JP4928657B2 - 光制御膜の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光制御膜を製造する装置及びその製造方法に関し、より詳細には曇価に角度依存性のある光制御膜を製造する装置及びその製造方法に関するものである。
従来、十分な全光線透過率を有するとともに表面が平滑で、且つ曇価に角度依存性のある光制御膜を製造する方法として、屈折率が互いに異なる少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する光硬化性樹脂組成物を膜状に成形し、成形した光硬化性樹脂組成物膜を相対的に移動させながら、線状光源から所定の角度で光を照射して光制御膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。図8に、従来の光硬化膜の製造装置を示す。
図8の製造装置は、時計回りに回転するコンベア1と、コンベア1の上方に配置された線状の光源ランプ3と、コンベア1の直上にコンベア1に離隔対向するように配置された光遮蔽板5とを備える。光遮蔽板5には、コンベア1の移動方向に対して垂直方向に伸びる所定幅の四角形状の開口部51が形成されている。このような製造装置において、光硬化性樹脂組成物膜が成形されたガラス基板2をコンベア1上に載置し移動させると、光遮蔽板5の開口部51によって所定の照射角度に調整された光源ランプ3からの光が光硬化性樹脂組成物膜に順次照射される。これによって、特定角度からの入射光のみを散乱する、曇価に角度依存性のある光硬化膜が作製される。
特開平2−67501号公報
しかしながら、上記提案技術では、光硬化性樹脂組成物膜の相対的移動速度を速くすると、光照射量が不足して所望の曇価が得られないという不具合があった。このため、従来の製造装置では光硬化膜の生産性を高めることが困難であった。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、曇価に角度依存性のある光制御膜を、高い生産性で製造できる製造装置及び製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、光制御膜が大面積のものであっても均一に、しかも連続的に製造できる製造装置及び製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく種々検討した結果、線状光源から放射される光を効率的に光硬化性樹脂組成物膜に照射すればよいとの着想に基づき本発明をなすに至った。すなわち、本発明に係る光制御膜の製造装置は、光硬化性樹脂組成物膜(以下、「樹脂組成物膜」と記すことがある)と離隔対向するように線状光源を配置し、光硬化性樹脂組成物膜及び線状光源の少なくとも一方を移動させながら、線状光源から光を照射して光硬化性樹脂組成物膜を硬化させて光制御膜を形成する製造装置であって、線状光源の軸方向と前記の移動方向とが交差し、複数枚の薄板状の遮光部材が、光硬化性樹脂組成物膜と線状光源との間に、移動方向と同方向に所定間隔で、且つ遮光部材の、光硬化性樹脂組成物膜と対向する一辺が、移動方向に対して略垂直方向となるように設けられていることを特徴とする。
前記複数枚の薄板状の遮光部材の設置間隔Dと、遮光部材の、光硬化性樹脂組成物膜方向への長さLとの比D/Lは0.001〜0.02の範囲が好ましい。
製造する光硬化膜の曇価の角度依存性を高める観点などから、線状光源からの光を反射して平行光とし、光硬化性樹脂組成物膜に照射する反射部材をさらに設けるのが好ましい。
光硬化性樹脂組成物としては、それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、且つ、単独重合して得られる単独重合体の屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有するものが好適である。
また、本発明によれば、それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、且つ、単独重合して得られる単独重合体の屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する光硬化性樹脂組成物を膜状に成形し、前記記載の製造装置を用いて樹脂組成物膜を硬化させる光制御膜の製造方法が提供される。
光硬化性樹脂組成物膜の膜厚としては25μm以上が好ましい。
本発明の製造装置及び製造方法によれば、特定角度からの入射光のみを散乱する、曇価に角度依存性のある光硬化膜を、高い生産性で製造できるようになる。また、大面積の光硬化膜であっても均一に連続的に製造できるようになる。
以下、本発明に係る製造装置及び製造方法について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、本発明に係る製造装置の一実施形態を示す斜視図を示す。なお、図8と同一の部材及び部分には同一を符号を付している。図1の製造装置は、矢印方向に回転移動するコンベア1と、コンベア1の上方に、コンベア1の移動方向と略直交する方向に配置された棒状の光源ランプ(線状光源)3と、コンベア1の直上にコンベア1と対向するよう設置された、四角形状の開口部51を有する光遮蔽板(光遮蔽部材)5と、光源ランプ3のコンベア側と反対側に設けられた反射板4と、コンベア1と光源ランプ3との間に、コンベア1の移動方向と同方向に所定間隔で、且つ光硬化性樹脂組成物膜と対向する一辺が、コンベア1の移動方向に対して略垂直方向となるように設けられた複数枚の薄板状の遮光板(遮光部材)6とを有する。なお、光遮蔽板5は、装置外から光が進入し樹脂組成物膜に当たるのを防止するためのものであって、光遮蔽板5を取り付けない場合でも本発明の効果は得られる。
このような製造装置において、樹脂組成物膜(不図示)が表面に形成されたガラス基板2をコンベア1上に載置し、所定速度で移動させながら、光源ランプ3からの光を樹脂組成物膜に照射する。このとき、光源ランプ3から出射した光は、遮光板6間の空間に、直接又は反射板4で反射して入射する。ここで使用する反射板4は、図2に示すように、その断面形状が放物面で構成された、光源ランプ3からの光を反射して平行光とするものである。また、反射板4の取付け角度は、反射板4で反射して形成される平行光が、遮光板6とほぼ平行となるように調整されている。この結果、図3に示すように、遮光板6とほぼ平行な光が従来の装置に比べて多く樹脂組成物膜に当たるようになり、樹脂組成物膜の移動速度を速くしても、樹脂組成物の硬化に必要な光量が照射されるようになる。また、ほぼ同一の照射角度で多くの光が樹脂組成物に当たるので、得られる光硬化膜の、コンベア1の移動方向と同方向における曇価曲線のピークはシャープなものとなる。なお、ほぼ平行、略垂直方向とは±10°程度までは許容されることを意味する。
光制御膜の、コンベア1の移動方向と同方向の、所定値以上の曇価を示す光散乱角度域を調整するには、樹脂組成物膜に対する光照射角度を調整すればよい。すなわち、反射板4を光源ランプ3の周方向に揺動させるとともに、複数枚の遮光板6を互いの間隔を維持させながら傾けて、光硬化性樹脂組成物膜に対する光照射角度を調整すればよい。なお、コンベア1の移動方向に対して垂直方向における、樹脂組成物膜に対する照射光は、遮光板6の間から広い角度範囲で樹脂組成物膜に当たるので、光硬化膜の、コンベア1の移動方向に対して垂直方向の曇価は、角度依存性がなくすべての角度範囲にわたって高い値を示す。
本発明で使用する反射板4は、反射した光を平行光とするものに限定されるものではなく、図4に示すような集光拡散点使用タイプの集光光型(同図(a))や集光点使用タイプの集光光型(同図(b))など従来公知ものが使用できる。ただし、光源ランプ3からの光を樹脂組成物膜に効率的に照射する観点からは平行光型の反射板が望ましい。平行光型の反射板としては、例えば、凹面ミラーが例示される。
遮光板6は、コンベア1の移動方向と同方向に所定間隔で、樹脂組成物膜と対向する一辺がコンベア1の移動方向に対して略垂直方向となるように設置されていることが重要である。これによって、コンベア1の移動方向と同方向における光照射角度が制御される。遮光板6の形状は薄板状であれば特に限定はないが、例えば図5に示すように、遮光板6の、樹脂組成物膜方向への長さLは5cm〜50cmの範囲が好ましく、より好ましい下限値は10cm、より好ましい上限値は30cmである。また、遮光板6の幅Wは10cm〜100cmの範囲が好ましく、より好ましい下限値は20cm、より好ましい上限値は50cmである。遮光板6の厚みTは0.01mm〜5mmの範囲が好ましく、より好ましい下限値は0.1mm、より好ましい上限値は2mmである。
また、遮光板6の設置間隔Dは、狭くするほど照射光を平行光線に近くできるが、遮光板6の厚みに対向する樹脂組成物膜の領域に光が照射されず、曇価にムラができやすくなる。このため、遮光板6の設置間隔Dは、遮光板6の長さLとの関係において、D/L=0.001〜0.02の範囲とするのが好ましい。D/Lが0.001より小さいと、相対的に板の厚みの総和が大きくなり過ぎ、樹脂組成物膜に光照射されない領域が無視できないほどに大きくなり好ましくない。反対にD/Lが0.02より大きいと、樹脂組成物膜に対する照射光が平行光線とならず、曇価に角度依存性が生じ好ましくない。D/Lのより好ましい下限値は0.01であり、さらに好ましい下限値は0.1である。他方、D/Lのより好ましい上限値は0.15であり、さらに好ましい上限値は0.1である。
遮光板6の設置位置は、光源ランプ15と樹脂組成物膜との間であれば特に限定はないが、光照射角度範囲を狭くするには、遮光板6の下端を樹脂組成物膜にできるだけ近づけて設置するのが好ましい。
