以下、遊技機の一種であるスロットマシンについて説明する。本実施形態のスロットマシンは、遊技店等において遊技の提供に供され、所謂パチスロとも称される回胴式遊技機である。なお、本明細書に示す上、下、左、右、前(表)、後(裏)は、遊技者から見た状態における各方向を示すものとする。
図1に示すように、スロットマシン10は、前面に開口部を有する四角箱状の本体キャビネット11と、本体キャビネット11の開口部を覆う前面扉12とを備えている。前面扉12は、本体キャビネット11の一側縁部に対して回動可能に軸支されている。前面扉12の前面には、図示しない発光体を点灯、消灯、及び点滅させて行う演出(発光演出)を実行可能に構成された装飾ランプLA、及び楽曲や効果音などの音声を出力して行う演出(音声演出)を実行可能に構成されたスピーカSPが配設されている。
本体キャビネット11の内部には、回動体(回胴体)としてのリール(ドラム)として第1リール13a、第2リール13b、及び第3リール13cを有するリールユニット13が配設されている。第1リール13a、第2リール13b、及び第3リール13cは、左からこの順に並設されている。また、リールユニット13は、ステッピングモータなどの図示しないアクチュエータを備えており、各リール13a〜13cは、該アクチュエータを動作させることにより、相互に独立した状態で縦方向に回動(回転)及び停止を可能に構成されている。また、リールユニット13は、第1リール13aの回動位置を検出する第1リールセンサSE1と、第2リール13bの回動位置を検出する第2リールセンサSE2と、第3リール13cの回動位置を検出する第3リールセンサSE3とを有する(図4に示す)。
図2に示すように、各リール13a〜13cには、複数(本実施形態では図柄番号N00〜N20の全21個)の識別図柄を長手方向に沿って印刷した透光性フィルムが外側を巻いた状態で取り付けられていることにより、外周面に沿って複数の図柄が配列(配置)されている。以下の説明では、識別図柄を単に「図柄」と示す。各リール13a〜13cにおいて、各図柄は、それぞれ所定の面積の領域を占有している。複数の図柄には、例えばベルを模した図柄、アラビア数字の7を模した図柄、及びREPLAYの文字を模した図柄などがある。
また、図1に示すように、前面扉12において、リールユニット13の前側には、キャラクタや文字を模した画像を表示して行う演出(表示演出)を実行可能に構成された透過型ディスプレイ14(透明ディスプレイ)が配設されている。透過型ディスプレイ14は、例えば透過型液晶ディスプレイや透過型有機ELディスプレイなどである。透過型ディスプレイ14は、回動停止状態のリール13a〜13cにおける一部の図柄を透過可能(視認可能)とする透過領域16を有する。なお、本明細書において「透過する」と示す場合には、透過型ディスプレイ14を介在させた状態において、スロットマシン10の機内部に配設されているリールユニット13の図柄が透けて見える状態(視認可能な状態)であることを指すものとする。透過領域16は、例えば透過型ディスプレイ14の裏側に配設された不図示のバックライトユニットに透視窓(開口部)を設けることで形成されている。透過型ディスプレイ14の画像表示領域のうち、透過領域16を囲む領域は、リール13a〜13cにおける図柄を透過不能(透視不能)な非透過領域16aである。
透過領域16は、各リール13a〜13cにおいて周方向(縦方向)に連続する3つの図柄を表示可能な大きさに形成されている。本実施形態では、各リール13a〜13cが回動することにより、透過領域16において、図柄番号N00→N01→N02→…→N20→N00…の順に、図柄が上方から下方に向かって縦方向にループするように変動表示(スクロール表示)され、遊技としての変動ゲームが行われる。
本実施形態のスロットマシン10では、透過型ディスプレイ14の画像表示領域のうち、正面から見て透過領域16と重なる重複領域において画像を表示することで、リールユニット13と透過型ディスプレイ14に映し出された画像とが重ね合された状態で遊技者に視認させることが可能である。また、スロットマシン10では、上記重複領域において画像を表示しないことで、リールユニット13のみを遊技者に視認させることが可能である。このように、透過型ディスプレイ14では、透過領域16、及び非透過領域16aの何れにおいても画像(表示演出画像)が表示可能である。
また、図3に示すように、各リール13a〜13cには、遊技者が透過領域16を介して視認可能となるように図柄を停止させるための図柄の停止位置が設定されている。即ち、第1リール13aには、透過領域16の上段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第1上段停止位置A1と、透過領域16の中段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第1中段停止位置B1と、透過領域16の下段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第1下段停止位置C1とが設定されている。また、第2リール13bには、透過領域16の上段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第2上段停止位置A2と、透過領域16の中段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第2中段停止位置B2と、透過領域16の下段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第2下段停止位置C2とが設定されている。
また、第3リール13cには、透過領域16の上段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第3上段停止位置A3と、透過領域16の中段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第3中段停止位置B3と、透過領域16の下段位置において視認可能となるように図柄を停止させる第3下段停止位置C3とが設定されている。
また、透過領域16には、各停止位置A1〜A3,B1〜B3,C1〜C3の図柄を透過可能な透過位置(視認可能な表示位置)が設定されている。この図柄の透過位置は、遊技者から見て、対応する図柄の停止位置と重なる位置である。詳しく説明すると、透過領域16には、第1上段停止位置A1の図柄を透過可能な第1上段透過位置a1と、第1中段停止位置B1の図柄を透過可能な第1中段透過位置b1と、第1下段停止位置C1の図柄を透過可能な第1下段透過位置c1とが設定されている。また、透過領域16には、第2上段停止位置A2の図柄を透過可能な第2上段透過位置a2と、第2中段停止位置B2の図柄を透過可能な第2中段透過位置b2と、第2下段停止位置C2の図柄を透過可能な第2下段透過位置c2とが設定されている。透過領域16には、第3上段停止位置A3の図柄を透過可能な第3上段透過位置a3と、第3中段停止位置B3の図柄を透過可能な第3中段透過位置b3と、第3下段停止位置C3の図柄を透過可能な第3下段透過位置c3とが設定されている。
本実施形態において、各停止位置A1〜A3,B1〜B3,C1〜C3には、それぞれ所定の面積を有する図柄が停止される。したがって、透過領域16には、透過位置a1〜a3,b1〜b3,c1〜c3のそれぞれの透過位置を含み、該透過位置に対応する図柄の停止位置に停止された図柄を遊技者が視認可能となる図柄の表示領域(図柄の透過領域)が設定されていると把握することもできる。
したがって、本実施形態において、各停止位置A1〜A3,B1〜B3,C1〜C3は、透過領域16で透過される図柄の停止位置となる。また、図柄の停止位置A1〜A3,B1〜B3,C1〜C3は、それぞれ各リール13a〜13cの周方向に沿って連続する3つの位置である。そして、その連続する3つの位置の中央には、中段停止位置B1〜B3があり、中段停止位置B1〜B3の上下には、各1つの上段停止位置A1〜A3、及び下段停止位置C1〜C3がある。即ち、本実施形態において、上段停止位置A1〜A3及び下段停止位置C1〜C3は、第2停止位置に相当するとともに、上段透過位置a1〜a3及び下段透過位置c1〜c3は、第2透過位置に相当する。その一方で、中段停止位置B1〜B3は、第1停止位置に相当し、中段透過位置b1〜b3は、第1透過位置に相当する。
そして、本実施形態のスロットマシン10では、リール13a〜13cごとに設定された上段、中段、及び下段の3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組合せによって、停止された図柄の組合せを入賞と判定し得る有効な停止位置の組合せが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組合せを構成する各停止位置を結んだラインを単に有効ラインALと示す。本実施形態では、中段停止位置B1〜B3によって有効ラインAL(有効な停止位置の組合せ)が構成されている。以下の説明では、有効ラインALを構成する各停止位置に図柄が停止することを、「有効ラインAL上に図柄が停止する」と示す場合がある。
そして、本実施形態において、中段透過位置b1〜b3は、有効ラインALを構成し得る中段停止位置B1〜B3の図柄を透過可能な透過位置である。したがって、中段透過位置b1〜b3のそれぞれを含む図柄の表示領域は、有効ラインALを構成する各停止位置に停止された図柄を遊技者が視認可能となる有効な図柄の表示領域(有効な図柄の透過領域)となる。以下の説明では、有効ラインALを構成し得る各停止位置に対応する図柄の表示領域を纏めて「有効表示領域AR」と示すものとする。本実施形態の有効表示領域ARは、透過領域16の中段位置において、左右方向に延びる横長の領域である。また、以下の説明では、有効ラインAL上に停止された図柄の組合せが賞を定めた図柄の組合せとなることを単に「入賞」と示す。スロットマシン10では、賞を定めた図柄の組合せに入賞すると、該入賞した図柄の組合せに対応付けられた賞が付与される。したがって、本実施形態において、中段停止位置B1〜B3は、当選役に応じた図柄の停止位置に相当する。
その一方で、有効な停止位置の組合せ以外の組合せは、内部制御上、停止された図柄の組合せを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組合せとなる。以下の説明では、無効な停止位置の組合せを構成する各停止位置を結んだラインを単に無効ラインと示す。本実施形態では、上段停止位置A1〜A3の組合せや、下段停止位置C1〜C3の組合せによって、無効な停止位置の組合せが構成されている。以下の説明では、無効な停止位置の組合せのうち、特に上段停止位置A1〜A3を結んだラインを第1無効ラインIL1と示すとともに、下段停止位置C1〜C3を結んだラインを第2無効ラインIL2と示す。
また、本実施形態のスロットマシン10において、停止位置A1〜A3,C1〜C3は、有効ラインALを構成し得ない停止位置である。したがって、透過位置a1〜a3,c1〜c3のそれぞれを含む図柄の表示領域は、有効ラインALを構成しない停止位置に停止された図柄を遊技者が視認可能となる無効な図柄の表示領域(無効な図柄の透過領域)となる。
以下の説明では、有効ラインALを構成し得ない停止位置に対応する図柄の表示領域を纏めて「無効表示領域IR」と示すものとする。また、上段停止位置A1〜A3に対応する図柄の表示領域を纏めて「上無効表示領域IR1」と示すとともに、下段停止位置C1〜C3に対応する図柄の表示領域を纏めて「下無効表示領域IR2」と示す。本実施形態において、無効表示領域IR1,IR2は、それぞれ透過領域16の上段位置又は下段位置において、左右方向に沿って延びる横長の領域である。また、無効表示領域IR1,IR2は、透過領域16において、有効表示領域ARを上下方向から挟むように配置されている。
また、図1に示すように、前面扉12の前面には、変動ゲームに関係する各種の情報を表示する情報表示部17が配設されている。情報表示部17では、例えば変動ゲームにおけるベット数(賭け数)、内部的に記憶しているクレジット数、及び発生中であるエラー状態の種類などを報知する情報が表示される。前面扉12の前面において、透過型ディスプレイ14の右下方には、メダル投入口18が配設されている。前面扉12の前面において、情報表示部17の右方には、BETボタン19が配設されている。BETボタン19は、スロットマシン10の機内部に記憶されているクレジットから所定枚数(例えば1枚や、最大ベット数までの枚数)のメダル分をベットするときに操作するボタンである。
前面扉12の前面において、精算ボタン21の右方には、スタートレバー22が配設されている。スタートレバー22は、図柄の変動を開始させる契機となる開始操作を可能である。即ち、スタートレバー22は、開始操作手段として機能し得る。前面扉12の前面において、透過型ディスプレイ14の下方には、第1ストップボタン23a、第2ストップボタン23b、及び第3ストップボタン23cが配設されている。第1ストップボタン23a、第2ストップボタン23b、及び第3ストップボタン23cは、左からこの順に並設されている。第1ストップボタン23aは第1リール13aと、第2ストップボタン23bは第2リール13bと、第3ストップボタン23cは第3リール13cと各別に対応付けられている。各ストップボタン23a〜23cは、対応付けられたリールにおいて図柄を停止(導出表示)させる契機となる停止操作(導出操作)をそれぞれ可能に構成されている。したがって、各ストップボタン23a〜23cは、各リール13a〜13cの回動を停止させる複数の操作部材に相当する。
そして、ストップボタン23a〜23cの操作態様としての押し順(操作順)には、ストップボタン23a〜23cのうち、1番目に3択の状態で停止操作を行うストップボタン、2番目に2択の状態で停止操作を行うストップボタン、及び3番目に一択の状態で停止操作を行うストップボタンを異ならせた6通りの押し順がある。以下の説明では、ストップボタン23a〜23cの押し順を示す場合に、第1ストップボタン23aを「左」、第2ストップボタン23bを「中」、第3ストップボタン23cを「右」と示す場合がある。したがって、例えば「左中右の押し順」と示す場合には、第1ストップボタン23a→第2ストップボタン23b→第3ストップボタン23cの順に、ストップボタン23a〜23cを操作する押し順を意味する。また、前面扉12の前面における下部中央には、メダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が配設されている。
また、本実施形態のスロットマシン10では、有効ラインAL上に停止されたことを条件として遊技者に賞を付与する図柄の組合せとして、複数種類の図柄の組合せが設定されている。以下の説明では、賞の付与を定めた図柄の組合せを単に「役」と示す場合がある。複数種類の役には、例えば賞としてメダルの払出しを定めた払出し役、賞としてボーナス遊技の付与を定めたボーナス役、及び賞として再遊技の付与を定めた再遊技役(リプレイ役)のうち一部又は全部の役を採用できる。なお、本実施形態のスロットマシン10における役は、内部的に行われる役抽選に当選したことを条件として、有効ラインAL上に停止可能となる。本実施形態では、役抽選で当選した役が当選役となる。
ここで、ボーナス遊技は、ボーナス遊技ではない一般遊技(非ボーナス遊技)と比較して、役抽選における払出し役の当選確率が高確率に変動される有利な状態である。ボーナス遊技は、例えばボーナス遊技中におけるメダルの払出し枚数が規定枚数に達するなどして、ボーナス遊技の終了条件が成立したことを契機として終了される。また、再遊技は、遊技者がメダルを新たにベットすることなく機内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行うことである。再遊技では、遊技者がメダルを消費することなく変動ゲームを行うことができる一方で、メダルの払出しが行われない。
また、複数種類の役の中には、入賞を条件として、スロットマシン10の遊技状態を移行させ得る状態移行役がある。この状態移行役は、上述した払出し役、ボーナス役、及び再遊技役の一部又は全部と共通化されていてもよい。スロットマシン10の遊技状態としては、役抽選における再遊技役の当選確率を高確率に変動させるRT(リプレイタイム)機能が作動している1又は複数の遊技状態(以下、RT状態と示す)と、RT機能が作動していない1又は複数の遊技状態(以下、非RT状態と示す)とを設定してもよい。RT状態では、非RT状態と比較して再遊技役の当選確率が高確率となることから、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、本実施形態の役には、役抽選に当選したことに加えて、さらにストップボタン23a〜23cが所定の押し順にしたがって停止操作されたことを条件として入賞が可能となる役(以下、押し順指定役と示す)がある。以下の説明では、押し順指定役を入賞させるために必要な押し順を「指定押し順」と示す。本実施形態のスロットマシン10では、押し順指定役に当選している場合、該当選している押し順指定役の指定押し順と、遊技者によるストップボタン23a〜23cの押し順とが一致することを条件として、押し順指定役の入賞が発生し得る。その一方で、本実施形態のスロットマシン10では、押し順指定役に当選している場合であっても、該当選している押し順指定役の指定押し順と、遊技者によるストップボタン23a〜23cの押し順とが一致しないときには、押し順指定役の入賞が発生し得ない。なお、本実施形態の押し順指定役は、上述した払出し役、ボーナス役、再遊技役、及び状態移行役の一部又は全部と共通化されていてもよい。以上のように、役には、入賞に伴って遊技者に付与される所定の価値(特典)として、所定枚数のメダルの払出し、ボーナス遊技の付与、再遊技の付与、遊技状態のRT状態への移行、及び遊技状態のRT状態への維持のうち、1つ又は複数を設定できる。
次に、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
図4に示すように、スロットマシン10の機内部には、遊技の進行に関する各種の処理を行うとともに、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する主制御基板40が配設されている。また、スロットマシン10の機内部には、主制御基板40から入力する各種の制御信号に基づいて、演出の実行に関する各種の処理を行う副制御基板(演出基板)41が配設されている。副制御基板41は、透過型ディスプレイ14による表示演出、装飾ランプLAによる発光演出、及びスピーカSPによる音声演出の実行を制御する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cとを備えている。主制御用CPU40aには、リールセンサSE1〜SE3が接続されている。主制御用CPU40aには、有効ラインALを通過中である図柄、又は有効ラインALに停止されている図柄を特定するための図柄信号がリールセンサSE1〜SE3から入力される。
主制御用CPU40aには、情報表示部17が接続されている。主制御用CPU40aには、BETボタン19と、スタートレバー22と、各ストップボタン23a〜23cとが接続されている。主制御用CPU40aには、BETボタン19、スタートレバー22及びストップボタン23a〜23cが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種の操作信号が入力される。
また、主制御基板40では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、主制御用CPU40aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。主制御基板40において生成される乱数には、変動ゲームにおいて入賞を許容する役(図柄の組合せ)を特定可能な当選情報(当選番号)を決定するのに用いられる当選情報決定用乱数がある。なお、本実施形態のスロットマシン10において、各当選情報には、変動ゲームにおいて入賞を許容する役が1つ又は複数対応付けられている。
例えば、当選情報には、1つの押し順指定役を対応付けた特定の当選情報を設けることができる。このような場合、特定の当選情報には、特定の押し順を指定押し順とし且つ遊技者に所定の価値を付与する押し順指定役を対応付ける。このような場合、特定の当選情報に当選した場合であって、特定の押し順によりストップボタン23a〜23cが操作されたときには、押し順指定役の入賞が発生し、所定の価値が遊技者に付与される。その一方で、特定の当選情報に当選した場合であって、特定の押し順とは異なる非特定の押し順によりストップボタン23a〜23cが操作されたときには、押し順指定役の入賞が発生せず、所定の価値が遊技者に付与されない。
また、例えば、当選情報には、複数の押し順指定役を対応付けた特定の当選情報を設けることができる。このような場合、特定の当選情報には、入賞に必要な押し順と、入賞を条件として遊技者に付与する価値とを異ならせた複数の押し順指定役を対応付ける。より詳しくは、特定の当選情報には、特定の押し順を指定押し順とし且つ遊技者に所定の価値を付与する役と、特定の押し順とは異なる非特定の押し順を指定押し順とし且つ遊技者に所定の価値を付与しない役と、を対応付けるとよい。なお、この場合、非特定の押し順を指定押し順とする役については、特定の押し順を指定押し順とする役に定められた価値より低い別の価値を付与する役であってもよい。
このような構成により、特定の当選情報に当選した場合であって、特定の押し順によりストップボタン23a〜23cが操作されたときには、所定の価値が遊技者に付与される。その一方で、特定の当選情報に当選した場合であって、非特定の押し順によりストップボタン23a〜23cが操作されたときには、所定の価値が遊技者に付与されない。したがって、所定の価値が付与されるか否かという観点から、特定の押し順は、特定の当選情報に当選している場合における「正解の押し順」として位置付けられる一方で、非特定の押し順は、特定の当選情報に当選している場合における「不正解の押し順」として位置付けられる。
ここで、特定の押し順と遊技者に付与する価値との組み合わせは、スロットマシン10で実現しようとする遊技性を考慮して様々な組合せを設定できる。
例えば、特定の押し順として、6通りの押し順のうち1通りの押し順を設定するとともに、非特定の押し順として、残る5通りの押し順を設定する場合には、6通りの押し順の中から1つである正解の押し順を要求する6択の遊技性を作り出すことができる。この6択の遊技性は、所定の価値を獲得するために、1〜3番目の全ての押し順の正解を要求する遊技性である。例えば、特定の押し順として中右左の押し順を設定し、非特定の押し順としてその他の押し順を設定した場合には、中右左の押し順でストップボタン23a〜23cを操作しなければ、所定の価値を獲得できない。
また、特定の押し順として、6通りの押し順のうち1番目に操作するストップボタンが同一である2通りの押し順を設定するとともに、非特定の押し順として、残る4通りの押し順を設定する場合には、6通りの押し順の中から2つである正解の押し順を要求する3択の遊技性を作り出すことができる。この3択の遊技性は、所定の価値を獲得するために、1番目の押し順のみの正解を要求し、2番目及び3番目の押し順を問わない遊技性である。例えば、特定の押し順として中右左及び中左右の押し順を設定し、非特定の押し順としてその他の押し順を設定した場合には、中右左及び中左右の何れかの押し順でストップボタン23a〜23cを操作することで、所定の価値の付与を伴う役を入賞させ得る。即ち、この場合には、第2ストップボタン23bを1番目に操作しさえすれば、2番目及び3番目の押し順に関係なく、所定の価値を獲得し得る。
そして、前述のように、所定の価値としては、所定枚数のメダルの払出し、ボーナス遊技の付与、再遊技の付与、遊技状態のRT状態への移行、及び遊技状態のRT状態への維持のうち、1つ又は複数を設定できる。したがって、例えば、所定の価値として所定枚数のメダルの払出しを設定する場合には、特定の押し順でストップボタン23a〜23cを操作することで、所定枚数のメダルの払出しを受け得る一方で、非特定の押し順でストップボタン23a〜23cを操作することで、所定枚数のメダルの払出しを受け得ない。また、例えば、所定の価値としてRT状態の維持を設定する場合には、特定の押し順でストップボタン23a〜23cを操作することで、遊技状態がRT状態に維持され得る一方で、非特定の押し順でストップボタン23a〜23cを操作することで、遊技状態が非RT状態へ転落し得る。以上のように、本実施形態のスロットマシン10では、特定の当選情報に当選している場合、所定の価値の付与を定めた押し順指定役の指定押し順となるように、ストップボタン23a〜23cを操作できるか否かにより、所定の価値を獲得できるか否かが決まる。
また、主制御用ROM40bには、主制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、変動ゲームに関する処理の実行に用いられる各種のテーブルが記憶されている。このようなテーブルには、例えば複数の当選情報の中から当選情報を決定するための当選情報決定テーブルなどがある。また、主制御用RAM40cには、前述したクレジットなど、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(フラグなど)が記憶される。
次に、副制御基板41について詳しく説明する。
副制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行する副制御用CPU41aと、副制御用CPU41aの制御プログラムを格納する副制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM41cとを備えている。そして、副制御用CPU41aには、透過型ディスプレイ14、装飾ランプLA、及びスピーカSPが接続されている。また、副制御基板41では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、副制御用CPU41aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。
また、副制御用ROM41bには、副制御プログラムが記憶されている。また、副制御用ROM41bには、透過型ディスプレイ14における表示演出の態様を特定可能な表示演出パターン(表示データ)、スピーカSPにおける音声演出の態様を特定可能な音声演出パターン(音声データ)、及び装飾ランプLAにおける発光演出の態様を特定可能な発光演出パターン(発光データ)が記憶されている。また、副制御用ROM41bには、演出に関する処理の実行に用いられる各種のテーブルが記憶されている。また、副制御用RAM41cには、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(フラグなど)が記憶される。
以下、主制御用CPU40aが変動ゲームを実行するために主制御プログラムに基づき行う遊技進行処理について説明する。
主制御用CPU40aは、所定のベット数が設定されている状態において、スタートレバー22から操作信号を入力して開始操作を受け付けると、当選情報決定用乱数の値を用いた役抽選により1つの当選情報を決定する。詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている遊技状態情報(フラグなど)を参照して現在の遊技状態を特定するとともに、該特定した遊技状態に対応する当選情報決定テーブルを参照して役抽選を行う。本実施形態において役は、該役が対応付けられた当選情報が役抽選において決定されることより当選となる。
次に、主制御用CPU40aは、変動ゲームの開始を指示するとともに、決定した当選情報(入賞を許容する役)を示す変動ゲーム開始コマンドを副制御基板41に出力する。また、主制御用CPU40aは、アクチュエータに作動信号を出力して各リール13a〜13cの回動(回転)を開始させ、これにより変動ゲームを開始させる。主制御用CPU40aは、各リール13a〜13cの回動速度が所定速度で一定(定速)になると、ストップボタン23a〜23cから操作信号を入力して停止操作を受付けるまで待機する。
そして、停止操作を受付けた場合、主制御用CPU40aは、操作信号を入力したストップボタンに対応するリールの回動を停止させる。このとき、主制御用CPU40aは、決定済みである当選情報、及びストップボタン23a〜23cの押し順などに基づいて、予め定められた引込み範囲(本実施形態では4図柄)内に位置する図柄の中から有効ラインAL上に停止可能な図柄を検索する。そして、主制御用CPU40aは、検索された図柄が有効ラインAL上に停止されるようにアクチュエータを制御する。これにより、主制御用CPU40aは、特定の当選情報を決定している場合であって、ストップボタン23a〜23cの押し順が特定の押し順に一致するとき、遊技者に所定の価値を付与する役に対応する図柄の組合せが有効ラインAL上に停止するようにアクチュエータを制御する。その一方で、主制御用CPU40aは、特定の当選情報を決定している場合であって、ストップボタン23a〜23cの押し順が特定の押し順に一致しないとき、遊技者に所定の価値を付与する役に対応する図柄の組合せが有効ラインAL上に停止しないようにアクチュエータを制御する。
また、主制御用CPU40aは、各ストップボタン23a〜23cの停止操作を受付けると、停止操作を受付けたストップボタンを特定可能な操作コマンドを副制御基板41(副制御用CPU41a)に出力する。全てのリール13a〜13cの回動を停止させると、主制御用CPU40aは、何れかの役に入賞したか否か、及び入賞している場合にはその役の種類を判定する。何れかの役に入賞しているか否かは、リールセンサSE1〜SE3から入力される図柄信号をもとに、有効ラインAL上に停止された図柄の組合せを特定するとともに、該特定した図柄の組合せが役に対応する図柄の組合せであるか否かにより判定できる。
何れかの役に入賞している場合、主制御用CPU40aは、入賞している役に対応付けられた価値を遊技者に付与する処理を行う。例えば、価値としてメダルの払出しを定めた役に入賞している場合、主制御用CPU40aは、遊技者にメダルを払出すための処理を行う。また、例えば、価値として遊技状態のRT状態への移行を定めた役に入賞している場合、主制御用CPU40aは、遊技状態をRT状態へ移行させるための処理を行う。また、主制御用CPU40aは、変動ゲームの終了を指示する変動ゲーム終了コマンドを副制御基板41に出力する。この変動ゲーム終了コマンドには、入賞の有無や、入賞した役についても特定できる。
以下、副制御用CPU41aが副制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
本実施形態の副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドにより特定の当選情報が指示されている場合、遊技者に推奨するストップボタンの操作態様を報知することによって、ストップボタン23a〜23cの操作をアシスト(補助)するアシスト表示を透過型ディスプレイ14に行わせ得るように構成されている。即ち、アシスト表示は、変動ゲーム開始コマンドにより特定の当選情報が指示されていることにより実行条件が成立し、表示が許容される場合がある。
最初に、本実施形態のスロットマシン10において実行可能なアシスト表示について説明する。本実施形態のアシスト表示は、特定の当選情報に対応付けられた押し順指定役のうち、特にスロットマシン10で実現しようとする遊技性を考慮して、入賞を発生させることが好ましい押し順指定役の指定押し順を遊技者に報知する画像(報知画像)を表示して行われる。即ち、本実施形態において、透過型ディスプレイ14には、ストップボタン23a〜23cの操作をアシストするアシスト表示として、ストップボタン23a〜23cの押し順を報知する報知画像が各リールに対応する位置に表示可能である。
例えば、1ゲーム当りのメダルの平均払出し枚数が多い遊技性を作り出す場合には、スロットマシン10の遊技状態がRT状態である場合にアシスト表示を行うことで、メダルの払出しを価値として定めた押し順指定役の指定押し順を遊技者に報知する。また、例えば、スロットマシン10の遊技状態がRT状態である場合において、非RT状態への転落が生じ難い遊技性を作り出す場合、アシスト表示を行うことで、RT状態の維持を価値として定めた押し順指定役の指定押し順を遊技者に報知する。なお、RT状態において、これらのアシスト表示を行うことによっては、遊技者に有利な演出状態(所謂、ARTモード)を作り出すことができる。
なお、アシスト表示は、必ずしも遊技者にとって有利な所定の価値を付与する押し順指定役の指定押し順を報知するものでなくてもよい。例えば、第1RT状態と該第1RT状態よりも有利となる第2RT状態を設ける場合に、スロットマシン10の遊技状態が第1RT状態から第2RT状態へ移行し難い遊技性を作り出すことが考えられる。この場合には、アシスト表示を行うことで、第2RT状態への移行を価値として定めた押し順指定役の指定押し順(正解の押し順)とは異なる押し順(不正解の押し順)を敢えて遊技者に報知してもよい。なお、特定の条件が成立した場合には、アシスト表示を行うことで、第2RT状態への移行を価値として定めた押し順指定役の指定押し順を遊技者に報知すれば、メリハリのある遊技性を実現し得る。
以下、1〜3番目の全ての押し順を報知する内容のアシスト表示を実行する場合における処理(制御)の一例について説明する。
図5に示すように、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドの入力契機として、1番目に操作するストップボタンを報知する第1報知画像HG1と、2番目に操作するストップボタンを報知する第2報知画像HG2と、3番目に操作するストップボタンを報知する第3報知画像HG3とを表示するように透過型ディスプレイ14を制御する。なお、図中に示す下向きの矢印は、対応するリール13a〜13cが回動中であることを示している。即ち、アシスト表示(報知画像HG1〜HG3)は、リール13a〜13cの回動状態において表示される。
ここで、副制御用CPU41aは、第1報知画像HG1の少なくとも一部が、1番目に操作するストップボタンに対応するリールにおける下段透過位置(図5の例では、第2下段透過位置c2)に重なって表示されるように透過型ディスプレイ14を制御する。副制御用CPU41aは、第2報知画像HG2の少なくとも一部が、2番目に操作するストップボタンに対応するリールにおける下段透過位置(図5の例では、第1下段透過位置c1)に重なって表示されるように透過型ディスプレイ14を制御する。副制御用CPU41aは、第3報知画像HG3の少なくとも一部が、3番目に操作するストップボタンに対応するリールにおける下段透過位置(図5の例では、第3下段透過位置c3)に重なって表示されるように透過型ディスプレイ14を制御する。したがって、アシスト表示は、2つの無効ラインIL1,IL2を構成する各第2停止位置のうち、下側の第2無効ラインIL2を構成する第2停止位置である下段停止位置C1〜C3の図柄を透視可能な下段透過位置c1〜c3に重なって表示される。
即ち、副制御用CPU41aは、透過領域16に設定された有効表示領域AR、及び無効表示領域IRの中でも、特に下無効表示領域IR2と非透過領域16aとに跨って報知画像HG1〜HG3を表示するように透過型ディスプレイ14を制御する。なお、本実施形態において、報知画像HG1〜HG3のそれぞれの表示面積のうち、下無効表示領域IR2に跨る面積と、非透過領域16aに跨る面積とは、同一面積、又は略同一面積に設定されている。また、アシスト表示は、透過型ディスプレイ14における画像表示領域の下縁部から上方へ離間させた位置に表示される。
このため、本実施形態のスロットマシン10では、アシスト表示となる報知画像HG1〜HG3を非透過領域16aのみに表示する構成と比較して、報知画像HG1〜HG3を有効ラインALに近接させて表示できる。また、本実施形態のスロットマシン10では、アシスト表示となる報知画像HG1〜HG3の全体を下無効表示領域IR2に表示する構成と比較して、報知画像HG1〜HG3の表示面積を大きく確保することが可能となる。したがって、本実施形態では、報知画像HG1〜HG3を必要に応じて大きく表示することで、推奨されるストップボタン23a〜23cの押し順を遊技者に理解し易くできる。例えば、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドを入力してから、1番目のストップボタンの操作を示す操作コマンドを入力するまで、第1報知画像HG1<第2報知画像HG2≦第3報知画像HG3の順に、それぞれの表示面積が大きくなるように透過型ディスプレイ14を制御する。このような制御を行えば、1番目に操作することが推奨されるストップボタンを遊技者に理解し易くできる。
但し、副制御用CPU41aは、報知画像HG1〜HG3を有効表示領域ARに重ならない位置に表示するように透過型ディスプレイ14を制御する。したがって、本実施形態のスロットマシン10では、透過領域16の一部に跨って報知画像HG1〜HG3を表示する場合であっても、有効ラインAL上に停止される図柄の視認性を低下させることがない。また、本実施形態のアシスト表示は、有効表示領域ARと、ストップボタン23a〜23cの配設位置との間で行われることになる。したがって、上無効表示領域IR1を用いてアシスト表示を行う構成と比較して、遊技者が停止操作を行うストップボタン23a〜23cと、遊技者が注視する有効表示領域ARとを同時に視認し易くし、目線移動を低減できる。
そして、図6に示すように、副制御用CPU41aは、アシスト表示で報知している押し順に一致する1番目のストップボタンの操作を示す操作コマンドを入力すると、第1報知画像HG1が非表示状態へ遷移するように透過型ディスプレイ14を制御する。このとき、副制御用CPU41aは、例えば第2報知画像HG2<第3報知画像HG3の順に、それぞれの表示面積が大きくなるように透過型ディスプレイ14を制御する。このような制御を行えば、2番目に操作することが推奨されるストップボタンを遊技者に理解し易くできる。このように、副制御用CPU41aは、それぞれの時点において操作が推奨されるストップボタンを示す報知画像を他の報知画像と比較して大きく表示させることで、それぞれの時点において操作すべきストップボタンを遊技者に認識し易くできる。
続けて、副制御用CPU41aは、アシスト表示で報知している押し順に一致する2番目のストップボタンの操作を示す操作コマンドを入力すると、第2報知画像HG2が非表示状態へ遷移するように透過型ディスプレイ14を制御する。また、副制御用CPU41aは、アシスト表示で報知している押し順に一致する3番目のストップボタンの操作を示す操作コマンドを入力すると、第3報知画像HG3が非表示状態へ遷移するように透過型ディスプレイ14を制御する。なお、副制御用CPU41aは、アシスト表示で報知している押し順に一致しないストップボタンの操作を示す操作コマンドを入力すると、その時点で表示している報知画像の全てが非表示状態へ遷移するように透過型ディスプレイ14を制御する。
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)アシスト表示(報知画像GH1〜GH3)を下段透過位置c1〜c3に重ねて表示させることで、アシスト表示の位置がリールにおける中段停止位置B1〜B3(中段透過位置b1〜b3)に近付くことになる。このため、遊技者の目線(視線)移動を少なくしたアシスト表示を行うことができる。
(2)アシスト表示の一部を透過領域16に跨いで表示させることにより、アシスト表示を非透過領域16aのみに表示させる場合に比して、中段停止位置B1〜B3に近付けることができる。したがって、遊技者の目線移動を少なくしたアシスト表示を行うことができる。
(3)中段停止位置B1〜B3の図柄を視認し得る中段透過位置b1〜b3の上下に位置する透過位置a1〜a3,c1〜c3にアシスト表示を表示させることで、アシスト表示を中段停止位置B1〜B3に近付けることができる。
(4)通常、リール13a〜13cは上から下に向かって回動される。そして、遊技者は、所望の図柄を狙ってストップボタン23a〜23cを操作する(所謂、目押し)。このため、アシスト表示を下側の下段停止位置C1〜C3の図柄を透過可能な下段透過位置c1〜c3に表示させることで、目押しを行う際のリールの視認性の低下を抑止できる。
(5)非透過領域16aには、画像(表示演出画像)が表示される。したがって、無効表示領域IRと非透過領域16aとに跨ってアシスト表示を表示可能である。
(6)アシスト表示は、ストップボタン23a〜23cの操作順を特定可能な表示であり、ストップボタンが操作されることによって表示状態から非表示状態へ遷移する。したがって、操作済みのストップボタンに対応するアシスト表示が透過領域16に表示され続けることで、未操作のストップボタンに対応するアシスト表示が視認し難くなることを抑制できる。
実施形態は上記に限定されず、例えば、次のように具体化してもよい。
・押し順指定役の指定押し順、押し順指定役の入賞に伴って付与される価値、アシスト表示によって報知するストップボタンの操作態様(押し順など)やアシスト表示の態様の組合せは、スロットマシン10において実現しようとする遊技性を考慮して、上記の実施形態に記載したものや、下記の別実施形態に記載したものを適宜組合せて構成してもよい。
・図7に示すように、アシスト表示は、1〜3番目の全ての押し順のうち1番目に操作することが推奨されるストップボタンのみを報知する一方で、2番目及び3番目に操作することが推奨されるストップボタンを具体的に報知しないものであってもよい。この場合、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、1番目に操作するストップボタンを報知する第1報知画像HG1と、2番目又は3番目に操作するストップボタンを報知する特殊報知画像HG4とを表示するように透過型ディスプレイ14を制御するとよい。
・図7に示すように、アシスト表示は、全ての報知画像を上無効表示領域IR1と非透過領域16aとに跨って表示するものであってもよい。また、アシスト表示は、上無効表示領域IR1と非透過領域16aとに跨って一部の報知画像を表示するとともに、下無効表示領域IR2と非透過領域16aとに跨って他の報知画像を表示して行ってもよい。なお、この場合には、各報知画像のうち少なくとも1つについて、第2停止位置に対応する透過位置に重なって表示されればよい。
・図8に示すように、アシスト表示は、1〜3番目の全ての押し順のうち1番目に操作することが推奨されるストップボタンのみを報知するものであってもよい。この場合、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、1番目に操作するストップボタンを報知する第1報知画像HG1を表示するように透過型ディスプレイ14を制御する。この場合、副制御用CPU41aは、2番目及び3番目に操作することが推奨されるストップボタンを報知する報知画像を表示させなくてもよく、押し順とは関係のない演出画像HG5を表示させてもよい。そして、演出画像HG5は、下無効表示領域IR2に表示してもよく、下無効表示領域IR2と非透過領域16aとに跨って表示してもよい。
・図9に示すように、アシスト表示は、ストップボタン23a〜23cの押し順の全てを報知する1つの報知画像HG6を表示して行ってもよい。このような態様によるアシスト表示についても、各リールに対応する位置に表示されているものとして把握できる。
・アシスト表示は、それぞれの時点において、操作することが推奨されるストップボタンを示す報知画像についてのみ、その少なくとも一部が第2停止位置に対応する透過位置に重なるように表示する一方で、その他の報知画像についてはその全体を非透過領域16aに表示して行ってもよい。
・図10に示すように、有効な停止位置の組合せ(有効ラインAL)を構成する図柄の停止位置を変更してもよい。例えば、第1上段停止位置A1、第2中段停止位置B2、及び第3上段停止位置A3によって、有効な停止位置の組合せを構成してもよい。
・アシスト表示を表示する面積を変更してもよい。例えば、報知画像HG1〜HG3は、透過型ディスプレイ14における表示領域の下縁部から、下無効表示領域IR2までを覆う大きさの画像であってもよい。
・アシスト表示は、具体的な押し順を報知しない画像(例えば「?」の文字を模した画像)を各リール13a〜13cにそれぞれ対応させて表示して行ってもよい。この構成によれば、推奨される押し順を遊技者が認識し難いものの、押し順に正解すれば所定の価値を獲得し得るという情報を取得できる観点によれば、ストップボタン23a〜23cの操作アシストの一類型として把握できる。
・アシスト表示は、無効表示領域IRと、非透過領域16aのうち透過領域16の右方の領域とを跨って表示してもよい。アシスト表示は、無効表示領域IRと、非透過領域16aのうち透過領域16の左方の領域とを跨って表示してもよい。
・アシスト表示に用いる画像の種類を変更してもよい。例えば、図9に示すように、矢印を模した画像であってもよく、押し順を遊技者に報知するメッセージ(例えば「逆押し」など)を模した画像であってもよい。
・アシスト表示を開始するタイミングは、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU41aは、各リール13a〜13cの回動開始から所定期間の経過後からアシスト表示を行わせてもよい。
・アシスト表示を行う期間は、適宜変更してもよい。例えば、副制御用CPU41aは、各リール13a〜13cのうち少なくとも1つのリールに演出上の動作をさせるフリーズ演出状態中にアシスト表示を行わせてもよい。
・アシスト表示は、非透過領域16aに跨ることなく、無効表示領域IRに画像を表示して行ってもよい。即ち、リールの回動状態においてアシスト表示の少なくとも一部が透過位置a1〜a3,c1〜c3に重なって表示されておればよい。
・アシスト表示は、複数の報知画像を表示して行う場合、そのうちの一部の報知画像について、下段透過位置c1〜c3の一部又は全部に重ねて表示してもよい。
・アシスト表示は、透過型ディスプレイ14に画像を表示して行うことに加えて、又は代えて、押し順を報知する演出用の可動体を、無効表示領域IRと非透過領域16aとに跨る位置へ変位させて行ってもよい。
・前面扉12の前面側において、透過領域16を含む部分に透過型ディスプレイ14が配設されておればよく、その他の部分には、非透過型ディスプレイが配設されていてもよい。
・リールユニット13は、4つ以上のリールを有していてもよい。
・各リール13a〜13cの回動方向を変更してもよい。
・アシスト表示に伴わせて、音声演出や発光演出を行ってもよい。
・副制御基板41の機能を複数の基板に分割してもよい。例えば、透過型ディスプレイ14を専門に制御する表示基板、スピーカSPを専門に制御する音声基板、及び装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。また、主制御基板40と副制御基板41の機能を統合した単一の基板を備えた遊技機としてもよい。
・メダルとは異なる形状の遊技媒体を用いる遊技機に具体化してもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるスロットマシン(所謂パロット)として具体化してもよい。
以下に記載する技術的思想は、上記実施形態から把握できる。
(イ)非透過領域には、表示演出画像が表示されることが好ましい。
(ロ)アシスト表示は、操作部材の操作順を特定可能な表示であり、操作部材が操作されることによって表示状態から非表示状態へ遷移することが好ましい。