JP2020189325A - ハット形鋼矢板の圧延方法及び粗圧延機 - Google Patents
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Abstract
Description
仕上圧延機についても同様に、1個〜3個程度の孔型が上下で一つのロール組に刻設されており、これらの孔型での圧延が順次行われる。図4は、ハット形鋼矢板用の上下ロールの模式であり、この例では、K2孔型で最終的な厚み圧下が行われ、K1孔型で継手部の曲げ成形が行われ製品断面形状となる。
なお、中間圧延及び仕上圧延では、各孔型での圧延のパス数は、1パスが基本であり、同一孔型で圧延するパス数は、多い場合でも2,3パス程度である。
ハット形鋼矢板の粗造形圧延に関する技術として、例えば、特許文献1には、素材の断面形状を矩形断面形状と略ハット形断面形状との間の中間形状に造形する第1予備成形孔型を備えることを特徴とする、ハット形鋼矢板の圧延設備が開示されている。
また、特許文献2に記載されたハット形鋼矢板(非対称ハット型断面材)の製造方法は、左右非対称な継手形状の形成に起因して発生する継手部の曲がりを防止する圧延技術であり、粗造形における反りを防止する技術ではない。
本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、粗造形圧延における材料の反りを防止し、粗造形圧延を安定させることができる、ハット形鋼矢板の圧延方法及び粗圧延機を提供するものである。
(圧延設備)
図面を参照して、本発明の一実施形態に係るハット形鋼矢板の圧延方法について説明する。本実施形態におけるハット形鋼矢板の圧延は、図6に示す圧延設備2で行われるものであり、素材である矩形スラブを、複数の圧延機で圧延することで、図1に示すハット形鋼矢板1を製造するものである。つまり、ハット形鋼矢板1は、上述のように、ウェブ11と、一対のフランジ12と、一対の腕部13と、一対の継手部14とからなるハット形の断面形状を有する鋼矢板である。また、ハット形鋼矢板1の代表寸法としては、ウェブ11の厚み(板厚)であるウェブ厚tw0、フランジ12の厚み(板厚)であるフランジ厚tf0、腕部の厚み(板厚)である腕部厚ta0がある。矩形スラブは、長手方向に直交する断面が矩形となる鋳片である。圧延設備2は、図6に示すように、加熱炉3と、粗圧延機4と、中間圧延機5と、仕上圧延機6とを備える。
粗圧延機4は、加熱炉3で加熱された矩形スラブを、長手方向に直交する断面が略ハット形の粗形鋼片へと粗造形するものであり、第1粗圧延機41と、第2粗圧延機42とを有する。
Box孔型71は、矩形スラブである素材の幅圧下をする孔型であり、上ロール411と下ロール412とのロール隙の形状が、圧延方向からみて略方形状となる。
tfi/twi≒tf0/tw0 ・・・(1)
tai/twi≒ta0/tw0 ・・・(2)
K8孔型73は、K9孔型72で圧延された素材を圧延する孔型である。また、K7孔型74は、K8孔型72で圧延された素材を圧延する孔型である。K8孔型73及びK7孔型74は、ロール隙の形状が、圧延方向からみてハット形であり、各部位のロール隙がK9孔型72のものから徐々に小さくなるように設定される。また、K8孔型73は、製品形状と同様に、第1距離tw8よりも、第3距離ta8が小さくなるように設定される。ここで、第1距離tw8に対して第3距離ta8をどの程度小さくするかは、製品形状に応じて設定されるものであり、(2)式を満たすように設定されることが好ましいが、継手部等の造形を考慮して数%程度の調整が行われてもよい。なお、通常の製品形状では、第1距離tw8に対する第3距離ta8の比は0.98未満となり、K9孔型72よりもK8孔型73の方が小さいものとなる。また、第1距離tw8、第2距離tf8及び第3距離ta8は、(1)式及び(2)式を満たすように設定されることが好ましい。なお、K7孔型74についても、K8孔型73と同様に、第1距離tw7、第2距離tf7及び第3距離ta7が設定されることが好ましい。さらに、粗圧延で最後に用いられるK7孔型74のロール隙の形状は、最終製品の形状・寸法に応じた所定の粗形鋼片の形状と同じとなる。K7孔型74は、図2に示す、従来の粗圧延機4aでのK7孔型と同じ形状となる。つまり、粗圧延機4で圧延された素材の断面形状は、粗圧延機4aで圧延されたものと同じ形状となる。
仕上圧延機6は、中間圧延機5で圧延された素材を圧延するものであり、2個の孔型が刻設された、一つのロール組を有する。つまり、仕上圧延機6は、2個の孔型を有するものであり、これらの孔型をK2孔型〜K1孔型と称する。なお、仕上圧延機6は、図2に示す従来の仕上圧延機6aと同じものである。
本実施形態に係るハット形鋼矢板1の圧延方法では、まず、加熱炉3にて、素材である矩形スラブを所定の温度まで加熱する(加熱工程)。
加熱工程の後、矩形スラブを加熱炉3から抽出し、粗圧延機4で粗圧延を行う(粗圧延工程)。
粗圧延工程では、はじめに、第1粗圧延機41のBox孔型71で矩形スラブを圧延することで、矩形スラブの幅圧下を行う(幅圧下工程)。Box孔型71での圧延は、矩形スラブの幅が所定のものとなるまで、複数パス行われてもよい。
第1粗圧延工程の曲げ成形では、上ロール41と下ロール42とのロール間隔を調整し、ロール隙のウェブの距離を、素材の厚みよりも大きくした条件で圧延を行うことで、素材が曲げ成形される。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
また、スラブの幅圧下の必要がないようであれば、粗圧延機4には、Box孔型71が設けられなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、粗圧延機4が第1粗圧延機41と第2粗圧延機42との2つのロール組を有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、Box孔型71及びK9孔型72、K8孔型73及びK7孔型74が、1つのロール組に刻設可能であるならば、粗圧延機4は1つのロール組を有するものとしてもよい。また、K7孔型74は、粗圧延機4ではなく中間圧延機5に設けられるようにしてもよい。
(1)本発明の一態様に係るハット形鋼矢板1の圧延方法は、矩形スラブを素材として、粗圧延工程、中間圧延工程及び仕上圧延工程を経ることで、ウェブ11と、フランジ12と、腕部13と、継手部14と、を有する、断面形状がハット形のハット形鋼矢板1を圧延製造する際に、粗圧延工程は、矩形スラブである素材を第1孔型(K9孔型72)で圧延する第1粗圧延工程と、第1圧延工程の後、素材を第2孔型(K8孔型73)で圧延する第2粗圧延工程と、を有し、第1粗圧延工程では、素材の断面がハット形となるように曲げ成形し、ウェブの板厚と腕部の板厚とが略同一となる圧延条件で素材を延伸させ、第2粗圧延工程では、腕部の板厚よりもウェブの板厚が大きい圧延条件で、素材を延伸させる、ハット形鋼矢板の圧延方法。
上記(2)の構成によれば、第2粗圧延工程において、圧延前の素材の材料長さを十分に長くすることができ、腕部の圧下量をウェブよりも大きくした状態でも、次パスでの圧延において問題とならない程度に、上反りの発生を抑制することができる。
上記(3)の構成によれば、第1粗圧延工程において、上反りの発生を抑制しつつ、素材のウェブ厚と腕部厚とを調整することができる。
上記(4)の構成によれば、上記(1)と同様な効果を得ることができる。
比較例2では、実施例と同様に、幅圧下工程までを行った後、K9孔型で6パスの圧延を行い、素材のウェブ厚を120mm、腕部厚を113mmに減厚した。次いで、K8孔型で6パスの圧延を行い、素材のウェブ厚を40mm、腕部厚を37.6mmに減厚した。さらに、K7孔型で2パスの圧延を行い、素材のウェブ厚を27mm、腕部厚25.4mmに減厚した。
これに対し、比較例2の2本目の圧延では、K7孔型の最終パスまでの圧延に成功したが、比較例2の1本目及び3本目の圧延では、K9孔型で厚み圧下を開始する4パス目に反り量が180mm〜200mmとなる非常に大きな上反りが発生し、次のパスの圧延ができなかった。
なお、本実施例では、ハット形鋼矢板1のサイズとして高さが300mm、製品ウェブ厚が13.2mmとなる25Hについて示したが、他のサイズのハット形鋼矢板(10H:高さ230mm、製品ウェブ厚10.8mm、及び50H:高さ370mm、製品ウェブ厚17mm)でも同様の効果を確認している。
11 ウェブ
12 フランジ
13 腕部
14 継手部
2 圧延設備
3 加熱炉
4 粗圧延機
41 第1粗圧延機
42 第2粗圧延機
411,421 上ロール
412,422 下ロール
5 中間圧延機
6 仕上圧延機
71 Box孔型
72 K9孔型
73 K8孔型
74 K7孔型
721 ウェブ相当部
722 フランジ相当部
723 腕部相当部
Claims (4)
- 矩形スラブを素材として、粗圧延工程、中間圧延工程及び仕上圧延工程を経ることで、ウェブと、フランジと、腕部と、継手部と、を有する、断面形状がハット形のハット形鋼矢板を圧延製造する際に、
前記粗圧延工程は、矩形スラブである素材を第1孔型で圧延する第1粗圧延工程と、第1圧延工程の後、前記素材を第2孔型で圧延する第2粗圧延工程と、を有し、
前記第1粗圧延工程では、前記素材の断面がハット形となるように曲げ成形し、前記ウェブの板厚と前記腕部の板厚とが略同一となる圧延条件で前記素材を延伸させ、
前記第2粗圧延工程では、前記腕部の板厚よりも前記ウェブの板厚が大きい圧延条件で、前記素材を延伸させる、ハット形鋼矢板の圧延方法。 - 前記第1粗圧延工程では、前記素材の前記ウェブの板厚に対する、前記素材の圧延方向の長さである材料長さの比が40以上となるまで、前記素材を延伸させる、請求項1に記載のハット形鋼矢板の圧延方法。
- 前記第1粗圧延工程では、前記ウェブの板厚に対する前記腕部の板厚の比が、0.98以上1.02以下となる条件で、前記素材を圧延する、請求項1または2に記載のハット形鋼矢板の圧延方法。
- 矩形スラブを素材として、粗圧延、中間圧延及び仕上圧延を行うことで、ウェブと、フランジと、腕部と、継手部と、を有する、断面形状がハット形のハット形鋼矢板を圧延製造する圧延設備において、前記粗圧延を行う粗圧延機であって、
前記素材を圧延する第1孔型と、
前記第1孔型で圧延された前記素材を圧延する第2孔型と、
を備え、
前記第1孔型は、矩形スラブである素材の断面がハット形となるように曲げ成形可能で、前記ウェブのロール隙と前記腕部のロール隙とが略同一であり、
前記第2孔型は、前記腕部のロール隙よりも前記ウェブのロール隙が大きい、粗圧延機。
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