JP4929744B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に関し、異なる波長域を有する色光を変調する複数の光変調手段を備えた電子機器に関する。
画像を表示する電子機器として、光源光を例えば液晶パネルを用いた光変調装置により変調して画像光とし、この画像光をスクリーン等の画像表示部に投影して表示する投射型表示装置がある。一般に、カラー表示を可能とする投射型表示装置として、R(赤)色光、G(緑)色光、及びB(青)色光の、異なる波長を有する各光源光を、それぞれ異なる3つの液晶パネルにより変調した後に、合成することでカラー表示を行う、いわゆる3板式の投射型カラー表示装置が知られている。
また、負の誘電率異方性を有する液晶を、電圧無印加時に垂直に配向するように制御する傾斜垂直配向型の液晶パネル(液晶表示装置)が知られている。傾斜垂直配向型の液晶パネルは、液晶分子の長軸と短軸との屈折率の差を利用して、液晶層へ入射した光の透過率を制御するものであるが、入射光の波長に依存して透過率が変化すると言う性質を有する。
このため、傾斜垂直配向型の液晶パネルを、3板式の投射型カラー表示装置のRGBの各色光の光変調装置として用いる場合、それぞれの液晶パネルの印加電圧−透過率特性が異なり、色再現性が低くなる。このような、傾斜垂直配向型の液晶パネルの印加電圧−透過率特性の波長依存性をキャンセルする方法として、RGBの各色光用の液晶パネルについて、それぞれを駆動する液晶駆動用信号の電圧レベルを、ドライバ処理回路において制御することにより、RGBの各色光用の液晶パネルの印加電圧−透過率特性の波長依存性を緩和する液晶表示装置が特開平11−223808号公報に開示されている。
特開平11−223808号公報
しかしながら、特開平11−223808号公報に開示されているように、傾斜垂直配向型の液晶パネルの印加電圧−透過率特性の波長依存性を、該液晶パネルを駆動する回路により制御する場合、液晶パネルの印加電圧−透過率特性の波長依存性を把握した上で、回路からの出力の調整を行わなければならず、調整作業は煩雑であり時間を必要とする。
また、3板式の投射型カラー表示装置は、長時間(数千から数万時間)使用された場合、B(青)色光を透過する液晶パネルが、他のR(赤)色光及びG(緑)色光を透過する液晶パネルに比べて、短い時間で透過率が落ちてしまう。これは、B色光の波長が、他のR及びG色光よりも短くエネルギーが高いことにより、B色光を透過する液晶が先に劣化してしまうからである。このため、投射型カラー表示装置の表示の色再現性が低下してしまい、さらには、投射型カラー表示装置の寿命も短くしてしまうと言う問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、色再現性が高く、かつ寿命の長い電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る電子機器は、赤(R)色光、緑(G)色光、及び青(B)色光をそれぞれ変調する光変調手段を備えた電子機器であって、前記光変調手段は、それぞれ互いに対向する一対の基板の間に、負の誘電率異方性を備えて、電圧無印加時に少なくとも一方の前記基板面に対して傾斜垂直配向する液晶材料からなる液晶層が挟持されなり、前記赤(R)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnR、及び前記液晶層の厚さをdRとし、前記緑(G)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnG、及び前記液晶層の厚さをdGとし、前記青(B)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnB、及び前記液晶層の厚さをdBとした場合に、ΔnR≧ΔnG>ΔnB、かつ、dR≦dG<dBの関係を満たすことを特徴とする。

本発明のこのような構成によれば、より高いエネルギーを有する光を変調する光変調手段である液晶ライトバルブの、屈折率異方性Δnを小さくすることができ、高いエネルギーを有する光を変調する液晶ライトバルブの寿命を長くすることができる。また、屈折率異方性Δnの値を調整することにより、液晶ライトバルブの印加電圧−透過率特性の波長依存性が解消されるため、色再現性が高く、かつ寿命の長い電子機器を提供することができる。
また、本発明は、前記複数種類の色光は、赤(R)色光、緑(G)色光、及び青(B)色光であって、前記3種類の色光をそれぞれ変調する前記光変調手段の前記液晶材料は、前記赤(R)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnR、前記緑(G)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnG、前記青(B)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnB、とした場合に、ΔnR≧ΔnG>ΔnBの関係を満たすことが好ましい。
