JP2003278031A - 高耐久性導電性繊維 - Google Patents

高耐久性導電性繊維

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JP2003278031A
JP2003278031A JP2002074639A JP2002074639A JP2003278031A JP 2003278031 A JP2003278031 A JP 2003278031A JP 2002074639 A JP2002074639 A JP 2002074639A JP 2002074639 A JP2002074639 A JP 2002074639A JP 2003278031 A JP2003278031 A JP 2003278031A
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Yoshitoki Mori
義斉 森
Yasuki Kobayashi
靖希 小林
Masayuki Sato
正幸 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性カーボンブラックを熱可塑性ポリマーに
含有せしめた導電ポリマーと繊維形成性熱可塑性ポリマ
ーとを複合紡糸し、導電性カーボンブラック含有量、保
護ポリマーの繊維表面周長占有率、繊維横断面積占有
率、2成分の接合面距離および導電ポリマーの繊維横断
面上の等配数を適正なものとすることにより、優れた除
電効果と除電効果耐久性さらには製糸・加工安定性を有
する導電性繊維を得ることができる。 【解決手段】導電性カーボンブラックを15〜50重量
%含有する熱可塑性ポリマーからなる導電ポリマーA
と、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる保護ポリマー
Bとが複合されており、導電ポリマーAは繊維横断面上
に少なくとも4等配され、保護ポリマーが繊維表面周長
の80%以上98%以下を占有し、繊維横断接合面距離
が導電ポリマーの繊維表面露出長の3倍以上であること
を特徴とする導電性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、除電性能に優れた複合繊維に関するものであ
り、更に詳しくは、製糸性・加工性に優れ、かかる複合
繊維は全体としては導電性カーボンブラックの含有量が
少量であるにも関わらず優れた制電性能を有し、通常の
非導電性繊維に当該複合繊維を0.01〜10重量%添
加するだけで優れた除電性能を有する布帛が得られる導
電性繊維に関するものである。
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】従来から除電性能の優れた繊維としての
導電性繊維については、種々の提案がなされており、例
えば導電性を有さない繊維の表面に金属メッキして導電
性を付与せんとしたものや、導電性カーボンブラックを
樹脂やゴム類に分散させた後、これを繊維表面にコート
することによって導電性被覆層を形成せしめたもの等が
ある。しかし、これらは製造工程が複雑化して技術的に
困難な方法によって得られたものであったり、導電性繊
維を実用に供するため準備段階、例えば製織編のための
精練工程での薬品処理や実際の使用における摩耗や繰り
返し洗濯といった外的な作用によって導電性が容易に低
下し、実用の域を脱してしまうという問題があった。他
の導電性繊維として、スチール繊維の様な金属繊維が除
電性能の優れたものとして知られているが、金属繊維は
コストが高く、しかも一般の有機素材とはなじみ難く、
紡績性不良となったり、製織・染色仕上げ工程でのトラ
ブルの原因となったり、着用時の洗濯による断線・脱落
が生じやすく、さらには通電性に基づく感電・スパーク
の問題、布帛の溶融トラブル等の原因となっていた。ま
た、別のタイプの導電性繊維として、導電性カーボンブ
ラックを均一分散させたポリマーを繊維化する方法が提
案されているが、カーボンブラックを多量に含有するた
めに繊維の製造が難しく、コスト高であり、且つ繊維物
性が著しく低下し、特殊な工程を用いる以外に製品化が
困難であるという問題があった。これらの問題を解決せ
んとする提案として、例えば米国特許第3803453
号公報にあるごとく、芯鞘複合タイプの芯成分ポリマー
に導電性カーボンブラックを含有させ、それを通常の繊
維形成性ポリマーからなる鞘で包み込もうという方法で
ある。この場合、繊維性能を保つため芯部を50%以下
にする必要があり、そのため非導電性の鞘が厚く包囲し
ているため、低カーボン含有量では十分な性能が発揮さ
れない。さらに特開昭52−152513号公報では、
導電性カーボンを含む導電性ポリマー層とそれと同じポ
リマーで導電性カーボンを含まない非導電性ポリマー層
とを多層状に張りあわせた繊維が、上記単一の芯鞘型導
電性繊維の除電性能向上と成分層間の剥離紡防止を中心
とした耐久性向上を目的として提案されているものの、
この場合もやはり導電性カーボンブラックを含む層が表
面に露出しすぎているため、耐薬品性、耐久性の向上は
認められない。
【0003】一方、特開昭53−147865号公報や
特開昭54−34470号公報においては、有機導電性
物質を含有する線状重合体を繊維形成性重合体内に筋状
分散せしめた導電性繊維が提案されているが、これらに
おいては導電性成分が繊維表面ではなく、内部に入って
いるために剥離、表面摩擦、洗濯などの耐久性が向上す
るというものである。しかし、この場合、有機導電性物
質を含有する線状重合体はそれと全く相溶性のない繊維
形成性重合体に筋状分散つまり、長さ方向へは非連続状
態で分散混合しているわけで、繊維強度には全く寄与し
ないため繊維強度の低下は避けることが出来ない。ま
た、最も重要な繊維性能である導電性が筋状分散によっ
て変化するため、製造条件、製品品質の管理が非常に難
しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決し、製糸性・加工性に優れ、通常の非導電性繊維に
当該複合繊維を0.01〜10重量%添加するだけで優
れた除電性能を有する布帛が得られる導電性繊維を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、導電性カーボンブラックを15〜40重量
%含有する熱可塑性ポリマーからなる導電ポリマーA
と、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる保護ポリマー
Bとが複合されており、導電ポリマーAは繊維横断面上
に少なくとも4等配され、保護ポリマーが繊維表面周長
の80%以上98%以下を占有し、繊維横断面積の70
%以上95%以下を形成し、導電ポリマーAと保護ポリ
マーBの接合面距離が導電ポリマーの繊維表面露出長の
3倍以上であることを特徴とする導電性繊維である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明において、A成分に含まれる導電性
カーボンブラックの量は15〜40重量%、好ましくは
20〜35重量%である。導電性カーボンブラックの含
有量が15重量%より少ない場合には十分な除電性能は
発揮されない。一方、40重量%を超える場合では、ポ
リマー流動性が著しく低下して製糸性が極端に悪化する
ので好ましくない。
【0008】本発明において、通常用いる導電性カーボ
ンブラックは10-3〜102Ω・cmの固有電気抵抗を
有するものが良い。周知の如く、カーボンブラックは完
全に粒子分散をしている場合は一般に導電性が不良であ
って、ストラクチャーと呼ばれる連鎖構造をとると導電
性が向上して導電性カーボンブラックと言われるものに
なる。従って、導電性カーボンブラックによって、ポリ
マーを導電化するにあたっては、このストラクチャーを
破壊しないでカーボンブラックを分散させることが肝要
となる。そして、導電性カーボンブラック含有複合体の
電気伝導メカニズムとしては、カーボンブラック連鎖の
接触によるものとトンネル効果によるものが考えられる
が、前者の方が主と考えられる。従って、カーボンブラ
ックの連鎖が長く高密度ポリマー中に存在する方が接触
確率大となり、高導電性となる。本発明者らの検討結果
では、導電性カーボンブラック含有量15重量%未満で
は殆ど効果がなく、20重量%になると急激に導電性が
向上し、30重量%を超えるとほぼ飽和する。
【0009】本発明におけるA成分として用いる熱可塑
性ポリマーは、特に限定するものではないが、ポリエチ
レンテレフタレートである保護ポリマーBとの複合安定
性や製糸性を考慮した場合、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーを用い
ることが好ましい。
【0010】本発明における導電ポリマーAは、繊維横
断面上に少なくとも4等配されているものである。本発
明の繊維は例えば作業服や防塵衣あるいは学生服など耐
久性のある制電性が強く要求される分野で使用するもの
であるが、本発明のように導電ポリマーと保護ポリマー
とを複合した導電繊維の場合、前記製品での長期連続使
用における導電ポリマーの脱落により徐々に除電効果が
低下していく。本発明者らの検討結果では、長期連続使
用における除電効果の低下を抑制するためには、導電ポ
リマーAを繊維横断面上に少なくとも4等配する必要が
あり、好ましくは4〜6等配である。なお、本発明にお
ける等配とは、繊維横断面において、導電ポリマーAの
等配数をn、繊維表面周長をRとしたときに、隣接する
導電ポリマ成分を0.7R/n〜0.95R/nの間隔
で配置することを意味するものであり、例えば繊維表面
周長が1mmで導電ポリマーAを4等配する場合は、導
電ポリマーAの間隔は0.175〜0.2375mmの
範囲となる。
【0011】本発明における保護ポリマーBは、繊維表
面周長の80%以上98%以下を占有するものである。
導電性カーボンブラックを高含有練り込まれた樹脂は、
たとえマトリックスとなる樹脂が十分な繊維形成性を有
していたとしても、紡糸性および延伸性が不良で、単独
での繊維化は難しく、保護ポリマーとの複合化により製
糸性・高次加工性を維持するのが好適である。しかしな
がら、導電成分を完全に保護ポリマー層で被覆してしま
い芯鞘構造化してしまうと、本発明の重要な目的である
優れた導電性が発揮されない。また、導電成分を過多に
露出してしまうと、製糸工程・高次加工工程における変
質や劣化、脱落がカーボンブラック含有導電ポリマー層
に発生してしまう。これらの点から、保護ポリマーBが
繊維表面周長の80%以上98%以下を占有することが
必要であり、好ましくは90%以上95%以下である。
【0012】本発明において、保護ポリマーBが繊維横
断面積の95%を超えて多くなり、導電ポリマーAが5
%未満になると、安定した複合構造として紡糸するのが
困難になる。特に導電ポリマーを糸横断面方向に分散さ
せて複合する場合には、繊維長さ方向に導電ポリマーの
連続層を得るのが困難になる。一方、導電ポリマーAが
繊維横断面積の30%を超えると、非導電性の保護ポリ
マーBが十分繊維形成性を有していたとしても、前述し
たように複合した系の紡糸性、延伸性、さらには繊維物
性が極端に低下し実用性は全く失われてしまう。従っ
て、導電ポリマーAと保護ポリマーBとの繊維横断面積
比率はA:B=5:95〜30:70であり、好ましく
は10:90〜20:80である。
【0013】本発明における導電ポリマーAと保護ポリ
マーBの接合面距離は、導電ポリマーAの繊維表面露出
長の3倍以上である。本発明では、導電ポリマーAを適
正範囲内で繊維表面に露出させて、優れた除電性能を繊
維に付与するものであるが、この際、導電ポリマーAと
保護ポリマーBとの接合面距離が導電ポリマーAの繊維
表面露出長に対して過少になると、成分剥離が発生しや
すくなり紡糸性および延伸性が著しく低下する。好まし
くは、導電ポリマーAと保護ポリマーBの接合面距離
は、導電ポリマーAの繊維表面露出長の5倍以上であ
る。
【0014】本発明に用いる保護ポリマーは、繊維形成
性熱可塑性ポリマーであれば、特に限定するものではな
いが、B成分は本発明繊維の繊維化の際の良好な工程通
過性を維持するために重要な役割を担っているため、曳
糸性の劣るポリマーは不適切である。好ましくは、ポリ
エステルかポリアミドであり、ポリエステルとしては、
繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレー
トであるポリエチレンテレフタレート、繰り返し単位の
80モル%以上がブチレンテレフタレートであるポリブ
チレンテレフタレート、繰り返し単位の80モル%以上
がトリメチレンテレフタレートであるポリトリメチレン
テレフタレートが好ましく、また、これらにテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、
フタール酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂
肪族ジカルボン酸などを本来ポリエステルホモポリマー
の有する繊維形成性を損なわない程度に共重合させても
良い。また、ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン12、メタキシレンジアミンナイロン
などであり、少量の第3成分を含むポリアミドでも良
い。
【0015】本発明の導電性複合繊維は、単糸繊度が
4.0デシテックス以上であることが好ましい。単糸繊
度を4.0デシテックス以上とすることで、通常の非導
電性繊維に導電性複合繊維を0.01〜10重量%の少
量添加して布帛加工した場合でも十分な徐電性能が得ら
れる。
【0016】本発明の導電性複合繊維は、通常の複合繊
維の製造方法をそのまま用いることができ、特に限定す
るものではなく、複合紡糸した未延伸糸を一旦巻き取っ
た後に加熱延伸する方法を採用しても良く、複合紡糸し
た未延伸糸を一旦巻き取ること無く、加熱延伸する直接
紡糸延伸法を採用しても良い。
【0017】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。
なお、実施例中における製糸操業性、体積抵抗率、加工
安定性は以下の通りである。 1.製糸操業性 通常の複合紡糸機にて、1,000kgの未延伸糸を巻
き取った後に、通常の延伸機にてボビンに0.5kgの
延伸糸を巻き取り、1,000kgの未延伸糸に対する
製品収率で以下の通り判定し、○および△を合格とし
た。
【0018】 95%以上:○、80〜94%:△、79%以下:× 2.体積抵抗値 単糸5本を束ねて両端に0.5mm四方のアルミ泊を導
電性接着剤で接着し、1kVの直流電圧を印可して抵抗
値を測定し、それから算出した体積抵抗値(Ωcm)で
評価した。 3.加工安定性 得られた繊維をポリエステル(ポリエチレンテレフタレ
ート)/綿=65/35の混紡糸でカバーリングし、ポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート)/綿=65
/35、綿番手20S/2の経糸に80本に1本の割合
で打ち込んでタテ80本/inヨコ50本/inの2/
1ツイル織物とした。この際の、ポリエステル/綿混紡
糸でのカバーリングを行う際の、導電繊維の給糸ガイド
および糸道での毛羽・糸切れ発生頻度(導電繊維の給糸
長100,000m当たり)で評価し、○および△を合
格とした。 5回:○、6〜10回:△、11回以上:× 実施例1 導電ポリマー成分として、ハードセグメントとソフトセ
グメントよりなる熱可塑性エラストマーとしては水素添
加されたSISを使用した。これに導電性カーボンブラ
ック15重量%含有させたものを導電ポリマーAとし、
保護ポリマーBにはポリエチレンテレフタレートを用
い、導電ポリマーAを繊維横断面上に4等配し、保護ポ
リマーBの繊維周長占有率が80%、繊維横断面積占有
率が70%、ポリマーAの繊維表面露出長に対する接合
面距離の比が3倍となるように複合紡糸し、その後延伸
を実施し25デシテックス5フィラメントの導電性複合
繊維を得た。製糸操業性としては、製品収率88.5%
で生産可能なレベルであった。得られた繊維の体積比抵
抗値は5.5×102Ωcmであり、これを用いた織物
における除電効果は問題なく、カバーリング加工時の毛
羽・糸切れ発生回数は9回と生産可能なレベルであっ
た。さらに該織物を1000回洗濯した後に、該導電繊
維を抜糸して再度体積比抵抗値を測定した結果、若干比
抵抗値は高くなっているが、102Ωcmレベルを保持
しており、耐久性も問題無かった。
【0019】実施例2〜5 実施例2〜5については、カーボンブラック含有量、導
電ポリマーAの等配数、保護ポリマーBの繊維表面周長
占有率、繊維横断面積占有率、およびポリマーAの繊維
表面露出長に対する2成分の接合面距離の比を変更して
実施例1と同様の方法で複合繊維を得た。実施例2では
製品収率81.2%、カバーリング加工時の毛羽・糸切
れ7回と何れも生産可能なレベルであり、体積比抵抗値
は洗濯1000回後も102Ωcmレベルを保持してお
り、耐久性も問題無く、優れた除電効果を有していた。
実施例3〜5はいずれも製品収率95%以上であり、安
定した製糸操業性であり、体積比抵抗値は洗濯1000
回後も102Ωcmレベルを保持しており、耐久性も高
く、非常に優れた除電効果を有していた。なお、実施例
4については、カバーリング加工時の毛羽・糸切れが6
回であったが、加工性としては問題無いレベルであっ
た。
【0020】比較例1 導電ポリマーA中のカーボンブラック含有量を10重量
%としたこと以外、実施例1と同様の方法で複合糸を得
た。得られた繊維の体積比抵抗値は132.1×102
Ωcmであり、除電効果は低く、目的とする導電繊維と
は言えないレベルであった。
