JPH0728643B2 - 低温保存生地 - Google Patents

低温保存生地

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JPH0728643B2
JPH0728643B2 JP62331529A JP33152987A JPH0728643B2 JP H0728643 B2 JPH0728643 B2 JP H0728643B2 JP 62331529 A JP62331529 A JP 62331529A JP 33152987 A JP33152987 A JP 33152987A JP H0728643 B2 JPH0728643 B2 JP H0728643B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、製菓、製パン、製麺用の低温保存生地、詳し
くは、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを含む製菓、製
パン、製麺用の低温保存生地に関するものである。
〔従来の技術〕
飽食の時代と言われる昨今、消費者の多様なニーズに対
応するため、例えば製菓・製パン業界においては新製品
の開発やオーブンフレッシュ店の展開も行われている。
このようなオーブンフレッシュ店においては、通常冷凍
もしくは冷蔵された低温保存生地が使用されており、必
要に応じてその都度焼成され製品とされている。また最
近では冷蔵もしくは冷凍された生地が市販されて来てい
る。
低温保存生地の内、冷凍生地においては、その製造時、
特に凍結及び解凍時に、氷晶の成長や凍結変性によって
グルテンの三次元構造が破壊されてしまう。さらにイー
ストを配合した冷凍生地においては、凍結及び解凍時や
凍結保存中に凍結障害を受けたイーストから漏洩するグ
ルタチオン等の還元物質により、グルテンの軟化が起こ
る。
以上のようなグルテンの損傷により、冷凍生地は、焼成
時のヴェーパーアクションが弱く、製品のボリュームダ
ウンや腰折れなどの現象が起こることが知られている。
この問題を解決するため、例えば凍結耐性イーストの使
用、イーストの増量、イーストの凍結前醗酵の防止など
の方法や、グルテンを強化する目的で、吸水調整、酸化
剤の添加、乳化剤特にジアセチル酒石酸モノグリセリド
の添加が行われている。
また、冷蔵生地においても、グルテンの強化や冷蔵中の
老化防止のため、吸水調整、酸化剤の添加、ジアセチル
酒石酸モノグリセリドなどの乳化剤の添加が行われてい
る。
さらにまた、生麺、ゆでうどん、生中華麺などの小麦粉
麺の製造においても、老化を防止し、グルテンを強化
し、「しこしことした食感」を付与するために、ジアセ
チル酒石酸モノグリセリドなどの乳化剤を添加すること
が行われている。
従来、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを低温保存生地
に用いるには、一般に、ジアセチル酒石酸モノグリセリ
ド含有のマーガリン、ショートニング、クリームなどの
油脂組成物を調製し、これらの油脂組成物を用いて生地
を作成したり、またはジアセチル酒石酸モノグリセリド
粉末を直接生地に添加する方法が行われている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、ジアセチル酒石酸モノグリセリドは、生
地の低温保存期間が3〜6月の長期になると、経日的加
水分解が起こり、乳化剤としての機能が失われやすいと
の問題がある。さらに、生地解凍後のホイロ期間が長い
場合、ジアセチル酒石酸モノグリセリドは、ホイロ中に
一層加水分解が進みやすく、それに伴い製菓・製パン機
能が損なわれるとの問題もある。
従って、本発明の目的は、ジアセチル酒石酸モノグリセ
リドの改良効果が経日的に劣化することがなく、長期間
冷凍保存しても安定で、ソフトな製菓・製パン・製麺に
適した低温保存生地を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、前記目的を、油脂、水、ジアセチル酒石酸モ
ノグリセリド、塩基及び/又は塩を含有し、pHが2.0〜1
2.0である乳化油脂組成物を添加したことを特徴とする
低温保存生地を提供することにより達成したものであ
る。
また、本発明は、前記目的を、油脂、水、及びジアセチ
ル酒石酸モノグリセリドの塩を含有し、pHが2.0〜12.0
である乳化油脂組成物を添加したことを特徴とする低温
保存生地を提供することにより達成したものでもある。
以下、本発明の低温保存生地について詳述する。
本発明の低温保存生地とは、小麦粉、ライ麦粉などの殻
粉に、目的とする製品に応じて油脂、乳化物、糖類、乳
製品、卵、イースト、イーストフード、酸化剤、還元
剤、各種酵素類及び乳化剤などの副原料の全部又は一部
と水とを混合、混捏して生地を作成し、この生地をその
まままたは醗酵後、冷凍あるいは冷蔵されたものをい
い、これらを低温のままあるいは加温、場合によっては
醗酵後、蒸す、焼く、揚げる、煮るなどの加熱処理をす
ることによって、パン類(例えばホットケーキ、スポン
ジケーキ、ドーナツ、菓子パン、食パン、フランスパ
ン、ライ麦パン、ハードロール、デニッシュペストリー
など)、菓子類(例えばビスケット、クッキー、クラッ
カー、パイなど)及び麺類を得ることができるものであ
る。
本発明の低温保存生地には、上記の材料の他、低温保存
生地の製造に通常用いられる材料を全て用いることがで
きる。
本発明に用いられるジアセチル酒石酸モノグリセリド
は、ジアセチル酒石酸無水物とモノ及びジグリセリドを
酢酸の存在下で反応させるか、モノ及びジグリセリドを
酒石酸及び酢酸と無水酢酸の存在下でエステル化して得
ることができる。
低温保存生地に対するジアセチル酒石酸モノグリセリド
の含量は、低温保存生地中の小麦粉等の殻粉に対して0.
