JP4925123B2 - 異形断面材の製造方法及びその装置 - Google Patents
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そして、このような異形断面材を製造する方法として、表面に所望形状の溝部や凸条部を設けた溝付きロールや凸条付きロールを用い、ロール成形する方法が各種提案されている。
従来のロール成形法で異形断面条を製造するとき、厚肉部と薄肉部との間に、それぞれの傾斜角度が大きく異なる段差部が形成され易い。各厚肉部は、溝付きロールや凸条付きロールの凹部深さに一致せず、それぞれに板厚が異なったものとなっていた。
そして、所定形状の溝や凸部が形成されたプロフィールのロールを用いて金属板材をロール成形することにより、ロールプロフィールに対応する断面形状に成形した異形断面板材を得た後、所定幅条にスリットされ、ベアリングリテ−ナやリードフレーム等の各種用途に供されている。
しかしながら、昨今の各部材の強度アップによる軽量化要求から、ベアリングリテーナ用異形断面材の高強度化が望まれている。素材そのものの高強度化はコストに大きく跳ね返るため、異形断面材の形状の変更により高強度化を図っている。
例えば、図2に示すように、両端部にフランジを有し、板厚方向の両面に凹部及び凸部が形成されて断面をM字型に成形したものが提案されている。両端部のフランジにより高強度化を図ったものである。
そこで、4方向ロール圧延を行うこととした。しかし、フラットな金属板からダイレクトに4方向ロール圧延を行うと、長手方向に材料が延ばされるため、両端のフランジ部に材料が入り難くなる。そのため、フランジの成形が十分に行えない。
上側の水平ロールと左右の垂直ロールとの間にフランジ形成用の空隙を設けておくことが好ましい。
また、略V字溝を有する左右のサイドロールにより第一予備成形を行う際、前記略V字溝を形成する壁を形作る上方切込み角を下方切込み角よりも鋭くしたサイドロールを用いることが好ましい。
上側の水平ロールと左右の垂直ロールとの間にフランジ形成用の空隙が設けられた4方向ロール圧延機を配することが好ましい。
また、第一予備成形機を構成する左右のサイドロールとして、略V字溝を形成する壁を形作る上方切込み角を下方切込み角よりも鋭くしたロールを配していることが好ましい。
その結果、4方向ロール圧延機により、圧延する前に素材板を、前記空隙に入り易い形状に予め予備成形しておくことが有効であることを見出した。すなわち、平坦な素材板の両端をフランジ形成空隙に入れ易くするために予めフランジの伸びる方向に予め湾曲させておくことが有効であることを見出した。
以下、そのように予め湾曲させる方法について説明する。
まず、図4に示すように、平坦な素材板に、略V字溝を有するサイドロールを用い、板幅方向の圧下によりC反りを付与する第一の予備成形を行う。この際、前記略V字溝を形成する壁を形作る上方切込み角(図4中θ1)を下方切込み角(図4中θ2)よりも小さく、すなわち上下非対称な溝形状としたサイドロールを用いることにより、材料の反り方向が切込み角の小さい方に優先的に端部を湾曲(この場合は上側)させた下に凸のC反り形状を付与することができる。
具体的には、図5に示すように、両端に凸部を設けた上ロールで素材板の両端を拘束しつつ、中央部に上部平坦部を有する凸部を設けた下ロールにより、前記C反りを付与された板の中央を上方に湾曲させる。いわゆる断面W字状になるように成形する。この際、下ロールの中央部に設けられた凸部は上部平坦部が設けられているため、素材板に対して二点接触となる。したがって、一点接触に比べて板幅方向のずれや傾きが抑制される。
第二の予備成形が終わった素材板は、その中央部が一旦湾曲されても予備成形機を通過した後にはスプリングバックを起こして湾曲の度合いが低下するが、端部のC反りは第一予備成形時よりも大きくなって全体的には両端側にのみ湾曲部が存在するうねった断面形状いわゆるW型の断面形状となる。
この際、4方向ロール圧延機を構成する上側の水平ロールの端部と同じく左右の垂直ロールとの間にフランジ形成用の空隙を設けておくと、この空隙部に前記素材板の両端に付与された湾曲部が入り込み易くなって、素材板の両端にフランジが容易に形作られる。
すなわち、図7に示すような、噛み出しの発生がなく、所望のフランジが形成された寸法精度の優れた異形断面材を得ることができる。
なお、添付の図では中央部に凹凸を形成した異形断面材を紹介しているが、本発明は、両端にフランジを有しているものであればよく、中央部の形状が凹凸形状になっているものに限定されるものではない。
すなわち、略V字溝を有する左右のサイドロールを備えた第一予備成形機と、両端に凸部を設けた上ロールと前記凸部間の間隔よりも狭い幅の上部平坦部を有する凸部を中央に設けた下ロールを備えた第二予備成形機と、所定の断面形状に応じたプロフィールとした上下一対の水平ロールと平滑な左右一対の垂直ロールとを隣接配置した4方向ロール圧延機を直列配置していれば足りる。
また、寸法精度の優れたフランジ形成を形成するためには、4方向ロール圧延機を構成する上側の水平ロールと左右の垂直ロールとの間にフランジ形成用の空隙が設けられて入ることが好ましい。
また、異形断面材の形状精度、寸法精度をより向上させるためには、断面矯正ロールスタンド6や端部フランジ矯正サイドロールスタンド7、キャンバー矯正ロールスタンド8を付設することが好ましい。なお、図8中、9はガイドロールである。
比較例
まず、図4で示す第一の予備成形を施してC反りを付与した鋼板をそのまま図6に示す4方向ロール圧延に供した。この際、図4で示す略V字溝を構成する壁面切込み角θ1を2°、θ2を25°とした。そして、サイドロールによる圧下力の調整により、図10で定義されるC反り量を種々変更した予備成形板を作製した。
このように、所望のフランジ高さを得るには、予備成形の段階のC反り付与量の調整が重要になることがわかった。ちなみに、上記サイズの異形断面材を製造するには、適正なC反り量は2.2〜3.0mmであった。しかし、詳細は後記の実施例に記載するが、適正と思われる上記2.2〜3.0mmなるC反り量を付与していても、連続して安定的なフランジ高さを得ることができない。
上記のように、所望のフランジ高さを得るには予備成形の段階のC反り付与量の調整が重要になることを確認した上で、前記第一予備成形の後に、図5で示す第二の予備成形を行った。この際、上ロールとして、高さ2mm、間隔24mmで凸部を両端に形成したロールを用い、C反り付与鋼板の両端を拘束しつつ、下ロールにより鋼板の板幅方向中央を上方に押圧した。
第二予備成形を終わった後の鋼板断面形状は、図11のように、両端側にのみ湾曲部が存在する形状になっている。うねり量を図11で示されるように定義するとき、当該うねり量を2.4mmとした2段階予備成形鋼板を、図6に示すように4方向ロール圧延した。
その結果を図12に示す。なお、図12には、上記比較例で検討した、反り量2.2mmのC反り付与鋼板を第二の予備成形を行うことなく直接4方向ロール圧延した試験材の結果も併せて示している。
その結果からも明らかなように、第一予備成形の後第二予備成形を行った後に、4方向ロール圧延を行ったものは、連続して安定的なフランジ高さが得られている。
これに対して、単にC反りを付与した後にそのまま直接4方向ロール圧延すると、次第にフランジ高さが不安定になっていくことがわかる。
Claims (6)
- 平坦な素材板を、略V字溝を有する左右のサイドロールによりエッジ部がフランジを立てる方向に向くようにC反りを付与する第一予備成形と、両端に凸部を設けた上ロールと前記凸部間の間隔よりも狭い幅の上部平坦部を有する凸部を中央に設けた下ロールにより、前記C反りを付与された板の中央を上方に湾曲させる第二予備成形を行った後、所定の断面形状に応じたプロフィールとした上下一対の水平ロールと平滑な左右一対の垂直ロールとを隣接配置した4方向ロール圧延機を通して、両端部にフランジを有する異形断面材を製造することを特徴とする異形断面材の製造方法。
- 上側の水平ロールと左右の垂直ロールとの間にフランジ形成用の空隙を設けておく請求項1に記載の異形断面材の製造方法。
- 略V字溝を有する左右のサイドロールにより第一予備成形を行う際、前記略V字溝を形成する壁を形作る上方切込み角を下方切込み角よりも鋭くしたサイドロールを用いる請求項1又は2に記載の異形断面材の製造方法。
- 略V字溝を有する左右のサイドロールを備えた第一予備成形機と、両端に凸部を設けた上ロールと前記凸部間の間隔よりも狭い幅の上部平坦部を有する凸部を中央に設けた下ロールを備えた第二予備成形機と、所定の断面形状に応じたプロフィールとした上下一対の水平ロールと平滑な左右一対の垂直ロールとを隣接配置した4方向ロール圧延機を直列配置していることを特徴とする異形断面材の製造装置。
- 上側の水平ロールと左右の垂直ロールとの間にフランジ形成用の空隙が設けられた4方向ロール圧延機を配している請求項4に記載の異形断面材の製造装置。
- 第一予備成形機を構成する左右のサイドロールとして、略V字溝を形成する壁を形作る上方切込み角を下方切込み角よりも鋭くしたロールを配している請求項4又は5に記載の異形断面材の製造装置。
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