JP5071001B2 - 導電糸 - Google Patents
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Description
また、熱処理温度を制御することによってもカーボンストラクチャーを制御することができる。熱処理温度を高くする、もしくは熱処理時間を長くすることにより、導電層におけるポリエステル成分の結晶化を促進させ、結晶部からのカーボンブラックの排除によりストラクチャーの局在化および高密度化が進み、導電性が向上する。熱処理方法は特に制限されるものではないが、延伸時のホットロールや熱板、仮撚での1stヒーター及び2ndヒーター、未延伸糸や延伸糸のパッケージを乾燥機にてエージングする方法、ブラシや布帛にしてから熱処理してもよい。
オルソクロロフェノール(以下「OCP」と記載)10ml中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、IVを算出した。
IV=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶液の粘度、η0:OCPの粘度、t:溶液の落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/cm3)、t0:OCPの落下時間(秒)、d0:OCPの密度(g/cm3)。
B.溶融粘度
(株)東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、窒素雰囲気下、バレル径9.55mm、ノズル長10mm,ノズル内径1mmで、ポリマー押出ピストン速度1mm/分(剪断速度12.16(1/秒))あるいは100mm/分(剪断速度1216(1/秒))で、サンプル充填直後から10分経過したのち測定した。5回測定した値の平均値を各剪断速度での溶融粘度とした。
C.融点
Perkin elmer社製DSC−7を用いて2nd runで結晶融解のピーク温度を融点として測定した。この時、試料重量を約10mg、昇温速度を10℃/分とした。
D.繊度および単繊維繊度
糸を長さ100m分カセ取りし、そのカセ取りした試料の重量(g)に100を掛けて求める。3回測定した値の平均値をその糸の繊度(dtex)とし、繊度を構成フィラメント数で割った値を単繊維繊度(dtex)とした。
E.強度、残留伸度、初期引張抵抗度
JIS L1013(1992年)「化学繊維フィラメント糸試験方法」に準じ、オリエンテック社製テンシロン引張試験機(TENSILON UCT−100)を用い、未延伸糸であれば初期試料長50mm、引張速度400mm/分で、捲縮糸であれば初期試料長200mm、引張速度200mm/分で荷重−伸長曲線(以下、「S−Sカーブ」と記載)を求めた。S−Sカーブの最大点張力を繊度で割り返した値を強度、最大点張力を示したときの伸びを初期試料長で割り返した値を残留伸度とし、5回測定した平均値を測定値とした。初期引張抵抗度は、初期試料長200mm、引張速度200mm/分、チャート速度100cm/分、応力フルレンジ500gとして記録し、引張初期曲線の最大の傾きから求めた。
F.定張力伸長域伸度
上記E項の未延伸糸の測定で得られるS−Sカーブより、図2に示すように原点(a点)からネッキングが形成され(b点)一定張力で伸長する領域が完結する点(c点)が求められる。このc点までの伸びを初期試料長で割り返した値を定張力伸長域伸度(%)とした。
G.平均抵抗率P、平均抵抗率Pと標準偏差Qとの比ESR(ESR=Q/P)
中温中湿度(25℃湿度65%)で少なくとも1時間保持した試料を、送糸ローラーと巻取ローラーからなる1対の鏡面ローラー間にて、東亜DKK製絶縁抵抗計SM−8220に接続された2本の棒端子からなるプローブと接するように走行させる。棒端子の太さφ2mm、測定距離2.0cm、印加電圧100V、送糸速度60cm/分、ローラー間の糸張力0.05〜0.1cN/dtexの範囲となるようにして、絶縁抵抗計でのサンプリングレート5Hzで120cmの長さ分を測定し、得られた値の平均抵抗値(Ω)を棒端子間で接する糸の距離(2.0cm)で割った値を平均抵抗率P(Ω/cm)とした。また同時に得られた全ての抵抗値の標準偏差Qを算出したのち、PとQとの比ESR(ESR=Q/P)を算出した。なお、収縮後の平均抵抗率は、沸騰水中で15分間処理した後に測定して求めた。
H.比抵抗値
前記中温中湿度で少なくとも1時間保持した試料を1000dtex分カセ取りして15cmの長さに切断する。厚さ100μmのテトロンフィルム上で、測定長5cm分を残して両端にドータイトを塗布し、試料とフィルムを接合する。この両端に電極を取り付け、印加電圧500Vで測定した。また測定試料が粉体状のものである場合は、長さ10cm、幅2cm、深さ1cmの、両端面に電極を有する絶縁体の箱形容器に、10MPaの圧力で充填して密封したのち測定して、単位体積当たりの比抵抗値(Ω・cm)に換算して求めた。ガット状のものである場合は、テスターを用いて2本の端子を10cmの間隔でガットに押しつけ、抵抗値R(Ω)を測定し、下式により比抵抗値を求めた。5本の異なるガットについて比抵抗値を測定し、その平均値をガットの比抵抗値とした。
I.沸騰水収縮率
検尺機を用いて初荷重:(0.088×繊度(dtex))cNで、カセ長50cm、巻き数10回のカセを作り、規定の荷重を掛けた状態で試料長L1を測る。これを実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中15分間処理し、1昼夜風乾した後、束の長さL2を測定して下式により沸騰水収縮率を算出した。なお、荷重は下式により求めたものを使用した。
荷重(cN)=(繊度(dtex)/1.111)×0.1×0.9807×巻取回数×2
J.CR値
捲縮糸をカセ長50cm、巻き数10回でカセ取りし、実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中で15分間処理し、24時間風乾した。このサンプルに0.088cN/dtex(0.1gf/d)相当の荷重をかけ水中に浸漬し、2分後のかせ長L3を測定した。次に、水中で0.088cN/dtex相当のカセを除き0.0018cN/dtex(2mgf/d)相当の微荷重に交換し、2分後のかせ長L4を測定した。そして下式によりCR値を計算した。
K.カーボンブラックの平均粒径
繊維または樹脂をエポキシ樹脂中に包埋したブロックに、酸化ルテニウム溶液を用いて染色し、ウルトラミクロトームにて切削して60nm〜100nmの厚さの超薄切片を作製する。この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)観察装置(日立製作所製H−7100FA型)にて、加速電圧75kV、倍率2万〜10万倍の任意の倍率で観察し、得られた写真を白黒にデジタル化した。コンピュータソフトウェアの三谷商事社製WinROOF(バージョン2.3)において、黒で見えるカーボンブラックを画像解析することによって平均粒径を確認した。平均粒径は写真上に存在する全てのカーボンブラックの面積を計算し、該面積値から略円形と判断して計算したカーボンブラックの直径の平均値によって算出した。
L.ジブチルフタレート吸収量の測定
JIS K6217−4:2001の「DBP吸収量の求め方」に準じ、アブソープトメータを用いて測定した。
M.導電層の平均厚さ、芯鞘複合比率、繊維横断面における周長に対する導電層の露出長の比率
繊維をエポキシ樹脂中に包埋したブロックを作製し、ミクロトームにて繊維軸方向に垂直な繊維横断面方向に切削して薄切片をつくる。これを光学顕微鏡200倍で透過光にて観察・撮影し、得られた繊維横断面写真を、前述の三谷商事株式会社製WinROOFにて画像解析することで、導電層の厚さを求めた。なお、導電層の平均厚さは任意の5点について計測し、その平均値を求めた。また、芯鞘複合比率は導電層と非導電層の面積から比率を算出した。繊維横断面における周長に対する導電層の露出長の比率は、繊維横断面における周長と導電層の露出長を計測して比率を算出した。
N.単繊維直径の測定
FEI Company社製 走査型電子顕微鏡(SEM) STRATA DB235を用いて、加速電圧2kVで、白金−パラジウム蒸着(蒸着膜圧:25〜50オングストローム)処理を行った後、繊維外径が全て視野に入る倍率(単繊維直径が25μm〜50μmであれば5千倍、15μm〜25μmであれば1万倍、5μm〜15μmであれば2万倍)で確認した。なおこの際、単繊維直径は少なくとも該測定を同一繊維において3cm以上の間隔をおいた任意の5点について観察、測定して得た平均値を単繊維直径とする。
O.紡糸性
総巻取量40kgにおいての紡糸性を、以下に示す基準で評価した。
△:2〜4回
×:5回以上
P.画像評価方法
導電糸をブラシ加工し、清掃装置に組み込んで配設したモノクロレーザープリンターにて、長時間連続印刷を行った。初期および2万枚印刷後の画像評価を以下に示す基準で評価した。
(1)初期性能評価
◎:鮮明均一な画像が得られる。
(2)繰り返し(2万枚)画像評価
◎:初期と同様な鮮明均一な画像が得られる。
固有粘度(IV)1.50、溶融粘度800(Pa・秒)(測定温度260℃、12.16(1/秒))、融点(Tm)229℃のポリトリメチレンテレフタレート(表中、「PTT」と記載)ペレットを150℃10時間真空乾燥した後、窒素雰囲気下で粉粒体とし、カーボンブラックとしてキャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製ファーネスブラック(タイプVULCAN XC72、比抵抗値0.45(Ω・cm)、平均粒径31nm、ジブチルフタレート吸収量177cm3/100g、以下「FCB」と記載)を窒素雰囲気下で粉体同士混ぜ合わせた。続いて東芝機械(株)製2軸エクストルーダTEM35B(軸長L:1440mm、軸径D:37mm、L/D:38.9)にて軸回転数:300rpm、混練温度C1〜C4およびH:250℃、吐出量:15kg/hr、ベント:約5Torrにて溶融混練した。ここで、FCBの濃度は混練終了後に得られるPTT/FCB混練物に対して25重量%となるように調製した。混練した後、吐出されたガット状の樹脂組成物を15℃の水道水で冷却したのちカッターで切断して導電層用のペレット(以下、「PTT−CB」と記載)を得た。該ペレットの溶融粘度を測定したところ、2010(Pa・秒)(測定温度260℃、12.16(1/秒))であった。ペレタイズ前のガットの比抵抗値を測定したところ101.4(Ω・cm)であった。
カーボンブラックの含有量を15重量%および38重量%にした以外は、実施例1と同様の方法で評価し、実施例2および実施例3の捲縮糸を得た。実施例2の平均抵抗率は1011Ω/cmであり、実施例1に比べて除電性能がやや劣るものであったが、実用上問題ないレベルであった。実施例3の平均抵抗率は102Ω/cmであり、高い導電性能を示し、実施例1よりも初期の画像評価は高いものであった。ただし、捲縮糸の強度が0.9cN/dtexと低く、実施例1に比べて耐久性が低下し、印刷回数とともにトナー清掃性がやや低下した。
カーボンブラックの含有量を10重量%および45重量%にした以外は、実施例1と同様の方法で評価し、比較例1および比較例2の捲縮糸を得た。比較例1の平均抵抗率は1013Ω/cmであり、平均抵抗率が高すぎて、除電性能を得ることができなかった。また比較例2は、カーボンブラックの含有量が多いために曳糸性が悪く、紡糸の際に糸切れが多発して引き取ることができなかった。
非導電層としてポリエチレンテレフタレート(表中、「PET」と記載)(融点255℃)を用いて、紡糸温度を285℃にした以外は、実施例1と同様の方法で評価した。ポリトリメチレンテレフタレートの融点228℃に比べて、約60℃高い温度で紡糸したため、曳糸性が低下して糸切れが実施例1に比べてやや多いものであった。得られた導電糸のESR値は0.35であり、異常放電跡が若干認められた。
導電層のマトリックスポリマーとして共重合ポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、非導電層としてポリエチレンテレフタレート(融点255℃)を用いて、紡糸温度を285℃にした以外は、実施例1と同様の方法で評価した。導電層での共重合ポリエチレンテレフタレートとカーボンブラックの親和性が悪いため、曳糸性が低下し、紡糸の際に糸切れが多発した。導電性のばらつきを示すESR値は0.60であり、これに伴い、画像が不鮮明であり、スジ斑が目立った。
導電層のマトリックスポリマーとしてポリブチレンテレフタレート(表中、「PBT」と記載)(融点225℃)、非導電層としてポリエチレンテレフタレート(融点255℃)を用いて、紡糸温度を295℃にした以外は、実施例1と同様の方法で評価した。比較例4は、曳糸性が低く糸切れが多発した。得られた捲縮糸のESR値は0.52であり、これに伴い、画像が不鮮明であり、スジ斑が目立った。
実施例1と同様の方法で得た未延伸糸を供給ローラー−第1ホットローラー−第2ホットローラー−ドローローラーの4ローラー延伸機を用いて、延伸速度500m/分、第1ホットローラー80℃、第2ホットローラー140℃、第1ホットローラー−第2ホットローラー間での延伸倍率1.4倍(NDR×1.05)、第2ホットローラー−ドローローラー間でのリラックス率2%で弛緩処理して延伸し、延伸糸を得た。該延伸糸のCR値は2%であった。実施例1と同様にブラシ加工して評価したところ、糸同士の会合が見られた。初期画像は比較的鮮明であったが、2万枚印刷後、画像が不鮮明になり、スジ斑が目立つようになった。
芯鞘複合比率を15/85にした以外は、実施例1と同様の方法で評価した。得られた捲縮糸の平均抵抗率は104Ω/cm、強度は1.6cN/dtexであった。実施例1と同様、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。
非導電層を含まずに、導電層のみから構成される単独糸とし、単独紡糸に適した口金と紡糸機を用いて紡糸した以外は、実施例1と同様の方法で評価した。平均抵抗率は104Ω/cm、強度は1.4cN/dtex、ESR値は0.40であった。これに伴い、異常放電跡は見られないが、画像がやや不鮮明であった。実施例1に比べて強度が若干低く、耐久性が低下し、印刷回数とともにトナー清掃性がやや低下した。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を110℃、95℃、90℃にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例7〜9の捲縮糸を得た。実施例7の沸騰水収縮率は10%、CR値は13%であった。初期画像は鮮明均一であったが、2万枚印刷後、異常放電跡は認められないが、画像がやや不鮮明であった。実施例8の沸騰水収縮率は15%、CR値は9.5%であった。実施例1に比べて、収縮後の平均抵抗率が低下することから、2万枚印刷後、異常放電跡は認められないが、画像がやや不鮮明であった。実施例9の沸騰水収縮率は17%、CR値は8.0%であった。得られた捲縮糸をブラシ加工して評価したところ、比較例5ほどではないが、糸同士の会合が若干見られた。さらに収縮後の平均抵抗率が大幅に低下することから、初期画像は比較的鮮明であったが、2万枚印刷後、異常放電跡が若干認められた。
実施例1と同様の方法で得た未延伸糸を、加工倍率(延伸ローラー24と供給ローラー19の周速度比)1.4倍(NDR×1.05)、D/Y比1.4にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、CR値38%の捲縮糸を得た。実施例1と同様、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を110℃、加工倍率(延伸ローラー24と供給ローラー19の周速度比)1.1倍(NDR×0.85)、D/Y比1.1にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例11の捲縮糸を得た。実施例11のCR値は3.0%であった。得られた捲縮糸をブラシ加工して評価したところ、実施例9よりも糸同士の会合が若干見られた。実施例1に比べて捲縮特性の低い導電糸であったため、初期画像は比較的鮮明であったが、2万枚印刷後、異常放電跡が若干認められた。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を120℃、加工倍率(延伸ローラー24と供給ローラー19の周速度比)1.1倍(NDR×0.85)、D/Y比1.1にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例12の捲縮糸を得た。実施例12のCR値は5.0%であった。得られた捲縮糸をブラシ加工して評価したところ、実施例1に比べて捲縮特性の低い導電糸であったため、初期画像は比較的鮮明であったが、2万枚印刷後、異常放電跡が若干認められた。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を120℃にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例13の捲縮糸を得た。実施例13のCR値は17%であった。得られた捲縮糸をブラシ加工して評価したところ、実施例1と同様、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を170℃にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例14の捲縮糸を得た。実施例14のCR値は29%であった。得られた捲縮糸をブラシ加工して評価したところ、実施例1と同様、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を180℃、加工倍率(延伸ローラー24と供給ローラー19の周速度比)1.4倍(NDR×1.05)、D/Y比1.4にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、実施例15の捲縮糸を得た。実施例15のCR値は44%であった。実施例15はブラシ加工は可能であったが、ブラシの品位が悪かった。また、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性はやや劣っていたものの実用上問題のないレベルであった。
仮撚加工での第1ヒーター20温度を180℃、加工倍率(延伸ローラー24と供給ローラー19の周速度比)1.5倍(NDR×1.15)、D/Y比1.5にした以外は実施例1と同様の方法で評価し、参考例16の捲縮糸を得た。参考例16はブラシ加工は可能であったが、実施例15よりもブラシの品位が悪かった。また、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は若干劣っていたものの実用上問題のないレベルであった。
