JP5458466B2 - 液晶表示装置および投射型液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置および投射型液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、入射側および出射側に偏光板を備えた液晶表示装置およびこの液晶表示素子を用いた投射型液晶表示装置に関するものである。
たとえば透過型液晶プロジェクタ装置では、光源から出射される光を赤、緑、青に分離し、各色光(画像情報あるいは画像信号)を液晶表示素子(以下、LCDという)により構成される3つのライトバルブにより変調し、変調された後の色光束を再び合成して、投射面に拡大投射している。
液晶プロジェクタ等に搭載されるライトバルブとしては、一般に薄膜トランジスタ(以下TFTという)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式のLCDが用いられる。
アクティブマトリクス駆動方式の表示方式としては、90度捩れた分子配列を持つツイステッドネマティック(TN型)液晶があげられる。
ここで、光変調素子として、TN型液晶ライトバルブが用いられ、それを挟むように配置される入射側偏光板および出射側偏光板とを用いることで光変調が可能となる。
入射側偏光板および出射側偏光板は、液晶ライトバルブに入射する光の偏光方向を制御するとともに、液晶ライトバルブから出射される光束の偏光方向を制御する。
また、投射型液晶表示装置は光源として高圧水銀ランプ(UHPランプ)等の高輝度ランプが用いられ、その高輝度な光による出射側偏光板の温度上昇による熱劣化を抑える手法として、偏光板支持基材として放熱性の良い水晶、サファイア等の結晶板を備えたプロジェクタ(特許文献1参照)、また、出射側偏光板の光吸収を分散させるために、出射側偏光板と液晶ライトバルブとの間に、出射側偏光板よりも偏光度の低い偏光板(プリ偏光板)を備えたプロジェクタが知られている(特許文献2参照)。
特許第3443549号公報 特開平7−72447号公報
上述した透過型液晶プロジェクタ装置は、液晶素子の液晶モードとしてツイストネマティック(TN)モードを用いているが、特に近年においては、高輝度化、高コントラスト化、高精細化を図るべく、垂直配向(VA)モードの液晶素子の使用が検討され始めている。
かかる高性能化を図るためには、基板の主面に対する法線方向とことなる方向の電界、換言すれば、基板の主面に略平行ないわゆる横電界による液晶分子の配向の乱れを抑制すべく、直視型液晶素子において実現されている斜め電界を印加する方法や、画素内に傾斜部を設ける等の配向制御方法を適用することも考えられる。
しかし、いずれも表示領域に対する開口領域の割合(開口率)を犠牲にすることとなり、極めて高精細なプロジェクタ用液晶素子においては適用することができない。
さらには、垂直配向型の液晶分子に液晶配向膜により面内で一様な方向にプレティルト角を付与させることで、画素の選択電圧印加時に隣接画素間の横電界による液晶分子の配向の乱れを抑制し、液晶パネルの透過率を向上させるとともに、液晶素子の応答速度を改善する方法も提案されている。
この方法は、非選択電圧印加時に黒表示となるノーマリーブラック型であり、黒表示時の黒輝度(黒レベル)は通常プレティルト角により発生する位相差(残留位相差)によって決定される。
しかしながら、上記のように一様な方向にプレティルト角を付与させるVAモードにおいて、偏光板の製造ばらつきによってコントラスト比が大きくばらつくという問題が新たに判明した。
一般的に、液晶表示装置に使用される偏光板は、色素またはヨウ素を含浸させたPVA(ポリビニールアルコール)を延伸させ偏光子を形成し、その偏光子を支持・保護するためにTAC(トリアセチルセルロース)フィルム等により狭持することで完成品の偏光板として形成される。
このTACフィルムを解析したところ、フィルム面内方向の位相差量として数nmの複屈折が存在し、その遅相軸(異常光屈折率方位)が偏光子の吸収軸に対して±5度程度の範囲内でばらついていることが判明した。
このTACフィルムの複屈折は、液晶素子がTNモードの場合、黒表示時の液晶の残留位相差はTACフィルムの位相差量に比べて遥かに大きいため、TACフィルムの複屈折がコントラスト比に及ぼす影響は小さい。
さらに、残留位相差として黒レベルに効いてくる上下基板界面近傍の液晶分子は互いに90度直交しているため残留位相差を補償していることから、TACフィルムの複屈折の影響をほとんど受けず黒レベルはばらつかない。
しかし、上記のVAモードの場合、高コントラストであり、また、黒表示時の液晶分子の配向は上下でユニフォーム配向であることから、液晶層全体がTACフィルムの複屈折の影響を大きく受けて黒レベルが大きく変動するため、コントラスト比がばらつくといった問題が発生した。
さらに、このような偏光板の製造ばらつきでコントラストがばらつくことによる問題は、R、G、Bそれぞれに液晶素子を用いて画像を投影する3板式液晶プロジェクタにおいては、各色の黒表示時の透過率がばらつくことを意味し、黒表示時の色付き(黒表示時のホワイトバランスの悪化)といった問題が生じる。
これを抑えるためには、黒表示時の照度が悪い色の液晶素子に残りの色に用いる液晶素子の黒表示時の透過率を意図的に悪くさせる必要あり、結果としてコントラスト比が悪化するといった弊害が発生する。
また、このTACフィルムの遅相軸のばらつきが偏光板の面内分布として発生することもある。この場合、液晶素子の表示エリア面内のコントラスト比のばらつきとなり、3板液晶プロジェクタとしては、黒表示時の色ムラの発生となる。これを抑えるためには、表示エリア面内でムラに対応した補正が必要となる。
このTACフィルムの複屈折の位相差量と軸方位バラつきは、偏光板の製造上抑えることは困難であり、TACフィルムに替わる良質な偏光子保護材料も実用化に至ってはいない。
また、高輝度化の進む液晶プロジェクタにおいて、出射側偏光板の前段に設置されるプリ偏光板も欠かすことができないが、このプリ偏光板も上記と同様の問題を抱えている。
本発明は、高輝度化に対応し、コントラスト比のばらつきを抑えつつ、高コントラスト比が可能で、ひいてはより高品位な画質を得ることができる液晶表示装置および投射型液晶表示装置を提供することにある。
本発明の第1の観点の液晶表示装置は、照射された光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する液晶素子と、前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、を有し、前記液晶素子と第1の偏光板との間に、複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、前記液晶素子と第2の偏光板との間に、複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、前記第1の偏光板は、その吸収軸の角度が前記第2の偏光板の吸収軸と直交しており、遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板の吸収軸と略平行であり、前記第2の偏光板は、遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
