JPH07268177A - 微小立体成形用樹脂組成物および微小立体の製造方法 - Google Patents

微小立体成形用樹脂組成物および微小立体の製造方法

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JPH07268177A
JPH07268177A JP29272394A JP29272394A JPH07268177A JP H07268177 A JPH07268177 A JP H07268177A JP 29272394 A JP29272394 A JP 29272394A JP 29272394 A JP29272394 A JP 29272394A JP H07268177 A JPH07268177 A JP H07268177A
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JP
Japan
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resin composition
micro
dimensional
curing energy
energy ray
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Application number
JP29272394A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも1個以上の官能基を有するモノマー
を主成分とする樹脂成分中に、硬化エネルギー線を照射
することにより感応しイオンまたはラジカルを発生する
光重合開始剤を含有せしめた樹脂組成物であり、該樹脂
組成物の硬化膜の鉛筆硬度がHB以下であり、該樹脂組
成物または硬化膜が320〜400nmの範囲内の光に
対して0.02/μm以上の吸光度ピークを有すること
を特徴とする微小立体成形用樹脂組成物。 【効果】耐薬品性、安定性に優れているため、種々の後
加工が容易な微小立体、特にプラスチックフィルム等の
透明基板上に形成されたマイクロレンズアレイ、マイク
ロプリズムアレイ等の精度の高い光学要素をフォトリソ
グラフィー法等の単純な方法によって得ることができる
微小立体成型用樹脂組成物および微小立体の製造方法で
あり、さらには可撓性の優れた微小立体が得られるとい
う特長を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小立体成形用樹脂組
成物に関するものであり、具体的には可撓性、厚膜硬化
性、耐薬品性に優れた、主に透明基板上に形成された可
視光の進行方向を制御するマイクロレンズアレイ、マイ
クロプリズムアレイ等の微小光学要素の配列帯成形用の
樹脂組成物に関するものである。
【0002】さらに本発明は、比較的容易な方法、例え
ばフォトマスク等のパターンを介してパターン露光する
ことによりドーム状、プリズム状等の微小立体の成形が
可能であり、可撓性、後加工性に優れた微小立体の製造
方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】マイクロレンズ、マイクロプリズムなど
の微小立体を透明基板上に形成する方法としては、あら
かじめ求める形状が刻印された雌金型を用意し基板と金
型の間に透明樹脂などを充填、硬化させる方法が一般的
に実用されている。この場合の樹脂組成物は特に限定さ
れるものではなく、公知の熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂
が使用されている。
【0004】また、求める立体の大きさが数十μm以下
の極めて微小な場合にはいわゆるポジ型フォトレジス
ト、すなわち感光部分が分解し溶剤に対する溶解性が向
上するタイプの感光性樹脂をパターン露光、現像して円
柱状などの立体形状を得た後、ポジ型ゆえの熱可塑性を
利用して加熱溶融し、溶融時の表面張力を利用して求め
るドーム状立体に成形する方法(例えば、Meas.S
ci.Technol.1、No.8 p.759〜7
66(1990)に記載の方法など)が用いられる。
【0005】一方、硬化エネルギー線によって硬化する
樹脂組成物によって基板上に投影されたパターン状に該
樹脂組成物を選択的に硬化し、求める平面的パターンが
得られることは広く知られており、ネガ型フォトレジス
トなどで利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法および樹脂組成物には次のような欠点があった。
【0007】(1)雌金型を用いる方法では、求める微
小立体の大きさが数十μm以下の極めて微小である場合
は、精度良く金型を得ることが難しく多くの工程を要す
るものであり、また金型の詰まりなど金型の維持にも手
間がかかる。
【0008】(2)ポジ型フォトレジストを用いる方法
では、高精度な金型を必要としない点では優れている
が、加熱溶融時の表面張力を利用して成形するため、近
