JP2813368B2 - 制電性複合繊維 - Google Patents

制電性複合繊維

Info

Publication number
JP2813368B2
JP2813368B2 JP1125160A JP12516089A JP2813368B2 JP 2813368 B2 JP2813368 B2 JP 2813368B2 JP 1125160 A JP1125160 A JP 1125160A JP 12516089 A JP12516089 A JP 12516089A JP 2813368 B2 JP2813368 B2 JP 2813368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antistatic
fiber
polymer
weight
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1125160A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02307914A (ja
Inventor
正夫 河本
和彦 田中
義輝 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP1125160A priority Critical patent/JP2813368B2/ja
Publication of JPH02307914A publication Critical patent/JPH02307914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2813368B2 publication Critical patent/JP2813368B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Multicomponent Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は制電性繊維に関するものであり、更に詳しく
は極性を示す金属塩を含有した制電性ポリアミド層と繊
維形成性ポリマーからなる保護ポリマー層とが複合され
てなる、優れた制電性能を有する複合繊維であり、実着
用を繰り返えしても半永久的に制電性能が保持されてい
ることを特徴とする制電性複合繊維に関するものであ
る。
(従来の技術) ポリエステル繊維に代表される合成繊維は、機械的強
度、耐久性、機能性等の諸特性の面で天然繊維に比して
著しく優れているが、他方ポリエステル繊維特有の性質
として電気抵抗が著しく高く静電気が発生し易いという
致命的な欠陥を有している。
この静電気発生を防止するべく、これまで種々の手段
が提案されているが何れも一長一短であり、製糸コス
ト、制電性及びその持続性、繊維性能等の面で全てを満
足するまでには至つていないのが現状である。最も簡単
な手段としては帯電防止剤を繊維表面に塗布または付与
することが挙げられるが、この場合染色工程あるいは度
重なる洗濯によつて帯電防止剤が消失し易く、永続的な
静電効果は期待し難い欠点があつた。
静電効果の永続性を得ようとして、帯電防止剤をポリ
マー中に練込む方法も検討されてきた。これについては
古くは特公昭39−5214号にみられる如くポリオキシアル
キレングリコールを繊維中に均一に混入したり、特公昭
46−22200、特公昭47−10246号にみられる如く、ポリオ
キシアルキレングリコールとアルキルスルホン酸ソーダ
を併用し混入させる等の方法が知られている。これらの
方法では、比較的多量の帯電防止剤の量が必要であった
り、また、繊維自身の機械的性質の劣化や染色物の染色
堅牢性が低下してくる問題があつた。更に、通常使用さ
れる帯電防止剤は必然的に水との親和性が強いため、精
錬、染色或いは選択といつた水との接触機会が多い織編
物にあつては繊維内部の帯電防止剤が溶出脱落し、制電
性自身も急激に低下する。このため、実際にはこの脱落
分を見越した量、すなわち更に多量の帯電防止剤を使用
せざるを得なくなり、これに伴い繊維物質は更に低下し
てしまう問題があった。
これに対して、繊維物性の低下を防止する手段とし
て、芯鞘複合糸を得る方法がある。この方法においては
少なくも2種以上のポリマーを使用し、その際鞘成分は
ホモポリマー、芯成分は多量の帯電防止剤を含む同種ま
たは異種のポリマー、或はカーボン、金属等の導電性物
質を相当量含むポリマーないしは高度に化学的に変性さ
れたポリマーで構成される。この種の繊維においては帯
電防止剤の使用量を減量させても優れた制電効果が得ら
れると共に機械的特性、染色性にも影響は見受けられな
いがその反面、製糸コスト上コスト上昇が著しいものが
多く、商業ベースでの採算性がとりにくいことがある。
ポリエステル繊維に代表される合成繊維の出現以来そ
の帯電防止剤として塗布法、練込法、複合紡糸といつた
ものが多数提案されているにもかかわらず、実用的なレ
ベルの制電効果、更にはその永続性、機械的特性、染色
性、製糸コストといつた諸々の要件を同時に満足するま
でには至つていなかつた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、合成繊維に対して優れた制電性能を付与
し、かつ優れた実着用耐久性を付与させ、しかも繊維化
工程性のトラブルがなく、得るために鋭意検討した結
果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明
は、上記繊維を得るためにはいかなる物を用い、いかな
る構成、条件としたらよいかという点を究明したもので
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明の骨子とするところは、チオシアン酸の周期律