遮光板6及び光遮蔽板5の材質は、特に制約されるものではなく、ガラス、セラミックス、金属、プラスチック等が使用可能であるが、光源ランプからの強い光や熱に耐久性のあり、物理的強度も強い方が好ましい。具体的には、SUSや鉄、アルミニウム等の金属及び合金類や、耐熱性高分子材料が好ましく使用される。ただし、できるだけ光を反射させないように、黒い塗装を施したり、金属の黒化処理や行ったり、また静電植毛を行ったりしておくことが好ましい。
本発明で使用する光源ランプ3は、樹脂組成物の光重合に寄与する紫外線その他の光を発するものであって、被照射位置(樹脂組成物膜の表面)から見て光源が線状の形状をなしているものである。被照射位置から見て、光源が見掛け上、線状になるようなもの、例えば点光源を多数個連続して線状にならべたもの、またはレーザ光などからの光を回転鏡および凹面鏡を用いて走査(被照射位置の1点について異なる多数の角度から照射)するようにした装置も本発明の線状光源として使用することができる。
照射光が紫外線の場合、線状紫外線ランプは、紫外線を発生するものなら特に限定されるものではないが、通常は水銀ランプあるいはメタルハライドランプなどが取扱の容易さを考慮した場合好適である。
前記実施形態の製造装置では、光源ランプ3を固定して、コンベア1によって、ガラス基板2上に形成された樹脂組成物膜を移動させているが、樹脂組成物膜を固定し光源ランプ3を移動させる、あるいは樹脂組成物膜及び光源ランプ3の双方を移動させるようにしても構わない。ただし、帯状の樹脂組成物膜を連続して光硬化処理するには、光源ランプ3を固定して樹脂組成物膜を移動させるのが好適である。樹脂組成物膜と光源ランプ3との相対移動速度は通常、0.01〜10.0m/分の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5.0m/分の範囲である。
樹脂組成物膜は、前記実施形態のように、樹脂組成物をガラス板やポリエチレンテレフタレート板等の基板上に塗布して形成するか、又は樹脂組成物をセル中に封入して膜状に形成すればよい。なお、基板は枚葉であっても連続したフィルムであってもよい。樹脂組成物膜の膜厚は、ある程度厚くなければならず、少なくとも25μmは必要である。樹脂組成物膜の好ましい膜厚は100μm以上であり、さらに好ましく膜厚は200μm以上である。
本発明で使用する光硬化性樹脂組成物は、それぞれの分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、単独重合して得られる単独重合体の屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する組成物が好適である。ここで、重合性炭素−炭素結合とは、付加重合し得る炭素−炭素二重結合又は付加重合し得る炭素−炭素三重結合を意味する。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、trans−1−オキソ−2−ブテノキシ基、シンナモイル基、ブタジエン構造、重合性共役結合、シクロペンテン環構造などのようにシクロオレフィン構造などが挙げられる。これらの中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、とりわけ、アクリロイル基が好ましい。
光重合可能なモノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、2−フェニルフェニルアクリレート、p−クミルフェニルアクリレート、ジフェニルメチルアクリレート、3−フェノキシフェニルアクリレートこれらのアクリレートに対応するメタクリレートモノマーなどの分子内に1つの重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。
また、例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリスアクリロキシイソシアヌレート、多官能のエポキシアクリレート、多官能のウレタンアクリレート、これらのアクリレートに対応するメタクリレート、例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等の分子内に複数の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物も挙げられる。
光重合可能なオリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどの多官能アクリレートや、これらのアクリレートに対応するメタクリレートなどが挙げられる。ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、ポリイソシアネートとポリオールと2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応によって生成するものが例示される。ここで、ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。またポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
