JP6137018B2 - ロータリエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ロータリエンジンに関し、特に、冷却損失の低減に寄与するロータリエンジンに関する。
ロータリエンジンは、概略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングとその両側に配置されるサイドハウジングとにより形成されるロータ収容室を有し、このロータ収容室に、3つのフランク面を外周に有する概略三角形状のロータが収容されたエンジンであり、各フランク面とロータハウジング内周面との間に区画される3つの作動室をそれぞれ、ロータの回転に伴い周方向に移動させながら、各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各工程を順に行わせるように構成されている。
このロータリエンジンでは、各フランク面に、リセスと称する浅い窪みが形成されており、このリセスの容積により圧縮比をコントロールする。リセスは、従来、ロータ回転方向に伸びる、一定の深さを有した形状のものとされ、ロータ回転方向におけるフランク面の中心を境に対称に形成されていた。しかし、燃費やエミッションの改善の観点から、圧縮工程中の作動室内に直接燃料を噴射する、いわゆる直噴型のロータリエンジンでは、リセスの位置や形状が燃料の成層化に影響を与えることから、リセスに関し種々の取り組みがなされている。例えば、特許文献1には、リセスの位置をフランク面の上記中心からリーディング側にオフセットさせ、さらにリセスのうちリーディング側の一定領域の深さをそれ以外の領域の深さよりも深くする等して、燃焼室のうち、主にリーディング側端部の領域に燃料を成層化させるものが提案されている。
特開平5−86888号公報
上記従来のロータリエンジンは、ロータ回転方向に燃料を成層化する上では有効であるが、次の点において改善の余地がある。すなわち、従来のロータリエンジンでは、燃焼室のリーディング側端部の領域においては、ロータの回転軸方向の外側から内側に巻き込む流れが形成されており、そのため当該領域では上記軸方向の中央部に空気層が形成され、その両側、つまりサイドハウジング内周面に沿って燃料が偏在するという現象が生じている。このことは、燃焼時の熱エネルギーの多くがサイドハウジング側に移動する(逃げる)こと、つまり冷却損失が大きいことを意味する。従って、エンジンの熱効率を改善する観点からは、このようにサイドハウジング内周面に沿って燃料が偏在することを抑制し、冷却損失を低減させることが必要と考えられる。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、直噴型のロータリエンジンにおいて、冷却損失をより高度に低減させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ロータ収容室に収容されかつ各フランク面にリセスが形成されたロータと、前記ロータの周囲に区画される作動室のうち、圧縮工程にある作動室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えるロータリエンジンであって、ロータの回転軸と平行な方向を幅方向と定義したときに、前記リセスは、ロータ回転方向に延びる略矩形の第1凹部と、この第1凹部のリーディング側端部における幅方向中央部に繋がってリーディング側に伸び、かつ前記第1凹部よりも小さい幅方向寸法を有する溝部と、所定間隔を隔てて前記第1凹部のトレーリング側に並ぶ第2凹部とを含み、前記第2凹部は、リーディング側からトレーリング側に向かうに伴い深くなり、かつトレーリング側の端部に前記フランク面の法線方向に伸びるように立ち上がる壁面を備え、前記燃料噴射弁は、前記リセスの第1凹部と第2凹部との間の位置に向かって燃料を噴射するものである。