1〜1重量%使用され、乳化油脂組成物中に0.1〜30重量
%使用されることが好ましい。
又、本発明に用いられる塩基としては、アンモニア、水
酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化カリウム、及び水酸化ナ
トリウムからなる群から選択された一種又は二種以上の
塩基が挙げられる。
又、本発明に用いられる塩としては、無機酸及び/又は
有機酸の、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カ
リウム、アンモニウム、コリンの1種又は2種以上の塩
等が挙げられる。
上記無機酸としては、酢酸、炭酸、塩酸、リン酸、縮合
リン酸、硫酸等が挙げられる。
又、上記有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、乳
酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、シチジル酸、アジピ
ン酸、フマル酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン
酸、アルギン酸、繊維素グリコール酸、ホスファチジン
酸、グリセロリン酸、パントテン酸、デンプングリコー
ル酸、デンプンリン酸エステルポリアクリル酸、グルタ
ミン酸、グアニル酸、イノシン酸、リボヌクレオタイ
ド、アスパラギン酸、ウリジル酸等が挙げられる。
強酸と強塩基との塩、例えば食塩(塩化ナトリウム)、
硫酸ナトリウムにはpH調整作用がない為、本発明の塩か
らは除外される。
本発明に用いられる好ましい塩としては、酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウ
ム、アジピン酸アンモニウム、アジピン酸カルシウム、
アジピン酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニ
ウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三カル
シウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン
酸三アンモニウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナ
トリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、酸性
ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カルシウム、酒
石酸水素カリウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸カ
ルシウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、グ
ルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸
ナトリウム、乳酸アンモニウム、乳酸カルシウム、乳酸
カリウム、乳酸ナトリウム、dl−リンゴ酸カルシウム、
dl−リンゴ酸カリウム、dl−リンゴ酸ナトリウム、クエ
ン酸三アンモニウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエ
ン酸二水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウ
ム、酒石酸カリウムナトリウム、コハク酸一ナトリウ
ム、コハク酸二ナトリウム、グルタミン酸アンモニウ
ム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸カリウム、
グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、
グアニル酸カルシウム、グアニル酸ナトリウム、イノシ
ン酸カルシウム、イノシン酸ナトリウム、リボヌクレオ
タイドカルシウム、リボヌクレオタイドナトリウム、ア
スパラギン酸ナトリウム、ウリジル酸ナトリウム、アス
コルビン酸カリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アス
コルビン酸カルシウム、イソアスコルビン酸ナトリウ
ム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、
アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、パントテ
ン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等が挙げら
れ、これらの中でも、酢酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、リン
酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウ
ム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸二ナトリ
ウム、グルタミン酸ナトリウム、及びアスコルビン酸ナ
トリウムからなる群から選択された一種又は二種以上の
塩が特に好ましい。
これらの塩基及び/又は塩の、低温保存生地に加える乳
化油脂組成物に対する添加量は、使用するジアセチル酒
石酸モノグリセリドの酸価と添加量及び使用する塩、塩
基のアルカリ度によって異なるが、低温保存生地に加え
る乳化油脂組成物のpHが2.0〜12.0になる量である。
塩基及び/又は塩を含まない、油脂、水及びジアセチル
酒石酸モノグリセリドからなる乳化油脂組成物のpHは、
およそ1.3〜1.9の範囲にある。
本発明の低温保存生地に加えられる乳化油脂組成物のpH
が2.0未満及び12.0超であると、塩基及び/又は塩の添
加によるジアセチル酒石酸モノグリセリドの著しい加水
分解防止効果は認められない。少なくともpHを2.0〜12.