本発明の第2の観点の液晶表示装置は、照射された光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する液晶素子と、前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、前記液晶素子と前記第2の偏光板との間に配置された第3の偏光板と、を有し、前記液晶素子と第1の偏光板との間に複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、前記液晶素子と第3の偏光板との間に複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、前記第1の偏光板は、その吸収軸の角度が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と直交しており、遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第3の偏光板の吸収軸と略平行または略直角であり、前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と略平行であり、前記第3の偏光板は、遅相軸が、当該第3の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記第2の偏光板は、遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
本発明の第3の観点の投射型液晶表示装置は、光源と、前記光源から出射された光束を所要の光路に収束させる照明光学系と、前記照明光学系による光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する少なくとも一つの液晶素子と、前記液晶素子によって光変調された光束を拡大投影する投射光学系と、前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、を有し、前記液晶素子と第1の偏光板との間に、複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、前記液晶素子と第2の偏光板との間に、複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、前記第1の偏光板は、その吸収軸の角度が前記第2の偏光板の吸収軸と直交しており、遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板の吸収軸と略平行であり、前記第2の偏光板は、遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
本発明の第4の観点の投射型液晶表示装置は、光源と、前記光源から出射された光束を所要の光路に収束させる照明光学系と、前記照明光学系による光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する少なくとも一つの液晶素子と、前記液晶素子によって光変調された光束を拡大投影する投射光学系と、前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、前記液晶素子と前記第2の偏光板との間に配置された第3の偏光板と、を有し、前記液晶素子と第1の偏光板との間に複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、前記液晶素子と第3の偏光板との間に複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、前記第1の偏光板は、その吸収軸の角度が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と直交しており、遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第3の偏光板の吸収軸と略平行または略直角であり、前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と略平行であり、前記第3の偏光板は、遅相軸が、当該第3の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記第2の偏光板は、遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である


好適には、前記複屈折性光学部材が偏光板支持基材である。
本発明よれば、液晶表示素子に垂直配向型液晶を用いた際に特に問題となる偏光板製造ばらつきに起因する黒の色付き、コントラスト比悪化、および色ムラの発生が低減される。
本発明によれば、高輝度化に対応し、コントラスト比のばらつきを抑えつつ、高コントラスト比が可能で、ひいてはより高品位な画質を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。
本第1の実施形態に係る液晶表示装置10は、照射された光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する液晶素子100と、液晶素子100の入射側に配置された第1の偏光板210と、液晶素子100の出射側に配置された第2の偏光板310と、を有し、液晶素子100の入射側と第1の偏光板210との間に、複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材220が配置され、液晶素子100の出射側と第2の偏光板310との間に、複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材320が配置されている。
第1の複屈折性光学部材220は第1の偏光板210の支持基材としての機能を併せもち、第1の偏光板210と第1の複屈折性光学部材220とにより入射側偏光板200が構成されている。
第2の複屈折性光学部材320は第2の偏光板310の支持基材としての機能を併せもち、第2の偏光板310と第2の複屈折性光学部材320とにより出射側偏光板300が構成されている。
図2は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶素子の概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係る液晶素子100は、図2に示すように、TFTアレイ基板111と、TFTアレイ基板111に対向配置される透明な対向基板112とを備えている。
TFTアレイ基板111は、たとえば透過型の場合、石英基板、反射型の場合、たとえばシリコン材料に基板により形成される。対向基板112は、たとえばガラス基板や石英基板により形成される。TFTアレイ基板111には、透過型の場合、画素電極113が設けられている。
画素電極113は、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜により形成される。反射型の場合、画素電極113としては、たとえば金属材料からなる反射電極を用いる。金属材料としては、可視域で高い反射率を有するアルミニウムを用いるのが一般的である。より詳しくは、銅やシリコンを数wt%添加したアルミニウム金属膜が一般に使用される。その他に、たとえば、白金、銀、金、タングステン、チタンなどを用いることも可能である。対向基板112には、前述した全面ITO膜114が前面に設けられている。
TFTアレイ基板111と対向基板112とには、液晶を所定方向に配向させるための図示しない配向膜が形成されており、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材115で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層116が挟持されている(封入されている)。
図3は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶素子のアレイ基板(液晶パネル部)における配置例を示す図である。
図3に示すように、液晶素子100は、画素がアレイ状に配列された画素表示領域121、水平転送回路122、垂直転送回路123−1,123−2、プリチャージ回路124、およびレベル変換回路125を含んで形成されている。