この構成によれば、燃料噴射弁から作動室(燃焼室)内に噴射される燃料をリセスに沿ってリーディング側に円滑に送り込むことが可能となる。この場合、リセスのリーディング側の端部が狭まっていることで、リセスを通過した燃料は、一旦、作動室の幅方向外側に向って移動した後、再び中央側に戻るように拡散する。これにより、空気を作動室の幅方向外側に追い遣るような混合気の渦流が形成される。そのため、リーディング側の端部領域では、作動室の幅方向両側の壁面に沿って空気層が形成され、燃料を多く含む混合気が作動室の幅方向中央部に分布することとなる。従って、この構成によれば、作動室の主にリーディング側であってかつその幅方向中央部に燃料を成層化させて燃焼させることが可能となり、その結果、作動室の幅方向両壁面への熱移動に起因する冷却損失を低減することが可能となる。
特に、比較的幅広の第1凹部から狭幅の溝部に混合気が移動することで混合気の流速が高められ、これにより混合気の撹拌が促進される。そのため、作動室のリーディング側の端部領域に成層化される燃料が過剰に高濃度化することが抑制される。
また、第2凹部を有することで、燃料噴射弁から噴射される燃料のうち、トレーリング側に拡散する燃料の方向を、効果的にリーディング側に変換させることが可能となる。そのため、トレーリング側の端部領域に燃料が偏在することを抑制することが可能となる。
この場合、前記燃料噴射弁は、圧縮工程にある作動室に臨むフランク面の前記リセスのトレーリング側端部の近傍位置に向かって、トレーリング側からリーディング側へ斜め方向に燃料を噴射するものあるのが好適である。
この構成によれば、作動室内に噴射される燃料をより効果的にリーディング側に送り込むことが可能となる。
この場合、前記凹部は、トレーリング側からリーディング側に向かうに伴い深くなるように形成されているのが好適である。
この構成によれば、燃料噴射弁から噴射される燃料を、より一層円滑にリーディング側に送り込むことが可能となる。
なお、このロータリエンジンは、液体燃料により駆動するものであってもよいが、上記のような混合気の渦流は、燃料が気体燃料である場合に特に顕著となる。よって、上記構成は、燃料として、気体燃料を用いて駆動するロータリエンジンに特に有用なものとなる。
以上説明したように、本発明のロータリエンジンによれば、燃料を、作動室(燃焼室)のリーディング側であってかつ燃焼室の幅方向中央部に成層化させて燃焼させることが可能となる。従って、作動室の幅方向両壁面への熱移動に起因する冷却損失を効果的に低減させることができる。
本発明の実施形態に係るロータリエンジンの概要を示す斜視図である。 ロータリエンジンの要部を示す、一部を簡略化した断面図である。 燃料噴射時の状態を示す、ロータリエンジンの要部を示す断面図である。 ロータの斜視図である。 リセスを示すロータの断面図(図4のV−V線断面図)である。 リセス(第2凹部)のトレーリング側の端部を示す図5の拡大図である。 リセス(溝部)のリーディング側の端部を示す図5の拡大図である。 作動室(燃焼室)内における燃料の移動を説明する断面模式図である。 作動室(燃焼室)内における燃料の移動を説明する平面模式図である。 作動室(燃焼室)内における燃料分布を示す平面模式図である。 従来エンジンの作動室(燃焼室)内の燃料分布を示す平面模式図である。 リセスの変形例を示すロータの斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るロータリエンジン1(以下、エンジン1と略す)を示している。このエンジン1は、所謂シリーズ式のハイブリッド車両に搭載されてモータジェネレータを駆動する(モータジェネレータを発電させる)ものであり、エンジン1は、そのモータジェネレータによる発電用にのみ使用される。すなわち、エンジン1の出力軸である後記エキセントリックシャフト8が、上記モータジェネレータの回転軸と連結されている。なお、モータジェネレータの発電電力は、高電圧・大容量のバッテリに供給されるか、又は、走行用モータに供給される。
上記エンジン1は、2つのロータ5を備えた2ロータ型のロータリエンジンであり、気体燃料、詳しくは水素により駆動される水素ロータリエンジンである。
このエンジン1は、インターミディエイトハウジング2(サイドハウジングの一つ)と、その両側に位置する一対のロータハウジング3と、さらにこれらロータハウジング3の外側に位置する一対のサイドハウジング4とを含み、これらが一体化されることにより外殻が構成されている。なお、図1では、エンジン1の右側(フロント側)の一部を切り欠いて示すとともに、左側(リヤ側)のサイドハウジング4を分離して示している。また、図中の符号Xは、出力軸としてのエキセントリックシャフト8の軸心であって、以下、これを単に回転軸心Xという。
