JP4925656B2 - インクジェット印刷物 - Google Patents

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Description

この発明は、インク組成物に関し、詳しくは印刷用インクとして特にインクジェット用インク組成物に適用されるインク組成物に関する。
一般に、インクを用いた印刷技術の一つであるフレキソ印刷は、弾性物質からなる凸版に水性インクまたはUVインクをつけ、被印刷体に直接に印刷する方法であり、平滑性の悪い段ボールなどやフィルム、布、不織布等にも印刷できるため、広く採用されている。
このようなフレキソ印刷も近年のあらゆる商品の多品種小ロット生産の影響を受けて、小量ずつ多種類の印刷物を低価格で得る技術が求められている。
ところで小量で多種類の印刷に対応する印刷方法としては、インクジェット印刷が挙げられるが、インクジェット印刷による被印刷体は、フレキソ印刷に比べて耐摩擦性の点で印刷の質が劣る。
インクジェット印刷の印刷面の耐摩擦性を改善する技術としては、水、着色剤、バインダ樹脂および粒径0.05〜0.5μmの微粒子状ワックスを含有する水性ジェットインク組成物を調製し、印刷することにより指の爪による引掻抵抗などについて耐摩擦性のよいインク組成物が得られることが記載されている(特許文献1)。
また、耐摩擦性に優れた記録画像を得るために、顔料とポリオレフィンワックスを含むインク組成物を調製し、前記ポリオレフィンワックスは、被記録面への印刷により形成されるインク組成物の乾燥膜厚よりも大きな粒径のワックス粒子を採用することが記載されている(特許文献2)。
特表2000−517370号公報 特開2005−48108号公報
しかし、上記した従来のインク組成物では、段ボール紙のような茶色系の有色素材で比較的凹凸の多い紙面である印刷面に対して、このような被記録面では膜厚が3〜5μmという乾燥インク層の厚さを必要とするため、これに対応して粒径の大きなワックス粒子を採用しなければならず、一方、そのような大粒径のワックス粒子を配合するとインクジェットノズルは目詰まりを起こしやすくなるという問題点がある。
また、小粒径の0.05〜0.5μmの粒子状ワックスを含有する水性ジェットインク組成物を調製する方法では、微粒子状のワックスを樹脂と顔料と均一に混合して、そのまま安定した均一分散状態で乾燥させて印刷するため、厚膜の印刷層の形成はできるが、段ボールのような凹凸のある印刷面に対して耐摩擦性のある印刷面厚膜の塗膜で確実に紙面の色を隠蔽することは難しかった。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、耐摩擦性の優れたインク組成物であると共に、厚膜を形成できて確実に段ボールなどの有色面の色を隠蔽することが可能なインク組成物とすることであり、特にインクジェットノズルが目詰まりし難い耐摩擦性のインクジェット用インク組成物を得ることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、顔料、バインダ樹脂、粒子状ワックス、保湿剤および水を含有するインク組成物において、前記ワックスの粒径がインク組成物の被記録面に形成する乾燥インク層の厚さ未満の小粒径であり、かつその粒径(メディアン径)が0.58〜3μmであることを特徴とするインク組成物としたのである。なお、この発明でいう粒径は、レーザー回折散乱法で測定したメディアン径(50%粒子径とも称される。)をいう。
上記の構成成分からなるこの発明のインク組成物は、バインダ樹脂と所定粒径の粒子状ワックスとの親和性が低く、ワックスの表面張力がバインダ樹脂の表面張力より低いために、所定粒径の粒子状ワックスがインク組成物層の表面に浮上して固定化し、そのために膜厚が大きくても、表面に形成されるワックス成分の富化された層状部分によって耐摩擦性が改善されるものと考えられる。
ワックスの粒径は、0.58〜3μmという所定範囲であり、これによってインクジェットノズルで目詰まりを起こすことなく、インク層の表面に浮上して耐摩擦性を確実に発揮する。すなわち、上記所定範囲未満の小粒径では、インク層の表面に出にくく、所定粒径を越える大粒子径では、インクジェットノズルに目詰まりを起こす可能性が高くなる。耐摩擦性をより確実に奏するために、より好ましい粒径は0.6〜3μmである。
このようなインク組成物中の粒子状ワックスの含有量は、0.01〜3重量%という所定範囲内であることが好ましい。なぜなら、所定範囲未満の少量の配合では、所期した程度の耐摩擦性を充分確実に発揮させることができず、また所定範囲を越える多量の配合量になると、インクジェットノズルに目詰まりを起こす可能性が高くなるからである。
また、インク組成物に配合されている保湿剤によって、所定粒子径の粒子状ワックスをより表面に速やかに浮上させやすくなり、これによって印刷後に速やかに耐摩擦性が現れるものと考えられる。
この作用は、インク組成物の保湿剤の含有量が5〜50重量%である場合により速やかに奏することができ、特に速やかに耐摩擦性が現れ、しかも確実に耐摩擦性を奏するように好ましい保湿剤の配合割合としては10〜30重量%である。
また、このようなインク組成物で形成されるインク組成物の被記録面に形成する乾燥インク層の厚さは、好ましくは0.7〜10μm、より好ましくは1〜5μmである。0.7μm未満では、隠蔽性が不十分になり、10μmを超えるとインク使用量が多くなるので生産性が悪くなるからである。
さらにまた、インク組成物が、固形分量10〜40重量%のインク組成物であることが、段ボールなどの被記録面の素地面を確実に隠蔽して明瞭な印字画像を得るために好ましい。
顔料の粒径は、0.05〜3μmの所定数値範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmであり、0.2〜0.8μmがさらに好ましい。このような所定範囲未満の小粒径では、顔料の透明性が高まって隠蔽性が低下して好ましくなく、所定範囲を越える大粒径では、インクジェットノズルに詰まりを起こす可能性が高いからである。
このように調整されるインク組成物に適当な用途として、インクジェット用インク組成物であることが挙げられ、その場合に被記録面が、段ボールシートまたは板紙からなるインクジェット用インク組成物であることが好ましい。
また、この発明のインク組成物は、上記の段ボール等以外にも被記録面が、平滑度(JIS P 8119)5〜60秒の被記録面である場合にも確実に凹凸のある紙面の色を隠蔽することができるインク組成物になる。
この発明は、顔料、バインダ樹脂、粒子状ワックス、保湿剤および水を含有するインク組成物において、所定範囲の粒径のワックスを採用したので、厚膜に印刷して紙面の色を隠蔽しても確実に耐摩擦性を奏する印刷面を形成できるインク組成物になるという利点がある。また、段ボール面等に対してインクジェット印刷に適した耐摩擦性のインク組成物であるという利点もある。
この発明において使用できる顔料としては、通常のフレキソインキやインクジェットインクで使用されているものが利用可能であり、例えば、無機顔料、有機顔料、体質顔料を挙げることができる。具体的に無機顔料としては、酸化チタン、カドミウムイエロー、ベンガラ、アンチモンレッド、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。体質顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。また、有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、縮合多環顔料、フタロシアニン顔料などをあげることができる。これらの顔料の含有量は、通常1〜50重量%程度であり、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
この発明の好ましい態様によれば、顔料を表面改質処理し、分散剤なしに自発的に分散できる自己分散タイプの顔料または分散剤もしくは界面活性剤を併用することにより、顔料を水中に分散させる非自己分散タイプの顔料を用いることができる。非自己分散タイプの顔料を用いた場合の好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。
このような分散剤の好ましい例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体が挙げられる。
分散剤と併用される界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物など)、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類など)が挙げられる。
顔料は、分散剤及びその他に必要な添加物と共に、分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては周知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー、ビーズミル、アトライタ等が使用できる。
この発明に用いるバインダ樹脂は、一般的に用いられるインク、塗料、および記録剤などに使用される水溶性樹脂または水分散性樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を挙げることができる。このようなバインダ樹脂の具体例としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタンウレア樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シェラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチラールなどが挙げられ、2種以上を混合して用いることもできる。
この発明に用いるバインダ樹脂のインク組成物中の配合量は、1〜40重量%であることが適量の顔料およびワックスを分散させて配合し、それらの作用を充分に発揮させるために好ましく、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは8〜20重量%である。このような所定配合量未満の少量では、印刷によって形成された膜に耐摩擦性が充分に発揮されず、また所定配合量を超えて多量に配合されるとインク組成物の粘性が高くなってインクジェットノズルからの吐出が困難になって好ましくないからである。
そして、前記した顔料に対するバインダ樹脂の重量%比は、バインダ樹脂/顔料=0.3〜4、好ましくは0.6〜3の範囲が好ましい。0.3未満の場合は、耐摩擦性が劣り、4を超えるとインク組成物の粘性が高くなりすぎてインクジェットノズルからの吐出が困難になる場合があって好ましくないからである。
この発明におけるワックスは、天然ワックスまたは合成ワックスを使用することができ、それぞれ単独または複数を混合して用いることができる。前記天然ワックスの例としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。また前記合成ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、アマイドワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス等が挙げられる。
この発明のインク組成物に配合される保湿剤は、インクの乾燥を防いでインクジェットノズルでの目詰りを防止するために、常用の多価アルコールおよびそのエーテルまたは糖アルコールなどを単独または2種以上配合した保湿剤を挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1.2.6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また、アルキルエーテル化合物としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;
尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、糖アルコール等の糖類などが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
前述した保湿剤は、インク組成物中における配合量が、5〜50重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。
この発明のインク組成物中の固形分量は、10〜40重量%であることが好ましく、15〜35重量%がより好ましい。このように固形分量が所定量未満のインク組成物は、印刷面に充分な耐摩擦性、光沢性、隠蔽性がなく、所定量を超える固形分量では、インク組成物の粘性が高くなりすぎてインクジェットノズルからの吐出が困難になる場合があって好ましくないからである。
また、この発明のインク組成物は、最大泡圧法による10msにおける動的表面張力の値が、20〜50mN/mであることが好ましく、より好ましくは25〜40mN/mである。また、このような動的表面張力が所定範囲未満の小さな動的表面張力では、明瞭な印刷面が形成され難くて好ましくなく、所定範囲を超える大きな動的表面張力では、印刷面の乾燥速度が遅くて実用的な印刷スピードが得られないからである。
[顔料分散液の調製A]
赤色顔料(BASF社製:Sico Echtrot L3855)35gと、顔料分散剤(共栄社化学社製:WK-13E、固形分量40%)8.75g、界面活性剤(日信化学工業社製:オルフィンSK-14)1.41g、水54.84gおよびジルコニアビーズをボールミルに加えて24時間練肉した。
この顔料分散液に含まれる顔料の粒子径を後述の[粒子測定法(i)]で測定したところメディアン径(横軸が粒子径(μm)であり、縦軸が相対粒子量(積算%)の関係で示される粒度分布曲線において相対粒子量50%の横軸と交差するポイントの粒子径(50%径)である。)が0.47μmであった。
[顔料分散液の調製B]
黄色顔料(BASF社製:Sico Yellow FR1252)35gと、顔料分散剤(共栄社化学社製:WK-13E、固形分量40%)8.75g、界面活性剤(日信化学工業社製:オルフィンSK-14)0.94g、水55.31gおよびジルコニアビーズをボールミルに加えて24時間練肉した。
この顔料分散液に含まれる顔料の粒子径を後述の[粒子測定法(i)]で測定したところメディアン径0.49μmであった。
[実施例1]
[実施例1のインクジェット用インクの調製]
表1に示す配合割合でインクジェット用インクを調製した。すなわち、顔料分散液の調製Aの12g、保湿剤(グリセリン)8.4g、バインダ樹脂(ジョンソンポリマー社製:スチレン−アクリル系ポリマーエマルジョン PDX-7145、固形分50%)7.98g、界面活性剤(日信化学工業社製:オルフィンSK-14)0.05g、ワックス(三井化学社製:ポリエチレンワックス W4005、固形分量40%、メディアン径0.60μm)0.53gおよび水13.04gを加えて攪拌後、5μmのフィルターでろ過し、インクジェット用インクを得た。
(i)[粒径の測定]
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製:SALD-2100)を用いて屈折率が実数部1.60、虚数部が0.50の条件の下で粒径測定を行なった。測定値は、積算粒子量が50%となるメディアン径で表わした。
得られた実施例1に対して、以下の評価試験(i)〜(vii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
(ii)[乾燥インク着量]
インクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製:PX-V500)を用いてエプソンフォトマット紙を用い用紙設定「きれい」を選択してライナ(レンゴー社製:RKA220)に対して全面印刷を行なった。印刷後5日間、恒温室(23℃、50%RH)で調湿したライナの重量から、印刷前の調湿したライナの重量を引いた重量を印刷面積で除した値を乾燥インク着量とした。
(iii)[固形分量]
インク組成物中の固形分量は、180℃で1時間減圧乾燥した後の重量変化から求めた。
固形分量(%)=[乾燥後インク組成物重量(g)/乾燥前インク組成物重量(g)]×100
(iv)[乾燥インク層の厚さ]
恒温室で調湿したライナの印刷面の構成成分(乾燥インク着量構成成分)は、元のインク組成物から水を失った組成に近似することから、乾燥インク層の厚さを以下の計算式で求めた。
乾燥インク層の厚さ(μm)=乾燥インク着量(g/m)×
固形分量(%)÷乾燥インク着量構成成分(%)÷固形分の比重(g/cm
(但し、上記式中において、乾燥インク着量構成成分(%)は、インク組成(100%)−インク組成中の全水分(%)である。固形分の比重は、180℃で1時間減圧乾燥した後のインク組成物中の固形分の比重をJIS Z 8807に準拠して測定を行った。)
また、比較例5の乾燥インク着量構成成分(%)は、インク組成物を50℃で24時間乾燥後の値(35.6%)を使用した。
(v)[耐摩擦性(JIS P 8136による評価)]
ライナの印刷面に対して学振型耐摩擦試験機を用い、JIS P 8136に準拠して100往復させた時の耐摩擦評価を行なった。摩擦部に取付ける試験片は、未印刷のライナを用いた。評価基準は、以下の通りである。
○印:摩擦部に取り付けた試験片の一部に顔料が転移(摩擦部に取り付けた試験片と未印刷のライナとの色差が0以上5未満)
△印:摩擦部に取り付けた試験片に顔料が転移(摩擦部に取り付けた試験片と未印刷のライナとの色差が5以上10未満)
×印:摩擦部に取り付けた試験片に顔料がかなり転移(摩擦部に取り付けた試験片と未印刷のライナとの色差が10以上)
(vi) [平滑度(JIS P 8119による評価)]
ライナの印刷面をエアー式ベック平滑度試験機(日本T.M.C社製)を用い、JIS P 8119に準拠して平滑度の評価を行なった。ブランクの未印刷部のライナの未印刷部のライナの平滑度は25.6秒であった。
(vii) [光沢度(JIS P 8142による評価)]
ライナの抄紙方向の印刷面をデジタル変角光沢計(スガ試験機社製:UGV−5K)を用い、JIS P 8142に準拠して光沢度の評価を行なった。未印刷部のライナの光沢度は11%であった。
(viii) [色差]
乾燥インク着量を測定した後のライナの印刷面または学振型耐摩擦試験機の摩擦部に取り付けた試験片のL、a、b値をカラーテスター(スガ試験機社製:SC−3)で測定し、未印刷部のライナとの色差ΔE abをJIS Z 8730に準じて求めた。
Figure 0004925656
[実施例2]
実施例1において、使用するワックスのグレードを変え、ワックス(三井化学社製:ポリエチレンワックス W401、固形分量40%、メディアン径0.88μm)0.53gを使用したこと以外は全く同様にしてインクジェット用インクを製造した。
得られた実施例2に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例3]
実施例1において、使用するワックスのグレードを変え、ワックス(三井化学社製:ポリエチレンワックス W900、固形分量40%、メディアン径0.58μm)0.53gを使用したこと以外は全く同様にしてインクジェット用インクを製造した。
得られた実施例3に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例4]
実施例1において、使用するワックスのグレードを変えて、ワックス(三井化学社製:ポリエチレンワックス W950、固形分量40%、メディアン径0.75μm)0.53gを使用したこと以外は全く同様にして、インクジェット用インクを製造した。
得られた実施例4に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例5]
実施例1において、使用するワックスの種類と量および水の量を変えて、ワックス(シャムロックテクノロジー社製:PTFEワックス AQ-60、固形分量60%、メディアン径0.58μm)0.7gおよび水12.87gを使用したこと以外は全く同様にして、インクジェット用インクを得た。
得られた実施例5に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例6]
調製Bの顔料分散液12g、保湿剤(グリセリン)8.4g、バインダ樹脂(ジョンソンポリマー社製:スチレン−アクリル系ポリマーエマルジョン PDX-7145、固形分50%)7.98g、界面活性剤(日信化学工業社製:オルフィンSK-14)0.1g、ワックス(三井化学社製:ポリエチレンワックス W4005、固形分量40%、メディアン径0.60μm)0.53gおよび水12.99gを加えて攪拌後、5μmのフィルターでろ過し、インクジェット用インクを得た。
得られた実施例6に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例7]
実施例1において、使用するバインダ樹脂の量および水の量を変えて、バインダ樹脂12.6gおよび水8.42gを使用したこと以外は全く同様にして、インクジェット用インクを得た。
得られた実施例7に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例8]
実施例1において、評価試験(i)〜(vii)を行なう際に、インクジェットプリンタの設定にインクセイバー(メディア・ナビゲーション社製)のソフトウェアを組込み、50%のセービング率でインク使用量を減少させて印刷を行ない、その結果を表1中に併記した。
[実施例9]
実施例2において、評価試験(i)〜(vii)を行なう際に、インクジェットプリンタの設定にインクセイバー(メディア・ナビゲーション社製)のソフトウェアを組込み、50%のセービング率でインク使用量を減少させて印刷を行ない、その結果を表1中に併記した。
[比較例1]
実施例1において、ワックスを配合せずにバインダ樹脂の配合量を8.4gとしたこと、および水の配合量を13.15gに変更したこと以外は全く同様にしてインクジェット用インクを製造した。
得られた比較例1に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[比較例2]
実施例1において、バインダ樹脂を配合せずに水の配合量を21.02gに変更したこと以外は全く同様にしてインクジェット用インクを製造した。
得られた比較例2に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[比較例3]
実施例1において、使用するワックスの種類(粒径)と量および水の量を変えて、ワックス(ジョンソンポリマー社製:ジョンワックス26、固形分量25%、平均粒子径0.07μm(メディアン径の計測不能のためカタログ表記による))0.84gおよび水12.73gを使用したこと以外は全く同様にして、インクジェット用インクを製造した。
得られた比較例3に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[比較例4]
実施例5において、保湿剤(グリセリン)を配合せずに水の配合量を21.27gに変更したこと以外は全く同様にしてインクジェット用インクを製造した。
得られた比較例4に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[比較例5]
市販A社のインクジェット用インク(ワックスを含まず、固形分濃度も低い)を用いて前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
[比較例6]
実施例1において、使用するバインダ樹脂の量と水の量を変えて、バインダ樹脂4.2gおよび水16.82gを使用したこと以外は全く同様にして、インクジェット用インクを製造した。
得られた比較例6に対して、前記した評価試験(i)〜(viii)を行ない、その結果を表1中に併記した。
以上の実施例と比較例の試験結果をまとめて示した表1からも明らかなように、所定粒径以下の微粒子状のワックスを配合した比較例3では、耐摩擦性の試験結果が思わしくなかったが、所定粒径(メディアン径0.58〜0.88μm)の粒子状ワックスを配合した実施例1〜9では所期した良好な耐摩擦性が得られていることがわかる。

Claims (4)

  1. 顔料、バインダ樹脂、粒子状ワックス、保湿剤および水を含有するインク組成物で被記録面にインクジェット印刷した印刷物において、
    前記インク組成物の保湿剤の含有量が、5〜30重量%であり、前記ワックスの粒径が前記被記録面に形成する厚さ0.7〜10μmの乾燥インク層の厚さ未満の小粒径であり、かつその粒径(メディアン径)が0.58〜3μmであり、前記乾燥インク層は粒子状ワックスが浮上して固定化されたワックス成分の富化された層状部分を表面に有する乾燥インク層であることを特徴とするインクジェット印刷物。
  2. インク組成物の粒子状ワックスの含有量が、0.01〜3重量%である請求項1に記載のインクジェット印刷物。
  3. 被記録面が、段ボールシートまたは板紙である請求項1または2に記載のインクジェット印刷物。
  4. 被記録面が、平滑度(JIS P 8119)5〜60秒の被記録面である請求項に記載のインクジェット印刷物。
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