画素表示領域121には複数のデータ線126と複数の走査線(ゲート配線)127が格子状に配線され、各データ線126の一端側は水平転送回路22に接続され、他端側はプリチャージ回路124に接続され、各走査線127の端部が垂直転送回路123−1,123−2に接続されている。
液晶表示素子100の画素表示領域121を構成するマトリクス状に複数形成された画素PXには、スイッチング制御する画素スイッチング用トランジスタ128、液晶129、および補助容量(蓄積容量)130が設けられている。
画素信号が供給されるデータ線126がトランジスタ128のソースに電気的に接続されており、書き込む画素信号を供給している。また、トランジスタ128のゲートに走査線127が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線127にパルス的に走査信号を印加するように構成されている。
画素電極113は、トランジスタ128のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるトランジスタ128を一定期間だけそのスイッチをオンさせることにより、データ線26から供給される画素信号を所定のタイミングで画素信号を書き込む。
画素電極113を介して液晶129に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板112に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶129は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。
ノーマリホワイト表示であれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶表示素子から画素信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。
ここで、保持された画素信号がリークされるのを防ぐために、画素電極と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に補助容量(蓄積容量)130を付加してある。これにより、保持特性はさらに改善され、コントラスト比の高い液晶表示素子が実現できる。
また、このような保持容量(蓄積容量)130を形成するために、抵抗化されたコモン配線131が設けられている。
本実施形態の液晶表示素子100は、たとえば、フレーム毎に各画素電極に印加する電圧を同一極性で反転させるフレーム反転駆動を行うアクティブマトリクス型液晶表示素子として構成される。
図4は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶素子のTFTアレイ基板側の具体的な構成例を示す断面図である。
この液晶表示素子100は、TFTアレイ基板111と、TFTアレイ基板111上に形成された第一遮光膜132と、TFTアレイ基板111および第一遮光膜132上に形成された第一層間膜133と、第一層間膜133上に形成された多結晶Si膜(p-Si)134と、多結晶Si膜(p-Si)134上に形成されたゲート絶縁膜135と、ゲート絶縁膜135上に形成されたゲート電極136と、第一層間膜133、ゲート絶縁膜135、およびゲート電極136上に形成された第二層間膜137と、第二層間膜137に形成された第一コンタクト138と、第一コンタクト138内を含めて形成された第一配線膜139と、第二層間膜137および第一配線膜140上に形成された第三層間膜140と、第三層間膜140に形成された第二コンタクト141と、第二コンタクト141内を含めて第三層間膜140上に形成された導電性を有する第二遮光膜142と、第三層間膜140および第二遮光膜142上に形成された第四層間膜143と、第四層間膜143に形成された第三コンタクト144と、第三コンタクト144内を含めて第四層間膜143上に選択的に形成された透明電極145と、透明電極145および第四層間膜143上に形成された柱状スペーサ146とを有する。
そして、図4には図示していないが、図2に関連付けて説明したように、TFTアレイ基板111と対向基板112とには、液晶を所定方向に配向させるための図示しない配向膜が形成されており、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材115で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層116が挟持される(封入される)。
本実施形態の液晶素子100は、アクティブマトリクス型の高温ポリシリコンTFT基板111を用いて構成される。
解像度は、たとえばXGA、画角は0.8インチ、画素ピッチは15.6μmである。 また、たとえば対向基板112はマイクロレンズアレイ付きであり、垂直配向型の液晶を用いた透過型のパネルとして構成される。
液晶分子の配向は、たとえば次のように設定される。
・方位角方向(配向容易軸):入射側偏光板の吸収軸に対して45度方向、
・極角方向(プレティルト角):基板法線方向に対して5度、
また、液晶層の厚さは3μm、液晶材料の屈折率異方性Δn=0.14、誘電率異方性Δε=−5.8のものが採用される。
入射側偏光板210は、その吸収軸の角度は出射側偏光板310の吸収軸と直交している(直交ニコル)
第1の偏光板210が第1の複屈折性光学部材220としてサファイア基板に貼合され、サファイア基板側が入射側に位置する。
また、角度調整機構を備える
第1の偏光板210は、二色性色素を含浸させたPVA(ポリビニールアルコール)を延伸し、偏光子保護基材としてTAC(トリアセチルセルロース)フィルムにて狭持させたものである。
TACは、
・厚さ方向の位相差:Rth=40nm
・面内方向の位相差:Re=3.7nm
・面内方向の遅相軸方位:偏光板吸収軸に対して±5°程度の範囲内でばらつきがある。
また、偏光度は99.98%である。
出射側偏光板300は、吸収軸の軸角度以外は入射側偏光板200と同様である。
第1の複屈折性光学部材(入射側)220は、複屈折性結晶であるAl2O3(サファイア)の結晶板により形成され、板厚は0.7mmに設定される。
第1の複屈折性光学部材(入射側)220は、前述したように、入射側第1の偏光板210と液晶素子100の入射側間に配置される。
サファイア結晶C軸は、入射偏光板210の吸収軸に略直角である。
図5は、本第1の実施形態に係る液晶表示装置10における各部の軸構成を示す図である。
この例では、入射側偏光板200において、偏光板(子)吸収軸が0度、TAC遅相軸が−5〜5度、結晶軸(C軸)が90度、液晶素子100において、液晶配向容易軸が45度、出射側偏光板300において、結晶軸(C軸)が90度、TAC遅相軸が85度〜95度、偏光板(子)吸収軸が90度である。
以上の構成を有する本第1の実施形態に係る液晶表示装置10について、図6〜図12に関連付けて説明する。
図6は、第1の実施形態におけるTACの面内方向の遅相軸の偏光板吸収軸に対するばらつき状態を示す図である。図6において、横軸がTAC軸角度を、縦軸が頻度をそれぞれ表している。
また、図7は、第1の実施形態におけるTACの面内方向の遅相軸のばらつきによるコントラスト比への影響を示す図である。図7において、軸がTAC軸角度を、縦軸がコントラスト比をそれぞれ表している。
図8は、図1の液晶表示装置10に対する比較例として構成した液晶表示装置1の構成を示す図である。
この液晶表示装置1においては、液晶素子2の入射側に偏光板31が配置され、さらに外側(光入射側)に偏光板支持基材32が配置されている。また、液晶素子2の出射側に偏光板41が配置され、さらに外側(光出射側)に偏光板支持基材42が配置されている。
図9は、図8の液晶表示装置1の波長特性を示す図である。図9において、横軸が波長を、縦軸が全黒透過率をそれぞれ表している。
また、図10は、第1の実施形態におけるコントラスト比の変動量を示す図である。図10において、軸がTAC軸角度を、縦軸がコントラスト比をそれぞれ表している。
また、図11は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の波長特性を示す図である。図11において、軸が波長を、縦軸が全黒透過率をそれぞれ表している。
偏光子保護基材であるTACは、検証結果により、面内方向の位相差が3.7nm、厚さ方向の位相差が40nmであることが判明している。
また、図6に示すように、面内方向の遅相軸は偏光板吸収軸に対して、平均値で0.08度、σ=1.65度であった。
つまり、片側3σ=約5度のばらつきを有している。このTAC遅相軸のズレは、比較例の構成であると図7で示すようにプロジェクタのコントラスト比に大きく影響し、そのズレ量が±5度なのでコントラスト比が約300:1から約1300:1までばらついてしまう。
そこで、本第1の実施形態のように液晶素子と偏光板の間に複屈折性結晶であるAl結晶(サファイア)を挿入することで、図10に示すように、TAC遅相軸のズレによるコントラスト比への影響を抑えることが可能となる。
また、偏光板面内のTAC遅相軸のばらつきに対しても効果があり、色ムラを抑えることが可能となる。
この現象は、図9、図11により説明できる。
図9に示す比較例ではTAC遅相軸の方向により、全黒表示時の透過率が全可視光波長帯域で逆転することなく振れていることがわかる。これは、液晶素子の全黒表示時(非選択電圧印加時)の残留リタデーションの方向に揃う向き(平行方向)にTAC遅相軸がズレている場合は、TAC位相差と液晶残留リタデーションが強め合い、入射光の偏光状態を大きく変えてしまい、全黒表示時の透過率が上昇しコントラスト比が低下する。
一方でTAC遅相軸が残留リタデーションの方向に対して垂直方向にズレた場合、TAC位相差と残留リタデーションが互いに補償し合うことで、入射光の偏光状態がほとんど変化せず全黒表示時の透過率が減少しコントラスト比が上昇する。
これらの結果、TAC遅相軸のズレ方向のばらつきによりコントラスト比が大きく変化する。
本第1の実施形態では、TAC遅相軸にズレがある場合、全黒表示時の透過率は図9のように入射光の波長が約50nm毎に周期的に振動する。ここで、板液晶プロジェクタの入射光のスペクトルはR,G,BのチャンネルでR:600〜700nm、G:500〜600nm、B=430〜500nmの波長帯域であることから、各チャンネルの輝度は入射光スペクトルと各波長帯域の透過率の積になる。
図11に示すように、透過率が狭い波長帯域で振動すると、各チャンネルの透過率は各チャンネルの波長帯域の積算値であることから、TACの遅相軸のズレに関わらずほぼ一定となる。したがって、TACの遅相軸のズレをキャンセルできる。
これは、入射側および出射側に配置された複屈折性光学部材(サファイア)の位相差、Δn×d=0.00809×0.7=5663nm、
(Δn=異常光屈折率nと常光屈折率nの差 d:厚さ)
によって生じたものである。
このように波長によって周期的に振動するためには、
Δn×d=λ1・λ2/(λ1−λ2)、
(λ1、λ2は振動させる入射光波長帯域)
の位相差が必要となる。
ここで、R,G,Bのチャンネルで考えると、
Rには、Δn×d=700×600/(700−600)=4200nm、Gには、Δn×d=600×500/(600−500)=3000nm、Bには、Δn×d=500×430/(500−430)=3071nm、の位相差が必要となる。
本第1の実施形態では、入射側と出射側併せて5663×2=11326nmの位相差があることから、TACの遅相軸のズレをキャンセルできる。
ただし、これが片側だけに複屈折性光学部材があったのでは、片側だけのTACの遅相軸のズレだけしかキャンセルできない。
図12(A)〜(C)は、複屈折性光学部材の位相差量(1枚あたり)とコントラスト比の関係を示す図である。図12(A)〜(C)において、横軸は複屈折性光学部材の位相差を、縦軸がコントラスト比の変動率をそれぞれ表している。
これから、片側3000〜4000nm以上の位相差量があればTACの遅相軸のばらつきによるコントラスト比の変動を抑えられることが分かる。
本第1の実施形態では、複屈折性光学部材としてAl(サファイア)の結晶板を偏光板支持基材を兼ねる形で用いたが、これに限るものではなく、水晶結晶板(SiO単結晶)等、複屈折を持つもので3000nm以上の位相差量があり、かつ偏光板と液晶層との間に設置されてさえいれば、使用形態・形状・材質等は問わない。
たとえば、偏光板支持基材は複屈折を持たないBK7やホウ珪酸ガラス、石英ガラスのような等方性透明基板を用い、複屈折性光学部材を偏光板と液晶素子のとの間に単体で配置されても同様の効果が得られる。その他、液晶素子の防塵ガラスが複屈折性光学部材を兼ねてあっても同様の効果が得られる。
<第2実施形態>
図13は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。
本第2の実施形態に係る液晶表示装置10Aが第1の実施形態に係る液晶表示装置10と異なる点は、液晶素子100の出射側と出射側偏光板300Aとの間にプリ偏光板400を配置し、出射側偏光板300Aにおいては、第2偏光板10をプリ偏光板400側に配置し、さらに外側(光出射側)に偏光板支持基材30を配置している。
プリ偏光板400は、液晶素子100の光出射側と第2の偏光板10との間に配置された第3の偏光板410と、液晶素子の光出射側と第3の偏光板410との間に複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材420が配置されている。
第2の複屈折性光学部材420は第3の偏光板410の支持基材としての機能を併せもち、第3の偏光板410と第2の複屈折性光学部材420とによりプリ偏光板400が構成されている。
本第2の実施形態において、液晶素子100、入射側偏光板200、出射側偏光板の具体的な構成は、第1の実施形態と同様である。
プリ側偏光板400は、プリ偏光板吸収軸の角度は出射側偏光板吸収軸と略平行である。
プリ偏光板400は、二色性色素を含浸させたPVA(ポリビニールアルコール)を延伸し、偏光子保護基材としてTAC(トリアセチルセルロース)フィルムにて狭持させたものである。
TACは、
・厚さ方向の位相差:Rth=40nm
・面内方向の位相差:Re=3.7nm
・面内方向の遅相軸方位:偏光子吸収軸に対して±5°程度の範囲内でばらつきがある。
また、偏光度は31.58%であり、サファイア基板(複屈折性光学部材)に貼合され、サファイア基板側が液晶素子側に位置する。
第1の複屈折性光学部材(入射側)220は、複屈折性結晶であるAl(サファイア)の結晶板により形成される。板厚は0.7mmである。
入射側偏光板210の支持基材を兼ね、入射側偏光板偏光子210と液晶素子100の間に位置する。
サファイア結晶C軸は、偏光板吸収軸に略直角である。
第2の複屈折性光学部材(出射側)420は、複屈折性結晶であるAl(サファイア)の結晶板により形成される。板厚は0.7mmである。
プリ偏光板400の第3の偏光板410の支持基材を兼ね、プリ偏光板偏光子と液晶素子の間に配置される。
サファイア結晶C軸は、プリ偏光板吸収軸に略平行である。
図14は、本第2の実施形態に係る液晶表示装置10Aにおける各部の軸構成を示す図である。
この例では、入射側偏光板200において、偏光板(子)吸収軸が0度、TAC遅相軸が−5〜5度、結晶軸(C軸)が90度、液晶素子100において、液晶配向容易軸が45度、プリ偏光板400において、結晶軸(C軸)が90度、TAC遅相軸が85度〜95度、偏光板(子)吸収軸が90度、出射側偏光板300において、結晶軸(C軸)が90度、TAC遅相軸が85度〜95度、偏光板(子)吸収軸が90度である。
以上の構成を有する本第2の実施形態に係る液晶表示装置10Aについて、図15〜図20に関連付けて説明する。
図15は、第2の実施形態におけるTACの面内方向の遅相軸のばらつきによるコントラスト比への影響を示す図である。図15において、軸がTAC軸角度を、縦軸がコントラスト比をそれぞれ表している。
図16は、図13の液晶表示装置10Aに対する比較例として構成した液晶表示装置1Aの構成を示す図である。
この液晶表示装置1Aにおいては、液晶素子2の入射側に偏光板31が配置され、さらに外側(光入射側)に偏光板支持基材32が配置されている。また、液晶素子2の出射側にプリ偏光板5の偏光板51が配置され、さらに出射側偏光板4Aの偏光板41が配置され、らに外側(光出射側)に偏光板支持基材42が配置されている。
図17は、図16の液晶表示装置1Aの波長特性を示す図である。図17において、横軸が波長を、縦軸が全黒透過率をそれぞれ表している。
また、図18は、第2の実施形態におけるコントラスト比の変動量を示す図である。図18において、軸がTAC軸角度を、縦軸がコントラスト比をそれぞれ表している。
また、図19は、第の実施形態に係る液晶表示装置の波長特性を示す図である。図19において、軸が波長を、縦軸が全黒透過率をそれぞれ表している。
本第2の実施形態では、入射側の偏光子と出射側の偏光子との間に偏光子保護基材であるTACフィルムは4枚配置されることとなり、第1の実施形態と比較してTAC遅相軸ズレのコントラスト比への影響は大きくなる。
このTAC遅相軸のズレは、比較例の構成であると、図15に示すように、プロジェクタのコントラスト比に大きく影響し、そのズレ量が±5度であるから、コントラスト比が約300:1から約1800:1までばらついてしまう。
そこで、本第2の実施形態のように、液晶素子100と偏光板(プリ偏光板)410との間に複屈折性結晶であるAl結晶(サファイア)420を挿入することで、図18に示すように、TAC遅相軸のズレによるコントラスト比への影響を抑えることが可能となる。また、偏光板面内のTAC遅相軸のばらつきに対しても効果があり、色ムラを抑えることが可能となる。
この現象は、第1の実施形態と同様に、図17、図19により説明できる。
図17の比較例ではTAC遅相軸の方向により、全黒表示時の透過率が全可視光波長帯域で逆転することなく振れていることがわかる。
これは、液晶素子の全黒表示時(非選択電圧印加時)の残留リタデーションの方向に揃う向き(平行方向)にTAC遅相軸がズレている場合は、TAC位相差と液晶残留リタデーションが強め合い、入射光の偏光状態を大きく変えてしまい、全黒表示時の透過率が上昇しコントラスト比が低下する。
一方でTAC遅相軸が残留リタデーションの方向に対して垂直方向にズレた場合、TAC位相差と残留リタデーションが互いに補償し合うことで、入射光の偏光状態がほとんど変化せず全黒表示時の透過率が減少しコントラスト比が上昇する。
これらの結果、TAC遅相軸のズレ方向のばらつきによりコントラスト比が大きく変化する。
本第2の実施形態では、TAC遅相軸にズレがある場合、全黒表示時の透過率は、図19に示すように、入射光の波長が約50nm毎に周期的に振動する。
ここで、板液晶プロジェクタの入射光のスペクトルはR,G,BのチャンネルでR:600〜700nm、G:500〜600nm、B=430〜500nmの波長帯域であることから、各チャンネルの輝度は入射光スペクトルと各波長帯域の透過率の積になる。
図19のように透過率が狭い波長帯域で振動すると、各チャンネルの透過率は各チャンネルの波長帯域の積算値であることから、TACの遅相軸のズレに関わらずほぼ一定となる。したがって、TACの遅相軸のズレをキャンセルできる。
なお、この効果のメカニズムは、第1の実施形態の場合と同様であるためここでは省略する。
図20(A)〜(C)は、複屈折性光学部材の位相差量(1枚あたり)とコントラスト比の関係を示す図である。図20(A)〜(C)において、横軸は複屈折性光学部材の位相差を、縦軸がコントラスト比の変動率をそれぞれ表している。
これから、片側3000〜4000nm以上の位相差量があればTACの遅相軸のばらつきによるコントラスト比の変動を抑えられることが分かる。
本第2の実施形態では、複屈折性光学部材としてAl(サファイア)の結晶板を偏光板支持基材を兼ねる形態で用いたが、これに限るものではなく、複屈折性光学部材を入射偏光板と液晶層、液晶層とプリ偏光板との間に各々1枚以上設置され、かつ片側の複屈折性光学部材の位相差量の総和が3000nmであれば、本発明と同様の効果が得られるため、使用形態・形状・材質・機構等は問わない。
<第3実施形態>
図21は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。
本第3の実施形態に係る液晶表示装置10Bが第2の実施形態に係る液晶表示装置10Aと異なる点は、プリ偏光板400において、第3の偏光板410と複屈折性光学部材420の配置位置を入れ替え、さらに、複屈折性光学部材420の回転機構を有することにある。
すなわち、複屈折性光学部材420を液晶素子100の出射側に配置し、複屈折性光学部材420と出射側偏光板の第2の偏光板310との間に第3の偏光板410を配置している。
本第3の実施形態において、液晶素子100、入射側偏光板200の具体的な構成は、第2の実施形態と同様である。
リ偏光板400Aは、吸収軸の角度は出射側偏光板吸収軸と平行である。
二色性色素を含浸させたPVA(ポリビニールアルコール)を延伸し、偏光子保護基材としてTAC(トリアセチルセルロース)フィルムにて狭持させたものである。
TACは、
・厚さ方向の位相差:Rth=40nm
・面内方向の位相差:Re=3.7nm
・面内方向の遅相軸方位:偏光板吸収軸に対して±5°程度の範囲内でばらつきがある。
偏光度は31.58%であり、サファイア基板(複屈折性光学部材)に貼合され、サファイア基板側が液晶素子側に位置する。
そして、図22に示すような回転角度調整機構430により、入射光の光軸回りに回転させることができる。
複屈折性光学部材(出射側)420は、複屈折性結晶であるAl(サファイア)の結晶板により形成され、板厚は0.7mmに設定される。
プリ偏光板400Aの支持基材を兼ね、液晶素子とプリ偏光板偏光子との間に配置される。
サファイア結晶C軸は、プリ偏光板吸収軸に略平行(±1度のばらつき有り)である。
回転角度調整機構430により入射光の光軸回りに±5度の範囲内で調整可能である。
回転角度調整機構430は、ビス431を緩めて、出射側複屈折性光学部材の軸調整を行い、長孔432によりブラケット433の位置を微調整して回転角度を調整し、ビス431を締めて固定することが可能である。
図23は、本第3の実施形態に係る液晶表示装置10Bにおける各部の軸構成を示す図である。
この例では、入射側偏光板200において、偏光板(子)吸収軸が0度、TAC遅相軸が−5〜5度、結晶軸(C軸)が90度、液晶素子100において、液晶配向容易軸が45度、プリ偏光板400において、結晶軸(C軸)が89〜91度、TAC遅相軸が85度〜95度、偏光板(子)吸収軸が90度、出射側偏光板300において、結晶軸(C軸)が90度、TAC遅相軸が85度〜95度、偏光板(子)吸収軸が90度である。
以上の構成を有する本第の実施形態に係る液晶表示装置10Bについて、図24および図25に関連付けて説明する。
図24は、液晶表示装置におけるプリ偏光板支持基材(サファイア)C軸ずれに対するコントラスト比の変化を示す図である。図24において、横軸が出射側サファイアC軸ずれ角度を、縦軸がコントラスト比をそれぞれ表している。
また、図25は、出射側複屈折性光学部材の軸調整によるコントラスト比の改善効果を示す図である。図25において、横軸が出射側複屈折性光学部材の調整角度を、縦軸がコントラスト比をそれぞれ表している。
非常に大きな位相差量を持つ複屈折性光学部材を偏光板クロスニコル間に設置すると、その複屈折性光学部材の設置精度によっては、図24に示すように、C軸が偏光板吸収軸からズレてしまい、コントラスト比に大きく影響を与えてしまう。
経験上、サファイア基板のC軸ズレ量は、サファイア結晶の切出し精度、プロジェクタ構成部材の寸法精度等によりトータルで約±1度の範囲のばらつきが生じてしまう。
このような問題に対処するためには、プロジェクタの構成部材の加工精度を上げる必要があるが、コストの増大となり、好ましくない。そこで、本実施例では複屈折性光学部材を入射光の光軸回りに回転させることでズレを補正する必要がある。
本第3の実施形態では、入出射の偏光板のクロスニコル調整として一般的に用いられている入射側偏光板の回転調整機構に加え、プリ偏光板が貼合されている複屈折性光学部材の回転調整機構430を具備する。
このような構成とすれば、サファイア基板に1度のC軸ズレがあった場合においても図25に示すように、プリ偏光板の回転角度を調整することで、C軸ズレが無い場合(図24の横軸0度に相当する)とほぼ同じコントラスト比を得ることができる。
本第3の実施形態では、複屈折性光学部材としてAl(サファイア)の結晶板を偏光板支持基材を兼ねる形態で用いたが、これに限るものではなく、複屈折性光学部材を入射偏光板と液晶層、液晶層とプリ偏光板との間に各々1枚以上設置され、かつ片側の複屈折性光学部材の位相差量の総和が3000nm以上であり、かつ複屈折性光学部材に入射光の光軸回りに回転調整できる機能を備えていれば、本発明と同様の効果が得られるため、使用形態・形状・材質・機構等は問わない。
なお、複屈折性光学部材は、光学補償板の支持基材、防塵ガラス、TFT基板、対向基板、基板単体で完全別置きにする、等でも良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、偏光板TACの遅相軸のばらつきによるコントラスト比のばらつきを抑えることができる。
また、複屈折性光学部材のC軸ズレによるコントラスト比の低下を防ぐことができる。
さらに、高コントラスト比で色付きの無い3板液晶プロジェクタを提供することが可能となる。
また、黒表示時の面内の色ムラを低減することが可能となる。
次に、上記の液晶表示装置を用いた電子機器の一例として、投射型液晶表示装置の構成について、図26の概略構成図に関連付けて説明する。
図26に示すように、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)600は、光軸Cにそって光源601と透過型の液晶表示素子602と投影光学系603とが順に配設されて構成されている。
光源601を構成するランプ604から射出された光はリフレクタ605によって後方に放射される成分が前方に集光され、コンデンサレンズ606に入射される。コンデンサレンズ606は、光をさらに集中して、入射側偏光板607を介し液晶素子602へ導く。
導かれた光は、シャッタもしくはライトバルブの機能を有する液晶素子602および射出が出射側偏光板608により画像に変換される。表示された画像は、投影光学系603を介してスクリーン610上に拡大投影される。
なお、光源601とコンデンサレンズ606との間にはフィルタ614が挿入されており、光源に含まれる不用な波長の光、たとえば赤外光および紫外光を除去する。
なお、液晶素子602、入射側偏光板607、出射側偏光板608は、上述した第1〜第3の実施形態に係る液晶表示装置を適用することが可能である。
次に、上記の液晶表示素子を用いた電子機器の一例として、投射型液晶表示装置の構成について、図27に関連付けて説明する。
図27に示す投射型液晶表示装置700は、上述した液晶表示装置を3個用意し、各々RGB用の液晶表示装置762R、762Gおよび762Bとして用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
投射型液晶表示装置700は、光学系として、光源装置720と、均一照明光学系723が用いられている。
この均一照明光学系723から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離手段である色分離光学系724と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段である3つのライトバルブ725R、725G、725Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手段である色合成プリズム710と、合成された光束を投射面800の表面に拡大投射する投射手段である投射レンズユニット706とを備えている。さらに、青色光束Bを対応するライトバルブ725Bに導く導光系727を備えている。
均一照明光学系723は、2つのレンズ板721、722と反射ミラー731を備えており、反射ミラー731を挟んで2つのレンズ板721、722が直交する状態に配置されている。均一照明光学系723の2つのレンズ板721、722は、それぞれマトリクス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。
光源装置720から出射された光束は、第1のレンズ板721の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板722の矩形レンズによって3つのライトバルブ725R、725G、725B付近で重なる。
したがって、均一照明光学系723を用いることにより、光源装置720が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ725R、725G、725Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
各色分離光学系724は、青緑反射ダイクロイックミラー741と、緑反射ダイクロイックミラー742と、反射ミラー743から構成される。
まず、青緑反射ダイクロイックミラー741では、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー742の側に向かう。赤色光束Rは、この青緑反射ダイクロイックミラー741を通過して、後方の反射ミラー743で直角に反射されて、赤色光束Rの射出部744からプリズムユニット710の側に射出される。
次に、緑反射ダイクロイックミラー742では、青緑反射ダイクロイックミラー741で反射された青色光束Bおよび緑色光束Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束Gの射出部745から色合成光学系の側に射出される。緑反射ダイクロイックミラー742を通過した青色光束Bは、青色光束Bの射出部746から導光系727の側に射出される。
ここでは、均一照明光学系723の光束Wの射出部から、色分離光学系724における各色光束の射出部744、745、746までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。色分離光学系724の赤色光束Rの出射部744および緑色光束Gの出射部745の各射出側には、それぞれ集光レンズ751および集光レンズ752が配置されている。したがって、各射出部から射出した赤色光束R、緑色光束Gは、これらの集光レンズ751、集光レンズ752に入射して平行化される。
このように平行化された赤色光束Rおよび緑色光束Gは、それぞれライトバルブ725Rおよびライトバルブ725Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。