上記ロータハウジング3は、概略楕円形状のトロコイド内周面を有する環状の構造であり、上記の通り、当該各ロータハウジング3の両側にインターミディエイトハウジング2及びサイドハウジング4が配設されることで、エンジン1の内部には、前記トロコイド内周面と各ハウジング3、4の側面とにより形成される、偏平かつ概略楕円形状の2つのロータ収容室6がフロント側及びリヤ側に設けられている。
各ロータ収容室6にはそれぞれ、ロータ5が収容されている。ロータ5は、回転軸心Xの方向に厚みを有した略三角形状のブロック体であり、その外周面における各頂部間に、略長方形をしたフランク面5aを備えている。各フランク面5aの中央部分には、燃焼室の圧縮比および燃料(混合気)の流れをコントロールするためのリセス20がそれぞれ形成されている。このリセス20については後に詳述する。
ロータ5は、その三角形の各頂部に図示しないアペックスシールを備えている。これらアペックスシールはロータハウジング3の内周面に摺接しており、これにより、ロータ収容室6内に、ロータ5の各フランク面5aに対応する互いに独立した3つの作動室10がそれぞれ区画形成されている。
図示を省略するが、ロータ5は、その内側に設けられる内歯車(ロータギア)とサイドハウジング4に設けられる外歯車(固定ギア)とが噛合しながら、インターミディエイトハウジング2及びサイドハウジング4を貫通するエキセントリックシャフト8に対して遊星回転運動をするように支持されている。すなわち、ロータ5は、エキセントリックシャフト8の偏心輪8aの周りを自転しながら、回転軸心Xの周りに、該自転と同じ方向に公転する(以下、単にロータ5の回転という)。そして、ロータ5が1回転する間に、3つの作動室10が周方向に移動しながらその容積が変化し、吸気、圧縮、膨張および排気の各行程が行われ、これにより発生する回転力がロータ2を介してエキセントリックシャフト8から出力されるようになっている。
回転軸心Xの方向から見た図2を用いてより具体的に説明すると、ロータ5は矢印方向(同図では時計回り)に回転している。ロータ収容室6は、回転軸心Xを通る当該ロータ収容室6の長軸Yを境にして、その左側が概ね吸気及び排気行程の領域となり、右側が概ね圧縮及び膨張行程の領域となっている。
ここで、図2中の左上の作動室10に着目すると、この作動室10は吸気行程にある。吸気行程にあるこの作動室10には、インターミディエイトハウジング2およびサイドハウジング5の各側面にそれぞれ形成された吸気ポート11が開口しており、これら吸気ポート11から吸気が行われる。吸気行程にある作動室10がロータ2の回転につれて圧縮行程に移行すると、この作動室10内に2つのインジェクタ15(図2では一つのみ図示/燃料噴射弁)が臨み、当該インジェクタ15から燃料として水素が直接噴射される。これにより、吸気行程で吸気された空気と燃料である水素とが混合されながら圧縮される。その後、例えば図2中の右側の作動室10に示すような圧縮行程後期になると、所定のタイミングで第1及び第2点火プラグ16、17(第1点火プラグ16、第2点火プラグ17)により点火が行われることにより膨張行程が行われる。そして、最後に図2の左下の作動室10のような排気行程に至る。排気行程にあるこの作動室10には、インターミディエイトハウジング2およびサイドハウジング5の各側面にそれぞれ形成された排気ポート12が開口しており、燃焼後の排ガスがこれら排気ポート12から排気され、再び吸気行程に戻って上記各行程が繰り返される。
上記2つのインジェクタ15は、図1および図2に示すように、ロータハウジング3における上記長軸Yの近傍位置(ロータハウジング3の頂部付近)に、回転軸心Xの方向に並んだ状態で取り付けられている。これらインジェクタ15は、その噴口15aが、図3に示すように、圧縮行程にある作動室10に臨むように配設されており、この圧縮行程にある作動室10内に燃料である水素を直接噴射する。
各インジェクタ15の噴口15aは、上記長軸Yよりもトレーリング側、すなわちロータ5の回転方向の遅れ側(図3では左側)に位置している。また、各インジェクタ15の噴口15aの軸線L(噴口15aの中心軸)は共に、インジェクタ15から噴射された水素が噴口15aよりも主にリーディング側、すなわちロータ5の回転方向の進み側(図3では右側)に向かうように上記長軸Yに対して傾斜している。この場合、噴口15aの軸線Lと長軸Yとのなす鋭角側の角度αは0°〜10°程度が好適であり、当例では、共に10°程度に設定されている。
上記第1点火プラグ16および上記第2点火プラグ17は、回転軸心Xを通るロータ収容室6の短軸Zを境にしてその両側、換言すれば短軸Zを挟んだリーディング側およびトレーリング側の位置に配置されてロータハウジング3に取り付けされている。
これら2つの点火プラグ16,17は、圧縮行程にある作動室10内の混合気(圧縮行程で圧縮された混合気)を燃焼させるべく、リーディング側の第1点火プラグ16から順番に点火される。このように2つの点火プラグ21,22が備えられることによって、扁平形状となる圧縮行程の作動室10(図2参照)において、その燃焼速度が高められるようになっている。
次に、上記ロータ5の構成、詳しくはフランク面5aに形成されるリセス20の形状等について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、上記ロータ5を示す斜視図であり、図5は、リセス20を示すロータ5の断面図である。なお、以下の説明において、ロータ5(フランク面5a)の幅方向とは、ロータ回転軸(エキセントリックシャフト8)と平行な方向を指す。
図4及び図5に示すように、ロータ5の各フランク面5aには、上記の通り、燃焼室(作動室10)の圧縮比および燃焼室における燃料(混合気)の流れをコントロールするためのリセス20が各々形成されている。各フランク面5aに形成されるリセス20は同一形状である。
リセス20は、全体として略矩形状をなす凹部22と、この凹部22のリーディング側の端部に繋がってリーディング側に伸び、かつ前記凹部22よりも小さい幅方向寸法を有する溝部23とにより構成されている。凹部22は、詳しくは、ロータ回転方向のリーディング側に位置する略矩形の第1凹部22aと、所定の間隔を隔ててこの第1凹部22aのトレーリング側に並ぶ略矩形の第2凹部22bとを含む。
第1凹部22aは、その中心位置がロータ回転方向におけるフランク面5aの中心位置Cよりもややトレーリング側にオフセットされた位置に形成されている。この第1凹部22aは、トレーリング側端部の幅方向寸法よりもリーディング側端部の幅方向寸法が僅かに広く、トレーリング側端からリーディング側に向かってその幅方向寸法が漸増するように形成されている。また、図5に示すように、第1凹部22aは、その深さ寸法がトレーリング側からリーディング側に向かうに伴い漸増し、リーディング側の端部において壁面が緩やかに立ち上がるように形成されている。なお、第1凹部22aの内底面はほぼ平坦であり当該内底面と側壁面とは緩やかな曲面で繋がっている。
そして、この第1凹部22aのリーディング側の端部であってかつその幅方向中央部に上記溝部23が繋がっている。
溝部23は、第1凹部22aよりも狭い一定の幅寸法を有している。当例では、溝部23は、第1凹部22aの最大幅寸法(リーディング側端部の幅寸法)の略3分の1の幅寸法であり、全長(ロータ回転方向の寸法)は第1凹部22aよりもやや短く設定されている。溝部23の深さは、図5に示すように、リーディング側の端部を除き、全長に亘って略一定であり、当例では、第1凹部22aの最大深さ(リーディング側端部の深さ)より僅かに浅い深さに設定されている。そして、図7に示すように、リーディング側の端部では、トレーリング側からリーディング側に向かって深さ寸法が漸減するように形成されている。なお、溝部23は、断面略円弧状の内底面を有しており、溝部23のリーディング側の端部もやや丸味を帯びた輪郭とされている。
一方、上記第2凹部22bは、図4に示すように、リーディング側端部の幅方向寸法よりもトレーリング側端部の幅方向寸法が僅かに広く、リーディング側端部からトレーリング側に向かってその幅方向寸法が漸増するように形成されている。第2凹部22bのリーディング側端部の幅方向寸法は、第1凹部22aのトレーリング側の幅方向寸法よりも僅かに広く、また、第2凹部22bのトレーリング側端部の幅方向寸法は、第1凹部22aのリーディング側の幅方向寸法と同等又は僅かに広く設定さている。なお、第2凹部22bの全長(ロータ回転方向における長さ)は、第1凹部22aの全長よりも短く、当例では、第1凹部22aの略半分の長さに設定されている。
