JP4925754B2 - 鋼構造物の補強工法 - Google Patents

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Description

本発明は、既存鋼構造物の補強工法に関し、より詳しくは、既存鋼構造物を構成している既存鋼構造部材に補強用の鋼板を溶接により接合して当該既存鋼構造物を補強する工法に関する。
既存鋼構造物に補強を施すことが必要とされるのは、例えば、経年変化により強度が低下した既存鋼構造物に補強を施す場合や、耐震性能が不十分な既存鋼構造物に耐震補強を施す場合などである。また、補強が必要になる鋼構造物には、鉄骨造建物の骨組をはじめとする様々な鋼製の支持構造体などがある。
既存鋼構造物を構成している既存鋼構造部材に補強用の鋼板を用いて補強する場合、補強用の鋼板を既存鋼構造部材に溶接により接合する技術は既に知られている(特許文献1)。
補強用の鋼板を既存鋼構造部材に溶接により接合する場合、鋼板の位置合わせをして仮付け溶接を行い、次に、本溶接が行なわれる。
しかしながら、この溶接作業は火気を伴うことから仮付け溶接から本溶接までの間溶接養生が必要とされ、また溶接作業は高度の技能を有する有資格者しかできないため、施工コスト及び人員配置の手間がかかり、工期の短縮化を図る上で不利があった。
特開平8−276889
本発明は、かかる事情に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、有資格者による作業を減少して人員配置を迅速に行なえ、工期の短縮化、施工コストの低減化を図る上で有利な新規な補強工法を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明は、既存鋼構造物を構成している既存鋼構造部材に複数枚の補強用の鋼板を取り付けて補強する工法であって、互いに連結された第1の板部と第2の板部とを有する仮止め金具を複数用意し、前記各仮止め金具の前記第1の板部を、既存鋼構造物を構成している既存鋼構造部材に合わせ、ドリルねじまたは打ち込み鋲により取り付けて前記複数の仮止め金具を前記既存鋼構造部材に仮止めする第1の仮止め工程と、前記補強用の鋼板の複数箇所と前記各仮止め金具の前記第2の板部とを合わせ、ドリルねじまたは打ち込み鋲により取り付けて前記補強用の鋼板と前記仮止め金具とを仮止めする第2の仮止め工程と、前記第1、第2の仮止め工程により前記既存鋼構造部材に仮止めされた複数枚の補強用の鋼板を、溶接により前記仮止め金具を介して前記既存鋼構造部材に接合する溶接工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、補強用の鋼板の仮止めまでの補強工事の初期の段階では、火気を全く使用しないので、鋼板を溶接する本溶接までは火気養生は不要となり、工期の短縮化および施工コストを低減化する上で有利となる。
また、補強工事の初期の段階では、火気養生が不要となることから、鋼板や山形鋼などの資機材の搬入を効率よく行なえ、工期の短縮化および施工コストの低減化する上で有利となる。
また、ドリルねじや打ち込み鋲を用いて鋼板の仮止めを行ない、この作業は、電動式やエア式のドライバや打鋲機などを用いて簡単に行なえるので、有資格者による作業を減少して人員配置を迅速に行なえ、工期の短縮化、施工コストの低減化を図る上で有利となる。
以下、本発明の実施の形態について図面にしたがって説明する。
第1の実施の形態では、既存鋼構造物を構成している柱や梁などの既存鋼構造部材が形鋼で形成されている場合を例にとって説明する。
図1は第1の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の正面図、図2は第1の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の断面平面図、図3は図1のAA断面図を示している。
既存鋼構造部材12AはH形鋼からなり、互いに対向するフランジプレート14、それらフランジプレート14を接続するウェブプレート16を有している。
