JP4923927B2 - クランクシャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
0℃以上の温度でクランクシャフト形状に熱間鍛造する工程と、得られた鍛造物について、そのピン部および/またはジャーナル部の隅R部を800℃〜1000℃の温度範囲内で加工前の前記隅R部におけるR寸法をL 0 、加工後の前記隅R部におけるR寸法をL 1 とするとき、(L 0 −L 1 )/L 0 ×100(%)で求められる加工率の値を5〜50%で加工する工程と、得られた加工物を軟窒化処理または窒化処理する工程とを有することを要旨とする。
本製造方法において、熱間鍛造工程は、鋼を、1100℃以上の温度でクランクシャフト形状に熱間鍛造する工程である。
本製造方法において、加工工程は、(1)で得られた鍛造物について、そのピン部および/またはジャーナル部の隅R部を、800℃〜1000℃の温度範囲内で5〜50%の加工率で加工する工程である。
本工程は、(2)で得られた加工物を軟窒化処理または窒化処理する工程である。軟窒化処理方法、窒化処理方法としては、従来クランクシャフトの製造において行われている軟窒化処理方法、窒化処理方法であれば、何れの方法であっても適用することができる。
本製造方法は、上記(1)〜(3)の工程を必須工程として有するが、これら工程以外にも、必要に応じて、さらに、(3)の工程の後に、得られたクランクシャフトを研磨、研削などする機械加工工程を有していても良い。また、(3)の工程の後に、得られたクランクシャフトを曲げ矯正する工程を有していても良い。
鋼は、以下のような元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる。その添加元素の種類、成分範囲などは次の通りである。なお、以下にいう「%」は質量%の意味である。
Cは、鋼の強度向上に寄与する。その効果を得るなど観点から、C含有量は、0.3〜0.5%が好ましい。
Siは、疲労強度の向上に寄与し、鋼溶製時の脱酸剤としても機能する。その一方、過剰に添加すると、曲げ矯正性を悪化させる。このような観点から、Si含有量は、0.7%以下が好ましく、軟窒化および窒化処理の制御がしやすいなどの観点から、0.05〜0.5%がより好ましい。
Mnは、耐力を向上させるのに有効である。また、Sと結びいてMn系硫化物を生成し、被削性の向上に寄与する。その効果を得るなどの観点から、Mn含有量は、0.3〜1.5%が好ましい。
Sは、Mnと結びいてMn系硫化物を生成し、被削性の向上に寄与する。その効果を得るなどの観点から、S含有量は、0.01〜0.2%が好ましく、熱間鍛造時の割れなども抑制しやすいなどの観点から、0.01〜0.15%がより好ましい。
Cuは、耐力向上に有効な元素であり、強度向上に寄与する。その一方、過剰に添加すると、熱間加工性が低下する。このような観点から、Cu含有量は、0.5%以下が好ましく、疲労強度向上の観点から、0.1〜0.5%がより好ましい。
Niは、組織の微細化に有効な元素であり、強度向上に寄与する。その一方、過剰に添加すると、被削性が低下する。このような観点から、Ni含有量は、0.5%以下が好ましい。
Crは、強度と靱性を高め、疲労強度を向上させるのに有効である。その効果を得るなどの観点から、Cr含有量は、0.05〜0.3%が好ましく、軟窒化および窒化処理の制御がしやすいなどの観点から、0.06〜0.25%がより好ましい。
Moは、強度向上に有効な元素である。その一方、過剰に添加すると、被削性が低下する。このような観点から、Mo含有量は、0.25%以下が好ましい。
Tiは、微細な酸化物を形成し、Mn系硫化物生成の核として働く。その一方、過剰に添加すると、Ti系炭硫化物を生成し、被削性が悪化する。このような観点から、Ti含有量は、0.1%以下が好ましい。
Vは、耐力向上に有効な元素である。その一方、過剰に添加すると、窒化層を硬くし、曲げ矯正性を悪化させる。このような観点から、V含有量は、0.2%以下が好ましい。
Nbは、耐力向上に有効な元素である。その一方、過剰に添加すると、窒化層を硬くし、曲げ矯正性を悪化させる。このような観点から、Nb含有量は、0.1%以下が好ましい。
