JP4872688B2 - 導電糸 - Google Patents
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Description
粒子径(比表面積)、ストラクチャー、表面性状(粒子表面の化学的性質)の制御範囲が広いファーネスブラックが特に好ましい。該導電性カーボンブラックの導電性能は、比抵抗値として低いほど好ましく、5.0×103Ω・cm以下のものであることがより好ましく、1.0×10−6〜5.0×102Ω・cmであることがさらに好ましい。また、本発明の繊維に含有させた場合に、繊維の力学特性を損ねることなく、導電回路としてのストラクチャーを形成させるために、該導電性カーボンブラックの一次粒子の平均粒径を1〜100nmの範囲とすることが好ましく、またストラクチャーのジブチルフタレート吸収量が30〜600cm3/100gの範囲のものが好ましく、35〜400cm3/100gのものがより好ましい。該ジブチルフタレート吸収量は、ストラクチャーが大きく発達するほど高くなり、600cm3/100gを超えると導電性は向上するが、導電層の流動性が悪化して曳糸性が低下する。また、カーボンブラック表面の官能基はカーボンブラック製造過程での雰囲気に由来し、例えば水素量は製造時の温度と時間に関係する。本発明に用いるファーネスブラックの水素量は、0.1〜0.4%であることが好ましい。表面の官能基を同定あるいは定量するためには、揮発分組成や揮発分量、pHなどを調べることで可能である。
また、熱処理温度を制御することによってもカーボンストラクチャーを制御することができる。熱処理温度を高くする、もしくは熱処理時間を長くすることにより、導電層におけるポリエステル成分の結晶化を促進させ、結晶部からのカーボンブラックの排除によりストラクチャーの局在化および高密度化が進み、導電性が向上する。熱処理方法は特に制限されるものではないが、延伸時のホットロールや熱板、仮撚での1stヒーター及び2ndヒーター、未延伸糸や延伸糸のパッケージを乾燥機にてエージングする方法、ブラシや布帛にしてから熱処理してもよい。
弾性回復性を高めるためにPTTやPBTを主体とする繊維形成性ポリエステルが最も好ましい。
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、WATERS社製GPC−244を用いて測定した。測定条件は、カラムとしてShodex HFIP 806M(内径8.0mm/長さ30cm、カラム2本)、溶媒としてとしてヘキサフルオロイソプロパノールを用い、温度23℃、流量0.5ml/分で実施した。標準試料としてポリマーラボラトリー社製PMMA(ポリメチルメタクリレート)を用いて検量線を作成し測定した。さらに分散度Mw/Mnを求めた。なお、導電層中のポリマーの平均分子量Mw及びMnを測定する場合には、予めカーボンブラックとポリマーを分離する必要がある。その場合、導電層の試料を一旦オルソクロロフェノール(以下、OCPと記載。溶解温度は溶解状態により常温〜160℃で実施)に溶かし、遠心分離機(通常6,000〜30,000rpm)にてカーボンブラックを取り除いた後、OCPを揮発させることで試料を得ることができる。
B.溶融粘度
(株)東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、窒素雰囲気下、バレル径9.55mm、ノズル長40mm,ノズル内径1mmで、ポリマー押出ピストン速度1mm/分(剪断速度12.16(1/秒))あるいは100mm/分(剪断速度1216(1/秒))で、サンプル充填直後から5分経過したのち測定した。3回測定した値の平均値を各剪断速度での溶融粘度とした。
C.融点
Perkin elmer社製DSC−7を用いて2nd runで結晶融解のピーク温度を融点として測定した。この時、試料重量を約10mg、昇温速度を10℃/分とした。なお、導電層と非導電層とが複合された繊維の場合は、それぞれの層を分離する必要がある。非導電層の融点を測定する場合には、繊維を表面エッチング(例えばアルカリ溶液による溶解)して導電層を取り除くことで、非導電層のみ取り出すことができる。また、導電層の融点を測定する場合には、OCPを用いて繊維表層の導電層のみを溶解し、溶解後のOCP溶液を揮発させることで導電層のみを取り出すことができる。
