請求項1に記載の発明は、商品を常温で商品毎に予め特定された商品収納コラムに前後方向に収納する商品収納室と前記商品収納室の下側で商品を冷却または加温する保温室とに自動販売機本体内を断熱区画する断熱仕切板と、前記商品収納室の前方または後方に上下方向に亘って形成された空間部を移動して前記商品収納室内の商品を前記保温室へ搬送する商品搬送手段と、前記保温室内の商品を商品取出口へ排出する排出搬送手段と、前記保温室内の複数種類の商品を商品毎に予め特定された番地格納部に格納し商品を前方位置に運ぶように前後方向に回転するゴンドララックと、利用者が購入する商品を選択する時に操作する選択ボタンとを備え、利用者が前記選択ボタンを操作すると、前記ゴンドララックにより前記選択ボタンに対応する商品の番地格納部に格納した商品が前記ゴンドララックの前方まで移動されて前記排出搬送手段に受け渡され、前記商品搬送手段が前記選択ボタンに対応する商品を前記商品収納コラムから受け取り、前記ゴンドララックが前記商品搬送手段により前記保温室へ搬送された商品を前記選択ボタンに対応する商品の番地格納部に格納するものである。そして、上記構成において、商品収納室と冷却または加熱する保温室とを断熱仕切板によって断熱するので、保温室内の冷却または加熱効率を高めることができ、消費電力量を低減することができる。また保温室内の加熱空気漏れによって収納室内へ対流するのを抑制できるので、収納室内の商品の品質劣化を低減することができる。また、商品搬送手段が商品収納室の前方または後方に上下方向に亘って形成された空間部を移動して商品収納室内の商品を保温室へ搬送するので、商品収納室と保温室との連通空間を低減することができ、保温室による収納室内への熱影響を遮断することができる。また、排出搬送手段によって保温室内の商品を商品取出口まで運ぶので、商品取出口を自動販売機のほぼ横幅方向の広さに大きく形成する必要がなく、コンパクトな商品取出口とすることができ、塵埃等による汚れを低減し、清掃性を高めることができる。また、利用者が選択ボタンを操作すると、保温室内のゴンドララックにより選択ボタンに対応する商品の番地格納部に格納した商品がゴンドララックの前方まで移動されて排出搬送手段に受け渡され、商品搬送手段が選択ボタンに対応する商品を商品収納コラムから受け取り、ゴンドララックが商品搬送手段により保温室へ搬送された商品を選択ボタンに対応する商品の番地格納部に格納するので、自動販売機内の商品収納室と保温室の自動在庫管理を
行うことができるので、保温室内での滞在日数管理ができ、加温劣化防止のため、商品の売行き等によって、自動的に加温を中断し劣化防止を図ることができるので商品の鮮度を自動管理できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、商品収納室と空間部の下方に保温室が形成されて、前記商品収納室の奥行き寸法よりも前記保温室の奥行き寸法の方が大きいのである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、商品収納室と保温室では商品が横倒し姿勢であり、ゴンドララックは縦回転し、商品収納コラムは後方を下方に傾斜させており、商品搬送手段が移動する空間部は前記商品収納室の後方に形成され、断熱仕切板は商品収納コラムとほぼ平行になるように傾斜しているのである。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、ゴンドララックは商品を立ち姿勢状態で横回転するものであり、番地格納部内での商品安定性を高め、ゴンドララック内で冷却または加温時に商品自身を回転させても、商品を安定した状態で動作させることができる。また立ち姿勢のまま排出搬送手段によって商品取出口へ運ぶことも可能であり、利用者への排出動作が意匠的に見栄えがよく、商品を取出し易い。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、商品収納コラムは後方を下方に傾斜させており、商品搬送手段が移動する空間部は前記商品収納室の後方に形成され、断熱仕切板は略水平方向に配置されるものであり、排出搬送手段を自動販売機本体内の前方側で、商品収納室と保温室の間に備えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、ゴン
ドララック内で商品自身が回転撹拌しながら冷却または加温されるものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1を示す自動販売機の正面図である。図2は、実施の形態1の自動販売機本体正面図である。図3は図2の縦断面概略図である。
図において、自動販売機本体20内には複数の商品収納室21が区画構成されて種々の商品22がそれぞれ収納されている。自動販売機本体20の前面開口部には外扉23が配置されている。外扉23の上部に商品サンプル展示室24、その下方に商品の広告などを掲示する広告パネル室25と金銭投入部26が横並びに備えられ、外扉23の下部には選択された商品22を排出する商品取出口27が備えられている。
次に自動販売機本体20内の構造について説明する。
自動販売機本体20内には1つの商品収納室21が構成され、商品収納室21内には前後方向に商品を収納する商品収納コラム28が前後複数列、左右複数行に構成され、商品収納コラム28の後方を下方に傾斜させて、商品が横倒し状態で収納されるように形成されている。
商品収納室21の下部には保温室29が断熱区画して形成されており、上部の商品収納室21との間に断熱仕切板30が配置し上下を区画している。商品収納室21と保温室29を区画する断熱仕切板30は傾斜配置し、商品収納コラム28とほぼ平行になるように傾斜している。また、保温室29の側壁、背壁、底壁も断熱仕切板30で区画形成されている。また保温室29内を左右に仕切る断熱区画壁31が形成されて、保温室29内は実施例の場合、3つの保温室に区画され、第1の冷却室29a、第2の冷却室29b、第1の加温室29cのように区画されている。この場合、第1の冷却室29aと第2の冷却室29bの間は断熱しない仕切板でもよい。
第1の冷却室29a内には冷却システムの蒸発器32a、第2の冷却室29b内には別の冷却システムの蒸発器32bが配置され、第1の加温室29c内には誘導加熱によって加温するIH加温ユニット33が備えられている。
また、商品収納室21と保温室29は、商品収納室21の後方に形成した空間部34a内を移動する商品搬送手段34bによって接続されており、各々の商品収納コラム28からそれぞれ特定された保温室29内の空間へ商品が搬送される構成となっている。また保温室29の前方には排出搬送手段35が形成されており、適温に保温された商品を商品取出口27へ排出する。
そして保温室29の下部には冷却システムを構成する圧縮機36、室外熱交換器37があり、蒸発器32a、32bと接続されていて、またこれらを駆動する電装ボックスなどが配置されている。
以上のように構成された自動販売機の動作について説明する。
自動販売機本体20内の商品は商品収納室21の商品収納コラム28内に横倒し姿勢で収納されている。商品収納室21の領域は常温で保たれており、保温室29とを仕切る断熱仕切板30によって保温室29内の熱影響を受けないように構成されている。特に加温による商品への影響を抑えることで、商品収納室21内の商品劣化を抑えて、自動販売機内の商品収納室21内に長期間ストックされていても品質を維持できる。
また、商品収納室21は商品を常温で収納するので、商品収納室21と自動販売機本体20の間には断熱壁を設ける必要がなく、商品収納室21の奥行き、横幅、上部をワイドに広げることができ、商品の収納効率をアップすることができる。
ただし、自動販売機は屋外設置もあり、夏場の高外気にさらされるので、断熱壁を設けて外気による商品劣化を抑える構造にしてもよい。
そして、商品収納コラム28内の最後尾の商品から順番に商品搬送手段34bによって保温室29内に収納される。商品は横倒し姿勢の状態のまま保温室29内の各商品収納コラム28に対応する位置があらかじめ特定されており、第1の冷却室29a、第2の冷却室29b、第1の加温室29cなどに振り分けられて冷却または加温される。また保温室29内では商品はそれぞれ横倒し状態で収納されているので商品収納室21から保温室29への商品搬送を簡便に行うことができる。
そして保温室29内では商品を冷却システムにより商品を回転させながら急速冷却し、加温はIH加温ユニット33により急速加温することで、商品を常温から急速に適温になるように制御することで、販売機機会を逃すことなく利用者へ提供することができる。
特に上記の加温動作は、利用者が選択ボタンを操作することに連動して行えば、商品の加温劣化をさらに防止することができ、品質を高めることができる。
また冷却システムや加温システムは上記のようにユニットとして据置きタイプの場合以外に、カセット式に着脱自在なシステムでもよく、保温室29の保温パターンを自由に配置換えできる構造にすれば、仕向け地によって自由設定ができ、販売機機会をさらに増やすことができる。
そして適温に保温された商品は排出搬送手段35によって商品取出口27へ導かれる。従って排出搬送手段35によって保温室29から商品が排出されると、商品があった空間に同じ商品が商品収納室21から商品搬送手段34によって搬送される。
したがって選択ボタン37に対して商品収納コラム28と保温室29内の保温位置(番地)39があらかじめ設定されており、利用者が好みの選択ボタン37を操作することによって、保温室29の保温位置(番地)39から選択された商品が特定されて排出され、その特定商品と同じ商品を収納する商品収納コラムが特定されて、商品搬送手段34によって選択されて、保温室29の保温位置(番地)39に保温収納されるので、自動販売機内の商品収納室21と保温室29の自動在庫管理を行うことができ、商品の鮮度を自動管理でき、貯蔵ゾーンと保温ゾーンを断熱区画しているので、消費電力量を低減することができる。
また保温室29内での商品姿勢を立ち姿勢にして保温運転、保温維持してもよく、立ち姿勢にすることで、そのまま排出搬送手段35によって商品取出口27へ運ぶことも可能であり、利用者への排出動作が意匠的に見栄えがよく、商品を取出し易いので、取り損ねて商品を落したりして商品の破損や噴出しを低減することが出来る。
また断熱仕切板30、断熱区画壁31を真空断熱材で構成すれば、さらに壁厚を薄く出来き、収納効率をアップすることができ、さらに保温室の消費電力量を低減することができる。また、商品収納室21を冷却室29aと加温室29cの区画に合せて左右に区画しておいてもよく、商品の補充がしやすくなり作業効率を向上することができる。
また断熱仕切板30は商品収納室21の全幅に亘って形成したが、少なくとも加温室29cの上部と商品収納室21との間を断熱区画するものでもよく、この場合、冷却室29a、29bの上部は商品収納室21と熱的に断熱されず、商品収納室21内の商品も冷却保存されるので、同じ商品が短期間の間に販売される場合、商品温度を適温に維持することができ、販売機会を確保することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の自動販売機の斜視図である。図5は、図4の縦断面概略図である。
図において、自動販売機の外扉23の構造は実施の形態1と同様である。
自動販売機本体40内の構造について説明する。
自動販売機本体40内には商品を横倒し姿勢で収納する1つの商品収納室41が構成され、商品収納室41は前後方向に商品を収納する形態の商品収納コラム42である。商品収納コラム42は奥行き方向に向かって下方に傾斜配置する構成となって上下左右に複数列、複数段に構成されている。商品を常温で維持する商品収納室41の下部には商品を冷却または加温して適温に維持する保温室43が断熱区画して形成され、商品収納室41と保温室43の間には断熱仕切板44が配置している。
断熱仕切板44も奥行き方向に向かって下方に傾斜配置しており、商品収納コラム42とほぼ平行になるように傾斜している。また保温室43の側壁、背壁、底壁も断熱仕切板45で区画形成されている。断熱仕切板44、45は真空断熱材で構成されていてもよい。
商品収納室41の後方には上下方向に亘って空間部46が形成され、その空間部46内には商品搬送手段47が構成され、商品を商品収納室41から保温室43へ搬送する商品搬送手段47が上下左右に移動自在になるように構成されている。
したがって、自動販売機本体40内は商品収納室41の後方に商品搬送手段47の空間部46が形成され、商品収納室41と空間部46の下方に保温室43が形成されているので、図のように商品収納室41の奥行き寸法よりも保温室43の奥行き寸法の方が大きく構成されている。そして空間部46と保温室43とは連通可能に形成され、すなわち断熱仕切板44の上部にある空間部46と対応する位置には連通可能な孔部44aが形成され、開閉自在のシャッター44bにより構成されている。
次に保温室43内の構成について説明する。
保温室43内には商品を回転撹拌させるゴンドララック48が構成され、ゴンドララック48内で商品自身が回転撹拌し高速冷却または高速加熱するしくみになっている。またゴンドララック48内の中央部には駆動部48aがあり、この駆動部48aによって、商品を前方位置に運ぶように縦回転可能に構成されている。またゴンドララック48内には商品位置を特定できるように、特定箇所に特定商品が格納される、いわゆる番地格納部48c、48d、48e・・・がそれぞれ設定されている。
ゴンドララック48の下部には冷却システムの蒸発器49や電気ヒータ50が配置され保温室43の冷却または加温を行うように構成されている。
保温室43の前方には排出搬送手段51が構成され、保温室43から選択された商品が排出搬送手段51によって商品取出口27へ排出される。排出搬送手段51は保温室43の前方で上下左右方向に動作可能でもよく、この場合、排出搬送手段51が商品を受け取って商品取出口27まで運べるので、商品取出口27を自動販売機全幅方向にワイドに構成する必要がなく、横倒し商品1個が排出される幅の商品取出口27として形成できる。
また図のように、排出搬送手段51の左右側に傾斜板51aを設けて商品が排出搬送手段51中央部に集まるようにすれば、排出搬送手段51を上下方向に移動させるだけで商品取出口27へ排出できる。
また保温室43内を左右に冷却専用室、加温室に断熱区画してそれぞれの区画室内にゴンドララック48を備えて冷却専用室43aと加温専用室43bに分けてもよい。
そして保温室43の下部には冷却システムを構成する圧縮機52、室外熱交換器53があり、蒸発器49と接続されていて、またこれらを駆動する電装ボックスなどが配置されている。また加温するために電気ヒータ50を構成したが、ヒートポンプ方式により排熱を加温室の加温に、吸熱を冷却室の冷却に使用してもよい。これによってさらに消費電力量を低減できる。
以上のように構成された自動販売機の動作について説明する。
自動販売機本体40内の商品は、常温の商品収納室41の商品収納コラム42内に横倒し姿勢で収納されている。商品収納室41の領域と空間部46の領域は常温に維持されているので長期間ストックされていても品質を維持できる。
また商品収納室41と自動販売機本体40の間には断熱壁を構成する必要がなく、商品収納室41をよりワイドに配置することができ、収納する商品の収納効率をアップすることができる。
ただし、自動販売機は屋外設置もあり、夏場の高外気にさらされるので、断熱壁を設けて外気による商品劣化を抑える構造にしてもよい。
そして、商品収納コラム42内の最後方部にある商品から順番に商品搬送手段47によって保温室43内に搬送される。このとき、断熱仕切板44に形成したシャッター44bは通常は閉じて空間部46と保温室43を区画しているが、商品搬送手段47が動作することでシャッター44bが開き、商品搬送手段47が保温室43内に侵入し、保温室43内の特定位置に商品を搬送する。
したがって、商品の搬送時以外はシャッター44bで閉じて熱の移動を遮断しているので、保温室43内の冷却または加温効率を高め、省エネを図ることができる。また商品収納室41内を保温室43からの熱影響を低減できるので商品の品質劣化を低減し長期の収納保存を実現することが出来る。
そして保存室43内ではゴンドララック48内の番地格納部48cが商品の格納分だけ構成されており、商品搬送手段47に運ばれてくる商品に対して特定の番地格納部48cへ収納され、別の商品には、その別の商品に対して特定された番地格納部48dへ収納される。
そしてゴンドララック48内で商品自身が自転し、回転撹拌しながら、冷却加温システムまたは電気ヒータによって、高速冷却または高速加温を行い、適温に保温することができる。選択された商品は駆動部48aが回転動作することで、ゴンドララック48の前方まで移動し、排出搬送手段51に受け渡されて、商品取出口27から排出される。商品取出口27が上方にあるときは、排出搬送手段51がリフトアップし商品排出をする。
実施の形態1と同様に、選択ボタン37に対して商品収納コラム42と保温室43のゴンドララック48内の番地格納部48c、48d、48e・・・があらかじめ設定されており、利用者が好みの選択ボタン37を操作することによって、番地格納部48c、48d、48e・・・から選択された商品が特定されて排出され、その特定商品と同じ商品を収納する商品収納コラム42が特定されて、商品搬送手段47によって選択されて、保温室43の番地格納部48c、48d、48e・・・に保温収納されるので、自動販売機内の商品収納室41と保温室43の自動在庫管理を行うことができるので、保温室43内での滞在日数管理ができ、加温劣化防止のため、商品の売行き等によって、自動的に加温を中断し劣化防止を図ることができるので商品の鮮度を自動管理できる。また商品収納室41の貯蔵ゾーンと保温室43の保温ゾーンを断熱区画しているので、消費電力量を低減することができる。
また保温室43内での商品姿勢を立ち姿勢配置にして保温運転、保温維持してもよく、商品の立ち姿勢状態でゴンドララック48を横回転に駆動できるので、番地格納部48c内での商品安定性を高め、ゴンドララック48内で冷却または加温時に商品自身を回転させても、商品を安定した状態で動作させることができる。また立ち姿勢のまま排出搬送手段51によって商品取出口27へ運ぶことも可能であり、利用者への排出動作が意匠的に見栄えがよく、商品を取出し易いので、取り損ねて商品を落したりして商品の破損や噴出しを低減することが出来る。
また商品収納コラム42は前後方向に移動可能であり、コラム42内で商品詰りが起こった場合でも、前方に商品収納コラム42を個別に引き出せるので、簡単に詰りを直すことができる。
また断熱仕切板44、45は真空断熱材で形成されているので断熱壁厚を薄くでき、保温室43の内容積をさらにアップすることができるので、ゴンドララック48の収納効率をアップすることが出来き、保温室の断熱効率を高め消費電力量をさらに低減できる。
また断熱仕切板44は商品収納室41の全幅に亘って形成したが、少なくとも加温室43bの上部と商品収納室41との間を断熱区画するものでもよく、この場合、冷却室43aの上部は商品収納室41と熱的に断熱されず、商品収納室41内の商品も冷却保存されるので、同じ商品が短期間の間に販売される場合、商品温度を適温に維持することができ、販売機会を確保することができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3の自動販売機の斜視図である。図7は、図6の縦断面概略図である。
図において、自動販売機の外扉23の構造は実施の形態1と同様である。
自動販売機本体60内の構造について説明する。
自動販売機本体60内には商品を縦姿勢で収納する商品収納室61が構成され、商品収納室61は前後方向に商品を収納する形態の商品収納コラム62である。商品収納コラム62は奥行き方向に向かって上方に傾斜配置する構成となって、上下左右に複数列、複数段に構成されている。商品収納室61の下部には保温室63が断熱区画して形成され、商品収納室61と保温室63の間には真空断熱材の断熱仕切板64が配置している。また保温室63の側壁、背壁、底壁も真空断熱材の断熱仕切板65で区画形成されている。また、断熱仕切板64は商品収納コラム62とは関係なく、ほぼ水平配置している。
商品収納室61の前方には上下方向に亘って空間部66が形成され、その空間部66内には商品搬送手段67が構成され、商品を商品収納室61から保温室63へ搬送する商品搬送手段67が商品収納コラム62の前面側に位置し、上下左右に移動自在になるように構成されていて、商品搬送手段67が商品収納コラム62の下方の断熱仕切板64内を通過し、保温室63の領域内に下降して商品を保温室63に運ぶ。このとき断熱仕切板64で、空間部66と対応する位置には連通可能な孔部64aが形成され、開閉自在のシャッター64bにより構成されている。
したがって、商品収納室61と商品搬送手段67との前後方向の位置関係は、保温室63の方が商品収納室61よりも前方に張り出して形成されている関係となる。
次に保温室63内の構成について説明する。
保温室63内には商品を縦姿勢で回転撹拌させるゴンドララック68が構成され、ゴンドララック68内で商品自身が回転撹拌し高速冷却または高速加熱するしくみになっている。またゴンドララック68内の中央部には駆動部68aがあり、この駆動部68aによって、商品を前方位置に運ぶように前後方向に回転可能に構成されている。またゴンドララック68内には商品位置を特定できるように、ゴンドララック68の特定箇所に特定商品が格納される、いわゆる番地格納部68c、68d、68e・・・がそれぞれ設定されている。
保温室63内でゴンドララック68の下部には冷却システムの蒸発器69や電気ヒータ70が配置され、保温室63の冷却または加温を行うように構成されている。
保温室63の前方には排出搬送手段71が構成され、保温室63から選択された商品が排出搬送手段71によって商品取出口27へ排出される。排出搬送手段71は保温室63の前方で上下左右方向に動作可能でもよく、この場合、排出搬送手段71が商品を受け取って商品取出口27まで運べるので、商品取出口27を自動販売機全幅方向にワイドに構成する必要がなく、横倒し商品1個が排出される幅の商品取出口27として形成できる。排出搬送手段71を商品搬送手段67で兼用してもよく、兼用することで保温室63への搬送と商品取出口27への搬出の両方を行うことができる。
また保温室63内を左右に冷却専用室63a、加温室63bに断熱区画してそれぞれの区画室内にゴンドララック68を備えて冷却専用室63aと加温室63bに分けてもよい。また加温室63bは季節に応じて冷却室とすることもでき、また冷却商品を季節に関係なく、利用者が加温設定することでホット商品として購入可能にできる。
また保温室63の下部には冷却システムを構成する圧縮機72、室外熱交換器73があり、蒸発器69と接続されていて、またこれらを駆動する電装ボックスなどが配置されている。また加温するために電気ヒータ70を構成したが、ヒートポンプ方式により排熱を加温室の加温に、吸熱を冷却室の冷却に使用してもよい。これによってさらに消費電力量を低減できる。
以上のように構成された自動販売機の動作について説明する。
自動販売機本体60内の商品は、商品収納室61の商品収納コラム62内に立ち姿勢で収納されている。商品収納室61の領域と空間部66の領域は常温に維持されているので長期間ストックされていても品質を維持できる。
また商品収納室61と自動販売機本体60の間には断熱壁を構成する必要がなく、商品収納室61をよりワイドに配置することができ、収納する商品の収納効率をアップすることができる。
ただし、自動販売機は屋外設置もあり、夏場の高外気にさらされて商品収納室61内が高温になる可能性もあるので、断熱壁を設けて外気による商品劣化を抑える構造にしてもよい。
そして、商品収納コラム62内の最後方部にある商品から順番に商品搬送手段67によって保温室63内に搬送される。このとき、断熱仕切板64に形成したシャッター64bは通常は閉じて空間部66と保温室63を区画しているが、商品搬送手段67が動作することでシャッター64bが開き、商品搬送手段67が保温室63内に侵入し、保温室63内の特定位置に商品を搬送する。
したがって、商品の搬送時以外はシャッター64bで閉じて熱の移動を遮断しているので、保温室63内の冷却または加温効率を高め、省エネを図ることができる。また商品収納室61内を保温室63からの熱影響を低減できるので商品の品質劣化を低減し長期の収納保存を実現することが出来る。
そして保存室63内ではゴンドララック68内の番地格納部68cが商品収納コラム62の数だけ備えられており、商品搬送手段67に運ばれてくる商品に対して特定の番地格納部68cへ収納され、別の商品には、その別の商品に対して特定された番地格納部68dへ収納される。
そしてゴンドララック68内で商品自身が自転し、回転撹拌しながら、冷却加温システムまたは電気ヒータなどによって、高速冷却または高速加温を行い、適温に保温することができる。選択された商品は駆動部68aが回転動作することで、ゴンドララック68の前方まで移動し、排出搬送手段71に受け渡されて、商品取出口27から排出される。商品取出口27が上方にあるときは、排出搬送手段71がリフトアップし商品排出をする。
実施の形態1と同様に、選択ボタン37に対して商品収納コラム62と保温室63のゴンドララック68内の番地格納部68c、68d、68e・・・があらかじめ設定されており、利用者が好みの選択ボタン37を操作することによって、番地格納部68c、68d、68e・・・から選択された商品が特定されて排出され、その特定商品と同じ商品を収納する商品収納コラム62が特定されて、商品搬送手段67によって選択されて、保温室63の番地格納部68c、68d、68e・・・に保温収納されるので、自動販売機内の商品収納室61と保温室63の自動在庫管理を行うことができるので、保温室63内での滞在日数管理ができ、加温劣化防止のため、商品の売行き等によって、自動的に加温を中断し劣化防止を図ることができるので商品の鮮度を自動管理できる。また貯蔵ゾーンの商品収納室61と保温ゾーンの保温室63とを断熱区画しているので、消費電力量を低減することができる。
また保温室63内での商品姿勢を立ち姿勢配置にして保温運転、保温維持してもよく、商品の立ち姿勢状態でゴンドララック68を駆動できるので、番地格納部68c内での商品安定性を高め、ゴンドララック68内で冷却または加温時に商品自身を回転させても、商品を安定した状態で動作させることができる。また立ち姿勢のまま排出搬送手段71によって商品取出口27へ運ぶことも可能であり、利用者への排出動作が意匠的に見栄えがよく、商品を取出し易いので、取り損ねて商品を落したりして商品の破損や噴出しを低減することが出来る。
図の場合、排出搬送手段71を商品搬送手段67で兼用しており、1つの商品搬送手段67で保温室63への搬送と商品取出口27への排出を行うことができるので、搬送手段動作範囲となる空間部が前方だけになるので、商品収納室61の収納効率をアップすることができる。
また商品収納コラム62は前後方向に移動可能であり、コラム62内で商品詰りが起こった場合でも、前方に商品収納コラム62を個別に引き出せるので、簡単に詰りを直すことができる。
また断熱仕切板64は商品収納室61の全幅に亘って形成したが、少なくとも加温室63bの上部と商品収納室61との間を断熱区画するものでもよく、この場合、冷却室63aの上部は商品収納室61と熱的に断熱されず、商品収納室61内の商品も冷却保存されるので、同じ商品が短期間の間に販売される場合、商品温度を適温に維持することができ、販売機会を確保することができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4の自動販売機本体正面概略図である。図9は、図8の縦断面概略図である。
図において、自動販売機の外扉23の構造は実施の形態1と同様である。
自動販売機本体90内の構造について説明する。
自動販売機本体90内には商品を横倒し姿勢で収納する商品収納室91が構成され、商品収納室91は、前後方向に商品を収納する形態の商品収納コラム92である。商品収納コラム92は奥行き方向に向かって下方に傾斜配置する構成となって上下左右に複数列、複数段に構成されている。商品収納室91の下部には保温室93が断熱区画して形成され、商品収納室91と保温室93の間には真空断熱材で構成された断熱仕切板94が配置しており、断熱効率を高めることが出来る。
また商品収納室91と保温室93の間には、保温室93内の商品を商品取出口27へ排出する排出搬送手段95が備えられている。排出搬送手段95は自動販売機本体90内の前方側で、下方に配置する保温室93に対応して、左右方向に移動可能に構成されている。排出搬送手段95が収納される収納スペース96は商品収納室91と断熱区画されず、同じ温度帯域に構成され、収納スペース96は前方から後方に向かって空間域が徐々に狭くなっていくように構成されている。
また、商品取出口27の後壁27aには、取出口開閉機構27bが備えられ、取出口開閉機構27bと排出搬送手段95とは対応した位置にあり、商品取出口27と排出搬送手段95とがほぼ同じ高さ位置に構成されている。
断熱仕切板94は略水平方向に配置され、保温室93の前壁、側壁、背壁、底壁は真空断熱材で構成された断熱仕切板97で区画形成されている。
商品収納室91の後方には、上下方向に亘って空間部98が形成され、その空間部98内には商品搬送手段99が構成され、商品を商品収納室91から保温室93へ搬送する商品搬送手段99が上下左右に移動自在になるように構成されている。
したがって、自動販売機本体90内は商品収納室91の後方に商品搬送手段99の空間部98が形成され、商品収納室91と空間部98の下方に保温室93が形成されているので、図のように商品収納室91の奥行き寸法よりも保温室93の奥行き寸法の方が大きく構成されている。そして空間部98と保温室93とは連通可能に形成され、すなわち断熱仕切板94の上部にある空間部98と対応する位置には連通可能な孔部94aが形成され、開閉自在のシャッター94bにより構成されている。
次に保温室93内の構成について説明する。
保温室93内には商品を回転撹拌させるゴンドララック100が構成され、ゴンドララック100内で商品自身が立ち姿勢のまま、回転撹拌し高速冷却または高速加熱するしくみになっている。またゴンドララック100内の中央部には駆動部100aがあり、この駆動部100aによって、商品を立ち姿勢の状態で前方位置に運ぶように縦回転可能に構成されている。またゴンドララック100内には商品位置を特定できるように、特定箇所に特定商品が格納される、いわゆる番地格納部100c、100d、100e・・・がそれぞれ設定されている。
ゴンドララック100の下部には冷却加温ユニット101が断熱区画されて、配置され保温室93の冷却または加温を行うように構成されている。冷却加温ユニット101は、冷却するための室内熱交換器101aと、熱交換された空気を強制送風する送風ファン101bを構成しており、ヒートポンプ方式により排熱を加温室の加温に、吸熱を冷却室の冷却として構成されている。ヒートポンプ方式にすることでさらに消費電力量を低減できる。また冷却加温ユニットとして冷却システムと電気ヒータを備えて冷却または加温してもよく、電気ヒータにより急速加熱を実現することができる。
また冷却加温ユニット101の下部には、冷却加温ユニットの圧縮機102、凝縮器103等の冷却システムの機能部品が構成された機械室104が形成されている。
保温室93の上部にある断熱壁には開口部94aが構成され、保温室93内の商品を上方の収納スペース96へ持ち上げられるようになっている。排出搬送手段95は商品の両サイドから挟み込んで保持し、前後方向に移動可能となっている。したがって、商品は商品取出口27の後方から前方に向かって排出されることとなる。
また保温室93内を左右に冷却専用室、加温室に断熱区画してそれぞれの区画室内にゴンドララック100を備えて冷却専用室110a、110bと加温専用室110cに分けてもよい。
このとき冷却専用室110aの上部に商品を収納スペース96へ持ち上げられるように開口部111が形成され、加温専用室110cの上部に開口部112が形成されることとなる。このように保温室93内の商品を商品収納室91内に持ち上げるリフトアップ機構113が構成されているものである。
以上のように構成された自動販売機の動作について説明する。
自動販売機本体90内の商品は、商品収納室91の商品収納コラム92内に横倒し姿勢で収納されている。商品収納室91の領域と空間部98の領域は常温に維持されているので長期間ストックされていても品質を維持できる。
また商品収納室91と自動販売機本体90の間には断熱壁を構成する必要がなく、商品収納室91をよりワイドに配置することができ、収納する商品の収納効率をアップすることができる。
ただし、自動販売機は屋外設置もあり、夏場の高外気にさらされるので、断熱壁を設けて外気による商品劣化を抑える構造にしてもよい。
そして、商品収納コラム92内の最後方部にある商品から順番に商品搬送手段99によって保温室93内に搬送される。このとき、断熱仕切板94に形成したシャッター94bは通常は閉じて空間部98と保温室93を区画しているが、商品搬送手段99が動作することでシャッター94bが開き、商品搬送手段99が保温室93内に移動し、保温室93内の特定された番地格納部100c、100d、100e・・・に商品を搬送する。
したがって、商品の搬送時以外はシャッター94bで閉じて熱の移動を遮断しているので、保温室93内の冷却または加温効率を高め、省エネを図ることができる。また商品収納室91内を保温室93からの熱影響を低減できるので商品の品質劣化を低減し長期の収納保存を実現することが出来る。
そして保存室93内ではゴンドララック100内の番地格納部48cが商品収納コラム数または商品の銘柄数だけ構成されており、商品搬送手段99に運ばれてくる商品に対して特定の番地格納部100cへ収納され、別の銘柄商品には、その別の商品に対して特定された番地格納部100dへ収納される。
そしてゴンドララック100内で商品自身が自転し、回転撹拌しながら、冷却加温ユユニット101によって高速冷却または高速加温を行い、適温に保温することができる。選択された商品は駆動部100aが回転動作することで、ゴンドララック100の前方まで移動し、上方へリフトアップされて、排出搬送手段95に受け渡されて、前方にある商品取出口27の後方から前方に向かって排出される。
このため、商品は衝撃を受けることなく排出されるので、商品の傷つきや泡立ち等を防ぐことができる。また、利用者への排出動作が意匠的に見栄えがよく、商品を取出し易いので、取り損ねて商品を落したりして商品の破損や噴出しを低減することが出来る。
実施の形態1と同様に、選択ボタン37に対して商品収納コラム92と保温室93のゴンドララック100内の番地格納部100c、100d、100e・・・があらかじめ設定されており、利用者が好みの選択ボタン37を操作することによって、番地格納部100c、100d、100e・・・から選択された商品が特定されて排出され、その特定商品と同じ商品を収納する商品収納コラム92が特定されて、商品搬送手段99によって選択されて、保温室93内の番地格納部100c、100d、100e・・・に保温収納されるので、自動販売機内の商品収納室91と保温室93の自動在庫管理を行うことができるので、保温室93内での滞在日数管理ができ、加温劣化防止のため、商品の売行き等によって、自動的に加温を中断し劣化防止を図ることができるので商品の鮮度を自動管理できる。また貯蔵ゾーンと保温ゾーンを断熱区画しているので、消費電力量を低減することができる。
また商品収納コラム92は前後方向に移動可能であり、コラム92内で商品詰りが起こった場合でも、前方に商品収納コラム92を個別に引き出せるので、簡単に詰りを直すことができる。また商品収納コラム92を左右方向でも傾斜設置になるように構成しておけば、商品収納コラム92内を移動中に商品が不安定に転動することを低減でき商品の詰りを低減できる。
また断熱仕切板94は商品収納室91の全幅に亘って形成したが、少なくとも加温室110cの上部と商品収納室91との間を断熱区画するものでもよく、この場合、冷却室110a、110bの上部は商品収納室91と熱的に断熱されず、商品収納室91内の商品も冷却保存されるので、同じ商品が短期間の間に販売される場合、商品温度を適温に維持することができ、販売機会を確保することができる。