このような構成によれば、液晶ライトバルブの液晶材料以外の構成を同一にすることができ、容易に実現することが可能である。
また、本発明は、前記複数種類の色光は、赤(R)色光、緑(G)色光、及び青(B)色光であって、前記3種類の色光をそれぞれ変調する前記光変調手段は、前記赤(R)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnR、及び前記液晶層の厚さをdRとし、前記緑(G)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnG、及び前記液晶層の厚さをdGとし、前記青(B)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnB、及び前記液晶層の厚さをdBとした場合に、ΔnR≧ΔnG>ΔnB、かつ、dR≦dG<dBの関係を満たすことが好ましい。
このような構成によれば、より高いエネルギーを有する光を変調する光変調手段である液晶ライトバルブの液晶層の厚さをより大きくすることで、青色光を変調する液晶ライトバルブの経年変化による劣化をさらに抑えることができる。
また、前記電子機器は、投射型カラー表示装置であることが好ましい。
このような構成によれば、経年変化による劣化に起因したカラーバランスの崩れを抑えた投射型カラー表示装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態を図1から図5を参照して説明する。
本実施形態の電子機器である、投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ11について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。図1は、液晶プロジェクタ11の光学系の概略構成を示す説明図である。
本実施形態の液晶プロジェクタ11は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる波長帯域を有する各色光毎に光変調手段である透過型の液晶ライトバルブ12R、13G、14Bを備えた3板式の投射型カラー表示装置である。液晶プロジェクタ11は、表示手段であるスクリーン60の投射面60a上に画像を投射して表示する。なお、下記において、図示しない観察者は、投射面60aに投射された画像を、投射面60aに対して液晶プロジェクタ11と同方向から観察する。
液晶プロジェクタ11の筐体11a内には、投射光学系40と、照明光学系20と、色分離合成光学系30とが配設されている。
照明光学系20は、光源15と、2つのフライアイレンズ16、17と、偏光変換装置18とを有する。光源15は、高圧水銀ランプ或いはメタルハライドランプ等のランプ20aと、ランプ20aからの光L(以下、「光源光L」と称す。)を反射するリフレクタ20bとを有する。また、光源光Lの照度分布を被照明領域である液晶ライトバルブ12R、13G、14Bにおいて均一化させるために、2つのフライアイレンズ16、17が設けられている。各フライアイレンズ16、17は、二次元に配置された複数個のレンズによってそれぞれ構成されている。こうして、液晶ライトバルブ12R、13G、14Bは、光源光Lでフライアイレンズ16、17によって均一な照度で照明されるようになっている。また、偏光変換装置18は、フライアイレンズ17側に設けられた図示しない偏光ビームスプリッタアレイ(以下、PBSアレイと称す。)と、PBSアレイによって反射された偏光の偏光方向を変換する図示しない1/2波長板とを有し、光源光Lの光強度を損なうことなく光の偏光方向を一方向に揃えるものである。
色分離合成光学系30は、2つのダイクロイックミラー21、22と、3つの反射ミラー23、24、25と、3つのリレーレンズ26、27、28と、3つの液晶ライトバルブ12R、13G、14Bと、クロスダイクロイックプリズム29とを有する。
ダイクロイックミラー21、22は、例えばガラス基板に所定の波長選択性を持つ誘電体多層膜を積層したものである。ダイクロイックミラー21は、光源光Lのうちの赤色光LRを透過するとともに、緑色光LGと青色光LBを反射するようになっている。また、ダイクロイックミラー22は、ダイクロイックミラー21で反射された緑色光LGと青色光LBのうち、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過するようになっている。