第I族または第II族の金属塩を0.1〜15重量%、水溶性
有機化合物又は水溶性高分子化合物を0.1〜15重量%含
有する熱可塑性ポリアミドからなる制電性ポリマー層
(A)と、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる保護ポ
リマー層(B)とが複合されてなり、且つ少なくとも保
護ポリマー層(B)が繊維表面周長の60%以上を占有
し、繊維全体重量の20重量%以上、90重量%以下を形成
していることを特徴とする制電性複合繊維である。
本発明で重要な点は、制電性ポリマー層(A)中にチ
オシアン酸の周期律第I族または第II族の金属塩を0.1
〜15重量%含有せしめることである。該金属塩の具体的
な化合物としては、チオシアン酸カリウム、チオシアン
酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム等である。上記金
属塩を含有させることにより、長期にわたる実着用を経
てもすぐれた制電性能が維持されていることが本発明に
より初めて明らかとなつた。
更に、もう一つ重要な要件は制電性ポリマー層に用い
る樹脂としてポリアミドを使用することが不可欠であ
る。本発明に用いるポリアミド系樹脂としては、アミド
結合を繰返し縮重合したもので、具体的にはナイロン1
2、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンエ
ラストマー等が挙げられる。なぜポリアミド系が顕著な
効果があるかについては、現時点では明確にはわかつて
いないが、ポリアミドはある種の金属塩をポリマー中に
溶解分散させるためその結果一種のイオン伝導機構が発
現し制電性が得られてくると考えられる。
ポリアミド系樹脂を用い、チオシアン酸の周期律第I
族または第II族の金属塩を分散させることと同時に、も
う一つ重要な条件は、ポリアミド中へのチオシアン酸の
周期律第I族または第II族の金属塩の溶解分散を助ける
助剤として適当な水溶性有機化合物及び水溶性高分子化
合物を添加することである。例えば、グリセリン、ポリ
グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアル
コール、各種ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコール共重合体、水溶性変性ナイロン等があるが、
紡糸時の耐熱性があり、かつ電気伝導性のできるだけ良
いものが好ましいことは言うまでもない。
上記の要件が満たされた糸で、始めて優れた制電性能
が発現することが初めて見出された。なぜこのような性
能が発現するのかの点については、現時点では明確に解
明されていないが、おそらくポリアミド中で分散されて
存在している水溶性化合物の助けをかりて、チオシアン
酸の周期律第I族または第II族の金属塩が溶解分散しあ
る種のイオン解離的な現象が発生し、ポリマー全体がイ
オン伝導性を発現してくるために制電性が出てくるもの
と思われる。その結果として、静電気が発生しにくい能
力を有するようになると推定される。またエーテル結合
をポリマー中に有したポリアミドエラストマーを樹脂と
して用いると、一段と性能が向上する傾向が認められる
ことが明らかとなつており、このこともイオン解離した
金属イオンがエーテル結合への吸引力がより起り、結果
としてイオン伝導性が発生してくる上記のメカニズムが
ある程度正しいことの裏づけであろう。
また、本発明は後でくわしく説明するが、保護ポリマ
ー層と複合繊維構造を形成させることにより、長時間の
実着用をつづけても全く制電性能が低下しないことが大
きな特徴である。通常制電性繊維は作業服等に用いられ
る場合もあるが、長期間使用している過程で、過酷な曲
げ、引張り、屈曲、摩耗等の繰返えしと同時に洗濯も繰
返えし行なわれ、その結果として必然的に制電性繊維の
制電性能を有する部分の性能低下が進み布帛しての制電
性能が低下してこざるを得なかつた。しかるに、本発明
の如く、水溶性有機化合物又は、水溶性高分子化合物を
含有するポリアミド層へ、チオシアン酸の周期律第I族
または第II族の金属塩を介在させることにより、長時間
の実着用をしても布帛の制電性能があまり低下しないこ
とを見出した。つまり、水溶性有機化合物又は水溶性高
分子化合物とチオシアン酸の周期律第I族または第II族
の金属塩ポリアミド樹脂の組合せにより初めて本発明が
見い出されたわけであり、この3者のうちのどの成分が
欠けても、本発明繊維のすぐれた着用耐久性を有する制
電性能は発現しない。
チオシアン酸の周期律第I族または第II族の金属塩の
適切な含有量は0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量
%である。含有が0.1重量%より少ない場合は、金属塩
による十分なイオン伝導性が発揮されてこないため、好
ましい効果が認められない。一方、15重量%を越える場
合には、イオン伝導性の効果が飽和状態となり特に顕著
な効果が発現しなくなると共に繊維化工程性が悪化し、
断糸、単糸切れが頻発してくるので好ましくない。ま
た、繊維物性、特に繊維強度が低下してくる点からも15
重量%以上含有させることは避ける必要がある。後で更
に詳しく述べるが、保護層ポリマーにより繊維化工程
性、繊維物性低下をある程度はカバーできるが、完全な
カバーは難しい。
また、用いるチオシアン酸の周期律第I族または第II
族の金属塩、ポリアミド樹脂も十分な耐熱性の毒性がな
いものを選ぶ必要があることは言うまでもない。特に保
護層ポリマーをポリエチレンテレフタレートを用いて複
合繊維を得る場合には、紡糸温度が300℃近い高温で繊
維化するため、耐熱性が不良なものは、紡糸時に分解等
のトラブルが発生するため好ましくない。
また、水溶性有機化合物又は水溶性高分子化合物は0.
1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。含有量
が0.1重量%より少ない場合は、金属塩の電離を十分に
進めることが不十分になるとともに、イオンの水溶性物
質相の移動を助ける働きが十分でなくなつてしまい、目
標とする性能が発揮されてこない。一方、15重量%を越
える場合は、制電性能としての効果が飽和状態になり特
に顕著な効果が発現しなくなると共に、繊維化工程性が
悪化し、断糸、単糸切れが頻発してくるので好ましくな
い。
チオシアン酸の周期律第I族または第II族の金属塩と
水溶性有機化合物又は水溶性高分子化合物が練込まれた
樹脂は、たとえマトリックスとなる樹脂が充分な繊維形
成性を有していたとしても、紡糸糸および延伸性が不良
で、単独での繊維化は難しく、保護層ポリマーとの複合
化により繊維化工程性及び繊維物性の維持を行なうのが
好適である。特に、制電性能を有するポリマー成分(A
成分)にポリアミドエラストマー樹脂を用いる場合に
は、複合化による繊維化工程性向上の効果は顕著であ
る。制電性ポリマー成分(A成分)が繊維重量の80重量
%以上を越えると紡糸時の曳糸性が著しく低下してしま
い、紡糸断糸、延伸断糸が頻発して好ましくない。従っ
て保護ポリマー層成分は繊維重量の20重量%以上、更に
好ましくは30重量%以上占有していることが好ましい。
また、制電性の見地からは制電性ポリマー層が繊維表
面へ露出している方が望ましいわけであるが、あまり露
出面積が多すぎると繊維製造工程中および化工工程中あ
るいは実着用中における変質劣化、練込物質の脱落等が
制電ポリマー層に発生し、本発明の重要な目的である、
長期間による実着用を続けてもすぐれた性電性能を維持
させることが不可能になつてしまう。以上の点から繊維
表面周長の60%以上保護ポリマー層が占有することが望
ましい。
具体的な制電層と保護層との複合形状は任意である
が、例えば第1図〜第8図のようなものが挙げられる。
保護ポリマー層成分(B)のポリマーとしては、融点
150℃以上の繊維形成性良好なポリマーであればどれで
も良い。しかしながらB成分は本発明繊維の繊維化の際
の良好な工程性を維持するための重要な役割を担つてい
るため、曳糸性の劣るポリマーは基本的には本発明の目
的には不適切である。好ましくは、ポリエチレンテレフ
タレート又はポリブチレンテレフタレートを主成分とす
るポリエステルか、ナイロン6又はナイロン66又はナイ
ロン12又はメタキシレンジアミンナイロンを主成分とす
るポリアミドであることが望ましい。ポリエステルとし
ては、例えばテレフタール酸、イソフタール酸、ナフタ
リン2,6−ジカルボン酸、フタール酸、α,β−(4−
カルボキシフエノキシ)エタン、4,4′−ジカルボキシ
ジフエニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル類と
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどのジオール化合物とか
ら合成される繊維形成ポリエステルであり、構成単位の
80モル%以上が、特には90モル%以上がポリエチレンテ
レフタレート単位又はポリブチレンテレフタレート単位
であるポリエステルが好ましい。またポリエステル中に
は、小量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤あるいは紫外線
吸収剤などを含んでいても良い。
またポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン12、メタキシレンジアミンナイロンを主成分と
するポリアミドであり、小量の第3成分を含むポリアミ
ドでも良い。これらに小量の添加剤、蛍光増白剤、安定
剤等を含んでいても良い。
また、繊維化の手段としては500〜2500m/分の速度で
通常の紡糸をしその後延伸熱処理する方式で製造しても
良いし、1500〜5000m/分の速度で紡糸し、延伸、仮撚加
工を続いて行なう方法でも良いし、さらにまた5000m/分
以上の高速で紡糸し、用途によつては延伸工程を省略す
る方法等の任意の製糸条件が採用される。
本発明において“繊維”なる語はフイラメント、短繊
維或いはこれらの糸条物の撚糸、加工糸、紡績糸更には
それらを含む織編物、不織布等の繊維製品を指称する。
このようにして得られた本発明の繊維は優れた制電性
能を有することから、たとえばポリエステル綿混紡製品
のようにそのままでは帯電するものに0.01〜10重量%混
合することによつて効果的に除電し静電気によるトラブ
ルのないものとする。とくに、長時間の使用や繰返し洗
濯などを経てもその制電性能が低下しないので、作業服
や防塵衣あるいは学生服など耐久性のある制電性が強く
要求される分野において極めて有用性が高く、さらに種
々の用途たとえば外とう、フオーマル、ユニフオーム、
カーペツト、テープマツト、インテリア、カーテン等の
展開が可能である。
以下に実施例によつて本発明を詳述するが、これによ
つて本発明はなんら限定されるものではない。
実施例中の制電性能の評価を以下の如く実施した。摩
擦帯電圧を回転ドラム式摩擦帯電量測定装置にて実施し
た。
装 置;京大化研式ロータリースタチツクテスタ ー 摩擦布 ;木綿 測定条件;22℃、30%RHの低温度下で測定 ドラム回転数 400rpm 帯電平衡時間 1分間 接圧荷重 600g 測定試料;1/1の平織物(タフタ)をJISの規格によ
り洗濯10回処理したもの 上記方法で摩擦帯電圧を測定した場合、ナイロン6オ
ールタフタで約7500〜8000V、ポリエチレンテレフタレ
ートオールタフタで約5500〜6000V、木綿ブロードで約3
000〜3500V、レーヨンで約1000〜1500Vのレベルであつ
た。尚、制電効果と摩擦帯電圧との関係については、摩
擦帯電圧が約2000V以下、好ましくは1000V以下であれば
制電効果があると判断できる。
〔実施例1〕 制電層ポリマー成分(A成分)として、チオシアン酸
カリウム(KSCN)3重量%、平均4量体のポリグリセリ
ン3重量%、更にヒンダートフエノール系酸化防止剤、
チバガイギー社イルガノツクス1010を0.2重量%をナイ
ロン6中へ練込んだポリマーを二軸混練押出機により作
成した。保護層ポリマー成分(B成分)としては、ポリ
エチレンテレフタレートを用い、A成分とB成分を押出
機により別々に溶融押出し、それぞれ別々にギヤポンプ
にて計量し、複合比率50/50で第1図の如くA成分を
鞘、B成分を芯とする芯鞘型断面で複合紡糸し、紡糸速
度1000m/分で捲取つた。その後、通常の条件で延伸、熱
処理を実施し、50デニール、24フイラメントのマルチフ
イラメントを得た。繊維化工程性は良好で問題なかつ
た。
得られた繊維については、タテ糸、ヨコ糸ともに得ら
れた繊維による1/1の平織物を作成した。つづいて、通
常のポリエステル織物の条件で染色加工仕上げを行なつ
た。染色条件は以下に示す条件で実施した。
織物の実着用前の摩擦帯電圧は550Vであつた。実際に
アウター衣料として約2年間実着用し、その間約500回
繰返し洗濯を行なつた後の性能は、摩擦帯電圧600Vで性
能がほとんど低下していないことがわかつた。
〔実施例2,3〕 制電性ポリマー成分に添加する金属塩として実施例2
はチオシアン酸ナトリウム(NaSCN)、実施例3はチオ
シアン酸リチウム(LiSCN)を用い、他は実施例1と同
様にして実施した。いずれも工程及び制電性能耐久性も
良好であつた。
〔実施例4,5〕 制電層ポリマー成分に添加する水溶性化合物として、
実施例4はグリセリン、実施例5はプロピレンオキシド
とエチレンオキシド25対75の分子量約4000のランダム共
重合体を用い、他は実施例1と同様にして実施した。い
ずれも工程性及び制電性能耐久性も良好であつた。
〔実施例6,7〕 実施例6は、チオシアン酸カリウムを0.5%、実施例
7はチオシアン酸カリウムを8.0%添加し、他の条件は
実施例1と同一の条件で実施した。いずれも工程性及び
制電性能耐久性も良好であつた。
〔実施例8,9〕 実施例8は、ポリグリセリンを0.5%、実施例9はポ
リグリセリンを8.0%添加し、他の条件は実施例1と同
一の条件で実施した。いずれも工程性及び制電性能耐久
性も良好であつた。
〔実施例10〜12〕 A成分とB成分の複合比率を実施例10は15対85、実施
例11は70対30、実施例12は30対70で実施し、他の条件は
実施例1と同一の条件で実施した。いずれも工程性及び
制電性能耐久性も良好であつた。
〔実施例13〜15〕 複合形4成を変更し、実施例13は第2図で示した3芯
芯鞘複合、実施例14は第3図で示した4芯芯鞘複合、実
施例15は第4図で示した3層芯鞘複合形状で実施し、他
は実施例1と同一の条件で実施した。いずれも繊維化工
程性良好で、しかも制電性能耐久性も良好であつた。
〔実施例16〜18〕 B成分ポリマーとしてナイロン6を用い、実施例16は
複合形状が第1図で示した芯鞘複合、実施例17は第7図
で示した複合形状、実施例18は第8図で示した複合形状
で実施し、他の条件は第1表に示す条件で繊維化し、そ
の後織物を作成し、以下の条件で染色加工を実施した。
いずれも繊維化工程性良好で、しかも制電性能耐久性も
良好であつた。
染色後のサンプルは常法により処理を実施した。
〔実施例19〜21〕 実施例19は、A成分ポリマーとしてナイロン66を用
い、実施例20はナイロン12を用い、実施例21はソフトセ
グメントのポリエーテルが約30重量%、ハードセグメン
トのナイロン6が70重量%であるポリエーテルアミド型
エラストマーを用い、他は実施例1と同一の条件で実施
した。いずれも繊維化工程性良好で、しかも制電性能耐
久性も良好であつた。
〔実施例22〕 B成分ポリマーとしてポリブチレンテレフタレートを
用い、他は実施例1と同一の条件で実施した。繊維化工
程性良好で、制電性能も良好なレベルであつた。
〔実施例23〕 実施例1と同一条件により紡糸を実施し、その後水浴
延伸、捲縮処理を行ない1.5デニールの38ミリのステー
プルを採取した。その後該ステープル35%、木綿65%の
混率で常法により紡績糸を採取し、その後常法によりタ
フタ織物を作成し制電性能を測した。摩擦帯電圧が約12
00Vで制電性能としてはまずまずのレベルであつた。
〔比較例1,2〕 比較例1は、チオシアン酸カリウムを0.01%添加し、
他は実施例1と同一の条件で、比較例2はポリグリセリ
ンを0.01%添加し、他は実施例1と同様の条件で実施し
た。いずれも制電性能としては不十分なレベルであつ
た。
〔比較例3〕 制電ポリマー成分へチオシアン酸カリウムを20%添加
して実施したが、紡糸時のフイルター詰り発生及び断
糸、単糸切れが激しく良好な繊維を得ることができなか
つた。
〔比較例4〕 制電ポリマー成分へポリグリセリンを20%添加して実
施したが、紡糸時のビス落ちによる断糸及び単糸切れ発
生が多く、良好なる繊維を得ることができなかつた。
〔比較例5〕 A成分とB成分の複合比率を5/95で実施した。しかし
ながら制電性能は不十分なレベルであつた。
〔比較例6〕 A成分とB成分の複合比率を85/15で実施した。しか
しながら紡糸性、延伸性が不良であつた。
〔比較例7,8〕 A成分ポリマーとして比較例7はポリエチレン、比較
例8はポリエチレンテレフタレートを用い、他の条件は
実施例1と同じ条件でおこなつた。いずれも制電性能と
しては著しく劣る結果が得られた。
(本発明の効果) 以上、本発明は特定の極性を示す金属塩と、特定の水
溶性有機化合物又は水溶性高分子化合物を所定量含有し
たポリアミドと繊維形成性熱可塑性ポリマーとを、所定
の条件を満足する方法で複合紡糸し、実着用を長期間実
施した後でも優れた制電性能を有している制電性繊維を
提供することにある。
【図面の簡単な説明】 第1図〜第8図は、本発明繊維の典型的な複合形状のモ
デル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−174469(JP,A) 特開 昭56−154517(JP,A) 特開 昭59−211622(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/12 D01F 8/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チオシアン酸の周期律第I族または第II族
    の金属塩を0.1〜15重量%、水溶性有機化合物又は水溶
    性高分子化合物を0.1〜15重量%含有する熱可塑性ポリ
    アミドからなる制電性ポリマー層(A)と、繊維形成性
    熱可塑性ポリマーからなる保護ポリマー層(B)とが複
    合されてなり、且つ少なくとも保護ポリマー層(B)が
    繊維表面周長の60%以上を占有し、繊維全体重量の20重
    量%以上、90重量%以下を形成していることを特徴とす
    る制電性能を有する複合繊維。
JP1125160A 1989-05-17 1989-05-17 制電性複合繊維 Expired - Fee Related JP2813368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1125160A JP2813368B2 (ja) 1989-05-17 1989-05-17 制電性複合繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1125160A JP2813368B2 (ja) 1989-05-17 1989-05-17 制電性複合繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02307914A JPH02307914A (ja) 1990-12-21
JP2813368B2 true JP2813368B2 (ja) 1998-10-22

Family

ID=14903363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1125160A Expired - Fee Related JP2813368B2 (ja) 1989-05-17 1989-05-17 制電性複合繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2813368B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102031588B (zh) * 2009-09-29 2013-05-01 北京中纺优丝特种纤维科技有限公司 一种耐久性炭黑型导电纤维及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56154517A (en) * 1980-04-25 1981-11-30 Kanebo Synthetic Fibers Ltd Antistatic composite fiber and its preparation
JPS59211622A (ja) * 1983-05-13 1984-11-30 Asahi Chem Ind Co Ltd 制電性ポリエステル系複合繊維
JPS61174469A (ja) * 1985-01-28 1986-08-06 カネボウ株式会社 導電性複合繊維の製造法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102031588B (zh) * 2009-09-29 2013-05-01 北京中纺优丝特种纤维科技有限公司 一种耐久性炭黑型导电纤维及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02307914A (ja) 1990-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4902545B2 (ja) 導電性複合繊維及びその製造方法
TW517105B (en) Core-sheath compound conductive fiber
JPWO2002075030A1 (ja) 繊維複合体及びその用途
EP0038429B2 (en) Antistatic polyester fibers
JP5302112B2 (ja) 耐湿熱性導電ミシン糸及び織編物
JP2813368B2 (ja) 制電性複合繊維
JP2856797B2 (ja) 制電性複合繊維
JP2004044071A (ja) 導電性複合繊維及び導電性織編物
JP2004204395A (ja) 導電性混繊糸および布帛
JPS6350446B2 (ja)
JP2801386B2 (ja) 導電性繊維
JPH01280042A (ja) 制電性ワイピング用素材
JPS6240444B2 (ja)
JPH09268402A (ja) ポリエステル肌着
JP7340183B1 (ja) 芯鞘型ポリエステル複合繊維、及びその製造方法
JP2018193648A (ja) ポリアミド系導電性複合繊維
JP3210787B2 (ja) 導電性混繊糸
JP6231858B2 (ja) 極細導電性複合繊維及びその製造方法
JP2856798B2 (ja) 導電性繊維
JPS593574B2 (ja) 導電性混繊糸の製造法
JPH11222730A (ja) ポリエステル系制電性複合繊維
JP6420141B2 (ja) 導電性糸条およびその製造方法
JP2022109879A (ja) 導電繊維およびそれを用いた被服
JP2023051895A (ja) 制電性海島繊維
JP2016194170A (ja) 芯鞘型複合繊維

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees