JP3524325B2 - 化粧用脂取り紙 - Google Patents

化粧用脂取り紙

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JP3524325B2
JP3524325B2 JP12469797A JP12469797A JP3524325B2 JP 3524325 B2 JP3524325 B2 JP 3524325B2 JP 12469797 A JP12469797 A JP 12469797A JP 12469797 A JP12469797 A JP 12469797A JP 3524325 B2 JP3524325 B2 JP 3524325B2
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眞人 宍倉
富久 高野
祐子 田中
一平 加藤
宗央 小山
博之 早川
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三島製紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧時あるいは化
粧直し時に顔面の皮膚表面に分泌された皮脂や汗を拭き
取るのに使用され、皮脂の取れ具合が視覚的に明瞭に判
定できる化粧用脂取り紙に関する。
【0002】
【従来の技術】顔の皮膚には皮脂が分泌する皮脂腺が多
く存在し、一般的な20歳前後の女性の場合、前額部で
2時間当たり0.6〜1.0g/m2 程度の皮脂が分泌
すると言われている。この皮脂のため、化粧した顔が部
分的に脂っぽくなったり、また化粧ののりが悪くなった
りする。そのため、脂っぽくなった部分の皮脂を取り除
いたり、特に洗顔することなく化粧直しする際など、化
粧効果を高めるために、浮き出た皮脂を吸油性の薄手の
紙で軽く押さえて吸い取ることがなされている。
【0003】従来このような用途には植物繊維から形成
された紙が用いられており、市販の化粧用脂取り紙の多
くは有色あるいは白色の坪量15〜30g/m2 の薄葉
紙であり、繊維原料としては木材パルプのほかにマニラ
麻等の非木材パルプ、ポリエチレン等の合成繊維等が使
用されている。また、紙の吸脂性を高めたり、皮脂の取
れ感を高めたり、紙の柔軟性を高めたりする目的で、タ
ルクや炭酸カルシウム等の無機填料を配合したもの、ス
ーパーカレンダー加工等による高密度化処理が施されて
いるものなどがある。
【0004】実公昭50−44712号、実開平5−1
8392号、特開平5−337009号などでは、シリ
カ、タルク、炭酸カルシウム等の無機填料を内添あるい
は表面塗工により紙に添加することにより吸脂性が良
く、拭き取り効果も高い化粧用脂取り紙が得られ、皮脂
を吸収した部分が顕著に透明化するとしている。また特
公昭56−8606号では、ポリオレフィン樹脂繊維の
配合により、吸脂して透明化した植物繊維が透明性合成
樹脂繊維体の透明感に近似することにより、効果確認を
より明確にできるとしており、実公平4−45591号
では、化粧用脂取り紙の表面に多孔質の球状ビーズが付
着していることにより、吸脂面積が広くなり吸脂力が向
上するとしている。更にまた、特開平6−319664
号や特開平8−56866号では、紙の緊度あるいは密
度を0.7g/cm3 以上の高密度とすることにより、
吸脂状態の確認性の向上が図れるとしている。
【0005】上記の填料を含むいずれの化粧用脂取り紙
も、填料は全体的に均一に分布し、均一に不透明な紙で
あり、脂取りに使用した場合、脂を吸収した部分の不透
明度が低下し、脂取りの前後で透明性の変化により拭き
取り効果の確認がなされるものであったが、皮脂が入る
前後におけるコントラストがなお不十分なものであり、
より皮脂の取れ感の優れた製品が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮脂を吸収
した際に、皮脂を吸収した部分とその他の部分との区別
が明瞭であり、脂取り効果が極めてよく確認できる化粧
用脂取り紙を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸脂によって
消失する模様を有することを特徴とする化粧用脂取り紙
