以下、本発明に係る実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、以下の記載において、「平行」及び「直交」との説明があるが、これらを寸法誤差(設計誤差、製造誤差)等により厳密に「平行」及び「直交」とすることは現実的には困難であり、「平行」及び「直交」には、それぞれ「略平行」及び「略直交」であるものを含むものとする。
[遊技機の構成の概要]
図1は、本実施形態のスロットマシン1の外観構成を示す正面図、図2は、スロットマシン1の外観構成を示す側面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。なお、以下において、遊技者の方(手前)を「前方」、反対を「後方」と記載する。また、図1の正面図を基準に遊技機の上下左右を規定する。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対向する側である前面側(前方側)に開口BXa(図4参照)が形成された箱形の筐体BX、開閉可能に筐体BXに支持された前扉としての前面扉FDを備えており、筐体BX内に左右方向に並べて配置された複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3を有するリールユニット310が収められている。筐体BXの開口BXaは、上部よりも下部が前方となる傾斜面S1に沿って形成されている。筐体BXは、スロットマシン1が遊技場に設置される際、遊技場の床面に当接する下面BXbを有している。なお、下面BXbは平面状に形成されているものに限定されない。下面BXbは、遊技場の床面と当接することによってスロットマシン1が安定して載置されるように形成されていればよく、例えば、複数の凹凸を有していてもよい。筐体BXは、傾斜面S1に沿って形成されているため、前面扉FDの開放時に前方側に倒れようとする力を緩和している。また、筐体BX内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図4参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体BX内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板10(図4参照)も収められている。
最も左方側に配置された第1リールR1、第1リールR1の右方側に配置された第2リールR2及び第2リールR2の右方側に配置された第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータM(図4参照)に軸支されており、それぞれステッピングモータMの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータMの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
前面扉FDは、それぞれ個別に開閉可能で、開口BXaの上半部を閉じることが可能な前面上扉UDと、開口BXaの下半部を閉じることが可能な前面下扉DDと、に分割部DVにおいて上下に分割して構成されている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3を外部から照明するリール照明装置LT(図3参照)が設けられている。リール照明装置LTは、表示窓DWの裏側(奥側)上方に配置されており、第1リールR1〜第3リールR3を前上方から照明して、図柄の視認性を向上している。なお、リール照明装置は、表示窓DWの裏側下方に配置されて、第1リールR1〜第3リールR3を前下方から照明するように構成されていてもよいし、表示窓DWの裏側上方及び裏側下方の両方に配置されていてもよい。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが傾動操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後に第1リールR1〜第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、図示しない有利期間制御手段によって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
また、スロットマシン1には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりする、遊技に関する演出を実行可能な演出装置300が設けられている。演出装置300には、前面上扉UDに設けられている、表示装置330、可動役物装置350、及び複数の電飾装置360、前面下扉に設けられている複数の電飾装置370が含まれる。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技の進行に応じて各種の映像や画像を表示する演出を実行する。可動役物装置350は、例えば、表示装置330の前方に配置されており、遊技の進行に応じてモータやソレノイド等の駆動手段により移動し、表示装置330の画面を遮蔽させたり露出させたりする演出を実行する。電飾装置360,370は、遊技の進行に応じて発光する演出を実行する。また、演出装置300には、前面上扉UD及び前面下扉DDに設けられている、複数の音響装置380,390を含む。音響装置380,390は、遊技の進行に応じて各種の音声を出力する演出を実行する。
前面下扉DDは、正面視において前面下扉DDと略同サイズで、電飾装置370、音響装置390、メダル受け皿MP等が取付けられる合成樹脂製の下扉ベースDBを有している。下扉ベースDBには、各種の操作手段が取付けられている操作部CPが一体的に形成されている。操作部CPは、上方を向いた操作部上面CPaと、前方を向いた操作部前面CPbと、を有している。操作部上面CPaには、遊技者が1枚ずつメダルを投入するためのメダル投入口MI、及びメダルがクレジット(貯留)されている状態で、クレジットされたメダルのうちから一度の操作によって規定投入数のメダルを投入する投入操作を受付ける投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が取付けられている。
操作部前面CPbには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSLを有するスタートレバーユニットLU、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1〜ストップボタンB3を有するストップボタンユニットBU、ストップボタンユニットBUの前面側を覆うボタンカバーBC及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSが取付けられている。シングルベットボタンBTは、メダルがクレジットされている状態で、クレジットされたメダルのうちから1枚のメダルを投入する投入操作を受付ける。スタートレバーSLは、第1リールR1〜第3リールR3を回転させる契機となる開始操作を受付ける。ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、ステッピングモータM(図4参照)により回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を受付ける。クレジットされているメダルは、貯留手段としての制御基板10に記憶(貯留)されている。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを後方に向けて押下するシングルベット操作(投入操作)又はマックスベットボタンMBを下方に向けて押下するマックスベット操作(投入操作)を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対してスタートレバーSLを傾動させる開始操作(傾動操作)を実行すると、制御基板10において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータMの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、第1リールR1〜第3リールR3を回転開始させた場合に、ウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、スロットマシン1は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内に再び開始操作が行われた場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3を回転開始させるように構成されている。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を後方に向けて押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ35(図8参照)がON動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板10は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部の下皿前面51には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、制御基板10にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するメダル清算信号をOFF状態からON状態へ変化させる。制御基板10は、メダル清算信号のOFF状態からON状態への変化に伴って、第1リールR1〜第3リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
下皿前面51のメダル払出口MOの左右には、証紙類(公的機関による試験の適合を証する証紙、特許権等の実施許諾を証する証紙、各遊技機の個別情報(機種情報や製造情報)を符号や数字等で記録した識別ラベル、銘板など)を配置するための証紙類配置部52L、52Rがそれぞれ配置されている。証紙類配置部52L、52Rは、例えば、証紙類を収容する凹部とそれを覆う透明カバーなどから構成することができる。あるいは、証紙類配置部52L、52Rは単に証紙類(証紙や銘板など)を貼付や接着するための平面部であってもよい。下皿前面51の後方かつ証紙類配置部52L、52Rの左右外側には、上記の音響装置390,390が配置されており、音響装置390,390の前方の下皿前面51には、音響装置390,390からの音を前方に出力するための多数の開口からなる開口部53,53が配置されている。
