JP4919219B2 - 化粧用脂取紙 - Google Patents
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また、本発明は、原料配合等の特定された紙料から形成された表層及び裏層からなる外側層と、濃色の中間層の組み合わされた化粧用脂取紙に関する。
さらに詳しくは、本発明は、人体皮脂のみかけの吸収性に優れ、皮脂を吸収した効果を鮮明に視認することができ、中間層に皮脂のバリアー性を持たせることによる表層から及び裏層からの両面使用が可能な、しかも柔軟性があって肌への刺激が少ない化粧用脂取紙に関する。
また、天然繊維の均一密度の第1被覆層、天然繊維の抄入れによって凹凸形成により密度差を設けた中間層、天然繊維の均一密度の第2被覆層を積層状態に抄合わせ、第1及び第2の被覆層で抄合わせ層の両面を被覆し、第2の被覆層の抄入れ時に凹凸にともなって生じる高密度部と低密度部を内部に埋設させた原紙を形成した後、この原紙に積層方向から荷重付加処理を施した脂取紙(特開2001−269284号公報)が知られるが、製造工程が煩わしく、当然ながら経済性もよくなかった。
さらに、経済性がよく、金箔紙と同等以上の平滑性と吸収性を保持し、しかも繰り返し使用の可能な脂取紙として、中間層として脂吸収力の高い合成樹脂フィルムの両面に原紙を配置した三層構造の脂取紙(特開2000−287749号公報)も知られているが、中間層に皮脂の浸透防止性の高い合成樹脂層が配置されているので、繰り返し使用性は良いが、脂吸収性の点で満足いくものではなかった。また、柔軟性や高級感に欠け未だ解決すべき問題が多かった。
そこで、本出願人らは、両面使用性と、吸脂性と、柔軟性を具備する三層構造の脂取り紙について提案した(特開2004−141279号公報)が、皮脂量が多いと一面から吸収した皮脂が他面に漏出する場合があり、必ずしも十分とはいえなかった。
請求項2に係る化粧用脂取紙は、前記中間層の着色が、濃色系の着色であることを特徴とする。
請求項3に係る化粧用脂取紙は、前記中間層が、さらに合成繊維又は合成パルプを含有することを特徴とする。
請求項4に係る化粧用脂取紙は、前記外側層が、原料パルプ100重量部に、3〜20m 2 /gの比表面積を有する超微粒子無機質填料を5〜50重量部配合してなる紙料を調成して得られたものであることを特徴とする。
請求項5に係る化粧用脂取紙は、平滑度が、表、裏とも300秒以上であることを特徴とする。
請求項6に係る化粧用脂取紙は、皮脂の吸収により文字、模様、図形、絵柄から選ばれる1種又は2種以上の情報が現れることを特徴とする。
また、中間層(B)を形成する着色された抄紙層は、植物繊維及び/又は木材パルプからなるパルプ原料を使用して、これに黒色、赤色あるいは青色の原色系の濃色着色剤と、撥水撥油成分を混合して抄紙して得られる層である。合成パルプや合成繊維を少量添加することも可能である。
好ましく使用できる成分を例示すると、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミン樹脂のエピクロルヒドリン変性物、ジシアンジアミド樹脂のエピクロルヒドリン変性物、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体のエピクロルヒドリン変性物、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、アクリルアミド−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、ジアルキルジアリルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの共重合体等が挙げられる。これらの成分を併用することで、撥水撥油成分が中間層から両外側層へマイグレートすることを防止することが出来る。
該カチオン性物質の好ましい配合量は、パルプ原料に対し0.1重量%〜1.0重量%程度である。更に好ましくは、0.2重量%〜0.8重量%である。その他、中間層を形成する紙料に界面活性剤、分散剤などの安定化剤を添加することも出来る。
中間層の坪量は、外側層の坪量よりは、上限が若干小さい方が脂取紙の軟らかさの上から好ましいが、5〜10g/m2であれば、充分に目的を達成できる。
また、本発明の化粧用脂取紙には、片側又は両側の外側層に、撥油性インキなどを用いた印刷等の公知の加飾手段によって、皮脂吸収時に顕在化または消失する文字、模様、図形、絵柄などの情報を付与することが出来る。このようにすると、皮脂吸収効果を一層鮮明に視認することができる。
以下に実施例によってさらに詳しく本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明をより深く理解するために、詳細な条件を用いた実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
得られたベース紙を、さらに、スーパーキャレンダーを用いて高圧処理して、本発明の化粧用脂取紙を得た。
得られた三層構造の化粧用脂取紙の物性値を後述の表8に示す。
得られた三層構造の脂取紙の物性値を後述の表8に示す。
以下の紙料原料を使用する。
得られた抄紙の物性値及び使用性能を後述の表8に示す。
[測定サンプルの調製]
テストピース:台紙に化粧用脂取紙を貼付
油液(擬似皮脂):ヒマシ油/ベンジルアルコール(80wt%/20wt%)
印刷条件:油液0.5ミリリットル、回転速度30rpm、
ロールニップ圧4.2Pa、温度20℃
印刷方法:RIテスターの対になった印刷ロールに油液を供給し、ロールを回転して練 り、印刷ロール上に均一な油膜を形成する。この油膜をテストピースの化粧用 脂取り紙に印刷(転写)し、測定サンプルを調製する。
[色差の測定]
測色計:分光白色光度計ERP−80WX〔東京電色(株)製〕
A)裏当てを白色板にし、ブランクサンプル及び印刷サンプルについて、それぞれ5枚重ねて色彩値を測定し、両者の色差ΔE1 を求める。
B)裏当てを黒板にし、A)と同様にして色彩値を測定し、両者の色差ΔE2 を求める。
見掛けの皮脂吸収性(パンチ力)は、次式[数1]で求めた。
上述のように、本発明の脂取り紙は、薄い脂取り紙でありながら、皮脂除去効果をパンチ力として鮮やかに視認することができ、しかも、中間層の皮脂浸透防止効果により表面側と裏面側の両面を使用することが出来、紙を無駄なく使用することが可能となった。
しかも、本発明の脂取り紙は柔軟性に富むので、ソフトタッチ感を楽しむことができ、また柔肌の人でも肌を傷めることなく皮脂落としが可能となった。
Claims (6)
- 中間層と、外側層との三層構造よりなる化粧用脂取紙であって、
前記中間層が、皮脂液のバリヤー層であり、植物繊維、木材パルプから選ばれるパルプ原料、撥水撥油成分、着色剤及びカチオン性物質からなり、外側層は、植物繊維、木材パルプ、合成パルプ又は合成繊維から選ばれた少なくとも一種からなるパルプ原料及び無機質填料からなり、上記カチオン性物質の含有量が上記パルプ原料に対して0.1〜1.0重量%であり、両面が使用可能であることを特徴とする化粧用脂取紙。 - 前記中間層の着色が、濃色系の着色であることを特徴とする請求項1に記載の化粧用脂取紙。
- 前記中間層が、さらに合成繊維又は合成パルプを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧用脂取紙。
- 前記外側層が、原料パルプ100重量部に、3〜20m2/gの比表面積を有する超微粒子無機質填料を5〜50重量部配合してなる紙料を調成して得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用脂取紙。
- 平滑度が、表、裏とも300秒以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧用脂取紙。
- 皮脂の吸収により文字、模様、図形、絵柄から選ばれる1種又は2種以上の情報が現れることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化粧用脂取紙。
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