以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UDおよび前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図3参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
第1リールR1~第3リールR3はそれぞれ、外周面に図示しない帯状のリールテープが巻き付けられており、このリールテープの外周面に上述した複数種類の図柄が配列されている。図2は、リールテープ60をリールテープ支持部61に貼り付けた状態を示している。リールテープ60は、光の透過率が高い図柄の内側部分412と、光の透過率が図柄の内側部分412よりも低い図柄以外の部分64,65と、光の透過率がさらに低い図柄の外側部分411とを有している。なお、図柄以外の部分65はリールテープ支持部61上に位置するリールテープ60の部分である。また、リールテープ60の背面側には、当該リールテープを背面側から照明するLEDを有するバックライト(不図示)が設けられている。
また、リールテープ60には、上述した複数種類の図柄のうち、一般図柄(リプレイ、ベル等)に比べて左右方向の長さが長い特別図柄401(青7、白7、BAR等)が設けられている。この特別図柄401は、図柄の外周部に形成され、光の透過率が低い非透光部(図柄の外側部分)411(低透光部)(高遮光部)と、非透光部411の内側に形成され、光の透過率が高い透光部(図柄の内側部分)412(高透光部)(低遮光部)とを有している。非透光部411は、例えば有色不透明であり、黒色等である。透光部412は、例えば有色透明であり、赤色等である。なお、非透光部411は、透光部412に比べて相対的に透過率が低く設定されていればよく、必ずしも光を完全に遮断するものでなくてもよいが、遊技者から見て実質的に透光性を有していないと感じられる程度に透過率が低いことが望ましい。
ここで、説明のために、リールテープ60の左端から約5mm内側(右側)の線を線V1とし、リールテープ60の右端から約5mm内側(左側)の線を線V2とする。透光部412は、その端部(左端および右端)(角部)が、線V1および線V2の内側となるように設けられている。換言すると、透光部412は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部61と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重ならない位置となるように設けられている。これにより、リールテープ60の背面側に設けられたLED(上記したバックライトが有するLED)からの光がリールテープ支持部61によって遮られ、透光部412の端部(左端および右端)(角部)が陰ってしまい、視認性が低下するのを防止できる。
一方、非透光部411は、その端部(左端および右端)(角部)が線V1および線V2の外側となるように設けられている。換言すると、非透光部411は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部61と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重なる位置となるように設けられている。なお、非透光部411における左右方向のいずれか一方の端部(左端および右端)(角部)が、リールテープ支持部61と重なる位置となるように設けられていてもよい。
このように構成することで、遊技性を向上させる観点等から視認性を向上させたい特別図柄401を可能な限り大きく表示できるとともに、特別図柄401における照明を要する箇所(すなわち透光部412)には確実に光が到達し、特別図柄401の視認性の低下を防止できる。
リールテープ支持部61は樹脂で形成されている。当該樹脂が黒色等の不透明(透光性を有しない)のものである場合、内側からの光がリールテープ支持部61によって遮られるため、透光部412をリールテープ支持部61と重ならない位置に設けることが特に有効となる。なお、樹脂が透明(無色透明または有色透明)(透光性を有する)の場合であっても、リールテープ支持部61によって光の透過量が減少することとなるため、透光部412をリールテープ支持部61と重ならない位置に設けることは有効である。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態および停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、いずれの遊技状態においても3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダル(遊技価値)の払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出総数あるいは獲得総数に関する情報、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報(入賞補助に関する情報)の表示等の各種遊技情報が表示される。
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯および消灯することで、内部抽選で当選した役がどの役であるか遊技者が推測できるような報知表示が実行される。
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置(演出装置)330が設けられている。表示装置330は、例えば7インチ以上の液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示画面330aにて表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBTおよび規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3およびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作またはマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1~ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングおよび解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図3は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250およびリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340および主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。遊技制御手段10の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190、有利期間制御手段200Aおよび指示機能状態制御手段200Bを含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態のスロットマシン1では、収納箱BX内に収められた電源装置に設けられている設定変更スイッチ250を構成するキーシリンダに、設定キーが挿入されて時計回り(または反時計回り)に設定キーが回された状態で、電源装置のスイッチが作動し電源装置に電力が供給されたことを設定の変更を許可する条件(設定変更許可条件)としている。設定変更手段100は、設定変更許可条件が成立している場合に、スロットマシン1を設定の変更を許可する状態(設定変更許可状態)に制御する。
設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられているリセットスイッチ260からの入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートスイッチ230の作動が設定を確定させる条件とされており、スタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBTまたはマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物または役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物または役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物または役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
図4および図5は、遊技状態が非RT状態~RT3状態、ボーナス成立状態、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」と記載)が作動した状態であるRBB作動状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルFを示す図である。図4および図5に示すように、遊技状態が非RT状態~RT3状態およびボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルEは、小役を含む当選エリアの当選確率が同一に設定されており、小役のみを含む当選エリアとして、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」と、当選エリア「共通ベル役」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。
また、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDでは、本実施形態においてボーナスとして用意されているRBBに当選する当選エリアである当選エリア「RBB」が抽選対象として設定されている。一方、RBBに当選した場合に移行する遊技状態であるボーナス成立状態において選択される内部抽選テーブルEでは、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDにおいて当選エリア「RBB」に対応付けられていた乱数がハズレ(不当選)に対応付けられている。そして、遊技状態がRBB作動状態である場合に選択される内部抽選テーブルFは、小役を含む当選エリアとして当選エリア「JAC」に乱数が対応付けられている。
図6(A)は、非RT状態~RT3状態とボーナス成立状態とにおいて当選可能な当選エリアのうち小役のみを含む当選エリアを示す図である。図6(A)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態~RT3状態およびボーナス成立状態において入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベル、特殊小役1~特殊小役3、レア役および取りこぼし役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」が設定されている。
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1~打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が最初に有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第1停止操作とも記載し、第1リールR1~第3リールR3のうち、第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応した1つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第2停止操作とも記載し、第1リールR1~第3リールR3のうち第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールと第2停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールとの2つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第3停止操作とも記載する。
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」は、ベル(特定役)と、特殊小役1~特殊小役3のうちいずれか1種類と、が重複して当選する当選エリア(特定当選エリア)である。ここで、ベルは、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時に適切な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順1または打順2でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、特殊小役1~特殊小役3は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時にベルを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞可能な入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順3~打順6のいずれかの打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞する。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時にベルを入賞させることができない打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ特殊小役1~特殊小役3を入賞させることができない押下タイミングで各ストップボタンが押下操作された場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)が発生し、リール制御手段130によるリール停止制御によって有効ラインL1上に、いずれの役の入賞形態とも異なる図柄組合せである取りこぼし目が表示される。また、以下の記載において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時にベルを入賞させることができる打順を、正解打順とも記載する。また、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時にベルを入賞させることができない打順を、不正解打順とも記載する。
当選エリア「共通ベル役」は、ベルに当選し、打順および押下タイミングによらずベルが入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、打順および押下タイミングによらずレア役を入賞可能に構成されており、他の小役を含む当選エリアよりも当選する確率が低くなるように構成されている。また、当選エリア「取りこぼし役」は、取りこぼし役に当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に取りこぼし役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが取りこぼし役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
ベルの配当は、規定投入数よりも多い枚数の払出数(例えば8枚)に設定されている。レア役の配当は、規定投入数と同数の払出数(例えば3枚)に設定されている。特殊小役1~特殊小役6および取りこぼし役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。
図6(B)は、RBB作動状態において当選可能な小役の当選エリアを示す図である。図6(B)に示すように、JACは、ベル、特殊小役1~特殊小役3、レア役および取りこぼし役の、非RT状態~RT3状態およびボーナス成立状態において当選可能な小役のすべてに重複して当選する当選エリアである。
本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「JAC」に当選した場合、リール制御手段130によるリール停止制御において、入賞時の払出数が最も多いベルが他の役に優先して入賞するように第1リールR1~第3リールR3を制御する。これにより、当選エリア「JAC」に当選した場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順および押下タイミングによらずベルが入賞する。
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。図4および図5に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「通常リプレイ2」と、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
当選エリア「通常リプレイ1」は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルEのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順および押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルEのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイと、通常リプレイとは入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」とも記載)が他のリプレイとは異なる特殊リプレイ1と、に当選し、打順および押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「レアリプレイ」は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルEのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、レアリプレイに当選し、打順および押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レアリプレイ」は、各内部抽選テーブルにおいて当選可能なリプレイを含む当選エリアのいずれの当選エリアよりも当選確率が低くなるように設定されている。
当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」は、遊技状態がRT1状態である場合に選択される内部抽選テーブルBにおいて設定されている当選エリアであり、RT2移行リプレイと、RT3移行リプレイと、に重複して当選し、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」のそれぞれに設定された打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合にはRT2移行リプレイが入賞し、それ以外の打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合にRT3移行リプレイが入賞する。
また、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」は、それぞれ重複当選する役が異なる当選態様となるように、入賞図柄組合せが他のリプレイとは異なる特殊リプレイ1~特殊リプレイ5といったリプレイと図6(C)に示す組合せで重複当選または特殊リプレイ1~特殊リプレイ5を含まないように構成されている。なお、後述するリール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で特殊リプレイ1~特殊リプレイ5を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3がいずれの打順および押下タイミングで押下操作された場合にも、特殊リプレイ1~特殊リプレイ5の入賞図柄組合せが表示されないようにリール停止制御を実行するように構成されている。
本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191に記憶されている設定値に応じて、当選エリア「通常リプレイ2」の当選確率が変更されるように構成されており、当選エリア「RBB」と、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」と、当選エリア「共通ベル役」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「レアリプレイ」と、は設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率に変化が生じないように構成されている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役およびリプレイは、後者の持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径および回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1~ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
このため、スロットマシン1では、上述したベルや各リプレイのようなストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な役の入賞図柄組合せを構成する図柄が、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれにおいて、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに表示可能な範囲内に配列されている。
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(またはウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1~第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ~4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態が非RT状態~RT3状態、ボーナス成立状態、RBB作動状態である場合、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。本実施形態において、上述した通り、規定投入数よりも多い払出数に設定されているベルの配当は、9枚に定められている。また、規定投入数と同数の払出数に設定されているレア役の配当は、3枚に定められている。また、規定投入数よりも少ない払出数に設定されている特殊小役1~特殊小役6、取りこぼし役の配当は、いずれも1枚に定められている。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段(有利状態制御手段)170は、非RT状態~RT3状態の間で移行させるRT状態移行制御処理と、内部抽選手段120による内部抽選でRBBが当選した場合に現在の遊技状態からボーナス成立状態に移行させるボーナス成立状態移行制御処理と、リール制御手段130によるリール停止制御によってRBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、有効ラインL1上に表示されたボーナスを作動させるとともに遊技状態をRBB作動状態に移行させるボーナス状態移行制御処理と、の遊技状態移行制御を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
図7は、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。なお、以下の記載において、非RT状態~RT3状態をまとめて「非ボーナス状態」とも記載する。また、以下の記載において、RBB作動状態を「ボーナス状態」とも記載する。
図7に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、非RT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかが当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3が不正解打順で押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3が特殊小役1~特殊小役3を入賞させることができない押下タイミングで押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイおよびボーナスのいずれの役の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1上に表示された場合にRT1状態へ移行する。非RT状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定された内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
RT1状態は、非RT状態と、RT2状態と、から移行可能な通常の状態に相当する遊技状態で、RT1状態からはRT2状態とRT3状態とへの移行が可能となっている。具体的には、RT1状態において、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、かつRT2移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、RT2状態に移行し、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、かつRT3移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT3移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、RT3状態に移行する。RT1状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
