JP2006323379A - 光制御膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の角度範囲の入射光のみを選択的に散乱する、不透明角度域を有する光制御膜の製造方法において、曇価40%以上の不透明角度域をさらに拡大させた光制御膜の製造方法を提供する。
【解決手段】それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、かつ互いに屈折率が異なる少なくとも2種の化合物を含有する膜状組成物に、波長313nmにおける透過率が0〜60%である干渉フィルターを介して紫外線を照射し、該組成物を硬化させる光制御膜の製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は特定の角度範囲の入射光のみを選択的に散乱する、不透明角度域を有する光制御膜の製造方法に関する。
ある角度域の入射光のみを選択的に散乱して高い曇価(不透明)を与え、それ以外の角度域については入射光を透過させて低い曇価(透明)を与える光制御膜は、例えば、プライバシーを保護するための窓ガラスや、キャッシュディスペンサータッチパネルなどに貼着される視野角制御フィルム、フラットパネルディスプレーの視野角拡大フィルムなどの光学フィルムなどとして用いられている。
このような光制御膜の製造方法としては、例えば、光重合性組成物の膜状体に400nm以下の波長の紫外線を照射する方法が開示され、具体的には、波長313nmを70〜80%程度透過する干渉フィルターを介して紫外線を照射して得られる、曇価40%以上の不透明角度域が45.1°である光制御膜が得られることが開示されている(特許文献1)。
特開平6−11606号公報([請求項1]、[0025](実施例4)、[0030][表1]、[図3])
最近、視野角の制御範囲を一層拡大させるために、広い範囲の入射光を散乱させる光制御膜が求められている。
本発明の目的は、曇価40%以上の不透明角度域をさらに拡大させた光制御膜の製造方法を提供することである。
本発明は、それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、かつ互いに屈折率が異なる少なくとも2種の化合物を含有する膜状組成物に、波長313nmにおける透過率が0〜60%である干渉フィルターを介して紫外線を照射し、該組成物を硬化させる光制御膜の製造方法である。
本発明によれば、不透明角度域が拡大した光制御膜を干渉フィルターの透過率を変更するだけの簡便な製造方法で得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる膜状組成物に含有される化合物は、分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物であり、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、trans−1−オキソ−2−ブテノキシ基、シンナモイル基、ブタジエン構造、重合性共役結合、シクロペンテン環構造等のシクロオレフィン構造などを有する化合物が挙げられる。これらの中で、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する化合物が好ましく、アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物は、モノマーであってもオリゴマーであってもよい。
モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、これらのアクリレートに対応するメタクリレートモノマーなどの分子内に1つの重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物、
例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリスアクリロキシイソシアヌレート、多官能のエポキシアクリレート、多官能のウレタンアクリレート、これらのアクリレートに対応するメタクリレート、例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等の分子内に複数の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物などが挙げられる。
オリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどの多官能アクリレートや、これらのアクリレートに対応するメタクリレートなどが挙げられる。
ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、ポリイソシアネートとポリオールと2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応によって生成するものが例示される。ここで、ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
膜状組成物は、分子内に重合性炭素−炭素結合を有するこれらの化合物から選ばれる少なくとも2種の化合物を含有するが、それらの化合物の屈折率はそれぞれ異なっており、その屈折率差が大きいほど得られる光制御膜の曇価は高くなる。
2種の化合物は、好ましくは少なくとも0.01、より好ましくは少なくとも0.02の屈折率差を有する。3種またはそれ以上の種類の化合物を使用する場合は、使用される化合物のいずれか2つの屈折率の差が上記条件を満足していることが好ましい。少なくとも0.01の屈折率差を有する2種の化合物の混合比率は、重量比率で10:90〜90:10の範囲にあることが好ましい。またこれらの化合物の相溶性は、低い方が好ましい。
膜状組成物には、光制御性を妨げない限り、例えばポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類や、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等の有機薬品等や有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤等のプラスチック添加剤などを混合させてもよい。
膜状組成物は、かかるモノマー化合物等を例えば、ガラス板やポリエチレンテレフタレート板などの基板上に塗布する方法、例えば、セル中に封入する方法などで膜状とすることにより得ることができる。
膜状組成物は、通常、25μm〜1000μm厚み程度、5cm〜300cm幅および5cm〜数百mの長さを有する。
セル中に封入して得られた膜状組成物などのように、酸素が遮断された膜状組成物には、必ずしも光重合開始剤を必要としないが、基板上に塗布する方法などの一般的な方法では硬化度を向上させるために、予め、光重合開始剤を混合させた膜状組成物を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
光重合開始剤の混合する場合にはその混合量は膜状組成物100重量部に対し、通常、0.01〜5重量部程度であり、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
本発明の製造方法では、上記膜状組成物を波長313nmの紫外線の透過率が0〜60%、好ましくは1〜50%、より好ましくは2〜40%である干渉フィルターを介して紫外線を照射することにより光制御膜を製造する。
さらに好ましくは上記該干渉フィルターにおいて、303nmの紫外線の透過率が40〜100%、好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜85%である。
具体的には、図2の紫外線硬化装置のように、棒状光源2の光を遮光板3のスリットから干渉フィルター5を介して垂直方向の光線として照射し、ガラス板上に塗布した膜状組成物1をコンベア6上に載置して0.01〜10.0m/分、好ましくは0.1〜5.0m/分程度で移動させながら、徐々に硬化させる方法などが例示される。
干渉フィルター5は、例えば、「藤原史郎編、光学技術シリーズ11 光学薄膜、第6章 設計の実際、6.2干渉フィルター、共立出版(1985)発行」に詳細に記載されているように、例えば、基材、蒸着される金属膜の種類及び膜厚、並びに、中間層及び調整層を構成する透明膜の蒸着物質を波長313nmの紫外線の透過率が0〜60%となるように適宜、選定することにより、干渉フィルターを調製することができる。
干渉フィルター5は、例えば、基材としては、石英板などを用い、蒸着される金属膜としては、金、銀、アルミニウムなどを用い、その膜厚は特定波長の1/2またはその整数倍のときにその波長の光をもっとも多く透過するように設計される。
干渉フィルター5の中間層、調整層としては、例えば、透明誘電体膜などが用いられる。透明誘電体膜としては、通常、低屈折率、高屈折率の透明誘電膜を複数層にして用いる。
干渉フィルターの具体例としては、金属干渉フィルター、全誘電体膜干渉フィルター、誘電体・金属膜干渉フィルター、プラズマイオンコートバンドパスフィルターなどが挙げられ、これらは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光制御膜を製造する際に用いられる光は、波長313nmを有する紫外線である。紫外線の光源としては、水銀ランプやメタルハライドランプなどの棒状光源、点光源を多数個連続して線状にならべたもの、レーザ光などからの光を回転鏡および凹面鏡を用いて走査(被照射位置の1点について異なる多数の角度から照射)するようになった光源などの線状光源が用いられる。中でも、棒状光源が、取扱いが容易なことから好ましい。
膜状組成物は光源の長軸と短軸方向に対して異方性を示し、光源の短軸方向に膜状組成物を移動させた場合にのみ、特定角度の光を散乱する。すなわち、膜状組成物は、屈折率の異なる領域が、光源の長軸方向に平行に配向した状態で周期的に存在する微小構造の層を形成しており、特定の角度より入射した光は屈折率の異なる領域で散乱するものと考えられる。
光制御膜を製造する際に用いられる光は、波長313nm付近を有する紫外線である。紫外線の光源としては、水銀ランプやメタルハライドランプなどの棒状光源、点光源を多数個連続して線状にならべたもの、レーザ光などからの光を回転鏡および凹面鏡を用いて走査(被照射位置の1点について異なる多数の角度から照射)するようになった光源などの線状光源が用いられる。中でも、棒状光源が、取扱いが容易なことから好ましい。
膜状組成物は光源の長軸と短軸方向に対して異方性を示し、光源の短軸方向に膜状組成物を移動させた場合にのみ、特定角度の光を散乱する。すなわち、膜状組成物は、屈折率の異なる領域が、光源の長軸方向に平行に配向した状態で周期的に存在する微小構造の層を形成しており、特定の角度より入射した光は屈折率の異なる領域で散乱されるものと考えられる。
本発明の光制御膜は、曇価40%以上の不透明角度域の幅が50°以上、好ましくは60°〜140°である光制御膜であり、例えば、上記の製造方法によって得ることができる。