これにより、色分離合成光学系30では、照明光学系20から入射する光源光Lのうち、赤色光LRは、ダイクロイックミラー21を透過した後、反射ミラー23で反射されて赤色光用の液晶ライトバルブ12Rに入射される。緑色光LGは、ダイクロイックミラー21で反射された後、ダイクロイックミラー22で反射されて緑色光用の液晶ライトバルブ12Rに入射される。青色光LBは、ダイクロイックミラー21で反射された後、ダイクロイックミラー22を透過し、3つのリレーレンズ26〜28と2つの反射ミラー24、25からなるリレー系を経て、青色光用の液晶ライトバルブ14Bに入射される。
光変調装置としての液晶ライトバルブ12R〜14Bは、本実施形態では、アクティブマトリクス型の透過型液晶ライトバルブでそれぞれ構成されており、画像信号に基づいて駆動回路によりそれぞれ駆動されるようになっている。液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bは、それぞれの色に対応する画像を表示する。これにより、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bを、それぞれ通過する赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBが変調される。
クロスダイクロイックプリズム29は、直角プリズムが貼り合わされた構造となっており、十字状に直交する2つのミラー面の一方には、赤色光LRを反射するとともに緑色光LGを透過する誘電体多層膜が、その他方には、青色光LBを反射するとともに緑色光LGを透過する誘電体多層膜がそれぞれ形成されている。そして、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBの3つの色光が、クロスダイクロイックプリズム29によって合成されてカラー画像を表わす光ILが形成される。本実施形態の液晶プロジェクタ11においては、光ILは、色分離合成光学系30のクロスダイクロイックプリズム29から投射光学系40に向かって出射される。
投射光学系40は、光学レンズを備えた投射手段である投射レンズ42を有する。色分離合成光学系30により形成されたカラー画像を表す光ILは、投射レンズ42を介して、スクリーン60の投射面60a上に拡大されて投射される。
以下に、本実施形態の液晶装置である、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの構成について以下に説明する。図2は、液晶装置の電圧無印加状態における要部を概略的に示す断面模式図である。
液晶装置100は、TFT(Thin Film Transistor)アレイ基板101及び対向基板102のガラス又は石英等の透明な一対の基板間に、液晶層103が挟持されてなる。
TFTアレイ基板101の液晶層103側には、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明導電層である画素電極104が形成されている。さらに画素電極104上には、垂直配向膜105が設けられている。垂直配向膜105は、ポリイミド等の有機材料もしくは、酸化シリコン、酸化チタン等からなる無機材料により構成されている。
一方、対向基板102は、図示しないスペーサ及びシール材を介してTFTアレイ基板101に対し、平行に所定の間隔で配設されている。対向基板102の液晶層103側には、ITOからなる透明導電層である対向電極106が形成されており、さらにその上に垂直配向膜107が設けられている。
また、TFTアレイ基板101及び対向基板102の液晶層103とは反対側には、それぞれ偏光板108及び109が配設されている。偏光板108及び109の配置は、クロスニコル配置とされている。
そして、液晶層103が、TFTアレイ基板101と、対向基板102との間であり図示しないシール材により囲まれた領域内に注入され封止されている。このとき、液晶層の厚さ(以下、セルギャップと称する)はd[nm]である。液晶層103に用いられる液晶材料である液晶分子103aは、負の誘電率異方性(Δε<0)を有する。ここで、誘電率異方性Δεとは、液晶分子103aの分子軸(長軸)方向の誘電率(ε‖)と、分子軸に垂直(短軸)方向の誘電率(ε⊥)との差(Δε=(ε‖)−(ε⊥))を表す。また、液晶分子103aは、所定の屈折率異方性Δnを有する。屈折率異方性Δnは、液晶分子103aの分子軸(長軸)方向の屈折率(n‖)と、分子軸に垂直(短軸)方向の屈折率(n⊥)との差(Δn=(n‖)−(n⊥))を表す。
図2に示すように、画素電極104と対向電極106との間に電圧が印加されていない状態(電圧無印加状態)においては、垂直配向膜105及び107による規制力により、液晶層103の液晶分子103aは、液晶分子103aの長軸方向が、TFTアレイ基板101及び、対向基板102の法線方向に対して揃うように略傾斜して配向する。液晶分子103aは、電圧無印加状態において、基板面であるTFTアレイ基板101及び、対向基板102の表面の法線に対して、液晶分子103aの長軸が所定のプレチルト角θp(例えば1〜10度程度)だけ傾斜して配向する。なお、本実施形態では、図2に示すように、電圧無印加状態において、液晶分子の長軸方向が、対向する一対の基板の表面(基板面)の法線方向に対して揃うように配向する形態を、傾斜垂直配向と称する(一般には垂直配向とも称する)。
液晶層103に用いられる液晶は負の誘電率異方性を有するため、液晶層103の液晶分子103aは、画素電極104と対向電極106との間の電位差に応じて、その長軸方向が、TFTアレイ基板101及び、対向基板102の表面に略平行となるように傾倒する。
上述の構成を有する本実施形態の液晶装置100は、液晶分子103aの長軸方向と短軸方向との屈折率の差、つまり複屈折現象を利用して、液晶層103へ入射した光の透過率を制御するものである。
液晶層103に電圧が印加されていない場合、互いに直交する偏光方向を備えた偏光板108及び109の一方を通過して液晶層103へ入射した直線偏光光は、液晶層103による複屈折を受けず、他方の偏光板から出射されることがない。一方、液晶層103に電圧が印加されている場合、互いに直交する偏光方向を備えた偏光板108及び109の一方を通過して液晶層103へ入射した直線偏光光は、液晶層103の傾斜角に応じた複屈折により楕円偏光、もしくは円偏光とされ、他方の偏光板から出射される。
このように、本実施形態の液晶装置100は、液晶層103への印加電圧を複数の各画素毎に制御することで、各画素の透過率を変化させ、液晶装置100を透過する光の変調を行うのである。液晶装置100の透過率は、液晶層103の複屈折量により決定され、これは、屈折率異方性Δnとセルギャップdの積であるリタデーション値Δn・dにより決定されるものである。
本実施形態の液晶プロジェクタ11に具備される液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bは、上述の液晶装置100と同様の構成を有するものであるが、液晶層の屈折率異方性Δnの値がそれぞれ異なる。以下に、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの構成の詳細について説明する。
まず、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bは、それぞれ共通のセルギャップd、プレチルト角θp、誘電率異方性Δεを有し、それぞれの値は、d=3000[nm]、θp=85[°]、Δε=−5.0である。
そして、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの各液晶層は、それぞれ異なる屈折率異方性Δnx(以下、xにはR・G・Bのいずれかが当てはめられ、それぞれ赤・緑・青の各色光用の液晶ライトバルブについてを表すものとする)を有している。
赤色光用の液晶ライトバルブ12Rの液晶層は、ΔnR=0.17であり、緑色光用の液晶ライトバルブ13Gの液晶層は、ΔnG=0.15であり、青色光用の液晶ライトバルブ14Bの液晶層は、ΔnB=0.10である。
すなわち、本実施形態の液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの各液晶層は、変調する色光の波長が短いほど小さい屈折率異方性Δnを有する液晶材料により構成されている。本実施形態のように液晶材料の成分を調整することによって、液晶材料の屈折率異方性Δnの値を異ならせることが可能であることは公知の技術であり、所望の屈折率異方性Δnを有する液晶材料を液晶材料メーカから購入することが可能である。
本実施形態の液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの各液晶層の、それぞれ液晶材料の屈折率異方性Δnは、以下に説明するように、液晶層に印加する電圧と、各波長の入射光に対する画素の透過率との関係(印加電圧−透過率特性)が、3つとも近いものとなるように決定されたものである。
以上のように構成された液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bについて、液晶層に印加する電圧と、各波長の入射光に対する画素の透過率との関係(印加電圧−透過率特性)を図3にグラフとして示す。図3において、横軸が印加電圧[V]であり、縦軸が画素の透過率[%]である。また、図3において、赤色光用の液晶ライトバルブ12R、緑色光用の液晶ライトバルブ13G及び緑色光用の液晶ライトバルブ13Gの、それぞれの印加電圧−透過率特性を曲線TR、TG及びTBで示している。
