以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。なお、リール110〜112を回転駆動するリール回転装置200の構成に関しては詳しくは後述する。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン(メダル投入ボタン)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン141は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置190が配設されている。この演出装置190は、水平方向に開閉自在な2枚の右扉163a、左扉163bからなる扉(シャッタ)部材163と、この扉部材163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略)を備えており、2枚の右扉163a、左扉163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、このスロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、によって構成されている。以下、図2を用いて、リール回転装置200の制御に関連する主制御部300について詳しく説明し、副制御部400及び副制御部500に関しては説明を省略する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン141に設けられている。精算ボタン141が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、リールパネルランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<遊技の基本的制御>
図3は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示す主制御部メイン処理のフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図のステップS101からS110の処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。また、副制御部400に対して内部当選結果コマンドを送信する。例えば、再遊技当選、BB(ビッグボーナス)当選などの内部当選結果コマンドを送信する。副制御部400は、この内部当選結果コマンドを受信することによって内部抽選の結果を把握する。
ステップS106では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS107では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能となり、リール制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS105の入賞役内部抽選の結果に基づいて選択したリール停止制御データに従って停止させる。また、このステップS107では、副制御部400に対して停止位置図柄コマンドを送信する。副制御部400は、この停止位置図柄コマンドを受信することによって、各リール110〜112が、どの図柄位置で停止しているかを把握する。
ステップS108では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならば再遊技入賞と判定する。また、ステップS108では、副制御部400に対して判定結果コマンドを送信する。例えば、本実施形態においては、BB入賞、再遊技入賞などの判定結果コマンドを送信する。副制御部400は、この判定結果コマンドを受信することによって入賞の結果を把握する。
ステップS109では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出し(配当)のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS110では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合に次回からBB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、ステップS110では、副制御部400に対して現在の遊技状態を示す状態コマンドを送信する。副制御部400は、この状態コマンドを受信することによって現在の遊技状態を把握する。
以上により1遊技が終了し、以降、ステップS101〜S110を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<リール回転装置>