本実施の形態では、複数枚の補強用の鋼板20を用いて既存鋼構造部材12Aを補強しており、その際に仮止め金具として山形鋼22が用いられ、開断面形状を呈している既存鋼構造部材12Aは、補強されることで2枚の鋼板20と2つのフランジプレート14により断面が矩形枠の閉断面形状を呈することになる。
補強用の鋼板20は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅と、前記幅よりも大きい寸法の長さを有している。
鋼板20の幅は、鋼板20がウェブプレート16に平行させた状態で互いに対向するフランジプレート14の間に挿入される寸法で形成されている。
鋼板20はその長さ方向を既存鋼構造部材12Aの長さ方向に沿わせて配設され、長さ方向において隣り合う鋼板20の端部は突き合わされる。
説明の便宜上、各山形鋼22に合わせられ仮止めされる鋼板20の面を内面とし、その反対の面を外面とすると、鋼板20の外面の幅方向の両側で長さ方向の全長にわたって開先2002が形成されている。
また、鋼板20の内面で長さ方向の端部に、裏当金をなす平鋼24が取り付けられている。本実施の形態では、平鋼24はドリルねじ26または打ち込み鋲により鋼板20の内面に取り付けられ、その長さは、後述する2つの山形鋼22のフランジ2204の端部間に挿入される寸法で形成されている。
山形鋼22は2つのフランジ2202、2204を有し、一方のフランジ2202が仮止め金具の第1の板部に相当し、他方のフランジ2204が第2の板部に相当している。
山形鋼22は、本実施の形態では、鋼板20と同一の長さを有している。
1枚の鋼板20を仮止めするに際して2つの山形鋼22が用いられ、各山形鋼22は、互いに対向するフランジプレート14とウェブプレート16とで囲まれる領域内でフランジプレート14が互いに向かい合う面に配置される。
より詳細には、各山形鋼22の長さ方向をフランジプレート14の長さ方向に沿わせて延在させ、フランジプレート14の幅方向の端部寄りの箇所に、各山形鋼22の2つのフランジ2202、2204の一方のフランジ2202を合わせ、他方のフランジ2204がウェブプレート16と平行し、互いに対向するフランジプレート14の幅方向の端部間を接続する想像線よりも鋼板20の厚さ分だけウェブプレート16寄りの箇所に位置するように位置合わせを行い、この状態で、フランジ2202からフランジプレート14にわたりドリルねじ26または打ち込み鋲を打ち込み、各山形鋼22のフランジ2202をフランジプレート14の幅方向の端部寄りの箇所に仮止めする(第1の仮止め工程)。
ドリルねじ26は、頭部と、頭部から突出するねじ部と、ねじ部の先端から突出するドリル刃とを備え、施工時にその先端のドリル刃が鋼板にタッピング用の下孔をあけ、続いてねじ部がその下孔にタッピングして締め付けを完了するものであり、電動式やエア式のドライバを用いることでフランジ2202の面がフランジプレート14にがたつくことなく密接した接合状態で簡単に確実に取り付けられる。
また、打ち込み鋲は、頭部と軸部とを有し、軸部の先端が鋭く尖った鋲であり、エア式やガス式などの打鋲機を用いて打ち込むことにより、下孔をあけていない鋼材にも、あたかも木材に釘を打ち込むように打ち込むことができる鋲であり、ドリルねじ26と同様にフランジ2202の面がフランジプレート14にがたつくことなく密接した接合状態で簡単に確実に取り付けられる。
なお、フランジ2202にドリルねじ26や打ち込み鋲の下孔を予め形成しておいてもよいが、実施の形態のようにドリルねじや打ち込み鋲を直接打ちこむようにすると施工コストを削減する上で有利となる。
各山形鋼22のフランジ2202をドリルねじ26または打ち込み鋲によりフランジプレート14に仮止めしたならば、鋼板20を各山形鋼22のフランジ2204に合わせ、位置合わせを行ってドリルねじ26または打ち込み鋲により仮止めする(第2の仮止め工程)。
より詳細には、鋼板20の幅方向の両側で長さ方向の全長にわたる部分と前記山形鋼22のフランジ2204とが合わせられ、鋼板20の幅方向の両側で長さ方向の両端箇所である鋼板20の四隅に、鋼板20からフランジ2204にわたってドリルねじまたは打ち込み鋲が打ち込まれ、これにより鋼板20が山形鋼22を介して既存鋼構造部材12Aに仮止めされる。
本実施の形態では、鋼板20の幅方向の両側のうちの一方の側部で鋼板20の長手方向の両側に、位置決め用の第1のボルト挿通孔2010と、第1のボルト挿通孔2010よりも大きい輪郭(例えば、第1のボルト挿通孔2010の内径より大きい内径の孔、あるいは、鋼板20の長さ方向に延在する長孔)の第2のボルト挿通孔2012が予め形成されている。
また、第1、第2のボルト挿通孔2010、2012に合致する山形鋼22のフランジ2204の箇所に第3のボルト挿通孔2210が予め形成されている。
そして、鋼板20の幅方向の両側で長さ方向の全長にわたる部分と山形鋼22のフランジ2204とを合わせた際に、まず、第1、第3のボルト挿通孔2010、2210および第2、第3のボルト挿通孔2012、2210に挿通されたボルトB(高力ボルトを含む)と、このボルトBに螺合するナットNにより、鋼板20の幅方向の両側のうちの一方の側部が位置決められて山形鋼22のフランジ2204に仮止めされる。
次に、鋼板20の幅方向の両側のうちの他方の側部の2箇所がドリルねじ26または打ち込み鋲を用いて他方の山形鋼22のフランジ2204に仮止めされる。
このようにして必要な枚数の鋼板20が既存鋼構造部材12Aに仮止めされたならば、各鋼板20の幅方向の両端に位置する縁の全長にわたる部分がフランジ2204上においてフランジプレート14の端部に溶接Y1により接合される(溶接工程)。
また、既存鋼構造部材12Aの長さ方向において隣り合う鋼板20の端部は突き合わされ、図3に示すように、鋼板20の長さ方向の端部に位置する縁の全長にわたる部分が平鋼24上とフランジ2204上において溶接Y2により接合される(溶接工程)。
本実施の形態では、鋼板20の仮止めまでの補強工事の初期の段階(第1の仮止め工程、第2の仮止め工程)では、火気を全く使用しないので、鋼板20を溶接する本溶接(溶接工程)までは火気養生は不要となり、工期の短縮化および施工コストを低減化する上で有利となる。
また、鋼板20の仮止め(第1の仮止め工程、第2の仮止め工程)まで火気養生が不要となることから、鋼板20や山形鋼22の搬入を効率よく行なえ、工期の短縮化および施工コストの低減化する上で有利となる。
また、ドリルねじや打ち込み鋲を用いて鋼板20の仮止めを行ない、この作業は、電動式やエア式のドライバや打鋲機などを用いて簡単に行なえるので、有資格者による作業を減少して人員配置を迅速に行なえ、工期の短縮化、施工コストの低減化を図る上で有利となる。
また、鋼板20を仮止めするに際して、仮付け溶接する場合に比べ、既存の部材を傷める不具合もなく、また、溶接欠陥などもないことから品質管理も簡単になされる。
また、本実施の形態では、鋼板20を仮止めするに際して、幅方向の一側を2本のボルトBとナットNを用いて仮止めし、幅方向の他側を2本のドリルねじまたは2本の打ち込み鋲を用いて仮止めしている。すなわち、鋼板20の4隅を全てドリルねじまたは打ち込み鋲で仮止めする場合、打ち込み時に鋼板20がずれないように鋼板20を押え付けておく必要があるが、実施の形態のように幅方向の一側をボルトBとナットNで仮止めすると、幅方向の他側に2本のドリルねじまたは2本の打ち込み鋲を打ち込む際に、鋼板20を押え付けておく必要がないことから、鋼板20の仮止め作業の効率をより一層高める上で有利となる。
また、鋼板20に設けられるボルト挿通孔は2つであり、そのうちの1つは、位置決め用の第1のボルト挿通孔2010としてある程度の精度でもって形成され、他の1つは、第1のボルト挿通孔2010の内径より大きい内径の孔、あるいは、鋼板20の長さ方向に延在する長孔などからなる第2のボルト挿通孔2012で形成されているため、加工も簡単になされ、かつ、フランジ2204から鋼板20へのボルトBの挿通も簡単に行え、施工コストの削減化を図り、鋼板20の仮止め作業の効率をより一層高める上で有利となる。
なお、第2の仮止め工程を先に行い、その後、第1の仮止め工程を行なってもよいが、実施の形態のように第1の仮止め工程を先に行なうと、仮止め作業の効率を高める上で有利となる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、既存鋼構造物を構成している柱や梁などの既存鋼構造部材が組立材で形成されている場合を例にとって説明する。
図4は第2の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の正面図、図5は第2の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の断面平面図を示している。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の箇所、部材には同一の符号を付して説明し、その詳細は省略する。
既存鋼構造部材12Bは、互いに対向する鋼材30間を複数の斜材34で連結したトラス構造となっており、各鋼材30は2つの山形鋼32で構成され、斜材34は帯鋼で構成されている。
詳細に説明すると、各鋼材30は、2つの山形鋼32の一方のフランジ3202が対向し他方のフランジ3204が同一面上で延在するように配置されている。そして、各鋼材30の他方のフランジ3204が向かい合うように配置され、各鋼材30の対向するフランジ3202間で斜材34の端部が挟持されリベットRにより連結され、開断面形状となっている。
本実施の形態では、複数枚の補強用の鋼板40を用いて既存鋼構造部材12Bを補強しており、その際に仮止め金具として山形鋼42が用いられ、開断面形状を呈している既存鋼構造部材12Bは、補強されることで2枚の鋼板40と4つのフランジ3204により断面が矩形枠の閉断面形状を呈することになる。
補強用の鋼板40は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅と、前記幅よりも大きい寸法の長さを有している。
鋼板40の幅は、互いに対向する鋼材30のフランジ3204間の寸法よりも若干小さな寸法で形成されている。
鋼板40はその長さ方向を既存鋼構造部材12Bの長さ方向に沿わせて配設され、長さ方向において隣り合う鋼板40の端部は突き合わされる。
説明の便宜上、各山形鋼42に合わせられ仮止めされる鋼板40の面を内面とし、その反対の面を外面とすると、鋼板40の内面で長さ方向の端部に、裏当金をなす平鋼44が取り付けられている。本実施の形態では、平鋼44はドリルねじ26または打ち込み鋲により鋼板40の内面に取り付けられ、その長さは、後述する2つの山形鋼42のフランジ4204の端部間に挿入される寸法で形成されている。
山形鋼42は2つのフランジ4202、4204を有し、一方のフランジ4202が仮止め金具の第1の板部に相当し、他方のフランジ4204が第2の板部に相当している。
山形鋼42は、本実施の形態では、鋼板40と同一の長さを有している。
1枚の鋼板40を仮止めするに際して2つの山形鋼42が用いられ、各山形鋼42は、互いに対向する鋼材30のフランジ3204に仮止めされる(第1の仮止め工程)。
より詳細には、各山形鋼42の長さ方向をフランジ3204の長さ方向に沿わせて延在させ、フランジ3204に、各山形鋼42の2つのフランジ4202、4204の一方のフランジ4202を合わせ、図5に示すように、他方のフランジ4204が斜材34と平行し、互いに対向するフランジの端部間を接続する想像線よりも斜材34から離れた箇所に位置するように位置合わせを行い、この状態で、フランジ4202からフランジ3204にわたりドリルねじ26または打ち込み鋲を打ち込み、各山形鋼42のフランジ4202を鋼材30のフランジ3204に仮止めする(第1の仮止め工程)。
なお、第1の実施の形態と同様に、フランジ4202にドリルねじ26や打ち込み鋲の下孔を予め形成しておいてもよいが、実施の形態のようにドリルねじや打ち込み鋲を直接打ちこむようにすると施工コストを削減する上で有利となる。
各山形鋼42のフランジ4202をドリルねじ26または打ち込み鋲によりフランジ3204に仮止めしたならば、鋼板40を各山形鋼42のフランジ4204に合わせ、位置合わせを行ってドリルねじ26または打ち込み鋲により仮止めする(第2の仮止め工程)。
より詳細には、鋼板40の幅方向の両側で長さ方向の全長にわたる部分と山形鋼42のフランジ4204とが合わせられ、鋼板40の幅方向の両側で長さ方向の両端箇所である鋼板40の四隅に、鋼板40からフランジ4204にわたってドリルねじ26または打ち込み鋲が打ち込まれ、これにより鋼板40が山形鋼42を介して既存鋼構造部材12Bに仮止めされる。
なお、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、鋼板40の幅方向の両側のうちの一方の側部に、第1、第2のボルト挿通孔2010、2012が予め形成され、また、第1、第2のボルト挿通孔2010、2012に合致する山形鋼42のフランジ4204の箇所に第3のボルト挿通孔2210が予め形成され、鋼板40の幅方向の両側のうちの一方の側部がそれらボルト挿通孔を介してボルトB、ナットNによりに仮止めされ、他方の側部がドリルねじ26または打ち込み鋲を用いて仮止めされ、施工コストの削減化が図られ、鋼板40の仮止め作業の効率がより一層高められている。
そして、必要な枚数の鋼板40が既存鋼構造部材12Bに仮止めされたならば、各鋼板40の幅方向の両端に位置する縁の全長にわたる部分が山形鋼42のフランジ4204に溶接Y11により接合され、また、山形鋼32のフランジ3204の端部に位置する縁の全長にわたる部分が山形鋼42のフランジ4202に溶接Y12により接合される(溶接工程)。
また、既存鋼構造部材12Bの長さ方向において隣り合う鋼板40の端部は突き合わされ、第1の実施の形態と同様に、鋼板40の長さ方向の端部に位置する縁の全長にわたる部分が平鋼44上とフランジ4204上において溶接Y13により接合される(溶接工程)。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
なお、第2の仮止め工程を先に行い、その後、第1の仮止め工程を行なってもよいが、実施の形態のように第1の仮止め工程を先に行なうと、仮止め作業の効率を高める上で有利となる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、既存鋼構造物を構成している柱や梁などの既存鋼構造部材が組立材で形成されている場合を例にとって説明する。
図6は第3の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の正面図、図7は第3の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の断面平面図、図8はエレクションピースの説明図で(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図を示している。
既存鋼構造部材12Cは、その長手方向から見て長方形の各頂点に位置するように配置された4つの山形鋼52と、それら山形鋼52のうちの隣り合う山形鋼52間をそれぞれ連結した複数の斜材54とからなるトラス構造となっており、斜材54は帯鋼で構成されている。
詳細に説明すると、4つの山形鋼52はそれらのフランジ5202が前記長方形の辺に沿って延在するように配置され、各斜材54は、隣り合う山形鋼52のフランジ5202に両端がリベットRにより連結され、これにより4つの山形鋼52は相互に連結され開断面形状となっている。
本実施の形態では、複数枚の補強用の鋼板60を用いて既存鋼構造部材12Cを補強しており、その際に仮止め金具としてエレクションピース62が用いられ、開断面形状を呈している既存鋼構造部材12Cは、補強されることで4枚の鋼板60と4つの山形鋼52により断面が矩形枠の閉断面形状を呈することになる。
補強用の鋼板60は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅と、前記幅よりも大きい寸法の長さを有している。
鋼板60の幅は、互いに隣り合う山形鋼52のフランジ5202上に載せられる寸法で形成され、前記長方形の長辺に対応する箇所に配置される鋼板60の幅は、前記長方形の短辺に対応する箇所に配置される鋼板60の幅よりも大きい。
鋼板60はその長さ方向を既存鋼構造部材12Cの長さ方向に沿わせて配設され、長さ方向において隣り合う鋼板60の端部は突き合わされる。
