの燃料噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8220435B2 (en) 2012-07-17
CN101413436B (zh) 2012-07-04
JP2009115077A (ja) 2009-05-28
EP2050941A1 (en) 2009-04-22
US20090101103A1 (en) 2009-04-23
EP2050941B1 (en) 2011-07-20
CN101413436A (zh) 2009-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4930479B2 (ja) ロータリーピストンエンジン及びその設計方法
EP1887184B1 (en) Rotary positive displacement control apparatus
JP5544970B2 (ja) ロータリピストンエンジン
JP5672198B2 (ja) 水素ロータリーピストンエンジン
JP7159662B2 (ja) ロータリピストンエンジン
US10605084B2 (en) Internal combustion engine with rotor having offset peripheral surface
JP5737076B2 (ja) ロータリーピストンエンジン
JP2015504999A (ja) ロータリーピストン機関
JP4618150B2 (ja) 水素エンジンの制御装置
JP6137018B2 (ja) ロータリエンジン
JP4640158B2 (ja) 水素ロータリエンジンの燃料噴射装置
JP5920265B2 (ja) 水素ロータリエンジンの燃料噴射装置
JP5381095B2 (ja) ロータリーピストンエンジンの燃料噴射装置
JP6149851B2 (ja) ロータリーピストンエンジンのアペックスシール構造
JP4406881B2 (ja) エンジン制御装置
JP6146403B2 (ja) ロータリーピストンエンジンのアペックスシール構造
JP7305930B2 (ja) ロータリピストンエンジン
JP7159661B2 (ja) ロータリピストンエンジン
JP5233667B2 (ja) 直噴エンジンの燃料噴射装置
JPH06241055A (ja) 気体燃料エンジン
JP2020084932A (ja) ロータリピストンエンジン
JPH0255833A (ja) ロータリエンジンのロータ
JPH0237115A (ja) 燃料噴射式エンジン
JPH05280339A (ja) エンジンの燃焼制御装置
KR20090009688A (ko) 로타리 포지티브 변위 제어 시스템 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4930479

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees