JP2007304229A - 光学素子およびプロジェクション装置 - Google Patents

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昭一 村口
Hiroaki Suzuki
博明 鈴木
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Abstract

【課題】波長分離と位相差補償の複数機能をひとつの素子でまかなうことができ、光学素子の設置スペースの縮小および製造工数の削減、コストダウンを実現すること。
【解決手段】本発明は、無機材料の積層構造を有しており、この積層構造が、略周期的に膜が繰り返される周期層部51と、2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期層部52とから構成される光学素子1である。この積層構造としては、屈折率の異なる2種類以上の膜から構成されているものである。また、周期層部51の各層の厚さの平均は、非周期層部52の各層の厚さの平均より小さいものでもある。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として垂直配向液晶を用いたプロジェクション装置に利用される、位相差制御および波長制御・光量制御をおこなう光学素子およびこれを用いたプロジェクション装置に関する。
図7は、従来のプロジェクション装置の概略構造を示す構成図である。プロジェクション装置は、大別すると、光源21、赤青緑画像用の液晶素子31r、31b、31g、各液晶素子31r、31b、31gに対し色分離および均一に照明するための照明光学系、色合成用プリズムを含めた投影レンズ34、さらに図示しないスクリーン部から構成される。
光源21は、可視光領域を発光する光源(例えば、高圧水銀ランプ)が用いられる。光源21から放出された光は、一体化されたリフレクタにより反射され均一照明するために利用される1組のマルチレンズアレイ23、24を通過する。さらに偏光をそろえ効率を改善するために用いられている偏光変換素子25を通過し、メインレンズ26を含む複数のレンズを通過して液晶素子31r、31b、31gに入射される。その途中において、ダイクロイックミラー27、28と呼ばれる波長分離ミラーを用いて赤・青・緑に分離され、それぞれの色に対応させて配置する液晶素子31r、31b、31gに最適に入射される。
各色の光は、対応する液晶素子31r、31b、31gにて映像に応じて強度を変調され、色合成プリズム33によって再び混色される。最後に投影レンズ34を経てスクリーン部に映し出され画像を表示される。
液晶素子31r、31b、31gの前後には1軸方向の直線偏光のみを通過する偏光子(入射側偏光子35、出射側偏光子36)が配置されている。たとえば液晶素子31r、31b、31gの前後の偏光子透過軸を90度回転(いわゆるクロスニコル状態)させておいた場合、液晶によって偏光が変化されないと光は液晶素子31r、31b、31gの後の出射側偏光子36にてカットされ色合成プリズム33に到達せず、画面に出力されない(黒状態)。
一方、液晶素子31r、31b、31gによって入射した直線偏光が最大90度回転した直線偏光に変換された場合、液晶素子31r、31b、31gの後の出射側偏光子36を光は理想的にはすべて通過し、色合成プリズム33・投影レンズ34を通過し、画面に出力される(白状態)。
上記2つの中間の状態においては、光は楕円偏光になり、液晶後の出射側偏光子36の透過軸成分のみの光が透過することができ、さまざまな明るさを表現できる。ここで用いられている波長分離ミラーは、通常屈折率の異なる2種類の材料を用い、スパッタなどにより積層構造を作成し、光の干渉を利用し特定波長の光は反射させ、特定波長の光は透過させるように設計された薄膜素子である。また、各種ミラーやレンズなどには同様に積層構造を用い無反射コートを施している。
近年、プロジェクション装置において、コントラスト特性(白輝度と黒輝度の比率)や視野角特性の改善に位相差板を用いた光学補償技術が用いられる。ここで、垂直配向型液晶における黒輝度補正の概念を図8によって説明する。
液晶前後の偏光子はクロスニコル状態になっているとする。この場合における無電圧印加状態では、液晶が理想的(液晶が完全に垂直には配向している場合)には前側の偏光子による直線偏光はそのまま液晶を通過し後側の偏光子にてすべてカットされる(図8(a)参照)。
ここで、プロジェクション装置における垂直配向型液晶は配向乱れを抑制するために液晶自体を若干傾けて(プレチルト)配置する方法が提案されている。この場合、入射側偏光子を通過した直線偏光は液晶の若干の傾きによって生じる位相差で楕円偏光になる(図8(b)参照)。その結果、出射側偏光子から若干の光がもれてしまう。そこで、液晶の傾きによって生じる位相差を打ち消すような効果を持つ光学素子を前後の偏光子の間に組み込むことで、後側の偏光子に到達する光を元の直線偏光にし、光漏れを減らすことが可能となる(図8(c)参照)。
この様に、本来生じてほしくない位相差を打ち消すような位相差を導入することで補正する技術を一般に光学補償技術と呼んでいる。光学補償技術は、複屈折を有する材料を用いて行われる。
光が複屈折材料を進む際、屈折率の差によって光の進みの速い方向=進相軸と光の進みが遅い方向=遅相軸が生じる。その結果、光が複屈折材料を通過すると位相差が生じる。生じる位相差は、複屈折材の屈折率差とその膜厚によって決定される。
この光学補償技術に用いられる光学素子として、複屈折性を有する結晶を用いた位相差素子や高分子系の材料を用いた位相差素子などが提案・導入されている(特許文献1参照。)。結晶を用いた場合は、結晶の切り出し研磨などが必要となり、精度の高い加工が必要となるため大面積化が困難、高価になってしまう問題点がある。また、高分子系では、有機材料を用いているため耐熱性に弱く寿命が厳しいことや熱による変形による特性変化などの問題点がある。
ところで、光の波長に比べ十分小さいような微細構造を用いることで、構造性複屈折を得ることがわかっている。これは、Max Born, Emil Wolf著の”Principles of Optics”にも説明されている。非常に微細な周期構造を有する場合においては、積層構造の比率により決まる負の一軸性位相差素子として振舞う(図9参照)。
特開2001−42314号公報
ここで、上記のような微細構造を一軸性位相差素子として用いる場合、耐熱性および面均一性が重要であり、これらの特性の優れた位相差板を実現するのは非常に困難である。また、プロジェクション装置では光学補償とともに波長選択を行う光学フィルタが必要となるが、種々の光学部品を組み込むためのスペースや製造工数、コストアップの抑制が求められている。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、無機材料の積層構造を有しており、この積層構造が、略周期的に膜が繰り返される周期層部と、2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期層部とから構成される光学素子である。
この積層構造としては、屈折率の異なる2種類以上の膜から構成されているものである。また、積層構造を構成する層に対して鉛直方向に入射した光線について位相差が0であり、鉛直方向以外の角度で入射した光線についてその角度に応じた所定の位相差が発生するものでもある。さらに、積層構造は、入射した光の波長帯域を特定の波長帯域に絞る機能を有するものでもある。また、周期層部の各層の厚さの平均は、非周期層部の各層の厚さの平均より小さいものでもある。
また、本発明の別な側面では、垂直配向液晶からなる液晶表示素子に対応し、基板上へ無機材料を積層することによって構成される光学素子であり、液晶表示素子の光軸に平行に入射した光の位相差の大きさをl_VA、前記光学素子を前記光軸に対して所定の角度に配置し、その場合における光軸に平行に入射した光の位相差の大きさをl_CFとしたとき、l_VA≒l_CFであり、かつ光学異方性の符号が相異なることが成立し、さらに、所定の波長帯域の光のみを透過させるものである。
また、垂直配向液晶からなる液晶表示素子に対応し、基板表面上へ無機材料を積層することによって構成される光学補償層と、基板裏面上に形成される光学フィルタ層とからなり、液晶表示素子に入射した光の位相差の大きさをl_VA、光学補償層に前記液晶表示素子と同一角度で入射した光の位相差の大きさをl_CLとしたとき、l_VA≧l_CLが成立する光学素子でもある。
このような本発明では、光学素子を無機材料の積層構造で構成するとともに、この積層構造として略周期的に膜が繰り返される周期層部と、2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期層部とを備えており、この周期層部で主として光学補償を行い、非周期層部で主として波長選択を行う。したがって、一つの光学素子で光学補償と波長選択との両方を満たすものを実現できる。
また、本発明の光学素子は、超高圧水銀ランプ等の光源、光源からの光に照明され照明された光を変調する光変調素子(透過型、反射型)、所定の偏光状態を実現する偏光子(透過型の場合には入射側と出射側とで異なる偏光子、反射型の場合には入射側および出射側で同じ偏光子)、投影レンズを備えたプロジェクション装置において、偏光子と光変調素子との間に配置する光学補償素子および光学フィルタ素子として適用することができる。
したがって、本発明によれば、無機材料を用いた位相差板により、耐熱性が高く、かつ面均一性の優れた位相差板を実現することが可能となる。また、波長分離ミラーと同じ積層構造を用いることで、波長分離と位相差補償の複数機能をひとつの素子でまかなうことができ、光学素子の設置スペースの縮小および製造工数の削減、コストダウンを実現することが可能となる。
<本発明にかかわる構成>
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本実施形態における光学素子の基本構成を示す模式図である。すなわち、本実施形態の光学素子50は、ガラスなどの光学基板上に、屈折率の異なる少なくとも2種類以上の材料を用いた積層構造からなる。
この積層構造としては、略周期的に膜が繰り返される周期層部51と、2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期部52とを備えている。周期層部51の各層の厚さの平均は、非周期層部52の各層の厚さの平均より小さくなっている。積層構造を構成する膜は無機材料を用い、スパッタ・蒸着など一般的に用いられている製膜方法で作製される。
本実施形態においては、必要となる色分離機能や輝度調整機能、無反射機能、負の一軸位相差発生機能を基板上に積層した一連の膜構成部分において同時に満たす特性を得ることができる。以下に具体例を挙げて説明する。
<具体例1>
積層構造の具体例として、低波長帯域透過特性と負の一軸性複屈折特性とを兼ね備えた膜構成における場合を説明する。屈折率の異なる2種類の材料(たとえば低屈折材料として酸化シリコン(SiO2)、高屈折材料として酸化チタン(TiO2))を用いた場合を考える。図1(a)に具体的な膜構造を示す。この構造における透過率特性の計算結果を図1(b)に示す。この特性からわかるとおり、およそ波長570nm付近を半値波長とする低波長帯域の透過特性を示している。
積層構造では、周期層部51として高屈折材である酸化チタンの層と低屈折材である酸化シリコンの層とをほぼ同じ厚さ(ここでは10nm)で交互に積層したものが存在する。図9にて示したが、波長に対し十分小さい(薄い)場合における積層周期構造において、負の一軸性複屈折が生じる。この部分が主に負の一軸特性を示す積層構造部分になる。
また、積層構造における非周期層部52としては、2種類以上(ここでは酸化チタンと酸化シリコン)の層を周期性なく交互に積層したものであり、この非周期層部52で主に低波長帯域特性を設定している。
ただし、実際には主に低波長帯域特性などを実現するための非周期層部52も積層構造であるため、この部分においても複屈折成分が現れる。したがって、電磁界方程式より、周期層部51および非周期層部52を含めた全積層構造の複屈折を求めてもよいし、実験的に求めることも可能である。
図2(a)に薄い交互層部分の厚みを変化させた場合における複屈折性(位相差)がどのように変化するかを確認した実験結果を示す。この結果は、図2(b)のように積層構造に対し斜めに単色光を入射したときに、複屈折性によって生じる位相差の値を示したものである。図をみてわかるとおり、膜厚を変化させたときの位相差変化にたいして直線近似が成り立つ。したがって、実際にほしい位相差を決定する時は、薄い交互層の膜厚を図より求め膜の設計をおこなうことで可能となる。その結果、低波長帯域透過特性と負の一軸性複屈折特性とを兼ね備えた光学素子を作ることができる。
この素子を用いた応用例として、垂直配向液晶の位相差補償が挙げられる。図3に本実施形態の光学素子を用いた液晶投影装置の照明光学系を示す。ここでは、光学素子50を緑の液晶素子31gと対に利用している場合を説明する。光学補償を行う場合、本実施形態の光学素子50を入射側偏光子35と射出側偏光子36との間に配置する。その際、一般的に、正の一軸性複屈折率特性を有する垂直配向液晶のプレチルトの角度A対して、光学素子50がスネルの法則によって表される角度Bに傾けて配置すると最適な光学補償となることが知られている。液晶の屈折率をn1、補償層の屈折率をn2とすると
1sinA=n2sinB
で表される。
言い換えると、垂直配向の液晶と位相差層の光軸を揃える角度に配置する。ここで、液晶の位相差の大きさがl_VAのときに、光学素子の位相差を、角度Bの時に光学補償層の位相差の大きさl_CLが等しくなるように膜構成を設計することで、液晶の位相差の補償することが可能となる。
また、ここで図7にあるようなトリミングフィルタ(色の調整などに用いられている波長分離フィルタ)の特性を考える。緑色用の液晶素子31gに対して、図1(a)の光透過特性の光学素子50を用いることで、高圧水銀ランプを光源に用いた場合のオレンジ色光(波長580nm付近)を遮断することが可能となり、緑色の色純度を高めるトリミングフィルタとなる。つまり、本実施形態の光学素子50を用いることで、液晶の位相差を補償する機能(光学補償機能)とトリミングフィルタの機能(波長選択機能)とを同時に満たすことができる光学素子として応用することが可能となる。
上記説明では、基板として平板形状の基板を用い、本実施形態の光学素子50を形成した場合について述べており、所定の角度Bに傾ける構成となっているが、図4(a)に示すように、基板の形状として、液晶のプレチルトの角度Aに対してスネルの法則によって表される角度Cになる斜面を持つ形状の略プリズム形状の基板を用い、本実施形態の光学素子を構成することも可能である。この斜面の傾きは、入射する方向によって、角度が異なってくる。
さらには、図4(b)に示すように、略プリズム(A)とその鏡面対称の形をとる略プリズム(B)とを粘着層を介して張り合わせ、ブロック形状にすることで本実施形態の光学素子を構成することも可能である。
なお、ここでは、図1(b)に示したような低波長帯域透過特性関して言及しているが、紫外線遮断フィルタや高波長帯域透過特性フィルタなど、他の波長分離特性や無反射特性や輝度調整特性など、さまざまな光学フィルタ機能と位相差補償機能を兼ね備えた光学素子への応用ももちろん可能である。
<具体例2>
本実施形態の光学素子の応用例の例として、図5に示すように、基板のひとつの面に光学補償層を、反対の面に光学透過層(光学フィルタ層)をつけた場合について説明する。位相差の補償に関する機能(光学補償層)は、垂直配向液晶の位相差の大きさl_VAと本発明の光学素子の位相差の大きさを等しくするように、積層構造を設計する。すなわち、具体例1にあるように光学補償層の位相差が決定され、その大きさをl_CFとする。
さらに、この場合は基板の光学補償層だけでなく、その反対側の面に光学透過層が形成されているため、その位相差を考慮する必要がある。光学透過層の位相差の大きさをl_CLとする。
そして、具体例1と同様、垂直配向液晶のプレチルトに対応する角度Bにおいて、その位相差関係が
l_VA=l_CF+l_CL
となるように設計することで、液晶の位相差を補償することが可能となる。
光学補償層の透過率特性は、図1(b)のような低波長帯域透過特性や、紫外線遮断フィルタや高波長帯域透過特性フィルタなど、他の波長分離特性や無反射特性や輝度調整特性など、さまざまな光学フィルタ機能を持たせることができる。
また、光学透過層も、当然さまざまなフィルタ特性を持たせることで、波長分離の特性をより細かく制御することも可能となる。本実施形態の光学素子50を用いることで、液晶の位相差を補償する光学補償機能とトリミングフィルタの機能とを同時に持たせる光学素子50として応用することが可能となる。
図5では、基板として平板形状の基板を用い、本発明の光学素子を形成した場合について述べており、所定の角度Bに傾ける構成となっているが、図4(c)に示すように、基板の形状として、液晶のプレチルトの角度Aに対してスネルの法則によって表される角度Cになる斜面を持つ形状の略プリズム(A)とその鏡面対称の形をとる略プリズム(B)とのそれぞれの斜面に光学補償層・光学透過層を持たせ、粘着層を介して張り合わせたブロック形状にして本実施形態の光学素子を構成することも可能である。
また、ここでは、光学補償層と光学透過層の組合せについて述べているが、両面とも光学補償層として光学素子の構成を作ることも可能である。
<プロジェクション装置への適用例>
図6は、透過型液晶を用いた本実施形態のプロジェクション装置の概略構成を示す構成図である。プロジェクション装置は、大別すると、光源21、赤青緑画像用の液晶素子31r、31b、31g、各液晶素子31r、31b、31gに対し色分離および均一に照明するための照明光学系、色合成用プリズムを含めた投影レンズ34、さらに図示しないスクリーン部から構成される。
光源21は、可視光領域を発光する光源(たとえば高圧水銀ランプ)が用いられる。光源21から放出された光は、一体化されたリフレクタにより反射され均一照明するために利用される1組のマルチレンズアレイ23、24を通過する。さらに偏光をそろえ効率を改善するために用いられている偏光変換素子25を通過し、メインレンズ26を含む複数のレンズを通過して液晶素子31r、31b、31gに入射される。その途中において、ダイクロイックミラー27、28と呼ばれる波長分離ミラーを用いて赤・青・緑に分離され、それぞれの色に対応させて配置する液晶素子31r、31b、31gに最適に入射される。
各色の光は、対応する液晶素子31r、31b、31gにて映像に応じて強度を変調され、色合成プリズム33によって再び混色される。最後に投影レンズ34を経てスクリーン部に映し出され画像を表示される。
ここで、入射側偏光子35と透過型液晶変調素子31との間、もしくは透過型液晶変調素子31と出射側偏光子36との間に複屈折を有する光学補償素子がない場合、例え黒表示時であっても、液晶分子のわずかな位相差によって偏光状態が変わり楕円偏光成分が生じる。そのため、コントラストの低下といった問題が生ずることになる。
そこで、本実施形態においては、入射側偏光子35と透過側液晶変調素子31との間、もしくは透過型液晶変調素子31と出射側偏光子36との間に光学補償機能を有する光学素子50を配置することにより液晶分子によって生じた位相差を打ち消す。
本実施形態で利用する光学素子50は、図1に示すような本実施形態の光学素子50を用いる。具体的な形態は、図1(a)に示す基板型だけでなく、図4(a)に示すプリズム型、図4(b)、(c)に示すブロック型のいずれでもよい。
また、本実施形態の光学素子50では、上記光学補償機能の他に光学フィルタ機能も兼ね備えている。したがって、本実施形態のプロジェクション装置では図7に示す従来のプロジェクション装置のようなトリミングフィルタ40r、40g、40bを配置する必要はなく、光学素子50だけで済むことになる。つまり、光学素子50の積層構造によって光学補償機能の他にトリミングフィルタとして機能を持たせることで、従来のように別途必要となっていたトリミングフィルタ40r、40g、40bを不要にすることが可能となる。
ここで、光学素子50を透過型液晶変調素子31と出射側偏光素子36との間に配置する場合、図1(a)に示す基板型を斜めに傾けた配置や図4(a)に示すプリズム型の場合、スクリーン上に表示される画像に非点状の収差を発生する要因になるため、図4(b)、(c)のようなブロック型のほうが望ましい。
また、上記適用例は、透過型液晶を用いたプロジェクション装置の概略構成について説明をしているが、反射型における垂直配向液晶を用いたプロジェクション装置の場合においても同様に、液晶変調素子と偏光子との間に本実施形態の光学素子を配置することで、同様の効果を得ることが可能である。
このような本実施形態によって、垂直配向液晶を用いたプロジェクション装置の照明光学系に用いられている色分離ミラーや無反射コートと画質の特性改善に利用されている負の一軸性位相差素子をひとつの素子構成にて実現することができ、光学素子の設置スペースの縮小および製造工数の削減、コストダウンを実現することが可能となる。
本実施形態における光学素子の基本構成を示す模式図である。 交互層膜厚と位相差との関係を説明する図である。 本実施形態の光学素子を用いた液晶投影装置の照明光学系を示す模式図である。 プリズム型の光学素子の例を説明する模式図である。 一方に光学補償層、他方に光学透過層を備えた光学素子の例を説明する模式図である。 本実施形態のプロジェクション装置の概略構成を示す構成図である。 従来のプロジェクション装置の概略構造を示す構成図である。 垂直配向型液晶における黒輝度補正の概念を示す図である。 微細周期構造の積層膜による一軸性位相素子を示す図である。
符号の説明
21…光源、31r、31b、31g…液晶素子、50…光学素子、51…周期層部、52…非周期層部

Claims (14)

  1. 無機材料の積層構造を有しており、
    前記積層構造が、
    略周期的に膜が繰り返される周期層部と、
    2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期層部と
    から構成されることを特徴とする光学素子。
  2. 前記積層構造は、屈折率の異なる2種類以上の膜から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 前記積層構造を構成する層に対して鉛直方向に入射した光線について位相差が0であり、鉛直方向以外の角度で入射した光線についてその角度に応じた所定の位相差が発生する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  4. 前記積層構造は、入射した光の波長帯域を特定の波長帯域に絞る機能を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  5. 前記周期層部の各層の厚さの平均は、前記非周期層部の各層の厚さの平均より小さい
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  6. 垂直配向液晶からなる液晶表示素子に対応し、基板上へ無機材料を積層することによって構成される光学素子において、
    前記液晶表示素子の光軸に平行に入射した光の位相差の大きさをl_VA、前記光学素子を前記光軸に対して所定の角度に配置し、その場合における光軸に平行に入射した光の位相差の大きさをl_CFとしたとき、
    l_VA≒l_CFであり、かつ光学異方性の符号が相異なることが成立し、さらに、所定の波長帯域の光のみを透過させる
    ことを特徴とする光学素子。
  7. 垂直配向液晶からなる液晶表示素子に対応し、基板表面上へ無機材料を積層することによって構成される光学補償層と、
    前記基板裏面上に形成される光学フィルタ層とからなり、
    前記液晶表示素子に入射した光の位相差の大きさをl_VA、前記光学補償層に前記液晶表示素子と同一角度で入射した光の位相差の大きさをl_CLとしたとき、
    l_VA≧l_CLが成立する
    ことを特徴とする光学素子。
  8. 前記光学フィルタ層の位相差の大きさをl_CFとしたとき、
    l_VA=l_CL+l_CFが成立する
    ことを特徴とする請求項7記載の光学素子。
  9. 前記光学補償層の積層構造は、
    略周期的に膜が繰り返される周期層部と、
    2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期層部と
    から構成されることを特徴とする請求項7記載の光学素子。
  10. 前記光学補償層は、入射した光の波長帯域を特定の波長帯域に絞る機能を有する
    ことを特徴とする請求項7記載の光学素子。
  11. 前記光フィルタ層は、入射した光の波長帯域を特定の波長帯域に絞る機能を有する
    ことを特徴とする請求項7記載の光学素子。
  12. 前記積層構造は、屈折率の異なる2種類以上の膜から構成される
    ことを特徴とする請求項7記載の光学素子。
  13. 前記周期層部の各層の厚さの平均は、前記非周期層部の各層の厚さの平均より小さい
    ことを特徴とする請求項9記載の光学素子。
  14. 光源と、
    前記光源から出射された光束を所定の光路に収束させる照明光学系と、
    前記照明光学系によって集光された光束を垂直配向された液晶分子により光変調する液晶素子と、
    前記液晶素子によって光変調された光束を拡大投影する投影レンズと、
    前記液晶素子の入射側、並びに出射側に配置される偏光子と、
    前記入射側の偏光子と前記液晶素子との間、または前記出射側の偏光子と前記液晶素子との間に配置される光学素子とを備える投射型投影装置において、
    前記光学素子は、
    無機材料の積層構造を有しており、
    前記積層構造が、
    略周期的に膜が繰り返される周期層部と、
    2層以上から成る非周期的な膜構成から成る非周期層部と
    から構成されることを特徴とするプロジェクション装置。

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