0の範囲に調整すればジアセチル酒石酸モノグリセリド
の安定性は大幅に向上する。さらに好ましくはpHを3.0
〜9.5の範囲に調整するのがよい。
本発明の低温保存生地に加えられる乳化油脂組成物の乳
化形態は、水中油型、油中水型のいずれでもよいが、一
般に、油脂及びジアセチル酒石酸モノグリセリドの他に
油溶性物質を加えた油相の比率が5〜85重量%の場合水
中油型乳化脂になり、油相の比率が70〜95重量%の場合
油中水型乳化脂になるが、併用する乳化剤の種類や量及
び乳化方法によって、油相比率範囲と乳化形態は変化す
る。
本発明に用いられる油脂としては、パーム油、大豆油、
なたね油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳
脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の天然油脂、及びこ
れらに水素添加、分別、エステル交換の一種なしいは二
種以上の処理を施した加工油脂からなる群から選択され
た一種又は二種以上の油脂が挙げられる。
本発明の低温保存生地に加えられる乳化油脂組成物に
は、必要に応じて、乳化剤、例えばモノ・ジグリセリ
ド、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、グリセリン又はポリグリセリン重合脂肪酸エステ
ル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン
酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、エトオキ
シモノグリセリド、ステアリル乳酸カルシウム、ステア
リル乳酸ナトリウム等や、牛乳、全脂粉乳、脱脂乳、脱
脂粉乳、ホエーパウダー、ラクトアルブミン、バターミ
ルクパウダー、カゼイン、酸カゼイン、ナトリウムカゼ
イン、醗酵乳、チーズなどの乳製品、血清アルブミン、
大豆蛋白、大豆蛋白ホエー、活性グルテンなどの蛋白
質、卵、卵黄、卵白及びそれらの粉末などの卵製品、デ
キストリン、デンプン、化工デンプン、ゼラチン、ガム
類などの粘度調整剤、ぶどう糖、果糖、異性化糖、転化
糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖等の糖類、ソルビットなどの糖
アルコール類、モルトシロップ、ステビオサイドなどの
甘味料、果実、果実ペースト、果汁、ピーナッツペース
ト、アーモンドペースト、カカオマス、ココアパウダ
ー、食塩、アミノ酸、核酸などの呈味剤、クエン酸、酢
酸、乳酸、アスコルビン酸などの酸味剤、α−アミラー
ゼ、プロテアーゼ、リポキシダーゼ、ラクターゼ、イン
ベルターゼ、ペントナーゼ、モルト、グルコースオキシ
ダーゼ、グルコアミラーゼ等の酵素剤、トコフェロー
ル、グリチルリチンなどの抗酸化剤、色素、調味料、香
辛料、香料などの水溶性物質もしくは水分散物質などを
適宜組み合わせて添加することができる。
さらに本発明に用いられる乳化油脂組成物は、必要に応
じて、製造後または製造中、空気、窒素、炭酸ガスなど
により、抱気させてもよい。
本発明に用いられる乳化油脂組成物の製造方法は特に限
定されないが、一例を次に示す。ジアセチル酒石酸モノ
グリセリドと必要に応じて油溶性物質を油脂に添加溶解
した油相5〜95重量%と、塩基及び/又は塩と必要に応
じて水溶性物質を水に添加溶解した水相95〜5重量%を
水中油型または油中水型に予備乳化する。予備乳化の程
度はとくに限定されないが、混合槽内で油相と水相を攪
拌する程度でもよいし、必要ならばホモミキサー、ホモ
ジナイザー、コロイドミルなどの乳化機を用いて均質に
乳化してもよい。
次いで、この予備乳化物を密閉連続式チューブ冷却機、
例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター、
あるいはクーリングドラム法、例えばコンプレクターな
どのマーガリン製造機やプレート型熱交換機によって冷
却し、乳化油脂組成物が得られる。
又、本発明の別の低温保存生地は、前述の乳化油脂組成
物におけるジアセチル酒石酸モノグリセリドの代わりに
ジアセチル酒石酸モノグリセリドの塩を用いた乳化油脂
組成物を添加したものである。このジアセチル酒石酸モ
ノグリセリドの塩としては、前述の乳化油脂組成物にお
いて添加した塩基及び/又は塩等によって塩の形にされ
たものが用いられ、例えば、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩
及びアルカリ土類金属塩からなる群から選択された一種
又は二種以上の塩が好ましい。このジアセチル酒石酸モ
ノグリセリドの塩を用いた乳化油脂組成物を添加した本
発明の低温保存生地においては、前述の乳化油脂組成物
における如く塩基及び/又は塩を添加する必要はない
が、この低温保存生地においても、使用する上記乳化油
脂組成物のpHが2.0〜12.0、好ましくは3.0〜9.5となる