下皿前面51は、後述する前面下扉DDの傾斜面S1に対向する合わせ面DDaと平行となるように形成されており、メダル払出口MOの開口の前端縁MOaも、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。また、開口部53,53の開口は、合わせ面DDaと直交するように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、開口部の開口は、射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0〜10°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。また、証紙類配置部52L,52Rの証紙類を貼付ける平面部は、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。即ち、証紙類配置部52L,52Rに配置された証紙類は、上部よりも下部が前方となるように傾斜する。これにより、作業者や遊技者等が証紙類の情報を目視により確認する際、証紙類配置部52L,52Rよりも上方から証紙類を視認しやすくなり、証紙類の確認作業における作業性の向上を図っている。
[前面上扉及び前面下扉の開閉に係る構成]
次に、前面扉FDの開閉に係る構成について説明する。図2及び図3に示すように、前面扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDのそれぞれの左方側に設けられた蝶番HN(図4参照)を介して筐体BXに支持されており、筐体BXに対して右方側が開閉可能となっている。前面上扉UDは、上施錠ユニット(不図示)を有し、前面下扉DDは、下施錠ユニットDLを有する。
上施錠ユニットは、前面上扉UDの右方側に設けられている。上施錠ユニットULは、下扉ベースDBに取付けられる上施錠ベースULa、上施錠ベースULaに対して傾動可能に支持され、筐体BXに設けられた上被係合部BXc(図4参照)に係合する位置と係合しない位置とに移動可能な上係合部ULb、上係合部の移動を操作する係合操作部ULc、及び上係合部と係合操作部ULcとを接続する上接続部(不図示)を有する。前面上扉UDは、上施錠ユニットの上係合部ULbが上被係合部BXcに係合することにより、閉じている状態に施錠される。下施錠ユニットDLは、前面下扉DDの右方側に設けられている。下施錠ユニットDLは、下扉ベースDBに取付けられる下施錠ベースDLa、下施錠ベースDLaに対して傾動可能に支持され、筐体BXに設けられた下被係合部BXd(図4参照)に係合する位置と係合しない位置とに移動可能な下係合部DLb、キー操作によって下係合部の移動を操作するシリンダ錠CY、及び下係合部DLbとシリンダ錠CYとを接続する下接続部DLdを有する。前面下扉DDは、下施錠ユニットDLの下係合部DLbが下被係合部BXdに係合することにより、閉じている状態に施錠される。前面扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDが施錠されることにより、開口BXaを閉じている状態となる。
前面上扉UDは、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面UDaを有し、前面下扉DDは、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面DDaを有している。また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて前方を向くように形成された下端前面UDb(図5参照)を有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて後方を向くように形成され、下端前面UDbに対向すると共に下端前面UDbに当接可能な上端後面DDb(図5参照)を有している。
前面上扉UDは、上端後面DDbが下端前面UDbに当接することにより、前面下扉DDに対して開く方向への移動が規制される。このため、前面上扉UDは、前面下扉DDの下施錠ユニットDLの下係合部が下被係合部BXdに係合していない状態(前面下扉DDが施錠されておらず、開いている状態)で、開閉可能となっている。また、前面下扉DDは、前面上扉UDの上施錠ユニットの上係合部が上被係合部BXcに係合している状態(前面上扉UDが閉じて、施錠されている状態)で、前面下扉DDとは独立して開閉可能となっている。
上施錠ユニットULの係合操作部ULcは、前面下扉DDが開いている状態で操作可能に露出するように配置されており、操作されることによって、上接続部を介して上施錠ユニットULの上係合部ULbを上被係合部BXcに係合しない位置に移動させる。下施錠ユニットDLのシリンダ錠CYは、合わせ面DDaと直交する方向に沿って延びる円筒状に形成されて、前面下扉DDに形成されたシリンダ用貫通孔DBc(図1参照)から前端部CYa(図1参照)が前方に露出しており、挿入されたキーを回動させるキー操作が行われることによって、下接続部を介して下施錠ユニットDLの下係合部DLbを下被係合部BXdに係合しない位置に移動させる。
前面下扉DDは、シリンダ用貫通孔DBcが合わせ面DDaと直交する方向に形成されている。また、前面下扉DDは、シリンダ用貫通孔DBcの前端側の開口の周囲に形成されたシリンダ周囲面DBdを有しており、シリンダ周囲面DBdが合わせ面DDaと平行となるように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、シリンダ貫通孔は、射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0〜3°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。
また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて下方を向くように形成された、分割部Dにおける分割面である上扉下端面UDcを有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて上方を向くように形成され、前面扉FDが開口BXaを閉じている状態で上扉下端面UDcに対向する、分割部Dにおける分割面である下扉上端面DDcを有している。上扉下端面UDc及び下扉上端面DDcは、合わせ面UDa,DDaと直交する仮想平面S2に対して、前方に向けて上向きとなるように傾斜している。
これにより、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面下扉DDが開いている状態で前面上扉UDを開く際、前面上扉UDの右端側が自重により下がった状態で前面上扉UDが移動する場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。また、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UDが閉じている状態で前面下扉DDを閉じる際、作業者が前面下扉DDを持ち上げながら閉じる場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。
このように構成されていることで、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UD及び前面下扉DDを互いに独立して開閉する際、前面下扉DDの上端部の後方の角と、前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突しにくくなり、前面上扉UD及び前面下扉DDの開閉操作における操作性の向上を図っている。また、前面下扉DDの上端部の後方の角と前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突して破損することの防止を図っている。更に、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが摺動する際の、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが接触する圧力を低下させ、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとの摺動による傷付きの抑制を図っている。
[前面下扉及びスタートレバーユニットの詳細]
図5及び図6に示すように、下扉ベースDBは、スタートレバーユニットLUが取付けられるレバー取付面DBj、スタートレバーユニットLUを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数のレバー取付穴DBk、スタートレバーユニットLUが挿入されたレバー用貫通孔DBm、及びレバー周囲面DBnを有しており、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。
レバー取付面DBjは、後方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、スタートレバーユニットLUに当接している。複数のレバー取付穴DBkは、レバー取付面DBjから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。レバー用貫通孔DBmは、レバー取付面DBjから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、複数のレバー取付穴DBkの中心線DBKL及びレバー用貫通孔DBmの中心線DBmLは、合わせ面DDaに直交している。
また、レバー周囲面DBnは、レバー用貫通孔DBmの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。なお、レバー周囲面DBnは、操作部前面CPbと同一の面として下扉ベースDBに形成されていてもよい。スタートレバーユニットLUは、後方から下扉ベースDBの操作部CPに取付けられてねじ留めされ、前端側がレバー用貫通孔DBmを貫通して操作部CPから前方に露出している。
スタートレバーユニットLUは、下扉ベースDBに取付けられる保持部41、スタートレバーSL、付勢手段としての復帰ばね43、及び軸部42の初期位置からの上下左右方向への傾動に基づいて開始操作を検知する傾動センサ45を有している。スタートレバーSLは、揺動(傾動)可能に保持部41に保持された軸部42、及び軸部42の前端部に取付けられた球状のグリップ44を有している。
保持部41は、レバー用貫通孔DBmに挿入される円筒状の円筒部41a、及び下扉ベースDBに取付けるためのねじが貫通する複数のねじ貫通孔41bを有し、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。円筒部41a及び複数のねじ貫通孔41bは、下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、円筒部41aの中心線41aL及び複数のねじ貫通孔41bの中心線41bLは、合わせ面DDaに直交している。
