JP6016470B2 - 光拡散フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光拡散フィルムの製造方法に関する。
特に、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、効率よく製造することができる光拡散フィルムの製造方法に関する。
従来、例えば、液晶表示装置等が属する光学技術分野においては、特定の方向からの入射光については特定の方向へ拡散させ、それ以外の方向からの入射光についてはそのまま直進透過させることができる光拡散フィルムの使用が提案されている。
このような光拡散フィルムとしては、様々な態様が知られているが、特に、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に沿って交互に配置してなるルーバー構造を有する光拡散フィルムが広く使用されている(例えば、特許文献1〜2)。
すなわち、特許文献1には、プラスチックシートであって、そのシートに対して2つ以上の角度範囲の入射光を選択的に散乱することを特徴とする光制御板(光拡散フィルム)が開示されている。
また、特許文献1には、それぞれの屈折率に差がある分子内に1個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組成物を、膜状に維持し、特定の方向から紫外線を照射して該組成物を硬化させる第1の工程と、得られた硬化物上に樹脂組成物を膜状に維持し第1の工程とは別の方向から紫外線を照射して硬化させる第2工程からなり、必要に応じて第2の工程を繰り返すことを特徴とする光制御板(光拡散フィルム)の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、曇価に角度依存性があり、その表面に対して0〜180°の角度で光を入射させたときに、60%以上の曇価を示す光散乱角度域(光拡散入射角度領域)が30°以上である光制御膜(光拡散フィルム)を複数枚積層してなることを特徴とするプロジェクション用スクリーンであって、図23(a)〜(b)に示すように、複数枚の光制御膜(光拡散フィルム)のうち2枚は、光散乱角度域(光拡散入射角度領域)の方向がほぼ直交するように積層されてなることを特徴とするプロジェクション用スクリーンが開示されている。
特開昭63−309902号公報(特許請求の範囲) 特開2005−316354号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1においては、光拡散フィルムを連続的に大量生産する場合には、光拡散フィルム用組成物からなる塗布層をコンベア等で移動させながら、当該塗布層に対して線状光源を用いて活性エネルギー線を照射することにより、所定のルーバー構造を有する光拡散フィルムを製造することになる。
したがって、特許文献1の場合、入射光を塗布層の移動方向、すなわちフィルムの長尺方向に沿った方向に光拡散させるような光拡散フィルムを得ることはできるものの、入射光をフィルムの長尺方向と直交する方向に光拡散させるような光拡散フィルムを得ることはできないという問題が見られた。
より具体的に説明すると、入射光をフィルムの長尺方向と直交する方向に光拡散させるような光拡散フィルムを得るためには、フィルムの長尺方向に延びる板状領域からなるルーバー構造を形成する必要がある。
このため、特許文献1においてそのようなルーバー構造を形成しようとすると、線状光源の長軸方向が、塗布層の移動方向に沿った方向になるように線状光源を配置することになる。
ところが、線状光源をそのように配置したとしても、塗布層の移動方向断面から眺めた場合、塗布層の表面における巾方向の各位置によって、線状光源からの活性エネルギー線が異なる角度で照射されることになるため、得られる光拡散フィルムの光拡散特性が不均一になる。
したがって、引用文献1においては、入射光をその長尺方向と直交する方向に光拡散させるような長尺状の光拡散フィルムを得ようとすると、まず、フィルムを上面から眺めた場合に巾方向に沿って板状領域が配置されてなるルーバー構造を有する光拡散フィルムを得る必要がある。次いで、それらを裁断し、90°方向を変えて複数の光拡散フィルムをつなぎ合わせる必要が生じる。このため、継ぎ目部分において光拡散性が不均一になったり、フィルムの強度が低下し易くなったりするといった問題が見られた。
また、引用文献1においては、第1の工程で得られるルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2の工程で得られるルーバー構造における板状領域の延び方向とが基本的に平行である。
このため、入射光をその長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることは、根本的に不可能であるという問題が見られた。
一方、特許文献2においては、図23(a)〜(b)に示すように、複数枚の光拡散フィルムのうちの2枚を、光拡散入射角度領域の方向がほぼ直交するように積層させていることから、一見、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向にも光拡散させることができるようにも思われる。
しかしながら、特許文献2の場合であっても、光拡散フィルムを連続的に大量生産する場合には、光拡散フィルム用組成物からなる塗布層をコンベア等で移動させながら、線状光源を用いて活性エネルギー線を照射することになる。
したがって、図23(a)に示すような、入射光をフィルムの長尺方向と直交する方向に光拡散させるような光拡散フィルム221を得ることは、特許文献1における場合と同様の理由から困難となる。
それ故、結局、特許文献2に開示されている光拡散フィルムであっても、図23(a)に示すような入射光をその長尺方向と直交する方向に光拡散させるような長尺状の光拡散フィルム221を得ようとすると、複数の光拡散フィルムをつなぎ合わせる必要が生じるため、特許文献1の場合と同様に継ぎ目部分において光拡散性が不均一になったり、フィルムの強度が低下し易くなったりする。
このため、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向にも光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げることができないという問題が見られた。
このような状況の下、大画面スクリーン等への適用が容易で、継ぎ目等の問題が発生しない長尺状の光拡散フィルムが求められていた。
すなわち、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向にも光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムの製造方法が求められていた。
そこで、本発明の発明者等は、以上のような事情に鑑み、鋭意努力したところ、線状光源を用いた2回の活性エネルギー線照射工程を含む所定の製造方法において、当該2回の活性エネルギー線照射工程におけるそれぞれの線状光源の配置角度の関係を所定の範囲に規定することにより、上述した問題を解決した長尺状の光拡散フィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、効率よく製造することができる光拡散フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に平行配置してなる第1のルーバー構造および第2のルーバー構造を、フィルム膜厚方向に沿って下方から順次に有する長尺状の光拡散フィルムの製造方法であって、下記工程(a)〜(e)を含むことを特徴とする光拡散フィルムの製造方法が提供され、上述した問題を解決することができる。
(a)屈折率が異なる2つの重合性化合物を含む光拡散フィルム用組成物を準備する工程
(b)光拡散フィルム用組成物を工程シートに対して塗布し、第1の塗布層を形成する工程
(c)第1の塗布層に対し、当該第1の塗布層を移動させながら、線状光源を用いて、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長軸方向と、第1の塗布層の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ2を10〜80°の範囲内の値とする第1の活性エネルギー線照射を行い、第1のルーバー構造を形成する工程
(d)光拡散フィルム用組成物を第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層に対して塗布し、第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体を形成する工程
(e)第2の塗布層に対し、第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体を移動させながら、線状光源を用いて、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長軸方向と、第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ3を10〜80°の範囲内の値とする第2の活性エネルギー線照射を行い、第2のルーバー構造を形成する工程であって、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が為す鋭角θ1を10〜90°の範囲内の値とする工程
すなわち、本発明の光拡散フィルムの製造方法であれば、線状光源を用いた2回の活性エネルギー線照射工程において、それぞれの線状光源の配置角度の関係を所定の範囲に規定していることから、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向とを、所定の角度で交差させてなる長尺状の光拡散フィルムを、効率よく製造することができる。
したがって、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、効率よく製造することができる。
より具体的には、従来のように複数の光拡散フィルムをつなぎ合わせることなく、入射光をその長尺方向に沿った方向、および、その長尺方向と直交する方向に光拡散させることができる長尺状の光拡散フィルムを得ることができる。
また、このように実施することにより、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、より効率よく製造することができる。
また、本発明の光拡散フィルムの製造方法を実施するにあたり、工程(e)において、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動方向と直交する仮想線に対して、線対称となるようにすることが好ましい。
このように実施することにより、得られる光拡散フィルムにおいて、入射光をより均一に光拡散させることができる。
また、本発明の光拡散フィルムの製造方法を実施するにあたり、工程(c)および工程(e)において、第1の活性エネルギー線照射および第2の活性エネルギー線照射を、長溝状の活性エネルギー線透過部を有する遮光板を介して行うとともに、活性エネルギー線透過部の長手方向が、線状光源の長軸方向に平行な方向であることが好ましい。
このように実施することにより、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、さらに効率よく製造することができる。
また、本発明の光拡散フィルムの製造方法を実施するにあたり、工程(c)において、第1の活性エネルギー線照射における第1の塗布層の表面におけるピーク照度を0.1〜50mW/cm2の範囲内の値とするとともに、第1の塗布層の表面における積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、第1のルーバー構造をより効率的に形成することができる。
なお、ここでいうピーク照度とは、第1の塗布層表面に照射される活性エネルギー線が最大値を示す部分での測定値を意味する。
また、本発明の光拡散フィルムの製造方法を実施するにあたり、工程(e)において、第2の活性エネルギー線照射における第2の塗布層の表面におけるピーク照度を0.1〜50mW/cm2の範囲内の値とするとともに、第2の塗布層の表面における積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、第2のルーバー構造をより効率的に形成することができる。
なお、ここでいうピーク照度とは、第2の塗布層表面に照射される活性エネルギー線が最大値を示す部分での測定値を意味する。
また、本発明の光拡散フィルムの製造方法を実施するにあたり、工程(b)において、第1の塗布層の膜厚を80〜700μmの範囲内の値とするとともに、工程(d)において、第2の塗布層の膜厚を80〜700μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、第1および第2のルーバー構造を、さらに効率的に形成することができる。
また、本発明の光拡散フィルムの製造方法を実施するにあたり、工程(c)における第1の塗布層の移動速度および工程(e)における第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動速度をそれぞれ0.1〜10m/分の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、第1のルーバー構造および第2のルーバー構造を、より一段と効率的に形成することができるためである。
図1(a)〜(b)は、光拡散フィルムにおけるルーバー構造の概略を説明するために供する図である。 図2(a)〜(b)は、光拡散フィルムにおける入射角度依存性、異方性および開き角を説明するために供する図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の製造方法により得られる光拡散フィルムの基本的構成について説明するために供する図である。 図4(a)〜(d)は、本発明の製造方法における各工程を説明するために供する図である。 図5(a)〜(b)は、線状光源を用いた活性エネルギー線照射について説明するために供する図である。 図6(a)〜(b)は、線状光源の配置角度について説明するために供する図である。 図7は、線状光源を用いた活性エネルギー線照射について説明するために供する別の図である。 図8(a)〜(e)は、線状光源の配置角度と、入射光の拡散面積との関係について説明するために供する図である。 図9(a)〜(e)は、線状光源の配置角度と、入射光の拡散面積との関係について説明するために供する写真である。 図10(a)〜(b)は、ルーバー構造を説明するために供する図である。 図11(a)〜(b)は、長尺状の光拡散フィルムの形状について説明するために供する図である。 図12は、実施例1の長尺状の光拡散フィルムの構成を説明するために供する図である。 図13(a)〜(b)は、実施例1の長尺状の光拡散フィルムにおける断面の様子を説明するために供する写真である。 図14(a)〜(b)は、実施例1の長尺状の光拡散フィルムの光拡散特性を説明するために供する図である。 図15は、比較例1の長尺状の光拡散フィルムの構成を説明するために供する図である。 図16(a)〜(b)は、比較例1の長尺状の光拡散フィルムにおける断面の様子を説明するために供する写真である。 図17(a)〜(b)は、比較例1の長尺状の光拡散フィルムの光拡散特性を説明するために供するスペクトル図および写真である。 図18(a)〜(c)は、比較例2における第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層の構成を説明するために供する図である。 図19は、比較例2の長尺状の光拡散フィルムの構成を説明するために供する図である。 図20(a)〜(b)は、比較例2の長尺状の光拡散フィルムにおける断面の様子を説明するために供する写真である。 図21(a)〜(b)は、比較例2の長尺状の光拡散フィルムの非継ぎ目部分における光拡散特性を説明するために供するスペクトル図および写真である。 図22(a)〜(b)は、比較例2の長尺状の光拡散フィルムの継ぎ目部分における光拡散特性を説明するために供するスペクトル図および写真である。 図23(a)〜(b)は、従来の光拡散フィルムについて説明するために供する図である。
本発明の実施形態は、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に平行配置してなる第1のルーバー構造および第2のルーバー構造を、フィルム膜厚方向に沿って下方から順次に有する長尺状の光拡散フィルムの製造方法であって、下記工程(a)〜(e)を含むことを特徴とする光拡散フィルムの製造方法である。
(a)屈折率が異なる2つの重合性化合物を含む光拡散フィルム用組成物を準備する工程
(b)光拡散フィルム用組成物を工程シートに対して塗布し、第1の塗布層を形成する工程
(c)第1の塗布層に対し、当該第1の塗布層を移動させながら、線状光源を用いて第1の活性エネルギー線照射を行い、第1のルーバー構造を形成する工程
(d)光拡散フィルム用組成物を第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層に対して塗布し、第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体を形成する工程
(e)第2の塗布層に対し、第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体を移動させながら、線状光源を用いて第2の活性エネルギー線照射を行い、第2のルーバー構造を形成する工程であって、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が為す鋭角θ1を10〜90°の範囲内の値とする工程
以下、本発明の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明するが、かかる説明の理解を容易にするため、まず、光拡散フィルムにおける光拡散の基本原理および本発明の光拡散フィルムの製造方法によって得られる所定の光拡散フィルムの基本的構成について説明する。
1.光拡散フィルムにおける光拡散の基本原理
最初に、図1〜2を用いて光拡散フィルムにおける光拡散の基本原理について説明する。
まず、図1(a)には、光拡散フィルム10の上面図(平面図)が示してあり、図1(b)には、図1(a)に示す光拡散フィルム10を、点線A−Aに沿って垂直方向に切断して、切断面を矢印方向から眺めた場合の光拡散フィルム10の断面図が示してある。
また、図2(a)には、光拡散フィルム10の全体図を示し、図2(b)には、図2(a)の光拡散フィルム10をX方向から見た場合の断面図を示す。
かかる図1(a)の平面図に示すように、光拡散フィルム10は、フィルム面に沿った任意の一方向に、相対的に屈折率が高い板状領域12と、相対的に屈折率が低い板状領域14と、が交互に平行配置されたルーバー構造13を備えている。
言い換えると、フィルムを水平面に載置した場合に、フィルム内において水平方向に延びてなる板状領域からなるルーバー構造を備えている。
また、図1(b)の断面図に示すように、相対的に高屈折率の板状領域12と、相対的に低屈折率の板状領域14は、それぞれ所定厚さを有しており、光拡散フィルム10の法線方向(膜厚方向)においても、交互に平行配置された状態を保持している。
これにより、図2(a)に示すように、入射角が光拡散入射角度領域内である場合には、入射光が光拡散フィルム10によって拡散されると推定される。
すなわち、図1(b)に示すように、光拡散フィルム10に対する入射光の入射角が、ルーバー構造13の境界面13´に対し、平行から所定の角度範囲の値、つまり、光拡散入射角度領域内の値である場合には、入射光(52、54)は、ルーバー構造内の相対的に高屈折率の板状領域12の内部を、方向を変化させながら膜厚方向に沿って通り抜けることにより、出光面側での光の進行方向が一様でなくなるものと推定される。
その結果、入射角が光拡散入射角度領域内である場合には、入射光が光拡散フィルム10によって拡散されると推定される(52´、54´)。
一方、光拡散フィルム10に対する入射光の入射角が、光拡散入射角度領域から外れる場合には、図1(b)に示すように、入射光56は、光拡散フィルムによって拡散されることなく、そのまま光拡散フィルム10を透過するものと推定される(56´)。
なお、本発明において、「光拡散入射角度領域」とは、光拡散フィルムに対し、点光源からの入射光の角度を変化させた場合に、拡散光を出光するのに対応する入射光の角度範囲を意味する。
また、かかる「光拡散入射角度領域」は、図2(a)に示すように、光拡散フィルムにおけるルーバー構造の屈折率差や傾斜角等によって、その光拡散フィルムごとに決定される角度領域である。
以上の基本原理により、ルーバー構造13を備えた光拡散フィルム10は、例えば、図2(a)に示すように、光の透過と拡散において入射角度依存性を発揮することが可能となる。
また、図1〜図2に示すように、単一のルーバー構造13を有する光拡散フィルムは、通常、「異方性」を有することになる。
ここで、本発明において「異方性」とは、図2(a)に示すように、入射光がフィルムによって拡散された場合に、拡散された出射光におけるフィルムと平行な面内での、その光の拡散具合(拡散光の広がりの形状)が、同面内での方向によってことなる性質を有することを意味する。
より具体的には、図2(a)に示すように、入射光に含まれる成分のうち、フィルム面に沿った任意の一方向に沿って延びるルーバー構造の向きに垂直な成分については、選択的に光の拡散が生じる一方、入射光に含まれる成分のうち、フィルム面に沿った任意の一方向に沿って延びるルーバー構造の向きに平行な成分については、光の拡散が生じにくいため、異方性光拡散が実現する。
したがって、異方性を有する光拡散フィルムにおける拡散光の広がりの形状は、図2(a)に示すように、略楕円形状になる。
また、上述したように、光拡散に寄与する入射光の成分は、主にフィルム面に沿った任意の一方向に沿って延びるルーバー構造の向きに垂直な成分であることから、図2(b)に示すように、本発明において、入射光の「入射角θ4」と言った場合、フィルム面に沿った任意の一方向に沿って延びるルーバー構造の向きに垂直な成分の入射角を意味するものとする。また、このとき、入射角θ4は、光拡散フィルムの入射側表面の法線に対する角度を0°とした場合の角度(°)を意味するものとする。
また、本発明において、「光拡散角度領域」とは、光拡散フィルムに対して、入射光が最も拡散される角度に点光源を固定し、この状態で得られる拡散光の角度範囲を意味するものとする。
さらに、本発明において、「拡散光の開き角」とは、上述した「光拡散角度領域」の幅であり、図2(b)に示すように、フィルム面に沿った任意の一方向に沿って延びるルーバー構造の向きに平行な方向Xから、フィルムの断面を眺めた場合における拡散光の開き角θ5を意味するものとする。
また、図2(a)に示すように、光拡散フィルムは、入射光の入射角が光拡散入射角度領域に含まれる場合には、その入射角が異なる場合であっても、出光面側においてほぼ同様の光拡散をさせることができる。
したがって、得られた光拡散フィルムは、光を所定箇所に集中させる集光作用を有すると言うことができる。
なお、ルーバー構造内の高屈折率領域12の内部における入射光の方向変化は、図1(b)に示すような全反射により直線状にジグザグに方向変化するステップインデックス型となる場合の他、曲線状に方向変化するグラディエントインデックス型となる場合も考えられる。
また、図1(a)および(b)では、相対的に屈折率が高い板状領域12と、相対的に屈折率が低い板状領域14と、の界面を簡単のために直線で表わしたが、実際には、界面は僅かに蛇行しており、それぞれの板状領域は分岐や消滅を伴った複雑な屈折率分布構造を形成している。
その結果、これらが光拡散特性に複雑に作用しているものと推定される。
2.基本的構成
次いで、図3を用いて、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルムの基本的構成について説明する。
すなわち、図3(c)に示すように、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルム20は、図3(a)に示す第1のルーバー構造13a、および図3(b)第2のルーバー構造13bを、フィルム膜厚方向に沿って下方から順次に有することを特徴としている。
さらに、図3(a)に示す第1のルーバー構造13aにおける板状領域の延び方向と、図3(b)に示す第2のルーバー構造13bにおける板状領域の延び方向とは、それぞれ異なり、フィルム上方向から眺めた場合には、交差している。
したがって、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルム20であれば、フィルムに対して入射した光を、例えば、まず、図3(a)に示すように第2のルーバー構造13bによって異方性光拡散させることになる。
次いで、第2のルーバー構造13bによって異方性光拡散された拡散光を、さらに、図3(b)に示すように第1のルーバー構造13aによって、第2のルーバー構造13bとは異なる方向に異方性光拡散させることになる。
その結果、図3(c)に示すように、本発明の光拡散フィルム20に入射した光は、四角形状に光拡散されることになり、入射光の拡散面積を効果的に広げることができる。
なお、上述した「下方」とは、工程シート上に塗布層を設けた際に、塗布層の膜厚方向における工程シートに近い側を意味する。したがって、本発明を説明するための便宜的な用語であり、光拡散フィルム自体の上下方向を何ら制約するものではない。
また、「入射光の拡散面積」とは、図3(c)に示すように、入射光がフィルムによって拡散された場合に、拡散された出射光におけるフィルムから所定の距離におけるフィルムと平行な面内での、拡散光が分布する面積を意味する。
以下、本実施形態に係る光拡散フィルムの製造方法について詳述する。
3.工程(a):光拡散フィルム用組成物の準備工程
工程(a)は、所定の光拡散フィルム用組成物を準備する工程である。
より具体的には、屈折率が異なる少なくとも2つの重合性化合物、光重合開始剤および所望によりその他の添加剤を混合する工程であることが好ましい。
また、混合に際しては、室温下でそのまま撹拌してもよいが、均一性を向上させる観点からは、例えば、40〜80℃の加温条件下にて撹拌して、均一な混合液とすることが好ましい。
また、塗工に適した所望の粘度となるように、希釈溶剤を更に加えることも好ましい。
以下、工程(a)について、より具体的に説明する。
(1)高屈折率重合性化合物
(1)−1 種類
屈折率が異なる2つの重合性化合物のうち、屈折率が相対的に高い方の重合性化合物(以下、(A)成分と称する場合がある。)の種類は、特に限定されないが、その主成分を複数の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステルとすることが好ましい。
この理由は、(A)成分として、特定の(メタ)アクリル酸エステルを含むことにより、(A)成分の重合速度を、屈折率が相対的に低い方の重合性化合物(以下、(B)成分と称する場合がある。)の重合速度よりも速くして、これらの成分間における重合速度に所定の差を生じさせ、両成分の共重合性を効果的に低下させることができるものと推定されるためである。
その結果、光硬化させた際に、(A)成分に由来した板状領域および(B)成分に由来した板状領域が交互に延在した、所謂、ルーバー構造を効率よく形成することができる。
また、(A)成分として、特定の(メタ)アクリル酸エステルを含むことにより、単量体の段階では(B)成分と十分な相溶性を有しつつも、重合の過程において複数繋がった段階では(B)成分との相溶性を所定の範囲にまで低下させて、ルーバー構造をさらに効率よく形成することができるものと推定される。
さらに、(A)成分として、特定の(メタ)アクリル酸エステルを含むことにより、ルーバー構造における(A)成分に由来した板状領域の屈折率を高くして、(B)成分に由来した板状領域の屈折率との差を、所定以上の値に調節することができる。
したがって、(A)成分として、特定の(メタ)アクリル酸エステルを含むことにより、後述する(B)成分の特性と相まって、屈折率の異なる板状領域が交互に延在したルーバー構造を効率的に得ることができる。
なお、「複数の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸エステルのエステル残基部分に複数の芳香環を有する化合物を意味する。
また、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の両方を意味する。
また、このような(A)成分としての複数の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラシル、(メタ)アクリル酸ベンジルフェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸ナフチルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸アントラシルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジルフェニルオキシアルキル等、若しくは、芳香環上の水素原子の一部がハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル等によって置換されたもの等を挙げることができる。