繊維横断面における導電層の露出長の比率を20%として、これに適した口金を用いて紡糸した以外は、実施例1と同様の方法で評価した。得られた捲縮糸の断面は図6(c)に示すとおりであった。平均抵抗率は1011Ω/cmであり、実施例1に比べて除電性能がやや劣るものであったが、実用上問題ないレベルであった。
繊維横断面における導電層の露出長の比率を50%として、これに適した口金を用いて紡糸した以外は、実施例1と同様の方法で評価した。得られた捲縮糸の断面は図6(d)に示すとおりであった。平均抵抗率は105Ω/cmであり、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性は、比較的良好であった。
芯鞘複合比率を30/70、70/30、90/10にした以外は、実施例1と同様の方法で評価し、実施例19〜21の捲縮糸を得た。実施例19は、導電層の平均厚さが4μm、平均抵抗率104Ω/cm、強度2.2cN/dtexであった。実施例1と同様、優れた除電性能を有し、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。実施例20は、導電層の平均厚さが1.5μm、平均抵抗率107Ω/cmであった。実施例1に比べて除電性能がやや劣るものであったが、実用上問題ないレベルであった。実施例21は、導電層の平均厚さが0.5μm、平均抵抗率109Ω/cmであり、実施例1に比べて除電性能がやや劣るものであったが、実用上問題ないレベルであった。実施例1および19〜21の導電糸において、導電層の厚さと平均抵抗率との関係を図1に示す。導電層が厚いほど、厚さの変化による平均抵抗率変化が小さくなる傾向があった。
導電層に用いるカーボンブラックとして、電気化学工業(株)製アセチレンブラック、比抵抗値0.2(Ω・cm)、平均粒径40nm、ジブチルフタレート吸収量180cm3/100g)にした以外、実施例1と同様の方法で評価した。得られた捲縮糸の平均抵抗率は103Ω/cm、であり、実施例1と同様、印刷初期から2万枚まで印刷の鮮明性、トナー清掃性は変わらず優れていた。
導電層に用いるカーボンブラックとして、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC、比抵抗値0.2(Ω・cm)、平均粒径38nm、ジブチルフタレート吸収量405cm3/100g)にした以外、実施例1と同様の方法で評価した。実施例23は曳糸性が低下して、糸切れが実施例1に比べてやや多いものであった。得られた捲縮糸の平均抵抗率は108Ω/cm、ESR値は0.40であり、異常放電跡は認められないが、画像がやや不鮮明であった。
1’:B成分ホッパー
2:A成分押出混練機(エクストルーダー)
2’:B成分押出混練機(エクストルーダー)
3:計量ポンプ
4:紡糸ブロック
5:紡糸パック
6:口金
7:冷却装置
8:糸条
9:給油ガイド
10:交絡装置
11:第1ゴデットローラー
12:第2ゴデットローラー
13:巻取機
14:巻取糸パッケージ
15:糸条
16〜18:糸道ガイド
19:供給ローラー
20:第1ヒーター
21:糸道ガイド
22:冷却板
23:施撚体
24:延伸ローラー
25:糸道ガイド
26:捲縮糸パッケージ
A:非導電層
B:導電層
Claims (8)
- カーボンブラックを含有した、主たる繰り返し構造単位がトリメチレンテレフタレートであるポリエステルからなる導電層が繊維表面の少なくとも一部を形成した繊維から構成されたマルチフィラメントであって、該マルチフィラメントは捲縮が付与されており、CR値が3〜50%であって、かつ糸長さ方向の平均抵抗率Pが102〜1012Ω/cmであることを特徴とする導電糸。
- 糸長さ方向の平均抵抗率Pと、その抵抗率の標準偏差Qとの比ESR(ESR=Q/P)が、0.5以下であることを特徴とする請求項1記載の導電糸。
- 沸騰水収縮率が0〜15%であることを特徴とする請求項1または2記載の導電糸。
- 繊維横断面における周長に対する導電層の露出長の比率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の導電糸。
- 鞘部が導電層であり、芯部が非導電層である芯鞘複合構造を有する繊維であって、非導電層が繊維形成性ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の導電糸。
- 導電層の平均厚さが1μm以上であることを特徴とする請求項5記載の導電糸。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の導電糸を少なくとも一部に用いたブラシ。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の導電糸を少なくとも一部に用いた布帛。
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