軸部42は、初期位置に位置している状態、即ち遊技者による操作が行われていない状態で、操作部前面CPbから前方に向けて、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。復帰ばね43は、軸部42と保持部41との間に配置されており、軸部42を初期位置に向けて付勢する。軸部42が初期位置から上下左右方向へ傾動すると、傾動センサ45が制御基板10(図4参照)に出力する検知信号がOFF状態からON状態に変化する。なお、軸部42は、初期位置に位置している状態で合わせ面DDaに厳密に直交する方向に延びているものに限定されない。軸部は、例えば、自重によって前端が下がり、合わせ面に直交する方向に対して0〜3°程度傾斜していてもよい。
[前面下扉及び清算ボタン及びシングルベットボタンの詳細]
下扉ベースDBは、合わせ面DDaに直交する方向に延びて操作部前面CPbに形成され、図1に示す清算ボタンBSが挿入された清算ボタン用貫通孔(不図示)と、図1に示すシングルベットボタンBTが挿入されたシングルベットボタン用貫通孔(不図示)と、を有する。また、図1に示すように、下扉ベースDBは、清算ボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成された清算ボタン周囲面DBpと、シングルベットボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成されたシングルベットボタン周囲面DBqと、を有する。
[前面下扉及びストップボタンユニットの詳細]
図1、図7乃至図9に示すように、下扉ベースDBは、ストップボタンユニットBUが取付けられるボタンユニット取付面DBe、ストップボタンユニットBUを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数のボタンユニット取付穴DBfを有している。なお、図9は、ストップボタンB2の中心で切断した図1におけるC−C断面図であるが、ストップボタンB1及びストップボタンB3の中心で切断した断面図も同様であるため、ストップボタンB1及びストップボタンB3については、図示を省略する。
ボタンユニット取付面DBeは、前方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、ストップボタンユニットBUに当接している。複数のボタンユニット取付穴DBfは、ボタンユニット取付面DBeから後方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、複数のボタンユニット取付穴DBfの中心線DBfLは、合わせ面DDaに直交している。
ストップボタンユニットBUは、前方から下扉ベースDBの操作部CPに取付けられてねじ留めされ、操作部CPに取付けられたボタンカバーによってストップボタンB1〜ストップボタンB3の周囲の前方側が被覆されている。ボタンカバーBCは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が貫通するボタン用貫通孔BCa、及びストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれのボタン用貫通孔BCaの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaと平行に形成された貫通孔周囲面BCbを有し、合成樹脂によって形成されている。下扉ベースDBに取付けられた状態で、ボタン用貫通孔BCaは、後述するガイド穴32aの中心線32aLと平行に延びるように形成されている。即ち、ボタン用貫通孔BCaの中心線BCaLは、ガイド穴32aの中心線32aLに平行となっている。また、貫通孔周囲面BCbは、中心線BCaLに直交するように形成されている。
図7乃至図9に示すように、ストップボタンユニットBUは、下扉ベースDBに取付けられるボタンベース31、ストップボタンB1〜ストップボタンB3、ボタンガイド32を有し、また、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに対して、ボタンばね33、及びストップボタンB1〜ストップボタンB3の移動に基づいて停止操作を検知する透過型の光学センサであるストップスイッチ35を有している。
ボタンベース31は、下扉ベースDBのボタンユニット取付面DBeに当接する当接面31a、下扉ベースDBに取付けるためのねじが貫通する複数のねじ貫通孔31b、ボタンガイド32を保持する複数のボタンガイド保持部31c、及びストップスイッチ35が取付けられるスイッチ取付部31dを有し、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。当接面31aは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。複数のねじ貫通孔31bは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、ねじ貫通孔31bの中心線31bLは、合わせ面DDaに直交している。ボタンベース31は、ボタンガイド32との間にストップスイッチ35を収納した状態で、複数のボタンガイド保持部31cによってボタンガイド32を保持する。
ボタンガイド32は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに対応して形成され、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の移動を案内するボタンガイド穴としてのガイド穴32aを有し、合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成されている。また、ボタンガイド32は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の前方への移動を規制する前方規制面32b、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の後方への移動を規制する後方規制面32c、及びボタン周囲面32dを有している。
ガイド穴32aは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、前端側が開口すると共に合わせ面DDaに直交する方向に対して、前方側が上向きとなるように延びており、合わせ面DDaに直交する方向に対して傾斜する方向にストップボタンB1〜ストップボタンB3の移動を案内する。即ち、ガイド穴32aの中心線32aLは、合わせ面DDaに直交する方向に対して、前方側が上向きとなるように傾斜している。前方規制面32b及び後方規制面32cは、中心線32aLに直交するように形成されている。ボタン周囲面32dは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれのガイド穴32aの前端側の開口の周囲に、中心線32aLに直交するように形成されている。
ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、それぞれ、遊技者が押圧可能な押圧部としての押圧面Ba、前方規制面32bに当接可能な前方当接面Bb、後方規制面32cに当接可能な後方当接面Bd、及びストップスイッチ35の光軸を遮光するインデックスBeを有する。ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、ガイド穴32aに案内されて、前方当接面Bbが前方規制面32bに当接する位置から、後方当接面Bdが後方規制面32cに当接する位置までの間で、中心線32aLに沿って移動可能となっている。ボタンばね33は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3とボタンガイド32との間に配置され、ストップボタンB1〜ストップボタンB3を前方に向けて付勢する。
ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、遊技者によって、ボタンばね33の付勢力に抗して押圧面Baが後方に向けて押圧され、インデックスBeがストップスイッチ35の光軸を遮光する位置まで移動することにより、ストップスイッチ35が制御基板10に出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。また、ストップボタンB1〜ストップボタンB3は、遊技者が押圧面Baから手を離すと、ボタンばね33の付勢力によって前方に移動し、インデックスBeがストップスイッチ35の光軸を遮光しない位置まで移動することにより、ストップスイッチ35が制御基板10に出力するリール停止信号をON状態からOFF状態へ変化させる。
[ストップボタンの押圧面]
図5及び図9に示すように、本実施形態におけるスロットマシン1において、押圧面Baは、前方に向けて膨出する曲率の大きな球面状(例えば、半径が100mm以上の球面状)に形成されており、押圧されていない初期位置に位置している状態で、合わせ面DDaよりも上向きとなるように傾斜して設置されている。具体的には、押圧面Baは、中心(中央部)Bfにおける面直方向(垂線方向)Aが、合わせ面DDaと直交する方向よりも、前方側が上向きとなるように傾斜して設置されている。より具体的には、押圧面Baは、面直方向Aがガイド穴32aの中心線32aLに沿う方向、即ち押圧面Baの押圧方向となるように(中心線32aLと平行になるように)設置されている。近年、表示装置の大型化やリールの大型化等に伴ってストップボタンが下方に配置される傾向があるが、本実施形態においては、押圧面Baが上向きとなるように傾斜して設置されていることにより、遊技者がやや下方に向けてストップボタンB1〜ストップボタンB3を押圧可能となり、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作性の向上を図ることを可能としている。
望ましくは、押圧面Baを、筐体BXの下面BXbに対して75°から86°の範囲で傾斜させて設置する。より望ましくは、押圧面Baを、筐体BXの下面BXbに対して78°から82°の範囲で傾斜させて設置する。これにより、従来機の操作に慣れている遊技者が操作に違和感を覚えることを抑制しつつ、一般的な高さに設置されたスロットマシン1を平均的な体格の遊技者が操作する際、操作しやすい方向へストップボタンB1〜ストップボタンB3が移動するように構成することが可能となり、高い操作性を得ることを可能としている。