また、第2凹部22bは、図6に示すように、リーディング側からトレーリング側に向うに伴いその深さ寸法が漸増するように形成されており、トレーリング側の端部には、フランク面5aの法線方向に延びるように急激に立ち上がる壁面が形成されている。第2凹部22bの深さは、全体的に第1凹部22aよりも浅く、その最大深さ(トレーリング側端部の深さ)は第1凹部22aの最大深さの略半分とされている。
なお、このエンジン1では、図外のコントローラにより各インジェクタ15による燃料(水素)の噴射が制御される。具体的には、吸気行程にある作動室10がロータ5の回転につれて圧縮行程に移行し、当該作動室10に臨むフランク面5aのリセス20の位置が各インジェクタ15の軸線L上に達すると、各インジェクタ15から作動室10内へ燃料が噴射される。詳しくは、図8に示すように、リセス20の第1凹部22aと第2凹部22bとの間の位置が各インジェクタ15の軸線L上に達すると、各インジェクタ15から作動室10内へ燃料が噴射される。
このように各インジェクタ15から燃料が噴射されると、上記の通り、ロータ収容室6の長軸Yに対して噴口15aの軸線Lが上記角度α°だけ傾くようにインジェクタ15が設けられているので、インジェクタ15から噴射された燃料は、その大部分が第1凹部22aの内底面に沿ってリーディング側に送り込まれることとなり、その結果、作動室10のうち、リーディング側の端部領域に燃料が成層化される。
この場合、第1凹部22aの深さ寸法がトレーリング側からリーディング側に向かって漸増するように形成されていることで、燃料は第1凹部22aの内底面に沿って円滑にリーディング側に案内される。そして、この燃料が第1凹部22aのリーディング側の端部壁面、および溝部23のリーディング側の端部壁面に沿ってロータハウジング3側に案内されることで、作動室10のうち、主にリーディング側の端部領域に縦巻きの渦流S1が形成されることとなる。このような渦流S1は、燃料と空気との撹拌を促進することとなり、これにより上記端部領域に成層化される燃料が過剰に高濃度化することが抑制される。
なお、第1凹部22aの内底面に沿ってリーディング側に拡散する燃料は、平面的には、図9に示すように、第1凹部22aのリーディング側の端部で幅方向中央に集まり、溝部23を通過してリーディング側に拡散する。この場合、第1凹部22aから溝部23に入り込めなかった燃料は、第1凹部22aから作動室10の幅方向外側に拡散し、インターミディエイトハウジング2及びサイドハウジング4の各側面に到達した後、周囲の空気をリーディング側に追い遣りながら中央側に戻るように拡散する。これにより、溝部23のトレーリング側の端部近傍の位置には、内巻きの渦流S2が形成されることとなる。一方、狭い溝部23を通過した燃料は、当該通過した直後に幅方向外側に向かって拡散し、空気を作動室10の幅方向外側に追い遣りながら中央側に戻るように拡散する。これにより、溝部23のリーディング側端部の近傍位置に外巻きの渦流S2が形成されることとなる。そのため、作動室10のうち、リーディング側端部の領域では、作動室10の幅方向両側の壁面(インターミディエイトハウジング2及びサイドハウジング4の各壁面)に沿って空気層が形成され、燃料を多く含む混合気が作動室10の幅方向中央部に分布することとなる。
ところで、インジェクタ15から噴射された燃料は、上記のように、大部分がリーディング側に送り込まれることとなるが、一部は、図8に示すように、第2凹部22bの内底面に沿ってトレーリング側へも拡散する。しかし、上記通りに、第2凹部22bのトレーリング側の端部壁面が、フランク面5aの法線方向に延びるように急激に立ち上がっている結果(図6参照)、第2凹部22bに沿ってトレーリング側へ拡散する燃料は、この端部壁面に沿ってロータハウジング3の内周面側に案内され、この内周面に沿って作動室10内をリーディング側へと拡散することとなる。そのため、作動室10のトレーリング側の端部近傍に燃料が偏在することが抑制される。