D.繊度および単繊維繊度
糸を長さ100m分カセ取りし、そのカセ取りした試料の重量(g)に100を掛けて求める。3回測定した値の平均値をその糸の繊度(dtex)とし、繊度を構成フィラメント数で割った値を単繊維繊度(dtex)とした。
E.強度、残留伸度、強伸度積
JIS L1013(1992年)「化学繊維フィラメント糸試験方法」に準じ、オリエンテック社製テンシロン引張試験機(TENSILON UCT−100)を用い、未延伸糸であればつかみ間隔50mm、引張速度400mm/分で、導電糸であればつかみ間隔200mm、引張速度200mm/分で荷重−伸長曲線(以下、「S−Sカーブ」と記載)を求めた。S−Sカーブの最大点張力を繊度で割り返した値を強度T(単位:cN/dtex)、最大点張力を示したときの伸びを初期試料長で割り返した値を残留伸度E(単位:%)とし、5回測定した平均値を測定値とした。また、強伸度積は、前記強度Tおよび残留伸度Eより、下式により求めた。
F.定張力伸長域伸度
上記D項の未延伸糸の測定で得られるS−Sカーブより、図1に示すように原点(a点)からネッキングが形成され(b点)一定張力で伸長する領域が完結する点(c点)が求められる。このc点までの伸びを初期試料長で割り返した値を定張力伸長域伸度(%)とした。
G.平均抵抗率P、平均抵抗率Pと標準偏差Qとの比ESR
中温中湿度(25℃湿度65%)で少なくとも1時間保持した試料を、送糸ローラーと巻取ローラーからなる1対の鏡面ローラー間にて、東亜DKK製絶縁抵抗計SM−8220に接続された2本の棒端子からなるプローブと接するように走行させる。棒端子の太さφ2mm、測定距離2.0cm、印加電圧100V、送糸速度60cm/分、ローラー間の糸張力0.05〜0.1cN/dtexの範囲となるようにして、絶縁抵抗計でのサンプリングレート5Hzで120cmの長さ分を測定し、得られた値の平均抵抗値(Ω)を棒端子間で接する糸の距離(2.0cm)で割った値を平均抵抗率P(Ω/cm)とした。また同時に得られた全ての抵抗値の標準偏差Qを算出した後、PとQとの比ESR(ESR=Q/P)を算出した。
H.10%伸長後の弾性回復率
JIS L1013(1992年)「化学繊維フィラメント糸試験方法」に準じ、オリエンテック社製テンシロン引張試験機(TENSILON UCT−100)を用い、つかみ間隔200mm、引張速度200mm/分で10%伸長させ、直ちに同速度で除重し、記録したヒステリシスカーブから弾性回復率を求めた。
α:10%伸長時の伸び
β:応力が初荷重と等しくなった点までの回復伸び
I.沸騰水収縮率
検尺機を用いて初荷重:(0.088×繊度(dtex))cNで、カセ長50cm、巻き数10回のカセを作り、規定の荷重を掛けた状態で試料長L1を測る。これを実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中15分間処理し、1昼夜風乾した後、束の長さL2を測定して下式により沸騰水収縮率を算出した。なお、荷重は下式により求めたものを使用した。
荷重(cN)=(繊度(dtex)/1.111)×0.1×0.9807×巻取回数×2
J.CR値
捲縮糸をカセ長50cm、巻き数10回でカセ取りし、実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中で15分間処理し、24時間風乾した。このサンプルに0.088cN/dtex(0.1gf/d)相当の荷重をかけ水中に浸漬し、2分後のかせ長L3を測定した。次に、水中で0.088cN/dtex相当のカセを除き0.0018cN/dtex(2mgf/d)相当の微荷重に交換し、2分後のかせ長L4を測定した。そして下式によりCR値を計算した。
K.カーボンブラックの平均粒径
繊維または樹脂をエポキシ樹脂中に包埋したブロックに、酸化ルテニウム溶液を用いて染色し、ウルトラミクロトームにて切削して60nm〜100nmの厚さの超薄切片を作製する。この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)観察装置(日立製作所製H−7100FA型)にて、加速電圧75kV、倍率2万〜10万倍の任意の倍率で観察し、得られた写真を白黒にデジタル化した。コンピュータソフトウェアの三谷商事社製WinROOF(バージョン2.3)において、黒で見えるカーボンブラックを画像解析することによって平均粒径を確認した。平均粒径は写真上に存在する全てのカーボンブラックの面積を計算し、該面積値から略円形と判断して計算したカーボンブラックの直径の平均値によって算出した。
L.ジブチルフタレート吸収量の測定
JIS K6217−4:2001の「DBP吸収量の求め方」に準じ、アブソープトメータを用いて測定した。
M.導電層の平均厚さ、芯鞘複合比率、繊維横断面における周長に対する導電層の露出長の比率
繊維をエポキシ樹脂中に包埋したブロックを作製し、ミクロトームにて繊維軸方向に垂直な繊維横断面方向に切削して薄切片をつくる。これを光学顕微鏡200倍で透過光にて観察・撮影し、得られた繊維横断面写真を、前述の三谷商事株式会社製WinROOFにて画像解析することで、導電層の厚さを求めた。なお、導電層の平均厚さは任意の5点について計測し、その平均値を求めた。また、芯鞘複合比率は導電層と非導電層の面積から比率を算出した。繊維横断面における周長に対する導電層の露出長の比率は、繊維横断面における周長と導電層の露出長を計測して比率を算出した。なお、導電層の露出長の比率は、任意の5つの繊維断面について計測し、その平均値を求めた。
N.単繊維直径の測定
FEI Company社製 走査型電子顕微鏡(SEM) STRATA DB235を用いて、加速電圧2kVで、白金−パラジウム蒸着(蒸着膜圧:25〜50オングストローム)処理を行った後、繊維外径が全て視野に入る倍率(単繊維直径が25μm〜50μmであれば5千倍、15μm〜25μmであれば1万倍、5μm〜15μmであれば2万倍)で確認した。なおこの際、単繊維直径は少なくとも該測定を同一繊維において3cm以上の間隔をおいた任意の5点について観察、測定して得た平均値を単繊維直径とする。
O.紡糸性
総巻取量40kgにおいての紡糸性を、以下に示す基準で評価した。
△:2〜4回
×:5回以上
P.画像評価方法
導電糸をブラシ加工し、清掃装置に組み込んで配設したモノクロレーザープリンターにて、長時間連続印刷を行った。初期および2万枚印刷後の画像評価を以下に示す基準で評価した。
(1)初期性能評価
○:鮮明均一な画像が得られる。
(2)繰り返し(2万枚)画像評価
○:初期と同様な鮮明均一な画像が得られる。
重量平均分子量Mwが120,000、分散度Mw/Mnが3.6、融点(Tm)224℃のPBTペレットを150℃で10時間真空乾燥した後、窒素雰囲気下で粉粒体とし、カーボンブラックとしてキャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製ファーネスブラック(タイプVULCAN XC72、比抵抗値0.45(Ω・cm)、平均粒径31nm、ジブチルフタレート吸収量177cm3/100g、以下「FCB」と記載)を窒素雰囲気下で粉体同士を混ぜ合わせた。続いて東芝機械(株)製2軸エクストルーダTEM35B(軸長L:1440mm、軸径D:37mm、L/D:38.9)にて軸回転数:300rpm、混練温度C1〜C4およびH:250℃、吐出量:20kg/hr、ベント:約5Torrにて溶融混練した。ここで、FCBの濃度は混練終了後に得られるPBT/FCB混練物に対して25重量%となるように調製した。混練した後、吐出されたガット状の樹脂組成物を15℃の水道水で冷却した後、カッターで切断して導電層用のペレット(以下、「PBT−CB」と記載)を得た。該ペレットの溶融粘度を測定したところ、1650(Pa・秒)(測定温度260℃、12.16(1/秒))であった。ペレタイズ前のガットの比抵抗値を測定したところ42(Ω・cm)であった。
カーボンブラックの含有量を17重量%および35重量%にした以外は、実施例1と同様の方法で評価し、実施例2および実施例3の延伸糸を得た。実施例2の平均抵抗率Pは1×1011Ω/cmであり、実施例1に比べて除電性能がやや劣るものであったが、実用上問題ないレベルであった。実施例3の平均抵抗率は1.8×103Ω/cmであり、高い導電性能を示し、実施例1よりも初期の画像評価は高いものであった。
カーボンブラックの含有量を13重量%にした以外は、実施例1と同様の方法で評価し、比較例1の導電糸を得た。比較例1の平均抵抗率は3.7×1013Ω/cmであり、平均抵抗率が高すぎて除電性能を得ることができなかった。