図3に示すように、液晶ライトバルブ12R及び13Gの印加電圧−透過率特性曲線TR及びTGは、全域においてほぼ一致している。また、液晶ライトバルブ14Bの印加電圧−透過率特性曲線TBは、0[V]から最大の透過率TPが得られる印加電圧VPまでは、他の曲線TR及びTGとほぼ一致しており、印加電圧がVP以上で、他の曲線TR及びTGよりも透過率が低くなる傾向となる。
ここで、比較例として図4に、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの各液晶層の屈折率異方性Δnを全て同一のΔncとした場合の、各波長の入射光に対する印加電圧−透過率特性を図4にグラフとして示す。このとき、各液晶ライトバルブの特性値は、d=3000[nm]、θp=85[°]、Δε=−5.0、Δnc=0.15である。言い換えれば、図4は、従来のように、赤・緑・青の異なる波長帯域の各色光について、全て同一の液晶ライトバルブを用いた場合の、各波長毎の印加電圧−透過率特性を示したものである。図4において、赤・緑・青の各色光について、それぞれの印加電圧−透過率特性を曲線TR1、TG1及びTB1で示している。
図4に示すように、比較例では、赤色光についての曲線TR1の印加電圧に対する透過率の立ち上がりが最も緩やかであり、青色光についての曲線TB1の立ち上がりが最も急峻である。このため、赤・緑・青の各色光の、それぞれの最大の透過率が得られる印加電圧は、大きく異なり、青色光についてはおよそ2.4[V]であるのに対し、赤色光については5[V]以上となってしまっている。
上述のように、本実施形態の液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bを具備した液晶プロジェクタ11は、電圧無印加状態から最大の透過率TPが得られる印加電圧VPまでの、印加電圧−透過率特性をほぼ一致させることができる。すなわち、液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの印加電圧−透過率特性の波長依存性が解消される。このため、本実施形態によれば、従来のように異なる波長帯域を有する色光を変調する各液晶ライトバルブについて、それぞれの印加電圧−透過率特性に合わせた出力特性を有する回路を個別に用いる必要がない。また、本実施形態によれば、各液晶ライトバルブの印加電圧−透過率特性がほぼ一致しているため、各液晶ライトバルブを駆動する回路の出力の調整作業が容易もしくは不要となる。このため、本実施形態によれば、液晶プロジェクタ11の各液晶ライトバルブを駆動する回路の構成を簡素化し、さらに調整が容易となるという効果を有する。
また、従来、R(赤)色光、G(緑)色光、及びB(青)色光用に、全て同じ構成、及び同じ液晶材料を用いた液晶ライトバルブを用いた液晶プロジェクタが長時間使用された場合、より波長が短くエネルギーの高いB(青)色光を透過する液晶ライトバルブの液晶材料が他より早く劣化してしまうと言う問題があった。
ここで、図5に、液晶プロジェクタの使用時間と、各液晶ライトバルブの透過率の変化を模式的に示す。図5において、縦軸は各色光用の液晶ライトバルブの最大透過率TPを示し、横軸は液晶プロジェクタの使用時間を示す。図5中、TPRが赤色光、TPGが緑色光、TPBが青色光の最大透過率の変化を示している。図5に示すように、従来、全て同じ液晶ライトバルブを用いた液晶プロジェクタでは、B(青)色光用の液晶ライトバルブの液晶材料が他より早く劣化することに起因して、使用時間が長くなるほどB(青)色光の透過率TPBが他に比べて著しく低下してしまい、カラーバランスに狂いが生じてしまう。
しかしながら、本実施形態の液晶ライトバルブ12R、13G及び14Bの各液晶層は、変調する色光の波長が短いほど小さい屈折率異方性Δnを有する液晶材料により構成されている。一般に、液晶材料は、屈折率異方性Δnの値が小さいほど光の吸収量が小さいため、光により劣化しにくくなる。このため、本実施形態の液晶ライトバルブ14Bは、最も劣化しにくい液晶材料を有し、従来に比べて寿命を長くすることができる。よって、本実施形態によれば、長期間の使用にわたりカラーバランスが狂うことなく、色再現性が低下しない電子機器である液晶プロジェクタを実現することができるのである。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、第2の実施形態の各液晶ライトバルブの印加電圧−透過率特性を表すグラフである。第2の実施形態の液晶プロジェクタは、第1の実施形態の液晶プロジェクタ11の構成に対し、各液晶ライトバルブの構成のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
本実施形態の液晶プロジェクタに具備されるRGB各色光用の液晶ライトバルブは、液晶層のセルギャップd及び屈折率異方性Δnの値がそれぞれ異なる。以下に、液晶ライトバルブの構成の詳細について説明する。
