JP4923519B2 - 導電性混繊糸 - Google Patents
導電性混繊糸Info
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Description
1.繊度、単糸繊維繊度(dtex)
浅野機械製作(株)製検尺機を用い、フィラメントを100mサンプリングして重量を測定し、10000mに換算した重量値を繊度とした。単糸繊維繊度を求める場合は、前記繊度を単糸数で割ることによって求めた。
2.比抵抗値
導電性混繊糸を束ねて約2000デニールとし、弱アニオン系洗剤を用い、十分に精錬して油剤などを除いた後、20℃、40%RHの状態で24時間放置し、同温度、湿度下にて、混繊糸両端を銅箔にて固定し、銅箔間に500Vの電圧を付加した際に流れた電流値を測定することによって導電性混繊糸の比抵抗ρ[Ωcm]を求めた。導電糸混繊糸の比抵抗値が106以下を合格(○)とし、106を超える場合を不合格(×)とした。
3.混繊糸表面における導電性複合繊維混率
導電性混繊糸に2g/dtexの荷重をかけたまま、スリーボンド社製紫外線感光性樹脂3055に浸漬し、セン特殊光源社製高圧水銀ランプHL100Gにて10分間紫外線を照射し、紫外線感光性樹脂を固化せしめた。紫外線感光性樹脂により固められたサンプルを繊維横断面方向にミクロトームで切断し、断面観察用サンプルを得た。得られた断面観察用サンプルは光学顕微鏡にて断面形態を撮影し、下記式により混繊糸表面における導電性複合繊維混率Xを算出した。ここで、混繊糸外周に配された導電性複合繊維の単糸数Nは、横断面の外接円周と、外接円周から、外接円の中心に向かって半径の0.1倍までの区間に、少なくとも単糸の一部が配された導電性複合繊維の単糸数であり、糸長100m毎に10サンプル測定した平均値とした。
4.混繊工程通過性
後述する実施例の方法で導電性混繊糸を得るに当たり、混繊糸100kg当りに発生した糸切れ発生数が5回未満を○、5〜10回を△、10回を超える場合×とし、○および△を合格とした。
5.製織性
導電性混繊糸をタテ・ヨコ共に84dtex72フィラメントのポリエステル繊維に対して80本に1本の間隔でタテ30本/cm、ヨコ20本/cmのツイル布帛をとする際に、製織長60m当りに発生した糸切れ、毛羽の発生数が5回未満を○、5〜10回を△、10回を超える場合を×とし、○および△を合格とした。
6.総合評価
導電性混繊糸の比抵抗値、混繊工程通過性、製織性の全てが合格の場合合格(○)とし、いずれかが×の場合不合格(×)とした。
固有粘度0.64のPETチップ(樹脂B)と導電性カーボンブラックが35重量%となるよう常法にて混錬したN6チップ(樹脂A)をそれぞれプレッシャメルターにて溶融押出しし、樹脂Aの分割数が2、繊維横断面外周における樹脂Aの占有率が25%、繊維横断面における導電樹脂Aと非導電樹脂Bの接合面が内側に向かって凸であり、r/Rが0.5となる複合紡糸口金より紡糸した。紡糸した糸条は空冷し、紡糸油剤を付与した後、1500m/分の速度で巻き取り、導電性複合繊維の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は表面温度90℃のホットローラーにて加熱した後、2.7倍の延伸倍率を付与しつつ、表面温度180℃のホットプレート上を通過させた後、ボビン状に巻き取り、28dtex3フィラメントの導電性複合繊維を得た。
導電性複合繊維を5糸条使用し、導電性複合繊維と混繊する非導電性ポリエステル系繊維を33dtex12フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維とした以外、実施例1と同様の方法で、導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。導電性混繊糸の比抵抗値は104Ωcmであり、導電性能は十分なものであった。混繊工程での糸切れ発生数は1回、製織工程での糸切れ発生数は7回であり、いずれも生産可能なレベルにあった。
導電性複合繊維を1糸条使用し、導電性複合繊維と混繊する非導電性ポリエステル系繊維を110dtex48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維3糸条とした以外実施例1と同様の方法で、導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。導電性混繊糸の比抵抗値は107Ωcmであり、導電性能は十分なものであった。混繊工程での糸切れ発生数は0回、製織工程での糸切れ発生数は2回であり、いずれも生産可能なレベルにあった。
18dtex10フィラメントの導電性複合繊維を用いた以外、実施例1と同様の方法で導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。導電性混繊糸の比抵抗値は107Ωcmであり、導電性能は十分なものであった。混繊工程での糸切れ発生数は7回、製織工程での糸切れ発生数は7回であり、いずれも生産可能なレベルにあった。
導電性複合繊維と混繊する非導電性ポリエステル系繊維を56dtex180フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維とした以外実施例1と同様の方法で、導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。導電性混繊糸の比抵抗値は106Ωcmであり、導電性能は十分なものであった。混繊工程での糸切れ発生数は1回、製織工程での糸切れ発生数は6回であり、いずれも生産可能なレベルにあった。
樹脂Aとして導電性カーボンブラックを25重量%となるように混練した、固有粘度0.72のポリブチレンテレフタレートを使用した以外、実施例1と同様の方法で導電性混繊糸を得た。導電性混繊糸の比抵抗値は105Ωcmであり、導電性能は十分なものであった。混繊工程通過性としては、糸切れ発生数が2回、製織性としては糸切れ発生数3回であり、いずれも生産可能なレベルにあった。
図2の如く、導電性複合繊維の繊維横断面おける樹脂Aと樹脂Bの接合曲線が、樹脂Bに向かって凸となる複合紡糸口金を用い、導電性複合繊維におけるAの配合量を43%とした以外、実施例1と同様の方法で導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。電性混繊糸の比抵抗値は105Ωcmであり、導電性能は十分なものであったが、混繊工程での糸切れ発生数は16回、製織工程での糸切れ発生数は21回であり、いずれも生産可能なレベルになかった。
導電性複合繊維横断面における樹脂Aと樹脂Bの接合曲線の最小曲線半径と単糸繊維半径Rの比、r/Rが1.4となるような複合紡糸口金を使用した以外、実施例1と同様の方法で導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。電性混繊糸の比抵抗値は105Ωcmであり、導電性能は十分なであり、混繊工程での糸切れ発生数は8回と生産可能なレベルにあったが、製織工程での糸切れ発生数は14回であり、生産可能なレベルになかった。
導電性複合繊維横断面外周における樹脂Aの占有割合が1%となる複合紡糸口金を使用した以外、実施例1と同様の方法で導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。電性混繊糸の比抵抗値は108Ωcmであり、導電性能は不十分なものとなった。混繊工程での糸切れ発生数は0回、製織工程での糸切れ発生数は1回であり、いずれも生産可能なレベルにあった。
導電性複合繊維横断面外周における樹脂Aの占有割合が60%となる複合紡糸口金を使用した以外、実施例1と同様の方法で導電性混繊糸および、それからなる布帛を得た。電性混繊糸の比抵抗値は104Ωcmであり、導電性能は十分なものであったが、混繊工程、製織工程いずれにおいても糸切れ、毛羽多発し、生産不可能であった。
2:樹脂B
D:導電性複合繊維横断面における樹脂Aと樹脂Bの接合面曲線と繊維表面の接点
E:導電性複合繊維横断面における樹脂Aと樹脂Bの接合面曲線の頂点
r:導電性複合繊維横断面における樹脂Aと樹脂Bの接合面曲線の最小曲線半径
R:導電性複合繊維の単繊維半径
Claims (2)
- 導電性複合繊維と非導電性ポリエステル系繊維からなる導電性混繊糸において、導電性複合繊維が導電性カーボンブラックを15〜50重量%含有する熱可塑性樹脂Aと、繊維形成性ポリエステル系熱可塑性樹脂Bを接合してなり、その導電性複合繊維の単繊維横断面において、樹脂Aは少なくとも一点以上繊維表面に露出しており、樹脂Aと樹脂Bの接合面曲線DEが樹脂Aに向かって凸であり、その接合面曲線の最小曲線半径rと単繊維半径Rの比、r/Rが1.0以下であり、繊維横断面外周における樹脂Aが占める周長が全周長の2〜40%で、導電性混繊糸を構成する導電性複合繊維の混率が10〜80重量%であり、導電性混繊糸の電気比抵抗値が10 6 Ωcm以下であり、導電性混繊糸の横断面において、横断面の外接円周と、外接円周から、外接円の中心に向かって外接円半径の0.1倍までの区間に、少なくとも一部が含まれている導電性複合繊維の単糸数と、導電性複合繊維の単糸繊維繊度の積が、導電性混繊糸の繊度の2〜80%であることを特徴とする導電性混繊糸。
- 導電性複合繊維の単繊維繊度が2〜50dtexであり、非導電性ポリエステル系繊維単繊維繊度が0.5〜4dtexであることを特徴とする請求項1記載の導電性混繊糸。
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