【0021】比較例2 導電ポリマーAを繊維横断面上に2等配とし、ポリマー
Aの繊維表面露出長に対する2成分の接合面距離の比を
5倍としたこと以外、実施例2と同様の方法で複合繊維
を得た。得られた繊維の体積比抵抗値は5.1×102
Ωcmであり、十分な除電効果を有していたが、洗濯1
000回後には89.9×102Ωcmまで比抵抗値は
高くなり、除電効果が著しく低下した。
【0022】比較例3 導電ポリマーAを繊維横断面上に4等配とし、保護ポリ
マーBの繊維表面周長占有率を70%、繊維横断面積占
有率を90%とし、実施例3と同様の方法で複合繊維を
得た。得られた繊維の除電効果および耐久性に関しては
優れた性能を有していたが、製品収率が74.9%であ
り実際生産は不可能なレベルであった。
【0023】比較例4 導電ポリマーAを繊維横断面上に4等配として、保護ポ
リマーBが繊維表面周長占有率を100%占有した芯鞘
構造とし、繊維横断面積占有率を90%として複合繊維
を得た。製糸操業性および加工安定性については、問題
無いものであったが、体積比抵抗値は92.1×102
Ωcmとなり、目的とする導電繊維とは言えないもので
あった。
【0024】比較例5 保護ポリマーBの繊維表面周長占有率を90%、繊維横
断面積占有率を85%とし、ポリマーAの繊維表面露出
長に対する2成分の接合面距離の比が2倍として実施例
3と同様の方法で複合繊維を得た。得られた繊維の体積
比抵抗値は1.3×102Ωcmであったが、洗濯10
00回後には40.2×102Ωcmまで比抵抗値は高
くなり除電効果は著しく低下した。また、製品収率7
0.1%、カバーリング加工時の毛羽・糸切れが13回
発生し、実際生産は不可能なレベルであった。
【0025】比較例6 保護ポリマーBの繊維表面周長占有率を80%、繊維横
断面積占有率を60%とし、ポリマーAの繊維表面露出
長に対する2成分の接合面距離の比が18倍として実施
例3と同様の方法で複合繊維を得た。得られた繊維の除
電効果および耐久性には問題無いものの、延伸時糸切れ
多発などにより製品収率63.8%、カバーリング加工
時の毛羽・糸切れ17回となり、実際生産は不可能なレ
ベルとなった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、導電
性カーボンブラックを熱可塑性ポリマーに含有せしめた
導電ポリマーと繊維形成性熱可塑性ポリマーとを複合紡
糸し、導電性カーボンブラック含有量、保護ポリマーの
繊維表面周長占有率、繊維横断面積占有率、2成分の接
合面距離および導電ポリマーの繊維横断面上の等配数を
適正なものとすることにより、製糸・加工安定性を有し
通常の非導電性繊維に当該複合繊維を0.01〜10重
量%添加するだけで優れた除電性能と除電効果耐久性を
有する布帛が得られる導電性繊維を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明導電性繊維の糸横断面の一具体例
【図2】本発明導電性繊維の糸横断面の一具体例
【図3】本発明導電性繊維の糸横断面の一具体例
【図4】本発明導電性繊維の糸横断面の一具体例
【符号の説明】
A:導電性ポリマー B:保護ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 BA04 BA05 BA11 BC09 CA06 CB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性カーボンブラックを15〜40重量
    %含有する熱可塑性ポリマーからなる導電ポリマーA
    と、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる保護ポリマー
    Bとが複合されており、導電ポリマーAは繊維横断面上
    に少なくとも4等配され、保護ポリマーが繊維表面周長
    の80%以上98%以下を占有し、繊維横断面積の70
    %以上95%以下を形成し、導電ポリマーAと保護ポリ
    マーBの接合面距離が導電ポリマーの繊維表面露出長の
    3倍以上であることを特徴とする導電性繊維。
  2. 【請求項2】単糸繊度が4.0デシテックス以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の導電性繊維。
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