図10は、上述したエンジン1の圧縮工程後期における作動室10内における燃料の分布状態を可視化した図であり、図11は、従来エンジン(背景技術で説明した特許文献1に係るエンジン)の圧縮工程後期における作動室内における燃料の分布状態を可視化した図である。同図中、濃淡の濃い部分が燃料の多い部分を示している。
これらの図に示すように、従来エンジンでは、作動室のうち、相対的にリーディング側の燃料の方が多いものの、トレーリング側にも多くの燃料が残っている。また、リーディング側の端部領域では、燃料は主に作動室の幅方向両壁面に沿って分布していることが考察できる。これに対して、上記実施形態のエンジン1では、殆どの燃料が作動室10の中央よりもリーディング側に分布しており、燃料がリーディング側の端部領域に効果的に成層化されている。しかも、この端部領域では、幅方向両側の壁面に沿って空気層Eaが存在しており、これにより当該壁面から離れた幅方向中央部に燃料が集中していることが考察できる。
以上のように、このエンジン1によれば、圧縮工程後期から点火直前にかけて、作動室10のトレーリング側端部の領域に効果的に燃料を成層化させて燃焼させることができる。そのため、作動室10内に均一に燃料が拡散した状態で燃焼が行われる場合に比べ、燃焼時のハウジング側への熱移動を抑制することができる。特に、このエンジン1によれば、作動室10のトレーリング側の端部近傍の位置では、上述の通り、作動室10の幅方向外側に空気を追い遣りながら中央側に戻るような外巻きの渦流S3が形成される結果、図10に示すように、作動室10の幅方向両側の壁面(インターミディエイトハウジング2及びサイドハウジング4の各壁面)と混合気との間に空気層が形成される。つまり、トレーリング側の端部領域では、作動室10の幅方向両側の壁面から離れた中央部に燃料を成層化させた状態で燃焼を行わせることができる。従って、このエンジン1によれば、上記壁面への熱移動に起因する冷却損失を効果的に低減することができ、これによりエンジンの熱効率を向上させることができる。
しかも、このエンジン1によれば、上記の通り、リセス20の第1凹部22aのリーディング側端部において縦渦(渦流S1)や横渦(渦流S2、S3)が形成されることで燃料と空気の撹拌が促進され、また、溝部23を燃料が通過する際にその流速が高められることで燃料と空気の撹拌が促進される。つまり、これにより作動室10のトレーリング側の端部領域に成層化される燃料が過剰に高濃度化することが抑制される。従って、このエンジン1によれば、高濃度化した燃料が燃焼することによる弊害、例えばNOxの発生等を伴うことなく、エンジンの熱効率を向上させることができるという利点もある。
また、上記エンジン1によれば、インジェクタ15から噴射された燃料のうちトレーリング側に拡散する燃料は、第2凹部22bに沿って案内されつつ、最終的に方向転換されてリーディング側に拡散される。従って、燃焼工程後期に、トレーリング側の端部近傍に偏在した燃料が燃焼するいわゆる後燃えの発生による排気損失を低減させることが可能となり、この点でもエンジンの熱効率を向上させることができる。
なお、以上説明したエンジン1は、本発明に係るロータリエンジンの好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、ロータ5の各フランク面5aに形成されるリセス20の具体的な形状(輪郭や深さ等)は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、インジェクタ15の噴口15aの軸線Lとロータ収容室6の長軸Yとのなす角度αを比較的大きく設定する場合には、ロータ5(フランク面5a)に沿ってトレーリング側に拡散する燃料は比較的少なくなると考えられる。そのため、このような場合には、リセス20のうち、第2凹部22bを省略するようにしてもよい。
