JP2003204825A - 化粧用脂取り紙 - Google Patents

化粧用脂取り紙

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JP2003204825A JP2002006885A JP2002006885A JP2003204825A JP 2003204825 A JP2003204825 A JP 2003204825A JP 2002006885 A JP2002006885 A JP 2002006885A JP 2002006885 A JP2002006885 A JP 2002006885A JP 2003204825 A JP2003204825 A JP 2003204825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮脂のみかけの吸収性(脂の取れた感
じ)及び真の皮脂の吸収性に優れるとともに、使用時に
皮脂が取れたことを明確に確認でき使用者に満足感を与
えることのできる化粧用脂取り紙を開発すること。 【解決手段】 (A)植物繊維を主成分とするパルプ原
料100重量部に、(B)無機質填料50重量部以下を
配合してなる紙料を調成し、抄紙して得られる紙の少な
くとも一方の面の一部に透明化剤及び耐油剤を塗布して
なる化粧用脂取り紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧用脂取り紙に関す
るものであり、詳しくは、皮脂のみかけの吸収性(脂の
取れた感じ)及び真の皮脂の吸収性に優れるとともに、
絵柄,文字等の意匠性を有し、且つ使用時に皮脂が取れ
たことを明確に確認できて使用者に充分な満足感を与え
ることのできる化粧用脂取り紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間の身体では、顔面、特に鼻,顎,眉
間等の周囲は、皮脂の分泌が盛んであって、脂っぽくな
り易く、従って、その部分では化粧くずれを起こし易
い。一般に、皮脂が浮き出たまま化粧すると化粧料が皮
膚によく馴染まないため、通常は、脂分を取り除いた後
に化粧を行う。すなわち、化粧時又は化粧直し時に皮脂
の浮き出した部分を化粧用脂取り紙で押さえ、化粧用脂
取り紙に脂分を吸取らせてから化粧を行っている。従来
使用されている市販の化粧用脂取り紙では、吸脂性を有
する麻等の植物繊維からなる紙類が使用されている。し
かるに、麻繊維からなる紙は、皮脂分の吸収力は大きい
が、麻繊維が比較的硬いため使用時に皮膚を刺激するこ
とがある。この皮膚への刺激を減少するために、化粧用
脂取り紙の製造時に強圧縮のロールプレスを行ったり、
紙の表面に炭酸カルシウム粉末や他の無機粉末を塗布す
ることなどが行われている。しかるに、化粧用脂取り紙
の製造時にロールプレスして、紙を構成する繊維を押し
潰した場合、経時により繊維が起毛状態となり、これが
皮膚へ刺激を与える。また、炭酸カルシウム顔料や他の
無機質顔料を塗布した化粧用脂取り紙の場合は、使用時
の皮膚への刺激は少ないが、皮脂分の吸収能力がなくな
ってしまうという問題がある。これは無機質顔料を紙面
に塗布する際に、無機質顔料と接着剤とを混合して塗布
するので、得られる塗工紙はその表面が皮脂分の吸収力
が小さい顔料と接着剤とにより被覆されてしまい、化粧
用脂取り紙の脂取り効果が減少するのは免れない。本発
明者らは、上記の課題を解決するため、先に皮脂の吸取
効果が高く、しかも使用時に皮膚への刺激が著しく少な
い化粧用脂取り紙を開発した(特開平6−319664
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記先願発明において
は、脂取り紙の有する吸油性により、紙が透明化するこ
とで皮脂が取れたことは一応確認できた。本発明は、上
記先願発明の技術を基礎として、脂取り前の脂取り紙に
絵柄,文字等の意匠性を持たせ、紙が油脂分を吸収し透
明化するに従ってその絵柄,文字等が消えると共に、新
しい絵柄,文字等が現れることにより皮脂の吸取効果を
更に明確に確認できるように、インジケータ−機能を付
与することにより、使用者に、更に、満足感を与えるこ
とのできる化粧用脂取り紙を提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、紙料原料として皮脂吸
収性の優れた植物繊維を用い、かつ吸油性の優れた無機
質顔料を併用する特定緊度の紙の表面に透明化剤及び耐
油剤を各々異なった絵柄、文字等の印刷模様の形に塗布
することにより、目的とする性能を有する化粧用脂取り
紙を得ることができることを見出した。本発明はかかる
知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明
は、(A)植物繊維を主成分とするパルプ原料100重
量部に、(B)無機質填料50重量部以下を配合してな
る紙料を調成し、抄紙して得られる緊度が0.6以上の
紙の少なくとも一方の面の一部に透明化剤及び耐油剤を
各々異なった印刷模様に塗布してなる化粧用脂取り紙を
提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】先ず、本発明において、化粧用脂
取り紙を抄紙するにあたり、その紙料を調製するのに供
される(A)成分のパルプ原料は、植物繊維を主成分と
し、これと木材パルプ,ポリオレフィン合成パルプ及び
合成繊維から選ばれた少なくとも一種とからなるもので
ある。ここで、植物繊維としては種々のものが挙げら
れ、例えば、マニラ麻をはじめとして、亜麻,大麻,黄
麻,楮,みつまたあるいは雁皮からなる靱皮繊維、コッ
トン,コットンリンター等の木綿、その他、藁、竹、エ
スパルト、バガス、ケナフ等が使用できる。
【0006】これらの植物繊維は、勿論、パルプ製造法
において、通常行われる各種のパルプ化法、例えば、ク
ラフト法、ソーダ法、亜硫酸法などのケミカルパルプ化
法、その他公知のパルプ化法によってパルプ繊維として
取り出されて用いられる。これらの植物繊維は、それぞ
れ単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用い
てもよい。これらのなかでは、マニラ麻からの植物繊維
が皮脂の吸収性、入手のし易さ、供給量等の点から好ま
しく用いられる。そして、この植物繊維は、紙料の調製
にあたって、他のパルプ原料に対して少なくとも50重
量%以上、好ましくは70重量%以上配合するようにし
て用いられる。
【0007】次に、化粧用脂取り紙の紙料の調製にあた
り、前記(A)成分のパルプ原料には、植物繊維の他
に、製紙業界において一般的に用いられている木材パル
プ,ポリオレフィン合成パルプ及び合成繊維から選ばれ
た少なくとも一種を用いることができる。木材パルプと
しては、針葉樹,広葉樹などからクラフト法,ソーダ
法、亜硫酸法などのケミカルパルプ化法、その他公知の
パルプ化法によって製造された木材パルプを用いること
ができる。また、ポリオレフィン合成パルプとしては、
多くの合成樹脂メーカーによって開発された種々の方法
によって製造されたものを用いることができる。ここ
で、ポリオレフィンとしては、ポリエチレン,ポリプロ
ピレン等の合成パルプが適しており、市場への供給性,
均質性あるいは入手価格等からポリエチレン合成パルプ
が最も適している。
【0008】例えば、現在一般に市販されていて容易に
入手することができる典型的なものとしては、ポリエチ
レン合成パルプ“SWP”〔三井化学(株)製〕が挙げ
られる。合成繊維としては、化学繊維紙の製造に一般的
に供されているもの、すなわち、合成繊維の原料樹脂を
湿式,乾式,溶融などのいずれかの方法で紡糸されたも
のを適宜長さの短繊維に切断したものをいずれも用いる
ことができる。具体的には、ポリエチレン,ポリプロピ
レン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリビニルアル
コール,アクリル,ポリエステル,ナイロン,レーヨン
等の繊維、あるいはコアがポリエチレンで、シースがポ
リプロピレンの芯鞘構造を有する複合繊維、エチレン・
酢酸ビニル共重合繊維などが挙げられる。
【0009】これらの合成繊維は、水中での分散性をよ
くするために、予め疎水性の繊維表面を親水加工したも
の、あるいは植物繊維のように枝状化(フィブリル化)
加工したものが用いられる。これらのなかで、例えば、
ポリプロピレン繊維は、プロピレンをチーグラー型触媒
で重合して得られるアイソタクチックポリマーから溶融
紡糸された繊維を所望長さに切断したものである。この
ようにして得られるポリプロピレン繊維は、比重が0.
9〜0.92、融点164〜170℃であって、その軟
化点は約150℃である。これらの合成繊維の繊維長
は、通常、0.5〜30mmで、一般的には3〜6mm程
度のものが最も多く用いられる。本発明においては、ポ
リオレフィン合成パルプ及び合成繊維は、化粧用脂取り
紙に真の吸油性や柔軟性を付与するのに効果を発揮す
る。
【0010】前記のポリオレフィン合成パルプは、熱処
理によって溶融し、ポリオレフィン合成パルプ相互に、
あるいはポリオレフィン合成パルプと合成繊維を相互に
熱融着、固定化し、又はポリオレフィン合成パルプを合
成繊維に熱融着、固定化して紙状シートを得ることがで
きるものである。勿論、熱処理をせず、通常のパルプと
同様に用いることができる。熱処理する場合、ポリオレ
フィン合成パルプの熱処理温度は、150℃以下である
ことが好ましい。また、前記の合成繊維は、親油性が大
きく、またヒートボンディング性を有しており、従っ
て、種類と配合率をコントロールしてこれらを用いるこ
とによって、柔軟にして親油性のある化粧用脂取り紙を
得ることができる。これらの木材パルプ,ポリオレフィ
ン合成パルプあるいは合成繊維はそれぞれ単独で用いて
もよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。そし
て、その使用量は、植物繊維に対して50重量%以下、
好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは5〜30重
量%配合するように用いられる。
【0011】本発明の化粧用脂取り紙に供される(B)
成分の無機質填料としては、化粧用脂取り紙の吸脂性を
高めるのに効果的な吸油性に優れたものを用いることが
できる。例えば、天然填料として、安価で耐薬品性や平
滑性を付与するのに効果的なクレー,タルク,カオリン
等を用いることができる。また、人工填料としては、高
白色度,不透明性を付与するのに効果的な炭酸カルシウ
ム,酸化チタン,ホワイトカーボン等を用いることがで
きる。これらの無機質填料は、繊維と繊維との間隙に詰
まって紙に不透明性を付与し、また、紙の密度を高くし
紙面を平滑にする。その結果、皮脂の吸収性が向上し、
紙質を柔軟にする効果も有する。
【0012】これらの無機質填料の形状については特に
制限はなく、粒状,張り状,紡錘状,板状,無定形など
種々のものが使用でき、また、粒径については、光沢度
や紙の柔軟性、紙面の平滑性などに関係してくるので、
通常、3μm以下のものが好ましく用いられる。そし
て、着色する必要がある場合には、例えば、ベンガラ,
群青,各種酸化鉄などを適宜その適量を使用しても差し
支えなく、粒径はより微細なものが好適である。化粧用
脂取り紙の紙料調製にあたり、(B)成分の無機質填料
は、(A)成分のパルプ原料100重量部に対して、5
〜50重量部の範囲で配合される。この配合量が5重量
部未満では皮脂吸収性の向上効果がそれ程認められな
い。また、50重量部を超えると、強度が低下し実用上
好ましくない。
【0013】本発明の化粧用脂取り紙は、上記のような
組成を有する脂取り紙の少なくとも一方の面、好ましく
は一方の面に透明化剤及び耐油剤を各々異なった印刷模
様に塗布することを特徴としている。本発明において使
用できる透明化剤としては、透明化剤を塗布した印刷部
が化粧用脂取り紙が皮脂を吸収することにより透明とな
った非印刷部と同色となるものが好ましく、例えば、石
油系炭化水素樹脂又は該石油系炭化水素樹脂にパラフィ
ンワックス、イソパラフィン等の飽和炭化水素、菜種
油、大豆油、牛脂硬化脂肪酸の動植物油脂、ステアリン
酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸等の飽和若しくは不飽和脂肪酸の1種又は2種以上を
配合したものを挙げることが出来る。ここで石油系炭化
水素樹脂とは、1, 4−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロヘキサン、2,2’−ジ(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン等の脂環族飽和炭化水素、芳香族不飽和炭化水
素から得られる樹脂及びその他アミノ基、水酸基、ビニ
ル基、ニトロ基、カルボニル基等の各種置換基を有する
樹脂を意味する。また、一般的な透明化剤として知られ
る、セルロースの屈折率にほぼ等しい屈折率を有する物
質、例えば、流動パラフィン、ポリブテン、ジオクチル
フタレート、トリクレジルホスフェ ート、フェノール
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキ
シ樹脂、スチレン無水マレイン酸共重合体、ポリスチロ
ール樹脂などの熱硬化性樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、不飽和アルキド樹脂、変性アクリル樹脂、変性エポ
キシ樹脂、変性ウレタン樹脂などに、それぞれ適切なビ
ニルモノマーと光増感性物質とを含ませた紫外線硬化型
樹脂、オレフィン重合油を主成分とするもの等を例示す
ることができる。これらの透明化剤の内では、特に、石
油系炭化水素樹脂又は該石油系炭化水素樹脂に飽和炭化
水素、動植物油脂、飽和若しくは不飽和脂肪酸の1種又
は2種以上を配合したものが好ましく使用できる。上記
透明化剤は、適当な溶媒で希釈した塗液の形で脂取り紙
の上に塗布することができ、その塗液中における濃度は
1〜30重量%が一般的である。溶媒としては、トルエ
ン、水、イソプロピルアルコール等のアルコール類を挙
げることができるが、これらに限らず、透明化剤の種類
に応じた適当な溶剤を選択して使用することができる。
【0014】本発明において使用できる耐油剤として
は、例えば、過フッ化炭化水素エステルなどのフルオロ
カーボン系化合物、ポリビニルアルコール変性物、ポリ
塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ニトリルブタジエンゴム(NBR)等を使用することが
できるが、特に、過フッ化炭化水素エステルが好ましく
使用できる。上記耐油剤は、例えば、イソプロピルアル
コール,エチルアルコールなどのアルコール類、水等あ
るいはこれらの混合液等の溶媒で希釈した塗液の形で脂
取り紙の上に塗布することができ、その塗液中における
濃度は1〜30重量%が一般的である。上記透明化剤を
含有する塗液及び耐油剤を含有する塗液には、更に付加
機能を与えることを目的として、その一方又は両方に、
ジャスミン、ミント、ローズマリー等の芳香剤,お茶の
抽出物であるカテキン等の消臭剤、酸化チタン等の抗菌
剤などを適量添加することができる。
【0015】このような透明化剤及び耐油剤は、紙の表
面の少なくとも一部分に塗布されれば充分であり、その
塗布面積は脂取り紙の皮脂吸収性を阻害しない範囲でこ
れらのバランスの面から適宜決定することができ、例え
ば、合計で、脂取り紙全体の面積の10%以下が適当で
ある。透明化剤及び耐油剤は部分的に同じ場所に重複し
て塗布することもできるが、全てを同じ場所に塗布する
ことはインジケータ−機能を付与するという目的からは
無意味であり、異なった印刷模様にして、重複部分はで
きるだけ少なくなるように塗布するのが好ましい。ま
た、透明化剤及び耐油剤は同じ面に塗布しても、異なっ
た面に塗布しても良い。本発明の化粧用脂取り紙の塗布
部分における透明化剤及び耐油剤の塗布量としては、合
計で10g/m2 以下であることが好ましい。塗布量が
10g/m2 より多い場合は脂取り紙そのものの本来の
脂油性を阻害する場合がある。この点から、透明化剤及
び耐油剤の塗布量としては、各々5g/m2 以下である
ことが更に好ましい。塗布方法としては、特に限定され
るものではなく、例えば、グラビア印刷,フレキソ印
刷,凸版印刷等従来周知の印刷方法及びロールコータ等
の塗工機がいずれも使用できる。透明化剤を含有する塗
液を塗布した後、及び耐油剤を含有する塗液を塗布した
後は、各々、乾燥を行い塗布を完了する。
【0016】本発明の化粧用脂取り紙は、前記(A)成
分の植物繊維を主成分とし、木材パルプ,ポリオレフィ
ン合成パルプ及び合成繊維から選ばれた少なくとも一種
からなるパルプ原料に、(B)成分の無機質填料を配合
してなる紙料を調成し、通常の木材パルプを用いて抄紙
するのと同様にして抄紙し、更にその上に上記透明化剤
及び耐油剤の塗布を行うことによって得ることができ
る。すなわち、化粧用脂取り紙を抄紙するにあたって
は、まず、(A)成分の植物繊維単独のパルプ原料、も
しくは植物繊維に、木材パルプ,ポリオレフィン合成パ
ルプ及び合成繊維から選ばれた少なくとも一種を50重