例えば特許文献1に記載されたような従来の光制御膜は、強い光量が膜状組成物に与えられ、速やかに硬化すると考えられ、膜断面において観測される微小構造の層は、図9に示すように、ほぼ直線状に形成されている。
一方、本発明の光制御膜を光源の短軸方向の膜断面において光学顕微鏡により観測すると、通常、図4の概略図に示すような、連続あるいは不連続な微小構造の層が弧を描くように形成されている。このことにより、特定の角度からの入射光のみを選択的に散乱し、別の角度からの入射光を透過すると考えられる。
弧を描くような微小構造の層が形成される原因としては、本発明の製造方法に用いられる波長313nmを有する紫外線は透過率が0〜60%の干渉フィルターを用いることから、強い光量が膜状組成物に与えられず、ゆっくりと硬化するためと考えられる。
本発明の光制御膜は、通常、膜の断面を光学顕微鏡で観察される最大傾斜角度αbと、最小傾斜角度αaの差(αb−αa)が10°以上、好ましくは20°以上、とりわけ好ましくは30°以上である微小構造の層を有する。この差が10°以上であると、不透明角度域の幅が拡大する傾向があることから好ましい。
また、例えば、差(αb−αa)が20°の場合、最小傾斜角度αaが80°、最大傾斜角度αbが100°である場合のように、最小傾斜角度αa及び最大傾斜角度αbの間に90°を含むようなαa及びαaであると、得られる光制御膜は正面に不透明角度域を有することから、フラットパネルディスプレーの視野角拡大フィルムなどの光学フィルムなどに好適に用いられる。
ここで最小傾斜角度αbの測定方法は、まず、図3に示すように、光制御膜の略中央で膜片7を切り出し、続いて、断面(A’B’面)が光学顕微鏡で観察できるようにミクロトームやカッターナイフなどで削り出し、得られた薄片を、通常、倍率400〜2000倍程度、好ましくは1000倍の光学顕微鏡で断面写真を撮影し、図4の概略図及び図7〜9の写真に示す断面(写真)において、光が照射された面から形成されている微小構造の層と、光が照射された面とのなす角度の中で、最小の角度を最小傾斜角度αaとして求めることができる。最大傾斜角度αbの測定方法は、同断面(写真)において、光が照射されていない面から形成される微小構造の層と、光が照射されていない面とのなす角度の中で、最大の角度を最大傾斜角度αbとして求めることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
曇価は、積分球式光線透過率測定装置(ガードナー社製のヘイズガードプラス4725)を用いて、光制御膜の中心と積分球との距離を4cmとして光制御膜の全光線透過率及び拡散透過率を測定し、下式により求められる値である。
Figure 2006323379
また、光制御膜における曇価の角度依存性は、次のようにして測定した。すなわち、図1に示す如く、光制御膜の試験片1への入射光の角度θを0〜180°の間で変化させて、それぞれの角度毎に上記の曇価を測定する。ここで、角度θは、試験片1の面と平行な方向を0°とし、試験片1の法線方向を90°とする値であり、試験片1の回転は、曇価の角度依存性が最大となる方向に行う。図中にあるAとBは、左の図(試験片1に垂直方向から光が入射する場合:θ=90°)と右の図(試験片1に斜め方向から光が入射する場合)とで、試験片1の対応する部分がわかるように付した符号である。
(実施例1)
平均分子量約3,000 のポリプロピレングリコールと、該ポリプロピレングリコール2モルあたり、0.3モルのトルエンジイソシアネート、2.7モルのヘキサメチレンジイソシアネート及び2モルの2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応によって得たポリエーテルウレタンアクリレート40重量部(屈折率1.460)に対して、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート30重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート30重量部(屈折率1.526)及び、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンを1.5重量部を添加混合した樹脂組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)基板上に350μmの厚さで塗布した。
得られた膜状組成物に、図2に示す装置を用いて、紫外線を照射した。該膜状組成物とPET基板は、図2においては符号1として示されている。また図中、光源2は80W/cmの棒状水銀ランプ、3は遮光板、4はスリット、5は干渉フィルター、6はコンベアである。コンベア6上に膜状組成物を塗布したPET基板5を載せ、矢印方向に定速度(0.6m/分)で移動させた。光源2からの紫外線は、313nm付近を22.5%、303nm付近を80.8%透過する干渉フィルター5(図5の9に示した波長・透過率の関係)を通して照射されるように配置され、遮光板3は配置されている。干渉フィルター5の透過スペクトルを図5に符号9で示した。
得られた光制御膜について、PET基板とともに曇価を測定した。PET基板自体の曇価は無視し得る。図1のように入射光の角度(θ)を変化させたときの曇価の入射角度依存性を測定し、その結果を図6に記した。図1中、矢印は入射光の方向であり、光制御膜に付した符号A及びBは、図1におけるA及びBに対応する。図6の曇価曲線から最大曇価及び曇価40%以上を示す不透明角度幅を求め、表1に記した。
得られた光制御膜について、PET基板とともに試料中央部をカッターで切り取り、さらにロータリーミクロトーム(ミクローム社製 HM355)で観察するA’B’断面を削り、この薄片をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製 VH−8000,VH−Z450)を用いて倍率1000倍で断面写真を撮影した。得られた光制御膜の断面写真を図7に示した。最大傾斜角度αは98°、最小傾斜角度αaは66°であり、その差は32°であった。
(実施例2)
膜状組成物の膜厚を350μmから570μmに代えた以外は実施例1と同様に操作を行い、光制御膜を得た。この光制御膜膜の曇価曲線から最大曇価及び曇価40%以上を示す不透明角度幅を求め、表1に記した。また得られた硬化膜の断面写真を図8に示した。最大傾斜角度αは110°、最小傾斜角度αaは66°であり、その差は44°であった。
(比較例1)
313nm付近を22.5%、303nm付近を80.8%透過する干渉フィルター5に代えて313nm付近を86.9%、303nm付近を66.8%透過する干渉フィルター(図5の10に示した波長・透過率の関係)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、光制御膜を得た。この光制御膜膜の曇価曲線から最大曇価及び曇価40%以上を示す不透明角度幅を求め、表1に記した。また得られた硬化膜の断面写真を図8に示した。最大傾斜角度αbは75°、最小傾斜角度αaは68°であり、その差は7°であった。
Figure 2006323379
(実施例3)
313nm付近を2.1%、303nm付近を63.5%透過する干渉フィルター5に代えて313nm付近を2.1%、303nm付近を63.5%透過する干渉フィルター(図10の14に示した波長・透過率の関係)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、光制御膜を得た。この光制御膜膜の曇価曲線から最大曇価及び曇価40%以上を示す不透明角度幅を求め、表2に記した。
Figure 2006323379
本発明の光制御膜をガラス板や他のプラスチックシート等の透明基材に被覆あるいは貼合しても使用することができる。そして、得られた透明基材と光制御膜との積層体は、例えば、建材用窓、車輌用窓、鏡、温室用外壁材、フラットパネルディスプレイ、リアプロジェクションディスプレーなどの光学フィルムに使用することができる。
曇価の角度依存性の測定方法の概略図 A:紫外線硬化装置の側面図 B:紫外線硬化装置の斜視図 最大傾斜角度及び最小傾斜角度を観察するための膜片の取り出し方法 膜片断面を光学顕微鏡により観察される微小構造の層(概略図) 実施例及び比較例で用いた干渉フィルターの透過率と波長との関係図 実施例1〜2、比較例1で得られた光制御膜の入射光と曇価との関係図 実施例1で得られた光制御膜から切り出された膜片の断面写真 実施例2で得られた光制御膜から切り出された膜片の断面写真 比較例1で得られた光制御膜から切り出された膜片の断面写真 実施例3で用いた干渉フィルターの透過率と波長との関係図 比較例3で得られた光制御膜の入射光と曇価との関係図
符号の説明
1……ガラス板上の光制御膜、
2……光源(棒状の紫外線ランプ)
3……遮光板、
4……遮光板に設けられたスリット、
5……干渉フィルター、
6……コンベア、
7……光制御膜から切り出された膜片、
8……光制御膜中の微小構造の層、
9……実施例1において用いた干渉フィルタの波長と透過率との関係、
10…比較例1において用いた干渉フィルタの波長と透過率との関係、
11…実施例1の光制御膜の入射光と曇価との関係
12…実施例2の光制御膜の入射光と曇価との関係
13…比較例1の光制御膜の入射光と曇価との関係
14…実施例3において用いた干渉フィルタの波長と透過率との関係、
15…実施例3の光制御膜の入射光と曇価との関係

Claims (7)

  1. それぞれ分子内に重合性炭素−炭素結合を有し、かつ互いに屈折率が異なる少なくとも2種の化合物を含有する膜状組成物に、波長313nmにおける透過率が0〜60%である干渉フィルターを介して紫外線を照射し、該組成物を硬化させる光制御膜の製造方法。
  2. 上記干渉フィルターの波長303nmにおける透過率が40〜100%である請求項1に記載の製造方法。
  3. 膜状組成物に含有される少なくとも2種の化合物の屈折率差が0.01以上である請求項1又は2に記載の製造方法
  4. 分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む膜状組成物が、さらに光重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. それぞれ分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有し、かつ互いに屈折率が異なる少なくとも2種の化合物を含有する膜状組成物に、紫外線を照射し、該組成物を硬化させて得られ、曇価40%以上の不透明角度域が50°以上である光制御膜。
  6. 光学顕微鏡によって観察される光制御膜の断面における最小傾斜角度αaと、最大傾斜角度αbの差(αa−αb)が10°以上である請求項5に記載の光制御膜。
  7. 最小傾斜角度αaが90°未満であり、最大傾斜角度αbが90°以上である請求項6に記載の光制御膜。
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