に関する。本発明はまた、吸脂によって鮮明となる模様
を有することを特徴とする化粧用脂取り紙に関する。
【0008】上記模様は、植物繊維パルプと無機填料と
の凝集によって生じた不均一な模様である。具体的に
は、吸脂によって消失する模様は、植物繊維パルプと、
タルクまたはカオリンクレーとの凝集により形成するこ
とができる。また、吸脂によって鮮明となる模様は、植
物繊維パルプとシリカとの凝集により形成することがで
きる。
【0009】植物繊維パルプと上記のような無機填料と
の凝集は、後記する実験結果に基づき、各無機填料に応
じて選択される水溶性高分子によって生じさせることが
できることが判明した。タルクの場合には、ポリエチレ
ンオキサイドまたはポリアクリル酸ソーダなどであり、
カオリンクレーの場合には、ポリアクリルアマイドまた
はポリアクリル酸ソーダなどであり、さらにシリカの場
合にはポリアクリル酸ソーダなどである。
【0010】本願発明における模様は、植物繊維パルプ
と無機填料との凝集体が不均一に分布したものであり、
模様それ単独ではシートを構成することができないが、
植物繊維パルプを主成分とする保護層との積層によって
保持されシートに構成することができる。模様を形成す
る際は、まだらな湿紙状態で抄き網上に保持し、これを
保護層上に抄き合わせ接合などすることにより、保護層
との積層、シート化が可能である。また、タルク、カオ
リンクレーまたはシリカなどの無機填料の脱落防止や商
品としての使い勝手の点から、模様が2つの保護層の間
に設けられた積層構造とするのが望ましい。
【0011】模様の部分はそれ自体独立しては層とは言
いがたいが、抄き網あるいは保護層上に保持されて、模
様を構成する層を形成するごとき操作を行うので、以下
便宜的に模様を構成する層または中間層として表現す
る。
【0012】積層については例えば、1つの保護層とな
る湿紙の上に模様を構成する層となる湿紙を重ねて二層
抄き合わせ湿紙とするか、あるいは、更にその上にもう
1つの保護層となる湿紙を重ねて三層抄き合わせ湿紙と
し、この抄き合わせ湿紙を、搾水後、乾燥してシートと
する。この他、プレス機を使用した圧着や通水性接着剤
を使用した接着等、適宜の他の積層手段を採用すること
も可能である。
【0013】保護層の主成分である植物繊維パルプは、
木材パルプ、マニラ麻パルプ、ケナフパルプなどであ
り、これらの一つを単独で、あるいは幾つかを混合して
使用する。また、ポリエチレン、ポリエステル、アクリ
ルなどの合成繊維やレーヨンなどの半合成繊維を、植物
繊維100に対して10程度の割合で配合することも可
能である。
【0014】保護層には、この他タルク、炭酸カルシウ
ムなどの無機填料、ナイロン微粉体、中空ポリマー粉体
などの有機粉体、ポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン樹脂、尿素−メラミン樹脂などの湿潤紙力向上剤、
カチオン澱粉、ポリアクリル酸ソーダなどの乾燥紙力向
上剤、グリセリン、ポリエチレングリコールなどの柔軟
剤、保湿剤などを内添あるいは塗工方式によって付与し
たり、染料、顔料等により着色することも可能である
が、模様を構成する層の模様が、保護層を通して確認で
きる程度としなければならない。例えば、無機填料の場
合、タルクでは20重量%以下、炭酸カルシウムでは1
0重量%以下の添加率に止める。
【0015】なお、模様を構成する層を中間層としてそ
の両面に設ける2つの保護層は同一の成分構成のものと
してもよいし、上記範囲内において異なる成分構成のも
のとしてもよい。更に一方のみを着色あるいは両方とも
着色としてもよいし、一方を濃色、他方を淡色とした
り、保護層2層の各々の色相、明度、彩度を一部ないし
はすべてを異ならせてもよく、これらの構成を適宜組み
合わせることもできる。
【0016】保護層は、模様を構成する層における凝集
体が脱落して皮膚表面に転移するのを防ぐ保護機能、シ
ートを平滑にする機能、模様を構成する層への通脂機能
を良くする他、それ自体が吸脂層、吸汗層として機能す
る。各保護層の坪量の範囲は、3〜10g/m2 、好ま
しくは4〜8g/m2 である。3g/m2 未満では層が
薄過ぎて均一なシート形成が難しく、また強度が弱過ぎ
るため保護層として適さない。一方、10g/m2 を超
える場合には、強度的には十分であるが、シートの柔軟
性の点から好ましくない。
【0017】模様を構成する層に含まれる植物繊維パル
プは、前記保護層において用いられるのと同様であり、
木材パルプ、マニラ麻パルプ、ケナフパルプなどであ
り、これらの一つを単独で、あるいは幾つかを混合して
使用する。
【0018】模様を構成する層は、さらにタルク、カオ
リンクレーまたはシリカなどの無機填料と無機填料の種
類に応じて選択される水溶性高分子凝集剤を含む。無機
填料の配合されたパルプスラリーに対して水溶性高分子
凝集剤を添加することにより、無機填料がパルプの繊維
とともに凝集体を形成して不均一に分布した模様が構成
される。模様の望ましい形態は、幅100μm〜4m
m、長さ3mm〜20mm、アスペクト比5〜100の
凝集体が不均一に分布した模様である。
【0019】無機填料がタルクまたはカオリンクレーの
場合には、凝集によって生じる模様が吸脂によって消失
するのに対して、無機填料がシリカの場合には、凝集に
よって生じる模様が吸脂によって鮮明となる。
【0020】以下のような実験により、各種無機填料と
各種水溶性高分子との組み合わせの中で、凝集を生じさ
せることのできる組み合わせを見出した。植物繊維パル
プとしては、叩解度500mlCSFまで叩解した市販
の針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を用いた。無機
填料としてタルク、シリカ、カオリンクレー、炭酸カル
シウム、酸化チタンを、水溶性高分子としてポリエチレ
ンオキサイド、アニオン性・ポリアクリルアマイド、ノ
ニオン性・ポリアクリルアマイド、ポリアクリル酸ソー
ダを用いて、これらの各組み合わせにつき凝集の状況を
調べた。
【0021】上記5種の各無機填料について、無機填料
/植物繊維パルプを重量比10/1の割合で混合し、固
形分濃度0.0516重量%の溶液を5種類調整した。
それぞれから1リットルを四つづつ分取して合計20種
の溶液を作り、マグネティックスターラーにて300r
pmでかき混ぜながら、上記の水溶性高分子の溶液をそ
れぞれ滴下した。滴下により、大きな凝集ができるもの
を〇、小さな凝集ができるものを△、凝集ができないも
のを×として、凝集の状況を表1に示した。凝集が形成
されたものについては、凝集が形成された時及び凝集の
大きさが最大となった時の水溶性高分子溶液の滴下量を
測定し、表1に併記した。
【0022】
【表1】
【0023】表1から、無機填料の凝集は、填料の種類
に応じて選択される水溶性高分子により生じることが判
る。この選択性の理由は明らかではないが、無機填料の
種類によって填料分子における電荷の分布状態が異な
り、水溶性高分子との電気的吸着反応に相違があること
が考えられる。表1の結果は、繰り返しの実験により再
現性が得られている。表1の結果に基づき、大きな凝集
ができた(〇印の)9つの組み合わせについては、更に
以下のようにして、凝集が形成されたスラリーを模様を
構成する層の形成に用いて三層抄き合わせシートを作成
し、シートの模様が吸脂の前後でどのように変化するか
を調べた。
【0024】保護層用として、叩解度500mlCSF
まで叩解したNBKPを準備した。保護層の坪量7g/
2 、模様を形成する層の坪量6g/m2 、保護層の坪
量7g/m2 からなる合計20g/m2 の三層抄き合わ
せシートを9種作成した。これらのシートに、印刷適性
試験機「RIテスター」(石川島産業機械(株)製)を
用いて、疑似皮脂(ヒマシ脂/ベンジルアルコール=8
0/20の混合油液)をサンプル上に転移させた。
【0025】シートの模様が吸脂の前後でどのように変
わるかを視覚的に評価したところ、表2に示す通りであ
った。
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果から、無機填料としてタルクま
たはカオリンを使用した場合には、適切な水溶性高分子
により吸脂により消失する模様が形成し得るが、無機填
料として炭酸カルシウムまたは二酸化チタンを使用した
場合には、凝集による模様が吸脂によって消失しないこ