すなわち、これらの液晶表示素子は、図示していない駆動手段によって画像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光束Bは、導光系727を介して対応するライトバルブ725Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。
なお、本例のライトバルブ725R、725G、725Bは、それぞれさらに入射側偏光板761R、761G、761Bと、これらの間に配置された液晶表示装置762R、762G、762Bとからなる液晶ライトバルブである。
導光系727は、青色光束Bと射出部746の射出側に配置した集光レンズ754と、入射側反射ミラー771と、射出側反射ミラー772と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ773と、ライトバルブ725Bの手前側に配置した集光レンズ753とから構成されている。
集光レンズ746から射出された青色光束は、導光系727を介して液晶表示素子762Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの射出部から各液晶表示装置762R、762G、762Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる。
しかし、導光系727を介在させることにより、光量損失を抑制することができる。各ライトバルブ725R、725G、725Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成プリズム710に入射され、ここで合成される。そして色合成プリズム710によって合成された光が投射レンズユニット706を介して所定の位置にある投射面800の表面に拡大投射されるようになっている。
なお、本発明は投射型の液晶表示素子だけでなく、反射型液晶表示素子、LCOS、有機EL、いずれの方式のデバイスに適用しても上述した効果が得られる。
また、駆動内蔵型の液晶装表示素子、駆動回路を外付けする形の液晶表示素子、対角1インチから15インチ程度あるいはそれ以上のさまざまなサイズの液晶表示素子、単純マトリクス方式、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式、旋光モード、複屈折モードなど、いずれの方式の液晶表示素子に適用しても、上述した効果が期待できる。
本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。 本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶素子の概略構成を示す断面図である。 本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶素子のアレイ基板(液晶パネル部)における配置例を示す図である。 本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶素子のTFTアレイ基板側の具体的な構成例を示す断面図である。 本第1の実施形態に係る液晶表示装置における各部の軸構成を示す図である。 第1の実施形態におけるTACの面内方向の遅相軸の偏光板吸収軸に対するばらつき状態を示す図である。 図7は、第1の実施形態におけるTACの面内方向の遅相軸のばらつきによるコントラスト比への影響を示す図である。 図1の液晶表示装置に対する比較例として構成した液晶表示装置1の構成を示す図である。 図8の液晶表示装置1の波長特性を示す図である。 第1の実施形態におけるコントラスト比の変動量を示す図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の波長特性を示す図である。 複屈折性光学部材の位相差量(1枚あたり)とコントラスト比の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。 本第2の実施形態に係る液晶表示装置における各部の軸構成を示す図である。 第2の実施形態におけるTACの面内方向の遅相軸のばらつきによるコントラスト比への影響を示す図である。 図13の液晶表示装置に対する比較例として構成した液晶表示装置1Aの構成を示す図である。 図16の液晶表示装置1Aの波長特性を示す図である。 第2の実施形態におけるコントラスト比の変動量を示す図である。 第3の実施形態に係る液晶表示装置の波長特性を示す図である。 複屈折性光学部材の位相差量(1枚あたり)とコントラスト比の関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。 第3の実施形態の回転角度調整機構の構成例を示す図である。 本第3の実施形態に係る液晶表示装置における各部の軸構成を示す図である。 液晶表示装置におけるプリ偏光板支持基材(サファイア)C軸ずれに対するコントラスト比の変化を示す図である。 出射側複屈折性光学部材の軸調整によるコントラスト比の改善効果を示す図である。 本実施形態に係る投射型液晶表示装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る3板式投射型液晶表示装置のより具体的な一例を示す構成図である。
符号の説明
10,10A,10B・・・液晶表示装置、100・・・液晶素子、111・・・TFTアレイ基板、112・・・対向基板、113・・・画素電極、114・・・対向電極、115・・・シール材、116・・・液晶層、121・・・画素表示領域、122・・・水平転送回路、123−1,123−2・・・垂直転送回路、124・・・プリチャージ回路、125・・・レベル変換回路、126・・・データ線、127・・・走査線、128・・・画素スイッチング用トランジスタ、129・・・液晶、130・・・補助容量(蓄積容量)、
200・・・入射側偏光板、210・・・第1の偏光板、220・・・第1の複屈折性光学部材、300,300A・・・出射側偏光板、310・・・第2の偏光板、320・・・第2の複屈折性光学部材、400,400A・・・プリ偏光板、410・・・第3の偏光板、420・・・第2の複屈折性光学部材、600,700・・・投射型液晶表示装置、601,720・・・光源、725R,725G,725B・・・ライトバルブ、603,706・・・投射光学系。

Claims (12)

  1. 照射された光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する液晶素子と、
    前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、
    前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、を有し、
    前記液晶素子と第1の偏光板との間に、複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、
    前記液晶素子と第2の偏光板との間に、複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、
    前記第1の偏光板は、
    その吸収軸の角度が前記第2の偏光板の吸収軸と直交しており、
    遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、
    液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、
    前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板の吸収軸と略平行であり、
    前記第2の偏光板は、
    遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
    液晶表示装置。
  2. 前記複屈折性光学部材が偏光板支持基材である
    請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 照射された光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する液晶素子と、
    前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、
    前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、
    前記液晶素子と前記第2の偏光板との間に配置された第3の偏光板と、を有し、
    前記液晶素子と第1の偏光板との間に複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、
    前記液晶素子と第3の偏光板との間に複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、
    前記第1の偏光板は、
    その吸収軸の角度が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と直交しており、
    遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、
    液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、
    前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第3の偏光板の吸収軸と略平行または略直角であり、
    前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と略平行であり、
    前記第3の偏光板は、
    遅相軸が、当該第3の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記第2の偏光板は、
    遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
    液晶表示装置。
  4. 前記第3の偏光板の偏光度が前記第2の偏光板の偏光度よりも低い
    請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は光路の光軸回りに回転させる
    請求項3または4記載の液晶表示装置。
  6. 前記複屈折性光学部材が偏光板支持基材である
    請求項3から5のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  7. 光源と、
    前記光源から出射された光束を所要の光路に収束させる照明光学系と、
    前記照明光学系による光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する少なくとも一つの液晶素子と、
    前記液晶素子によって光変調された光束を拡大投影する投射光学系と、
    前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、
    前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、を有し、
    前記液晶素子と第1の偏光板との間に、複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、
    前記液晶素子と第2の偏光板との間に、複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、
    前記第1の偏光板は、
    その吸収軸の角度が前記第2の偏光板の吸収軸と直交しており、
    遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、
    液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、
    前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板の吸収軸と略平行であり、
    前記第2の偏光板は、
    遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
    投射型液晶表示装置。
  8. 前記複屈折性光学部材が偏光板支持基材である
    請求項7記載の投射型液晶表示装置。
  9. 光源と、
    前記光源から出射された光束を所要の光路に収束させる照明光学系と、
    前記照明光学系による光束を誘電率異方性が負である液晶分子を垂直配向させた液晶層により光変調する少なくとも一つの液晶素子と、
    前記液晶素子によって光変調された光束を拡大投影する投射光学系と、
    前記液晶素子の入射側に配置された第1の偏光板と、
    前記液晶素子の出射側に配置された第2の偏光板と、
    前記液晶素子と前記第2の偏光板との間に配置された第3の偏光板と、を有し、
    前記液晶素子と第1の偏光板との間に複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材が配置され、
    前記液晶素子と第3の偏光板との間に複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材が配置され、
    前記第1の偏光板は、
    その吸収軸の角度が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と直交しており、
    遅相軸が、当該第1の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記複屈折性を有する第1の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第1の偏光板の吸収軸と略直角であり、
    液晶配向容易軸が前記第1の偏光板の吸収軸に対して45度であり、
    前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第3の偏光板の吸収軸と略平行または略直角であり、
    前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は複屈折性結晶により形成され、その結晶軸(C軸)が前記第2の偏光板および前記第3の偏光板の吸収軸と略平行であり、
    前記第3の偏光板は、
    遅相軸が、当該第3の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記第2の偏光板は、
    遅相軸が、当該第2の偏光板の吸収軸に対して±度の範囲内にあり、
    前記第1の複屈折性光学部材および第2の複屈折性光学部材の位相差量が3000nm以上である
    投射型液晶表示装置。
  10. 前記第3の偏光板の偏光度が前記第2の偏光板の偏光度よりも低い
    請求項9記載の投射型液晶表示装置。
  11. 前記複屈折性を有する第2の複屈折性光学部材は光路の光軸回りに回転させる
    請求項9または10記載の投射型液晶表示装置。
  12. 前記複屈折性光学部材が偏光板支持基材である
    請求項9から11のいずれか一に記載の投射型液晶表示装置。
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