量%以下、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは
5〜30重量%含むパルプ原料を水に分散する。ここ
で、このパルプ原料を水に分散するにあたっては、植物
繊維と共にポリオレフィン合成パルプや合成繊維を用い
る場合には、水のぬれの問題があるので、適宜ぬれ調節
剤を用いて分散すると効果的である。ぬれ調節剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げら
れる。
【0017】次いで、水に分散されたパルプ原料は、ビ
ーター,リファイナー等を用い目的とする抄紙に適した
状態に水で膨潤(ハイドレーション)させ、枝状化(フ
ィブリル化)及び切断(ショートニング)するようにし
て、柔軟性のある緻密な紙を得ることができるように叩
解処理される。続いて、叩解処理されたパルプ原料に、
(B)成分の無機質填料を、(A)成分のパルプ原料1
00重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10
〜30重量部の範囲で配合し化粧用脂取り紙用の紙料を
調製する。なお、紙料調成にあたっては、本発明の目的
を阻害しない範囲で必要に応じて、各種添加成分を配合
することができる。例えば、強度を向上させるために、
紙力増強剤として、アクリルエマルジョン,エチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョン,スチレン−ブタジエ
ンラテックスなどを用いたり、あるいは耐光性を向上さ
せるために紫外線吸収剤を添加したり、さらには着色剤
その他の助剤を用いて紙料を調成することができる。
【0018】前記のようにして調成された紙料は、通常
の抄紙方法によって抄紙し、乾燥する。化粧用脂取り紙
は、通常、坪量10〜50g/m2 、好ましくは10〜
30g/m2 で抄紙されものであり、緊度が0.6以上、
更に好ましくは、0.7以上とすることにより、皮脂の吸
収性に優れたものを得ることができる。ここで、緊度を
高める方法としては種々の方法がある。例えば、抄紙時
に、マシンキャレンダーを用いる方法、あるいは後処理
として、スーパーキャレンダーを用いて行う方法などが
ある。勿論、これらの方法に限定されるものではない。
抄紙は、通常、ヤンキー式抄紙機、長網式抄紙機などで
行われる。
【0019】なお、化粧用脂取り紙は、(A)成分の一
部として、ポリオレフィン合成パルプあるいは合成繊維
を用いた場合、柔軟にして、より親油性のあるものを得
ることができ、熱処理することによって、薄くても強度
のすぐれたものとなる。この熱処理は、通常、処理温度
110〜150℃に設定された熱加工機で行われ、熱加
工機としては、加熱ロールと加圧ロールを備えたもので
あれば、いかなる形態のものでも適用することができ
る。そして、この熱処理は、乾燥と同時であってもよい
し、あるいは、上記のように一旦抄紙、乾燥してから、
巻取り紙を熱処理するなどいずれであってもよい。
【0020】
【実施例】更に、実施例により本発明を、更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0021】実施例1 マニラ麻(CSF400ml)100重量部をビーター
にて所定の叩解度に調成し、マイクロタルク〔LMR1
00(富士タルク製)〕20重量部と混合して均一分散
した。そして、その後、ヤンキー抄紙機で抄造した。抄
造した原紙を用いて、スーパーキャレンダー処理を行
い、坪量15g/cm2 、紙厚22mm、緊度0.68
g/cm2 の加工紙を得た。次いで、この加工紙の一方
の表面に、グラビア印刷機にて下記の塗液Aを用いて、
塗布面積1%、塗布量1g/m2 で絵柄の塗布・乾燥を
行なった。 (塗液A) 透明化剤〔クラリテンDC(大和化学工業(株)社製)〕 50重量部 トルエン 50重量部 続いて、この透明化剤が塗布された加工紙の同じ面に、
グラビア印刷機にて下記の塗液Bを用いて、塗布面積1
%、塗布量1g/m2 で別の絵柄の塗布・乾燥を行い、
本発明の化粧用脂取り紙を得た。 (塗液B) 耐油剤〔スコッチバンFC−807(住友3M社製)〕 10重量部 イソプロピルアルコール 80重量部 水 10重量部 芳香剤〔ジャスミン〕 上記3成分の合計に対し10重量%