とが判った。これは、タルクやカオリンは皮脂の吸収に
より透明化するのに適度な形状や空隙量を有するため透
明化し易いが、炭酸カルシウムは、空隙量が大きいた
め、皮脂が付着する程度の量では透明化の程度が小さ
く、模様部分と模様のない部分の透明化後のコントラス
トの差が吸脂前とそれほど変わらないためである。二酸
化チタンは、高屈折率を有するため隠蔽性が非常に高
く、吸脂によりほとんど透明化しないためと考えられ
る。
【0028】また、無機填料としてシリカを使用した場
合には逆に、吸脂により模様がよりはっきりと浮き出る
ことが判った。シリカは填料としては隠蔽性が低く、吸
脂前は模様が目立ち難いが、空隙量が炭酸カルシウムに
比べはるかに大きいため、皮脂が付着する程度の量では
ほとんど透明化せずにシリカの存在しない紙の部分の不
透明度が低下して、シリカを含む凝集体の部分の白さが
目立ち模様が浮き出るためである。
【0029】植物繊維パルプと無機填料の配合比、すな
わち植物繊維パルプと:タルクまたはカオリンクレー、
並びに植物繊維パルプ:シリカの重量比は1:1〜1:
15、好ましくは1:5〜1:15、更に好ましくは
1:8〜1:12である。この無機填料の配合量は、通
常の紙の製造において添加されることのある填料の配合
量の数倍以上の量である。上記範囲より無機填料が少な
いと凝集体を形成するのに不十分であり、また、無機填
料が多過ぎると、凝集体の部分が多くそれ以外の部分が
少なくなり、模様となりにくい。
【0030】凝集を生じさせるのに適した水溶性高分子
凝集剤の添加量は、無機填料に対して、0.01〜0.
15重量%、好ましくは0.03〜0.08重量%であ
る。本発明に用いたポリエチレンオキサイド、アニオン
性およびノニオン性ポリアクリルアマイドは粘剤とし
て、ポリアクリル酸ソーダは凝集剤として市販されてい
るものであるが、これらに限定されるものではなく、無
機填料に応じて凝集を生じさせることができるものであ
れば使用することができる。また、硫酸アルミニウムな
どを併せて使用してもよい。
【0031】模様を構成する層の坪量は、3〜20g/
2 、好ましくは5〜15g/m2に設定する。3g/
2 未満では層が薄過ぎて均一なシート形成が難しく、
20g/m2 を超える場合にはシートの柔軟性の点から
望ましくない。
【0032】模様を構成する層を中間層として、その両
面に前記の保護層を設けて三層構造とする場合、三層合
計の坪量は、9〜40g/m2 であり、積層後に中間層
または保護層のいずれか一方または双方に顔料または染
料を内添して着色を施すことが可能である。また、積層
後、顔料または染料を塗工して着色することも可能であ
る。更に必要に応じて抄紙後、スーパーカレンダー加工
などの高密度化処理を行うことも可能である。
【0033】
【実施例】以下に本発明の化粧用脂取り紙の実施例と比
較例について説明する。なお、実施例並びに比較例で使
用した試料の吸脂量の測定は以下の方法で行った。
【0034】〈吸脂量測定方法〉疑似皮脂として、ヒマ
シ油/ベンジルアルコール=80/20の混合油液を用
いて疑似皮脂の脂取り紙への転移は印刷適性試験機「R
Iテスター」(石川島産業機械(株)製)を用いて行っ
た。すなわち、疑似皮脂0.5mlをRIテスターの印
刷ロール上に取り2分間練って印刷ロール上に均一に油
膜を形成させた後、印刷をする要領でサンプル上に疑似
皮脂を転移させた。この疑似皮脂転移前後のサンプルの
重量差をもって吸脂量とした。
【0035】〔実施例1〕模様を構成する層用として、
叩解度500mlCSFまで叩解した市販のNBKPを
用意し、これに無機填料としてタルク(日本タルク株式
会社製タルクMA)を重量比で対パルプ10倍量添加
し、更にNBKPと填料との凝集体を形成させるための
水溶性高分子としてポリエチレンオキサイド(住友精化
株式会社製PEO)を対填料0.04重量%添加した原
料を準備した。
【0036】また、保護層用として、叩解度500ml
CSFまで叩解したNBKP、LBKP、マニラ麻パル
プ(東邦ワラパルプ株式会社製TMP−2B5S)を2
0:30:50の割合で配合し、これにポリアミンポリ
アミドエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC株式会社製
WS−570)を対パルプ1.5%添加した原料を準備
した。これらの原料を用いて保護層の坪量7g/m2
模様を形成する層の坪量6g/m2 、保護層の坪量7g
/m2 からなる合計20g/m2 の三層抄き合わせシー
トを作成した。また、スーパーカレンダー処理により、
密度を0.7g/m3 前後とした。このシートの物性を
表3に示した。
【0037】吸脂による模様の変化を調べるために、こ
のシートから試片を2つ切出して一方はそのまま、もう
一方には疑似皮脂を転写後、いずれも黒色板上に置いて
平面写真を撮り、これらの写真を図1と図2(いずれも
倍率0.92倍)として示した。図1の写真において明
らかなように、幅100μm〜2mm、長さ7mm〜2
0mm、アスペクト比10〜70(平均20)の凝集体
が不均一に分布した霜降り状模様が構成されている。
【0038】図1の写真においては霜降り状模様が鮮明
であるのに対して、図2の写真においては吸脂により模
様が消失した状態となり、模様の消失によって皮脂が取
れたことが確認できるので、皮脂の取れ感が優れている
ことが判る。
【0039】〔実施例2〕模様を構成する層に配合する
無機填料をカオリンクレー(CAULIM DAAMA
ZONIA S.A.製アマゾンカオリン885D)と
し、水溶性高分子をポリアクリルアマイド(ダイヤフロ
ック株式会社製アクリバースP−NS)とし、その他の
条件は実施例1と同様にしてシートを作製した。このシ
ートの物性を表3に示した。
【0040】図3と図4は、このシートの吸脂の前後を
実施例1と同様にして撮った写真(いずれも倍率0.9
2倍)である。図3の写真において明らかなように、幅
100μm〜1mm、長さ5mm〜12mm、アスペク
ト比15〜45(平均30)の凝集体が不均一に分布し
た霜降り状模様が構成されている。図4から、吸脂によ
り模様が消失し、吸脂量、皮脂の取れ感とも実施例1と
同様の結果が得られた。
【0041】〔実施例3〕模様を構成する層に配合する
無機填料をタルク(日本タルク株式会社製タルクMA)
とし、水溶性高分子をポリアクリル酸ソーダ(ハイモ株
式会社製ハイモロックDR1500)とし、その他の条
件は実施例1と同様にしてシートを作製した。このシー
トの物性を表3に示した。
【0042】図5と図6は、このシートの吸脂の前後を
実施例1と同様にして撮った写真(いずれも倍率0.9
3倍)である。図5の写真において明らかなように、幅
100μm〜1mm、長さ3mm〜10mm、アスペク
ト比10〜30(平均25)の凝集体が不均一に分布し
た霜降り状模様が構成されている。図6から、吸脂によ
り模様が消失し、吸脂量、皮脂の取れ感とも実施例1、
2と同様の結果が得られた。
【0043】〔実施例4〕模様を構成する層に配合する
無機填料をシリカ(塩野義製薬株式会社製カープレック
ス(登録商標)#67)とし、水溶性高分子をポリアク
リル酸ソーダ(ハイモ株式会社製ハイモロックDR15
00)とし、その他の条件は実施例1と同様にしてシー
トを作製した。このシートの物性を表3に示した。
【0044】図7と図8は、このシートから1つの試片
を切出し、その吸脂の前後を調べた写真(倍率1.0
倍)である。吸脂前の図7の写真においては、幅300
μm〜3mm、長さ4mm〜12mm、アスペクト比の
平均が10の凝集体が不均一に分布して模様を構成して
いる。吸脂後の図8の写真においては、吸脂により凝集
体がさらに集合して塊のように見える模様が鮮明となっ
て浮き出している。
【0045】〔実施例5〕模様を構成する層用として、
叩解度500mlCSFまで叩解した市販のNBKPを
用意し、これに無機填料としてタルク(日本タルク株式
会社製タルクMA)を重量比で対パルプ10倍量添加
し、更にカチオン物質として硫酸アルミニウムを対パル
プ5%添加した後に、水溶性高分子であるポリアクリル
酸ソーダ(ハイモロックDR1500)を対填料0.0
4重量%添加した原料を準備した。その他の条件は実施
例1と同様にしてシートを作製した。このシートの物性
を表3に示した。
【0046】図9と図10は、このシートの吸脂の前後
を実施例1と同様にして撮った写真(いずれも倍率0.