ように上記ジアセチル酒石酸モノグリセリドの塩が使用
される。そのための上記ジアセチル酒石酸モノグリセリ
ドの塩の使用量は、一般に、乳化油脂組成物が添加され
る低温保存生地中の小麦粉などの澱粉に対して0.1〜1
重量%となり、且つ乳化油脂組成物に対して0.1〜30重
量%となる量であることが好ましい。
又、このジアセチル酒石酸モノグリセリドの塩を含有す
る乳化油脂組成物は、例えば、ジアセチル酒石酸モノグ
リセリドの塩と必要に応じて油溶性物質を油脂に添加溶
解した油相5〜95重量%と、必要に応じて水溶性物質を
水に添加溶解した水相95〜5重量%を予備乳化し、これ
以降は前述の本発明の低温保存生地に加えられる乳化油
脂組成物の製造の場合と同様に処理することによって得
られる。
また、ジアセチル酒石酸モノグリセリドとジアセチル酒
石酸モノグリセリドの塩を併用してもよい。
本発明の低温保存生地は、前記の乳化油脂組成物を用い
て、次のような低温保存生地の一般的な製法によって得
られる。
すなわち、まず小麦粉、砂糖、食塩、卵、乳製品、イー
スト、イーストフード、油脂、水など、及び必要に応じ
てコーヒー、ココアなどの呈味物質を配合した後、ミキ
サーで混捏し、生地を調整する。次いで生地を醗酵した
後、あるいは全く醗酵させずに必要な大きさに分割し、
目的によっては成形後、また目的によってはホイロ後、
急速凍結又は冷蔵して本発明の低温保存生地を得る。
また、デニッシュペストリー、クロワッサン、パイなど
のように、ロールイン用油脂を折り込むものにあって
は、設定したロールイン比率に基づいて生地中にロール
イン用油脂を折り込み、折り畳み工程を経て、板生地の
まま、もしくは成形後、急速凍結または冷蔵して本発明
の低温保存生地を得る。
本発明の低温保存生地は、必要時に低温のままあるいは
加熱後、場合によっては醗酵後、加熱処理されて製品と
される。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を比較例とともに挙げ、本発明を
さらに詳しく説明する。
実施例1〜4 下記第1表に示す配合でジアセチル酒石酸モノグリセリ
ド(酸価84)を食用パーム油に加え、60℃に加温して溶
解し油相を得た。
別に、無水炭酸ナトリウムを60℃の温水に溶解して水相
を得た。
水相を攪拌して油相を加え水中油型乳化脂を製造し、プ
レート式熱交換機によって15℃に冷却し、下記第1表に
示すpHの乳化油脂組成物を得た。
得られた乳化油脂組成物を用い、以下に示す配合と工程
でバターロール用冷凍生地を得た。
配合 強力粉 100重量部 上白糖 12 全卵(正味) 10 乳化油脂組成物 5 マーガリン 10 食塩 1.3 脱脂粉乳 2.5 イースト 4 イーストフード 0.1 水 44 工程 混捏:乳化油脂組成物とマーガリン以外の原料をミキサ
ーに投入し、低速2分、中速5分混捏後乳化油脂組成物
を加え、さらに低速2分、中速4分混捏した。
捏上温度:27℃ 醗酵:30分(28℃、湿度75%) 分割:45g/個 ベンチタイム:15分 成型 急速冷凍:−38℃、15分 冷凍保存:−20℃ 実施例5 下記第1表に示す配合でジアセチル酒石酸モノグリセリ
ドナトリウム塩を食用パーム油に加え、60℃に加温して
溶解し油相を得た。
60℃の温水を攪拌して油相を加え水中油型乳化脂を製造
し、プレート式熱交換機によって15℃に冷却し、下記第
1表に示すpHの乳化油脂組成物を得た。
得られた乳化油脂組成物を用い、実施例1〜4と同様の
配合と工程でバターロール用冷凍生地を得た。
比較例1〜2 下記第1表に示す配合に従って実施例1〜4と同様に下
記第1表に示すpHの乳化油脂組成物を製造し、これらの
乳化油脂組成物を用い、バターロール用冷凍生地を得
た。
ベーキングテスト1 上記の実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた冷凍生
地を−20℃で1、3、6、9、12月間凍結保存後、20℃
で解凍し、ホイロ(38℃、湿度80%)後、200℃のオー
ブンで10分間焼成しバターロールを得た。
荒熱のとれたバターロールをポリエチレンの袋に密封
し、25℃にて24時間放置後、比容積、硬さ、外観を評価
した。その結果を下記第2表に示す。
注 比容積:検体の容積を検体の重量で割ったもの
で、この値が大きいほどボリュームが優れている。
硬さ:直径2.5センチの円板で厚さ3センチにカッ
トした検体を40%圧縮するのに必要なグラム数。この値
が小さいほど検体がソフトで軟らかい。
外観:目視によりチェック 評価A:焼色均一、艶あり 評価B:焼色やや不均一、やや艶なし 評価C:焼色全く不均一、艶全くなし 実施例6〜8 下記第3表に示す配合でジアセチル酒石酸モノグリセリ
ド(酸価84)あるいはジアセチル酒石酸モノグリセリド
ナトリウム塩を食用パーム油に加え、60℃に加温して溶
解し油相を得た。
実施例6と7においては、別に無水酢酸ナトリウム及び
/又は水酸化ナトリウムを60℃の温水に溶解して水相を