RT2状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RT2状態からは、RT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT2状態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかが当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3が不正解打順で押下操作され、かつストップボタンB1~ストップボタンB3が特殊小役1~特殊小役3を入賞させることができない押下タイミングで押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイおよびボーナスのいずれの役の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1上に表示された場合にRT1状態に移行する。RT2状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.5に設定されることで、小役、リプレイまたはボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
なお、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態がRT2状態と異なる他の状態からRT2状態に初めて移行した場合には、RT2状態に滞在していることを示すRT2フラグをOFF状態からON状態に設定する。また、RT2フラグをON状態に設定している状態で他の状態に移行させた場合には、RT2フラグをOFF状態に設定する。なお、RT2フラグは、記憶手段190に記憶されている。
RT3状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT3移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、RT3状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170によって、予め定められた所定の遊技回数に対応する値(本実施形態では255ゲーム)が記憶手段190の遊技回数カウンタ(不図示)にセットされ、1回の遊技が行われるごとに、遊技回数カウンタの記憶する値(以下、各カウンタの記憶する値を「記憶値」とも記載)から1回分の遊技に相当する一定値(例えば、「1」)を減算するデクリメント更新が行われる。RT3状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RT3状態において、255ゲームの遊技が実行され遊技回数カウンタに記憶されている値が0になった場合に非RT状態に移行する。RT3状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態~RT3状態の間で遊技状態を遷移させることで、各遊技状態で異なる遊技性を実現している。具体的には、本実施形態のスロットマシン1は、通常の遊技が実行される非RT状態、RT1状態およびRT3状態において、小役、リプレイ、ボーナスのいずれかに当選するかまたはいずれの役にも当選しない不当選(ハズレ)となる構成となっている。
また、リプレイに当選する確率が約1/1.5と高確率に設定されているRT2状態においては、当選エリア「通常リプレイ1」や当選エリア「通常リプレイ2」等のリプレイを含む当選エリアに当選する確率が高くなっており、後述する有利期間制御手段(有利状態制御手段)200Aによって有利期間が開始され、指示機能状態制御手段(有利状態制御手段)200Bによって特定役の入賞を補助する入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)が開始されることで、AT状態における遊技が他の遊技状態よりもリプレイに高確率で当選するRT2状態で実行される、いわゆるアシストリプレイタイム遊技(以下、アシストリプレイタイムを「ART」とも記載)を実行することができる構成となっている。つまり、遊技状態移行制御手段(有利状態制御手段)170が遊技状態をRT2状態に制御するとともに、指示機能状態制御手段200Bが指示機能状態をAT状態にすることにより、アシストリプレイタイム状態(ART状態)(有利状態)を実現しており、この状態で行われる遊技がART遊技となる。なお、本実施形態例では、ART遊技はセット単位で付与されるようになっており、1セットのART遊技の回数は50回に設定されている。ただし、1セットのART遊技の回数はこの値に限られることなく、適宜変更可能である。
RT2状態においてAT状態が実行されることで、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時に、正解打順を報知することで規定投入数よりも多い枚数の配当が設定されたベルの入賞を補助し、メダルを遊技者に獲得させることができる。このように、RT2状態は、指示機能状態制御手段200BによりAT状態が実行されることで、RBBの非作動中において他の遊技状態よりも有利になる遊技状態となっているとともに、非RT状態、RT1状態およびRT3状態よりも高いリプレイの当選確率でリプレイに当選可能な遊技状態となっている。
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御のうちボーナス成立状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、内部抽選でボーナスを含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を現在の遊技状態からボーナス成立状態へ移行させるボーナス成立状態移行制御処理を実行する。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、例えば非RT状態での内部抽選において当選エリア「RBB」、つまりボーナスを含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を非RT状態からボーナス成立状態に移行させる。
また、スロットマシン1では、ボーナスを含む当選エリアに当選し、かつ当選したボーナスが入賞しなかった場合、上述したように、当選したボーナスの抽選フラグが成立状態で維持される。スロットマシン1は、ボーナスが入賞するまでの以降の遊技において、ボーナスの抽選フラグが成立状態で持ち越されているボーナス成立状態での遊技が実行される。ボーナス成立状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選で小役、リプレイまたはボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されているRT2状態よりもリプレイの当選確率が低い内部抽選テーブルを用いて内部抽選が実行されるように構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で小役またはリプレイに当選した場合に、ボーナスの抽選フラグが成立状態で持ち越されていることから、小役とボーナスまたはリプレイとボーナスが重複して当選した状態となる。また、上述した通り、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが適切である場合に入賞する特殊小役1~特殊小役3、取りこぼし役の当選時において、当選した特殊小役1~特殊小役3を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に取りこぼし目が表示され、取りこぼし役を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態のリプレイの当選確率をRT2状態におけるリプレイの当選確率よりも低くなるように設定し、内部抽選でハズレ(不当選)となり得るように構成することで、ボーナスに単独で当選した状態が発生し得るように構成されている。これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選でハズレ(不当選)となった際に、抽選フラグが成立状態にセットされ続けているボーナスを入賞させることができるようになる。
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御のうちボーナス状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりRBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、ボーナス状態移行制御処理として、RBBを作動させるとともに遊技状態をボーナス成立状態からRBB作動状態へ移行させる。
RBB作動状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、記憶手段190の有するカウンタであるボーナス終了判定カウンタ(不図示)へ値を加算する処理を開始する。本実施形態のRBB作動状態は、第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスを「RB」と記載)の入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するように構成されている。RBB作動状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RBB作動状態において、323枚を超えるメダルの払い出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値(本実施形態では値「324」)に到達した場合に、作動しているRBBを終了するとともに、遊技状態を非RT状態に移行する。RBB作動状態では、小役の当選エリアとして当選エリア「JAC」が設定され、極めて高い確率で当選エリア「JAC」に当選するように設定された内部抽選テーブルFを参照した内部抽選が行われる。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプおよびLEDの点灯あるいは点滅、表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。本実施形態では、ART状態においては、演出状態をRUSHモードに移行させ、このRUSHモードに対応した演出を表示装置330等に実行させる。そして、ART状態(有利状態)が終了する終了遊技において、後述するRUSH終了画像(図9参照)を表示装置330に表示させる制御を行い、ART状態が終了することを報知するART終了演出を実行するように制御する。詳細は後述するが、ART終了演出においては、ART状態で獲得したメダルの獲得総数に関する情報(遊技価値に対する成果に関する情報)等が表示可能となっている。
なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段197に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
また、本実施形態の演出制御手段180は、遊技状態移行制御手段170によってボース状態が開始された場合に、ボーナス状態においてスロットマシン1が払い出したメダルの枚数(払出数)を、記憶手段190に設けられたカウンタでありボーナス状態においてスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を計数するカウンタである第1枚数カウンタ201aによって計数する。そして、演出制御手段180は、ボーナス状態が終了する遊技において、第1枚数カウンタ201aの記憶値が第1の値(本実施形態では値「51」)以上である場合に、ボーナス状態が終了することを報知するボーナス終了演出を表示装置330等にて実行するように制御する。なお、演出制御手段180は、ART状態中にボーナス状態が開始された場合にも、ボーナス状態が終了する遊技において、ボーナス終了演出を表示装置330にて実行するよう制御する。
また、演出制御手段180は、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態がRT2状態に制御され、かつ後述する指示機能状態制御手段200Bによって指示機能状態がAT状態に制御されることでART状態が開始された場合に、ART状態におけるスロットマシン1が払い出したメダルの枚数と遊技者が投入したメダルの枚数との差分(差枚数)を、記憶手段190に設けられたカウンタでありART状態においてスロットマシン1が払い出したメダルの枚数と遊技者が投入したメダルの枚数との差分を計数するカウンタである第2枚数カウンタ201bによって計数する。
ここで、演出制御手段180は、例えばART状態中にボーナスが作動した場合、該ボーナスの作動中におけるメダルの払出数を第1枚数カウンタ201aによって計数し、該ボーナス作動中におけるメダルの差枚数を第2枚数カウンタ201bによって計数する。また、演出制御手段180は、ART状態中にボーナスが作動し、その後ボーナスが終了することで遊技状態移行制御手段170によって遊技状態が非RT状態に移行された場合に、遊技状態についてはRT2状態よりもリプレイの当選確率が低い非RT状態に移行しているものの、指示機能状態についてはAT状態が継続していることから、ART状態が一時的に中断されているものの終了していないものと判定し、AT状態が終了するまで第2枚数カウンタ201bによるメダルの差枚数の計数を継続する。