導電層のマトリックスポリマーとして重量平均分子量Mwが75,000、285,000、450,000のPBTを各々用いた以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例4、実施例5および実施例6の導電糸を得た。実施例4、実施例5および実施例6のいずれの導電糸も導電性、10%伸長後の弾性回復性に優れており、優れた除電性能を有していた。
導電層のマトリックスポリマーとして重量平均分子量Mwが45,000のPBTを用いた以外は実施例1と同様の方法で評価し、比較例2の導電糸を得た。比較例2の導電糸は平均抵抗率が4.6×106と優れているものの、ESR値が0.33と導電の均一性が悪く、初期から画像がやや不鮮明であった。さらに繰り返し画像評価後はスジ斑が発生し実用性の低いものであった。
非導電層として重量平均分子量67,000、分散度2.4のポリトリメチレンテレフタレート(融点228℃)を用いた以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例7を得た。実施例7は実施例1よりも繰り返し画像評価後の品位が優れていた。また、非導電層として共重合ポリエチレンテレフタレート(融点228℃)を用いた以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例8を得た。実施例8は実施例1と同様、優れた徐電性能を有していた。
芯鞘複合比率を70/30および80/20にした以外は、実施例8と同様の方法で評価し、実施例9および実施例10の導電糸を得た。実施例9は、導電層の平均厚さが1.3μm、平均抵抗率2.2×107Ω/cmであった。実施例9は実施例1と同様、初期の徐電性能は優れていたが、繰り返し画像評価後は若干品位が低下していた。実施例10は、導電層の平均厚さが0.84μm、平均抵抗率6.7×109Ω/cmであった。実施例10は、実施例1に比べて除電性能がやや劣るものであったが、実用上問題ないレベルであった。
非導電層を含まずに、導電層のみから構成される単独糸とし、単独紡糸に適した口金と紡糸機を用いて紡糸した以外は、実施例4と同様の方法で評価した。実施例11は平均抵抗率が2.6×105Ω/cm、強度は1.8cN/dtex、ESR値は0.27であった。これに伴い、実施例1よりは画像がやや不鮮明であったが、実用上問題ないレベルであった。また、実施例1に比べて強度および10%伸長後の弾性回復性が低いため、耐久性が低下し、印刷回数とともにトナー清掃性が低下した。
紡糸温度を290℃に変更した以外は実施例11と同様の方法で評価した。比較例3は紡糸、延伸時に糸切れが発生するとともに、得られた糸の強度も低く、強伸度積は10.8であった。また、ESRが0.49と高く、導電の均一性が実施例1対比、大幅に劣っていた。これに伴い、得られた画像は不鮮明であり、スジ斑が目立った。また、繰り返し画像評価後の品位低下が大きいものであった。
導電層に用いるカーボンブラックとして、電気化学工業(株)製アセチレンブラック、比抵抗値0.2(Ω・cm)、平均粒径40nm、ジブチルフタレート吸収量180cm3/100g)にした以外は、実施例1と同様の方法で評価した。得られた導電糸の平均抵抗率は8.8×103Ω/cm、ESRが0.05であり、導電性、導電の均一性ともに優れていた。また、実施例1と同様、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。
導電層に用いるカーボンブラックとして、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC、比抵抗値0.2(Ω・cm)、平均粒径38nm、ジブチルフタレート吸収量405cm3/100g)にした以外、実施例1と同様の方法で評価した。実施例13は曳糸性が低下して、糸切れが発生した。得られた導電糸の平均抵抗率は2.8×104Ω/cm、ESR値は0.26であり、異常放電跡は認められないが、画像がやや不鮮明であった。
繊維横断面における導電層の露出長の比率を25%として、これに適した口金を用いて紡糸した以外は、実施例1と同様の方法で評価した。得られた導電糸の断面は図5(c)に示すとおりであった。平均抵抗率は4.0×109Ω/cmであり、実施例1に比べて除電性能がやや劣るものの、実用上問題ないレベルであった。