【0022】実施例2 実施例1において、加工紙の坪量を20g/m2 、紙厚
を27mm、緊度0.74g/cm2 とした以外は同様
にして、本発明の化粧用脂取り紙を得た。
【0023】実施例3 実施例1において、塗工液Aを下記の塗工液A’とした
以外は同様にして、本発明の化粧用脂取り紙を得た。 (塗液A’) 透明化剤〔クラリテンDCE(大和化学工業(株)社製)〕 50重量部 水 50重量部
【0024】実施例1、2及び3の各々で得られた化粧
用脂取り紙について、その品質評価として脂取り後の絵
柄の確認を視覚により行った。評価方法は、10人のラ
ンダムに抽出したパネラーについて、各々その鼻部を化
粧用脂取り紙で皮脂を吸取らせた後、その化粧用脂取り
紙の表面に浮き出る絵柄を視覚にて確認し、下記の基準
で評価した。 ◎:10人全員が明確に最初あった絵柄が消え、新しい
絵柄が現れるのを確認した。 ○:10人未満5人以上が明確に最初あった絵柄が消
え、新しい絵柄が現れるのを確認した。 △:5人未満のパネラーが、最初あった絵柄が消え、新
しい絵柄が現れるのを確認した。 ×:1人も最初あった絵柄が消えるのも、新しい絵柄が
現れるのも確認できなかった。 品質評価の結果、実施例1、2及び3の各々で得られた
化粧用脂取り紙の何れについても、◎と評価された。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、皮脂のみかけの吸収性
(脂の取れた感じ)及び真の皮脂の吸収性に優れるとと
もに、使用時に皮脂が取れたことを明確に確認でき使用
者に充分な満足感を与えることのできる化粧用脂取り紙
を提供することができる。したがって、本発明の化粧用
脂取り紙は、上記特性から、充分に使用に耐えうるもの
で、化粧品材として、その利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D034 AB00 AC00 4L055 AA07 AF15 AG10 AG18 AG26 AG27 AG33 AG34 AG43 AG58 AG67 AG69 AH01 AH24 AH50 BE10 EA08 EA14 EA32 GA46

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)植物繊維を主成分とするパルプ原
    料100重量部に、(B)無機質填料50重量部以下を
    配合してなる紙料を調成し、抄紙して得られる、緊度が
    0.6以上の紙の少なくとも一方の面の一部に透明化剤
    及び耐油剤を各々異なった印刷模様に塗布してなる化粧
    用脂取り紙。
  2. 【請求項2】 透明化剤が、石油系炭化水素樹脂又は該
    石油系炭化水素樹脂に飽和炭化水素、動植物油脂、飽和
    又は不飽和脂肪酸の1種又は2種以上を配合したものか
    ら選ばれる少なくとも一種であり、耐油剤が、フルオロ
    カーボン系化合物、ポリビニルアルコール変性物、ポリ
    塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
    塩化ビニル、カルボキシメチルセルロース、ポリアミ
    ド、ポリエチレンテレフタレート及びニトリルブタジエ
    ンゴムから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記
    載の化粧用脂取り紙。
  3. 【請求項3】 透明化剤及び耐油剤の塗布量が、合計で
    10g/m2 以下である請求項1又は2に記載の化粧用
    脂取り紙。
  4. 【請求項4】 パルプ原料が、木材パルプ、ポリオレフ
    ィン合成パルプ及び合成繊維から選ばれた少なくとも一
    種を50重量%以下含むことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の化粧用脂取り紙。
  5. 【請求項5】 無機質填料が、クレー,タルク,カオリ
    ン,炭酸カルシウム,酸化チタン及びホワイトカーボン
    から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の化粧用脂取り紙。
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