つまり、演出制御手段180は、一度ART状態を開始した場合、少なくともAT状態が終了するまでの間、遊技状態がRT2状態から他の遊技状態に移行した場合にも、ART状態が継続していると判定するように構成されている。この、一度ART状態が開始された場合に途中でボーナスが作動および終了する等、途中で遊技状態の遷移が行われる場合も含め、ART状態が開始されてからAT状態が終了されるまでの状態、つまり遊技が実行されることでメダルの払い出しに関して遊技者にとって不利な状態である通常非AT状態が開始されるまでの状態が、一連のART状態を構成する。
また、本実施形態の演出制御手段180は、ART終了演出およびボーナス終了演出が実行される遊技において、遊技者に遊技の継続に対して注意を喚起する表示であり、遊技者の遊技へののめり込みを防止する表示である注意喚起に関する情報(のめり込み防止に関する情報)等を表示装置330に表示可能に制御する。ART終了演出に係る制御処理の詳細については後述する。
有利期間制御手段(有利状態制御手段)200Aは、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を実行する。有利期間制御手段200Aは、有利期間と非有利期間との間での移行に係る制御として、非有利期間内における遊技において、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率が変動せず、かつ非RT状態~RT3状態のいずれの遊技状態である場合にも当選可能な当選エリア、つまり設定差がない当選エリアのうち、当選エリア「RBB」に当選した場合に、非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行する。
有利期間抽選において、有利期間制御手段200Aは、まず、有利期間制御データ記憶手段198から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利期間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利期間移行抽選テーブルを取得する。そして、有利期間制御手段200Aは、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利期間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、遊技状態がRBB作動状態に移行し次第有利期間を開始するか否かを決定する。なお、有利期間制御データ記憶手段198には、有利期間制御手段200Aが有利期間内において実行する所定の制御処理でON状態またはOFF状態にセットする各種フラグも格納されている。
有利期間制御手段200Aは、有利期間を終了する条件が成立した際に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始するとともに、有利期間内において設定した各種フラグ、数値等を初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを点灯させ、非有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを消灯させる。
また、有利期間制御手段200Aは、設定値記憶手段191に記憶される設定値によって内部抽選における当選確率が変更される当選エリアの当選時において、有利期間の開始および終了に係る処理の実行を規制するように構成されているとともに、後述する指示機能状態制御手段200Bについて、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む指示機能に係る状態である複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理等の指示機能の作動に係る処理以外の処理(指示機能処理)を、設定値に関連する情報を参照して実行しないように構成されている。このように構成されることにより、スロットマシン1は、設定値記憶手段191に記憶される設定値によって遊技性に著しい差が生じてしまい、過度な射幸性が生まれてしまうことを防ぐことができる。
指示機能状態制御手段(有利状態制御手段)200Bは、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に、特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理(入賞補助制御)と、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理等の指示機能の作動に係る処理以外の処理(指示機能処理)と、を含む指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。本実施形態のスロットマシン1では、指示機能状態制御手段200Bによるアシストタイム制御において用いるプログラムデータやデータテーブル、カウンタ、ON状態またはOFF状態にセットする各種フラグが、記憶手段190の指示機能状態制御データ記憶手段199に記憶されている。本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、指示機能作動処理として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1~ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
ここで、入賞補助制御の対象になる当選エリアは、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」と、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」と、が含まれる。また、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる役(特定役)は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時のベル、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時のRT2移行リプレイである。
また、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態を実行している場合、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合には、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に記憶された「ベルに対応する抽選フラグ、および特殊小役1~3に対応する抽選フラグ」の状態に基づいて、これらの当選エリアに当選したことを示す特定フラグをOFF状態からON状態に設定し、演出制御手段180は、この特定フラグの状態に応じて表示装置330に特定役の入賞を補助する演出である入賞補助演出(所謂打順ナビ)を表示させる制御を行う。なお、上記構成に限られることなく、AT状態を実行している場合に、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合には、演出制御手段180は、内部抽選手段120から送信される当選コマンドに基づき、打順ナビを実行するようにしてもよい。
図8は、本実施形態の有利期間制御手段200Aによって制御される期間と、指示機能状態制御手段200Bによって制御される指示機能状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
図8に示すように、非有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利期間制御手段200Aは、非有利期間における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「RBB」に当選した際に実行される有利期間移行抽選で、「有利期間の開始」に当選するまで非有利期間を継続し、「有利期間の開始」に当選しかつ有利期間移行抽選が実行された遊技でRBBが入賞しなかった場合には、非有利期間を終了し次ゲームから待機期間(待機区間)を開始し、「有利期間の開始」に当選しかつ有利期間移行抽選が実行された遊技でRBBが入賞した場合には、非有利期間を終了し次ゲームから有利期間を開始する。
待機期間は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ有利期間移行抽選において「有利期間の開始」に当選した場合に開始される期間であり、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利期間制御手段200Aは、待機期間における遊技において、RBBが入賞するまで待機期間を継続し、RBBが入賞した場合に待機期間を終了し次ゲームから有利期間を開始する。
有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な期間である。有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した遊技から、有利期間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利期間制御手段200Aによって更新される値を記憶する有利期間終了判定ウンタ(不図示)に、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」を加算し、有利期間終了判定カウンタの記憶値を累積的にインクリメント更新する更新処理を実行し、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり有利期間終了判定カウンタの記憶値が値「1500」になった場合に、有利期間を終了させる条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了させて次ゲームから非有利期間を開始する終了処理を実行する。有利期間制御手段200Aは、終了処理において、有利期間においてON状態にセットした各フラグや有利期間において設定した値等の有利期間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。
また、有利期間制御手段200Aは、有利期間中にRBBに当選した場合に、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能に係る制御のうち入賞補助制御以外の制御を中止させる。有利期間制御手段200Aは、有利期間中にRBBが入賞した場合には、遊技状態がRBB作動状態に移行した遊技から指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御のうちRBBに当選したことに基づき中止した入賞補助制御以外の制御(指示機能処理)を再び実行可能にする。
上述した通り、本実施形態のスロットマシン1においては、当選エリア「RBB」が、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率が変動せず、かつ非RT状態~RT3状態のいずれの遊技状態である場合にも当選可能な当選エリアとして設定されている。このため、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間中におけるRBB作動状態が、設定値記憶手段191に記憶されている設定値によって当選確率が変動しないボーナスの作動に基づき開始される状態であることから、有利期間中におけるRBB作動状態において指示機能に係る制御を実行可能に構成されている。
なお、本実施形態の有利期間制御手段200Aは、遊技状態が非ボーナス状態である場合の他に、ボーナス成立状態、RBB作動状態である場合にも、遊技状態が非ボーナス状態である場合と同様に、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ有利期間終了判定カウンタ記憶値を累積的に加算(更新)する更新処理を実行する。
次に、指示機能状態制御手段200Bによって制御される指示機能状態について説明する。図8に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始された際における指示機能に係る状態(指示機能状態)として、開始時ボーナス状態、通常非AT状態、チャンスゾーン状態(CZ状態)、AT状態、ボーナス待機状態および有利中RBB状態を有している。
開始時ボーナス状態は、有利期間が有利期間制御手段200Aによって開始された場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な状態である。開始時ボーナス状態において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態がRBB作動状態から非RT状態に移行されるまで開始時ボーナス状態を継続し、遊技状態が非RT状態に移行された場合に、開始時ボーナス状態を終了し通常非AT状態を開始する。開始時ボーナス状態において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能に係る制御を実行可能に構成されている。
通常非AT状態は、開始時ボーナス状態が終了した場合に開始される状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な状態であり、他の状態が開始されるまで継続する状態である。通常非AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」または当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、指示機能状態をCZ状態へ移行させるか否かを決定する抽選であるCZ抽選において、「CZ状態への移行」に当選した場合に、指示機能状態をCZ状態に移行する。
CZ状態は、通常非AT状態において実行されたCZ抽選で「CZ状態への移行」に当選した場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な状態である。CZ状態において、指示機能状態制御手段200Bは、CZ状態の開始時に記憶手段190のCZ終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、10ゲームの遊技が実行されるまでの間、毎ゲームの実行時に1ゲームに相当する値である値「1」ずつCZ終了判定カウンタの記憶値を減算するとともに、毎ゲーム指示機能状態をAT状態へ移行させるか否かを決定する抽選であるAT抽選を実行するように構成されており、入賞補助制御が実行されるAT状態に移行することができ、通常非AT状態よりも有利な状態となっている。指示機能状態制御手段200Bは、CZ終了判定カウンタの記憶する値が値「0」になるまでにAT抽選によって「AT状態への移行」に当選した場合に、指示機能状態をAT状態に移行する。一方、指示機能状態制御手段200Bは、CZ終了判定カウンタの記憶値が「0」となった遊技におけるAT抽選においても「AT状態への移行」に当選しなかった場合に、CZ状態を終了する。指示機能状態がAT状態に移行することなくCZ状態が終了する場合、有利期間制御手段200Aは、有利期間を終了し終了処理を実行した後に非有利期間を開始する。
AT状態は、CZ状態において実行されるAT抽選において「AT状態への移行」が決定された場合に開始される状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な状態である。AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態の開始時に、ATセットカウンタ201cにAT抽選の結果決定されたAT遊技(ART遊技)のセット回数を設定する。例えば、AT抽選で「AT状態への移行」に3回当選した場合には、ATセットカウンタ201cに値「3」を設定する。また、指示機能状態制御手段200Bは、ATセットカウンタ201cに設定されたセット回数に応じた遊技回数に対応する値をAT終了判定カウンタ201dに設定する。例えば、AT抽選で「AT状態への移行」に3回当選した場合には、150回(=3セット×50回/セット)の遊技回数に対応する値「150」を設定する。そして、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」に当選し、RT2移行リプレイの入賞補助制御を実行した次ゲームから、以降AT状態における毎回の遊技が実行の都度AT終了判定カウンタ201dの値を、1回の遊技に相当する値である値「1」ずつ減算する。
AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時に、入賞補助制御を実行可能に構成されている。上述した通り、本実施形態のスロットマシン1では、入賞補助制御が実行されることで、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時にはベルの入賞する確率が上がるように構成されている。これにより、本実施形態のスロットマシン1では、有利期間においてAT状態が開始され有利期間で実行された遊技回数が1500ゲーム以下である場合、ベルの入賞が補助されることで当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」(特定当選エリア)の当選時にベル(特定役)を入賞させることで、遊技者にメダルを獲得させることができるとともに、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時にベルが入賞することで、リール制御手段130によるリール停止制御によって取りこぼし目が有効ラインL1上に表示されることを防ぎ、遊技状態をRT1状態よりもリプレイの当選確率が高いRT2状態に維持し、一度ART状態を開始した場合にはART状態を維持可能な遊技性を実現可能となっている。
AT終了判定カウンタの記憶値が値「0」になった場合、本実施形態のスロットマシン1においては、指示機能状態制御手段200Bが指示機能状態をAT状態から通常非AT状態に移行する。
次に、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始され、かつ指示機能状態制御手段200Bによって通常非AT状態、CZ状態、AT状態の複数の指示機能状態のいずれかが実行されている状態における遊技で、RBBに当選した場合に移行する指示機能状態であるボーナス待機状態と、当選したRBBが作動した場合に移行する有利中RBB状態と、について説明する。
ボーナス待機状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御のうち入賞補助制御以外の制御(指示機能処理)が実行されない状態である。指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス待機状態における遊技において、RBBが入賞するまでボーナス待機状態を継続し、RBBが入賞した場合には、ボーナス待機状態を終了し次ゲームから有利中RBB状態を開始する。
有利中RBB状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB作動状態であり、かつ有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御が実行可能な状態である。有利中RBB状態において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態がRBB作動状態から非RT状態に移行されるまで有利中RBB状態を継続し、遊技状態が非RT状態に移行された場合に、有利中RBB状態を終了し、内部抽選で当選エリア「RBB」に当選した遊技において制御していた指示機能状態を再開する。
指示機能状態のいずれかを実行している状態における遊技での内部抽選で当選エリア「RBB」に当選した場合、指示機能状態制御手段200Bは、実行中であった指示機能状態についての情報を記憶し、指示機能状態をボーナス待機状態に移行した後に、実行中であった指示機能状態を中断する。指示機能状態についての情報には、例えば、AT状態の実行中における内部抽選で当選エリア「RBB」に当選した場合であれば、AT終了判定カウンタ201dの現在の記憶値が含まれる。
2.ART終了演出の詳細
上述したように、ART終了演出はART状態が終了することを報知する演出であり、このART終了演出では、ART状態が開始されてから通常非AT状態となるまでの期間(以下、特別期間という。)で遊技者が獲得したメダルの獲得総数に応じて、図9(a)に示すようなRUSH終了画像A、および図9(b)に示すようなRUSH終了画像Bのいずれか一方が表示される。
具体的には、RUSH終了画像Aは、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が200枚(所定の閾値)以上であった場合に、ART終了演出が実行される遊技(ART状態が終了する終了遊技)において表示装置330の表示画面330aに表示される。このRUSH終了画像Aは、図9(a)に示すように、特別期間におけるART遊技のセット回数に関する情報であるRUSH回数aと、特別期間で獲得したメダルの獲得総数に関する情報(遊技価値に対する成果に関する情報)を表示する獲得総数b(成果演出)と、注意喚起に関する情報を表示する注意喚起画像c(注意喚起演出)とによって構成されている。なお、図9(a)においては、一例として、RUSH回数aが4回であり、獲得総数bが600枚であった場合が示されている。また、表示画面330aは表示エリアAR1とこの表示エリアAR1の下方に位置している表示エリアAR2とを有しており、表示エリアAR1は表示エリアAR2に比べて大きな領域となっている。そして、RUSH終了画像Aにおいては、表示エリアAR1内にRUSH回数aが表示されるとともに当該RUSH回数aの下方に獲得総数bが表示されており、表示エリアAR2内に注意喚起画像cのみが表示されている。
一方、RUSH終了画像Bは、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が200枚(所定の閾値)未満であった場合に、ART終了演出が実行される遊技(ART状態が終了する終了遊技)において表示装置330の表示画面330aに表示される。このRUSH終了画像Bは、図9(b)に示すように、RUSH回数aと、注意喚起画像cと、所定の文字d(図中では「引き続き遊技をお楽しみ下さい。」)とによって構成されている。なお、図9(b)においては、一例として、RUSH回数aが1回であった場合が示されている。また、RUSH終了画像Bにおいては、表示エリアAR1内にRUSH回数aが表示されるとともに当該RUSH回数aの下方に注意喚起画像cが表示されており、表示エリアAR2内に所定の文字dのみが表示されている。
なお、上記構成では、特別期間で獲得したメダルの獲得総数「200」枚を閾値として、RUSH画像A,Bのいずれか一方が表示されるようになっていたが、この構成に限られることなく、この閾値は適宜変更可能である。また、上記構成では、RUSH終了画像Bにおいて、所定の文字dが表示されていたが、この構成に限られることなく、例えば演出を盛り上げる装飾図柄等を表示してもよい。
以上のように構成されたRUSH終了画像AとRUSH終了画像Bとを比較すると、いずれのRUSH終了画像A,Bも、RUSH回数aと、注意喚起画像cとを含んでいる点で一致している。しかしながら、RUSH終了画像Bは、獲得総数bが表示されていない点でRUSH終了画像Aと異なっている。つまり、RUSH終了画像Aにおいては、200枚(所定の閾値)以上のメダルの獲得総数b(成果演出)が遊技者に対して示される一方で、RUSH終了画像Bにおいては、200枚未満のメダルの獲得総数bは遊技者に対して示されないようになっている。
また、RUSH終了画像Bが注意喚起画像cを表示している位置は、表示エリアAR1内におけるRUSH回数aの下方となっている。つまり、RUSH終了画像AとRUSH終了画像Bとで、注意喚起画像c(注意喚起演出)は異なるエリアに表示されており、RUSH終了画像Bにおいては、上述したように表示エリアAR1内にメダルの獲得総数bを表示しない代わりに、注意喚起画像cを表示するようになっている。
また、RUSH終了画像Bが、所定の文字dを表示している位置は、表示エリアAR2内になっている。つまり、RUSH終了画像Bにおいては、上述したように表示エリアAR1内に注意喚起画像cを表示し、表示エリアAR2内には注意喚起画像cを表示しない代わりに、所定の文字dを表示するようになっている。
次に、本実施形態のART終了演出において実行される処理(ART終了演出処理)の詳細について、図10を参照して説明する。
演出制御手段180は、記憶手段190に記憶されているRT2フラグを参照して、現在滞在している遊技状態がRT2状態であるか否かを判定する(S100-1)。具体的には、RT2フラグがON状態であり、RT2状態に滞在している場合(S100-1でYes)には、ステップS100-2に処理を移す。一方、RT2フラグがOFF状態であり、RT2状態に滞在していない場合(S100-1でNo)には、処理を終了する。
演出制御手段180は、記憶手段190に記憶されているAT終了判定カウンタ201dの値を確認して、今回の遊技はART状態が終了する終了遊技であるか否かを判定する(S100-2)。具体的には、AT終了判定カウンタ201dの値が「1」であり、今回の遊技はART状態が終了する終了遊技である場合(S100-2でYes)には、ステップS100-3に処理を移す。一方、AT終了判定カウンタ201dの値が「1」ではなく、今回の遊技はART状態が終了する終了遊技でない場合(S100-2でNo)には、処理を終了する。
演出制御手段180は、記憶手段190に記憶されている第2枚数カウンタ201bの値を確認して、特別期間(ART状態が開始されてから通常非AT状態となるまでの期間)で獲得したメダルの獲得総数が「200」枚以上であるか否かを判定する(S100-3)。具体的には、第2枚数カウンタ201bの値が「200」以上となっており、獲得総数が「200」枚以上である場合(S100-3でYes)には、RUSH回数a、獲得総数b、および注意喚起画像cを表示する旨の情報を含むコマンド(以下、第1特別コマンドという。)を表示装置330に送信する(S100-4)。一方、第2枚数カウンタ201bの値が「200」未満となっており、獲得総数が「200」枚未満である場合(S100-3でNo)には、RUSH回数a、注意喚起画像c、および所定の文字dを表示する旨の情報を含むコマンド(以下、第2特別コマンドという。)を表示装置330に送信する(S100-5)。なお、RUSH回数aを表示する旨の情報には、AT状態の開始時におけるATセットカウンタ201cの値が含まれており、獲得総数bを表示する旨の情報には、特別期間において計数された第2枚数カウンタ201bの値が含まれている。
表示装置330は、第1特別コマンドまたは第2特別コマンドを受信したことに基づいて、画像表示処理を実行する(S200)。以上により、本実施形態のART終了演出処理が終了する。なお、ART状態が終了する終了遊技においても、通常遊技と同様に内部抽選が実行される。具体的には、内部抽選テーブルC(図3参照)を参照して内部抽選が実行され、当該内部抽選テーブルCに含まれるいずれかの当選エリアに当選するようになっている。これらの当選エリアのうち当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合については、後述の変形例にて説明する。
次に、本実施形態の画像表示処理(図9のS200)の詳細について、図9および図11を参照して説明する。
表示装置330は、第1特別コマンドを受信したか否かを判定する(S200-1)。第1特別コマンドを受信した場合(S200-1でYes)には、RUSH回数a、獲得総数b、および注意喚起画像cを含む画像を表示して、処理を終了する。このとき、表示装置330の表示画面330aにおいては、図9(a)に示すRUSH終了画像Aが表示され、RUSH回数a、獲得総数b、および注意喚起画像cが同時期に表示される。一方、第1特別コマンドを受信しなかった場合(S200-1でNo)には、ステップS200-3に処理を移す。
表示装置330は、第2特別コマンドを受信したか否かを判定する(S200-3)。第2特別コマンドを受信した場合(S200-3でYes)には、RUSH回数a、注意喚起画像c、および所定の文字dを含む画像を表示して、処理を終了する。このとき、表示装置330の表示画面330aにおいては、図9(b)に示すRUSH終了画像Bが表示され、RUSH回数a、注意喚起画像c、および所定の文字dが同時期に表示される。一方、第2特別コマンドを受信しなかった場合(S200-3でNo)には、処理を終了する。
なお、表示装置330は、ART状態が終了する終了遊技において、ストップボタンの第3停止操作後の所定のタイミングにて、RUSH終了画像A,Bのいずれか一方を表示するようにしている。
また、本実施形態では、RUSH終了画像Aを表示する場合には、RUSH回数a、獲得総数b、および注意喚起画像cを同時期に表示し、RUSH終了画像Bを表示する場合には、RUSH回数a、注意喚起画像c、および所定の文字dを同時期に表示するように構成していたが、この構成に限られることなく、RUSH回数a、獲得総数b、注意喚起画像c、および所定の文字dを表示する時期は任意に設定することができる。例えば、RUSH終了画像Aを表示する場合には、RUSH回数aと獲得総数bを同時期に表示した後に、注意喚起画像cを表示するようにしてもよいし、注意喚起画像cを表示した後に、RUSH回数aと獲得総数bを同時期に表示するようにしてもよい。なお、「同時期」とは、必ずしも同一のタイミングに限られず、遊技者が表示装置330の表示画面330aを目視したときに、同じタイミングであると認識できる範囲内であれば、表示タイミングが若干異なっていてもよい。
<本実施形態の効果>
このように、本実施形態では、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が200枚(所定の閾値)以上であった場合には、表示装置(演出装置)330の表示画面330aにてRUSH終了画像Aを表示し、このRUSH終了画像Aにおける表示エリアAR1内に獲得総数b(成果演出)を表示するようになっている。一方、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が200枚未満であった場合には、表示装置330の表示画面330aにてRUSH終了画像Bを表示し、このRUSH終了画像Bでは獲得総数b(成果演出)を表示しないようになっている。これにより、メダルの獲得総数bが多かった場合には、遊技者にその獲得総数bを確実に認識させ、特別期間における遊技結果に満足感を抱かせることができる。一方、メダルの獲得総数bが少なかった場合には、遊技者にその獲得総数bを敢えて認識させることなく、特別期間における遊技結果に不快感を抱かせ難くすることができる。
また、RUSH終了画像Aが表示される場合には、RUSH回数aおよび獲得総数bの表示と同時期に、注意喚起画像c(注意喚起演出)がRUSH終了画像Aの表示エリアAR2内に表示される。一方、RUSH終了画像Bが表示される場合には、RUSH回数aおよび所定の文字dの表示と同時期に、注意喚起画像cがRUSH終了画像Bの表示エリアAR1)内に表示される。これにより、RUSH終了画像Bでは、表示エリアAR1内に獲得総数bが表示されない代わりに、注意喚起画像cを表示することにより、獲得総数bが表示されなかった違和感を遊技者に与えることを防止することができる。なお、RUSH終了画像Bでは、表示エリアAR2内に注意喚起画像cが表示されない代わりに、所定の文字dを表示することにより、注意喚起画像cが表示されなかった違和感を遊技者に与えることを防止することも可能である。
また、遊技状態移行制御手段170による作動しているボーナス状態の終了や、遊技状態移行制御手段170および指示機能状態制御手段200BによるART状態が終了する終了遊技において、遊技者に遊技の継続に対して注意を喚起する表示である注意喚起画像cを表示することで、遊技者が過度に遊技に没頭する、いわゆるのめり込みに対して注意を喚起し、遊技者が遊技にのめり込んでしまうことを防ぐことができる。
<各種変形例>
上述したように、ART状態が終了する終了遊技では遊技状態がRT2状態に滞在しているため、内部抽選手段120は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」(特定当選エリア)が内部抽選の対象となっている内部抽選テーブルC(図3参照)を参照して内部抽選を実行する。そして、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合には、ART終了演出において、入賞補助演出(打順ナビ)が表示装置330に表示させる制御が行われることになる。そこで、以下においては、ART状態が終了する終了遊技において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合におけるART終了演出処理について、図12~図20を参照して説明する。
変形例1
本変形例1では、ART状態が終了する終了遊技において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合に、特別期間で獲得したメダルの獲得総数(第1態様の成果演出)と打順ナビ(入賞補助演出)とを同時期に表示装置330に表示させ、さらに打順ナビに従って遊技者がストップボタンB1~B3の停止操作を行ったことにより、ベル(特定役)が入賞した場合には、ベルの入賞に基づいて獲得数が加算されて更新された獲得総数(第2態様の成果演出)を表示させるようにしている。以下、本変形例1のART終了演出処理の詳細について、図12を参照して説明する。なお、図12のステップS120-1およびステップS120-2は、上記実施形態と重複するので、その説明を省略する。
図12に示すように、指示機能状態制御手段200Bは、ART状態が終了する終了遊技において、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選したか否かを判定する(S120-3)。この場合、指示機能状態制御手段200Bは、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に記憶された「ベルに対応する抽選フラグ、および特殊小役1~3に対応する抽選フラグ」の状態を確認する。そして、ベルに対応する抽選フラグと、特殊小役1~3のいずれかに対応する抽選フラグとが重複してON状態となっている場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選したと判定し(S120-3でYes)、記憶手段190に記憶された特定フラグをON状態に設定する(S120-4)。一方、それ以外の場合(S120-3でNo)には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選していないと判定し、特定フラグをON状態とすることなく(OFF状態のままにして)、ステップS120-5に処理を移す。なお、ステップ120-4の処理で、特定フラグがON状態に設定された場合には、ART終了演出処理の終了の際に、ON状態に設定された特定フラグをOFF状態に設定する。
演出制御手段180は、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が「200」枚以上であったか否かを判定する(S120-5)。獲得総数が「200」枚以上であった場合(S120-5でYes)には、特定フラグに関する情報を含むコマンドと、RUSH回数および獲得総数を表示する旨の情報を含むコマンド(以下、第3特別コマンドという。)と、を表示装置330に送信する(S120-6)。一方、獲得総数が「200」枚未満であった場合(S120-5でNo)には、特定フラグに関する情報を含むコマンドと、RUSH回数を表示する旨の情報を含むコマンド(以下、第4特別コマンドという。)と、を表示装置330に送信する(S120-11)。なお、特定フラグに関する情報とは、上記ステップS120―3の処理において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選していた場合(S120-3でYes)には、特定フラグがON状態となっていることを示す情報であり、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選していなかった場合(S120-3でNo)には、特定フラグがOFF状態となっていることを示す情報である。
演出制御手段180は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選したことに基づいてベルが入賞したか否かを判定する(S120-7)。ベルが入賞した場合(S120-7でYes)には、ステップ120-8に処理を移す一方で、ベルが入賞しなかった場合(S120-7でNo)には、ステップS120-10に処理を移す。
演出制御手段180は、現在の獲得総数に、ベルの入賞に基づく獲得数を加算して更新する。具体的には、ベルの入賞に基づいて記憶手段190の第2枚数カウンタ201bに「6(=9―3)」を現在の獲得総数に加算して更新する(S120-8)。その後、更新された獲得総数を表示する旨の情報を含む更新コマンドを表示装置330に送信する(S120-9)。
演出制御手段180は、注意喚起画像を表示する旨の情報を含むコマンドを表示装置330に送信する(S120-10)。
表示装置330は、上記した各種のコマンドを受信したことに基づいて、画像表示処理を実行する(S300)。以上により、本変形例1のART終了演出処理が終了する。
次に、本変形例1の画像表示処理(図12のS300)の詳細について、図13および図14を参照して説明する。
表示装置330は、第3特別コマンド(RUSH回数および獲得総数を表示する旨の情報を含むコマンド)を受信したか否かを判定する(S300-1)。第3特別コマンドを受信した場合(S300-1でYes)には、ステップS300-2に処理を移す。一方、第3特別コマンドを受信しなかった場合(S300-1でNo)には、ステップS300-6に処理を移す。
表示装置330は、特定フラグの状態に応じて打順ナビ(入賞補助演出)を表示可能にするとともに、RUSH回数およびメダルの獲得総数(第1態様の成果演出)を表示装置330にて表示する(S300-2)。ここで、特定フラグがON状態である場合には、打順ナビを表示することにより、ベルが入賞可能となるストップボタンB1~B3の正解打順に関する情報を表示装置330に表示する。このとき、図14(a)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR1内にRUSH回数aおよび獲得総数bが表示され、表示エリアAR2内に打順ナビeが表示されるとともに、これらRUSH回数aおよび獲得総数b(第1態様の成果演出)の表示と、打順ナビe(入賞補助演出)の表示とが同時期に行われる。なお、図14(a)においては、打順ナビeは、ストップボタンB1~B3を模した3つの円形図柄内に左方から順に「2」、「3」、「1」の数字が表示されており、ストップボタンB3を第1停止操作し、ストップボタンB1を第2停止操作し、ストップボタンB2を第3停止操作することを報知している。また、このとき、複数のリールR1~R3は回転中であり、つまり、停止する前に相当している。一方、特定フラグがOFF状態である場合には、打順ナビを表示しない。このとき、図示は省略しているが、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR1内にRUSH回数および獲得総数が表示され、表示エリアAR2内に打順ナビは表示されない。なお、表示装置330の表示画面330aにおいては、打順ナビに従ってストップボタンB1~B3が押下操作される毎に、押下操作されたストップボタンB1~B3に対応する打順ナビが消去される。
表示装置330は、更新コマンドを受信したか否かを判定する(S300-3)。更新コマンドを受信した場合(ベルが入賞した場合)(S300-3でYes)には、現在の獲得総数を更新して表示する(S300-4)。このとき、図14(a),(b)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、図14(a)に示された現在の獲得総数bの「600」枚(第1態様の成果演出)に対して「6(=9-3)」枚を加算して更新することにより、図14(b)に示す獲得総数bが「606」枚(第2態様の成果演出)になっている。一方、更新コマンドを受信しなかった場合(ベルが入賞しなかった場合)(S300-3でNo)には、現在の獲得総数を更新しない。このとき、図14(a),(d)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、獲得総数bは「600」枚(第1態様の成果演出)のまま維持されている。なお、このとき、複数のリールR1~R3は停止した後に相当している。
表示装置330は、第4特別コマンド(RUSH回数を表示する旨の情報を含むコマンド)を受信したか否かを判定する(S300-6)。第4特別コマンドを受信した場合には、ステップS300-7に処理を移す一方、第4特別コマンドを受信しなかった場合(S300-6でNo)には、処理を終了する。
表示装置330は、特定フラグの状態に応じて打順ナビを表示可能にするとともに、RUSH回数を表示する(S300-7)。ここで、特定フラグがON状態である場合には、打順ナビを表示することにより、ベルが入賞可能となるストップボタンB1~B3の正解打順に関する情報を表示装置330にて表示する。このとき、図14(f)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR1内にRUSH回数aが表示され、表示エリアAR2内に打順ナビeが表示されるとともに、これらRUSH回数aの表示と打順ナビeの表示が同時期に行われる。一方、特定フラグがOFF状態である場合には、打順ナビを表示しない。このとき、図示は省略しているが、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR1内にRUSH回数のみが表示され、表示エリアAR2内に打順ナビは表示されない。
表示装置330は、注意喚起画像(注意喚起演出)を表示する(S300-5)。このとき、獲得総数が「200」枚以上であった場合(第3特別コマンドを受信した場合)には、図14(c),(e)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、注意喚起画像cが表示エリアAR2内に表示される。この場合、図14(c)においては、注意喚起画像cは、上述した獲得総数bの加算が完了したタイミングで表示されるようになっている。つまり、表示画面330aにおいて、獲得総数bが図14(a)に示す「600」枚の獲得総数b(第1態様の成果演出)が表示されてから図14(b)に示す「606」枚の獲得総数b(第2態様の成果演出)が表示された後に、注意喚起画像c(注意喚起演出)が表示される。なお、図14(e)においては、注意喚起画像cは、RUSH回数aと獲得総数bが表示された以降の所定のタイミングで表示される。一方、獲得総数が「200」枚未満であった場合(第4特別コマンドを受信した場合)には、図14(g)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、注意喚起画像cが表示エリアAR1内におけるRUSH回数aの下方に表示される。なお、この場合、上記実施形態と同様に、表示エリアAR2内に所定の文字(「引き続きお楽しみ下さい。」)等を表示するようにしてもよい。以上により、本変形例1の画像表示処理が終了する。
<変形例1の効果>
このように、本変形例1では、ART状態が終了する終了遊技において、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が200枚以上であるときに、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合には、図14(a)に示すように、RUSH回数aおよび獲得総数b(第1態様の成果演出)と、打順ナビe(入賞補助演出)とを同時期に表示する。これにより、特別期間における遊技結果の表示と、ART状態が終了する終了遊技での打順ナビの表示と、を組み合わせた興趣に富んだ演出を実現することができる。すなわち、ART終了演出における演出効果を向上させることができる。
また、ART状態が終了する終了遊技において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選したことに基づいてベルが入賞した場合には、図14(a),(b)に示すように、ベルの入賞に基づくメダルの獲得数を獲得総数b(第1態様の成果演出)に加算して更新された態様の獲得総数b(第2態様の成果演出)を表示するようになっている。これにより、一旦表示された獲得総数bがその後増加して遊技者に示されることになるので、ART終了演出において遊技者に遊技意欲を持たせることができる。また、ART状態が終了する終了遊技において、ベルの入賞に基づく獲得数も含まれた正確な獲得総数を遊技者に把握させることもできる。
また、ART状態が終了する終了遊技において、図14(b),(c)に示すように、獲得総数に対してベルの入賞に基づく獲得数の加算が完了したタイミングで注意喚起画像cを表示するようになっている。そのため、遊技者がART状態での遊技結果を正確に把握したときに、注意喚起画像を遊技者に目視させて遊技を続行するか否かの判断を適切なタイミングで行うことができる。
変形例2
上記変形例1では、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選したことに基づいてベルが入賞した場合には、ベルの入賞に基づく獲得数を特別期間で獲得したメダルの獲得総数に加算して表示していたが、本変形例2では、ベルが入賞した場合であっても、ベルの入賞に基づく獲得数を獲得総数に加算して表示しない点で上記変形例1と異なっている。すなわち、複数のリールR1~R3が停止する前後において、ベル(特定役)が入賞したか否かに拘わらず、同一の獲得総数に関する情報(成果演出)が表示さることになっている。以下、本変形例2のART終了演出処理について、図15を参照して説明する。なお、図15におけるステップS140-1~ステップS140-4までの処理は、上記変形例1と重複するので、その説明を省略する。
演出制御手段180は、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が「200」枚以上であった場合(S140-5でYes)には、第3特別コマンドを表示装置330に送信し(S140-6)、その後、注意喚起画像を表示する旨の情報を含むコマンドを表示装置330に送信する(S140-8)。このように、本変形例2では、ステップ140-6の処理の後に、上記変形例1の図12におけるステップS120-7~ステップS120-9に相当する処理を行うことなく、即時にステップS140-8の処理に移るようになっている。これにより、ART状態が終了する終了遊技において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選していた場合(S140-3でYes)に、ベルが入賞しても、上記変形例1のように獲得総数を更新する処理を行わないようになっている。なお、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が「200」枚未満であった場合(S140-5でNo)には、上記変形例1と同様に第4特別コマンドを表示装置330に送信し(S140-7)、その後、注意喚起画像を表示する旨の情報を含むコマンドを表示装置330に送信する(S140-8)。
表示装置330は、上記した各種のコマンドを受信したことに基づいて、画像表示処理を実行する(S400)。以上により、本変形例2のART終了演出処理が終了する。
次に、本変形例2の画像表示処理(図15のS400)の詳細について、図16および図17を参照して説明する。なお、図16において、上記変形例1の図13と重複する箇所については、簡単に説明する。
表示装置330は、第3特別コマンドを受信した場合(S400-1でYes)に移行するステップS400-2の処理において、特定フラグがON状態であれば、打順ナビ(入賞補助演出)と、RUSH回数および獲得総数(成果演出)とを同時期に表示する。ここで、表示された打順ナビに従って遊技者がストップボタンB1~B3を停止操作することにより、ベルが入賞した場合であっても、ベルの入賞に基づく獲得数を獲得総数に加算して表示しない。このとき、表示装置330の表示画面330aにおいては、図17(a)における獲得総数bと、図17(b)における獲得総数bはともに「600」枚となっている。つまり、ベルが入賞する前の図17(a)の獲得総数bと、ベルが入賞した後の獲得総数bとは同一の値で維持されるようになっている。なお、ベルが入賞しなかった場合には、当然ながら、獲得総数bは更新されることはない。また、図17(a)では、複数のリールR1~R3が回転しており、つまり、停止する前に相当しており、図17(b)では、複数のリールR1~R3は停止した後に相当している。
表示装置330は、第4特別コマンドを受信した場合(S400-3でYes)には、特定フラグの状態に応じて打順ナビを表示するとともに、RUSH回数を表示する(S400-4)。このとき、特定フラグがON状態であれば、上記変形例1の図14(f)と同様に、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR1内のRUSH回数aの表示と、表示エリアAR2内の打順ナビeの表示とを同時期に行い、特定フラグがOFF状態であれば、図示は省略しているが、表示エリアAR1内にRUSH回数を表示し、表示エリアAR2内に打順ナビを表示しないようにする。
表示装置330は、注意喚起画像(注意喚起演出)を表示する(S400-5)。このとき、図17(c)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、獲得総数bが「200」枚以上であった場合には、表示エリアAR2内に注意喚起画像cが表示される。一方、獲得総数が「200」枚未満であった場合には、上記変形例1の図14(g)と同様に、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR1内のRUSH回数aの下方に注意喚起画像cが表示される。なお、この場合においても、上記実施形態と同様に、表示エリアAR2内に所定の文字(「引き続きお楽しみ下さい。」)等を表示するようにしてもよい。以上により、本変形例2の画像表示処理が終了する。
なお、本変形例2では、注意喚起画像が表示されるように構成されていたが、この構成に限られることなく、ART終了演出処理におけるステップS140-8および画像表示処理におけるステップS400-5の処理を行わないようにすることで、表示装置330に注意喚起画像を表示させないようにしてもよい。
<変形例2の効果>
このように、本変形例2では、ART状態が終了する終了遊技で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合に、打順ナビが表示され、その後、ベルが入賞したとしても、既に表示していた獲得総数を更新して表示しないようになっている。すなわち、ベルが入賞したか否かに拘わらず、同一の獲得総数(成果演出)を表示するようになっている。そのため、獲得総数の変化に遊技者の気を取られないようにし、獲得総数以外のART終了演出に集中させることができる。したがって、ART終了演出の演出効果を向上させることができる。
変形例3
上記変形例1,2では、打順ナビと獲得総数とが同時期に表示され、ストップボタンB1~B3の停止操作後に、注意喚起画像が表示されていたが、本変形例3では、ストップボタンB1~B3の停止操作後からメダルの獲得総数(成果演出)の表示までの間に注意喚起画像(注意喚起演出)を表示している点で上記変形例1,2と異なっている。以下、本変形例3のART終了演出処理の詳細について、図18を参照して説明する。なお、以下においては、図18のステップS160-1~ステップS160-4までの処理は、上記変形例2と同じなので、その説明を省略する。
演出制御手段180は、特定フラグに関する情報を含むコマンドを表示装置330に送信し(S160-5)、その後、ストップボタンB1~B3の第3停止操作が終了したか否かを判定する(S160-6)。ストップボタンB1~B3の第3停止操作が終了した場合(S160-6でYes)には、当該操作が終了した旨の情報を含む操作終了コマンドを表示装置330に送信する(S160-7)。一方、ストップボタンB1~B3の第3停止操作が終了していない場合(S160-6でNo)には、当該操作が終了するまで待機する。
