JP2002014345A - 投射型液晶表示装置 - Google Patents

投射型液晶表示装置

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JP2002014345A
JP2002014345A JP2000194224A JP2000194224A JP2002014345A JP 2002014345 A JP2002014345 A JP 2002014345A JP 2000194224 A JP2000194224 A JP 2000194224A JP 2000194224 A JP2000194224 A JP 2000194224A JP 2002014345 A JP2002014345 A JP 2002014345A
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light
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Takeshi Tanimoto
豪 谷本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒レベルの表示を改善し、従来に比べてコン
トラストの高い画像表示を行うことができる投射型液晶
表示装置を提供する。 【解決手段】 液晶パネル32に対して光の出射側に光
学補償素子34を設け、液晶層における光の入射側領域
に存在する液晶分子に対する光学補償を行う。光学補償
素子34を液晶パネル32に対して光の出射側に設けて
いるので、液晶パネル32に設けられているマイクロレ
ンズ42の影響を受けることなく、光の入射側領域に存
在する液晶分子によって生じる複屈折を解消することが
できる。これにより、マイクロレンズ42の影響を受け
ることなく、黒レベルの表示を改善し、従来に比べてコ
ントラストの高い画像表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子を用
いて画像を表示するようにした投射型液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子(以下、液晶パ
ネルという。)によって光変調された光をスクリーンに
投射して、画像を表示するようにした投射型液晶表示装
置(液晶プロジェクタ)がある。投射型液晶表示装置に
おける画像の投射方式としては、スクリーンの前面側よ
り画像を投射する前面投射式(フロント式)と、スクリ
ーンの背面側より画像を投射する背面投射式(リア式)
とがある。また、投射型液晶表示装置において、カラー
表示を行うものには、液晶パネルを1枚用いる単板方式
と、赤(Red=R),緑(Green=G),青(Blue=B)
の3つの色光に対応した3枚の液晶パネルを用いる3板
方式とがある。
【0003】投射型液晶表示装置においては、TN(Tw
isted Nematic;ねじれネマチック)型の液晶パネルが
多く使用されている。TN型の液晶パネルは、ネマチッ
ク液晶を、2つの基板間にねじれた状態で封入したもの
である。ネマチック液晶は、複数の棒状の分子からなる
ものであり、その分子長軸が一定の方向に揃った状態で
配列されている。また、ネマチック液晶は、一般に、正
の1軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有し
ている。この場合、液晶分子の光学軸の方向は、分子長
軸の方向と同一となる。TN型の液晶パネルでは、分子
長軸が、2つの基板のそれぞれに対して平行となるよう
に配列すると共に、一方の基板から他方の基板に向かう
に従い、分子長軸が90°ねじれた状態となるようにし
て、ネマチック液晶を封入している。このようなTN型
の液晶パネルに、電圧を印加しない通常状態で光が入射
すると、液晶のねじれによって旋光性が生じ、光の振動
方向が液晶のねじれに沿って90°回転させられる。一
方、TN型の液晶パネルに電圧を印加すると、分子長軸
が基板に対して垂直となるように液晶分子の配列状態が
変化し、旋光性が失われる。従って、この状態で入射し
た光は、振動方向が一定の状態で液晶パネルを透過す
る。
【0004】図13は、投射型液晶表示装置における液
晶パネル周辺部の構成例を表している。この構成例で
は、液晶パネル101に対して、光の入射側に入射側偏
光板102が配置され、光の出射側に出射側偏光板10
3が配置されている。液晶パネル101は、TN液晶を
用いた透過型のものであり、内部の図示しない2つの基
板間に、ネマチック液晶をねじれた状態で封入してい
る。入射側偏光板102と出射側偏光板103は、光の
透過軸が互いに直交した、いわゆる直交ニコルの関係と
なるように配置されている。入射側偏光板102の透過
軸は、液晶パネル101の入射側の基板表面における液
晶分子の配列方向と同一方向となるように設定されてい
る。一方、出射側偏光板103の透過軸は、液晶パネル
101の出射側の基板表面における液晶分子の配列方向
と同一方向となるように設定されている。
【0005】このような構成において、入射側偏光板1
02に図示しない光源からの照射光L0が入射すると、
入射側偏光板102の透過軸と同一の振動方向の直線偏
光成分111のみが、入射側偏光板102を透過する。
一方、入射側偏光板102の透過軸に直交する振動方向
の光成分112は、入射側偏光板102に吸収され透過
しない。入射側偏光板102を透過した光成分111
は、次に、液晶パネル101に入射する。
【0006】ここで、液晶パネル101において液晶層
に電圧を印加していない通常状態であるときには、液晶
のねじれによって旋光性が生じ、光の振動方向が液晶の
ねじれに沿って90°回転させられる。これにより、液
晶パネル101を出射した光は、その振動方向が出射側
偏光板103の透過軸と同一方向になり、出射側偏光板
103を透過する。出射側偏光板103を透過した光
は、図示しない投射光学系を介してスクリーンに投射さ
れる。このとき、画像の表示状態は、いわゆる白レベル
の表示となる。一方、液晶パネル101において液晶層
に電圧を印加している通電状態のときには、その分子長
軸が光軸100と同一方向となるように液晶分子の配列
状態が変化して、旋光性が失われる。従って、入射側偏
光板102を透過した直線偏光成分111が、図13に
示したように、その振動方向を保った状態で、液晶パネ
ル101を出射する。この振動方向を保った状態で出射
した光は、出射側偏光板103に吸収され、透過しな
い。このとき、画像の表示状態は、いわゆる黒レベルの
表示となる。このように、液晶パネルにおいて、液晶層
に電圧を印加しない通常状態で光を透過させて白レベル
の表示を行う表示方式は、一般に「ノーマリ・ホワイ
ト」と呼ばれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13に示
した構成例において、理想的な黒レベルの表示を行うた
めには、通電状態のときに、液晶パネル101から、振
動方向が出射側偏光板103の透過軸と直交する直線偏
光成分111のみを出射する必要がある。しかしなが
ら、実際には、液晶パネル101の特性により、通電状
態のときに、直線偏光成分111に直交する振動方向の
光成分113が発生する(図2参照)。ここで発生した
光成分113は、その振動方向が出射側偏光板103の
透過軸と同方向であるため、出射側偏光板103をその
まま透過する。この光成分113の光強度は、入射側偏
光板102によって吸収された同一振動方向の光成分1
12に比べると小さいものではあるが、黒レベルの表示
を十分劣化させる虞がある。このような黒レベル表示の
劣化は、画像表示におけるコントラストの低下を招くの
で問題となる。なお、図14では、直線偏光成分111
に直交する光成分112、113の光強度の大小関係
を、円形状の図形の大きさによって模式的に表してい
る。
【0008】ここで、通電状態のときにも、液晶パネル
101から不要な光成分が出射される理由について簡単
に説明する。なお以下では、液晶分子が正の1軸性結晶
と同様の複屈折性を有しているものとして説明する。通
電状態のときに、液晶分子の分子長軸が、液晶層の全て
の領域において光軸100と同一方向となるように配列
されていれば、光軸100に平行に入射する光について
は、その振動方向を保った状態で、液晶パネル101を
出射させることができる。しかしながら、一般には、通
電状態において、全ての領域における液晶分子が、光軸
100と同一方向となるように配列されることは少な
い。特に、液晶層の界面付近に存在する液晶分子は、通
電状態においても、配列状態が十分変化せず、その分子
長軸が光軸100に対して傾斜した状態となっている。
従って、液晶層に入射した光は、界面付近に存在する液
晶分子、すなわち、液晶層における光の入射側領域と出
射側領域とにある液晶分子によって、光の振動方向が変
化させられる。このようにして、液晶パネル101にお
いて不要な光成分が発生すると、液晶パネル101に入
射した直線偏光の光が楕円偏光となって出射されること
になる。
【0009】一方、いわゆる直視型の液晶表示装置の分
野では、従来より、液晶分子の複屈折性のために、液晶
パネルを斜めから見た状態のときに、光の透過状態が変
化し、画像の表示品位が低下する問題があることが知ら
れている。この問題は、一般に、視野角依存性と呼ばれ
ている。直視型の液晶表示装置の分野においては、近
年、この視野角依存性を改善するための光学補償素子が
開発されている。そこで、このような直視型の液晶表示
装置向けに開発されている光学補償素子を、投射型液晶
表示装置に使用することで、コントラストの改善を行う
ことが考えられる。
【0010】図15は、上述の光学補償素子を、投射型
液晶表示装置に適用した場合の構成例を示している。図
15に示した構成例は、光学補償素子104,105を
備えていること以外は、実質的に図13に示した構成と
同様である。図15に示したように、光学補償素子10
4は、入射側偏光板102と液晶パネル101との間に
配置されている。光学補償素子105は、液晶パネル1
01と出射側偏光板103との間に配置されている。光
学補償素子104は、液晶層における光の入射側領域の
液晶分子によって生ずる光学的な位相差を補償する機能
を有している。一方、光学補償素子105は、液晶層に
おける光の出射側領域の液晶分子によって生ずる光学的
な位相差を補償する機能を有している。
【0011】このような構成において、入射側偏光板1
02から出射した直線偏光成分111が、光学補償素子
104に入射すると、光学補償素子104の作用によ
り、図示したように、直線偏光成分111に直交する振
動方向の光成分114が発生する。光学補償素子104
から出射した光成分114と直線偏光成分111は、次
に、液晶パネル101に入射する。液晶パネル101が
通電状態であるときには、入射した光が、まず、液晶層
の光の入射側領域に存在する液晶分子の複屈折性によっ
て、直線偏光成分111のみに変換される。このように
して、光学補償素子104は、結果的に、液晶層におけ
る光の入射側領域の液晶分子によって生ずる光学的な位
相差を補償する。
【0012】直線偏光成分111の光が、さらに、液晶
層の光の出射側領域を透過すると、出射側領域に存在す
る液晶分子の複屈折性によって、直線偏光成分111に
直交する振動方向の光成分115が、再び発生する。液
晶パネル101から出射された光成分115と直線偏光
成分111の光は、光学補償素子105の作用により、
図示したように、直線偏光成分111のみとなって出射
される。このようにして、光学補償素子105は、液晶
層における光の出射側領域の液晶分子によって生ずる光
学的な位相差を補償する。これにより、光学補償素子1
05から出射されるのは、出射側偏光板103の透過軸
に直交する直線偏光成分111のみとなり、出射側偏光
板103によって吸収される。以上のようにして、光学
補償素子104,105によって、黒レベル表示の劣化
が防止され、コントラスト改善を行うことができる。
【0013】一般に、光学補償素子を利用する場合に
は、光学補償素子に入射する光の入射角度が、補償しよ
うとする液晶領域に入射する光の入射角度と同一となる
ように設定されていると、理想的な光学補償を行うこと
ができる。しかしながら、投射型液晶表示装置に使用さ
れる液晶パネルには、光の入射側領域に、開口効率の向
上や色純度の向上のために、マイクロレンズが配置され
ることが多い。このように、光学補償素子と液晶パネル
との間に他の光学要素が配置されると、光学補償素子に
対する光の入射角度と、液晶領域に入射する光の入射角
度とに差が生じる。このような状態になると、光学補償
素子によって、十分な光学補償を行うことができなくな
り、コントラストの低下を招くという問題が生ずる。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、黒レベルの表示を改善し、従来に比
べてコントラストの高い画像表示を行うことができる投
射型液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による投射型液晶
表示装置は、画像表示に必要とされる光を発する光源
と、複数の液晶分子がねじれた状態で配列された液晶層
を有し、液晶層に画像信号に応じて選択的に電圧を印加
することにより、液晶分子の配列状態を変化させ、液晶
層を透過する光を変調させる透過型の液晶表示素子と、
液晶表示素子に対して光の出射側に設けられ、液晶層の
光の入射側領域における液晶分子によって生じる光学的
な位相差を補償する第1の光学補償素子と、液晶表示素
子によって変調された光を投射する投射レンズとを備え
ている。
【0016】なお、本発明による投射型液晶表示装置に
おいて、第1の光学補償素子は、負結晶が持つ複屈折性
に相当する複屈折性を有する物質を含んで構成されてい
ることが望ましい。また、本発明による投射型液晶表示
装置は、液晶表示素子に対して光の出射側に設けられ、
液晶層の光の出射側領域における液晶分子によって生じ
る光学的な位相差を補償する第2の光学補償素子を、さ
らに備えることが望ましい。
【0017】また、本発明による投射型液晶表示装置
は、液晶表示素子に対して光の出射側に設けられ、液晶
層のうち、光の入射側領域と出射側領域とを除いた領域
に存在する液晶分子によって生じる光学的な位相差を補
償する第3の光学補償素子を、さらに備えることが望ま
しい。第3の光学補償素子は、例えば、負の1軸性結晶
が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有する物質によっ
て構成されていることが望ましい。第3の光学補償素子
は、例えば、液晶層内の各液晶分子が、正の1軸性結晶
が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有し、電圧を印加
した状態で、光の入射側領域から中心部に向かうに従
い、その分子長軸が、光の入射面に対して平行もしくは
それに近い状態から、光の入射面に対して垂直もしくは
それに近い状態となるように配列状態が変化するように
配列されている場合に、その分子長軸が光の入射面に対
して垂直に配列された液晶分子によって生じる光学的な
位相差を補償するものである。このとき、第3の光学補
償素子を構成する複屈折性を有する物質は、その光学軸
が、液晶層に電圧を印加した状態で、補償対象となる液
晶分子の分子長軸と平行になるように配列されているこ
とが望ましい。
【0018】本発明による投射型液晶表示装置では、液
晶表示素子に対して光の出射側に設けられた第1の光学
補償素子によって、液晶層の光の入射側領域における液
晶分子によって生じる光学的な位相差が補償される。
【0019】また、本発明による投射型液晶表示装置で
は、例えば負の1軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複
屈折性を有する物質によって構成された第3の光学補償
素子によって、例えば、液晶層内の各液晶分子が、正の
1軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有し、
電圧を印加した状態で、光の入射側領域から中心部に向
かうに従い、分子長軸が光の入射面に対して垂直となる
ように配列されている場合に、その分子長軸が垂直に配
列された液晶分子によって生じる光学的な位相差が補償
される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0021】[第1の実施の形態]図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る投射型液晶表示装置の全体構成を
示している。この図に示した投射型液晶表示装置は、透
過型の液晶パネルを3枚用いてカラー画像表示を行う3
板方式のものである。この投射型液晶表示装置は、光軸
10に沿って、光源11と、UV(紫外線)/IR(赤
外線)カットフィルタ12と、フライアイレンズ13,
14と、集光レンズ15と、ダイクロイックミラー16
とを順番に備えている。
【0022】光源11は、カラー画像表示に必要とされ
る、赤色光、青色光および緑色光を含んだ白色光を発す
るようになっている。この光源11は、白色光を発する
発光体11aと、発光体11aから発せられた光を反
射、集光する凹面鏡11bとを含んで構成されている。
発光体11aとしては、例えば、ハロゲンランプ、メタ
ルハライドランプまたはキセノンランプ等が使用され
る。凹面鏡11bは、集光効率が良い形状であることが
望ましく、例えば回転楕円面鏡や回転放物面鏡等の回転
対称な面形状となっている。
【0023】UV/IRカットフィルタ12は、光源1
1から発せられた白色光に含まれる紫外および赤外領域
の光を除去する機能を有している。フライアイレンズ1
3,14は、UV/IRカットフィルタ12を透過した
光を拡散させて光の照度分布を均一化する機能を有して
いる。ダイクロイックミラー16は、UV/IRカット
フィルタ12、フライアイレンズ13,14および集光
レンズ15を介して入射した光を、赤色光LRと、その
他の色光とに分離する機能を有している。
【0024】この投射型液晶表示装置は、また、ダイク
ロイックミラー16によって分離された赤色光LRの光
路に沿って、全反射ミラー17と、集光レンズ23R
と、液晶パネル部24Rとを順番に備えている。全反射
ミラー17は、ダイクロイックミラー16によって分離
された赤色光LRを、液晶パネル部24Rに向けて反射
するようになっている。集光レンズ23Rは、ダイクロ
イックミラー16によって反射された赤色光LRを、液
晶パネル部24Rに集光するようになっている。液晶パ
ネル部24Rは、全反射ミラー17および集光レンズ2
3Rを介して入射した赤色光LRを、画像信号に応じて
空間的に変調する機能を有している。
【0025】この投射型液晶表示装置は、さらに、ダイ
クロイックミラー16によって分離された他の色光の光
路に沿って、ダイクロイックミラー18を備えている。
ダイクロイックミラー18は、入射した光を、緑色光と
青色光とに分離する機能を有している。
【0026】この投射型液晶表示装置は、また、ダイク
ロイックミラー18によって分離された緑色光LGの光
路に沿って、集光レンズ23Gと、液晶パネル部24G
とを順番に備えている。集光レンズ23Gは、ダイクロ
イックミラー18によって分離された緑色光LGを、液
晶パネル部24Gに集光するようになっている。液晶パ
ネル部24Gは、集光レンズ23Gを介して入射した緑
色光LGを、画像信号に応じて空間的に変調する機能を
有している。
【0027】この投射型液晶表示装置は、さらに、ダイ
クロイックミラー18によって分離された青色光LBの
光路に沿って、リレーレンズ19と、全反射ミラー20
と、リレーレンズ21と、全反射ミラー22と、集光レ
ンズ23Bと、液晶パネル部24Bとを順番に備えてい
る。全反射ミラー20は、ダイクロイックミラー18に
よって分離され、リレーレンズ19を介して入射した青
色光LBを、全反射ミラー22に向けて反射するように
なっている。全反射ミラー22は、全反射ミラー20に
よって反射され、リレーレンズ21を介して入射した青
色光LBを、液晶パネル部24Bに向けて反射するよう
になっている。液晶パネル部24Bは、全反射ミラー2
2によって反射され、集光レンズ23Bを介して入射し
た青色光LBを、画像信号に応じて空間的に変調する機
能を有している。
【0028】この投射型液晶表示装置は、また、赤色光
LR、緑色光LGおよび青色光LBの光路が交わる位置
に、3つの色光LR、LG,LBを合成する機能を有し
たダイクロイックプリズム25を備えている。この投射
型液晶表示装置は、また、ダイクロイックプリズム25
から出射された合成光を、スクリーン27に向けて投射
するための投射レンズ26を備えている。ダイクロイッ
クプリズム25は、3つの入射面25R,25G,25
Gと、1つの出射面25Tとを有している。入射面25
Rには、液晶パネル部24Rから出射された赤色光LR
が入射するようになっている。入射面25Gには、液晶
パネル部24Gから出射された緑色光LGが入射するよ
うになっている。入射面25Bには、液晶パネル部24
Bから出射された青色光LBが入射するようになってい
る。ダイクロイックプリズム25は、入射面25R,2
5G,25Gに入射した3つの色光を合成して出射面2
5Tから出射する。
【0029】図2は、液晶パネル部の要部構成を表すも
のである。液晶パネル部24R,24G,24Bは、変
調対象となる光の成分が異なるのみで、その機能、構成
は実質的に同じである。以下では、各色用のパネル部の
構成をまとめて説明する。図2に示したように、液晶パ
ネル部24(24R,24G,24B)は、光の入射側
から順に、入射側偏光板31と、液晶パネル32と、光
学補償素子33,34と、出射側偏光板35とを有して
いる。液晶パネル部24の各光学要素における光の入射
面および出射面は、光軸10と直交している。液晶パネ
ル32は、TN液晶を用いた透過型のものであり、その
内部には、ネマチック液晶がねじれた状態で封入されて
いる。入射側偏光板31と出射側偏光板35は、入射し
た光のうち、所定の振動方向の直線偏光光のみを透過す
るようになっている。光学補償素子33は、液晶パネル
32内の液晶層における光の出射側領域の液晶分子によ
って生ずる光学的な位相差を補償する機能を有してい
る。一方、光学補償素子34は、液晶パネル32内の液
晶層における光の入射側領域の液晶分子によって生ずる
光学的な位相差を補償する機能を有している。
【0030】ここで、液晶パネル32が、本発明におけ
る「液晶表示素子」の一具体例に対応する。また、光学
補償素子34が、本発明における「第1の光学補償素
子」の一具体例に対応し、光学補償素子33が、本発明
における「第2の光学補償素子」の一具体例に対応す
る。なお、光学補償素子34は、図2に示した位置に限
定されず、液晶パネル32と出射側偏光板35との間で
あれば、任意の位置に配置可能である。すなわち、光学
補償素子34が、液晶パネル32と光学補償素子33と
の間に配置されていても良い。また、図2では、光学補
償素子33,34が互いに離間した状態となっている
が、光学補償素子33,34が互いに密着した状態とな
っていても良い。さらに、光学補償素子33,34が、
それぞれ他の光学要素と密着した状態となっていても良
い。例えば光学補償素子33と液晶パネル32とが密着
した状態であっても良い。
【0031】図3は、液晶パネル32の詳細な構成を表
すものである。液晶パネル32は、画素電極基板40b
と、この画素電極基板40bの光の入射面側に、液晶層
44を介して対向配設された対向基板40aとを備えて
いる。
【0032】画素電極基板40bは、ガラス基板47
と、このガラス基板47の光の入射面側に積層された複
数の画素電極部45および複数のブラックマトリクス部
46とを有している。画素電極基板40bは、また、画
素電極部45およびブラックマトリクス部46と液晶層
44との間に積層された配向膜49を有している。各画
素電極部45は、導電性を有した透明な部材によって構
成されている。ブラックマトリクス部46は、隣り合う
画素電極部45の間に形成されている。各ブラックマト
リクス部46は、例えば金属膜等により遮光されてい
る。ブラックマトリクス部46の内部には、隣接する画
素電極部45に対して、画像信号に応じて選択的に電圧
を印加するための図示しないスイッチング素子が形成さ
れている。画素電極部45に電圧を印加するためのスイ
ッチング素子としては、例えば、薄膜トランジスタ(T
FT;Thin Film Transistor)が使用される。
【0033】配向膜49の液晶層44に接する側の面
は、液晶層44における光の出射側領域(配向膜49と
の界面付近)に存在する液晶分子の配列方向を揃えるた
めに、ラビング処理が施されている。ラビング処理は、
一般的に、布を巻いたローラで配向膜49の表面を擦る
ことにより行われる。配向膜49にラビング処理を施す
ことにより、配向膜49の表面に複数の溝が同一方向に
形成される。配向膜49に接する領域の液晶分子は、配
向膜49の表面に刻まれた溝に沿って、一定方向に配向
される。以下では、このラビング処理を施すことにより
刻まれる溝の方向を、「ラビング方向」という。
【0034】対向基板40aは、光の入射側から順に、
ガラス基板41と、マイクロレンズ42と、対向電極4
3と、配向膜48とを有している。配向膜48は、光の
出射側の面が液晶層44に接するように配設されてい
る。配向膜48の液晶層44に接する側の面は、液晶層
44における光の入射側領域(配向膜48との界面付
近)に存在する液晶分子の配列方向を揃えるために、画
素電極基板40bの配向膜49と同様の手法でラビング
処理が施されている。
【0035】対向電極43は、配向膜48における光の
入射側の面に積層されている。対向電極43は、画素電
極部45との間で電位を発生させるためのものであり、
例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜で形成
されている。なお、対向電極43は、通常、一定の電位
(例えば接地電位)に固定されている。マイクロレンズ
42は、対向電極43の光の入射側の面に積層されてい
る。マイクロレンズ42は、画素電極部45に対応して
複数設けられている。
【0036】各マイクロレンズ42は、光の入射側が凸
形状で、光の出射側が平面形状となっている。各マイク
ロレンズ42は、正の屈折力を有し、ガラス基板41を
介して入射した光を、対応する画素電極部45に向けて
集光するようになっている。例えば、液晶パネル32の
入射面に対して垂直(光軸10に対して平行)に入射し
た光L1は、各マイクロレンズ42の光軸を通る光成分
を除いて、各マイクロレンズ42の作用により、その入
射角度が、光軸10に対して角度θ1bだけ傾いた状態
で液晶層44に入射させられる。また、液晶パネル32
の入射面に対して斜めから(光軸10に対して角度θ2
aで)入射した光L2は、各マイクロレンズ42の作用
により、角度θ2aとは異なる角度θ2bで液晶層44
に入射させられる。マイクロレンズ42が設けられてい
ることにより、画素電極部45への光の入射効率を高め
ることができる。
【0037】図4は、液晶層に電圧が印加されていない
通常状態のときの液晶分子の配列状態を表している。な
お、図4では、光軸10に平行な直線をz軸とし、z軸
に直交する平面内の2つの直線をx,y軸としている。
液晶層44における光の入射面および出射面は、xy平
面に平行となる。液晶層44には、複数の棒状の液晶分
子50からなるネマチック液晶が封入されている。各液
晶分子50は、その分子長軸が、光軸10に直交するよ
うに配列されている。すなわち、各液晶分子50の分子
長軸は、光の入射面および出射面に対して平行に配列さ
れている。配向膜48のラビング方向R1と、配向膜4
9のラビング方向R2は、互いに直交するように設定さ
れている。図4の例では、配向膜48のラビング方向R
1をx軸方向とし、配向膜49のラビング方向R2をy
軸方向としている。
【0038】液晶層44において、配向膜48との界面
付近に存在する液晶分子は、配向膜48の表面に施され
たラビング処理の作用により、配向膜48のラビング方
向R1と同一方向に配列されている。同様に、配向膜4
9との界面付近に存在する液晶分子は、配向膜49のラ
ビング方向R2とほぼ同一方向に配列されている。ラビ
ング方向R1,R2は互いに直交しているので、各液晶
分子50は、配向膜48から配向膜49に向かうに従
い、すなわち、光の入射側から出射側に向かうに従い、
分子長軸が90°ねじれた状態となるように配列され
る。このように各液晶分子がねじれた状態で配列された
ネマチック液晶は、TN液晶と呼ばれる。TN液晶に、
電圧を印加しない通常状態で光が入射すると、液晶のね
じれによって旋光性が生じ、光の振動方向が液晶のねじ
れ方向に沿って90°回転させられる。
【0039】図5は、液晶層に電圧を印加したときの液
晶分子の配列状態を表している。液晶層44に電圧を印
加すると、液晶分子50が立ち上がった状態、すなわ
ち、分子長軸が、光軸10に対して平行(光の入射面に
対して垂直)となるように液晶分子50の配列状態が変
化する。
【0040】ここで、理想的には、電圧を印加した状態
で、液晶層44内の全ての液晶分子50が、光軸10に
対して平行となるように配列状態が変化することが望ま
しい。このような配列状態であれば、光軸10に平行に
入射した光を、振動方向が一定のまま透過させることが
できる。しかしながら、実際には、液晶分子50は、通
電状態において、配向膜48,49から液晶層44の中
心領域に向かうに従い、徐々に分子長軸が立ち上がった
状態となるように配列状態が変化する。従って、液晶層
44と配向膜48,49との界面付近にある液晶分子5
0は、通電状態においても、その分子長軸が、光軸10
に対して平行ではなく、傾斜した配列状態となってい
る。このように光軸10に対して傾斜した状態の液晶分
子50が存在するため、通電状態において光軸10に平
行に直線偏光光が入射すると、液晶分子50の複屈折性
のため界面付近で位相差が生じ、楕円偏光となって出射
される。本実施の形態においては、このように液晶層4
4と配向膜48,49との界面付近で生ずる位相差を、
光学補償素子33,34(図2)によって光学的に補償
するようになっている。
【0041】次に、光学補償素子33,34の構造およ
び機能について詳細に説明する。ネマチック液晶分子
は、一般に、正結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性
を有している。従って、ネマチック液晶分子の複屈折性
によって生ずる位相差は、正結晶とは光学的に逆の特性
を持った物質、すなわち、負結晶が持つ複屈折性に相当
する複屈折性を有した物質を用いることにより補償する
ことができる。以下では、液晶層44が、正の1軸性結
晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有する液晶分子
によって構成され、光学補償素子33,34が、負の1
軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有する物
質によって構成されているものとして説明する。
【0042】図9は、正の1軸性結晶の屈折率分布を示
し、図10は、負の1軸性結晶の屈折率分布を示してい
る。図9および図10では、互いに直交するx,y,z
軸方向の屈折率をそれぞれnx,ny,nzとしてい
る。また、図9および図10では、z軸方向を結晶の光
学軸方向としている。1軸性結晶の屈折率分布は、光学
軸を回転中心とした回転楕円体の形状で表される。この
屈折率分布を表す回転楕円体は、一般に、屈折率楕円体
と呼ばれる。屈折率楕円体の形状から分かるように、1
軸性結晶では、x,y軸方向の屈折率nx,nyの値
(以下、noと記す。)は等しくなる。また、1軸性結
晶において、光学軸方向に入射する光は、複屈折性を示
さず、光学軸以外の方向に入射する光は、複屈折性を示
す。ここで、z軸方向の屈折率nzの値をneとする
と、正の1軸性結晶51(図9)では、「ne>no」
の関係を満たし、負の1軸性結晶52(図10)では、
「ne<no」の関係を満たす。従って、負の1軸性結
晶52の屈折率楕円体は、円盤状となる。以上のような
光学特性から、適当な屈折率分布を有する正の1軸性結
晶と負の1軸性結晶とを組み合わせることにより、入射
した光に生ずる複屈折をなくすことができる。このと
き、例えば、正の1軸性結晶と負の1軸性結晶とを、そ
の光学軸の方向が同一方向となるように適正に配置する
ことで、任意の方向から入射した光に対して複屈折を相
殺し、解消することができる。
【0043】図7は、液晶層44を構成する液晶分子の
配列状態と光学補償素子33,34を構成する内部物質
の配列状態との関係を、屈折率楕円体によって模式的に
表したものである。図7に示した液晶分子の配列状態
は、電圧を印加した状態のものを示している。なお、液
晶分子が正の一軸性の光学特性を有するものとすれば、
その分子長軸と光学軸の方向は一致している。既に図5
を参照して説明したように、通電状態における液晶分子
は、液晶層44の中心領域に向かうに従い、その分子長
軸(光学軸)が、徐々に立ち上がっていく(光軸10に
対して平行もしくはそれに近い状態となっていく)よう
な配列状態となっている。図7では、光の入射側領域
に、配向膜48側から順に、光学軸が徐々に立ち上がる
3つの液晶分子44a,44b,44cが存在してい
る。また、光の出射側領域には、配向膜49側から順
に、光学軸が徐々に立ち上がる3つの液晶分子44f,
44e,44dが存在している。
【0044】光学補償素子34を構成する物質は、屈折
率楕円体が、補償対象となる液晶分子(液晶層44にお
ける光の入射側領域に存在する液晶分子)と同様の方向
に立ち上がっていくような構成となっている。このと
き、光学補償素子34を構成する物質が負の1軸性結晶
だとすれば、光の入射側から出射側に向かうに従い、そ
の光学軸が、徐々に光軸10と垂直もしくはそれに近い
状態(光の入射面に対して平行もしくはそれに近い状
態)となるような配列状態となる。図7の例では、光学
補償素子34が、液晶層44の3つの液晶分子44c,
44b,44aに対応して、光の入射側から順に、3つ
の分子34a,34b,34cで構成されている。光学
補償素子34において、分子34aの光学軸は、液晶分
子44cの光学軸と平行となっており、分子34bの光
学軸は、液晶分子44bの光学軸と平行となっている。
また、光学補償素子34において、分子34cの光学軸
は、液晶分子44aの光学軸と平行となっている。この
ような分子配列がなされていることにより、液晶分子4
4cに対する光学補償が、光学補償素子34内の分子3
4aによって行われ、液晶分子44bに対する光学補償
が、光学補償素子34内の分子34bによって行われ
る。また、液晶分子44aに対する光学補償が、光学補
償素子34内の分子34cによって行われる。
【0045】一方、光学補償素子33を構成する物質に
ついても、光学補償素子34と同様に、屈折率楕円体
が、補償対象となる液晶分子(液晶層44における光の
出射側領域に存在する液晶分子)と同様の方向に立ち上
がっていくような構成となっている。図7の例では、光
学補償素子33が、液晶層44の3つの液晶分子44
f,44e,44dに対応して、光の入射側から順に、
3つの分子33a,33b,33cで構成されている。
光学補償素子33において、分子33aの光学軸は、液
晶分子44fの光学軸と平行となっており、分子33b
の光学軸は、液晶分子44eの光学軸と平行となってい
る。また、光学補償素子33において、分子33cの光
学軸は、液晶分子44dの光学軸と平行となっている。
このような分子配列がなされていることにより、液晶分
子44fに対する光学補償が、光学補償素子33内の分
子33aによって行われ、液晶分子44eに対する光学
補償が、光学補償素子33内の分子33bによって行わ
れる。また、液晶分子44dに対する光学補償が、光学
補償素子33内の分子33cによって行われる。
【0046】ところで、直視型の液晶表示装置の分野に
おいては、従来より、視野角依存性を改善するための光
学補償素子が開発されている。視野角改善用の光学補償
素子としては、例えば、富士写真フィルム(株)製の
「Fuji WV Film ワイドビューA」(以下、「WVフィ
ルム」という。)がある。WVフィルムは、TAC(Tr
i-Acetyl Cellulose)フィルムの上に、ポリマー配向膜
を塗設して、ラビング処理を施した後、さらに、ディス
コチック液晶を塗布、配向、構造固定化して製造された
ものである。WVフィルムでは、ディスコチック液晶分
子がハイブリッド配向(液晶分子の傾斜角が厚み方向で
連続的に変化していく配向)されている。ディスコチッ
ク液晶は、分子構造が円盤状となっており、一般に、負
結晶の光学的な性質を有している。WVフィルムで用い
られているディスコチック液晶分子は、負の1軸性結晶
が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有していると考え
られる。従って、例えばTN結晶を用いた液晶パネルに
適用することで、液晶パネルの光学補償を行うことがで
きる。WVフィルムに相当する光学補償シートの構造や
製造方法については、例えば、特開平7−333434
号公報および特開平8−5837号公報等に記載されて
いる。これらの公報では、光学補償シートに使用可能な
円盤状化合物の具体的な物質名が複数挙げられている。
【0047】本実施の形態における光学補償素子33,
34としては、上述のWVフィルムを使用することが可
能である。すなわち、光学補償素子33,34を構成す
る負結晶の性質を持つ物質としては、特開平7−333
434号公報および特開平8−5837号公報等に記載
されている円盤状化合物を使用することが可能である。
なお、光学補償素子33,34を構成する物質は、上述
の公報記載のものに限らず、液晶層44内の液晶を光学
的に補償可能な負結晶の性質を持ったものであれば、他
の物質を使用することも可能である。
【0048】図6は、液晶パネル部24における各光学
要素間の各種の軸方向について示している。図6に示し
たように、入射側偏光板31と出射側偏光板35は、互
いの光の透過軸P1,P2が直交した、いわゆる直交ニ
コルの関係となるように配置されている。また、入射側
偏光板31の透過軸P1は、液晶パネル32における配
向膜48(図3)のラビング方向R1と同一方向となる
ように設定されている。一方、出射側偏光板35の透過
軸P2は、液晶パネル32における配向膜49(図3)
のラビング方向R2と同一方向となるように設定されて
いる。すなわち、液晶パネル部24における画像の表示
方式は、いわゆるノーマリ・ホワイトの構成となってい
る。光学補償素子33は、光の入射面側に存在する分子
(図7における分子33a)の光学軸P3の方向が、配
向膜49のラビング方向R2とほぼ同一方向となるよう
に配置されている。また、光学補償素子34は、光の出
射面側に存在する分子(図7における分子34c)の光
学軸P4の方向が、配向膜48のラビング方向R1とほ
ぼ同一方向となるように配置されている。
【0049】次に、上記のような構成の投射型液晶表示
装置の作用について説明する。
【0050】まず、図1を参照して、投射型液晶表示装
置の全体的な作用について説明する。光源11から発せ
られた白色光は、まず、UV/IRカットフィルタ12
を透過することにより、紫外および赤外領域の光が除去
される。UV/IRカットフィルタ12を透過した光
は、次に、フライアイレンズ13,14を透過すること
により、その照度分布が均一化される。フライアイレン
ズ13,14を透過した光は、次に、集光レンズ15を
透過した後、ダイクロイックミラー16に入射する。ダ
イクロイックミラー16に入射した光は、ダイクロイッ
クミラー16の作用により、赤色光LRと、その他の色
光とに分離される。
【0051】ダイクロイックミラー16によって分離さ
れた赤色光LRは、全反射ミラー17によって、液晶パ
ネル部24Rに向けて反射される。全反射ミラー17に
よって反射された赤色光LRは、集光レンズ23Rを介
して液晶パネル部24Rに入射する。液晶パネル部24
Rに入射した赤色光LRは、液晶パネル部24Rにおい
て、画像信号に応じて空間的に変調された後、ダイクロ
イックプリズム25の入射面25Rに入射する。
【0052】一方、ダイクロイックミラー16によって
分離されたその他の色光は、次に、ダイクロイックミラ
ー18に入射し、ここで、緑色光LGと青色光LBとに
分離される。ダイクロイックミラー18によって分離さ
れた緑色光LGは、集光レンズ23Gを介して液晶パネ
ル部24Gに入射する。液晶パネル部24Gに入射した
緑色光LGは、液晶パネル部24Gにおいて、画像信号
に応じて空間的に変調された後、ダイクロイックプリズ
ム25の入射面25Gに入射する。
【0053】ダイクロイックミラー18によって分離さ
れた青色光LBは、リレーレンズ19を介して全反射ミ
ラー20に入射し、ここで、全反射ミラー22に向けて
反射される。全反射ミラー20によって反射された青色
光LBは、リレーレンズ21を介して全反射ミラー22
に入射し、ここで、液晶パネル部24Bに向けて反射さ
れる。全反射ミラー22によって反射された青色光LB
は、集光レンズ23Bを介して液晶パネル部24Bに入
射する。液晶パネル部24Bに入射した青色光LBは、
液晶パネル部24Bにおいて、画像信号に応じて空間的
に変調された後、ダイクロイックプリズム25の入射面
25Bに入射する。
【0054】ダイクロイックプリズム25に入射した3
つの色光LR、LG,LBは、ダイクロイックプリズム
25の作用により合成され、出射面25Tから投射レン
ズ26に向けて出射される。ダイクロイックプリズム2
5から出射された合成光は、投射レンズ26によって、
スクリーン27の前面側または背面側に投射され、スク
リーン27上に画像を形成する。
【0055】次に、液晶パネル部24の作用について説
明する。入射側偏光板31(図2)に色光LR,LG,
LBが入射すると、その透過軸P1(図6)と同一の振
動方向の直線偏光成分のみが、入射側偏光板31を透過
する。入射側偏光板31を透過した光成分は、次に、液
晶パネル32に入射する。液晶パネル32に入射した光
のほとんどは、マイクロレンズ42(図3)の作用によ
り、入射側偏光板31に対する出射角度とは異なる角度
で液晶層44に入射する。
【0056】ここで、液晶パネル32において液晶層4
4に電圧を印加している通電状態のとき(図5)には、
液晶分子が、配向膜48,49から液晶層44の中心領
域に向かうに従い、その分子長軸が徐々に立ち上がった
配列状態となる。この状態において、液晶層44に入射
した光は、主として、光の入射側領域に存在する液晶分
子と光の出射側領域に存在する液晶分子とによって複屈
折を受ける。このうち、光の出射側領域に存在する液晶
分子によって受ける複屈折は、光学補償素子33によっ
て相殺され、解消される。一方、光の入射側領域に存在
する液晶分子によって受ける複屈折は、光学補償素子3
4によって相殺され、解消される。このように、光学補
償素子33,34による光学補償が行われることによ
り、出射側偏光板35に入射する光のほとんどが、出射
側偏光板35の透過軸P2に対して垂直な振動方向を有
する光のみとなる。この振動方向の光は、出射側偏光板
35によって吸収され、透過しないので、画像の表示状
態は、いわゆる黒レベルの表示となる。
【0057】一方、液晶層44に電圧を印加していない
状態のとき(図4)には、液晶のねじれによって旋光性
が生じ、光の振動方向が液晶のねじれに沿って90°回
転させられる。これにより、液晶パネル32を出射した
光は、その振動方向が出射側偏光板35の透過軸P2
(図6)と同一方向になり、光学補償素子33,34を
介して出射側偏光板35を透過する。出射側偏光板35
を透過した光は、投射レンズ26によってスクリーン2
7に投射される。このとき、画像の表示状態は、いわゆ
る白レベルの表示となる。なお、液晶層44に電圧を印
加していない状態のときにも、液晶パネル32を出射し
た光は、光学補償素子33,34による光学的な作用を
受ける。しかしながら、この状態における光学的な作用
が、白レベルの表示に与える影響は少なく、画像表示の
点では実質的に問題とならない。
【0058】図8は、本実施の形態における液晶パネル
部に対する比較例を示している。図8に示した比較例で
は、光学補償素子34を、入射側偏光板31と液晶パネ
ル32との間に配置している。この場合には、液晶パネ
ル32に入射する前の段階で、液晶層44における光の
入射側領域に存在する液晶分子に対する光学補償が行わ
れる。しかしながら、この場合には、液晶パネル32に
設けられているマイクロレンズ42のレンズ作用によ
り、ほとんどの入射光について、光学補償素子34への
入射角度と液晶層44への入射角度とに差が生じてしま
う。このように入射角度に差が生じると、光学補償素子
34を構成する物質と補償対象となる液晶分子との光学
的な位置関係にずれが生じ、十分な光学補償を行うこと
ができなくなる。一方、図7に示した本実施の形態にお
ける液晶パネル部24の構成の場合には、光学補償素子
34が、液晶パネル32に対して光の出射側に設けられ
ているので、光学補償素子34への入射角度と液晶層4
4への入射角度とに差が生じることはなく、十分な光学
補償を行うことができる。
【0059】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、液晶パネル32に対して光の出射側に光学補償素子
34を設け、液晶層44における光の入射側領域に存在
する液晶分子に対する光学補償を行うようにしたので、
液晶パネル32に設けられているマイクロレンズ42の
影響を受けることなく、光の入射側領域に存在する液晶
分子によって生じる複屈折を解消することができる。こ
れにより、マイクロレンズ42の影響を受けることな
く、黒レベルの表示を改善することができ、従来に比べ
てコントラストの高い画像表示を行うことができる。
【0060】なお、本実施の形態では、光学補償素子3
3を設けて、液晶層44における光の入射側領域のみな
らず、光の出射側領域の液晶分子によって生ずる光学的
な位相差をも補償するようにしたが、光学補償素子33
を設けずに、光学補償素子34のみを設けるようにして
も良い。この場合にも、光学補償素子34によって、少
なくとも、液晶層44における光の入射側領域に存在す
る液晶分子によって生じる複屈折を解消することができ
る。また、本実施の形態では、液晶パネル32にマイク
ロレンズ42が設けられている場合を例に説明したが、
本発明は、マイクロレンズ42が設けられていない場合
にも適用することが可能である。
【0061】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態における構成要素と同一の部
分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0062】図11は、本発明の第2の実施の形態に係
る投射型液晶表示装置における液晶パネル部の要部構成
を表すものである。本実施の形態に係る投射型液晶表示
装置の構成は、図11に示した液晶パネル部の構成を除
いて、上記第1の実施の形態と同様である。また、本実
施の形態においても、液晶パネル部の機能、構成は各色
で実質的に同じなので、以下では、各色用の液晶パネル
部の構成をまとめて説明する。本実施の形態における液
晶パネル部24A(24R,24G,24B)が、図2
に示した液晶パネル部24と異なるのは、光学補償素子
34と出射側偏光板35との間に、光学補償素子36が
設けられている点である。光学補償素子36は、液晶層
44の中間部分に存在する液晶分子によって生ずる複屈
折を光学的に補償するための機能を有している。ここ
で、光学補償素子36が、本発明における「第3の光学
補償素子」の一具体例に対応する。
【0063】なお、光学補償素子36は、図11に示し
た位置に限定されず、液晶パネル32と出射側偏光板3
5との間であれば、任意の位置に配置可能である。例え
ば、光学補償素子36を、光学補償素子33と光学補償
素子34との間に配置したり、液晶パネル32と光学補
償素子33との間に配置することも可能である。また、
図11では、光学補償素子36が、他の光学要素に対し
て離間した状態となっているが、他の光学要素、例えば
光学補償素子34と密着した状態であっても良い。
【0064】図12は、液晶層44を構成する液晶分子
の配列状態と光学補償素子33,34,36を構成する
内部物質の配列状態との関係を、屈折率楕円体によって
模式的に表したものである。なお、図12に示した液晶
分子の配列状態は、液晶層44に電圧を印加した状態の
ものを示している。上記第1の実施の形態では、液晶層
44における光の入射側領域と出射側領域とに存在する
液晶分子によって生じる複屈折のみを解消するようにし
た。本実施の形態では、さらに、光学補償素子36によ
って、液晶層44の中間部分に存在する液晶分子によっ
て生ずる複屈折を解消するようになっている。
【0065】図12に示したように、液晶層44の中間
部分に存在する液晶分子44gは、通電状態において、
その分子長軸が、光の入射面に対して垂直もしくはそれ
に近い状態(光軸10に対して平行もしくはそれに近い
状態)に配列された状態となっている。ここで、液晶分
子44gが、正の1軸性結晶が持つ複屈折性に相当する
複屈折性を有していものとすれば、液晶分子44gの光
学軸が光軸10に対して平行となるので、光軸10に対
して平行に入射した光に対しては、複屈折は生じない。
しかしながら、実際には、液晶層44には、光軸10に
対して斜めの角度からも多くの光が入射する。このよう
に光軸10に対して斜めの角度から光が入射すると、液
晶分子44gの光学軸に対して斜めから光が入射するこ
とになり、液晶分子44gにおいても複屈折が生じる。
光学補償素子36は、この液晶分子44gの光学軸に対
して斜め光が入射することによって生ずる複屈折を相殺
し、解消する。光学補償素子36を構成する内部分子3
6aは、負の1軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複屈
折性を有し、その光学軸が、通電状態において、補償対
象となる液晶分子44gの光学軸と平行となるように配
列されている。
【0066】なお、光学補償素子36を構成する負の1
軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有する物
質としては、光学補償素子33,34と同様に、特開平
7−333434号公報および特開平8−5837号公
報等に記載の円盤状化合物を使用することが可能であ
る。なお、光学補償素子36を構成する物質は、上述の
公報記載のものに限らず、液晶層44内の中央領域の液
晶を光学的に補償可能な負の1軸性結晶の性質を持った
ものであれば、他の物質を使用することも可能である。
【0067】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、液晶パネルに対して光の出射側に、光学補償素子3
3,34に加えて、さらに、負の1軸性結晶が持つ複屈
折性に相当する複屈折性を有する物質によって構成され
た第3の光学補償素子36を設け、液晶層44の中間部
分に存在する液晶分子によって生ずる複屈折を解消する
ようにしたので、液晶層44の厚さ方向の全域に渡っ
て、液晶分子によって生じる複屈折を解消することがで
きる。これにより、黒レベルの表示をさらに改善するこ
とができ、よりコントラストの高い画像表示を行うこと
ができる。
【0068】一般に、直視型の液晶表示装置において
は、液晶パネルに対してほぼ光軸に平行に光が照射され
るので、液晶層の中間部分に存在する液晶分子において
複屈折が生じることは少ない。また、直視型の液晶表示
装置では、通常、画面を正面から見ている状態において
は、視野角が生じないので、コントラストの低下を招く
ことは少ない。これに対し、投射型液晶表示装置におい
ては、通常、液晶パネルに対して種々の角度から光が入
射する。また、最終的にスクリーンに投射される画像
も、種々の角度から入射した光が積分されたものであ
る。このことからも、本実施の形態における光学補償素
子36が、投射型液晶表示装置において、コントラスト
改善に及ぼす効果が大きいことが分かる。
【0069】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず種々の変形実施が可能である。例えば、本発明
は、3板式の投射型液晶表示装置に限らず、単板式の投
射型液晶表示装置にも適用することが可能である。ま
た、本発明は、ネマチック液晶以外の液晶を用いた投射
型液晶表示装置にも適用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし1
2のいずれか1項に記載の投射型液晶表示装置によれ
ば、液晶表示素子に対して光の出射側に、第1の光学補
償素子を設け、液晶層の光の入射側領域における液晶分
子によって生じる光学的な位相差を補償するようにした
ので、例えば、液晶表示素子が、光の入射側に複数のマ
イクロレンズを備えた構成である場合においても、マイ
クロレンズの影響を受けることなく、光の入射側領域に
おける液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償す
ることができ、黒レベルの表示が改善され、従来に比べ
てコントラストの高い画像表示を行うことができるとい
う効果を奏する。
【0071】特に、請求項8記載の投射型液晶表示装置
によれば、請求項1記載の投射型液晶表示装置におい
て、液晶表示素子に対して光の出射側に、さらに、液晶
層のうち、光の入射側領域と出射側領域とを除いた領域
に存在する液晶分子によって生じる光学的な位相差を補
償する第3の光学補償素子を設けるようにしたので、例
えば、液晶層内の各液晶分子が、正の1軸性結晶が持つ
複屈折性に相当する複屈折性を有し、電圧を印加した状
態で、光の入射側領域から中心部に向かうに従い、その
分子長軸が、光の入射面に対して平行もしくはそれに近
い状態から、光の入射面に対して垂直もしくはそれに近
い状態となるように配列状態が変化するように配列され
ている場合に、第3の光学補償素子の光学軸を、補償対
象となる液晶分子の分子長軸に平行となるように配列す
ることで、光の入射側領域における液晶分子によって生
じる光学的な位相差のみならず、光の入射側領域と出射
側領域とを除いた領域に存在する液晶分子によって生じ
る光学的な位相差をも補償することができるという効果
を奏する。これにより、よりコントラストの高い画像表
示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る投射型液晶表
示装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】図1に示した投射型液晶表示装置における液晶
パネル部の概略構成を示す断面図である。
【図3】図2に示した液晶パネルの詳細な構成を示す断
面図である。
【図4】図3に示した液晶層に電圧を印加しないときの
液晶分子の配列状態を表す説明図である。
【図5】図3に示した液晶層に対して電圧を印加したと
きの液晶分子の配列状態を表す説明図である。
【図6】図2に示した液晶パネル部における各光学要素
間の各種の軸方向について示す説明図である。
【図7】図2に示した液晶パネルにおける液晶分子の配
列と光学補償素子内の分子配列との関係を示す説明図で
ある。
【図8】図5に示した液晶分子と光学補償素子内の分子
との配列関係に対する比較例を示す説明図である。
【図9】正の1軸性結晶の光学特性を示す説明図であ
る。
【図10】負の1軸性結晶の光学特性を示す説明図であ
る。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る投射型液晶
表示装置における液晶パネル部の概略構成を示す断面図
である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における液晶パネ