説明の便宜上、山形鋼52に合わせられ仮止めされる鋼板60の面を内面とすると、第1、第2の実施の形態と同様に、鋼板60の内面で長さ方向の端部に、裏当金をなす平鋼が取り付けられている。
図8に示すように、エレクションピース62は鋼製で、第1の板部6202と、第2の板部6204と、それら板部6202、6204を連結するアーム6206とで構成されている。第1の板部6202と第2の板部6204には、ドリルねじ26や打ち込み鋲の下孔6208が形成されている。
図8は、鋼板60とフランジ5202とを仮止めする際に用いるエレクションピース62を示しており、このエレクションピース62は、第1の板部6202と第2の板部6204とが互いの異なった高さに位置しており、鋼板60の長さ方向の端部間を仮止めするエレクションピース62では、第1の板部6202と第2の板部6204とは同一の高さに位置し同一平面上を延在している。
本実施の形態では、鋼板60の幅方向の両側の箇所にそれぞれ第2の板部6204を合わせ、ドリルねじ26または打ち込み鋲を打ち込み、第2の板部6204を鋼板60の幅方向の両側の箇所にそれぞれ仮止めする(第2の仮止め工程)。
また、鋼板60の長さ方向の両端のうちの一方の端部に第2の板部6204を合わせ、ドリルねじ26または打ち込み鋲を打ち込み、第2の板部6204を鋼板60の長さ方向の端部にそれぞれ仮止めする。
鋼板60にエレクションピース62の第2の板部6204をドリルねじ26または打ち込み鋲により仮止めしたならば、鋼板60に仮止めされた各エレクションピース62の第1の板部6204を山形鋼52のフランジ5202に合わせ、位置合わせを行ってドリルねじ26または打ち込み鋲により仮止めする(第1の仮止め工程)。
また、鋼板60の長さ方向の端部を、既存鋼構造部材12Cに既に仮止めされた鋼板60の端部に付き合わせ、鋼板60の長さ方向の端部に仮止めされたエレクションピース62の第1の板部6204を、既に仮止めされた鋼板60に合わせ、位置合わせを行ってドリルねじ26または打ち込み鋲により仮止めする。
そして、必要な枚数の鋼板60が既存鋼構造部材12Cに仮止めされたならば、各鋼板60の幅方向の両端に位置する縁の全長にわたる部分が山形鋼52のフランジ5202に溶接Y21により接合され、また、隣り合う鋼板40の長さ方向の端部の縁の全長にわたる部分が裏当金をなす平鋼上とフランジ5202上において溶接Y22により接合される(溶接工程)。
このような第3の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
なお、第1の仮止め工程を先に行い、その後、第2の仮止め工程を行なってもよいが、本実施の形態では第2の仮止め工程を先に行なうと、仮止め作業の効率を高める上で有利となる。
なお、第1、第2の実施の形態において仮止め金具として、形鋼の一つである山形鋼を用いた場合について説明したが、仮止め金具に用いる形鋼は、山形鋼に限定されず、溝形鋼などであってもよく、補強する構造に応じて形鋼の種類が適宜選択される。
第1の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の正面図である。 第1の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の断面平面図である。 裏当金をなす平鋼24部分の断面図である。 第2の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の正面図である。 第2の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の断面平面図である。 第3の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の正面図である。 第3の実施の形態の補強鋼材で補強された柱箇所の断面平面図である。 エレクションピースの説明図で(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図である。
符号の説明
12A、12B、12C……既存鋼構造部材、20、40、60……鋼板、22、42……山形鋼(仮止め金具)、62……エレクションピース(仮止め金具)。