92倍)である。図9の写真において明らかなように、
幅100μm 〜1mm、長さ5mm〜12mm、アスペ
クト比15〜45(平均30)の凝集体が不均一に分布
した霜降り状模様が構成されている。図10から、吸脂
により模様が消失し、吸脂量、皮脂の取れ感とも実施例
1、2と同様の結果が得られた。
【0047】〔比較例1〕叩解度500mlCSFまで
別々に叩解した市販のLBKPとマニラ麻パルプ(東邦
ワラパルプ株式会社製TMP−2B5S)を40:60
の配合で混合し、湿潤紙力向上剤としてポリアミンポリ
アミドエピクロルヒドリン樹脂(日本PMC株式会社製
WS−570)を対パルプ1.5%添加して、坪量20
g/m2 のシートを作製した。また、後加工でスーパー
カレンダー処理を行い、シート密度を0.7g/m3
後にした。このシートの物性を表4に示した。吸脂によ
り全体の不透明度がわずかに低下するのみで、実施例の
ものに比べると皮脂の取れ感は不良であった。
【0048】〔比較例2〕比較例1と同一原料配合で坪
量18g/m2 のシートを作製し、これにサイズプレス
方式にてタルク(日本タルク株式会社製タルクND)を
16部、アクリルバインダー(ロームアンドハースジャ
パン株式会社製ブライマルP−376)0.5部、CM
C(日本製紙株式会社製サンローズ(登録商標)KR−
161H)0.1部を配合した塗工液を両面で2g/m
2 塗工した。また、後加工でスーパーカレンダー処理を
行い、シート密度を0.7g/m3 前後にした。このシ
ートの物性を表4に示した。吸脂により全体の不透明度
がわずかに低下するのみで、実施例のものに比べると皮
脂の取れ感は不良であった。
【0049】〔比較例3〕叩解度500mlCSFまで
別々に叩解したNBKPと亜麻パルプを50:50の配
合で混合し、これに無機填料としてタルク(日本タルク
株式会社製タルクMA)を対パルプ15重量%添加し
て、坪量20g/m2 のシートを作製した。また、後加
工でスーパーカレンダー処理を行い、シート密度を0.
7g/m3 前後にした。このシートの物性を表4に示し
た。吸脂による不透明度の低下は比較例1、2よりはや
や良かったが、実施例のものに比べると皮脂の取れ感は
不良であった。
【0050】〔比較例4〕模様を構成する層に配合する
無機填料を酸化チタン(古河鉱業株式会社製FR−4
1)及び水溶性高分子をポリアクリル酸ソーダ(ハイモ
株式会社製ハイモロックDR1500)に変更し、その
他の条件は実施例1と同様にしてシートを作製した。こ
のシートの物性を表4に示した。
【0051】図11と図12は、このシートの吸脂の前
後を実施例1と同様にして撮った写真(いずれも倍率
0.92倍)である。吸脂の前後でシートの模様がほと
んど変化せず、皮脂の取れ感は実施例のものに比べると
不良であった。
【0052】〔比較例5〕模様を構成する層に配合する
無機填料を炭酸カルシウム(白石工業(株)製PC)及
び水溶性高分子をポリアクリル酸ソーダ(ハイモ株式会
社製ハイモロックDR1500)に変更し、その他の条
件は実施例1と同様にしてシートを作製した。このシー
トの物性を表4に示した。
【0053】図13と図14は、このシートの吸脂の前
後を実施例1と同様にして撮った写真(いずれも倍率
0.93倍)である。吸脂の前後でシートの模様がほと
んど変化せず、皮脂の取れ感は実施例のものに比べると
不良であった。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】本発明の化粧用脂取り紙は、植物繊維パ
ルプと無機填料の凝集により形成される霜降り状模様
が、吸脂によって消失するかあるいは鮮明となるもので
あるため、吸脂の確認が視覚的に明確である。従来品な
みの吸脂性を有するとともに、格段に優れた吸脂確認効
果を有しており、商品価値が高い化粧用脂取り紙が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシートの吸脂前の写真
【図2】実施例1のシートの吸脂後の写真
【図3】実施例2のシートの吸脂前の写真
【図4】実施例2のシートの吸脂後の写真
【図5】実施例3のシートの吸脂前の写真
【図6】実施例3のシートの吸脂後の写真
【図7】実施例4のシートの吸脂前の写真
【図8】実施例4のシートの吸脂後の写真
【図9】実施例5のシートの吸脂前の写真
【図10】実施例5のシートの吸脂後の写真
【図11】比較例4のシートの吸脂前の写真
【図12】比較例4のシートの吸脂後の写真
【図13】比較例5のシートの吸脂前の写真
【図14】比較例5のシートの吸脂後の写真
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 宗央 静岡県富士市原田970番地 白水寮 (72)発明者 早川 博之 静岡県富士市万野原新田3378番地の21 (56)参考文献 特開 平8−56866(JP,A) 特開 平6−319664(JP,A) 実開 昭49−124867(JP,U) 実開 平5−18392(JP,U) 実開 昭57−85297(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 A47K 7/00 D21H 17/67 D21H 21/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タルク、カオリンクレーまたはシリカか
    ら選ばれる1種の無機填料と植物繊維パルプとが、各無
    機填料に応じて選択される水溶性高分子によって凝集し
    て生じた模様が、植物繊維パルプを主成分とする保護層
    との積層によって保持され、シートに構成されてなるこ
    とを特徴とする化粧用脂取り紙。
  2. 【請求項2】 無機填料がタルクであり、水溶性高分子
    がポリエチレンオキサイドまたはポリアクリル酸ソーダ
    であることを特徴とする請求項1に記載の化粧用脂取り
    紙。
  3. 【請求項3】 無機填料がカオリンクレーであり、水溶
    性高分子がポリアクリルアマイドまたはポリアクリル酸
    ソーダであることを特徴とする請求項1に記載の化粧用
    脂取り紙。
  4. 【請求項4】 無機填料がシリカであり、水溶性高分子
    がポリアクリル酸ソーダであることを特徴とする請求項
    1に記載の化粧用脂取り紙。
  5. 【請求項5】 植物繊維パルプ:タルクの重量比が1:
    1〜1:15である請求項2に記載の化粧用脂取り紙。
  6. 【請求項6】 植物繊維パルプ:カオリンクレーの重量
    比が1:1〜1:15である請求項3に記載の化粧用脂
    取り紙。
  7. 【請求項7】 植物繊維パルプ:シリカの重量比が1:
    1〜1:15である請求項4に記載の化粧用脂取り紙。
  8. 【請求項8】 模様が、幅100μm〜4mm、長さ3
    mm〜20mm、アスペクト比5〜100の凝集体が不
    均一に分布した模様である請求項1から7のいずれかに
    記載の化粧用脂取り紙。
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