JP4929557B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の燃料電池スタックを備える燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧電源によって、電動機を駆動して走行する種々の電動車両が提案されている。高圧電源として、近年では、水素と酸素の電気化学反応によって発電する燃料電池が注目されている。
【0003】
高圧電源については、安全上、車体と十分に絶縁されている必要がある。安全性を向上するためには、絶縁の程度、即ち絶縁抵抗を検出し、これに基づいて異常の有無を検出することが好ましい。絶縁抵抗の検出方法としては、電圧パルスを検出信号として用いる方法が挙げられる(例えば、特許文献1に記載の方法)。燃料電池においては、冷却媒体が電位を持つ可能性があるため、その一部を接地させ電位の漏れを抑制する提案もなされている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−231281号公報
【特許文献2】
特開2001−155761号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電動車両に搭載した燃料電池システムでは、故障時の対策として、複数の独立した燃料電池スタックを搭載し、冗長系を構成しておくことが望まれる。このような冗長系においては、燃料電池スタックごとに、絶縁抵抗を検出することが望まれている。
【0006】
しかし、燃料電池スタックが独立して設けられているとは言っても、冷却用の配管、燃料給排用の配管などの一部は、複数の燃料電池スタックで共有される場合がある。検出信号は燃料電池スタック間で共通の配管などを伝って流れ得るため、配管が共有されたシステムでは、複数の燃料電池スタックに個別に出力された検出信号同士が干渉し合い、絶縁抵抗の検出精度を悪化させる。いずれか一部の燃料電池スタックに検出信号を出力した場合であっても、その検出信号は他の燃料電池スタックにも流れ得るため、絶縁抵抗の検出精度を悪化させる。
【0007】
上述の課題は、電動車両に搭載されているか否かに関わらず、複数の燃料電池スタックを備える燃料電池システムに共通であった。本発明は、かかる燃料電池システムにおいて、各燃料電池スタックの絶縁抵抗の検出精度を向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、独立して運転可能な複数の燃料電池スタックを備える燃料電池システムを対象とする。独立して運転可能とは、燃料電池スタックが運転/停止の制御単位となっていることを意味する。燃料電池システムには、燃料電池スタック間に亘って流体を流通させるための配管が設けられており、この配管は、各燃料電池スタック外の少なくとも一箇所で接地されている。燃料電池スタックは、セルの積層体であり、燃料電池スタック外とは、この積層体から露出した部分を意味する。複数の燃料電池スタック間の連結部分と称することもできる。
【0009】
かかるシステム構成において、本発明は絶縁抵抗検出部を設け、絶縁抵抗検出部によって、所定の検出用電圧を出力し、燃料電池スタックごとに絶縁抵抗を検出する。絶縁抵抗とは、この場合、燃料電池スタックおよび配管が、その周囲から絶縁されている程度を示す値である。絶縁抵抗検出部は、燃料電池スタックごとに個別に設けても良いし、複数の燃料電池スタックに共通とし検出信号の出力先を切り換え可能な構成を採っても良い。
【0010】
配管を伝って流れる検出信号は、接地されている箇所を超えて流れることはできない。この作用により、本発明の燃料電池システムでは、いずれかの燃料電池スタックに出力された検出信号が配管を伝って他の燃料電池スタックに流出することが、抑制される。従って、各燃料電池スタックの絶縁抵抗を個別に精度良く検出することが可能となる。
【0011】
本発明において、配管の接地箇所は、いずれかの燃料電池スタックに出力された検出信号が他の燃料電池スタックに流出することを回避可能な任意の箇所に設定することができる。かかる箇所としては、例えば、少なくとも、2つの燃料電池スタック間を接続する配管部分(以下、「連結部分」と称する)の中央とすることが好ましい。中央とは、2つの燃料電池スタックを接続する配管長の中点近傍を意味する。かかる部分で接地させた場合には、連結部分が絶縁抵抗の検出に与える影響が、2つの燃料電池スタックで同等となり、各燃料電池スタックの絶縁抵抗検出時または検出後の処理が比較的容易になるという利点がある。配管の接地は、2つの燃料電池スタック間で、1カ所に限る必要はなく、複数箇所としても構わない。
【0012】
本発明においては、燃料ガスまたは酸化ガスの給排用の配管、冷却系統の配管などを接地の対象とすることができる。これら全ての配管を接地させてもよいし、一部のみを接地させてもよい。これらの配管のうち、以下の理由から、少なくとも冷却系統は接地させることが好ましい。冷却系統は、冷却媒体中に燃料電池スタックから金属イオンが溶け出すことによって、検出信号の導電性が高くなり易く、絶縁抵抗に影響を与え易い。従って、冷却系統を接地させることにより、絶縁抵抗の検出精度を効率的に高めることができる。
【0013】
本発明の絶縁提供検出部は、例えば、燃料電池スタックとは異なる電源装置を用いて所定周波数の電圧パルスを検出信号として出力する回路とすることができる。電源装置としては、例えば、二次電池、キャパシタなどの蓄電手段を用いることができる。出力すべき周波数は、絶縁抵抗の大きさ、燃料電池スタックおよび配管に応じて定まる静電容量に基づいて設定することができ、高周波とすることが好ましい。
【0014】
本発明において、各燃料電池スタックの絶縁抵抗の検出は、種々のタイミングで行うことができる。例えば、燃料電池スタックの非発電時に、複数の燃料電池スタックの絶縁抵抗を同時に検出するようにしてもよい。こうすることで、比較的短時間で絶縁抵抗を検出することができる。燃料電池スタックの非発電時には、例えば、運転者が始動スイッチを操作した後、始動を開始するまでの始動前状態;燃料電池スタックの運転が停止された後の停止状態;燃料電池スタックが間欠的に運転している場合において発電を休止している休止状態などが含まれる。
【0015】
本発明は、種々の構成を採ることができ、例えば、上述の燃料電池システムを搭載した動力出力装置として構成してもよい。かかる動力出力装置の一態様として、燃料電池スタックごとに接続された複数の電動機を有し、これらの電動機から出力される動力の少なくとも一部を統合して出力する駆動軸を備える構成とすることができる。
【0016】
こうすることにより、いずれかの燃料電池スタックおよび電動機に異常が生じた場合でも、他の燃料電池スタックおよび電動機を利用して、駆動軸から動力を出力し続けることが可能となる。例えば、絶縁抵抗が所定値を下回った場合に異常と判断してもよい。こうすることにより、より安全性の高い状態で、燃料電池システムの運転、ひいては動力出力装置の運転を継続することができる。
【0017】
本発明は、その他、上述の動力出力装置を搭載した電動車両として構成しても良い。また、絶縁抵抗に基づき異常を検出した場合に、異常が検出された燃料電池スタックの運転を停止する燃料電池システム等の制御方法として構成してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.装置構成:
B.絶縁抵抗検出原理:
C.絶縁抵抗検出処理:
D.変形例:
【0019】
A.装置構成:
図1は実施例としての電動車両の概略構成を示す説明図である。この電動車両は、動力を出力する駆動源を右側、左側で独立して2系統備えた燃料電池システムを搭載している。左側駆動源には、主電源として固体高分子型の燃料電池スタック22、補助電源としてバッテリ21を有する。これらの電源から供給される電力は、駆動回路としてのインバータ24で交流化され、交流モータ25に供給される。燃料電池スタック22は、固体高分子型に限らず、固体酸化物型その他種々のタイプを適用可能である。
【0020】
右側駆動源も同様の構成である。右側駆動源としては、燃料電池スタック32、バッテリ31、インバータ34、交流モータ35が備えられている。本実施例では、右側駆動源と左側駆動源の出力特性、容量は同一とした。また、燃料電池スタック22、32への燃料ガスは、共通の水素タンクからそれぞれ供給する。燃料ガスの供給系統を、左右で個別に設けても良い。燃料電池スタック22、32に酸化ガスを供給系統も、両者で共通としてもよいし、個別に設けても良い。
【0021】
モータ25の回転軸26、モータ35の回転軸36は、それぞれギヤボックス40内のギヤ42、43に接続されている。ギヤ42、43は駆動ギヤ41と噛合するヘリカルギヤである。駆動ギヤ41は、駆動軸12が結合されている。各モータ25、35の動力は、ギヤボックス40の各ギヤを介して駆動軸12に出力され、ディファレンシャルギヤ13を介して各車輪14L、14Rに伝達される。
【0022】
本実施例において、各駆動源には、電力の供給を受けて種々の補機を駆動するための補機駆動回路23、33が接続されている。補機駆動回路23、33は、燃料電池スタック22、32に燃料ガスや冷却水を供給するポンプ、パワーステアリング用のオイルポンプ、車両の電装機器への電力供給用のアウトレット、バッテリ21の冷却用コンプレッサ、空調用のコンプレッサ、空調用の電熱ヒータ、ブレーキ用のエアコンプレッサなどをそれぞれ有している。
【0023】
このうち、燃料電池スタック22、32に燃料ガスや冷却水を供給するポンプ、パワーステアリング用のオイルポンプ、ブレーキ用のエアコンプレッサは、左右双方に用意されているものの、車両を安定して走行させるためには、双方が動作していることが望まれる必須の補機として位置づけられている。空調用のコンプレッサ、空調用の電熱ヒータは、車両の走行に必ずしも必須ではないため、走行時に異常が生じた場合には、自動的に作動を停止することが許可される停止可能補機として位置づけられている。車両の電装機器への電力供給用のアウトレット、バッテリ21の冷却用コンプレッサについては、いずれに位置づけることもできるが、本実施例では、安全を考慮して、必須補機として位置づけるものとした。補機についてのこれらの分類は、制御ユニット10内に予め記憶されている。
【0024】
車両の各部分は、制御ユニット10によって制御される。制御ユニット10は、内部にCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを含む電子回路として構成されており、ROMに用意された制御プログラムに従って、車両の各部位の運転を制御する。制御ユニット10の内部には、左側駆動源の動作を制御する左系統制御ユニット20と、右側駆動源の動作を制御する右系統制御ユニット30がそれぞれ設けられている。左系統制御ユニット20、右系統制御ユニット30は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータ、および絶縁抵抗を検出するための検出回路を含んでいる。制御ユニット10は、左系統制御ユニット20、右系統制御ユニット30に対して、出力要求値などの制御値を指示することにより、間接的に双方の駆動源の運転を統合制御する。
【0025】
図中に、この制御を実現するために制御ユニット10に接続されている各種信号線を破線で例示した。制御ユニット10に入力されるセンサ信号としては、アクセル開度センサ11;車速センサ12s;モータの回転数センサ25s、35s;燃料電池スタック22、32の異常検出用センサ22s、32s;バッテリ21、31の残容量(SOC)を検出する残容量センサ21s、31sなどが含まれる。異常検出用センサ22s、32sは、燃料電池スタック22、23の異常を知らせる種々のパラメータを検出するためのセンサである。かかるパラメータとしては、例えば、燃料ガスや酸化ガスを燃料電池スタック22、32に供給するためのコンプレッサの回転数、燃料電池スタック22、32の温度、燃料ガスや酸化ガスの供給圧力、燃料電池スタック22、32に含まれる各セルの電圧などを用いることができる。
【0026】
制御ユニット10からの出力信号としては、燃料電池スタック22、32の出力制御信号;補機駆動回路23、33の制御信号;インバータ24、34の制御信号などが含まれる。また、後述する通り、左系統制御ユニット20、右系統制御ユニット30からは、それぞれの駆動源に、絶縁抵抗を検出するための検出信号が出力される。
【0027】
図2は冷却系統の模式図である。本実施例では、左右の駆動源で冷却系統を共通化した。例えば、左側駆動源では、冷媒は、ポンプ29によって、燃料電池スタック22を通過して配管61内を流れた後、配管62、66に分岐する。配管62内の冷媒は、ラジエータ27、ロータリバルブ28を通り、燃料電池スタック22に循環される。配管66の冷媒は、右側駆動源に流通するとともに、一部は配管67、65、ロータリバルブ28を通り、燃料電池スタック22に循環される。右側駆動源の冷却系統も、同様の構成となっている。
【0028】
燃料電池スタック22、32の熱は、暖房にも利用される。冷媒は、この熱を運搬する媒体として作用する。冷却系統を流れる冷媒は、燃料電池スタック22,32を通過した下流側で分岐する配管71によって、暖房システムに供給される。この冷媒は、ポンプ52の動力によって、配管71、配管72を通り、ヒータ51で加熱された後、暖房熱交換器50に供給される。その後、配管73を通じて、燃料電池スタック22,32の下流側で再び冷却系統に戻される。本実施例では、暖房用に分岐する配管71、73を燃料電池スタック22、32の下流側に接続することにより、燃料電池スタック22,32の発熱の有効活用を図っている。これらの配管の接続部位は、図の例に限らず、種々の設計が可能である。
【0029】
本実施例の冷却系統は、種々の部位で接地されている。例えば、左側駆動源では、ラジエータ27における接地G1、ロータリバルブ28における接地G2が挙げられる。右側駆動源でも同様の部位で接地されている。また、左右の駆動源を連結する冷却用の配管66の中央部でも接地G3が設けられている。暖房用の配管71、73においても、その途中に接地G4、G5が設けられている。左右の駆動源を連結する配管65についても、いずれかの箇所で接地させてもよい。接地G3、G4、G5は、それぞれ配管66、71、73の中央近傍に設けることが好ましいが、それぞれ左側駆動源または右側駆動源に寄せて設けても構わない。
【0030】
B.絶縁抵抗検出原理:
本実施例のシステムは、上述した構成全体が、車体から絶縁されている。この絶縁の程度は、絶縁抵抗によって表される。本実施例では、左系統制御ユニット20、右系統制御ユニット30に設けられた検出回路によって、それぞれの系統の絶縁抵抗を個別に検出し、絶縁状態について異常の有無を監視している。
【0031】
図3は絶縁抵抗の検出原理を示す説明図である。ここでは、左側駆動源、右側駆動源は、それぞれ系全体が有する浮遊容量C2,C3と、絶縁抵抗R2、R3からなる等価回路で示した。抵抗R62、R63は、左右の系統を連結する配管66、71、73、65部分の電気抵抗を表している。図2で説明した通り、これらの配管は、中央近傍で接地されている。図中では、代表例として接地G3のみを示した。
【0032】
左系統制御ユニット20、右系統制御ユニット30に設けられた検出回路20D、30Dは、燃料電池スタックによる発電が行われていない状態で、それぞれバッテリ21、31を電源として、検出信号S2、S3を回路上に出力する。検出信号S2、S3は、高周波の電圧パルスである。燃料電池スタック22,32を含む電気回路および冷却用の配管には、検出信号S2、S3により、容量C2,C3および絶縁抵抗R2、R3の大きさに応じた電流が流れる(以下、応答電流と称する)。容量C2,C3はほぼ一定であるため、電流値は絶縁抵抗R2,R3に依存する。検出回路20D、30Dは、かかる原理に基づき、電流値から絶縁抵抗R2、R3を算出することができる。検出信号の周波数は、容量C2、C3の大きさに基づき、絶縁抵抗R2,R3に対する変化を感度良く検出可能な範囲を実験、解析等に基づいて選択すればよい。
【0033】
検出信号S2に応じた電流は、左右の駆動源を連結する配管、即ち図中の抵抗R62にも流れるが、接地G3の作用により、抵抗がより小さい、矢印a1の方向に流れる。破線矢印a2に示す流れ、即ち、右側駆動系統への流出は十分に抑制される。接地G3は、このように、一方の駆動源に出力された検出信号S2,S3が、他方の駆動源における電流の挙動に影響を与えることを遮断する遮断作用を奏する。検出信号S2、S3が同時に出力されている場合、この作用は、両検出信号S2、S3の干渉を回避するという干渉防止作用と称することもできる。
【0034】
C.絶縁抵抗検出処理:
図4は絶縁抵抗検出処理のフローチャートである。始動スイッチオンなど、運転者によって燃料電池システムの始動操作が行われた時に、始動前点検の一環として、制御ユニット10が実行する処理である。
【0035】
処理が開始されると、制御ユニット10は、燃料電池システムの運転が停止されているか否かを判断する(ステップS10)。例えば、既に燃料電池システムが運転を開始しているにも関わらず、始動操作が再度実行された時など、燃料電池システムが運転停止中でない場合、制御ユニット10は始動前点検は不要と判断し、この処理を終了する。本実施例では、燃料電池システムが運転停止中に絶縁抵抗の検出を行うものとしたが、燃料電池システムの運転中にも継続的または間欠的に絶縁抵抗の検出を行っても良い。かかる処理は、ステップS10を省略したり、「所定時間経過したか?」という判断条件に変更したりすることで実現できる。
【0036】
燃料電池システムが運転を停止している場合には、制御ユニット10は、左右の検出回路を制御して、それぞれの燃料電池スタックに検出信号を出力させる(ステップS11)。また、この検出信号に応じて流れる応答電流を検出し(ステップS12)、絶縁抵抗を算出する(ステップS13)。本実施例では、左右の駆動源に同時に検出信号を出力することにより、絶縁抵抗の検出に要する時間の短縮を図った。左右の駆動源に順次、検出信号を出力するようにしてもよい。
【0037】
制御ユニット10は、こうして算出された絶縁抵抗の値に基づき、絶縁性について異常の有無を判断し(ステップS14)、異常が検出された燃料電池スタックについては、始動を禁止する(ステップS15)。ステップS15は、燃料電池スタックの始動を許可しつつ、単に絶縁抵抗の異常を表示、警告音などで報知する処理に変更してもよい。異常有無の判断については、例えば、絶縁抵抗が所定の閾値よりも低い場合に、異常有りとする方法を採ることができる。絶縁抵抗の算出(ステップS13)を省略し、応答電流の値が所定値より大きい場合に、異常有りと判断してもよい。図3に示したように各駆動源はいわゆるRC回路を構成するため、その時定数をパラメータとして異常の有無を判断してもよい。
【0038】
制御ユニット10は、こうして絶縁性の異常検出が完了すると、始動が禁止されている燃料電池スタックを除き、左右の燃料電池スタックを始動する(ステップS16)。
【0039】
以上で説明した本実施例では、複数の燃料電池スタック間を連結する配管の一部を接地しているため、各燃料電池スタックの絶縁抵抗を精度良く検出することができ、燃料電池スタック単位で絶縁性について異常の有無を検出することができる。この結果、異常が発見された燃料電池スタックのみの運転を禁止し、正常な燃料電池スタックは運転させることが可能となるため、安全性を確保しつつ、動力を継続して出力することが可能となる。
【0040】
D.変形例:
実施例のシステムでは、冷却系統を接地しているが、燃料ガスの給排系統、酸化ガスの給排系統などが、左右の駆動源に共通の配管となっている場合には、これらについても連結部分のいずれか一部で接地してもよい。燃料ガス、酸化ガス、冷却系統のうち左右の駆動源に共通の配管全てを接地する必要はなく、一部のみを接地しても構わない。
【0041】
検出信号は、高周波の電圧パルスに限らず、例えば、ステップ関数やインパルス関数など種々の形状の電圧波形を利用することができる。
【0042】
実施例では、2系統の駆動源を有する場合を例示したが、燃料電池スタックは3系統以上備えられていても良い。
【0043】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。本発明は、電動車両に搭載された場合に限らず、据え置き型など種々の燃料電池システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例としての電動車両の概略構成を示す説明図である。
【図2】 冷却系統の模式図である。
【図3】 絶縁抵抗の検出原理を示す説明図である。
【図4】 絶縁抵抗検出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…制御ユニット
12…駆動軸
13…ディファレンシャルギヤ
14R,14L…車輪
20、30…左系統制御ユニット
20D、30D…検出回路
21、31…バッテリ
21s、31A…残容量センサ
22,32…燃料電池スタック
22s、32s…異常検出用センサ
23、33…補機駆動回路
24、34…インバータ
25、35…交流モータ
25s、35s…回転数センサ
26、36…回転軸
27…ラジエータ
28…ロータリバルブ
29…ポンプ
40…ギヤボックス
41…駆動ギヤ
42…ギヤ
50…暖房熱交換器
51…ヒータ
52…ポンプ
61〜67、71〜73…配管
Claims (4)
- 燃料電池システムであって、
独立して運転可能な複数の燃料電池スタックと、
該燃料電池スタック間に亘って流体を流通させるための配管と、
所定の絶縁抵抗の検出用電圧を出力して前記燃料電池スタックごとに該絶縁抵抗を検出する絶縁抵抗検出部とを備え、
前記配管は、前記各燃料電池スタック外の少なくとも一箇所で接地されており、
前記絶縁抵抗検出部は、前記複数の燃料電池スタックの全ての非発電時に、前記複数の燃料電池スタックの絶縁抵抗を同時に検出する燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記配管は、少なくとも、2つの燃料電池スタック間を接続する部分の中央で、接地されている燃料電池システム。 - 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、
前記接地されている配管は冷却系統を含む燃料電池システム。 - 請求項1〜3いずれか記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックとは異なる電源装置を有し、
前記絶縁抵抗検出部は、前記電源装置を用いて所定周波数の電圧パルスを前記検出用電圧として出力する燃料電池システム。
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