接あるいは連続した形状の微小立体を得ることが困難で
あった。さらに、得られた微小立体はポジ型フォトレジ
ストで形成されているため、耐薬品性に劣るものしか得
ることができず、粘着加工などの後加工条件に対する制
限が多いものであった。
【0009】(3)一般のネガ型フォトレジストや液状
紫外線硬化型樹脂などの硬化エネルギー線によって硬化
する感光性樹脂組成物によって、微小立体を得ようとし
ても、硬化エネルギー線が照射された部位は全て硬化す
るので、平面的なパターンにおいては選択的に硬化させ
ることができるが、ドーム状や三角プリズム状などの形
状制御は事実上不可能であった。また、高架橋密度の紫
外線硬化型樹脂を使用した場合、得られる硬化膜(微小
立体)は可撓性が劣るものであり、厚膜の微小立体の場
合折り曲げたりした時、クラックが発生したりさらには
粉々になるものであった。
【0010】よって、本発明は上記欠点を解消し、可撓
性、厚膜硬化性、耐薬品性に優れた、主に透明基板上に
形成された可視光の進行方向を制御するマイクロレンズ
アレイ、マイクロプリズムアレイ等の微小光学要素の配
列帯成形用の樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】さらに本発明は、比較的容易な方法、例え
ばフォトマスク等のパターンを介してパターン露光する
ことによりドーム状、プリズム状等の微小立体の成形が
可能であり、可撓性、後加工性に優れた微小立体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、少なくとも1個以上の官能基を有するモノ
マーを主成分とする樹脂成分中に、硬化エネルギー線を
照射することにより感応しイオンまたはラジカルを発生
する光重合開始剤を含有せしめた樹脂組成物であり、該
樹脂組成物の硬化膜の鉛筆硬度がHB以下であり、該樹
脂組成物および/または硬化膜が320〜400nmの
範囲内の光に対して0.02/μm以上の吸光度ピーク
を有することを特徴とする微小立体成形用樹脂組成物を
要旨とするものである。
【0013】透明な平板基板上に、少なくとも1個以上
の官能基を有するモノマーを主成分とする樹脂成分中
に、硬化エネルギー線を照射することにより感応しイオ
ンまたはラジカルを発生する光重合開始剤を含有せしめ
た樹脂組成物を積層し、求める微小立体の基板平面投影
像に対応したパターンで硬化エネルギー線を照射するこ
とによって、該樹脂組成物を選択的に硬化させることを
特徴とする微小立体の製造方法において、硬化後の微小
立体の鉛筆硬度をHB以下とすることを特徴とする微小
立体の製造方法を要旨とするものである。
【0014】本発明において、少なくとも1個以上の官
能基を有するモノマーとは、後述する光重合開始剤に硬
化エネルギー線を照射することにより発生するイオンま
たはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を生じ、
分子量の増加や架橋構造の形成を行う物質のことをい
う。ここでいう官能基とは、ビニル基、カルボキシル
基、水酸基などの反応性の原因となる原子団または結合
様式をいう。
【0015】本発明の場合、樹脂組成物に硬化エネルギ
ー線を照射することにより光重合反応させ微小立体部位
を硬化させることから、官能基としてはアクリロイル基
のようなビニル基を有するものが好ましく使用される。
【0016】本発明において使用するモノマーは特に限
定されるものではないが、代表例を挙げるなら2−エチ
ルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラ
ヒドロフリールおよびその誘導体のアクリレートなどの
ような単官能のもの、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリ
ン酸エステルネオペンチルグリコールおよびその誘導体
のジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート
などのような2官能のもの、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレー
ト、ジペンタエリストールヘキサアクリレートなどのよ
うな3官能以上のものなどがある。
【0017】さらに本発明の樹脂組成物は、硬化後の膜
硬度が鉛筆硬度でHB以下であるという条件であること
から、使用するモノマーとしては2官能以下のもの、さ
らには得られる硬化膜の硬化度の点から2官能のものを
使用することが好ましい。具体的には、モノマーとして
3官能以上のものを主成分として使用した場合、架橋密
度が大きくなり、硬化後の硬化膜の硬度が大きくなるた
め、10μm以上の厚膜の場合可撓性が劣る傾向にある
ため2官能以下のモノマーを使用することが好ましい。
さらに、1官能である場合は、十分な硬化度が得ること
ができず、得られる硬化膜の耐薬品性が低下するため2
官能のモノマーを使用することが好ましい。
【0018】またこの2官能のモノマーの中でも、下記
2官能モノマーの一般式中の「R」の分子量が200以
上であるものを使用することが、硬化膜の可撓性の点か
ら好ましい。「R」の分子量が200未満のモノマーを
主成分とする樹脂組成物を使用した場合、分子量が20
0以上のものに比べ架橋密度が高くなる傾向にあり、得
られる硬化膜の可撓性が低下するためである。
【0019】
【化2】 しかし、本発明のモノマー成分は、得られる硬化膜の硬
度がHB以下であればよく、硬度がHB以下であれば3
官能以上のモノマーを使用してもよい。この場合、硬化
膜の硬度は、硬化エネルギー線の照射条件の調整、添加
剤の添加(例えば可塑剤や下記プレポリマー、ポリマー
など)により調節することができる。
【0020】本発明の樹脂組成物は、上記のようなモノ
マーを主成分とし、これらモノマーの中から求める膜の
物性(例えば屈折率、硬度)に応じて選ばれる。ここで
いう「主成分とする」とは、全樹脂組成物成分中に40
重量%、好ましくは45重量%以上含有するものをい
う。
【0021】また、本発明の樹脂組成物の主成分となる
モノマーは、分子量が370〜1000の範囲内のもの
を使用することが好ましい。これは、分子量が370未
満では微小立体の硬化性が十分でなく、残存臭気等の問
題が生じ、また1000を超えると例えばフォトリソグ
ラフィー法によって微小立体を得る場合、硬化部と非硬
化部の硬化性の差(以下、硬化コントラストということ
がある)が低く、解像性が低下するためである。具体的
には、上記モノマーより分子量の高い物質(例えばアク
リルプレポリマー)が主成分である場合、硬化コントラ
ストが十分でなく、フォトリソグラフィー法により微小
立体を形成することは困難となる。
【0022】しかしながら本発明では、上記モノマー単
独では達成されない点、例えば基材との密着性、カール
防止、硬度の調節等を達成するために、前記モノマーよ
り分子量の高い物質を併用することもある 本発明で使用されるプレポリマーとはモノマー同様の理
由により、官能基としてアクリロイル基のようなビニル
基を含有するもの、例えばポリエステルアクリレート、
ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポ
リエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキ
ドアクリレート、ポリオールアクリレートなど公知のも
のから選んで使用することができる。
【0023】このようなプレポリマーの含有量は、全樹
脂組成物成分中40重量%以下、好ましくは35重量%
以下であることが、前記硬化コントラストの点から好ま
しい。
【0024】さらに本発明では、プレポリマーの併用に
よっても、塗膜特性(前記、密着性、カール防止、硬度
の調節)が達成されなければ、ポリマーを添加してもよ
い。ここでいうポリマーとは、前記モノマーやプレポリ
マーとの相溶性が良好なものを使用することが好まし
く、例えばアクリルポリマー、ポリエステル樹脂などで
代表されるものであるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0025】このポリマーの添加量は、全樹脂組成物成
分中25重量%以下、好ましくは20重量%以下である
ことが、前記硬化コントラストの点から好ましい。
【0026】本発明の樹脂組成物には、上記モノマーを
主成分とするもの(以下、単に樹脂成分というこのがあ
る)に、硬化エネルギー線によりラジカルまたはイオン
を発生(以下、感応するということがある)する物質が
添加される。このような物質は一般的に光重合開始剤と
呼ばれ、使用する硬化エネルギー線の種類、照射光の波
長に応じて選択されるが、装置が比較的簡単なものであ
ること、波長選択性が広いなどの理由から、紫外線を照
射することにより感応する光重合開始剤が好ましく使用
される。もちろんこのような光重合開始剤を使用する場
合は、硬化エネルギー線としては紫外線を使用すること
が好ましい。
【0027】本発明で使用される光重合開始剤は特に限
定されるものではなく公知のものから選んで使用でき、
代表例を挙げるならアセトフェノン系、ベンゾフェノン
系、ミヒラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン系、ベ
ンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、ベン
ゾインベンゾエート系、α−アシロキシムエステル等の
カルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノサルファ
イド、チオキサントン類等のイオウ化合物、さらには
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィノキシド等のリン系化合物が挙げられる。
【0028】本発明においてこれら光重合開始剤の添加
量は、前記樹脂成分100重量部に対し0.5〜20重
量部、さらには1〜15重量部の範囲内であることが好
ましい。光重合開始剤が0.5重量部未満では、樹脂成
分の硬化性が低く、また20重量部を超えると、硬化膜
の劣化、ブリードアウト等の問題が発生するため好まし
くない。
【0029】また、本発明の樹脂組成物は、少なくとも
320〜400nmの範囲の比較的長波長の紫外線に対
して感応しイオンまたはラジカルを発生することが必要
である。光は一般的に波長が長いほど深部まで浸透しや
すく、本発明のような比較的長波長に感応する光硬化型
樹脂組成物は深部硬化性に優れ、厚膜硬化が可能とな
る。
【0030】この感応波長は本発明者らによれば、樹脂
組成物および/または硬化膜の分光特性(吸光度)を測
定することにより確認できる。このときの分光特性は、
少なくとも320〜400nmの波長を有する光に対し
て0.02/μm以上の吸光度ピークがあれば、有効に
イオンまたはラジカルを発生し、光硬化が可能となる。
【0031】ここでいう吸光度とは、物質が光を吸収す
る度合いを表すものであり、光が物質を通過する間に吸
収によってその強さがI0 からIになったとするとき、 吸光度=log(I/I0 ) で求められる。本発明における吸光度は単位厚み(1μ
m)当たりの吸光度として求められる。
【0032】前記波長域に感応するようにする方法とし
ては、光重合開始剤の添加量を調整する、光重合開
始剤の種類を選択する、光重合促進剤を添加する、な
どの方法があり、これら方法のうち最も有効であるもの
が選択される。しかしながらの方法において、光重合
開始剤の添加量が前記した範囲を越える場合は、また
はの方法と併用することが好ましい。
【0033】また、の方法で使用される光重合開始剤
とは、前記320〜400nmに感応する光重合開始剤
であり、このような光重合開始剤としては、チオキサン
トン系、リン系化合物などが好ましく使用される。
【0034】さらにまた、の方法でいう光重合促進剤
とは、文字どおり光重合を促進する作用のあるもので、
これを添加することにより感応波長域が拡大する。本発
明で使用する光重合促進剤は特に限定されるものではな
いが、代表例としては脂肪族アミン、芳香族基を含むア
ミン、ピペリジンのようなアミン系化合物、アリル、o
−トリルチオ尿素のような尿素系化合物、ナトリウムジ
エチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶
塩のようなイオウ化合物、N,N−ジ置換−p−アミノ
ベンゾニトリル化合物のようなニトリル類、トリ−n−
ブチルフォスフィンン、ナトリウムジエチルジチオフォ
スフェートのようなリン化合物、N−ニトロソヒドロキ
シルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒド
ロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドかア
セトアルデヒドとジアミンの縮合物、ミヒラーケトンの
ような他の窒素化合物、四塩化炭素、ヘキサクロロエタ
ンのような塩素化合物などが挙げられる。これら光重合
促進剤の中でも、溶解性、臭気などの点からアミン系化
合物、さらには芳香族基を含むアミン系化合物が最も好
ましく使用される。このような芳香族基を含むアミン系
化合物としては、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ノエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステ
ル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエートで代表
されるものである。
【0035】また、本発明の樹脂組成物はマイクロレン
ズ、マイクロプリズム等の微小光学要素の配列体の形成
用樹脂として好ましく使用されるため、その硬化物は可
視光に対して透明であることが好ましい。
【0036】さらに、本発明の樹脂組成物中には上記物
質だけでなく、硬化前、硬化中、あるいは硬化後の特性
を制御するための種々の添加剤が含まれることもある。
このような添加剤の例として、紫外線吸収剤などの紫外
線吸収性物質を挙げることができる。
【0037】硬化性樹脂組成物に紫外線吸収剤が添加さ
れていると硬化後の耐候性が向上することは広く知られ
ているところであるが、硬化エネルギー線として紫外線
を用いる場合には、硬化体すなわち微小立体の形状を制
御する因子ともなる。
【0038】本発明で使用される紫外線吸収剤として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾ
エート系、サリチル酸エステル系のいずれか一つを含む
ものであることが好ましく、さらにはベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤を主成分とするものであることが、少
量の添加で大きな効果が得られる点で最も好ましい。
【0039】紫外線吸収剤の添加量は、用いる樹脂組成
物の特性や求める微小立体の形状、また用いる硬化エネ
ルギー線照射装置の特性などによって調整することがで
きるが、一般的に好ましい範囲としては全樹脂組成物中
に0.2〜10重量%の範囲内である。紫外線吸収剤の
含有量が0.2重量%未満では添加効果が低く、また1
0重量%を越えるとブリードアウト、硬化膜の劣化の点
から好ましくない。
【0040】次に本発明の第2の発明である微小立体の
製造について説明する。本発明の微小立体の製造方法
は、透明な平板基板上に、少なくとも1個以上の官能基
を有するモノマーを主成分とする樹脂成分中に、硬化エ
ネルギー線を照射することにより感応しイオンまたはラ
ジカルを発生する光重合開始剤を含有せしめた樹脂組成
物を積層し、求める微小立体の基板平面投影像に対応し
たパターンで硬化エネルギー線を照射することによっ
て、該樹脂組成物を選択的に硬化させることを特徴とす
る微小立体の製造方法を特徴とするものである。
【0041】本発明で使用する樹脂組成物は、前記物性
のモノマーを主成分とするものを使用することが、可撓
性などの点から好ましい。
【0042】このような樹脂組成物より微小立体を製造
する方法は、樹脂組成物を透明基板上に塗布または積層
し、求める微小立体の透明基板への投影像に対応した硬
化エネルギー線像のパターンを照射する。該パターンは
従来同様の方法、すなわち求める硬化パターンの反転画
像が形成されたフォトマスクを用いる方法などで得られ
る。
【0043】このような硬化エネルギー線像を基板に塗
布または積層された樹脂組成物に照射することによっ
て、樹脂組成物層内の微小立体となる部分を選択的に硬
化させる。照射の方法は、基板に対して樹脂組成物が積
層された面(これを、表の面とする)から照射する場合
と、その反対側の面(これを、裏の面とする)から照射
する場合が考えられ、求める微小立体の形状から選択す
ることができるが、本発明は、基板表面から遠ざかるに
従って、基板面に平行な断面における断面積が小さくな
る形状の微小立体(ドーム状、鐘状など)の製造に適し
た樹脂組成物であるので、基板の裏の面から硬化エネル
ギー線を照射する方法が好ましい。
【0044】硬化エネルギー線を照射した後、樹脂組成
物層内の未硬化部分を適切な溶剤で溶解除去するなどし
て、微小立体が得られる。このとき、硬化エネルギー線
の照射条件、すなわち紫外線の場合であれば紫外線強度
や照射時間を適切に選ぶことによって、硬化部分の硬化
度が高く、耐薬品性、安定性、可撓性などに優れた微小
立体を得ることができる。
【0045】なお、ここでいう透明基板とは、透明な平
板状の基板のことをいい、ガラス板、プラスチックシー
ト、プラスチックフィルムなどが挙げられ、さらに本発
明の樹脂組成物は、中でもプラスチックフィルムを透明
基板として使用した微小立体の製造に優れた樹脂組成物
である。すなわち、例えばポリエステルのような、紫外
線透過性がガラスより低いプラスチックフィルムの場
合、前記のように硬化エネルギー線を裏の面から照射し
た場合、ポリエステルを透過してくる光は310nm以
上の光であり、それ未満の波長を有する光の透過率はほ
ぼ0%である。よって、基板としてこのようなプラスチ
ックフィルムを使用する場合、樹脂組成物は310nm
以上の波長を有する光に感応し光硬化することが必要と
なる。本発明の樹脂組成物は、前記310nm以上の波
長を有する光に対して有効に感応する点から、このよう
なプラスチックフィルムを使用した場合でも、有効に微
小立体を形成することが可能である。
【0046】さらに本発明で使用する透明基板は、表面
上に形成される微小立体との接着性、密着性を向上させ
るため、プライマーコート処理、プラズマ放電処理など
のいわゆる易接着化処理が施されていることが好まし
い。
【0047】さらに、本発明で製造される微小立体の鉛
筆硬度はHB以下であることが必要である。微小立体の
鉛筆硬度がHBを超える場合には可撓性が劣り、特に微
小立体の厚みが10μm以上の厚膜の場合、折り曲げた
時クラックなどが発生するためである。
【0048】本発明の樹脂組成物が好適に用いられる微
小立体としては、一つの単位立体が1μmから500μ
mの幅を持つマイクロレンズ、マイクロプリズム、回折
格子、光導波路、光論理回路あるいはそれらの集積体
(アレイ)などの光学素子が挙げられる。特に表示素子
の観察面に装着するマイクロレンズアレイで、単位立体
(単位レンズ)の幅が10〜100μmのものを得る際
に好適である。特に、単位立体がその幅に対して10%
以上の高さを持つとき、本発明の樹脂組成物または本発
明の製造方法の硬化が大きい。従来、これらの素子を硬
化エネルギー線による選択的硬化法によって得ようとし
ても、微小立体の硬化度が不十分であったり、基板に対
して垂直な方向での断面形状が事実上短形のものしか得
られなかったためである。
【0049】
【実施例および特性の評価】以下、本発明を実施例によ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0050】(1)樹脂組成物の調製 実施例1 官能基としてアクリロイル基(2官能)を含有するモノ
マーとして、ポリカーボネートジオールのアクリル変成
体(商品名“KAYARAD”PCA−500:日本化
薬(株)製、分子量約500、Rの分子量約330)5
0重量部および、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペ
ンチルグリコール誘導体のジアクリレート(商品名:
“KAYARAD”HX−220:日本化薬(株)製、
分子量=540)50重量部よりなる樹脂成分に、光重
合開始剤としてアセトフェノン系光重合開始剤である1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名
“イルガキュアー”184:チバガイギー社製)12重
量部、芳香族アミン系光重合促進剤(商品名“KAYA
CURE”EPA:日本化薬(株)製)3重量部、ター
シャリブチルベンゾトリアゾールを主成分とする紫外線
吸収剤(商品名“TINUVIN”PS:チバガイギー
社製)4重量部添加して光硬化型樹脂組成物を得た。
【0051】実施例2 実施例1の塗材において樹脂成分を、官能基としてアク
リロイル基(2官能)を含有するヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコール誘導体のジアクリレート(商品
名“KAYARAD”HX−620:日本化薬(株)
製、分子量=768、Rの分子量=598)を100重
量部に変更したほかは、同一手法により光硬化型樹脂組
成物を得た。
【0052】比較例1 実施例1の塗材において樹脂成分を、官能基としてアク
リロイル基(6個)を有するモノマー(商品名“KAY
ARAD”DPCA−20:日本化薬(株)製、分子量
=807)に変更した他は同一手法により光硬化型樹脂
組成物を得た。
【0053】比較例2 実施例1の塗材において光重合開始剤を2重量部とし、
光重合促進剤を除いた他は同一手法により光硬化型樹脂
組成物を得た。
【0054】(2)微小立体の成形 表面が平滑なガラス上に(1)で得た樹脂組成物(実施
例1、実施例2、比較例1、比較例2)を、アプリケー
タによって厚み45μmで塗布した。
【0055】それぞれの樹脂組成物塗布膜上に、基板と
なる易接着化処理された透明なポリエステルフィルム
(商品名“ルミラー”:東レ(株)製、厚み100μ
m)を重ね合わせ、さらにストライプ状のパターンが形
成されたフォトマスク(開口部の幅5μm、遮光部の幅
50μm繰り返し)を重ね合わせた。
【0056】上からフォトマスク、ポリエステルフィル
ム基板、樹脂組成物、ガラス板支持体の順で重ね合わせ
た状態で、フォトマスク側から高圧水銀灯によって紫外
線を照射し、紫外線硬化性樹脂組成物の選択的部分硬化
を行った。このとき、露光強度をフォトマスク表面で1
50mJ/cm2 ・secとし、露光時間を5〜60秒
の間で種々変更して紫外線を照射した。
【0057】紫外線照射後、フォトマスクを外し、ポリ
エステル基板を樹脂組成物と共にガラスいたから剥が
し、メチルイソブチルケトン(現像液)に浸漬して未硬
化部分を溶解除去した。
【0058】また、硬化膜の特性評価用(鉛筆硬度、分
光特性)として、ガラス基板上に前記樹脂組成物をアプ
リケータにより1μm塗布し、微小立体の成形時と同条
件で紫外線を照射したものを作成した。
【0059】(3)評価 硬化膜の鉛筆硬度 JIS−K−5400に準じて、硬化膜の鉛筆硬度を測
定し結果を表1に示した。表1より本発明の実施例は規
定の鉛筆硬度を有していることがわかる。
【0060】分光特性 分光光度計により、硬化膜の分光特性(吸光度)を測定
し、320〜400nmの波長を有する光に対する(最
小)吸光度を表1に示した。表1より本発明の実施例は
前記光に対して規定の吸光度を有していることがわか
る。
【0061】その他特性 乾燥し得られた樹脂組成物の硬化部分、すなわち微小立
体の形状、単位立体の幅および高さ(μm)を光学顕微
鏡により観察した。結果を表2に示す。本発明の実施例
では、比較的解像性が高く、断面形状を制御できるが、
比較例2においては解像性が劣ることがわかる。
【0062】なお、ここでいう解像性とは樹脂組成物の
硬化コントラスト(硬化部と非硬化部の硬化性の差)に
よる現像性(未硬化部分の溶解除去性:すなわち、硬化
コントラストの大きい方が解像性は高い)を表すもので
ある。
【0063】また、本発明の実施例では、可撓性の高い
ものであるが、比較例1においては可撓性が劣り、クラ
ック等が発生するものである。
【0064】さらに、本発明の実施例では有機溶剤(メ
チルイソブチルケトン)によって未硬化部分を溶解除去
しているので、残った硬化部分(微小立体)の耐薬品性
がすぐれていることは明らかである。
【0065】
【表1】
【表2】
【0066】
【発明の効果】可撓性、厚膜硬化性、耐薬品性に優れ
た、樹脂組成物を得ることができる。
【0067】さらに、比較的容易な方法、例えばフォト
マスク等のパターンを介してパターン露光することによ
りドーム状、プリズム状等の微小立体の成形が可能であ
り、可撓性、後加工性に優れた微小立体の製造方法を得
ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個以上の官能基を有するモ
    ノマーを主成分とする樹脂成分中に、硬化エネルギー線
    を照射することにより感応しイオンまたはラジカルを発
    生する光重合開始剤を含有せしめた樹脂組成物であり、
    該樹脂組成物の硬化膜の鉛筆硬度がHB以下であり、該
    樹脂組成物および/または硬化膜が320〜400nm
    の範囲内の光に対して0.02/μm以上の吸光度ピー
    クを有することを特徴とする微小立体成形用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 官能基がアクリロイル基であることを特
    徴とする請求項1に記載の微小立体成形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 官能基の数が2個であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の微小立体成形用樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 モノマーを下記一般式で表した場合、R
    の分子量が200以上であることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の微小立体成形用樹脂組成
    物。 【化1】
  5. 【請求項5】 硬化エネルギー線が紫外線であることを
    特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の微小
    立体成形用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物が紫外線吸収性物質を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の微小立体成形用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 透明な平板基板上に、少なくとも1個以
    上の官能基を有するモノマーを主成分とする樹脂成分中
    に、硬化エネルギー線を照射することにより感応しイオ
    ンまたはラジカルを発生する光重合開始剤を含有せしめ
    た樹脂組成物を積層し、求める微小立体の基板平面投影
    像に対応したパターンで硬化エネルギー線を照射するこ
    とによって、該樹脂組成物を選択的に硬化させ、該硬化
    部分の鉛筆硬度がHB以下であり、該樹脂組成物および
    /または硬化膜が320〜400nmの範囲内の光に対
    して0.02/μm以上の吸光度ピークを有することを
    特徴とする微小立体の製造方法。
  8. 【請求項8】 硬化エネルギー線を基板側(樹脂組成物
    を積層した反対の面)から照射することを特徴とする請
    求項7に記載の微小立体の製造方法。
  9. 【請求項9】 透明な平板基板がプラスチックフィルム
    であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載
    の微小立体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2798740A1 (fr) * 1998-11-16 2001-03-23 Nanotechnologie Et D Instrumen Nouvelles fibres optiques lentillees a forte ouverture numerique d'extremite application a la realisation de nouveaux composants optoelectroniques hautes performances
JP2001134204A (ja) * 1999-11-09 2001-05-18 Stanley Electric Co Ltd 反射型ディスプレイ及びその製造方法
DE112006001162T5 (de) 2005-05-12 2008-08-21 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd., Kawasaki Verfahren zur Verbesserung der optischen Stabilität von dreidimensionalen, mikrogeformten Produkten

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