まず、RGB各色光用の液晶ライトバルブは、それぞれ共通のプレチルト角θp、誘電率異方性Δεを有し、それぞれの値は、θp=85[°]、Δε=−5.0である。
そして、RGB各色光用の液晶ライトバルブの各液晶層は、それぞれ異なる屈折率異方性Δnx(以下、xにはR・G・Bのいずれかが当てはめられ、それぞれ赤・緑・青の各色光用の液晶ライトバルブについてを表すものとする)を有している。
赤色光用の液晶ライトバルブの液晶層は、ΔnR=0.17であり、緑色光用の液晶ライトバルブの液晶層は、ΔnG=0.15であり、青色光用の液晶ライトバルブの液晶層は、ΔnB=0.086である。
また、赤色光用及び緑色光用の液晶ライトバルブのセルギャップはともにdR=3000[nm]であり、青色光用の液晶ライトバルブのセルギャップはdB=3500[nm]である。
すなわち、本実施形態では、RGB各色光用の液晶ライトバルブの各液晶層は、変調する色光の波長が短いほど小さい屈折率異方性Δnを有する液晶材料により構成され、さらに、青色光用の液晶ライトバルブのセルギャップdBが他に比べて大きく設定されている。
図6に示すように、以上のように構成されたRGB各色光用の液晶ライトバルブによれば、各印加電圧−透過率特性曲線TR2、TG2及びTB2を、0[V]から最大の透過率TPが得られる印加電圧VPまで、ほぼ一致させることが可能である。
また、本実施形態によれば、第1の実施形態に比べ、青色光用の液晶ライトバルブの屈折率異方性Δnがさらに小さく、また、液晶層の厚さであるセルギャップが大きい。セルギャップが大きいほど、液晶材料は光による劣化の進行度合いが遅くなるため、本実施形態の青色光用の液晶ライトバルブは、第1の実施形態よりもさらに光に対する耐久性が高くなる。したがって本実施形態によれば、より長期間の使用にわたりカラーバランスが狂うことがなく、色再現性が低下しない液晶プロジェクタを実現することができるのである。
なお、上述の実施形態では、RGB各色光用の液晶ライトバルブについて、変調する色光の波長が短いほど小さい屈折率異方性を有する液晶材料を使用しているが、例えば、赤色及び緑色光用の液晶ライトバルブについては同一の構成のものを用い、特に劣化しやすい青色光用の液晶ライトバルブにのみ、小さい屈折率異方性Δnを有する液晶材料を使用する構成であってもよい。
また、本実施形態の電子機器である液晶プロジェクタは、観察者側からスクリーンに画像を投射して表示する、所謂フロント型の投射型表示装置であるが、本実施形態の液晶プロジェクタは、スクリーンの観察者とは反対側からスクリーンに画像を投射して表示する所謂リア型の投射型表示装置であってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
液晶プロジェクタの光学系の概略構成を示す説明図である。 液晶装置の電圧無印加状態における要部を概略的に示す断面模式図である。 液晶層に印加する電圧と、各波長の入射光に対する画素の透過率との関係を示すグラフである。 従来の液晶ライトバルブの印加電圧−透過率特性を示すグラフである。 液晶プロジェクタの使用時間と、各液晶ライトバルブの透過率の変化を模式的に示す説明図である。 第2の実施形態の液晶ライトバルブの印加電圧−透過率特性を示すグラフである。
符号の説明
11 液晶プロジェクタ、 11a 筐体、 12R 赤色光用液晶ライトバルブ、 13G 緑色光用液晶ライトバルブ、 14B 青色光用液晶ライトバルブ、 20 照明光学系、 30 色分離合成光学系、 40 投射光学系、 60 スクリーン

Claims (2)

  1. 赤(R)色光、緑(G)色光、及び青(B)色光をそれぞれ変調する光変調手段を備えた電子機器であって、
    前記光変調手段は、それぞれ互いに対向する一対の基板の間に、負の誘電率異方性を備えて、電圧無印加時に少なくとも一方の前記基板面に対して傾斜垂直配向する液晶材料からなる液晶層が挟持されなり、前記赤(R)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnR、及び前記液晶層の厚さをdRとし、前記緑(G)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnG、及び前記液晶層の厚さをdGとし、前記青(B)色光を変調する前記光変調手段の前記液晶材料の屈折率異方性をΔnB、及び前記液晶層の厚さをdBとした場合に、
    ΔnR≧ΔnG>ΔnB、かつ、dR≦dG<dB
    の関係を満たすことを特徴とする電子機器。
  2. 前記電子機器は、投射型カラー表示装置であることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
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