JP6118561B2 - 導電性複合繊維 - Google Patents
導電性複合繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6118561B2 JP6118561B2 JP2013001643A JP2013001643A JP6118561B2 JP 6118561 B2 JP6118561 B2 JP 6118561B2 JP 2013001643 A JP2013001643 A JP 2013001643A JP 2013001643 A JP2013001643 A JP 2013001643A JP 6118561 B2 JP6118561 B2 JP 6118561B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- conductive
- layer
- polymer
- carbon black
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Multicomponent Fibers (AREA)
Description
しかしながら、特許文献4、5の場合、有機導電性物質を含有する線状重合体は、それと全く相溶性のない繊維形成性ポリマー内において、長さ方向へ非連続状態で分散混合しており、繊維強度には全く寄与しないため繊維強度の低下は避けることができない。また、導電性ポリマーの分散状態によって導電性能が変化するため、製造条件、製品品質の管理が非常に難しくならざるを得ない。さらに、一般的に非相溶重合体を混合分散させた場合、分散成分は非分散ポリマーに完全に包み込まれるものではなく一部表面に露出するため、その部分から導電性重合体の一部が脱落する可能性もある。また、このような繊維を製造する場合の工程調子、たとえば紡糸吐出におけるバルーニングが異常に大きく、口金汚れや断糸が多く発生して生産性の非常に低いものとなってしまう。
しかしながら、従来提案されてきた導電性ポリマー層と非導電性ポリマー層との組み合わせでは、製造工程では問題なくても、導電性の繊維製品として長期間の実使用において評価したとき、やはり剥離による導電性の低下が生じるという問題があった。また、導電性繊維をユニフォームなどの衣料用途に使用する場合、導電性複合繊維のみで衣料を作成することよりも、他の繊維に少量の導電性複合繊維を混用して衣料とすることが多いが、このような混用生地を染色する場合、従来の導電性繊維は、仮に染色されても染色堅牢度が悪いために、他の繊維に色が移るという問題を起こし、衣料製品として満足できるものはなかった。
また、非衣料用途で見た場合においても、たとえば、導電性能の湿度依存性(環境)が少なく、放電開始電圧が低く高印加電圧下においても優れた除電性能を有し、実際に使用を続けた場合の除電性能の低下がほとんどなく、性能(画像の鮮明さ)が長期にわたり維持される優れた導電性複合繊維は従来存在していないというのが現状である。
lmax/lmin≦1.8 (1)
0.05≦lmax/R≦0.30 (2)
導電性カーボンブラック含有する複合体の電気伝導メカニズムは、カーボンブラック連鎖の接触によるものとトンネル効果によるものと考えられるが、前者の方が主と考えられる。したがって、カーボンブラックの連鎖は長い方が、また高密度でポリマー中に存在する方が、接触確率が大となり高導電性となる。本発明者らの検討結果では、導電性カーボンブラック含量が15重量%未満ではほとんど効果がなく、20重量%になると急激に導電性が向上し、30重量%を越えるとほぼ飽和する。
80モル%以上含有するポリエステル系の樹脂が導電性カーボンブラックを練り込みやす
く、且つ結晶化しやすいことから高い導電性能が得られるので好ましい。ポリエチレンテ
レフタレート系の樹脂も使用可能であるが、導電性カーボンブラックを多量に添加すると
溶融紡糸の際の紡糸性が低下することとなり、紡糸性を高めるために共重合ポリエチレン
テレフタレートを用いるということも考えられるが、共重合ポリエチレンテレフタレート
を使用すると一般に結晶性が低下し、導電性能が低下することとなる。以上のことから、
結晶を形成しやすいポリエステル系の樹脂であるポリブチレンテレフタレート系樹脂が特
に優れていることとなる。また、導電層を構成する樹脂の融点は200℃以上であること
が実用耐久性の点で必要である。好ましくは210℃以上250℃以下である。
かかる無機微粒子の代表例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、
硫酸バリウムなどの無機微粒子を挙げることができ、これらは単独で使用しても2種以上
併用してもよい。
ましくは0.02μm以上0.6μm以下である。平均粒径が0.01μm未満であると
延伸時の糸条にかかる張力などに僅かな変動を生じても得られる繊維にループや毛羽、繊
度斑などが発生するようになる。一方、平均粒径が1μmを越えると繊維の紡糸性、延伸
性の低下をもたらし、紡糸断糸、延伸捲付などを発生し易くなる。尚、ここでいう平均粒
径とは遠心沈降法を用いて求めた値をいう。
また、本発明においては、導電性複合繊維の延伸性をより向上させるために、外層(B)と内層(C) に平均粒子径が0.5μm以下である無機微粒子を5重量%以下の割合で含有させておくことが好ましい。
電圧電流計法により、平行クリップ電極にセットされた導電性繊維(単繊維)試料に、直流電圧25〜500Vを印可し、その電圧とその時の試料に流れる電流値からオームの法則により求めた。また、本発明で規定される電気抵抗値は100V印可時で求めたものである。
20kg紡糸した際の毛羽・断糸の発生状況で評価。
○:毛羽、断糸の発生なく良好
×:断糸が発生
ブラシ帯電法において、ブラシ回転方向を感光体と反方向とし、直流のバイアス電圧をかけて帯電画像出しテストを行ない、初期及び1万枚コピー後の画像評価を以下に示す基準で行なった。
(1)初期性能評価
○:鮮明均一な画像が得られる。
×:画像が不鮮明であり、スジ斑が目立つ。
(2)繰り返し(1万枚)画像評価
○:初期と同様な鮮明均一な画像が得られる。
×:画像が不鮮明であり、スジ斑が目立つ。
導電性カーボンブラック(吸油量;115cc/100g)を35重量%含有したナイロン6を中間層(A)として用い、外層(B)と内層(C)を平均粒子径0.4μmの酸化チタンを0.5重量%含有するナイロン6を用いて、(B):(A):(C)=20:20:60(重量比)の比率とし、図1に示すような三層断面で複合紡糸し、その後延伸を実施し、25デニール/4f(27.8dtex/4f)の導電性複合繊維を得た。この導電性複合繊維の構成および繊維化工程性の評価結果、さらに100V印加時の電気抵抗値を纏めて表1、2に示す。
導電性ポリマー成分である中間層(A)、外層(B)と内層(C)のポリマー種と複合比率を表1、2に示す値とする以外は実施例1と同様に繊維化し性能評価に供した。結果を表1、2に示す。
導電性ポリマー成分である中間層(A)、外層(B)と内層(C)の複合比率と断面を形成する紡糸ノズル部品を変更し、表1、2に示す値と断面とする以外は実施例1と同様に繊維化し性能評価に供した。結果を表1、2に示す。