次に、図4〜図10を用いて、スロットマシン100の本体101内に収容されるリール回転装置200の構成について詳しく説明する。ここで、図4は、リール回転装置200の外観斜視図、図5は、リール回転装置200を構成するリール駆動ユニット230の分解斜視図、図6は、リール駆動ユニット230に配設されるバックライトユニット280の外観斜視図、図7は、バックライトユニット280の分解斜視図、図8は、リール回転装置200におけるリールの点灯態様を説明する図、図9は、従来のリール回転装置におけるリールの点灯態様を説明する図、図10は、リール帯250の表面及び裏面を示す外観図である。なお、図8(a)及び図9(a)は、非点灯時のリールの態様、図8(b)及び図9(b)は、点灯時のリールの態様、図8(c)及び図9(c)は、それぞれ図8(b)及び図9(b)のA−A線による断面図、図8(d)及び図9(d)は、「赤7図柄」の点灯態様を示す図である。また、図10(a)は、リール帯250の表面を示す外観図、図10(b)は、リール帯250の裏面を示す外観図である。
リール回転装置200は、図4に示すように、概略、第1〜第3リール駆動ユニット210〜230と、これらを収納するケース部材240とで構成されている。第1〜第3リール駆動ユニット210〜230は、リール帯250に印刷される図柄の配列が異なるだけで、構造的には、いずれも同一の部品で構成されており、それぞれ個別にケース部材240内に着脱可能に収納される。なお、周囲に複数種類の図柄を配した環状の表示帯体であるリール帯250は、それぞれがスロットマシン100の図柄表示窓113から臨むとリール110〜112として視認される。
リール駆動ユニット230(第1〜第3リール駆動ユニット210〜230の構成は同一であるため、以下においては、第3リール駆動ユニット230について説明し、リール駆動ユニット230と表記する)は、図5に示すように、概略、取付ベース271、センサブラケット272 、ステッピングモータ273、インデックスセンサ325、リール帯250、第1リール枠274、検知片275 、第2リール枠276、及びバックライトユニット280を備えている。なお、リール112は、概略、第1リール枠274と、第2リール枠276と、リール帯250と、で構成される。
取付ベース271は、平板上に、センサブラケット272、ステッピングモータ273、及びバックライトユニット280を装着するための取付部が形成されている。センサブラケット272は、取付ベース271上に取り付けられ、先端に検知片275の通過を検出するためのインデックスセンサ325が装着される。
ステッピングモータ273は、例えば4相式で、1回転200ステップ程度の分解能を持ったものを1−2相励磁方式で駆動する。従って、1回転を400パルスで制御することができ、回転角度を0.9度/パルスで制御することができる。
ステッピングモータ273の回転軸には、第1リール枠274(材質はPC、黒色)が装着される。第1リール枠274は、ステッピングモータ273の回転軸に取り付けられるボス部291と、リール帯250が貼り付けられるリム部292と、ボス部291とリム部292とを連結するための4本の連結部293と、で構成されている。このような構成にすることで、第1リール枠274は、軽量化がなされ、ステッピングモータ273への負荷を低減している。
連結部293はさらに、検知片275をネジ278取り付けるために開口したネジ穴294を形成している。検知片275が第1リール枠274の回転に伴ってインデックスセンサ325の配設位置を通過するときに、例えば投光部と受光部を備える反射式のインデックスセンサ325が検知片275からの反射光を検知することにより、リール110〜112の基準位置が検出されるようになっており、この基準位置情報はリール110〜112の停止制御に供される。
第1リール枠274のリム部292の外周には、リール帯250が接着される。同時にリール帯250の反対側端には、リール帯250の補強を目的として第2リール枠276(材質はPC、黒色)が接着される。なお、リール帯250の裏面には、第1リール枠274のリム部292(詳しくは、後述する貼付部201)及び第2リール枠276(詳しくは、後述する貼付部202)にそれぞれ接する粘着面251(図10(b)参照)が形成されている。本実施形態においては、第1リール枠274および第2リール枠276は黒色であるが、白色系や透明系の他の樹脂で形成してもよい。但し、透明系の樹脂で形成した場合であっても特定の図柄上に影が投影されてしまうことから、黒色を用いることが好適である。
すなわち、円環状の第1リール枠274のリム部292及び第2リール枠276は、その外周部に、回転軸方向に突出してリール帯250の貼付領域となる第1突出部と、回転軸に垂直な外周方向に突出して、リール帯250が第1リール枠274及び第2リール枠276からはみ出すことがないように貼付け位置を規制する第2突出部と、をそれぞれ備えている。ここで、第1リール枠274のリム部292に形成された第1突出部は、全周に亘って所定幅を有する貼付部201を形成しているので、この貼付部201を糊代としてリール帯250の裏面の開口一端側に形成された粘着面251(図10(b)参照)と接着するようになっている。同様にして、第2リール枠276に形成された第1突出部も、全周に亘って所定幅を有する貼付部202を形成しているので、この貼付部202を糊代としてリール帯250の裏面の開口他端側に形成された粘着面251(図10(b)参照)と接着するようになっている。この所定幅は、4mmに設定しており、貼付部201および貼付部202を合わせた計8mmを貼付領域としている。所定幅は、リール帯250が円環状の形状を維持するために必要とする最小の幅に設定されている。そして、リール帯250は、リール組立て治具(図示省略)によって保持された円環状の第1リール枠274の貼付部201及び円環状の第2リール枠276の貼付部202に沿って、裏面の左右両端側縁に形成された粘着面251を巻き付けていくことで、円環状に形成される。この結果、リール帯250は、第1リール枠274及び第2リール枠276から剥がれることなく確実に貼付される。なお、リール帯250の貼付け開始位置は、リール組立て治具(図示省略)が指示する構成を備えており、この貼付け開始位置から貼付けを開始するようになっている。
本実施形態においては、第1リール枠274に加えて第2リール枠276を用いて、円環状となったリール帯250が安定して形状を維持するようにしたが、これに限るものではなく、第1リール枠274のみで円環状のリール帯250の形状を維持させるようにしてもよい。第1リール枠274のみとすれば、リール112(110、111)自体がさらに軽量となり、回転開始時および回転停止時の振動を抑える効果がある。
なお、本実施形態においては、リール帯250に粘着面251が形成されていたことから、第1リール枠274のリム部292の第1突出部及び第2リール枠276の第1突出部を貼付領域と称したが、例えば、リール帯250に粘着面251を形成しない他の取付方法(例えば、リール枠がリール帯250と係合して一体化するなど)により、リール帯250を第1リール枠274のリム部292及び第2リール枠276に取り付けるようにしてもよい。この場合には、貼付領域にリール帯250が固定されるだけで接着されるわけではないので、貼付領域とは、広義には、リール帯250が当接する領域を意味するものである。
ここで、貼付部201及び貼付部202は、全周に亘って形成されているが、その一部には、切り欠かれて糊代幅が短い凹部277が形成されている。すなわち、本実施形態においては、凹部277を形成した部位の貼付部201及び貼付部202に、僅かな幅の貼付領域を残しており、リール帯250の形状が円環状を維持するように配慮している。このように、貼付部201及び貼付部202は、全周に亘って形成しつつ、一部に凹部277を形成している。全ての貼付領域をなくしてしまうと、リール帯250が正面から押された場合に凹みを形成したままとなり円環状を維持しなくなるおそれがあるからである。
そして、この凹部277には、リール帯250に印字された複数の図柄のうちの特定の図柄が位置付けられるように、リール帯250は第1リール枠274及び第2リール枠276に貼付される。本実施形態においては、ボーナス図柄である「赤7図柄」が凹部277の位置に貼り付けられるように、リール組立て治具(図示省略)が貼付け開始位置を指示する構成を備えている。「赤7図柄」は、図10に示すように、他の図柄(例えば、リプレイ図柄、チェリー図柄、スイカ図柄など)の大きさと比べて大きな図柄であり、リール帯250の帯幅に近い図柄幅を有している。
バックライトユニット280は、リール帯250を背後から照明する照明装置であり、図6及び図7に示すように、概略、バックライト284(本実施形態においては冷陰極管)を備えた照明基板283と、照明基板283を背面に取り付けたプラスチック製の枠体であるバックライトケース282と、で構成される。
バックライトケース282は、反射面281となる凹面の最奥部に光源導入孔282aを備え、照明基板283の前面側に保持された冷陰極管284が光源導入孔282aから導入され、照明基板283の裏面側から基板ケース285をバックライトケース282に固定(例えば、ビス286によるネジ止め)することで、バックライトユニット280が構成される。
また、反射面281は、冷陰極管284からリール帯250の後方へ直接照射されない光を受けて反射させるものであり、その曲面形状は、冷陰極管284の軸方向に直交する横断面がほぼ同一の曲線形状(例えば、放物線形状)を呈する。よって、反射面281の上部および下部は、リール帯250に比較的近接した位置となるが、反射面281の中央部では、リール帯250との離隔距離が長くなってしまうため、リール帯250との空隙がほぼ一定となるように、バックライトケース282の前面には、反射面281の前縁に連なるように左右一対の導光部282bを設けてある。なお、導光部282bの内面(冷陰極管284からの一次光あるいは反射面281に反射した二次光が当たる面)である導光反射面282cは、反射面281のような曲面ではなく、平坦面としてある。