ここで、使用するモノマー又はオリゴマーは、単独重合して得られる単独重合体の屈折率に差があるものを選択する。屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを混合した組成物に所定方向から光を照射して硬化させることで、光を散乱する領域、すなわち光散乱角度域が形成される。この組成物は、それを構成する複数の化合物相互の溶解性とそれぞれの屈折率差によって、曇価の角度依存性を発現するものであり、相溶性があまり良くない組合せで屈折率差が大きく、かつ反応速度が異なる場合に、光の散乱する度合い、すなわち曇価が大きくなる。この屈折率差は、通常、0.01以上であるのが好ましく、とりわけ0.02以上であるのが好ましい。
本発明で使用する光硬化性樹脂組成物は、分子内に重合性炭素−炭素結合を有するモノマー又はオリゴマーを3種以上含有していてもよく、その場合、それらのモノマー又はオリゴマーの単独重合体のいずれか2つの屈折率差が異なっていればよい。屈折率差が0.01以上のモノマー又はオリゴマーの混合割合は、通常、重量比率で10:90〜90:10の範囲である。また、モノマー又はオリゴマーの相溶性は、ある程度低い方が好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、前述のモノマー又はオリゴマーの他に、光制御性を妨げない範囲において、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類や、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等の有機薬品等や有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤等のプラスチック添加剤などを含有していてもよい。
光硬化性樹脂組成物をセル中に封入して膜状とした場合は、酸素と遮断されているので光重合開始剤は必ずしも必要としないが、光硬化性樹脂組成物を基板上に塗布して膜状とする場合は、硬化度を向上させるために予め光重合開始剤を混合しておくのが望ましい。ここで使用できる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。光重合開始剤の混合量は、光硬化性樹脂組成物100重量部に対し、通常、0.01〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.1〜3重量部の範囲である。
このような樹脂組成物膜に光を照射することによって、光硬化性樹脂組成物が硬化して、膜状体の内部に入射光を散乱する特殊な構造を有する層が形成される。この層は、屈折率の異なる微小構造が、特定方向に平行に配列して並んだ構造を有しているものと考えられる。樹脂組成物膜の膜厚があまり小さいとこの微小構造の層の形成が妨げられる。膜厚が厚くなるに従って、微小構造の層の厚みも厚くなり光散乱性能(曇価)が高くなるので好ましい。好適な膜厚は前述の通り25μm以上である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
平均分子量約3,000のポリプロピレングリコール及び、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応によって得たポリエーテルウレタンアクリレート40重量部(屈折率1.460)に対して、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート(I)55重量部(屈折率1.58)、2,4−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート5重量部及び、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(重合開始剤)1.5重量部を混合した光硬化性樹脂組成物を、厚さ188μmのPETフィルムを貼ったガラス基板上に240μmの厚さで塗布した。
そして、作製した樹脂組成物膜に、図1に示す装置を用いて紫外線を照射し、光硬化性樹脂組成物を硬化させて光制御膜を得た。ここで、反射板4は平行光型であり、光源ランプ3は80W/cmの線状水銀ランプ、コンベア1の移動速度は5.0m/分、光源ランプ3と樹脂組成物膜との距離は70cm、光遮蔽板5と樹脂組成物膜との距離は10cm、遮光板6の下端と樹脂組成物膜との距離は10cmとした。光遮蔽板5の開口部51は、樹脂組成物膜面の法線に対して光源ランプ3との角度が−9.5°から+9.5°となるように形成した。遮光板6は、長さL:20cm、幅W:50cm、厚さT:0.1cmであり、設置間隔Dを1cmとして21枚を設置した。
得られた光制御膜について、次のようにして、ガラス基板と共にその曇価を測定した。なお、ガラス基板自体の曇価は無視し得る。光制御膜の曇価の入射角度依存性は、コンベアの移動方向と同方向について測定した。図6に、測定した曇価曲線を示す。また、曇価曲線から求めた最大曇価、最小曇価及び曇価60%以上である光散乱角度域を表1に示す。
(曇価の測定)
曇価は、積分球式光線透過率測定装置(ガードナー社製のヘイズガードプラス4725)を用いて、光制御膜の中心と積分球との距離を4cmとして、光制御膜の全光線透過率及び拡散透過率を測定し、下式により求めた。
また、光制御膜における曇価の角度依存性は、次のようにして測定した。すなわち、図7に示すように、光制御膜の試験片8への光の入射角度θを0〜180°の間で変化させて、それぞれの角度毎に上記の曇価を測定し、60%以上の曇価を示す角度範囲を光散乱角度域とする。ここで、角度θは、試験片8の光入射面と入射光とのなす角度であって、試験片8の回転は、曇価の角度依存性が最大となる方向に行う。図中に示すAとBは、同図(a)(試験片8に垂直方向から光を入射する場合:θ=90°)と同図(b)(試験片8に斜め方向から光を入射する場合)とで、試験片8の対応する部分がわかるように付した符号である。
(実施例2)
コンベアの移動速度を1.0m/分とした以外は実施例1と同様にして光制御膜を作製し、その曇価を測定した。得られた光制御膜の曇価曲線を図6に合わせて示す。そしてこの曇価曲線から求めた最大曇価、最小曇価及び曇価60%以上である光散乱角度域を表1に示す。
(実施例3)
コンベアの移動速度を0.5m/分とした以外は実施例1と同様にして光制御膜を作製し、その曇価を測定した。得られた光制御膜の曇価曲線を図6に合わせて示す。そしてこの曇価曲線から求めた最大曇価、最小曇価及び曇価60%以上である光散乱角度域を表1に示す。
(実施例4)
平行光型の反射板の代わりに焦点拡散点使用タイプの集光型の反射板を用いた以外は実施例3と同様にして光制御膜を作製した。得られた光制御膜の曇価曲線を図6に合わせて示す。そしてこの曇価曲線から求めた最大曇価、最小曇価及び曇価60%以上である光散乱角度域を表1に示す。
本発明の製造装置及び製造方法によれば、特定角度からの入射光のみを散乱する、曇価に角度依存性のある光硬化膜を、高い生産性で製造できるようになる。
本発明に係る製造装置の一例を示す斜視図である。 図1の製造装置で使用する反射板の説明図である。 図1の製造装置の正面図である。 本発明で使用できる他の反射板を示す図である。 図1の製造装置で使用する遮光板の斜視図である。 実施例1〜4の光制御膜における曇価の入射角度依存性を示す図である。 曇価の角度依存性の測定方法を説明する図である。 従来の製造装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 コンベア
2 ガラス基板
3 光源ランプ(線状光源)
4 反射板(反射部材)
5 光遮蔽板(光遮蔽部材)
6 遮光板(遮光部材)
51 開口部

Claims (6)

  1. 光硬化性樹脂組成物膜と離隔対向するように線状光源を配置し、光硬化性樹脂組成物膜及び線状光源の少なくとも一方を移動させながら、線状光源から光を照射して光硬化性樹脂組成物膜を硬化させて光制御膜を形成する製造装置であって、
    線状光源の軸方向と前記の移動方向とが交差し、
    複数枚の薄板状の遮光部材が、光硬化性樹脂組成物膜と線状光源との間に、移動方向と同方向に所定間隔で、且つ遮光部材の、光硬化性樹脂組成物膜と対向する一辺が、移動方向に対して略垂直方向となるように設けられていることを特徴とする光制御膜の製造装置。
  2. 前記複数枚の薄板状の遮光部材の設置間隔Dと、遮光部材の、光硬化性樹脂組成物膜方向への長さLとの比D/Lが0.001〜0.02の範囲である請求項1記載の光制御膜の製造装置。
  3. 線状光源からの光を反射して平行光とし、光硬化性樹脂組成物膜に照射する反射部材がさらに設けられている請求項1又は2記載の光制御膜の製造装置。
  4. 光硬化性樹脂組成物が、それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、且つ、単独重合して得られる単独重合体の屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の光制御膜の製造装置。
  5. それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、且つ、単独重合して得られる単独重合体の屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する光硬化性樹脂組成物を膜状に成形し、請求項1〜4のいずれかに記載の製造装置を用いて光硬化性樹脂組成物膜を硬化させる光制御膜の製造方法。
  6. 光硬化性樹脂組成物の膜厚を25μm以上とする請求項5記載の光制御膜の製造方法。
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