得た。
60℃に保持した水相を攪拌して油相を加え水中油型乳化
脂を製造し、ホモミキサーで乳化処理を行った後、プレ
ート式熱交換機によって10℃に冷却し、下記第3表に示
すpHの乳化油脂組成物を得た。
得られた乳化油脂組成物を用い、以下に示す配合と工程
でクロワッサン用冷蔵生地を得た。
配合 強力粉 100重量部 上白糖 10 全卵(正味) 5 乳化油脂組成物 5 食塩 1.5 脱脂粉乳 3 イースト 6 イーストフード 0.1 水 60 ロールイン用フレッシュバター 50 工程 混捏:ロールイン用フレッシュバター以外の原料をミキ
サーに投入し、低速2分、中速4分混捏した。
捏上温度:20℃ フロアータイム:20℃、25分 生地冷却:−20℃のフリーザーに入れ、中心温度3℃ま
で冷却 ロールイン:3折3回(27層) 分割成形:40グラム 冷蔵保管:2±2℃ 比較例3〜4 下記第3表に示す配合に従って実施例6〜8と同様に下
記第3表に示すpHの乳化油脂組成物を製造し、これらの
乳化油脂組成物を用い、クロワッサン用冷蔵生地を得
た。
ベーキングテスト2 上記の実施例6〜8及び比較例3〜4で得られた冷蔵生
地を2±2℃で2、4、7、10、14月間冷蔵保存後、ホ
イロ(30℃、湿度75%)後220℃のオーブンで10分間焼
成しクロワッサンを得た。
荒熱のとれたクロワッサンをポリエチレンの袋に密封
し、25℃にて24時間放置後、前記ベーキングテスト1と
同様にして比容積、硬さ、外観を評価した。その結果を
下記第4表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の低温保存生地は、ジアセチル酒石酸モノグリセ
リドの改良効果が経日的に劣化することがないので、ソ
フトな製菓、製パン、製麺に適した低温保存生地を得る
ことができる。
また、本発明の低温保存生地は、ジアセチル酒石酸モノ
グリセリドの経日的変質もなく、冷凍保存しても6月以
上の安定性を有している。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂、水、ジアセチル酒石酸モノグリセリ
    ド、塩基及び/又は塩を含有し、pHが2.0〜12.0である
    乳化油脂組成物を添加したことを特徴とする低温保存生
    地。
  2. 【請求項2】pHが、3.0〜9.5である特許請求の範囲第
    (1)項記載の低温保存生地。
  3. 【請求項3】塩基が、アンモニア、水酸化カルシウム、
    酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウ
    ム、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムからなる群
    から選択された一種又は二種以上の塩基である特許請求
    の範囲第(1)項又は第(2)項記載の低温保存生地。
  4. 【請求項4】塩が、酢酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
    ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウ
    ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、リン
    酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウ
    ム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、クエ
    ン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸二ナトリ
    ウム、グルタミン酸ナトリウム、及びアスコルビン酸ナ
    トリウムからなる群から選択された一種又は二種以上の
    塩である特許請求の範囲第(1)項又は第(2)項記載
    の低温保存生地。
  5. 【請求項5】油脂、水、及びジアセチル酒石酸モノグリ
    セリドの塩を含有し、pHが2.0〜12.0である乳化油脂組
    成物を添加したことを特徴とする低温保存生地。
  6. 【請求項6】pHが、3.0〜9.5である特許請求の範囲第
    (5)項記載の低温保存生地。
  7. 【請求項7】ジアセチル酒石酸モノグリセリドの塩が、
    ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウ
    ム塩等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からな
    る群から選択された一種又は二種以上の塩である特許請
    求の範囲第(5)項又は第(6)項記載の低温保存生
    地。
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