さらに、バックライトケース282の右側には固定部282dを形成してあり、この固定部282dをリール112の取付ベース271に取り付けることで、冷陰極管284がおおむねリール帯250の真ん中(左右幅の中央)に来るように位置決め固定され、リール帯250の幅左右方向で極端な偏りが生じない照明が期せる。
次に、図8を参照して、上述した構成のリール回転装置200におけるリールの点灯態様について説明する。
図8(a)及び(b)は、図柄表示窓113におけるリール110〜112の表示態様、具体的には、「赤7図柄」が中段の水平入賞ラインに揃った状態(星は赤7以外の図柄を省略したもの)を示しているが、図8(b)に示すように、バックライト点灯時において「赤7図柄」は、第1リール枠274及び第2リール枠276による影P1と重なっていない。これは、図8(c)に示すように、「赤7図柄」に対応する第1リール枠274の貼付部201及び第2リール枠276の貼付部202は、他の貼付部201及び202と比べて小さな糊代幅となっており、凹部277が形成されているからである。この結果、バックライト284は「赤7図柄」のコマ全体を後方から照らすことが可能となっている。
本実施形態においては、リール帯250に21図柄を配置した21コマ仕様となっており、1コマとは、リール帯250の外周面を21の均等な領域に分割したうちの1つを差す。実際に1コマの領域には、法規制で許容される大きさ等で図柄を配置する。そして、凹部277は、縦方向に1コマ分に相当する長さ、横方向に第1突出部の約4分の1(約1mm)の長さを切り欠いた形状としている。但し、凹部277の形状はこれに限るものではなく、特定図柄との重なり領域に対応させて、例えば、縦方向に半コマ分に相当する長さを切り欠いてもよく、適宜設定が可能である。
このように本実施形態においては、目立たせたい特定図柄のコマに対応するリール枠の糊代幅を僅少に形成することにより、特定図柄のコマは、他のコマに比べてバックライト284に照らされる照明領域が大きくなるので、特定図柄のコマ領域の視認性を他の図柄のコマ領域に比べて向上させることができる。
また、特定図柄の大きさが他の図柄に比べて大きくても、特定図柄のコマに対応するリール枠の糊代幅を、影として特定図柄に重ならないような僅少幅とすることにより、特定図柄全体を明るくすることができるので、これによっても、特定図柄の視認性を向上させることができる。
なお、図9に示すように、リール枠の糊代幅を周上一定に保った従来の構成のリール回転装置においては、影P1が「赤7図柄」の左右両端部分と重なり、「赤7図柄」の左右両端は暗く表示されるので、目立たせたい「赤7図柄」の視認性は悪くなってしまう。さらには、赤7図柄の図柄領域全体の透光性を高く設定すると、バックライト284が非点灯であっても赤7図柄の左右両端に第1リール枠274及び第2リール枠276が視認されてしまう場合がある。すなわち、本実施形態のリール回転装置200は、従来のこのような特定図柄に対する視認性を悪化させるという問題を解消することができるリール回転装置となっている。
さらには、本実施形態においては、図10に示すように「赤7図柄」の図柄領域全体は、透光領域S1となっており、光は透過するようになっている。リール帯250を形成する透明帯の裏面に図柄等を印刷する場合には、赤7図柄を除く図柄と赤7図柄の縁は非透光性塗料で印刷し、赤7図柄の縁の外側の全ての領域(S1を除く領域)に白色の光透過性塗料を印刷し、赤7図柄の縁内の領域に赤色の透光性塗料を印刷する。赤色の透光性塗料は、赤色の透光性塗料を印刷した領域が白色の透光性塗料を印刷した領域に比して透光性が高いものを設定する。完成したリール帯250には、左右両端側縁に第1リール枠274及び第2リール枠276に貼り付けるための粘着面251が形成される。粘着面251は、種々の方法で形成できるが、例えば、幅約4mmの両面テープを貼り付ける。したがって、バックライトが点灯した場合には、リール帯250全体(赤7図柄を除く図柄と赤7図柄の縁を除く領域)がバックライトの光を透光し、さらに、リール帯250の表面に印字される図柄のうち、「赤7図柄」の縁内の図柄領域だけは、他の領域に比して多くの光を透過させる。この結果、「赤7図柄」は他の図柄に比べて明るく目立つので、さらに特定図柄の視認性を向上させることができる。
なお、「赤7図柄」を明るく目立つようにするために、「赤7図柄」の全ての領域の透光性を「赤7図柄」以外の他の領域に比して高くしなくてもよく、リール帯250の他の領域に比して透光性を高くする領域を、少なくとも「赤7図柄」の左右領域の何れか一方の領域に設ければよい。この場合においても、「赤7図柄」は明るく目立つようになり、さらには、左右領域の何れか一方の領域に形成した透光性の高い領域から第1リール枠274及び第2リール枠276の影が視認されることがなくなる。また、リール帯250は、「赤7図柄」以外の領域は非透光性塗料を塗布し、「赤7図柄」の左右領域の少なくとも何れか一方の領域を、透光性を有する領域としてもよい。
また、本実施形態では、左リール110のリール帯250には赤7図柄を2図柄配置したので、左リール110の第1リール枠274及び第2リール枠276には、夫々2箇所の凹部277を形成しており、中リール111のリール帯250には赤7図柄を1図柄配置したので、中リール111の第1リール枠274及び第2リール枠276には、夫々1箇所の凹部277を形成しており、右リール112のリール帯250には赤7図柄を2図柄配置したので、右リール112の第1リール枠274及び第2リール枠276には、夫々2箇所の凹部277を形成している。
以上述べたように、本実施形態のスロットマシン100のリール回転装置200によれば、特定図柄の位置に対応する貼付領域を他の貼付領域と比べて小さく形成しているので、特定図柄のコマはバックライトに照らされる照明領域が他のコマに比べて大きくなる。この結果、リール上に配置された特定図柄に対する視認性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、特定図柄は他の図柄に比べて大きく形成されているとともに、透光性材料で形成されているので、さらに特定図柄に対する視認性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、特定図柄を他の図柄に比べて大きく形成しても、第1リール枠274及び第2リール枠276のリール帯250に投影される影は、特定図柄と重ならないので、特定図柄の図柄領域全体を明るくすることができ、以て、特定図柄に対する視認性を向上させることができる。
<その他実施形態>
なお、本実施形態においては、図8(b)に示すように、特定図柄(赤7図柄)の図柄幅Xは、凹部277における照明領域幅Z(影とならない領域の領域幅)より小さく、他の図柄のコマにおける照明領域幅Y(影とならない領域の領域幅)よりも大きく形成された場合を例に挙げて説明したが、特定図柄(赤7図柄)の大きさはこれに限定されるものではない。例えば、図11(a)に示すように、特定図柄(赤7図柄)の図柄幅Xは、凹部277における照明領域幅Zよりも大きくてもよいし、また、図11(b)に示すように、特定図柄(赤7図柄)の図柄幅Xは、照明領域幅Yよりも小さくてもよい。いずれの場合も、特定図柄のコマは、他のコマに比べてバックライト284に照らされる照明領域が大きく形成されるので、特定図柄(赤7図柄)の視認性を他の図柄に比べて向上させることができる。
また、本実施形態においては、凹部277に特定図柄(赤7図柄)が位置付けられるようにリール帯250を第1リール枠274及び第2リール枠276に貼付したが、これを容易とするための構成を第1リール枠274及び第2リール枠276に施してもよい。例えば、図12に示すように、リム部292に目印線274aを形成し、この目印線274aにリール帯250の一端を貼り付けるようにすると、特定図柄(赤7図柄)が凹部277に位置付けられるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、一図柄分のコマに対応する大きさの凹部277を第1リール枠274及び第2リール枠276それぞれに設けたが、凹部277の大きさ(長さ)はこれに限定されるものではない。例えば、図13(a)に示すように、2図柄分のコマに対応する大きさ(長さ)の凹部277であってもよい。また、各リール110〜112に複数個の特定図柄(赤7図柄)を所定間隔(例:7図柄毎に1個の赤7図柄を配置)で配置した場合には、全ての特定図柄(赤7図柄)に対応する第1リール枠274及び第2リール枠276に凹部277を形成してもよいし、複数個の特定図柄(赤7図柄)を所定間隔で配置した場合であっても、1つの特定図柄(赤7図柄)に対する視認性を向上させるのであれば、1つの特定図柄(赤7図柄)に対応する第1リール枠274及び第2リール枠276のみに凹部277を形成してもよい。
また、本実施形態においては、第1リール枠274及び第2リール枠276それぞれの凹部277において糊代部分(貼付部201及び202)を設けていたが、図13(b)に示すように、凹部277に糊代部分(貼付部201及び202)を設けなくてもよい。1図柄分のコマに対応する長さの凹部277であれば、糊代部分がなくてもリール帯250が円環状を維持することが可能である場合があるからである。
また、本実施形態においては、特定図柄(赤7図柄)を他の図柄の大きさに比べて大きな図柄としたが、特定図柄は大きな図柄だけに限定されるものではなく、目立たせたい図柄であれば大きさは問わない。例えば、図14に示すように、取りこぼしが発生するスイカ図柄(赤7図柄に比べて大きさが小さい図柄)のコマに対応する第1リール枠274の貼付部201に凹部277を形成してもよい。この場合には、スイカ図柄のコマは、他の図柄のコマと異なってコマ領域の左端からも光が直接透過するので、照明領域幅の相違からスイカ図柄を他の図柄よりも目立たせることができる。この結果、スイカ図柄の視認性を向上させることができ、遊技者のスイカ図柄に対する目押しをより容易とすることもできる。
なお、凹部277が形成される位置は、必ずしも図柄の位置に対応させなくてもよい。例えば、図柄間に対応する位置に凹部277を形成してもよい。この場合においても、凹部277が形成された位置は透光領域が拡大するので、凹部277が形成された特定な位置の視認性を向上させることができる。すなわち、リール帯250上の特定位置を目立たせて、特定位置ひいては特定位置に隣接する特定図柄の視認性を向上させてもよい。
また、第1リール枠274及び第2リール枠276のリサイクル性を考慮して、凹部277の位置を適宜変更可能な構成とし、スロットマシン100の仕様変更に容易に対応できるようにしてもよい。例えば、図15に示すように、第1リール枠274のリム部292を折り曲げ可能な複数の貼付部201Aから構成されるようにし、所望の位置の貼付部201Aを折り曲げて、凹部277を形成するようにしてもよい。なお、1つの貼付部201Aの長さは、1図柄分のコマの長さとなっており、貼付部201Aは、一旦、折り曲げても元の位置に戻すことが可能となっている。この場合には、リール帯250に印字される図柄配置が変更され、特定図柄の位置が変更されたとしても、特定図柄のコマ位置に対応して柔軟に凹部277を設けることができる。
さらには、本実施形態のリール駆動ユニット230は、円環状のリール帯250の開口両端に2つのリール枠を貼り付けてリール112を構成したが、リール112の構成はこれに限定されるものではない。
例えば、図16に示すように、1つのリール枠279の外周面にリール帯250全面を貼り付けてリール112を構成するリール駆動ユニット630であってもよい。すなわち、リール枠279は、ステッピングモータ273の回転軸に取り付けられるボス部295と、リール帯250の帯幅と略同一の幅を有し、リール帯250が貼り付けられるリム部296、ボス部295とリム部296とを連結するための4本の連結部297と、で構成されている。リム部296には、リール帯250に配置された各図柄のコマの大きさに合わせて、複数の開口部298が形成されており、この開口部298を介してバックライトがリール帯250の背面を照らすようになっている。すなわち、円環状のリム部296の外周面は梯子状の枠体で構成されている。そして、特定図柄(例えば、赤7図柄)のコマに対応するリール枠279の開口孔299は、他の開口孔298よりも大きな開口領域を有して形成されている。この結果、図8(b)に示すように、特定図柄のコマは、他のコマに比べてバックライト284に照らされる照明領域が大きくなるとともに、リム部296の影が特定図柄に重なることはないので、特定図柄の視認性を向上させることができる。
なお、複数の開口部298は、コマ数に対応する数を設けなくてもよく、例えば、コマ数を21とし、開口部298を10としてもよい。この場合、特定図柄の直下に位置する開口部298を大きな開口領域としてもよいし、開口部298を構成するリム部296の一部に凹部を形成してもよい。
なお、本実施形態においては、スロットマシンのリール回転装置に対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ機など他の遊技台のリール回転装置に対しても適用は可能である。すなわち、本発明を「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理)と、備えたスロットマシン」に適用してもよいし、また、「所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する変動表示手段(リール回転装置)と、演出用の遊技者操作入力手段(演出用スイッチボタン)と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、変動表示手段(リール回転装置)が図柄を変動させ、演出用スイッチボタンの操作があった場合に図柄を停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」に適用してもよいし、「所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する変動表示手段(リール回転装置)と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、変動表示手段(リール回転装置)が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」に適用してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。