また、図12に示すような形状のリセス20も有効である。同図に示すリセス20は、単一の凹部で構成されている。このリセス20は、ロータ回転方向におけるリーディング側端部の幅方向寸法がトレーリング側端部の幅方向寸法よりも小さく形成されており、その全長(ロータ回転方向の長さ)のうち、トレーリング側端部を含む4分の1程度の領域では幅寸法が一定であり、これよりもリーディング側の領域では、トレーリング側からリーディング側に向かって幅寸法が漸減するように形成されている。また、リセス20は、トレーリング側からリーディング側に向かって深さ寸法が漸増し、リーディング側の端部近傍の領域では、逆にトレーリング側からリーディング側に向かって深さ寸法が漸減するように形成されている。また、リセス20のトレーリング側の端部は、比較的浅いものの所定深さを有しており、当該トレーリング側端部の壁面はフランク面5aの法線方向に延びるように立ち上がっている。なお、図中のリセス20内の2つの破線丸印は、インジェクタ15からの燃料の噴射位置を示している。
このような形状のリセス20の場合も、インジェクタ15からリセス20に向かって噴射された燃料の大部分がリセス20の内底面に沿ってリーディング側に送り込まれる。この際、リセス20の幅がリーディング側に向かうに伴い徐々に狭まっている結果、リセス20を通過した燃料は、幅方向外側に向かって移動し、空気を作動室10の幅方向外側に追い遣りながら中央側に戻るように拡散する。つまり、上述したエンジン1と同様に、リセス20のトレーリング側の端部近傍の位置に外巻きの渦流を形成することとなる。一方、リセス20の内底面に沿ってトレーリング側へ拡散する燃料は、当該トレーリング側の壁面に沿ってロータハウジング3の内周面側に案内され、当該内周面に沿って作動室10内をリーディング側へと拡散することとなる。
従って、このような図11に示すロータ5を備えるロータリエンジンの場合も、上記実施形態のエンジン1と同様に、作動室10のトレーリング側端部の領域に効果的に燃料を成層化させて燃焼させることができ、その場合、冷却損失や排気損失を効果的に低減させることができる。
なお、上記実施形態では、2つのインジェクタ15によって作動室10内に燃料を噴射させているが、勿論、インジェクタ15は一つ、又はそれ以上であってもよい。このような構成の場合も、上述したエンジン1と同様の作用効果を享受することが可能である。
また、上記実施形態では、エンジン1として水素を燃料とするロータリエンジンについて説明したが、本発明は水素以外の気体燃料により駆動するものについても適用可能である。
1 ロータリエンジン
2 インターミディエイトハウジング
3 ロータハウジング
4 サイドハウジング
5 ロータ
5a フランク面
6 ロータ収容室
20 リセス
22a 第1凹部
22b 第2凹部
23 溝部

Claims (4)

  1. ロータ収容室に収容されかつ各フランク面にリセスが形成されたロータと、前記ロータの周囲に区画される作動室のうち、圧縮工程にある作動室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えるロータリエンジンであって、
    ロータの回転軸と平行な方向を幅方向と定義したときに、
    前記リセスは、ロータ回転方向に延びる略矩形の第1凹部と、この第1凹部のリーディング側端部における幅方向中央部に繋がってリーディング側に伸び、かつ前記第1凹部よりも小さい幅方向寸法を有する溝部と、所定間隔を隔てて前記第1凹部のトレーリング側に並ぶ第2凹部とを含み、
    前記第2凹部は、リーディング側からトレーリング側に向かうに伴い深くなり、かつトレーリング側の端部に前記フランク面の法線方向に伸びるように立ち上がる壁面を備え、
    前記燃料噴射弁は、前記リセスの第1凹部と第2凹部との間の位置に向かって燃料を噴射する、ことを特徴とするロータリエンジン。
  2. 請求項1に記載のロータリエンジンにおいて、
    前記燃料噴射弁は、圧縮工程にある作動室に臨むフランク面の前記リセスのトレーリング側端部の近傍位置に向かって、トレーリング側からリーディング側へ斜め方向に燃料を噴射する、ことを特徴とするロータリエンジン。
  3. 請求項に記載のロータリエンジンにおいて、
    前記凹部は、トレーリング側からリーディング側に向かうに伴い深くなるように形成されている、ことを特徴とするロータリエンジン。
  4. 請求項1乃至の何れか一項に記載のロータリエンジンにおいて、
    前記燃料として、気体燃料を用いて駆動するものであることを特徴とするロータリエンジン。
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