繊維横断面における導電層の露出長の比率を55%として、これに適した口金を用いて紡糸した以外は、実施例1と同様の方法で評価した。得られた導電糸の断面は図5(d)に示すとおりであった。平均抵抗率は1.9×107Ω/cmであり、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性は実施例1よりは劣るものの、比較的良好であった。
実施例1で得られた未延伸糸を図4に示す仮撚機を用い、巻取糸パッケージ14から解舒された糸条15を糸道ガイド16〜18を用いて供給ローラー19に通し、供給ローラー19と延伸ローラー24との間で加工倍率1.8倍にて延伸した。なお、加工速度(延伸ローラー24の周速度)は500m/分とした。また、前記ローラー間にて、第1ヒーター20の温度160℃、糸道ガイド21を通した後の冷却板22の温度約30℃、3軸ツイスター23(11枚構成、糸の供給方向から数えて第1、第2、第11番目をセラミックディスク、その他をウレタンディスクで構成)にて延伸仮撚した。このときのD/Y比(ディスク周速度D/延伸ローラー周速度Y)は1.3とした。仮撚された糸を糸道ガイド25に通して巻き取り、繊度220dtex、72フィラメントの捲縮糸パッケージ26を得た。糸掛け性、工程通過性は良好であり、糸切れは発生しなかった。また得られた糸の導電層の平均厚さは約2.3μm、強度2.8cN/dtex、伸度34%、強伸度積16.3、沸騰水収縮率3%、10%伸長後の弾性回復率85%、捲縮特性を示す伸縮復元率(CR値)は32%であり、力学特性、弾性回復性、捲縮特性の全てにおいて良好な仮撚加工糸が得られた。また、糸長さ方向の平均抵抗率Pは1.8×105Ω/cm、ESRは0.05と、実施例1と同様に極めて均一性の高い導電糸であった。実施例16の仮撚加工糸からなる導電ブラシは、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず、実施例1よりも安定した性能を示した。
1’:B成分ホッパー
2:A成分押出混練機(エクストルーダー)
2’:B成分押出混練機(エクストルーダー)
3:計量ポンプ
4:紡糸ブロック
5:紡糸パック
6:口金
7:冷却装置
8:糸条
9:給油ガイド
10:交絡装置
11:第1ゴデットローラー
12:第2ゴデットローラー
13:巻取機
14:巻取糸パッケージ
15:糸条
16〜18:糸道ガイド
19:供給ローラー
20:第1ヒーター
21:糸道ガイド
22:冷却板
23:施撚体
24:延伸ローラー
25:糸道ガイド
26:捲縮糸パッケージ
A:非導電層
B:導電層
Claims (8)
- カーボンブラックを含有し、重量平均分子量Mwが75,000〜500,000、分散度Mw/Mnが1.5〜6であるポリブチレンテレフタレートからなる導電層が繊維表面の少なくとも一部を形成した繊維であって、該繊維およびそれからなるマルチフィラメントにおける糸長さ方向の平均抵抗率Pが103〜1011Ω/cm、糸長さ方向の平均抵抗率Pと、その抵抗率の標準偏差Qとの比ESR(ESR=Q/P)が、0.3以下であることを特徴とする導電糸。
- 10%伸長後の弾性回復率が50%以上であることを特徴とする請求項1記載の導電糸。
- T×E0.5で表される強伸度積が14〜28であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の導電糸。
- 鞘部が導電層であり、芯部が非導電層である芯鞘複合構造を有する繊維であって、繊維横断面における周長に対する導電層の露出長の比率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の導電糸。
- 芯部の非導電層が融点160〜240℃である繊維形成性ポリエステルであることを特徴とする請求項4記載の導電糸。
- 導電層の平均厚さが1μm以上であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の導電糸。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の導電糸を少なくとも一部に用いたブラシ。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の導電糸を少なくとも一部に用いた布帛。
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