また、(A)成分としての複数の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステルとして、ビフェニル環を含有する化合物を含むことが好ましく、特に、下記一般式(1)で表わされるビフェニル化合物を含むことが好ましい。
(一般式(1)中、R1〜R10は、それぞれ独立しており、R1〜R10の少なくとも1つは、下記一般式(2)で表わされる置換基であり、残りは、水素原子、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびハロゲン原子のいずれかの置換基である。)
(一般式(2)中、R11は、水素原子またはメチル基であり、炭素数nは1〜4の整数であり、繰り返し数mは1〜10の整数である。)
この理由は、(A)成分として、特定の構造を有するビフェニル化合物を含むことにより、(A)成分および(B)成分の重合速度に所定の差を生じさせ、(A)成分と、(B)成分との相溶性を所定の範囲にまで低下させて、両成分同士の共重合性を低下させることができると推定されるためである。
また、ルーバー構造における(A)成分に由来した板状領域の屈折率を高くして、(B)成分に由来した板状領域の屈折率との差を、所定以上の値に、より容易に調節することができる。
また、一般式(1)におけるR1〜R10が、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびカルボキシアルキル基のいずれかを含む場合には、そのアルキル部分の炭素数を1〜4の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる炭素数が4を超えた値となると、(A)成分の重合速度が低下したり、(A)成分に由来した板状領域の屈折率が低くなり過ぎたりして、ルーバー構造を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、一般式(1)におけるR1〜R10が、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびカルボキシアルキル基のいずれかを含む場合には、そのアルキル部分の炭素数を1〜3の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、一般式(1)におけるR1〜R10が、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子以外の置換基、すなわち、ハロゲンを含まない置換基であることが好ましい。
この理由は、光拡散フィルムを焼却等する際に、ダイオキシンが発生することを防止して、環境保護の観点から好ましいためである。
なお、従来のルーバー構造を備えた光拡散フィルムにおいては、所定のルーバー構造を得るにあたり、モノマー成分を高屈折率化する目的で、モノマー成分においてハロゲン置換が行われることが一般的であった。
この点、一般式(1)で表わされるビフェニル化合物であれば、ハロゲン置換を行わない場合であっても、高い屈折率とすることができる。
したがって、本発明における光拡散フィルム用組成物を光硬化してなる光拡散フィルムであれば、ハロゲンを含まない場合であっても、良好な入射角度依存性を発揮することができる。
なお、「良好な入射角度依存性」とは、光拡散入射角度領域と、入射光が拡散されずにそのまま透過する非拡散入射角度領域との区別が、明確に制御されていることを意味する。
また、一般式(1)におけるR2〜R9のいずれか一つが、一般式(2)で表わされる置換基であることが好ましい。
この理由は、一般式(2)で表わされる置換基の位置を、R1およびR10以外の位置とすることにより、光硬化させる前の段階において、(A)成分同士が配向し、結晶化することを効果的に防止することができるためである。
さらに、光硬化させる前のモノマー段階で液状であり、希釈溶媒等を使用しなくとも、見掛け上(B)成分と均一に混合することができる。
これにより、光硬化の段階において、(A)成分および(B)成分の微細なレベルでの凝集・相分離を可能とし、ルーバー構造を備えた光拡散フィルムを、より効率的に得ることができるためである。
さらに、同様の観点から、一般式(1)におけるR3、R5、R6およびR8のいずれか一つが、一般式(2)で表わされる置換基であることが特に好ましい。
また、一般式(2)で表わされる置換基における繰り返し数mを、通常1〜10の整数とすることが好ましい。
この理由は、繰り返し数mが10を超えた値となると、重合部位と、ビフェニル環とをつなぐオキシアルキレン鎖が長くなりすぎて、重合部位における(A)成分同士の重合を阻害する場合があるためである。
したがって、一般式(2)で表わされる置換基における繰り返し数mを、1〜4の整数とすることがより好ましく、1〜2の整数とすることが特に好ましい。
なお、同様の観点から、一般式(2)で表わされる置換基における炭素数nを、通常1〜4の整数とすることが好ましい。
また、重合部位である重合性炭素−炭素二重結合の位置が、ビフェニル環に対して近すぎて、ビフェニル環が立体障害となり、(A)成分の重合速度が低下する場合をも考慮すると、一般式(2)で表わされる置換基における炭素数nを、2〜4の整数とすることがより好ましく、2〜3の整数とすることが特に好ましい。
また、一般式(1)で表わされるビフェニル化合物の具体例としては、下記式(3)〜(4)で表わされる化合物を好ましく挙げることができる。
(1)−2 分子量
また、(A)成分の分子量を、200〜2,500の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(A)成分の分子量を所定の範囲とすることにより、(A)成分の重合速度をさらに速くして、(A)成分および(B)成分の共重合性をより効果的に低下させることができるものと推定されるためである。
その結果、光硬化させた際に、(A)成分に由来した板状領域および(B)成分に由来した板状領域が交互に延在したルーバー構造を、より効率的に形成することができる。
すなわち、(A)成分の分子量が200未満の値となると、立体障害により重合速度が低下して、(B)成分の重合速度に近くなり、(B)成分との共重合が生じ易くなる場合があるためである。一方、(A)成分の分子量が2,500を超えた値となると、(B)成分との分子量の差が小さくなるのにともなって、(A)成分の重合速度が低下して(B)成分の重合速度に近くなり、(B)成分との共重合が生じ易くなるものと推定され、その結果、ルーバー構造を効率よく形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分の分子量を、240〜1,500の範囲内の値とすることがより好ましく、260〜1,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、(A)成分の分子量は、分子の組成と、構成原子の原子量から得られる計算値から求めることができ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて重量平均分子量として測定することもできる。
(1)−3 単独使用
また、本発明における光拡散フィルム用組成物は、ルーバー構造における屈折率が相対的に高い板状領域を形成するモノマー成分として、(A)成分を含むことを特徴とするが、(A)成分は一成分で含まれることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、(A)成分に由来した板状領域、つまり屈折率が相対的に高い板状領域における屈折率のばらつきを効果的に抑制して、ルーバー構造を備えた光拡散フィルムを、より効率的に得ることができるためである。
すなわち、(A)成分における(B)成分に対する相溶性が低い場合、例えば、(A)成分がハロゲン系化合物等の場合、(A)成分を(B)成分に相溶させるための第3成分として、他の(A)成分(例えば、非ハロゲン系化合物等)を併用する場合がある。
しかしながら、この場合、かかる第3成分の影響により、(A)成分に由来した屈折率が相対的に高い板状領域における屈折率がばらついたり、低下し易くなったりすることがある。
その結果、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い板状領域との屈折率差が不均一になったり、過度に低下し易くなったりする場合がある。
したがって、(B)成分との相溶性を有する高屈折率なモノマー成分を選択し、それを単独の(A)成分として用いることが好ましい。
なお、例えば、(A)成分としての式(3)で表わされるビフェニル化合物であれば、低粘度であることから、(B)成分との相溶性を有するため、単独の(A)成分として使用することができる。
(1)−4 屈折率
また、(A)成分の屈折率を1.5〜1.65の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(A)成分の屈折率をかかる範囲内の値とすることにより、(A)成分に由来した板状領域の屈折率と、(B)成分に由来した板状領域の屈折率との差を、より容易に調節して、ルーバー構造を備えた光拡散フィルムを、より効率的に得ることができるためである。
すなわち、(A)成分の屈折率が1.5未満の値となると、(B)成分の屈折率との差が小さくなり過ぎて、有効な光拡散角度領域を得ることが困難になる場合があるためである。一方、(A)成分の屈折率が1.65を超えた値となると、(B)成分の屈折率との差は大きくなるものの、(B)成分との見かけ上の相溶状態さえも形成困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分の屈折率を、1.52〜1.65の範囲内の値とすることがより好ましく、1.56〜1.6の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述した(A)成分の屈折率とは、光照射により硬化する前の(A)成分の屈折率を意味する。
また、屈折率は、例えば、JIS K0062に準じて測定することができる。
(1)−5 含有量
また、光拡散フィルム用組成物における(A)成分の含有量を、後述する相対的に屈折率が低い重合性化合物である(B)成分100重量部に対して、25〜400重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(A)成分の含有量が25重量部未満の値となると、(B)成分に対する(A)成分の存在割合が少なくなって、(A)成分に由来した板状領域の幅が、(B)成分に由来した板状領域の幅と比較して過度に小さくなり、良好な入射角度依存性を有するルーバー構造を得ることが困難になる場合があるためである。また、光拡散フィルムの厚さ方向におけるルーバーの長さが不十分になり、光拡散性を示さなくなる場合があるためである。一方、(A)成分の含有量が400重量部を超えた値となると、(B)成分に対する(A)成分の存在割合が多くなって、(A)成分に由来した板状領域の幅が、(B)成分に由来した板状領域の幅と比較して過度に大きくなり、逆に、良好な入射角度依存性を有するルーバー構造を得ることが困難になる場合があるためである。また、光拡散フィルムの厚さ方向におけるルーバーの長さが不十分になり、光拡散性を示さなくなる場合があるためである。
したがって、(A)成分の含有量を、(B)成分100重量部に対して、40〜300重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜200重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)低屈折率重合性化合物
(2)−1 種類
屈折率が異なる2つの重合性化合物のうち、屈折率が相対的に低い方の重合性化合物((B)成分)の種類は、特に限定されず、その主成分として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリロイル基含有シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、ウレタン(メタ)アクリレートとすることが好ましい。
この理由は、ウレタン(メタ)アクリレートであれば、(A)成分に由来した板状領域の屈折率と、(B)成分に由来した板状領域の屈折率との差を、より容易に調節できるばかりか、(B)成分に由来した板状領域の屈折率のばらつきを有効に抑制し、ルーバー構造を備えた光拡散フィルムを、より効率的に得ることができるためである。
したがって、以下においては、(B)成分としてのウレタン(メタ)アクリレートについて、主に説明する。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味する。
まず、ウレタン(メタ)アクリレートは、(B1)イソシアナート基を少なくとも2つ含有する化合物、(B2)ポリオール化合物、好ましくはジオール化合物、特に好ましくはポリアルキレングリコール、および(B3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから形成される。
なお、(B)成分には、ウレタン結合の繰り返し単位を有するオリゴマーも含むものとする。
このうち、(B1)成分であるイソシアナート基を少なくとも2つ含有する化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナート等の脂環式ポリイソシアナート、およびこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体(例えば、キシリレンジイソシアナート系3官能アダクト体)等を挙げることができる。
また、上述した中でも、脂環式ポリイソシアナートであることが、特に好ましい。
この理由は、脂環式ポリイソシアナートであれば、脂肪族ポリイソシアナートと比較して、立体配座等の関係で各イソシアナート基の反応速度に差を設けやすいためである。
これにより、(B1)成分が(B2)成分とのみ反応したり、(B1)成分が(B3)成分とのみ反応したりすることを抑制して、(B1)成分を、(B2)成分および(B3)成分と確実に反応させることができ、余分な副生成物の発生を防止することができる。
その結果、ルーバー構造における(B)成分に由来した板状領域、すなわち、低屈折率板状領域の屈折率のばらつきを効果的に抑制することができる。
また、脂環式ポリイソシアナートであれば、芳香族ポリイソシアナートと比較して、得られる(B)成分と、(A)成分との相溶性を所定の範囲に低下させて、ルーバー構造をより効率よく形成することができる。
さらに、脂環式ポリイソシアナートであれば、芳香族ポリイソシアナートと比較して、得られる(B)成分の屈折率を小さくすることができることから、(A)成分の屈折率との差を大きくし、光拡散性をより確実に発現するとともに、光拡散角度領域内における拡散光の均一性の高いルーバー構造をさらに効率よく形成することができる。
また、このような脂環式ポリイソシアナートの中でも、イソシアナート基を2つのみ含有する脂環式ジイソシアナートが好ましい。
この理由は、脂環式ジイソシアナートであれば、(B2)成分および(B3)成分と定量的に反応し、単一の(B)成分を得ることができるためである。
このような脂環式ジイソシアナートとしては、イソホロンジイソシアナート(IPDI)であることが、特に好ましく挙げることができる。
この理由は、2つのイソシアナート基の反応性に有効な差異を設けることができるためである。
また、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する成分のうち、(B2)成分であるポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキシレングリコール等が挙げられ、中でも、ポリプロピレングリコールであることが、特に好ましい。
この理由は、ポリプロピレングリコールであれば、粘度が低いことから無溶剤で取り扱うことができるためである。
また、ポリプロピレングリコールであれば、(B)成分を硬化させた際に、当該硬化物における良好なソフトセグメントとなり、光拡散フィルムのハンドリング性や実装性を、効果的に向上させることができるためである。
なお、(B)成分の重量平均分子量は、主に、(B2)成分の重量平均分子量により調節することができる。ここで、(B2)成分の重量平均分子量は、通常、2,300〜19,500であり、好ましくは4,300〜14,300であり、特に好ましくは6,300〜12,300である。
また、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する成分のうち、(B3)成分であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、得られるウレタン(メタ)アクリレートの重合速度を低下させ、所定のルーバー構造をより効率的に形成する観点から、特に、ヒドロキシアルキルメタクリレートであることがより好ましく、2−ヒドロキシエチルメタクリレートであることがさらに好ましい。
また、(B1)〜(B3)成分によるウレタン(メタ)アクリレートの合成は、常法に従って実施することができる。
このとき(B1)〜(B3)成分の配合割合を、モル比にて(B1)成分:(B2)成分:(B3)成分=1〜5:1:1〜5の割合とすることが好ましい。
この理由は、かかる配合割合とすることにより、(B2)成分の有する2つの水酸基に対してそれぞれ(B1)成分の有する一方のイソシアナート基が反応して結合し、さらに2つの(B1)成分がそれぞれ有するもう一方のイソシアナート基に対して、(B3)成分の有する水酸基が反応して結合したウレタン(メタ)アクリレートを効率的に合成することができるためである。
したがって、(B1)〜(B3)成分の配合割合を、モル比にて(B1)成分:(B2)成分:(B3)成分=1〜3:1:1〜3の割合とすることがより好ましく、2:1:2の割合とすることがさらに好ましい。
(2)−2 重量平均分子量
また、(B)成分の重量平均分子量を、3,000〜20,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(B)成分の重量平均分子量を所定の範囲とすることにより、(A)成分および(B)成分の重合速度に所定の差を生じさせ、両成分の共重合性を効果的に低下させることができるためである。
その結果、光硬化させた際に、(A)成分に由来した板状領域および(B)成分に由来した板状領域が交互に延在したルーバー構造を効率よく形成することができる。
すなわち、(B)成分の重量平均分子量が3,000未満の値となると、(B)成分の重合速度が速くなって、(A)成分の重合速度に近くなり、(A)成分との共重合が生じ易くなる結果、ルーバー構造を効率よく形成することが困難になる場合があるためである。一方、(B)成分の重量平均分子量が20,000を超えた値となると、(A)成分および(B)成分に由来した板状領域が交互に延在したルーバー構造を形成することが困難になったり、(A)成分との相溶性が過度に低下して、塗布段階で(A)成分が析出したりする場合があるためである。
したがって、(B)成分の重量平均分子量を、5,000〜15,000の範囲内の値とすることがより好ましく、7,000〜13,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、(B)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
(2)−3 単独使用
また、(B)成分は、分子構造や重量平均分子量が異なる2種以上を併用してもよいが、ルーバー構造における(B)成分に由来した板状領域の屈折率のばらつきを抑制する観点からは、1種類のみを用いることが好ましい。
すなわち、(B)成分を複数用いた場合、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い板状領域における屈折率がばらついたり、高くなったりして、(A)成分に由来した屈折率が相対的に高い板状領域との屈折率差が不均一になったり、過度に低下する場合があるためである。
(2)−4 屈折率
また、(B)成分の屈折率を1.4〜1.55の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(B)成分の屈折率をかかる範囲内の値とすることにより、(A)成分に由来した板状領域と、(B)成分に由来した板状領域の屈折率との差を、より容易に調節して、ルーバー構造を備えた光拡散フィルムを、より効率的に得ることができるためである。
すなわち、(B)成分の屈折率が1.4未満の値となると、(A)成分の屈折率との差は大きくなるものの、(A)成分との相溶性が極端に悪化し、ルーバー構造を形成することができないおそれがあるためである。一方、(B)成分の屈折率が1.55を超えた値となると、(A)成分の屈折率との差が小さくなり過ぎて、所望の入射角度依存性を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、(B)成分の屈折率を、1.45〜1.54の範囲内の値とすることがより好ましく、1.46〜1.52の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述した(B)成分の屈折率とは、光照射により硬化する前の(B)成分の屈折率を意味する。
そして、屈折率は、例えば、JIS K0062に準じて測定することができる。
また、上述した(A)成分の屈折率と、(B)成分の屈折率との差を、0.01以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる屈折率の差を所定の範囲内の値とすることにより、光の透過と拡散におけるより良好な入射角度依存性、およびより広い光拡散入射角度領域を有する光拡散フィルムを得ることができるためである。
すなわち、かかる屈折率の差が0.01未満の値となると、入射光がルーバー構造内で全反射する角度域が狭くなることから、光拡散における開き角度が過度に狭くなる場合があるためである。一方、かかる屈折率の差が過度に大きな値となると、(A)成分と(B)成分の相溶性が悪化しすぎて、ルーバー構造を形成できないおそれがあるためである。
したがって、(A)成分の屈折率と、(B)成分の屈折率との差を、0.05〜0.5の範囲内の値とすることがより好ましく、0.1〜0.2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ここでいう(A)成分および(B)成分の屈折率とは、光照射により硬化する前の(A)成分および(B)成分の屈折率を意味する。
(2)−5 含有量
また、光拡散フィルム用組成物における(B)成分の含有量を、光拡散フィルム用組成物の全体量100重量%に対して、10〜80重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(B)成分の含有量が10重量%未満の値となると、(A)成分に対する(B)成分の存在割合が少なくなって、(B)成分に由来した板状領域の幅が、(A)成分に由来した板状領域の幅と比較して過度に小さくなり、良好な入射角度依存性を有するルーバー構造を得ることが困難になる場合があるためである。また、光拡散フィルムの厚さ方向におけるルーバーの長さが不十分になる場合があるためである。一方、(B)成分の含有量が80重量%を超えた値となると、(A)成分に対する(B)成分の存在割合が多くなって、(B)成分に由来した板状領域の幅が、(A)成分に由来した板状領域の幅と比較して過度に大きくなり、逆に、良好な入射角度依存性を有するルーバー構造を得ることが困難になる場合があるためである。また、光拡散フィルムの厚さ方向におけるルーバーの長さが不十分になる場合があるためである。
したがって、(B)成分の含有量を、光拡散フィルム用組成物の全体量100重量%に対して、20〜70重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜60重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)光重合開始剤
また、本発明における光拡散フィルム用組成物においては、所望により、(C)成分として、光重合開始剤を含有させることが好ましい。
この理由は、光重合開始剤を含有させることにより、光拡散フィルム用組成物に対して活性エネルギー線を照射した際に、効率的にルーバー構造を形成することができるためである。
ここで、光重合開始剤とは、紫外線等の活性エネルギー線の照射により、ラジカル種を発生させる化合物をいう。
かかる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、光重合開始剤を含有させる場合の含有量としては、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.2〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)他の添加剤
また、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、上述した化合物以外の添加剤を添加することができる。
このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、重合促進剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、可塑剤、希釈溶剤、およびレベリング剤等が挙げられる。
なお、このような添加剤の含有量は、一般に、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.02〜3重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜2重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.工程(b):第1の塗布工程
工程(b)は、図4(a)に示すように、準備した光拡散フィルム用組成物を、工程シート2に対して塗布し、第1の塗布層1aを形成する工程である。
工程シートとしては、プラスチックフィルム、紙のいずれも使用することができる。
このうち、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルム、およびポリイミド系フィルム等が挙げられる。
また、紙としては、例えば、グラシン紙、コート紙、およびラミネート紙等が挙げられる。
また、後述する工程を考慮すると、工程シート2としては、熱や活性エネルギー線に対する寸法安定性に優れたプラスチックフィルムであることが好ましい。
このようなプラスチックフィルムとしては、上述したもののうち、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルムおよびポリイミド系フィルムが好ましく挙げられる。
また、工程シートに対しては、光硬化後に、得られた光拡散フィルムを工程シートから剥離し易くするために、工程シートにおける光拡散フィルム用組成物の塗布面側に、剥離層を設けることが好ましい。
かかる剥離層は、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、アルキッド系剥離剤、オレフィン系剥離剤等、従来公知の剥離剤を用いて形成することができる。
なお、工程シートの厚さは、通常、25〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、工程シート上に光拡散フィルム用組成物を塗布する方法としては、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、およびグラビアコート法等、従来公知の方法により行うことができる。
また、第1の塗布層の膜厚を80〜700μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1の塗布層の膜厚をかかる範囲内の値とすることにより、第1のルーバー構造を、より一段と効率的に形成することができるためである。
すなわち、第1の塗布層の膜厚が80μm未満の値となると、形成される第1のルーバー構造の長さが不足して、第1のルーバー構造内を直進してしまう入射光が増加し、光拡散角度領域内における拡散光の強度の均一性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、第1の塗布層の膜厚が700μmを超えた値となると、第1の塗布層に対して活性エネルギー線を照射して第1のルーバー構造を形成する際に、初期に形成されたルーバー構造によって光重合の進行方向が拡散してしまい、所望のルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、第1の塗布層の膜厚を100〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、120〜300μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
5.工程(c):第1の活性エネルギー線照射工程
工程(c)は、図4(b)に示すように、第1の塗布層1aに対し、当該第1の塗布層1aを移動方向Eに沿って移動させながら、線状光源125aを用いて第1の活性エネルギー線照射150aを行い、第1のルーバー構造13aを形成する工程である。
より具体的には、例えば、図5(a)に示すように、線状の紫外線ランプ125aに集光用のコールドミラー122が設けられた紫外線照射装置120(例えば、市販品であれば、アイグラフィックス(株)製、ECS−4011GX等)に、熱線カットフィルター121および遮光板123(123a、123b)を配置することにより、照射角度の制御された直接光のみからなる活性エネルギー線150aを取り出し、工程シート2の上に形成された第1の塗布層1aに対し、照射する。
また、図6(a)に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源125aの長軸方向と、第1の塗布層1aの移動方向Eに沿った仮想線E´と、が為す鋭角θ2を10〜80°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、線状光源の配置角度をこのように規定することにより、後述する工程(e)における線状光源の配置角度と相まって、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、より効率よく製造することができるためである。
すなわち、かかるθ2が10°未満の値となると、後述する工程(e)における線状光源の配置角度にもよるが、一般に、フィルムの長尺方向に沿った方向への光拡散特性が過度に低下し、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。一方、かかるθ2が80°を超えた値となると、後述する工程(e)における線状光源の配置角度にもよるが、一般に、フィルムの長尺方向と直交する方向への光拡散特性が過度に低下し、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。
したがって、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第1の塗布層の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ2を35〜55°の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜50°の範囲内の値とすることがさらに好ましく、44〜46°の範囲内の値とすることが一段と好ましい。
なお、線状光源125aと塗布層1aとの間隔は、いずれの位置でも略同一であることが好ましい。
また、活性エネルギー線の照射角度としては、図5(b)に示すように、第1の塗布層1aの表面に対する法線の角度を0°とした場合の照射角度θ6を、通常−80〜80°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる照射角度が−80〜80°の範囲外の値となると、第1の塗布層1aの表面での反射等の影響が大きくなって、十分なルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
また、照射角度θ6は、1〜80°の幅(照射角度幅)θ6´を有していることが好ましい。
この理由は、かかる照射角度幅θ6´が1°未満の値となると、塗布層の移動速度を過度に低下させなければならず、製造効率が低下する場合があるためである。一方、かかる照射角度幅θ6´が80°を超えた値となると、照射光が分散し過ぎて、ルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、照射角度θ6の照射角度幅θ6´を2〜45°の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20°の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、照射角度幅θ6´を有する場合、その丁度中間位置の角度を照射角度θ6とする。
また、第1の活性エネルギー線照射を、長溝状の活性エネルギー線透過部を有する遮光板を介して行うとともに、活性エネルギー線透過部の長手方向が、線状光源の長手方向に平行な方向であることが好ましい。
なお、活性エネルギー線透過部は、活性エネルギー線を透過する状態であればどのような態様であってもよい。
例えば、石英ガラスからなってもよいし、遮光材料が存在しない単なる空間等であってもよい。
具体的には、図7に示すように、2枚の遮光板123(123a、123b)により形成される長溝状の間隙(活性エネルギー線透過部)を介して行うとともに、長溝状の間隙の長手方向が、線状光源125aの長軸方向に平行な方向であることが好ましい。
このように遮光板を配置することにより、図5(a)に示す活性エネルギー線150aの照射角度θ6を所定の範囲内の値に調節し、第1の塗布層1aの表面における各位置によって、線状光源125aからの活性エネルギー線150aが過度に異なる角度で照射されることを効果的に抑制することができるためである。
その結果、形成されるルーバー構造における板状領域の傾斜角を、均一にすることができ、ひいては得られる長尺状の光拡散フィルムの光拡散特性を均一にすることができる。
また、第1の活性エネルギー線照射における第1の塗布層の表面におけるピーク照度を0.1〜50mW/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1の活性エネルギー線照射におけるピーク照度をかかる範囲内の値とすることにより、第1のルーバー構造をより効率的に形成することができるためである。
すなわち、かかるピーク照度が0.1mW/cm2未満の値となると、第1のルーバー構造を明確に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかるピーク照度が50mW/cm2を超えた値となると、硬化速度が速くなり過ぎるものと推定され、第1のルーバー構造を明確に形成できない場合があるためである。
したがって、第1の活性エネルギー線照射における第1の塗布層の表面におけるピーク照度を0.3〜10mW/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5mW/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の活性エネルギー線照射における第1の塗布層の表面における積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1の活性エネルギー線照射における積算光量をかかる範囲内の値とすることにより、第1のルーバー構造をより効率的に形成することができるためである。
すなわち、かかる積算光量が5mJ/cm2未満の値となると、第1のルーバー構造を上方から下方に向けて十分に伸長させることが困難になる場合があるためである。一方、かかる積算光量が300mJ/cm2を超えた値となると、得られる光拡散フィルムに着色が生じる場合があるためである。
したがって、第1の活性エネルギー線照射における第1の塗布層の表面における積算光量を10〜200mJ/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜150mJ/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の塗布層の移動速度を0.1〜10m/分の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1の塗布層の移動速度をかかる範囲内の値とすることにより、第1のルーバー構造をさらに効率的に形成することができるためである。
すなわち、第1の塗布層の移動速度が0.1m/分未満の値となると、生産性が過度に低下する場合があるためである。一方、第1の塗布層の移動速度が10m/分を超えた値となると、第1の塗布層の硬化、言い換えれば、第1のルーバー構造の形成よりも速く、第1の塗布層に対する活性エネルギー線の入射角度が変化してしまい、第1のルーバー構造の形成が不十分になる場合があるためである。
したがって、第1の塗布層の移動速度を0.2〜5m/分の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜3m/分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の塗布層の上面に対し、活性エネルギー線透過シートをラミネートした状態で活性エネルギー線を照射することも好ましい。
この理由は、活性エネルギー線透過シートをラミネートすることにより、酸素阻害の影響を効果的に抑制して、より効率的に第1のルーバー構造を形成することができるためである。
すなわち、第1の塗布層の上面に対し、活性エネルギー線透過シートをラミネートすることで、第1の塗布層の上面が酸素と接触することを安定的に防止しながら、当該シートを透過させて、効率的に第1の塗布層に対して活性エネルギー線を照射することができるためである。
なお、活性エネルギー線透過シートとしては、工程(b)(塗布工程)において記載した工程シートのうち、活性エネルギー線が透過可能なものであれば、特に制限なく使用することができる。
また、第1の塗布層が十分に硬化する積算光量となるように、工程(c)としての第1の活性エネルギー線照射とは別に、さらに活性エネルギー線を照射することも好ましい。
このときの活性エネルギー線は、第1の塗布層を十分に硬化させることを目的とするものであるため、平行光ではなく、いずれの進行方向においてもランダムな光を用いることが好ましい。
6.工程(d):第2の塗布工程
工程(d)は、図4(c)に示すように、光拡散フィルム用組成物を第1のルーバー構造13aが形成された第1の塗布層1a´に対して塗布し、第1の塗布層1a´および第2の塗布層1bからなる積層体1cを形成する工程である。
なお、第1のルーバー構造13aを形成する際、活性エネルギー線透過シートを使用した場合には、当該シートを剥離して塗布層1a´の表面を露出させてから前述の操作を行う。
また、第2の塗布層1bの形成に用いられる光拡散フィルム用組成物は、第1の塗布層1aの形成に用いられた光拡散フィルム用組成物と同じものを使用することが好ましい。
この理由は、同じ光拡散フィルム用組成物を用いることで、塗布層1a´と塗布層1b´の界面での反射が抑えられるとともに、密着性も向上させることができるためである。
また、第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層上に光拡散フィルム用組成物を塗布する方法としては、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、およびグラビアコート法等、上述した工程(b)と同様の方法により行うことができる。
また、第2の塗布層の膜厚を80〜700μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2の塗布層の膜厚をかかる範囲内の値とすることにより、第2のルーバー構造を、より一段と効率的に形成することができるためである。
すなわち、第2の塗布層の膜厚が80μm未満の値となると、形成される第2のルーバー構造の長さが不足して、第2のルーバー構造内を直進してしまう入射光が増加し、光拡散角度領域内における拡散光の強度の均一性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、第2の塗布層の膜厚が700μmを超えた値となると、第2の塗布層に対して活性エネルギー線を照射して第2のルーバー構造を形成する際に、初期に形成されたルーバー構造によって光重合の進行方向が拡散してしまい、所望のルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、第2の塗布層の膜厚を100〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、120〜300μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
7.工程(e):第2の活性エネルギー線照射工程
工程(e)は、図4(d)に示すように、第2の塗布層1bに対し、第1のルーバー構造13aが形成された第1の塗布層1a´および第2の塗布層1bからなる積層体1cを移動させながら、線状光源125bを用いて第2の活性エネルギー線照射を行い、第2のルーバー構造13bを形成する工程であって、図6(b)に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源125aの長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源125bの長軸方向と、が為す鋭角θ1を10〜90°の範囲内の値とする工程である。
すなわち、線状光源を用いた2回の活性エネルギー線照射工程において、それぞれの線状光源の配置角度の関係を所定の範囲に規定することにより、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向とを、所定の角度で交差させてなる長尺状の光拡散フィルムを、効率よく製造することができる。
したがって、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、効率良く製造することができる。
より具体的には、従来のように複数の光拡散フィルムをつなぎ合わせることなく、入射光をその長尺方向に沿った方向、および、その長尺方向と直交する方向に光拡散させることができる長尺状の光拡散フィルムを得ることができる。
すなわち、図6(b)に示す鋭角θ1が10°未満の値となると、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。
したがって、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が為す鋭角θ1を80〜90°の範囲内の値とすることがより好ましく、85〜90°の範囲内の値とすることがさらに好ましく、89〜90°の範囲内の値とすることが一段と好ましい。