Claims (5)

  1. 既存鋼構造物を構成している既存鋼構造部材に複数枚の補強用の鋼板を取り付けて補強する工法であって、
    互いに連結された第1の板部と第2の板部とを有する仮止め金具を複数用意し、
    前記各仮止め金具の前記第1の板部を、既存鋼構造物を構成している既存鋼構造部材に合わせ、ドリルねじまたは打ち込み鋲により取り付けて前記複数の仮止め金具を前記既存鋼構造部材に仮止めする第1の仮止め工程と、
    前記補強用の鋼板の複数箇所と前記各仮止め金具の前記第2の板部とを合わせ、ドリルねじまたは打ち込み鋲により取り付けて前記補強用の鋼板と前記仮止め金具とを仮止めする第2の仮止め工程と、
    前記第1、第2の仮止め工程により前記既存鋼構造部材に仮止めされた複数枚の補強用の鋼板を、溶接により前記仮止め金具を介して前記既存鋼構造部材に接合する溶接工程と、
    を備えることを特徴とする鋼構造物の補強工法。
  2. 前記既存鋼構造部材は開断面形状を呈しており、前記補強用の鋼板により補強することで前記既存鋼構造部材を閉断面形状とする、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物の補強工法。
  3. 前記仮止め金具は山形鋼で構成され、前記第1の板部と前記第2の板部は、前記山形鋼の2つのフランジプレートでそれぞれ構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物の補強工法。
  4. 前記補強用の鋼板は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅および長さを有し、
    前記鋼板の幅方向の両側のうちの一方の側部で前記鋼板の長手方向の両側に、位置決め用の第1のボルト挿通孔と、前記第1のボルト挿通孔よりも大きい輪郭の第2のボルト挿通孔が予め形成され、
    前記第1、第2のボルト挿通孔に合致する前記仮止め金具の前記第2の板部の箇所に第3のボルト挿通孔が予め形成され、
    前記第1の仮止め工程の次に前記第2の仮止め工程が行なわれ、
    前記第1の仮止め工程では、
    2つの前記仮止め金具の各前記第2の板部が前記補強用の鋼板の幅方向の両側で前記補強用の鋼板の長さ方向の全長にわたって延在するようそれら仮止め金具の各前記第1の板部が既存鋼構造部材に仮止めされ、
    前記第2の仮止め工程では、
    前記補強用の鋼板の幅方向の両側で長さ方向の全長にわたる部分と前記各仮止め金具の前記第2の板部とが合わせられ、
    前記補強用の鋼板の幅方向の両側で長さ方向の全長にわたる部分と前記各仮止め金具の前記第2の板部とを合わせた際に、まず、前記第1、第3のボルト挿通孔および前記第2、第3のボルト挿通孔に挿通されたボルトと、このボルトに螺合するナットにより、前記鋼板の幅方向の両側のうちの一方の側部が位置決められて前記各仮止め金具の前記第2の板部に仮止めされ、
    次に、前記鋼板の幅方向の両側のうちの他方の側部がドリルねじまたは打ち込み鋲を用いて前記各仮止め金具の前記第2の板部に仮止めされる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物の補強工法。
  5. 前記補強用の鋼板は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅および長さを有し、
    前記補強用の鋼板の長手方向の端部に裏当金が予め取り付けられ、
    前記第2の仮止め工程において、前記既存鋼構造部材上において前記複数枚の補強用の鋼板はその長さ方向の両端を突き合わせて配設され、
    前記溶接工程において、互いに隣り合う前記補強用の鋼板の長手方向の端部は、前記裏当金上において溶接により接合される、
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼構造物の補強工法。
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