Caは、被削性向上に有効な元素である。その一方、過剰に添加すると、CaSを生成し、被削性を悪化させる。このような観点から、Ca含有量は、0.005%以下が好ましい。
(実施例1〜9)
先ず、表1に示す鋼(1)の組成となるように原料を配合し、電気炉により鋼塊を溶製し、この鋼塊から直径100mm、長さ400mmの丸棒鋼を作製した。
熱間鍛造後、表2に示すように、ピン部およびジャーナル部の温度を本願で規定される温度範囲内に調温したが、隅R部については全く加工しなかった以外は、実施例のクランクシャフトの製造と同様にして、比較例1に係るクランクシャフトを得た。
表2に示すように、ピン部および/またはジャーナル部の温度を、本願で規定される上限温度を上回る温度に調温した以外は、実施例のクランクシャフトの製造と同様にして、比較例2に係るクランクシャフトを得た。
表2に示すように、ピン部および/またはジャーナル部の温度を、本願で規定される下限温度を下回る温度に調温した以外は、実施例のクランクシャフトの製造と同様にして、比較例3に係るクランクシャフトを得た。
熱間鍛造後の鍛造物を30℃となるまで放冷し、その後、表2に示す条件にて、ピン部およびジャーナル部の隅R部を冷間加工した以外は、実施例のクランクシャフトの製造と同様にして、比較例4に係るクランクシャフトを得た。
熱間鍛造後、表2に示すように、ピン部およびジャーナル部の調温、隅R部の加工を全く行わなかった以外は、実施例のクランクシャフトの製造と同様にして、比較例5に係るクランクシャフトを得た。
次に、得られた各クランクシャフトについて曲げ矯正試験、曲げ疲労試験を行い、各クランクシャフトの製造方法による特性の違いを相対比較した。
曲げ矯正試験は、次のように行った。すなわち、得られた各クランクシャフトの両端部を支点間距離400mmにて支えながら、中央ジャーナル部に集中荷重を加えることにより、3点曲げ試験を行った。この試験において、中央ジャーナル部に亀裂が発生するまで荷重を加え、亀裂発生までの最大ひずみ量をそのクランクシャフトの曲げ矯正性とした。
曲げ疲労試験は、次のように行った。すなわち、得られた各クランクシャフトに負荷する最大負荷荷重を種々変えて曲げ疲労試験を行い、107回にて破壊を生じない最大負荷荷重を疲労強度とした。
上記試験結果を、ピン部・ジャーナル部の加工条件とももにまとめたものを表2に示す。
12 アーム部
14 ジャーナル部
16 ピン部
18 隅R部(ピン部)
20 隅R部(ジャーナル部)
Claims (4)
- 鋼を、1100℃以上の温度でクランクシャフト形状に熱間鍛造する工程と、
得られた鍛造物について、そのピン部および/またはジャーナル部の隅R部を800℃〜1000℃の温度範囲内で加工前の前記隅R部におけるR寸法をL 0 、加工後の前記隅R部におけるR寸法をL 1 とするとき、(L 0 −L 1 )/L 0 ×100(%)で求められる加工率の値を5〜50%で加工する工程と、
得られた加工物を軟窒化処理または窒化処理する工程と、
を有することを特徴とするクランクシャフトの製造方法。 - 前記鍛造物のうち、ピン部および/またはジャーナル部を選択的に800℃〜1000
℃の温度範囲とし、前記加工を行うことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフト
の製造方法。 - 前記鋼は、質量%で、
C :0.3〜0.5%、
Si:0.7%以下、
Mn:0.3〜1.5%、
S :0.01〜0.2%、
Cu:0.5%以下、
Ni:0.5%以下、および、
Cr:0.05〜0.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のクランクシャフトの製造方法。 - 前記鋼は、質量%で、
Mo:0.25%以下、
Ti:0.1%以下、
V :0.2%以下、
Nb:0.1%以下、および、
Ca:0.005%以下
から選択される1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の
クランクシャフトの製造方法。
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