また、図6(b)に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、第2の活性エネルギー線照射における線状光源125bの長軸方向と、第1のルーバー構造13aが形成された第1の塗布層1a´および第2の塗布層1bからなる積層体1cの移動方向Eに沿った仮想線E´と、が為す鋭角θ3を10〜80°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、線状光源の配置角度をこのように規定することにより、上述した工程(c)における線状光源の配置角度と相まって、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、より効率よく製造することができるためである。
すなわち、かかるθ3が10°未満の値となると、上述した工程(c)における線状光源の配置角度にもよるが、一般に、フィルムの長尺方向に沿った方向への光拡散特性が過度に低下し、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。一方、かかるθ3が80°を超えた値となると、上述した工程(c)における線状光源の配置角度にもよるが、一般に、フィルムの長尺方向と直交する方向への光拡散特性が過度に低下し、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。
したがって、フィルム上方から眺めた場合に、第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動方向に沿った仮想線と、が為す角度θ3を35〜55°の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜50°の範囲内の値とすることがさらに好ましく、44〜46°の範囲内の値とすることが一段と好ましい。
なお、線状光源125bと塗布層1bとの間隔は、いずれの位置でも略同一であることが好ましい。
また、活性エネルギー線の照射角度および照射角度幅については、図5(a)〜(b)を用いて説明した第1の活性エネルギー線照射の場合と同様の数値範囲とすることが好ましい。
また、図6(b)に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源125aの長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源125bの長軸方向と、が第1の塗布層1a´および第2の塗布層1bからなる積層体の移動方向Eと直交する仮想線E´´に対して、線対称となるようにすることが好ましい。
この理由は、第2の活性エネルギー線照射における線状光源をこのように配置することにより、得られる光拡散フィルムにおいて、入射光をより均一に光拡散させることができるためである。
すなわち、特に、θ2=45°、θ3=45°の場合、あるいはそれぞれがその周辺値である場合には、線状光源を線対称となるように配置することにより、後述する図8(a)に示すように、拡散光における左右方向の広がりと、上下方向の広がりとを、それぞれ最大限に広げることができる。
したがって、かかる光拡散フィルムをスクリーンに適用した場合には、横方向の視野角と、縦方向の視野角とをそれぞれ最大限に広げることができる。
ここで、図8(a)〜(e)を用いて、線状光源の配置角度(≒板状領域の延び方向)と、入射光の拡散面積との関係について説明する。
すなわち図8(a)〜(e)は、それぞれ左側に第1のルーバー構造13aおよびこれに入射した光の拡散具合50´を示しており、右側に第2のルーバー構造13bおよびこれに入射した第1のルーバー構造13aによる拡散光の拡散具合51´を示している。
まず、図8(a)は、θ1=90°、θ2=45°、θ3=45°の場合における入射光の拡散具合を示しているが、最終的な入射光の拡散面積が十分に広くなることがわかる(51´)。
一方、図8(b)は、θ1=60°、θ2=30°、θ3=30°の場合における入射光の拡散具合を示しているが、図8(a)の場合と比較して、フィルムの長尺方向E´に沿った方向への光拡散特性が低下し、入射光の拡散面積が小さくなることがわかる(51´)。
また、図8(c)は、θ1=60°、θ2=60°、θ3=60°の場合における入射光の拡散具合を示しているが、図8(a)の場合と比較して、フィルムの長尺方向E´と直交する方向への光拡散特性が低下し、入射光の拡散面積が小さくなることがわかる(51´)。
他方、図8(d)は、θ1=30°、θ2=15°、θ3=15°の場合における入射光の拡散具合を示しているが、図8(a)の場合と比較して、フィルムの長尺方向E´に沿った方向への光拡散特性がさらに低下し、入射光の拡散面積がさらに小さくなることがわかる(51´)。
また、図8(e)は、θ1=30°、θ2=75°、θ3=75°の場合における入射光の拡散具合を示しているが、図8(a)の場合と比較して、フィルムの長尺方向E´と直交する方向への光拡散特性がさらに低下し、入射光の拡散面積がさらに小さくなることがわかる(51´)。
なお、図8(a)〜(e)に対応する拡散光の写真を、図9(a)〜(e)に示す。
また、図7に示すように、第2の活性エネルギー線照射についても、第1の活性エネルギー線照射の場合と同様の理由から、2枚の遮光板により形成される長溝状の間隙を介して行うとともに、長溝状の間隙の長手方向が、線状光源の長軸方向に平行な方向であることが好ましい。
また、第2の活性エネルギー線照射における第2の塗布層の表面におけるピーク照度を0.1〜50mW/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2の活性エネルギー線照射におけるピーク照度をかかる範囲内の値とすることにより、第2のルーバー構造をより効率的に形成することができるためである。
すなわち、かかるピーク照度が0.1mW/cm2未満の値となると、第2のルーバー構造を明確に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかるピーク照度が50mW/cm2を超えた値となると、硬化速度が速くなり過ぎるものと推定され、第2のルーバー構造を明確に形成できない場合があるためである。
したがって、第2の活性エネルギー線照射における第2の塗布層の表面におけるピーク照度を0.3〜10mW/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5mW/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第2の活性エネルギー線照射における第2の塗布層の表面における積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2の活性エネルギー線照射における積算光量をかかる範囲内の値とすることにより、第2のルーバー構造をより効率的に形成することができるためである。
すなわち、かかる積算光量が5mJ/cm2未満の値となると、第2のルーバー構造を上方から下方に向けて十分に伸長させることが困難になる場合があるためである。一方、かかる積算光量が300mJ/cm2を超えた値となると、得られる光拡散フィルムに着色が生じる場合があるためである。
したがって、第2の活性エネルギー線照射における第2の塗布層の表面における積算光量を10〜200mJ/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜150mJ/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第2の活性エネルギー線照射においても、第1の活性エネルギー線照射の場合と同様の理由から、第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動速度を0.1〜10m/分の範囲内の値とすることが好ましく、0.2〜5m/分の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜3m/分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、工程(c)の場合と同様の観点から、第2の塗布層の上面に対し、活性エネルギー線透過シートをラミネートした状態で活性エネルギー線を照射することも好ましい。
また、第2の塗布層が十分硬化する積算光量となるように、工程(e)としての第2の活性エネルギー線照射とは別に、さらに活性エネルギー線を照射することも好ましい。
このときの活性エネルギー線は、第2の塗布層を十分に硬化させることを目的とするものであるため、平行光ではなく、いずれの進行方向においてもランダムな光を用いることが好ましい。
なお、上述した工程(d)〜(e)は、一つのコンベアを用いて、工程(b)〜(c)と連続して行ってもよいし、工程(b)〜(c)で得た第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層をロール状にして回収し、これを別途コンベアに載せて工程(b)〜(c)を行ってもよい。
したがって、前者の場合、工程(c)における線状光源と、工程(e)における線状光源とは、別個に配設されることになり、後者の場合、同一の線状光源を配置角度を変更(旋回)させて用いてもよいことになる。
8.光拡散フィルム
以下、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルムについて説明する。
(1)第1のルーバー構造
(1)−1 屈折率
第1のルーバー構造において、屈折率が異なる板状領域間の屈折率の差、すなわち、相対的に高屈折率な板状領域の屈折率と、相対的に低屈折率な板状領域の屈折率との差を0.01以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる屈折率の差を0.01以上の値とすることにより、第1のルーバー構造内において入射光を安定的に反射させて、第1のルーバー構造に由来した入射角度依存性をより向上させることができるためである。
より具体的には、かかる屈折率の差が0.01未満の値となると、入射光が第1のルーバー構造内で全反射する角度域が狭くなることから、入射角度依存性が過度に低下する場合があるためである。
したがって、第1のルーバー構造における屈折率が異なる板状領域間の屈折率の差を0.03以上の値とすることがより好ましく、0.05以上の値とすることがさらに好ましい。
なお、高屈折率板状領域の屈折率と、低屈折率板状領域の屈折率との差は大きい程好ましいが、第1のルーバー構造を形成可能な材料を選定する観点から、0.3程度が上限であると考えられる。
また、第1のルーバー構造において、屈折率が相対的に高い板状領域の屈折率を1.5〜1.7の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、高屈折率板状領域の屈折率が1.5未満の値となると、低屈折率板状領域との差が小さくなり過ぎて、所望のルーバー構造を得ることが困難になる場合があるためである。一方、高屈折率板状領域の屈折率が1.7を超えた値となると、光拡散フィルム用組成物における材料物質間の相溶性が過度に低くなる場合があるためである。
したがって、第1のルーバー構造における高屈折率板状領域の屈折率を1.52〜1.65の範囲内の値とすることがより好ましく、1.55〜1.6の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、高屈折率板状領域の屈折率は、例えば、JIS K0062に準じて測定することができる。
また、第1のルーバー構造において、屈折率が相対的に低い板状領域の屈折率を1.4〜1.5の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる低屈折率板状領域の屈折率が1.4未満の値となると、得られる光拡散フィルムの剛性を低下させる場合があるためである。一方、かかる低屈折率板状領域の屈折率が1.5を超えた値となると、高屈折率板状領域の屈折率との差が小さくなり過ぎて、所望のルーバー構造を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、第1のルーバー構造における低屈折率板状領域の屈折率を1.42〜1.48の範囲内の値とすることがより好ましく、1.44〜1.46の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、低屈折率板状領域における屈折率は、例えば、JIS K0062に準じて測定することができる。
(1)−2 幅
また、図10(a)に示すように、第1のルーバー構造13aにおいて、屈折率が異なる高屈折率板状領域12および低屈折率板状領域14の幅(S1、S2)を、それぞれ0.1〜15μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、これらの板状領域の幅を0.1〜15μmの範囲内の値とすることにより、第1のルーバー構造内において入射光をより安定的に反射させて、第1のルーバー構造に由来した入射角度依存性を、より効果的に向上させることができるためである。
すなわち、かかる板状領域の幅が0.1μm未満の値となると、入射光の入射角度にかかわらず、光拡散を示すことが困難になる場合があるためである。一方、かかる幅が15μmを超えた値となると、第1のルーバー構造内を直進する光が増加し、拡散光の均一性が悪化する場合があるためである。
したがって、第1のルーバー構造において、屈折率が異なる板状領域の幅を、それぞれ0.5〜10μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、第1のルーバー構造を構成する板状領域の幅や長さ等は、光学デジタル顕微鏡にてフィルム断面観察することにより測定することができる。
(1)−3 傾斜角
また、図10(a)に示すように、第1のルーバー構造において、屈折率が異なる複数の高屈折率板状領域12および複数の低屈折率板状領域14が、膜厚方向に対してそれぞれ一定の傾斜角θaにて平行配置してなることが好ましい。
この理由は、板状領域のそれぞれの傾斜角θaを一定とすることにより、第1のルーバー構造内において入射光をより安定的に反射させて、第1のルーバー構造に由来した入射角度依存性をさらに向上させることができるためである。
なお、θaはフィルム面に沿った任意の一方向に延びる第1のルーバー構造に対して垂直な面でフィルムを切断した場合の断面において測定されるフィルム表面の法線に対する角度を0°とした場合の板状領域の傾斜角(°)を意味する。
より具体的には、図10(a)に示す通り、第1のルーバー構造の上端面の法線と板状領域の最上部との為す角度のうち狭い側の角度を意味する。なお、図10(a)に示す通り板状領域が右側に傾いているときの傾斜角を基準とし、板状領域が左側に傾いているときの傾斜角をマイナスで表記する。
また、図10(b)に示すように、第1のルーバー構造における屈折率が異なる板状領域(12、14)が、フィルム膜厚方向に沿って上方から下方にかけて湾曲していることも好ましい。
この理由は、板状領域が湾曲していることにより、第1のルーバー構造における反射と透過のバランスを複雑化させて、拡散光の開き角を効果的に拡大することができるためである。
なお、このような湾曲したルーバー構造は、塗膜の厚さ方向での紫外線による重合反応速度を遅らせることにより得られるものと考えられる。
具体的には、線状光源から発せられる紫外線の照度を抑え、照射されている状態の塗膜を低速で移動させることにより形成することができる。
(1)−4 厚さ
また、第1のルーバー構造の厚さ、すなわち、図10(a)〜(b)に示すフィルム表面の法線方向における第1のルーバー構造存在部分の長さL1は50〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1のルーバー構造の厚さをかかる範囲内の値とすることにより、膜厚方向に沿った第1のルーバー構造の長さを安定的に確保して、第1のルーバー構造内において入射光をより安定的に反射させて、第1のルーバー構造に由来した光拡散角度領域内における拡散光の強度の均一性をさらに向上させることができるためである。
すなわち、かかる第1のルーバー構造の厚さL1が50μm未満の値となると、第1のルーバー構造の長さが不足して、第1のルーバー構造内を直進してしまう入射光が増加し、光拡散角度領域内における拡散光の強度の均一性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、かかる第1のルーバー構造の厚さL1が500μmを超えた値となると、光拡散フィルム用組成物に対して活性エネルギー線を照射して第1のルーバー構造を形成する際に、初期に形成されたルーバー構造によって光重合の進行方向が拡散してしまい、所望の第1のルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、第1のルーバー構造の厚さL1を70〜300μmの範囲内の値とすることがより好ましく、80〜200μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(1)−5 延び方向
また、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角を10〜80°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向をかかる範囲内の値とすることにより、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向と相まって、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げることができるためである。
すなわち、かかる鋭角が10°未満の値となると、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向にもよるが、一般に、フィルムの長尺方向に沿った方向への光拡散特性が過度に低下し、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。一方、かかる鋭角が80°を超えた値となると、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向にもよるが、一般に、フィルムの長尺方向と直交する方向への光拡散特性が過度に低下し、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。
したがって、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角を35〜55°の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜50°の範囲内の値とすることがさらに好ましく、44〜46°の範囲内の値とすることが一段と好ましい。
(2)第2のルーバー構造
第2のルーバー構造の構成は、基本的に第1のルーバー構造の構成と同様であるため、その説明は省略する。
(3)膜厚
また、光拡散フィルムの膜厚を50〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる膜厚が50μm未満の値となると、フィルム内に形成される膜厚方向におけるルーバー構造の長さが過度に短くなって、ルーバー構造内を直進してしまう入射光が増加し、十分な入射角度依存性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、かかる膜厚が500μmを超えた値となると、照射光を長時間照射することになるため、量産性が過度に低下したり、照射光が、初期に形成されたルーバー構造によって拡散してしまい、所望のルーバー構造を形成することが困難になったりする場合があるためである。
したがって、光拡散フィルムの膜厚を70〜300μmの範囲内の値とすることがより好ましく、80〜200μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、光拡散フィルムの膜厚方向には、例えば、表層部等にルーバー構造の存在しない部分があってもよい。
したがって、光拡散フィルムの膜厚は、第1のルーバー構造の厚さおよび第2のルーバー構造の厚さの合計と等しいか、それ以上となる。
(4)フィルムの形状
また、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルムの形状は、長尺状であることを特徴とする。
より具体的には、図11(a)に示すように、光拡散フィルム10における短尺方向の長さL2を0.1〜3mの範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜2mの範囲内の値とすることがより好ましい。
一方、長尺方向の長さについては特に制限されない。
すなわち、本発明の製造方法であれば、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向にも光拡散させることができる光拡拡散フィルムを、連続的に製造し続けることができるためである。
したがって、長尺方向の長さL3については、3m以上の値とすることが好ましく、15m以上の値とすることがより好ましい。
この理由は、フィルムをこのような形状とすることにより、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることができる長尺状、かつ、大面積の光拡散フィルムを得ることができるためである。
また、図11(b)に示すように、光拡散フィルム20が、ロール状に巻かれてなることが好ましい。
この理由は、ロール状とすることにより、入射光をその長尺方向と直交する方向、あるいはその近傍の方向に光拡散させることができる長尺状、かつ、より大面積の光拡散フィルムを得ることができるためである。
また、保管や持ち運びの際の取り扱い性を向上させることができるためである。
より具体的には、ロール状であれば、シートに落としながら生産するよりも作業性が向上する。
また、ロール状であれば、フィルムを適用しようとするディスプレイ等のサイズが多岐に渡る場合であっても、後から必要なサイズにチップカットすることができる。
また、ロール状であれば、次工程において他のフィルムとロール ツー ロールにて貼合することができ、シート ツー シートやシート ツー シートを採用した場合よりも生産性を向上させることができる。
(5)延び方向の組み合わせ
また、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルムにおいては、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向と、が為す鋭角を10〜90°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状のフィルムを得ることができるためである。
すなわち、かかる鋭角が10°未満の値となると、入射光の拡散面積が過度に小さくなる場合があるためである。
したがって、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向と、が為す鋭角を80〜90°の範囲内の値とすることがより好ましく、85〜90°の範囲内の値とすることがさらに好ましく、89〜90°の範囲内の値とすることが一段と好ましい。
(6)粘着剤層
また、本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルムは、その片面または両面に、被着体に対して積層するための粘着剤層を備えていてもよい。
かかる粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知のアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ゴム系等の粘着剤を使用することができる。
以下、実施例を参照して、本発明の光拡散フィルムの製造方法についてさらに詳しく説明する。
[実施例1]
1.低屈折率重合性化合物(B)成分の合成
容器内に、(B2)成分としての重量平均分子量9,200のポリプロピレングリコール(PPG)1モルに対して、(B1)成分としてのイソホロンジイソシアナート(IPDI)2モル、および(B3)成分としての2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2モルを収容した後、常法に従って重合させ、重量平均分子量9,900のポリエーテルウレタンメタクリレートを得た。
なお、ポリプロピレングリコールおよびポリエーテルウレタンメタクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、下記条件に沿って測定したポリスチレン換算値である。
・GPC測定装置:東ソー(株)製、HLC−8020
・GPCカラム :東ソー(株)製(以下、通過順に記載)
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒 :テトラヒドロフラン
・測定温度 :40℃
2.光拡散フィルム用組成物の調製
次いで、得られた(B)成分としての重量平均分子量9,900のポリエーテルウレタンメタクリレート100重量部に対し、(A)成分としての下記式(3)で表わされる重量平均分子量268のo−フェニルフェノキシエトキシエチルアクリレート(新中村化学(株)製、NKエステル A−LEN−10)100重量部と、(C)成分としての2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン5重量部とを添加した後、80℃の条件下にて加熱混合を行い、光拡散フィルム用組成物を得た。
なお、(A)成分および(B)成分の屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ(株)製、アッベ屈折計DR−M2、Na光源、波長589nm)を用いてJIS K0062に準じて測定したところ、それぞれ1.58および1.46であった。
3.第1の塗布工程
次いで、得られた光拡散フィルム用組成物を、工程シートとしてのフィルム状の透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETと称する。)に対して塗布し、膜厚165μmの第1の塗布層を形成した。
4.第1の活性エネルギー線照射工程
次いで、図5(a)に示すような線状の高圧水銀ランプに集光用のコールドミラーが付属した紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)製、ECS−4011GX)を準備した。
このとき、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長軸方向と、第1の塗布層の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ2が45°となるように紫外線照射装置を設置した。
次いで、熱線カットフィルター枠上に遮光板を設置し、第1の塗布層の表面に照射される紫外線が、線状光源の長軸方向から眺めたときの第1の塗布層表面の法線を0°とした場合に、線状光源からの直接の紫外線の照射角度(図5(b)のθ6)が16°となるように設定した。
また、第1の塗布層表面から線状光源までの高さは2000mmとし、ピーク照度は1.26mW/cm2、積算光量は23.48mW/cm2となるように設定した。
また、遮光板等での反射光が、照射機内部で迷光となり、第1の塗布層の光硬化に影響を及ぼすことを防ぐため、図7に示すように、コンベア付近にも2枚の遮光板を設置し、線状光源から直接発せられる紫外線のみが第1の塗布層に対して照射されるように設定した。
より具体的には、図7に示すように、2枚の遮光板により形成される長溝状の間隙(間隙幅:35cm)が形成されるように配置し、当該長溝状の間隙の長手方向が、線状光源の長軸方向に平行な方向となるように設置した。
次いで、コンベアにより、第1の塗布層を図4(b)における右方向に、1.0m/分の速度にて移動させながら紫外線を照射し、長尺方向(第1の塗布層の移動方向)の長さが30m、短尺方向の長さが1.25m、膜厚165μmの長尺状の第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層を得た。
次いで、確実な硬化を図るべく、第1の塗布層の露出面側に、活性エネルギー線透過性シートとして、厚さ38μmの紫外線透過性を有する剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET382050;紫外線照射側の表面における中心線平均粗さ0.01μm、ヘーズ値1.80%、像鮮明度425、波長360nmの透過率84.3%)をラミネートした。
次いで、散乱光照射を、ピーク照度13.7mW/cm2、積算光量213.6mJ/cm2となるように行った。
なお、上述したピーク照度および積算光量は、受光器を取り付けたUV METER(アイグラフィックス(株)製、アイ紫外線積算照度計UVPF−A1)を第1の塗布層の位置に設置して測定した。
また、得られた長尺状の第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層の膜厚は、定圧厚さ測定器(宝製作所(株)製、テクロック PG−02J)を用いて測定した。
5.第2の塗布工程
