JP4924456B2 - パン生地及びパン類 - Google Patents

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Description

本発明は、パン生地及びパン類に関し、詳しくはソフトで口溶けの良い食感のパン類及び当該パン類を得るためのパン生地に関する。
パン類は、小麦粉、イースト、食塩及び水を主原料として必要により糖類、乳製品、卵製品、バター、マーガリン、ショートニング、食用油脂及びその他の副原料を添加し、混合した生地を発酵させ、焼成して製造されており、粉としては主に小麦粉を用いて製造されている。また、小麦粉と小麦粉以外のライ麦粉、全粒粉及び他種穀物粉も使用される場合がある。
パン類の中でも食パン、菓子パン等がよく知られており、ソフトで口溶けの良い食感が求められている。
一般的にショートニングやマーガリン等の油脂製品の添加量を多くすると、パン生地中の油脂分が高くなり、ソフトで口溶けの良い食感になることが知られている(非特許文献1)。ただし添加量が多く成り過ぎるとグルテン組織に悪影響を及ぼし、焼成品のボリュームが減少し、食感も硬くパサついた傾向になる。
パン類をソフトにする他の方法としてはパン生地に水中油型乳化物を配合することが提案されている。特許文献1では、パン用練り込みに適した水中油型乳化油脂組成物として、食用油脂と脂肪酸モノグリセリドとを含有する油相を、有機酸モノグリセリド、PH調整剤、ショ糖脂肪酸エステル及び糖アルコールを含有する乳化剤相に添加して乳化し、次いでこれにα−アミラーゼ、糖アルコール及びデンプンを含有する水相を添加して混合し、急冷捏和して得られ、食用油脂25〜55重量%、脂肪酸モノグリセリド1〜5重量%、有機酸モノグリセリド1〜5重量%、PH調整剤0.05〜0.5重量%、ショ糖脂肪酸エステル0.5〜5重量%、糖アルコール20〜35重量%及びα−アミラーゼ0.001〜0.005重量%を含有することを特徴とする水中油型乳化油脂組成物が提案されている。又、特許文献2では、これも水中油型乳化物であって、乳化組成物の総重量に基づき、HLB値9以上のショ糖脂肪酸エステル1〜10重量%及びグリセリン脂肪酸エステル0.1〜5重量%を含む水相部乳化剤、ならびに水30〜78.8重量%を含む水相部と、植物液体油、動物油、植物固体脂、乳脂、硬化油、分別油、エステル交換油及びこれらの組合せよりなる群から選択される、15℃以上の融点を有する少なくとも1種の油脂20〜60重量%、ならびに少なくとも1種の油相部乳化剤0.1〜5重量%を含む油相部より形成される乳化組成物であって、前記水相部が連続相をなすことを特徴とする乳化組成物が提案されている。しかしながらこれらの提案では得られたパン類はソフトさと口溶けの点でまだ不十分であった。
著者 吉野精一 パン作りの疑問に答える パン「こつ」の科学 発行所 株式会社 柴田書店 初版発行 1993年7月10日 p35 特開平08−173033号公報 特開平11−225670号公報
本発明の目的は、ボリュームが高くソフトな食感で更に口溶けの優れたパン類及び当該パン類を得るためのパン生地を提供する事にある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、油脂製品と水中油型乳化物を併用することで、グルテン組織に悪影響を与えることなくパン生地中の油脂分を高くすることが可能となり、ボリュームが高くソフトな食感で更に口溶けの優れたパン類が得られという知見に基づき本発明を完成させた。
即ち本発明の第1は、油脂を含むパン生地において、パン生地中の油脂分が6.0〜14.0重量%であって、油脂製品由来の油脂分と油脂分40〜60重量%の水中油型乳化物由来の油脂分の両方を含み、当該パン生地の総油脂分中に水中油型乳化物由来の油脂分が30〜70重量%であり、当該水中油型乳化物の油相のSFCが10℃で50%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下であることを特徴とするパン生地である。第2は、油脂製品が食用油脂、ショートニング、マーガリン及びバターから選択される1種以上である、第1記載のパン生地である。第3は、小麦粉及びライ麦粉、コーンミール、コーンスターチの小麦粉以外の穀物粉から選択される1種以上、イースト、水並びに油脂製品及び油脂分40〜60重量%の水中油型乳化物(当該水中油型乳化物の油相のSFCが10℃で50%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下である)を主要原料として、油脂製品及び当該水中油型乳化物を併用するものであってパン生地中の油脂分を6.0〜14.0重量%及びパン生地の総油脂分中に水中油型乳化物由来の油脂分が30〜70重量%に調整するパン生地の製造法である。第4は、第1又は第2に記載のパン生地を焼成してなるパン類である。
ボリュームが高くソフトな食感で更に口溶けの優れたパン類及び当該パン類を得るためのパン生地を提供する事が可能になった。
本発明のパン生地は油脂を含むパン生地であって、パン生地中の油脂分が4.0〜15.0重量%であって油脂製品由来の油脂分と油脂分20〜60重量%の水中油型乳化物由来の油脂分を含む必要がある。
本発明のパン生地の基本配合は、小麦粉及び小麦粉以外の穀物粉から選択される1種以上、イースト、水並びに油脂製品及び水中油型乳化物を主要原料とし、油脂製品としては、食用油脂、ショートニング、マーガリン及びバターから選択される1種以上が例示できる。
そして、食用油脂、ショートニング及びマーガリンに使用する油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂が例示できる。
本発明のパン生地の製造法としては、パン生地の製造法で広く実施されている、ストレート製法、中種製法、液種製法、野生酵母を使用する製法等が例示でき、これらに限定されるものではない。
ストレート製法ではオールインミックス法と2段ミキシング法があって、オールインミックス法では原料全部を投入して混合する。2段ミキシング法では小麦粉、イースト、水中油型乳化物及び水を混合し7割程度混合をしたあとに、油脂製品を投入して再び混合して生地を仕上げる。
中種製法では原材料の一部で(小麦粉、イースト、水、必要に応じてイーストフード、卵、砂糖)種を作り、これを発酵させる。発酵終了後、残りの原材料を加え生地をつくる製法である。
液種製法ではイーストの全部または一部、砂糖の一部、食塩の全部または一部、イーストフード、モルトの全部または一部で液種を作り、一定時間後、残りの原料と共に生地を仕込む製法である。
野生酵母を使用する製法ではスターターとして、小麦粉、ライ麦、果実等を使用し、種継ぎすることでパン種をつくる方法である。
そして、小麦粉及び小麦粉以外の穀物粉から選択される1種以上、イースト、水並びに油脂製品及び水中油型乳化物の添加、混合条件も特に限定されるものではないが、予め小麦粉及び小麦粉以外の穀物粉から選択される1種以上の穀物粉と水中油型乳化物を混合するのが好ましい。グルテンを形成した後に水中油型乳化物を混ぜると水和が不十分でべたついた生地となり製パン性も悪くなる。ここでいう製パン性とはパン生地調製の際の作業性、機械耐性、そして焼成後のパン類のボリューム、食感をいう。
本発明のパン生地としては、生地中の油脂分が4.0〜15.0重量%であり、油脂製品由来の油脂分と油脂分20〜60重量%の水中油型乳化物由来の油脂分を含むものであるが、具体的にはコッペパン生地、バターロール生地、食パン生地、菓子パン生地が例示でき、菓子パンとしてはあんぱん、ジャムパン、メロンパン、クリームパン、チョコレートパン、レーズンパン、蒸しパン、揚げパン、コロネが挙げられる。
好ましくは生地中の油脂分が6.0〜14.0重量%であり、更に好ましくは7.0〜14.0重量%である。生地中の油脂分が少ないと焼成後のパン類の焼成後の食感の口溶けが悪くなる。多すぎるとパン生地のグルテン形成が阻害されボリュームに欠けたパン類になり、食感も悪化する。
本発明の水中油型乳化物は油脂、蛋白質及び水を主要原料にして油脂分20〜60重量%であり、好ましくは油脂分が30〜60重量%であり、更に好ましくは40〜60重量%である。水中油型乳化物の油脂分が少ないパン生地の油脂分を上げるために使用する水中油型乳化物の添加量が多くなるため、生地の水和が不十分になり作業性、機械耐性、焼成後のパン類のボリュームが悪化する。多すぎると水中油型乳化物の粘度が高くなり、グルテン形成を阻害し、ボリュームに欠けたパン類になり食感も悪化する。
本発明のパン生地としては、生地中の油脂分が4.0〜15.0重量%であり、油脂製品由来の油脂分と油脂分20〜60重量%の水中油型乳化物由来の油脂分を含むものであるが、生地中の総油脂分中に水中油型乳化物由来の油脂分が30〜70重量%が好ましい。
本発明の水中油型乳化物に使用する油脂は動植物性油脂及びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物或いはこれらのものに種々の化学処理又は物理処理を施し得ることができる。かかる油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂が例示でき、融点15〜40℃、更に25〜38℃が好ましい。
本発明の水中油型乳化物は油脂、蛋白及び水を主要原料として得るのであるが、油相のSFCが10℃で50%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下であるのが好ましいく、より好ましくはSFCが10℃で55%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下であり、更に好ましくは、SFCが10℃で60%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下であり、一般的に縦型油脂と呼ばれている。
油相のSFCが10℃で50%未満、20℃で35%未満の場合、焼成後のパン類の食感がねちゃついた傾向になる。30℃で5%を超える場合はパン類の口溶けが悪くなる。
本発明の蛋白質は、その乳化特性によって水中油型乳化物を安定な乳化物にすることが出来る。蛋白質としては、牛乳、脱脂乳、加糖練乳、無糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バターミルクパウダー、ホエー、ホエーパウダー、カゼイン、カゼインナトリウム、ラクトアルブミン、生クリーム等乳由来の蛋白質が例示でき、乳以外の蛋白質として卵蛋白質、大豆蛋白質も例示できる。卵蛋白質としては、液状あるいは乾燥された卵黄、卵白、全卵及びこれらより分離される単一(単純)蛋白質、例えばオボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド、オボグロブリン等がある。大豆蛋白質としては、豆乳、脱脂大豆粉、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、脱脂豆乳粉末、大豆蛋白加水分解物等がある。
本発明の水中油型乳化物については、各種の乳化剤を使用するのが好ましく、レシチン、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を単独又は2種以上混合使用することが望ましい。
本発明の水中油型乳化物については、各種の塩類を使用するのが好ましく、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸塩、重曹等を単独又は2種以上混合使用することが望ましい。その他所望により香料、着色剤、保存料等を使用することが出来る。
本発明の水中油型乳化物の製造法は、一般的なクリーム類を製造する要領で行うことができる。予備乳化、殺菌又は滅菌、均質化、冷却という製造法であるが、殺菌又は滅菌に前後して均質化処理若しくは攪拌処理することができ、均質化は前均質、後均質のどちらか一方でも、両者を組み合わせた二段均質でもどちらでも良い。
本発明のパン類は上記で得たパン生地を焼成して得ることが出来る。具体的には焼成は、例えばオーブン、電子レンジ等を用いて行うことが出来る。オーブンの場合通常100〜250℃で5〜60分の範囲にあり、より170〜230℃の範囲が好ましい。焼成温度が低すぎると焼きあがるまでに時間を要し、食感が硬くなってしまう。逆に焼成温度が高すぎると表面にムラができ外観が悪くなる。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