ル内の液晶分子の配列と光学補償素子内の分子配列との
関係を示す説明図である。
【図13】一般的な投射型液晶表示装置における液晶パ
ネル周辺部の構成例を表す断面図である。
【図14】従来の投射型液晶表示装置において生ずる光
学的な問題点について説明するための断面図である。
【図15】従来の直視型の液晶表示装置において用いら
れている光学補償素子を、投射型液晶表示装置に適用し
た場合について説明するための断面図である。
【符号の説明】
10…光軸、11…光源、24(24R,24G,24
B)…液晶パネル部、25…ダイクロイックプリズム、
26…投射レンズ、27…スクリーン、31…入射側偏
光板、32…液晶パネル、33,34,36…光学補償
素子、35…出射側偏光板、42…マイクロレンズ、4
4…液晶層、45…画素電極部、48,49…配向膜。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像表示に必要とされる光を発する光源
    と、 複数の液晶分子がねじれた状態で配列された液晶層を有
    し、前記液晶層に画像信号に応じて選択的に電圧を印加
    することにより、前記液晶分子の配列状態を変化させ、
    前記液晶層を透過する光を変調させる透過型の液晶表示
    素子と、 前記液晶表示素子に対して光の出射側に設けられ、前記
    液晶層の光の入射側領域における液晶分子によって生じ
    る光学的な位相差を補償する第1の光学補償素子と、 前記液晶表示素子によって変調された光を投射する投射
    レンズとを備えたことを特徴とする投射型液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1の光学補償素子は、負結晶が持
    つ複屈折性に相当する複屈折性を有する物質を含んで構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の投射型液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記液晶層において、各液晶分子は、電
    圧を印加した状態で、光の入射側領域および出射側領域
    から中心部に向かうに従い、その分子長軸が、光の入射
    面に対して平行もしくはそれに近い状態から、光の入射
    面に対して垂直もしくはそれに近い状態となるように配
    列状態が変化するものであり、 前記第1の光学補償素子は、電圧を印加した状態におけ
    る液晶分子の配列状態に対応して、前記複屈折性を有す
    る物質を構成する複数の分子が、光の入射側から出射側
    に向かうに従い、その光学軸が、光の入射面に対して垂
    直もしくはそれに近い状態から、光の入射面に対して平
    行もしくはそれに近い状態へと変化するように配列され
    ていることを特徴とする請求項2記載の投射型液晶表示
    装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記液晶表示素子に対して光の
    出射側に設けられ、負結晶が持つ複屈折性に相当する複
    屈折性を有する物質を含み、前記液晶層の光の出射側領
    域における液晶分子によって生じる光学的な位相差を補
    償する第2の光学補償素子を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の投射型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶層において、各液晶分子は、電
    圧を印加した状態で、光の入射側領域および出射側領域
    から中心部に向かうに従い、その分子長軸が、光の入射
    面に対して平行もしくはそれに近い状態から、光の入射
    面に対して垂直もしくはそれに近い状態となるように配
    列状態が変化するものであり、 前記第2の光学補償素子は、電圧を印加した状態におけ
    る液晶分子の配列状態に対応して、前記複屈折性を有す
    る物質を構成する複数の分子が、光の出射側から入射側
    に向かうに従い、その光学軸が、光の入射面に対して垂
    直もしくはそれに近い状態から、光の入射面に対して平
    行もしくはそれに近い状態へと変化するように配列され
    ていることを特徴とする請求項4記載の投射型液晶表示
    装置。
  6. 【請求項6】 前記液晶層の光の入射側には、入射した
    光を前記液晶層側に集光させる複数のマイクロレンズが
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の投射型
    液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記液晶表示素子に対して光の
    入射側と出射側とに配置された、互いに直交ニコルの関
    係にある一対の偏光子を備え、 前記第1の光学補償素子は、光の出射側に配置された偏
    光子と前記液晶表示素子との間に設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の投射型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記液晶表示素子に対して光の
    出射側に設けられ、前記液晶層のうち、光の入射側領域
    と出射側領域とを除いた領域に存在する液晶分子によっ
    て生じる光学的な位相差を補償する第3の光学補償素子
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の投射型液晶表
    示装置。
  9. 【請求項9】 前記第3の光学補償素子は、負の1軸性
    結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有する物質を
    含んで構成されていることを特徴とする請求項8記載の
    投射型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記液晶層内の各液晶分子は、正の1
    軸性結晶が持つ複屈折性に相当する複屈折性を有し、前
    記液晶層において、電圧を印加した状態で、光の入射側
    領域および出射側領域から中心部に向かうに従い、その
    分子長軸が、光の入射面に対して平行もしくはそれに近
    い状態から、光の入射面に対して垂直もしくはそれに近
    い状態となるように配列状態が変化するものであり、 前記第3の光学補償素子は、光の入射面に対して分子長
    軸が垂直に配列された液晶分子に対して、その分子長軸
    に斜めから光が入射することによって生じる光学的な位
    相差を補償する機能を有し、 前記第3の光学補償素子を構成する複屈折性を有する物
    質は、その光学軸が、前記液晶層に電圧を印加した状態
    で、補償対象となる液晶分子の分子長軸と平行になるよ
    うに配列されていることを特徴とする請求項9記載の投
    射型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 前記液晶層の光の入射側には、入射し
    た光を前記液晶層側に集光させる複数のマイクロレンズ
    が設けられていることを特徴とする請求項8記載の投射
    型液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 さらに、前記液晶表示素子に対して光
    の入射側と出射側とに配置された、互いに直交ニコルの
    関係にある一対の偏光子を備え、 前記第1の光学補償素子および第2の光学補償素子は、
    光の出射側に配置された偏光子と前記液晶表示素子との
    間に設けられていることを特徴とする請求項8記載の投
    射型液晶表示装置。
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