次いで、活性エネルギー線透過シートを得られた長尺状の第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層から剥がした。
次いで、第1の塗布層を形成するのに用いたのと同じ光拡散フィルム用組成物を、得られた長尺状の第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層の露出面に対して塗布し、膜厚165μmの第2の塗布層を形成した。
6.第2の活性エネルギー線照射工程
次いで、フィルム上方から眺めた場合に、第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が為す鋭角θ1が90°となるように紫外線照射装置を設置したほかは、第1の活性エネルギー線照射工程と同様にして、紫外線を照射し、内部に第1のルーバー構造および第2のルーバー構造を有する膜厚330μmの長尺状の光拡散フィルムを得た。
なお、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長軸方向と、第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ3は45°であった。
また、第2の塗布層に紫外線を照射した後にも、第1の塗布層の場合と同様に、活性エネルギー線透過シート(紫外線透過性を有する剥離フィルム)をラミネートした状態で、散乱光を照射し、確実な硬化を図った。
また、得られた光拡散フィルムは、図12に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向と、が為す鋭角が90°であることを確認した。
また、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角が45°であることを確認した。
さらに、フィルム上方から眺めた場合に、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角が45°であることを確認した。
また、得られた光拡散フィルムを、フィルムの長尺方向と直交する面で切断した断面の写真を図13(a)に、フィルムの長尺方向に平行かつフィルム面と直交する面で切断した断面の写真を図13(b)に、それぞれ示す。
なお、光拡散フィルムの切断は剃刀を用いて行い、断面の写真の撮影は光学顕微鏡(反射観察)を用いて行った。
7.測定
図12に示すように、得られた光拡散フィルムの下側(第1のルーバー構造が位置する側)より、当該フィルムに対してフィルム面と直交する方向から光を入射した。
次いで、変角測色計(スガ試験機(株)製、VC−2)を用い、フィルムの長尺方向と直交する方向、および、フィルムの長尺方向に平行な方向における拡散光のスペクトルチャートを得た。
すなわち、図14(a)に示すように、光拡散フィルムにより拡散された拡散光における光拡散角度(°)を横軸に採り、拡散光の相対強度(−)を縦軸に採った場合のスペクトルチャートを得た。
ここで、図14(a)に示すスペクトルチャートAは、フィルムの長尺方向と直交する方向における拡散光に対応しており、スペクトルチャートBは、フィルムの長尺方向に平行な方向における拡散光に対応している。
また、コノスコープ(autronic−MELCHERS GmbH社製)を用い、図14(b)に示すように、図12におけるZ方向から見た場合の拡散光の写真を得た。
かかる図14(a)〜(b)に示す結果は、図12に示すような内部構造を有するフィルムから予測される光拡散特性と一致するものであった。
[比較例1]
比較例1では、第2の塗布工程および第2の活性エネルギー線照射工程を実施しなかった他は、実施例1と同様に光拡散フィルムを製造した。
また、得られた光拡散フィルムは、図15に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、ルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角が45°であることを確認した。
また、得られた光拡散フィルムを、フィルムの長尺方向と直交する面で切断した断面の写真を図16(a)に、フィルムの長尺方向に平行かつフィルム面と直交する面で切断した断面の写真を図16(b)に、それぞれ示す。
また、実施例1と同様に、得られた光拡散フィルムの下側より、当該フィルムに対してフィルム面と直交する方向から光を入射した場合における光拡散具合を測定した。
得られた拡散光のスペクトルチャートを図17(a)に、図15におけるZ方向から見た場合の拡散光の写真を図17(b)に示す。
但し、図17(a)には、図17(b)に示す拡散光の拡散方向(長軸方向)に沿った方向におけるスペクトルチャートを示している。
かかる図17(a)〜(b)に示す結果は、図15に示すような内部構造を有するフィルムから予測される光拡散特性と一致するものであった。
[比較例2]
比較例2では、第1の活性エネルギー線照射工程において、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長尺方向と、第1の塗布層の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ2を90°としたほかは、実施例1と同様に第1の塗布層に対して第1の活性エネルギー線照射工程を行い、第1の塗布層(第1のルーバー構造が内部に形成されたもの)を得た。
このとき得られた第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層は、図18(a)に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、ルーバー構造における板状領域の延び方向と、その長尺方向と、が為す鋭角が90°であることを確認した。
次いで、得られた第1のルーバー構造が形成された長尺状の第1の塗布層を、図18(b)に示すように、長尺方向において1.1mごとに切断して第1のルーバー構造が形成された複数の非長尺状の第1の塗布層とした。
次いで、図18(c)に示すように、得られた第1のルーバー構造が形成された複数の非長尺状の第1の塗布層を、それぞれ平面内において90°回転させた後、横に並べ、間隔が0.5mm以下となるようにしてそれぞれをつなぎ合わせた。
これにより、図18(c)に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、ルーバー構造における板状領域の延び方向と、その長尺方向と、が為す鋭角が0°である第1のルーバー構造が形成された長尺状の第1の塗布層(第1のルーバー構造が内部に形成されたもの)を得た。
次いで、図18(c)に示す得られた第1のルーバー構造が形成された長尺状の第1の塗布層に対して、図18(a)に示す長尺状の塗布層を、膜厚25μmのアクリル系透明粘着剤層を介して第2のルーバー構造が形成された長尺状の第2の塗布層として積層し、光拡散フィルムを得た。
また、得られた光拡散フィルムは、図19に示すように、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、第2のルーバー構造領域における板状領域の延び方向と、が為す鋭角が90°であることを確認した。
また、フィルム上方から眺めた場合に、第1のルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角が0°であることを確認した。
さらに、フィルム上方から眺めた場合に、第2のルーバー構造における板状領域の延び方向と、フィルムの長尺方向と、が為す鋭角が90°であることを確認した。
また、得られた光拡散フィルムを、フィルムの長尺方向と直交する面で切断した断面の写真を図20(a)に、フィルムの長尺方向に平行かつフィルム面と直交する面で切断した断面の写真を図20(b)に、それぞれ示す。
また、実施例1と同様に、得られた光拡散フィルムの下側より、当該フィルムに対してフィルム面と直交する方向から光を入射した場合における光拡散具合を測定した。
継ぎ目の無い部分に光を入射して得られた拡散光のスペクトルチャートを図21(a)に、その場合に図19におけるZ方向から見た場合の拡散光の写真を図21(b)に示す。
かかる図21(a)〜(b)に示す結果は、図19に示すような内部構造を有するフィルムから予測される光拡散特性と一致するものであった。
但し、継ぎ目の部分に光を入射した場合には、図22(a)〜(b)に示すように、フィルムの継ぎ目部分に起因して、光拡散性が不均一になりやすいという不具合が確認された。
以上、詳述したように、本発明によれば、線状光源を用いた2回の活性エネルギー線照射工程を含む所定の製造方法において、当該2回の活性エネルギー線照射工程におけるそれぞれの線状光源の配置角度の関係を所定の範囲に規定することにより、入射光をその長尺方向に沿った方向ばかりでなく、その長尺方向と直交する方向に対しても光拡散させることにより入射光の拡散面積を効果的に広げた長尺状の光拡散フィルムを、効率よく製造することができるようになった。
したがって、本発明の光拡散フィルムの製造方法は、特に、プロジェクションスクリーンや反射型液晶装置等に使用される大面積の光拡散フィルムの生産性や高品質化に著しく寄与することが期待される。
1a:第1の塗布層、1a´:第1のルーバー構造が形成された第1の塗布層、1b:第2の塗布層、1c:第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体、2:工程シート、10:光拡散フィルム、12:相対的に屈折率が高い板状領域、13:ルーバー構造、13a:第1のルーバー構造、13b:第2のルーバー構造、13´:ルーバー構造の境界面、14:相対的に屈折率が低い板状領域、20:本発明の製造方法によって得られる光拡散フィルム、50´:光の拡散具合、51´:拡散光の拡散具合、120:紫外線照射装置、121:熱線カットフィルター、123:遮光板、125:線状光源、150:活性エネルギー線

Claims (7)

  1. 屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に平行配置してなる第1のルーバー構造および第2のルーバー構造を、フィルム膜厚方向に沿って下方から順次に有する長尺状の光拡散フィルムの製造方法であって、
    下記工程(a)〜(e)を含むことを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。
    (a)屈折率が異なる2つの重合性化合物を含む光拡散フィルム用組成物を準備する工程
    (b)前記光拡散フィルム用組成物を工程シートに対して塗布し、第1の塗布層を形成する工程
    (c)前記第1の塗布層に対し、当該第1の塗布層を移動させながら、線状光源を用いて、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長軸方向と、前記第1の塗布層の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ2を10〜80°の範囲内の値とする第1の活性エネルギー線照射を行い、第1のルーバー構造を形成する工程
    (d)前記光拡散フィルム用組成物を前記第1のルーバー構造が形成された前記第1の塗布層に対して塗布し、前記第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体を形成する工程
    (e)前記第2の塗布層に対し、前記第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体を移動させながら、線状光源を用いて、フィルム上方から眺めた場合に、線状光源の長軸方向と、前記第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動方向に沿った仮想線と、が為す鋭角θ3を10〜80°の範囲内の値とする第2の活性エネルギー線照射を行い、第2のルーバー構造を形成する工程であって、フィルム上方から眺めた場合に、前記第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、前記第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が為す鋭角θ1を10〜90°の範囲内の値とする工程
  2. 前記工程(e)において、フィルム上方から眺めた場合に、前記第1の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、前記第2の活性エネルギー線照射における線状光源の長軸方向と、が前記第1の塗布層および第2の塗布層からなる積層体の移動方向と直交する仮想線に対して、線対称となるようにすることを特徴とする請求項1に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  3. 前記工程(c)および工程(e)において、第1の活性エネルギー線照射および第2の活性エネルギー線照射を、長溝状の活性エネルギー線透過部を有する遮光板を介して行うとともに、前記活性エネルギー線透過部の長手方向が、前記線状光源の長軸方向に平行な方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  4. 前記工程(c)において、前記第1の活性エネルギー線照射における前記第1の塗布層の表面におけるピーク照度を0.1〜50mW/cm2の範囲内の値とするとともに、前記第1の塗布層の表面における積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  5. 前記工程(e)において、前記第2の活性エネルギー線照射における前記第2の塗布層の表面におけるピーク照度を0.1〜50mW/cm2の範囲内の値とするとともに、前記第2の塗布層の表面における積算光量を5〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  6. 前記工程(b)において、前記第1の塗布層の膜厚を80〜700μmの範囲内の値とするとともに、前記工程(d)において、前記第2の塗布層の膜厚を80〜700μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  7. 前記工程(c)における前記第1の塗布層の移動速度および前記工程(e)における前記第1の塗布層および前記第2の塗布層からなる積層体の移動速度をそれぞれ0.1〜10m/分の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光拡散フィルムの製造方法。
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