油相のSFC値
SFC値は、IUPAC.2 150 SOLID CONTENT DETERMINATION IN FATS BY NMRに準じて測定した。
パン類の評価
焼き上がったパン類は室温にて30分放置し、荒熱をとったあと、ポリエチレン袋に包装し、20℃で24時間保存し、その後、物理的評価としてボリュームと硬さを、官能評価として口溶けを評価した。
1.ボリューム
3Dレーザースキャナー(アステックス社)にて測定した。
2.硬さ
パン類を4cm幅にカットし、インストロン4301型万能材料試験機(インスト ロン社)にて測定した。(圧縮測定速度30mm/min 30%圧縮時の荷重を測定)
3.官能評価(口溶け)
10人のパネラーがパンを喫食する事により評価した。口溶けの良さを10段階評 価し、評価の平均をとった。(数字が高いほど口溶け良好)
実験例1
水中油型乳化物Aの調製
精製パーム核油50部にレシチン0.2部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水49.5部に脱脂粉乳6部、ショ糖脂肪酸エステル0.1部、クエン酸ナトリウム0.2部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物Aを得た。水中油型乳化物Aの油相のSFCは10℃で70.9%、20℃で43.6%、30℃で0.4%であった。
実験例2
水中油型乳化物Bの調製
大豆パーム硬化油40部に精製ヤシ油10部、レシチン0.2部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水49.5部に脱脂粉乳6部、ショ糖脂肪酸エステル0.1部、クエン酸ナトリウム0.2部を溶解し水相を調製する。上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、145℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、100Kg/cm2 の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物Bを得た。水中油型乳化物Bの油相のSFCは10℃で72.4%、20℃で44.9%、30℃で12.9%であった。
実施例1(コッペパンの調製)
ストレート製法によるパン生地製造の常法に従い、コッペパンを製造した。
1.コッペパン生地配合割合は表1に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉100部、上白糖12部、食塩1.2部、脱脂粉乳2.5部、イーストフード0.1部、イースト4部、水60部に、水中油型乳化物Aを10部加え、縦型ミキサーで低速4分、中速4分、中高速2分ミキシング後、ショートニング(商品名、パンパスLB、不二製油株式会社製)5部を添加し、低速4分、中速3分、中高速1分ミキシングを行った。捏ね上げ温度は27℃になるように調製した。温度27℃、湿度75%の発酵室で60分1次発酵をとった後、75gに分割した。ベンチタイムを15分とった後、ドッグ状に成型し、天板に生地を並べ、温度38℃、湿度75%のホイロで2次発酵をとった。その後、上火220℃、下火190℃のオーブンで12分間焼成した。
焼き上がったコッペパンを室温にて30分放置し、荒熱をとったあと、ポリエチレン袋に包装し、20℃で24時間保存し、コッペパンを得た。上記評価法に従ってコッペパンを評価した。結果を表2に纏めた。
実施例2、3、4、比較例1、2
1.コッペパン生地配合割合は表1に示した。
2.製造条件は実施例1の製パン方法に従ってコッペパンを調製した。
実施例1と同様な方法で評価した。結果を表2に纏めた。
表1は実施例1〜4及び比較例1、2のコッペパン生地配合
Figure 0004924456
表2に実施例1〜4及び比較例1、2のコッペパンの評価結果を纏めた。
Figure 0004924456

実施例1〜4のようにショートニングと水中油型乳化物Aを併用使用した場合、生地中の総油脂分が4.0〜15.0重量%の範囲において、硬さを表す測定値が低く、官能評価においても、非常にソフトな食感であった。口溶けも非常に良好であった。
比較例1ではショートニングと水中油型乳化物Aを併用しても、生地中の総油脂分が4.0重量%未満の3.6重量%の場合は、コッペパンのボリュームは大きいが、硬さの測定値は実施例1〜4より高く、やや硬い食感であった。口溶けも悪く、実施例1〜4より劣ることが確認された。そして比較例2が示すように生地中の総油脂分が15.0重量%を超える15.4重量%の場合は、実施例1〜4と比較してコッペパンのボリュームがやや小さく、硬さの測定値も高かった。口溶けもやや悪く、実施例1〜4より劣ることが確認された。
比較例3〜7(ショートニングのみを使用したコッペパンの調製)
ストレート製法によるパン生地製造の常法に従い、コッペパンを調製した。
1.コッペパン生地配合割合は表3に示した。
2.製造条件
ショートニング以外の原材料を縦型ミキサーで低速4分、中速4分、中高速2分ミキシング後、ショートニング(商品名、パンパスLB、不二製油株式会社製)を添加し、低速4分、中速3分、中高速1分ミキシングを行った。以降の条件は実施例1の製パン方法に従ってコッペパンを調製した。
実施例1と同様な方法で評価した。結果を表4に纏めた。
表3は比較例3〜7のコッペパン生地配合
Figure 0004924456
表4に比較例3〜7のコッペパンの評価結果を纏めた。
Figure 0004924456

比較例3〜7の中では、口溶けは比較例4、5が良かった。ただし、実施例1〜4と比較すると明らかに劣った。ボリュームは比較例3〜7で傾向的に減少し、硬さの値も高くなることがわかった。生地中の総油脂分が6重量%以上に高くしたときのボリュームの減少幅は実施例より大幅に大きいことが示唆された。比較例6、7はボリュームが低く、硬さの値も高かった。それに伴って口溶けも悪くなることが確認された。
比較例8〜12(水中油型乳化物のみを使用したコッペパンの調製)
ストレート製法によるパン生地製造の常法に従い、コッペパンを調製した。
1.コッペパン生地配合割合は表5に示した。
2.製造条件
原材料を縦型ミキサーで低速4分、中速7分、中高速1分ミキシングを行った。以降の条件は実施例1の製パン方法に従ってコッペパンを調製した。
表5は比較例8〜12のコッペパン生地配合
Figure 0004924456
表6に比較例8〜12のコッペパンの評価結果を纏めた。
Figure 0004924456

比較例8〜12の中では、口溶けは比較例8、9が良かった。ただし、実施例1〜4と比較すると明らかに劣った。
ボリュームは比較例8〜12で傾向的に減少し、硬さの値も高くなることがわかった。生地中の総油脂分量が6.0重量%以上に上昇したときのボリュームの減少幅は実施例より大幅に大きいことが示唆された。それに伴って口溶けも悪くなることが確認された。総じてショートニングのみ使用した場合と同様の傾向がみられた。
実施例5(菓子パン生地の調製)
ストレート製法によるパン生地製造の常法に従い、菓子パンを製造した。
1.菓子パン生地割合は表7に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉100部、上白糖18部、食塩1部、脱脂粉乳2.5部、全卵10部、イーストフード0.1部、イースト5部、水51部に、水中油型乳化物Aを10部加え、縦型ミキサーで低速4分、中速5分、中高速2分ミキシング後、ショートニング(商品名、パンパスLB、不二製油株式会社製)5部を添加し、低速4分、中速3分、中高速1分ミキシングを行った。捏ね上げ温度は27℃になるように調製した。温度27℃、湿度75%の発酵室で60分1次発酵をとった後、75gに分割した。ベンチタイムを15分とった後、ドッグ状に成型し、天板に生地を並べ、温度38℃、湿度75%のホイロで2次発酵をとった。その後、上火205℃、下火185℃のオーブンで12分間焼成した。
焼き上がった菓子パンを室温にて30分放置し、荒熱をとったあと、ポリエチレン袋に包装し、20℃で24時間保存し、菓子パンを得た。上記評価法に従って菓子パンを評価した。結果を表8に纏めた。
実施例6、7、8、比較例13、14
1.菓子パン生地配合割合は表7に示した。
2.製造条件は実施例5の製パン方法に従って菓子パンを調製した。
実施例1と同様な方法で評価した。結果を表8に纏めた。
表7は実施例5〜8及び比較例13、14の菓子パン生地配合
Figure 0004924456
表8に実施例5〜8及び比較例13、14の菓子パンの評価結果を纏めた。
Figure 0004924456

実施例5〜8のように菓子パン生地において、ショートニングと水中油型乳化物Aを併用使用した場合、生地中の総油脂分が4.0〜15.0重量%の範囲において、硬さを表す測定値が低く、官能評価においても、非常にソフトな食感であった。口溶けも非常に良好であった。
比較例13ではショートニングと水中油型乳化物Aを併用しても、生地中の総油脂分が4.0重量%未満の3.7重量%の場合は、菓子パンのボリュームは大きいが、硬さの測定値は実施例5〜8より高く、やや硬い食感であった。口溶けも悪く、実施例5〜8より劣ることが確認された。そして比較例14が示すように生地中の総油脂分が15.0重量%を超える16.3重量%の場合は、実施例5〜8と比較して菓子パンのボリュームがやや小さく、硬さの測定値も高かった。口溶けもやや悪く、実施例5〜8より劣ることが確認された。総じて、コッペパンと同様の傾向が確認された。
実施例9(水中油型乳化物Bを使用したコッペパンの調製)
実施例3において、水中油型乳化物Aを水中油型乳化物Bに代えた以外は実施例3と同様な配合で、同様な処理を行い実施例9に基づくコッペパンを得た。実施例3と同様な方法で評価した。配合を表9に、結果を表10に纏めた。
実施例10(生クリーム を使用したコッペパンの調製)
実施例3において、水中油型乳化物Aを生クリーム(よつ葉乳業(株)社製、油分47%)に代えた以外は実施例3と同様な配合で、同様な処理を行い実施例10に基づくコッペパンを得た。実施例3と同様な方法で評価した。配合を表9に、結果を表10に纏めた。生クリームの油相のSFCは10℃で47.2%、20℃で17.5%、30℃で5.2%であった。
表9は実施例3、9、10のコッペパン生地配合
Figure 0004924456
表10に実施例3、9、10のコッペパンの評価結果を纏めた。
Figure 0004924456

実施例9のように水中油型乳化物Bを使用した場合、若干食感が重たく、実施例3には劣るものの、ソフトで口溶けの良い食感で体積もほぼ同等であった。
実施例10のように生クリームを練り込んだ場合も、実施例3には劣るものの、ソフトで口溶けの良い食感で体積もほぼ同等であった。
本発明は、パン生地及びパン類に関し、詳しくはソフトで口溶けの良い食感のパン類及び当該パン類を得るためのパン生地に関するものである。

Claims (4)

  1. 油脂を含むパン生地において、パン生地中の油脂分が6.0〜14.0重量%であって、油脂製品由来の油脂分と油脂分40〜60重量%の水中油型乳化物由来の油脂分の両方を含み、当該パン生地の総油脂分中に水中油型乳化物由来の油脂分が30〜70重量%であり、当該水中油型乳化物の油相のSFCが10℃で50%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下であることを特徴とするパン生地。
  2. 油脂製品が食用油脂、ショートニング、マーガリン及びバターから選択される1種以上である、請求項1記載のパン生地。
  3. 小麦粉及びライ麦粉、コーンミール、コーンスターチの小麦粉以外の穀物粉から選択される1種以上、イースト、水並びに油脂製品及び油脂分40〜60重量%の水中油型乳化物(当該水中油型乳化物の油相のSFCが10℃で50%以上、20℃で35%以上、30℃で5%以下である)を主要原料として、油脂製品及び当該水中油型乳化物を併用するものであってパン生地中の油脂分を6.0〜14.0重量%及びパン生地の総油脂分中に水中油型乳化物由来の油脂分が30〜70重量%に調整するパン生地の製造法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のパン生地を焼成してなるパン類。
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