また、本実施形態においては、押圧面Baの面直方向Aが、初期位置に位置しているスタートレバーSLの軸部42の中心線42Lの方向(軸方向)よりも、前方側が上向きとなるように傾斜して設置されている。即ち、押圧面Baが、初期位置に位置している軸部42の軸方向と直交する仮想平面S3よりも、上向きとなるように傾斜して設置されている。即ち、押圧面Baの面直方向Aは、合わせ面DDaと直交する仮想平面S2(図2参照)よりも、前方側が上向きとなるように傾斜している。
望ましくは、押圧面Baの面直方向Aを、初期位置に位置しているスタートレバーSLの軸部42の中心線42Lの方向に対し、1°から10°の範囲で傾斜させて設置する。より望ましくは、押圧面Baの面直方向Aを、初期位置に位置しているスタートレバーSLの軸部42の中心線42Lの方向に対し、3°から7°の範囲で傾斜させて設置する。これにより、スタートレバーSLの軸部42の方向、下扉ベースDBの金型の抜き方向、合わせ面DDaの方向等にとらわれず、ストップボタンB1〜ストップボタンB3を操作しやすい方向に設置することが可能となり、操作性の向上を図ることを可能としている。また、スタートレバーSL及び押圧面Baがこのような角度に設置されていることにより、スタートレバーSLを上方から下方に向けて傾動させる傾動操作の後、やや上方からストップボタンB1〜ストップボタンB3を操作するように、スタートレバーSLからストップボタンB1〜ストップボタンB3を流れるように操作することが可能となり、操作性の向上を図ることを可能としている。
押圧面Baの上下方向の中心Bf(図9参照)の位置は、スタートレバーSLのグリップ44の中心である44c(グリップ44の前端である44a、図5参照)の上下方向の位置よりもやや上方に配置されている。これにより、遊技者が上方から下方に向けてスタートレバーSLの開始操作を行った後にストップボタンB1〜ストップボタンB3の停止操作を行う際、手の上下方向の移動量を少なくすることができ、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作性の向上を図っている。
また、本実施形態の前面扉FDは、ボタンユニット取付面DBe、レバー取付面DBj及びレバー周囲面DBnが、合わせ面DDaに平行、即ち金型の開き方向に直交するように形成されている。これにより、下扉ベースDB、ボタンベース31及びボタンガイド32は、上記各面が合わせ面DDaと交差するように形成される場合と比較して、形状の簡略化を図ることが可能となるため、部品設計における設計コストの低減及び寸法精度の向上を図ることが可能となり、製品の歩留まりを向上して、生産コストの低減を図ることを可能としている。
また、本実施形態の前面扉FDは、複数のボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk及びレバー用貫通孔DBmが、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。これにより、下扉ベースDB、ボタンベース31、ボタンガイド32及び保持部41は、上記各面が合わせ面DDaと交差するように形成される場合と比較して、形状の簡略化を図ることが可能となるため、設計コストの低減及び寸法精度の向上を図ることを可能としている。
なお、複数のボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk及びレバー用貫通孔DBmの各中心線は、合わせ面DDaと厳密に直交するように形成されているものに限定されない。複数の施錠ユニット取付穴、シリンダ用貫通孔、複数のボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔は、射出成型において合わせ面と直交する方向に型抜き可能な形状であればよい。また、例えば、複数のボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴及びレバー用貫通孔は、合わせ面に直交する方向に対して内面に0〜3°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。
[リールユニットの詳細]
次に、リールユニット310の詳細について説明する。図4に示すように、筐体BXは、側方に配置された左右の側板BXe,BXfを有している。側板BXe,BXf間には、上フレーム11及び中フレーム12が上下方向に離間して架け渡されている。
リールユニット310は、上フレーム11及び中フレーム12にねじ留めされるリールベースBAと、リールベースBAに保持され、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを回転駆動するステッピングモータMと、各ステッピングモータMの駆動軸に支持された第1リールR1〜第3リールR3と、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれに対応して設けられて各リールの回転位置を検出するための透過型の光学センサであるリールセンサ26(図10参照)と、を有する。また、リールユニット310は、リールベースBAに保持され、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを内側から前方に向けて照明する複数のLEDを有するバックライトとしてのリールバックライト基板BLと、リールバックライト基板BLからの光を反射して前方に案内するリフレクタRLと、を有する。
図10に示すように、第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ、リールフレームFRと、複数の図柄が長手方向に沿って配置された薄い帯状のリールテープ(T1,T2,T3)と、インデックス部27と、を有する。インデックス部27は、リールセンサ26の光軸を遮蔽可能にリールフレームFRに保持されており、リールセンサ26の光軸を遮蔽及び透過するタイミングによってリールセンサ26に各リールの回転位置を検出させる。
リールフレームFRは、ステッピングモータMの回転軸に取付けられるハブ部24と、第1円環部(円環部)としての第1リム部21及び第2円環部(円環部)としての第2リム部22と、これら第1及び第2リム部21,22の間を接続する複数の接続部23と、複数のスポーク部25と、を有し、透光性が高い(本実施の形態では透明な)合成樹脂によって一体的に形成されている。
第1リム部21及び第2リム部22は、ステッピングモータMの回転軸と同心の円環状に形成され、左右方向、即ちリールテープT1〜リールテープT3の長手方向Bと直交する短手方向(幅方向)Cに離間して配置されている。接続部23は、第1リム部21及び第2リム部22の円周上の異なる位置に複数設けられて、第1リム部21及び第2リム部22の間を架け渡すように短手方向Cに沿って延在し、第1リム部21及び第2リム部22を接続している。
なお、リールフレームは、接続部を有しておらず、第1リム部と第2リム部とが独立して形成され、リールテープによって第1リム部と第2リム部とが接続されるように構成されていてもよい。また、リールフレームは、着色された合成樹脂によって形成されていてもよく、着色された合成樹脂(例えば黒色の合成樹脂)によって形成されている場合、上述のインデックス部をリールフレームと一体的に形成することが可能となる。
スポーク部25は、第1リム部21及び第2リム部22の円周上の異なる位置に複数設けられて、第1リム部21及び第2リム部22のいずれかとハブ部24とを接続し、ステッピングモータの回転力をハブ部24から第1リム部21及び第2リム部22へ伝達する。本実施形態では、スポーク部25は、ハブ部24と第1リム部21とを接続している。
第1リム部21及び第2リム部22のそれぞれの外周には、左右方向に所定の幅j1,j2(例えば3.5mm〜6.5mm程度、図13参照)を有して形成され、リールテープT1〜リールテープT3の内面(裏面)に当接してリールテープT1〜リールテープT3の左右端部をリールの径方向に支持する円筒面状の端部支持面(当接面)21a,22aが形成されている。本実施形態においては、第1リム部21及び第2リム部22は、端部支持面21aの幅j1及び端部支持面22aの幅j2が略同一の寸法となるように形成されている。なお、第1リム部及び第2リム部は、互いの端部支持面の幅が異なる寸法となるように形成されていてもよい。
また、第1リム部21及び第2リム部22は、端部支持面21a,22aよりも左右方向の外側に、リールテープT1〜リールテープT3の短手方向端に当接可能なフランジ部21b、22bを有している。フランジ部21b、22bは、例えば、左右方向に0.7mm〜1.5mm程度の幅となるように形成されており、リールテープT1〜リールテープT3の左右方向の位置を規制している。接続部23には、第1リム部21及び第2リム部22の端部支持面21a,22aと連続し、第1リム部21及び第2リム部22の間でリールテープT1〜リールテープT3をリールの径方向に支持するための接続支持面23aが形成されている。端部支持面21a,22a及び接続支持面23aによって、リールテープT1〜リールテープT3をリールの径方向に支持する支持面FRaが形成されている。
[リールテープの詳細]
リールテープT1〜リールテープT3は、それぞれ図柄の配置(図柄が並ぶ順番)が異なるように、透明な合成樹脂製の基材60の裏面に、例えば、複数層のスクリーン印刷等によって図柄等が印刷されており、円筒状(無端状)になるようにリールフレームFRの支持面FRaに巻き回されている。リールテープT1〜リールテープT3は、図柄の配置や後述する識別表示70が異なり、他の構成は同様であるため、以下、リールテープT1を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3の詳細については省略する。
図11(a)はリールテープT1を表面側から見た図であり、図11(b)はリールテープT1を裏面側から見た図である。図11(a)及び(b)に示すように、リールテープT1は、透明な基材60に対し、裏面に近い側から順番に、複数の図柄を形成する印刷、表面から視て図柄の周囲に背景部Hを形成する背景印刷61、リールバックライト基板BLからの光を遮蔽するための遮光印刷62、リールバックライト基板BLからの光を拡散するための拡散印刷64が積層されて形成されている。
上記リールテープT1は、長手方向Bにおける一方側の端部T11に対して長手方向Bにおける他方側の端部T12が外側から重なるような形でリールフレームFRに巻回されており、上記背景印刷61及び遮光印刷62は、リールテープT1の長手方向Bにおける他端側については、その端(以下、他方端という)T1bまで印刷されているが、長手方向Bにおける一端側については、リールテープT1の端(以下、一方端という)T1aの手前で印刷が終わっている。
このため、長手方向BにおけるリールテープT1の一方側の端部T11には、上記図柄の印刷、背景印刷61及び遮光印刷62が行われていない透明部63が形成されている。また、リールテープT1に形成される複数の図柄は、リールフレームFRに取り付けられた状態で表面(外面)から視認可能となるように、リールテープT1の長手方向Bに沿って一列状に並んで配置されており、これら複数の図柄には、第1図柄P1(図柄「7」)、第2図柄P2図柄(図柄「チェリー」)、第3図柄P3(図柄「スイカ」)、第4図柄P4(図柄「リプレイ」)、第5図柄P5(図柄「ベル」)及び第6図柄P6(図柄「BAR」)などを含んでいる。なお、リールテープT1〜リールテープT3に配置されている各図柄は、機種固有にデザインされた数字、文字列、フルーツ、キャラクタ等や、これらの組合せからなる。また、以下の説明において、上記複数の図柄の内、一方側の端に形成された図柄を0番図柄、他方側の端に形成された図柄を1番図柄ともいう。なお、リールテープには、第1図柄〜第5図柄がそれぞれ複数配置されていてもよいし、1つずつ配置されていてもよい。
上記第1図柄P1(図柄「7」)は、少なくとも短手方向Cにおいて他の図柄よりも大きく形成されており、リールの回転中における視認性が高い図柄となっている。また、第1図柄P1は、第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部P1bと、第1の塗料とは異なる第2の塗料によって透光部P1bの周囲に形成された縁部P1aと、を有している。第1の塗料は、例えば、リールバックライト基板BLからの光が透過可能な塗料である。第2の塗料は、例えば、第1の塗料よりも光が透過しにくい明度の低い塗料(黒色、暗灰色、濃紺等の塗料)や、金属光沢を有する塗料(金、銀等の塗料)等である。
第2図柄P2(図柄「チェリー」)も第1図柄P1と同様に、第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部P2bと、第1図柄P1の縁部P1aと同一色である第2の塗料によって透光部P2bの周囲に形成された縁部P2aと、縁部P2aと透光部P2bとの間に形成された内部P2cと、を備えている。第6図柄P6(図柄「BAR」)は、短手方向Cにおいて第1図柄P1と略同サイズとなるように形成されており、第1図柄P1とは異なる色の第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部P6bと、第1図柄P1の縁部P1aと同一色である第2の塗料によって透光部P6bの周囲に形成された縁部P6aと、縁部P6aと透光部P6bとの間に形成された内部P6cと、を備えている。
なお、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a及び第6図柄P6の縁部P6aは、互いに完全に同一色となるように形成されているものに限定されない。これら縁部は、少なくとも互いに同系色となるように形成されていればよい。ここで、同系色とは、同一色の他、類似色、例えば、赤に対するマゼンタ、青に対するシアン、黒に対するグレー等を含む色である。具体的には、同系色とは色差(ΔE*ab)が小さい色であり、好ましくは、色差が10未満、より好ましくは、5.0未満となる色である。なお、ΔE*abは、ΔE*ab=√((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが大きい。
上記第1図柄P1の透光部P1b、第2図柄P2の透光部P2b、第2図柄P2の内部P2c、第6図柄P1の透光部P6b、及び第6図柄P6の内部P6cは、背景部Hよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっており、視認した際に輝いて見えるため、視認性が高くなっている。本実施の形態においては、これら第1図柄P1、第2図柄P2及び第6図柄P6のように視認性の高い透光部を有する図柄を特定図柄というものとする。また、特に第1図柄P1を第1特定図柄、第6図柄P6を第2特定図柄ともいうものとする。なお、縁部P1a、縁部P2a及び縁部P6aは、塗料によって形成されたものに限定されず、例えば、めっきやアルミ蒸着等による金属皮膜によって形成されていてもよい。
背景印刷61は、リールバックライト基板BLからの光が透過可能な塗料によって、図柄の一部(第1図柄P1の透光部P1b及び第2図柄P2の透光部P2bに対して、リールテープT1の厚さ方向(リールフレームFRに巻き回された状態におけるリールの径方向)に重なる範囲)と透明部63とを除く範囲に行われており、図柄の周囲に表面から視認される背景部Hを形成している。例えば、背景部Hは、白、乳白色、薄い青、薄い紫色、薄いピンク色等、明度の高い色となるように形成されている。これにより、リール照明装置LT(図3参照)からの光を反射させやすくして、リールの図柄の視認性の向上を図っている。また、背景部Hは、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a及び第6図柄P6の縁部P6aとの明度の差を大きくすることによって、リールの図柄の視認性の向上を図っている。なお、背景部は、単一色で形成されているものに限定されず、例えば、図柄に隣接する部分と第1リム部や第2リム部と重なる部分とは、異なる色で形成されていてもよいし、第1リム部や第2リム部と重なる部分は、図柄に隣接する部分よりも明度の低い色で形成されていてもよい。
遮光印刷62は、リールバックライト基板BLからの光が透過しにくい塗料によって、図柄の一部(第3図柄P3、第1図柄P1の透光部P1b、第2図柄P2の内部P2c及び第2図柄P2の透光部P2bに対してリールテープT1の厚さ方向に重なる範囲)と透明部63とを除く範囲に行われている。
第2図柄P2(図柄「チェリー」)及び第3図柄P3(図柄「スイカ」)は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングで停止ボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は表示窓DW内に表示可能な図柄で、遊技者に有利な抽選の契機となるチャンス役の図柄組み合わせや、遊技者に有利な特典が付与される契機となる図柄組み合わせの一部を構成している。第2図柄P2の内部P2c及び第3図柄P3は、リールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に遮光印刷62が行われていないことによって、遮光印刷62が行われている部分、例えば、背景部H、第4図柄P4、第5図柄P5、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a、第6図柄P6の縁部P6a等よりも、リールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっている。これにより、リールの回転中における第2図柄P2及び第3図柄P3の視認性の向上を図っている。なお、第2図柄の内部P2c、第6図柄の内部P6c及び第3図柄P3と遮光印刷とは一部がリールテープT1の厚さ方向に重なっていてもよいし、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a及び第6図柄P6の縁部P6aと遮光印刷とは一部がリールテープT1の厚さ方向に重なっていなくてもよい。
また、第1図柄P1の透光部P1b、第2図柄P2の透光部P2b及び第6図柄P6の透光部P6bは、リールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に背景印刷61及び遮光印刷62が行われていないことによって、透明部63よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しにくく、かつ、リールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に背景印刷61又は遮光印刷62が行われている部分、例えば、背景部H、第3図柄P3〜第5図柄P5、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a及び第2図柄P2の内部P2cよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっている。これにより、リールの回転中における透光部P1b及び透光部P2bの視認性の向上を図っている。なお、第1図柄P1は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングで停止ボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は表示窓DW内に表示可能な図柄で、遊技者にとって有利な状態、例えばボーナス状態やAT状態(アシスト状態)へ移行する契機となる図柄組み合わせの一部を構成する。
また、第1図柄P1の縁部P1a、第2図柄P2の縁部P2a及び第6図柄P6の縁部P6aは、背景印刷61及び遮光印刷62が重なっている背景部Hよりも図柄の印刷が多い分、リールバックライト基板BLからの光が透過しにくくなっている。これにより、リールの回転中における、縁部P1aと透光部P1b、縁部P2aと内部P2c、縁部P2aと透光部P2b、縁部P6aと内部P6c、縁部P6aと透光部P6bとの明るさの差を大きくし、透光部P1b、内部P2c、透光部P2b、内部P6c及び透光部P6bの視認性の向上を図っている。
このように、本実施形態におけるリールテープT1は、透明部63>(透光部P1b、透光部P2b、透光部P6b)>(内部P2c、内部P6c、第3図柄P3)>背景部H>(第4図柄P4、第5図柄P5、縁部P1a、縁部P2a、縁部P6a)の順に、リールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっている。
なお、第1図柄P1の縁部P1aは、透光部P1bと隣接するように形成されているものに限定されない。また、縁部P1aは、背景部Hよりも光が透過しにくいものに限定されない。複数の図柄のうちいずれかの特定図柄が、背景部よりもバックライトからの光が透過しやすい透光部と、透光部の周囲に形成されて透光部よりもバックライトからの光が透過しにくい縁部と、を有していればよく、例えば、第1図柄の縁部の内側に形成された領域の一部に背景部よりもバックライトからの光が透過しやすい透光部を有していてもよい。また、縁部は、背景部よりも光が透過しやすいものであっても透過しにくいものであってもよい。
拡散印刷64は、少なくとも第1図柄P1の透光部P1b及び第2図柄P2の透光部P2bと重なる範囲に施されている。拡散印刷64は、所謂チヂミ印刷と呼ばれるもので、紫外線硬化型の透明な硬化材塗料を厚く塗布し、紫外線を照射して塗料を硬化収縮させることにより、表面に細かい凹凸を形成したものである。これにより、拡散印刷64が施された領域をリールバックライト基板BLからの光が透過する際、光を不規則的に屈折及び反射させて拡散させることが可能となり、例えば、透光部P1b及び透光部P2bを透過する光によって遊技者が眩しさを感じることの抑制を図っている。なお、拡散印刷64は、透光部P1b及び透光部P2b以外の部分とリールテープT1の厚さ方向に重なる範囲に行われていてもよい。
[リールテープの取付け構造]
次に、図10、図11(a)、(b)及び図12を参照しながら、リールテープT1〜リールテープT3の取付け構造について説明する。リールテープT1〜リールテープT3の取付け構造は同様であるため、以下、リールテープT1の取付け構造を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3の取付け構造の詳細については省略する。
図10及び図11(a)に示すように、リールテープT1の短手方向Cの両端部の裏面には、第1リム部21の端部支持面21a及び第2リム部22の端部支持面22aに対してリールテープT1を接着するための接着剤が塗布されている。この接着剤は、リールテープT1の短手方向Cにおける一端T1cから内方へ距離bの範囲である第1接着領域651、及びリールテープT1の短手方向Cにおける他端T1dから内方へ距離bの範囲である第2接着領域652により形成された接着領域65に塗布されている。例えば、距離bは、4mmから6mmの範囲の距離に設定されており、端部支持面21a,22aよりも1mm程度(例えば0.5mm〜1.5mm)左右方向(短手方向C)に大きく形成されていることが望ましい。
リールフレームFRに巻き回されたリールテープT1は、接着領域65に塗布された接着剤によって、内面(裏面)に形成された第1接着領域651と端部支持面21aとが接着され、内面に形成された第2接着領域652と端部支持面22aとが接着されて、リールフレームFRに保持される。なお、接着領域65に塗布されている接着剤は、接着領域65に均一に塗布されているものに限定されず、例えば、長手方向に所定の長さ(例えば4mm程度)で塗布された接着剤が所定の隙間(例えば1mm〜5mm程度)を存して繰り返し並べられるように塗布されていてもよい。
また、上述したようにリールテープT1は、長手方向Bの長さが、端部支持面21a,22aの円周長さよりも長くなるように形成されており、長手方向Bにおける一方側の端部T11に対して他方側の端部T12がリールの径方向の外側から重なるようにリールフレームFRに巻き回されている。リールテープT1は、リールフレームFRに巻き回されている状態で、透明部63と、1番図柄である第2図柄P2と、がリールの径方向に重なっている。
また、リールテープT1は、上記接着領域65に塗布された接着剤とは別に、リールテープT1の長手方向Bにおける他方側の端部T12を一方側の端部T11に対して接着するために接着部材66(図11(b)のハッチング部)を有している。この接着部材66は、他方端T1bから内方へ距離cの範囲内に短手方向Cに沿って延在し、例えば、白、乳白色、透明等でリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい素材の両面テープや、リールテープT1の裏面に塗布された接着剤等から構成されている。リールテープT1は、このリールテープT1の長手方向Bにおける他方側の端部T12における裏面において短手方向Cに延在した接着部材66によって他方側の端部T12と一方側の端部T11とが密着した状態を維持することが可能となっている。なお、距離cは、例えば、8mmから12mmの範囲の距離に設定される。
また、図12に示すように、長手方向Bにおいて、リールテープT1の他方端(背景部Hの他方端)T1bから1番図柄である図柄P2までの距離e1は、リールテープT1の他方端から上記接着部材66の一方端までの距離cよりも小さくなっている。更に、本実施の形態においては、リールテープT1は、上記距離dの範囲において、背景部Hの長手方向Bにおける他方側の端部H12(リールテープT1の他方側の端部T12)と背景部Hの一方側の端部H11とが、長手方向Bにおいて重なっている(図12のハッチング部分)。例えば、距離dは、1mmから6mmの範囲の距離に設定されている。これにより、リールテープT1の長手方向Bの長さや、端部支持面21a,22aの円周長さのばらつきを吸収し、背景部Hの他方側の端縁と一方側の端縁との間の継ぎ目からリールバックライト基板BLの光が漏れることの防止を図っている。なお、背景部Hの長手方向Bにおける他方側の端部H12と一方側の端部H11とが重なる重なり領域68は、リールの径方向内側から外側に視て、接続部23(図10参照)と重ならないように配置されていることが望ましい。
[図柄等の配置の詳細]
次に、図11(a)、(b)、図12及び図13を参照して、リールテープT1の図柄等の配置の詳細について説明する。背景部Hは、背景印刷61と遮光印刷62とが重なっていても、リールバックライト基板BLからの光を僅かに透過させる。このため、リールテープT1の長手方向Bの他方側の端部T12において、リールの径方向に視て背景部Hの一方側の端部H11が重なっている図12に示す重なり領域68(図12のハッチング部分)は、重なっていない領域よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しにくく、重なっていない領域よりも暗く見える。
このため、重なり領域68と周囲に配置された図柄との位置関係によっては、光の透過しやすさの違いにより図柄の視認性が低下する虞や、重なり領域68と重なっていない領域との明るさの違いが図柄のデザインの一部であるかのように遊技者が誤認する虞がある。本実施形態のリールテープT1では、図12に示すように、1番図柄である第2図柄P2が、リールの径方向から視て背景部Hの長手方向Bにおける一方側の端部H11と重ならないように配置されている。これにより、リールテープT1の他方側の端に配置されている1番図柄の視認性の向上を図っている。
なお、接着部材66や接着領域65の接着剤は光を透過しやすい材料が使用されているものの、接着部材66がある部分や接着領域65は、接着部材66が無い部分と比較するとリールバックライト基板BLからの光が透過しにくく、接着部材66が無い部分や接着領域65外よりも僅かに暗く見える。しかしながら、接着部材66の長手方向Bの一方端(図12における接着部材66の下方端)の位置は、重なり領域68の長手方向Bの一方端(背景部Hの一方端T1e)よりも一方側(図12の下方側)に位置している。このため、1番図柄である第2図柄P2を、リールの径方向から視て接着部材66と重ならないように配置しようとすると、1番図柄を配置可能な領域の長手方向Bの長さが大きく減少する。
本実施形態のリールテープT1では、1番図柄である第2図柄P2が、リールの径方向から視て透光部P2bと接着部材66及び接着領域65とが重ならないように配置されている。なお、接着部材66は、リールバックライト基板BLからの光を透過しやすいため、透光部P2bよりも光を透過しにくい縁部P2aにおいては接着部材66がある部分と接着部材66が無い部分との光の透過しやすさの差が小さく、図柄の視認性に与える影響が小さい。このため、本実施形態のリールテープT1では、1番図柄である第2図柄P2が、リールの径方向から視て縁部P2aの一部と接着部材66とが重なるように配置されている。
このように図柄が配置されることにより、リールテープT1の他方側の端に配置されている図柄(1番図柄)を大きくすることが可能になると共に、透光部P2bを透過する光が接着部材66によって遮られることを防止し、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。なお、1番図柄の内部は透光部よりも光を透過しにくいため、1番図柄は、リールの径方向から視て内部の一部と接着部材とが重なるように配置されていてもよい。
また、リールテープT1がリールフレームFRに巻き回されている状態で、長手方向Bにおける重なり領域68の長さである距離dと、1番図柄である第2図柄P2とリールテープT1の他方端T1bとの距離e2(例えば1mmから6mmまでの距離)と、リールテープT1の他方端T1bと0番図柄である第5図柄P5との距離e1(例えば1mmから6mmまでの距離)と、はそれぞれ略同じ大きさとなっている。具体的には、それぞれの距離の差が1.5mm以下となっていることが望ましい。
このように図柄が配置されることにより、リールテープT1の他方側の端に配置されている図柄(1番図柄)を大きくすることが可能となり、1番図柄を透過する光が重なり領域68によって遮られることを防止し、また、リールテープT1の他方端T1bの位置が、長手方向Bにおける1番図柄と0番図柄との略中央に位置することとなるので、図柄の視認性の向上やリールの見栄えの向上が可能となる。
また、図11(a)に示すように、リールテープT1がリールフレームFRに巻き回されている状態で、複数個所で長手方向Bの一方に隣り合うように配置された所定の組合せの図柄、例えば、第4図柄P4と第5図柄P5は、図柄間の距離が、いずれも略同じ大きさである距離f(例えば4mmから8mmの範囲の距離)となっている。具体的には、隣り合う同じ組合せの図柄間のそれぞれの距離の差は、1.5mm以下となっていることが望ましい。このように図柄が配置されることによって、同じ組合わせの図柄間の距離が共通の距離となるので、図柄の視認性の向上及び各リールの見栄えの向上を図っている。なお、リールフレームFRに巻き回されている状態で隣り合う図柄とは、0番図柄と1番図柄の組合わせを含む。また、図柄の組合わせは、第4図柄P4と第5図柄P5との組合わせに限定されず、他の図柄同士であってもよいし、所定の組合わせの図柄間の距離が複数のリールテープ間で略同じ大きさとなっていてもよい。
リールの径方向内側から外側に視て、リールテープT1とリールフレームFR(支持面FRa)とが重なっている部分は、重なっていない部分よりもリールバックライト基板BLからの光を透過しにくく、重なっていない部分よりも暗く見える。このため、リールテープT1とリールフレームFRとが重なっている部分と図柄との位置関係によっては、光の透過しやすさの違いにより図柄の視認性が低下する虞や、重なっている部分と重なっていない部分との外観(明るさ)の違いが図柄のデザインの一部であるかのように遊技者が誤認する虞がある。
本実施形態のリールテープT1では、図13に示すように、第1図柄P1の透光部P1bは、リールの径方向内側から外側に視てリールフレームFR及び接着領域65と重ならないように配置されている。このように図柄が配置されることにより、透光部P1bを透過する光がリールフレームFRや接着領域65によって遮られることを防止し、図柄の視認性の向上を図っている。なお、リールテープT1〜リールテープT3に配置されている図柄のうち、リールテープT1〜リールテープT3がリールフレームFRに巻き回されている状態で、背景部Hよりもリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部のいずれも(例えば、第2図柄P2の透光部P2b等)が、リールの径方向内側から外側に視てリールフレームFRと重ならないように配置されていることが望ましい。
また、第1図柄P1の縁部P1aは、第1図柄P1の透光部P1bよりもリールバックライト基板BLからの光を透過しにくく、第2図柄P2の縁部P2aは、第2図柄P2の透光部P2bよりもリールバックライト基板BLからの光を透過しにくい。このため、リールの径方向内側から外側に視て、第1図柄P1の縁部P1a及び第2図柄P2の縁部P2aと、リールフレームFR(支持面FRa)や接着領域65と、の重なる部分の有無は、第1図柄P1の縁部P1a及び第2図柄P2の縁部P2aの外観への影響が小さい。本実施形態のリールテープT1では、第1図柄P1の縁部P1aは、リールの径方向内側から外側に視て、第1リム部21(端部支持面21a)、第2リム部22(端部支持面22a)及び接続部23(接続支持面23a)とそれぞれ一部が重なるように配置されている。また、第1図柄P1の縁部P1aは、リールの径方向内側から外側に視て、第1接着領域651及び第2接着領域652とそれぞれ一部が重なるように配置されている。このように図柄が配置されることにより、第1図柄P1を長手方向B及び短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。
同様に、本実施形態のリールテープT1では、第6図柄P6の縁部P6a(図11参照)は、リールの径方向内側から外側に視て、第1リム部21(端部支持面21a)及び第2リム部22(端部支持面22a)の両方と一部が重なるように配置されている(第1図柄P1と同様であるため、図示を省略)。このように図柄が配置されることにより、第6図柄P6を短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。
なお、第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aは、第1リム部21(端部支持面21a)及び第2リム部22(端部支持面22a)の両方と一部が重なるように配置されているものに限定されない。第1図柄の縁部及び第6図柄の縁部は、第1リム部(端部支持面)及び第2リム部(端部支持面)の少なくとも一方と一部が重なるように配置されていればよい。同様に、第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aは、第1接着領域651及び第2接着領域652の両方と一部が重なるように配置されているものに限定されない。第1図柄の縁部及び第6図柄の縁部は、第1接着領域及び第2接着領域の少なくとも一方と一部が重なるように配置されていればよい。
また、第2図柄P2の縁部P2a及び内部P2cや、第6図柄P6の縁部P6a及び内部P6cが、リールの径方向内側から外側に視て、リールフレームFRと一部が重なるように配置されていてもよいし、背景部よりもリールバックライト基板からの光を透過しやすい透光部を有する他の図柄が、透光部よりも光を透過しにくい部分において接続部、第1円環部、第2円環部と重なるように配置されていてもよい。
図11に示すように、リールテープT1の短手方向Cにおける第1リム部21側の端である一端T1cと第1図柄P1とは、短手方向Cに所定距離離間しており、リールテープT1の短手方向Cにおける第2リム部22側の端である他端T1dと第1図柄P1とは、短手方向Cに所定距離離間している。これにより、リールテープT1に第1図柄P1を印刷する際、一端T1c側に距離g1或いは他端T1d側に距離g2ずれてしまった場合であっても、第1図柄P1がリールテープT1からはみ出してしまうことの防止を図っている。
さらに、一端T1cから第1図柄P1までの短手方向Cにおける距離g1は、端部支持面21aの幅j1(図13参照)以下となっており、他端T1dから第1図柄P1までの短手方向Cにおける距離g2は、端部支持面22aの幅j2(図13参照)以下となっている。これにより、リールテープT1に第1図柄P1を印刷する際の第1図柄P1の短手方向Cへのずれを許容しつつ、第1図柄P1を短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。なお、距離g1及び距離g2は、共に1mm以上かつ3mm以下であることが好ましい。
なお、一端T1c及び他端T1dから第6図柄P6までの短手方向Cにおける距離h1,h2については、一端T1c及び他端T1dから第1図柄P1までの短手方向Cにおける距離g1,g2と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態において、距離g1及び距離g2は、一端T1c及び他端T1dから第1図柄P1の縁部P1aまでの短手方向Cにおける距離となっており、距離h1及び距離h2は、一端T1c及び他端T1dから第6図柄P6の縁部P6aまでの短手方向Cにおける距離となっているが、これに限定されない。第1図柄及び第6図柄は、長手方向B及び短手方向Cにおける縁部の外側に、縁部以外の印刷がされていてもよい。
[識別表示]
次に、図13及び図14を参照して、透明部63に設けられた識別表示70について説明する。図13に示すように、透明部63は、リールテープT1の一方端T1aから長手方向Bに沿った距離aの範囲で、リールテープT1の一方端T1aと、背景部Hの一方端T1eと、の間に形成されており、透明部63には、第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別するための識別表示70が印刷されている。具体的には、識別表示70は、リールテープの印刷内容に固有の記号や文字列等からなり、リールテープを識別するためのものである。例えば、識別表示70は、改訂識別部71、機種識別部72及びリール識別部73を有している。識別表示70は、リールの径方向に視て第1リム部21の端部支持面21a及び接着領域65と重なる領域内において、透明部63に配置されている。
改訂識別部71は、例えば、リールテープT1〜リールテープT3の印刷内容等の改訂の進度に応じた記号等、例えば、丸型、星型、多角形等の記号、数字、文字等からなり、リールテープT1〜リールテープT3の改訂の進度に係る情報を識別可能としている。機種識別部72は、例えば、複数の文字を含むリールテープT1〜リールテープT3が使用される機種固有の文字列、例えば機種名の略称等を示す文字列からなり、リールテープT1〜リールテープT3が使用される機種に係る情報を識別可能としている。
リール識別部73は、例えば、取り付けられる第1リールR1〜第3リールR3に応じた値「1」〜値「3」のいずれかの数値からなり、第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別可能としている。これにより、リールテープT1〜リールテープT3がリールフレームFRに巻き回される前の単品の状態では、リールテープの改訂情報、機種情報及び第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを作業者が識別可能となっている。また、リールテープT1〜リールテープT3がリールフレームFRに巻き回されている状態では、識別表示70がリールバックライト基板BLからの光が透過しにくい接着領域65や支持面FRaと重なる領域内に配置されていることにより、識別表示70を目立ちにくくしている。
なお、識別表示は、少なくとも一部が端部支持面や接着領域と重なっていればよく、例えば、一部が端部支持面と重ならないように配置されていてもよいし、第2リム部22の端部支持面と一部が重なるように配置されていてもよいし、リールテープの短手方向の両側に配置されていてもよい。また、識別表示は、改訂識別部、機種識別部及びリール識別部の少なくともいずれか1つを有していればよく、記号のみでも数字のみでもよいし、日本語の文字やラテン文字でもよいし、これらの組合わせであってもよい。
図14に示すように、識別表示70は、文字や記号等の内部に複数の隙間76が形成されるように複数のドット部75が規則的に配置されたドット印刷によって構成されており、複数の隙間76を介してリールバックライト基板BLからの光を透過可能となっている。また、識別表示70は、背景印刷61(図13参照)に使用されている塗料よりもリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい塗料で、かつ複数の図柄のいずれかに使用されている塗料によって基材60の裏面に印刷されている。具体的には、識別表示70は、黄色の塗料によって印刷されていることが望ましい。
これにより、リールの径方向に視てリールテープT1〜リールテープT3と識別表示70とが重なっている部分と重なっていない部分との外観(明るさ)の差を小さくし、リールフレームFRに巻き回されている状態で識別表示70を目立ちにくくしている。なお、識別表示70の色は、白や透光しやすい薄い色でもよいし、背景印刷の塗料と同じ色や、リールフレームが着色された合成樹脂によって形成されている場合、リールフレームの色と同系色としてもよい。具体的には、背景印刷が白色である場合、識別表示は白色の塗料によって印刷してもよいし、リールフレームが黒色である場合、識別表示は黒色の塗料によって印刷してもよい。このようにすることで、識別表示を目立ちにくくすることも可能である。
また、識別表示は、各リールテープ毎に色分けして、色によって第1リールR1〜第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別可能としてもよい。また、塗料が付着する部分であるドット部75は、円形であるものに限定されず、例えば、略楕円状、略正方形状、略長方形状、略六角形状など他の形状であってもよい。また、隣接するドット部同士は、接触するように配置されていてもよいし、離間するように配置されていてもよい。
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、帯状に形成され、長手方向(B)に沿って特定図柄(P1,P6)を含む複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)が配置されると共に前記複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)の周囲に背景部(H)が形成されたリールテープ(T1,T2,T3)と、前記リールテープ(T1,T2,T3)が巻き回されて前記リールテープ(T1,T2,T3)を保持するフレーム(FR)と、を有するリール(R1,R2,R3)と、
前記フレーム(FR)に保持された状態の前記リールテープ(T1,T2,T3)を内側から照明するバックライト(BL)と、を備え、
前記フレーム(FR)は、短手方向(C)の両側で前記リールテープ(T1,T2,T3)の内面に当接する一対の円環部(21,22)を有し、
前記特定図柄(P1,P6)は、前記背景部(H)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しやすい透光部(P1b,P6b)と、前記透光部(P1b,P6b)の周囲に形成されて、前記透光部(P1b,P6b)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しにくい縁部(P1a,P6a)と、を有し、
前記透光部(P1b,P6b)は、前記一対の円環部(21,22)の両方と重ならないように配置され、
前記縁部(P1a,P6a)は、前記一対の円環部(21,22)のうち少なくとも一方の円環部(21,22)と重なるように配置され、
前記リールテープの前記一方の円環部(21,22)側の端(T1c,T1d)から前記特定図柄(P1,P6)までの前記短手方向(C)における距離(g1,g2,h1,h2)は、1mm以上かつ3mm以下である、ことを特徴とする。
また、遊技機(1)は、帯状に形成され、長手方向(B)に沿って特定図柄(P1,P6)を含む複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)が配置されると共に前記複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)の周囲に背景部(H)が形成されたリールテープ(T1,T2,T3)と、前記リールテープ(T1,T2,T3)が巻き回されて前記リールテープ(T1,T2,T3)を保持するフレーム(FR)と、を有するリール(R1,R2,R3)と、
前記フレーム(FR)に保持された状態の前記リールテープ(T1,T2,T3)を内側から照明するバックライト(BL)と、を備え、
前記フレーム(FR)は、短手方向(C)の両側で前記リールテープ(T1,T2,T3)の内面に当接する一対の円環部(21,22)を有し、
前記特定図柄(P1,P6)は、前記背景部(H)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しやすい透光部(P1b,P6b)と、前記透光部(P1b,P6b)の周囲に形成されて、前記透光部(P1b,P6b)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しにくい縁部(P1a,P6a)と、を有し、
前記透光部(P1b,P6b)は、前記一対の円環部(21,22)の両方と重ならないように配置され、
前記縁部(P1a,P6a)は、前記一対の円環部(21,22)のうち少なくとも一方の円環部(21,22)と重なるように配置され、
前記リールテープの前記一方の円環部(21,22)側の端(T1c,T1d)から前記特定図柄(P1,P6)までの前記短手方向(C)における距離(g1,g2,h1,h2)は、1mm以上かつ前記一方の円環部(21,22)の前記リールテープ(T1,T2,T3)の内面に当接する当接面(21a,22a)の前記短手方向(C)における長さ(j1,j2)未満である、ことを特徴とする。
これにより、第1図柄P1の透光部P1b及び第6図柄P6の透光部P6bを透過するリールバックライト基板BLからの光が第1リム部21及び第2リム部22によって遮られることを防止し、図柄の視認性を向上することが可能となる。また、リールバックライト基板BLからの光が透過しにくい第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aが第1リム部21及び第2リム部22と重なるように配置されているので、第1図柄P1及び第6図柄P6を短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性及びデザイン性を向上することが可能となる。また、リールテープT1に第1図柄P1を印刷する際の第1図柄P1の短手方向Cへのずれを許容しつつ、第1図柄P1を短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性及びデザイン性を向上することが可能となる。
[他の実施形態の可能性]
なお、本実施形態において、リールテープT1〜T3は、背景部Hにおいて背景印刷61とリールバックライト基板BLからの光を遮蔽するための遮光印刷62とが重ねて印刷されているが、これに限定されない。背景部は、透光部よりもバックライトからの光が透過しにくくなっていればよく、例えば、背景印刷のみで形成されていてもよい。
また、本実施形態において、リールテープT1には、最も他端側に配置された1番図柄として、図柄「チェリー」である第2図柄P2が配置されているが、これに限定されない。上述した図柄の形状や配置は一例であり、他の多様な図柄の形状及び配置が考えられる。例えば、最も他端側に配置された図柄は、図柄「7」である第1図柄や図柄「BAR」である第6図柄であってもよいし、背景部よりも光が透過しやすい部分を有していなくてもよいし、図柄印刷が行われている領域の全体に背景印刷及び遮光印刷のいずれか又は両方が重なるように印刷されていてもよく、他の多様な形状や図柄の配置が考えられる。このように、本実施形態のリールテープT1と図柄の配置が異なる場合においては、1番図柄としての第1図柄や第6図柄の縁部は、接着部材と一部が重なるように配置されていてもよいし、1番図柄としての第1図柄や第6図柄の透光部は、接着部材と重ならないように配置されていてもよい。
また、本実施形態において、背景部Hの長手方向Bの一方端T1e、即ち、背景部Hと透明部63との境界は、直線的に形成されているが、これに限定されない。背景部Hの長手方向Bの一方端は、リールフレームに巻き回された状態で、リールテープの他端よりも一方端側に形成されていればよく、例えば、背景部の長手方向の一方端は、一部が長手方向の一方側又は他方側にオフセットされていてもよいし、曲線で形成されていてもよい。
また、本実施形態において、各図柄の印刷(特に縁部P1a,P2aを除く部分)や背景印刷61は、リールバックライト基板BLからの光を透過する塗料によって行われているが、これに限定されない。各図柄や背景印刷が行われている領域をバックライトからの光が透過可能であればよく、例えば、各図柄の印刷や背景印刷61が光を透過しにくい塗料の微小なドット(網点)の集合によって行われている印刷であってもよい。
また、本実施形態において、第1図柄P1と第6図柄P6とは、形状及び縁部以外の色が異なるように形成されているが、これに限定されない。第1図柄と第6図柄とは、少なくとも外観が異なっていればよく、例えば、第1図柄と第6図柄とは、形状が同一で色のみが異なっていてもよいし、大きさのみが異なっていてもよい。
また、本実施形態において、第1図柄P1の縁部P1aと第6図柄P6の縁部P6aとは、同一色となるように形成されているが、これに限定されない。例えば、第1図柄の縁部と第6図柄の縁部とは、互いに異系色となるように形成されていてもよい。なお、異系色とは、互いに類似しない色であり、例えば、色相、彩度、明度のうち少なくとも1つが互いに大きく異なる色、補色関係にある色、有彩色に対する無彩色、光沢度が異なる色(黒に対する銀色、黒に対する金色等)が含まれる。具体的には、異系色とは色差(ΔE*ab)が大きい色であり、好ましくは、色差が5.0以上、より好ましくは、10以上となる色である。
このような遊技機(1)は、帯状に形成され、長手方向(B)に沿って複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)が配置されると共に前記複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)の周囲に背景部(H)が形成されたリールテープ(T1,T2,T3)と、前記リールテープ(T1,T2,T3)が巻き回されて前記リールテープ(T1,T2,T3)を保持するフレーム(FR)と、を有するリール(R1,R2,R3)と、
前記フレーム(FR)に保持された状態の前記リールテープ(T1,T2,T3)を内側から照明するバックライト(BL)と、を備え、
前記フレーム(FR)は、短手方向(C)の両側で前記リールテープ(T1,T2,T3)の内面に当接する一対の円環部(21,22)を有し、
前記複数の図柄(P1,P2,P3,P4,P5,P6)には、第1特定図柄(P1)、及び前記第1特定図柄(P1)とは形状が異なる第2特定図柄(P6)を含み、
前記第1特定図柄(P1)及び前記第2特定図柄(P6)は、前記背景部(H)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しやすい透光部(P1b,P6b)と、前記透光部(P1b,P6b)の周囲に形成されて、前記透光部(P1b,P6b)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しにくい縁部(P1a,P6a)と、をそれぞれ有し、
前記第1特定図柄(P1)及び前記第2特定図柄(P6)の透光部(P1b,P6b)は、前記一対の円環部(21,22)の両方と重ならないように配置され、
前記第1特定図柄(P1)及び前記第2特定図柄(P6)の縁部(P1a,P6a)は、互いに異系色となるように形成され、それぞれ前記一対の円環部(21,22)のうち少なくとも一方の円環部(21,22)と重なるように配置されている、ことを特徴とする。
これにより、第1図柄P1の透光部P1bを透過するリールバックライト基板BLからの光が第1リム部21及び第2リム部22によって遮られることを防止し、図柄の視認性を向上することが可能となる。また、リールバックライト基板BLからの光が透過しにくい第1図柄P1の縁部P1a及び第2図柄P2の縁部P2aが第1リム部21及び第2リム部22と重なるように配置されているので、第1図柄P1及び第6図柄P6を短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性及びデザイン性を向上することが可能となる。また、第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aが異系色となるように形成されているため、第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aを区別しやすくして、視認性を向上することが可能となる。
また、このように第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aが異系色となるように形成されている場合においても、第1図柄と第6図柄とは、形状が同一で色のみが異なっていてもよいし、大きさのみが異なっていてもよい。