演出制御手段180は、注意喚起画像を表示する旨の情報を含むコマンドを送信する(S160-8)。
演出制御手段180は、特別期間で獲得したメダルの獲得総数が「200」枚以上であるか否かを判定し(S160-9)、獲得総数が「200」枚以上である場合(S160-9でYes)には、第3特別コマンド(RUSH回数および獲得総数を表示する旨の情報を含むコマンド)を表示装置330に送信する(S160-10)。一方、獲得総数が「200」枚未満である場合(S160-5でNo)には、第4特別コマンド(RUSH回数を表示する旨の情報を含むコマンド)を表示装置330に送信する(S160-11)。
表示装置330は、上記した各種のコマンドを受信したことに基づいて、画像表示処理を実行する(S500)。以上により、本変形例3のART終了演出処理が終了する。
次に、本変形例3の画像表示処理(図18のS500)の詳細について、図19および図20を参照して説明する。
表示装置330は、特定フラグの状態に応じて打順ナビを表示装置330にて表示可能にする(S500-1)。このとき、図20(a)に示すように、表示装置330の表示画面330aにおいては、表示エリアAR2内に打順ナビe(入賞補助演出)のみが表示される(つまり、獲得総数(成果演出)は表示されない)。なお、このとき、複数のリールR1~R3は回転中であり、つまり、停止する前に相当している。一方、特定フラグがOFF状態である場合には、図示は省略するが、表示装置330の表示画面330aにおいては、打順ナビは表示されない。
表示装置330は、操作終了コマンドを受信したか否かを判定する(S500-2)。操作終了コマンドを受信した場合(S500-2でYes)には、ステップS500-3に処理を移す一方、操作終了コマンドを受信しなかった場合(S500-2でNo)には、当該コマンドを受信するまで待機する。これにより、本変形例3では、ART状態が終了する終了遊技でストップボタンB1~ストップボタンB3の第3停止操作が終了されるまでは、注意喚起画像、RUSH回数および獲得総数が表示されないようになっている。
表示装置330は、第3特別コマンドを受信したか否かを判定する(S500-3)。第3特別コマンドを受信した場合(S500-3でYes)には、ステップS500-4に処理を移す一方、第3特別コマンドを受信しなかった場合(S500-3でNo)には、ステップS500-5に処理を移す。
表示装置330は、まず、注意喚起画像を表示し、その後、RUSH回数および獲得総数を表示する(S500-4)。このとき、表示装置330の表示画面330aにおいては、図20(b)に示すように、まず初めに表示エリアAR2内に注意喚起画像c(注意喚起演出)が表示され、その後、図20(c)に示すように、表示エリアAR1内にRUSH回数aと獲得総数b(成果演出)が表示される。つまり、注意喚起画像cは、図20(a)においてストップボタンの第3停止操作が行われてから図20(c)においてRUSH回数aおよび獲得総数bが表示されるまでの間に表示される。なお、このとき、複数のリールR1~R3は、停止した後に相当している。
表示装置330は、第4特別コマンドを受信したか否かを判定する(S500-5)。第4特別コマンドを受信した場合(S500-5でYes)には、ステップS500-6に処理を移す一方、第4特別コマンドを受信しなかった場合(S500-5でNo)には、処理を終了する。
表示装置330は、まず、注意喚起画像を表示し、その後、RUSH回数を表示する(S500-6)。このとき、表示装置330の表示画面330aにおいては、図20(d)に示すように、表示エリアAR1内の下方に注意喚起画像cが表示され、その後、図20(e)に示すように、表示エリアAR1内の上方にRUSH回数aが表示される。なお、この場合、上記実施形態と同様に、表示エリアAR2内に所定の文字を表示するように構成してもよい。以上により、本変形例3の画像表示処理が終了する。
<変形例3の効果>
このように、本変形例3では、ART状態が終了する終了遊技で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」のいずれかに当選した場合に、表示装置330にて打順ナビ(入賞補助演出)が表示され、その後、ストップボタンB1~B3の第3停止操作が実行された後に、獲得総数(成果演出)が表示されるようになっている。そのため、ART状態における遊技が一旦終了した後に、遊技者に対して獲得総数を注視させることができる。これにより、ART遊技の達成感を高めて、ART終了演出における演出効果を向上させることができる。
また、注意喚起画像(注意喚起演出)は、ストップボタンの第3停止操作後から特別期間で獲得したメダルの獲得総数の表示までの間に表示装置330にて表示されるようになっている。そのため、ART状態における遊技結果を把握する前に、注意喚起画像を遊技者に十分に目視させて遊技を続行するか否かの判断を十分に行わせることができる。
なお、上記変形例1~3においては、獲得総数が「200」枚以上であった場合に、表示装置330にて獲得総数bが表示されるようになっていたが、この構成は本発明を構成する必須構成ではない。つまり、特別期間で獲得したメダルの獲得総数に拘わらず、ART終了演出が実行される遊技において、獲得総数を表示するような構成であってもよい。
また、上記実施形態および変形例1~3において、ART状態が終了する遊技において、RUSH回数が表示されるように構成されていたが、RUSH回数は必ずしも表示されなくてもよい。
また、AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」または当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、ATセットカウンタ201cの値、およびAT終了判定カウンタの値を加算、つまりAT状態が継続する期間を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行し、上乗せ抽選の結果をATセットカウンタ201c、およびAT終了判定カウンタ201dに加算する上乗せ処理を実行可能に構成されてもよい。
また、終了演出の例として、ART状態が終了することを報知するART終了演出を例に挙げて説明をしたが、この構成に限られない。例えばRBB内部状態において打順ベルについての入賞補助演出(打順ナビ)のみを実行可能な所謂AT機において、AT状態が終了することを報知するAT終了演出においても、本発明を適用することができる。
また、報知演出の例として、ART状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の何れかに当選した場合における表示装置330の表示態様を挙げて説明をしたが、この表示態様に合わせて、音響装置340からストップボタンB1~ストップボタンB3の正解打順を報知する音を出力するように構成してもよい。
また、演出制御手段180は、注意喚起表示として、「のめり込みに注意しましょう パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです」と文字が2行に記載された画像を表示装置330に表示するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです のめり込みに注意しましょう」と、表示の順番が本実施形態とは異なる記載であってもよく、また、パチンコについては言及しない記載(「のめり込みに注意しましょう パチスロは適度に楽しむ遊びです」のみの記載)であってもよく、表示する行数についても1行であっても3行以上であってもよい。
また、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時に不正解打順で、かつ特殊小役1~特殊小役3を入賞不能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合と、当選エリア「取りこぼし役」の当選時に取りこぼし役を入賞不能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合と、において、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えばRBBの抽選フラグが成立状態である場合、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」に当選し、不正解打順でかつ特殊小役1~特殊小役3を入賞不能な押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合や当選エリア「取りこぼし役」に当選し、取りこぼし役を入賞不能な押下タイミング、かつ抽選フラグが成立状態にセットされているRBBを入賞可能な押下タイミングで、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、成立状態となっているRBBが入賞可能となるように構成されていてもよい。
このように構成された場合、スロットマシン1は、ボーナス成立状態における遊技での内部抽選において、ハズレ(不当選)に決定された場合の他に、取りこぼしが発生し得る当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」や当選エリア「取りこぼし役」の当選時にも、抽選フラグが成立状態にセットされているRBBまたはCBBが入賞可能になるため、速やかにボーナス成立状態からボーナス状態に遊技状態を移行させることができる。
また、本実施形態において、有利期間制御手段200Aは、非有利期間中の遊技での当選エリア「RBB」の当選時に有利期間移行抽選を実行し、有利期間移行抽選に当選した場合にRBBの作動に基づき有利期間を開始するように構成されているが、これに限定されない。有利期間制御手段200Aは、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率が変動せず、かつ非RT状態~RT3状態のいずれの遊技状態である場合にも当選可能な当選エリアであれば、いずれの当選エリアの当選時においても有利期間移行抽選を実行するように構成されていてもよい。
なお、ボーナス以外の当選エリアの当選時に基づき有利期間移行抽選を実行するように構成された場合、有利期間制御手段200Aは、該有利期間移行抽選により「有利期間の開始」に決定されたことに基づき開始される有利期間において、ボーナスの非作動時において払出数が最も多い小役の入賞補助制御(本実施形態では9枚の配当が設定されたベルを含む当選エリアである当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル3」の当選時におけるベルの入賞を補助する入賞補助制御)を少なくとも1回実行するまたは有利期間を開始してから1500ゲームの遊技が実行されるまで、有利期間を終了しないように構成される必要がある。また、このように構成された場合、スロットマシン1は、有利期間において、ボーナスの非作動時において払出数が最も多い小役の入賞補助制御を1回実行する以前に、抽選フラグが成立状態に設定された場合に、入賞するまで成立状態が維持されるボーナス(RBB,RB)が作動した場合には、入賞補助制御を実行することなく有利期間を終了するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、異なる遊技状態においても同一の内部抽選テーブルを参照した内部抽選が実行される(例えば、非RT状態と、RT3状態と、で同一の内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が実行される)ように構成されているが、これに限らず、遊技状態ごとに異なる内部抽選テーブルを参照して内部抽選を実行するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動状態において、RBの入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するように構成されているが、これに限らず、RBB作動状態において、当該ボーナス中にRBを抽選し、RBの入賞図柄組合せが表示された場合にRBが作動するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については特に限定されない。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10を有するように構成されているが、これに限らず、例えば制御基板として主制御基板と副制御基板とを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、内部抽選等の遊技の進行に係る抽選処理やリール制御を実行する各制御手段を主制御基板に有し、演出に係る制御処理として、いわゆるATの当否やATに関する抽選を含む制御処理を実行する各制御手段を副制御基板に有するようにしてもよい。また、ATの当否やATに関する抽選を含む制御処理に関しては、主制御基板を構成する制御手段が実行し、演出に関する制御処理に関しては、副制御基板を構成する制御手段が実行するように構成してもよい。