Claims (2)
- 中間層(A)にカーボンブラックを含有した繊維形成性ポリマーからなる三層構造の導電性複合繊維であって繊維横断面の半径Rから中間層の外接円の中心距離rを引いた値をlとしたときに、lの最大値(lmax)とlの最小値(lmin)の関係が下記の式(1)を満足し、かつ繊維断面の半径Rに対するlmaxの比率が下記の範囲(2)を満足する導電性複合繊維であって、前記導電性複合繊維が外層(B)と中間層(A)および内層(C)の三層からなり、各層の複合比率が、外層(B)と中間層(A)及び内層(C)の面積比率で(B):(A):(C)=20:20:60〜30:30:40であることを特徴とする、帯電ブラシ用の導電性複合繊維。
lmax/lmin≦1.8 (1)
0.05≦lmax/R≦0.30 (2) - 中間層(A)の導電性カーボンブラック含有量が、15〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の導電性複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013001643A JP6118561B2 (ja) | 2013-01-09 | 2013-01-09 | 導電性複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013001643A JP6118561B2 (ja) | 2013-01-09 | 2013-01-09 | 導電性複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014133950A JP2014133950A (ja) | 2014-07-24 |
JP6118561B2 true JP6118561B2 (ja) | 2017-04-19 |
Family
ID=51412439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013001643A Active JP6118561B2 (ja) | 2013-01-09 | 2013-01-09 | 導電性複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6118561B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6743266B1 (ja) * | 2019-12-25 | 2020-08-19 | 宇部エクシモ株式会社 | 黒色合成繊維糸 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS551337A (en) * | 1978-06-15 | 1980-01-08 | Toray Ind Inc | Electrically conducitive synthetic fiber and its production |
JPS61132623A (ja) * | 1984-11-28 | 1986-06-20 | Toray Ind Inc | 導電性の優れた複合繊維 |
JPS61132625A (ja) * | 1984-11-28 | 1986-06-20 | Toray Ind Inc | 高度導電性複合繊維 |
JPH02169715A (ja) * | 1988-12-21 | 1990-06-29 | Toray Ind Inc | 帯電防止性合成繊維 |
-
2013
- 2013-01-09 JP JP2013001643A patent/JP6118561B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014133950A (ja) | 2014-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4902545B2 (ja) | 導電性複合繊維及びその製造方法 | |
US6413634B1 (en) | Electrically-conductive composite fiber | |
JP4902652B2 (ja) | 導電性芯鞘型複合繊維及びその製造方法 | |
JP7332693B2 (ja) | 導電性複合繊維およびそれを用いた繊維構造物 | |
JP2005054277A (ja) | 繊維および布帛 | |
JP6118561B2 (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP4393689B2 (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP2004225214A (ja) | 導電性複合繊維 | |
JPH05263318A (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP7535284B2 (ja) | 導電性複合繊維、およびその製造方法 | |
JP2004044071A (ja) | 導電性複合繊維及び導電性織編物 | |
JP5504048B2 (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP2005002535A (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP3958227B2 (ja) | 混繊糸 | |
JP7107226B2 (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP6420141B2 (ja) | 導電性糸条およびその製造方法 | |
JP2015007297A (ja) | 制電性に優れたポリエステル繊維およびその織編物 | |
JP6231858B2 (ja) | 極細導電性複合繊維及びその製造方法 | |
JP2003278031A (ja) | 高耐久性導電性繊維 | |
JP2001049532A (ja) | 導電性複合繊維 | |
JP2007224447A (ja) | 導電性複合繊維およびその製造方法 | |
JP2023153257A (ja) | 芯鞘型ポリエステル複合繊維、及びその製造方法 | |
JP2007284847A (ja) | 導電性ポリエステル繊維 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151228 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161129 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170307 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170327 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6118561 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |