JPH11178636A - 化粧用あぶら取り紙及びその製造方法 - Google Patents

化粧用あぶら取り紙及びその製造方法

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JPH11178636A
JPH11178636A JP9353475A JP35347597A JPH11178636A JP H11178636 A JPH11178636 A JP H11178636A JP 9353475 A JP9353475 A JP 9353475A JP 35347597 A JP35347597 A JP 35347597A JP H11178636 A JPH11178636 A JP H11178636A
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paper
pressure treatment
density
treatment
embossing
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JP9353475A
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Yasuhiko Ogi
康彦 荻
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Daifuku Seishi Kk
Original Assignee
Daifuku Seishi Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧用あぶら取り紙の平滑度を高圧処理で行な
った場合よりも低くでき、かつ密度は箔打ち処理のみを
行なった場合よりも大きくなるため、皮脂の取れ方を良
くすることができる化粧用あぶら取り紙及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】マニラ麻(叩解度SR30゜)100部
に、マイクロタルク(平均粒子径1.2μ、表面積1
4.5 BETm2 /g)20部重量部を混合して均一
分散とし、定着剤を用いて、繊維へ定着させ、その後、
丸網抄紙機にて抄造した。丸網抄紙機の抄き網は線径
0.2mmで16メッシュ使用し1本バットにて坪量2
2g/m2 で凹凸層を形成して、水分量18%にした抄
紙を、スーパーキャレンダーにて高圧処理し、その後、
エンボス加工処理を行なって密度0.961g/c
3 、平滑度109(秒)、平均表面粗さ2.4μmの
化粧用あぶら取り紙を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、皮脂の吸収に応
じて鋭敏に透明性が発現するとともに、皮脂の吸液性が
早い特性に優れた化粧用あぶら取り紙及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間の顔面、特に鼻、頬、額、眉毛間等
は皮脂の分泌が盛んであぶらっぽくなり易く、従って、
その部分では化粧崩れを起こし易い。一般に皮脂が浮い
たまま化粧をすると、皮膚に化粧料が馴染まないため、
顔面の皮脂分を化粧用あぶら取り紙にて取り除いてから
化粧し、効果を上げている。これは化粧直しの場合も同
様である。従来の化粧用あぶら取り紙は古くから箔打紙
が使われており、名塩紙が有名である。この紙は、西宮
市名塩産で、三椏、楮、雁皮に特殊な泥、例えば、金箔
打ちには東久保土と呼ぶ白色のもの、銀箔打ちには蛇豆
土という茶褐色のものを混入して漉いた紙である。
【0003】又、箔打紙は箔打ちを15回ほど使用する
と、箔を打ち延ばす働きがなくなり、これを女性のあぶ
ら取り化粧紙として用いられている。上記の名塩産の紙
(名塩紙)は箔打ち後は、密度が高く、これをあぶら取
り化粧紙として用いると、顔面の皮脂分が除かれ、風呂
に浴したようになるので、またの名を風呂屋紙として早
くから用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の箔打
ちで製造した場合の密度、平滑度、不透明度、平均表面
粗さを測定した結果を下記の表1に示す。なお、このと
きの箔打ち紙の抄造時の製造原料等の条件は、後記する
実施例1のものと同じであり、箔打ち処理のみ行なっ
た。又、箔打ち条件は下記の通りである。
【0005】
【表1】
【0006】なお、特性/条件の欄において、「(A
1)生原紙」は、箔打ちを行なっていない場合、すなわ
ち、抄紙しただけのものをいう。又、「(B)1 」、
「(C)2 」、「(D)3 」の中の数字は、下記の箔打
ちの条件中の「箔打ち時間」にその数字を倍数にした時
間で箔打ちを行なった場合のものを示している。又、平
滑度の欄で、A面とは、紙の2面の内、面がツルツルの
方をいい、B面とは、ザラザラの方をいう。
【0007】(箔打ちの条件) 紙のサイズ:約21cm角、箔打ち機:ベルトハンマー
機、槌の重量:16kg、受け台:石又は鉄、打撃速
度:約500回/分、箔打ち時間:105秒 上記の条件で、上記のサイズの紙を300〜350枚重
ねた状態で箔打ちを行なう。
【0008】上記の測定結果から、箔打ち時間を延長し
た場合、ある程度まで密度が変化しないことが確認でき
た。そして、箔打ち時間を従来条件(現行条件:105
秒)の3倍に変更すると、衝撃の強さにより、和紙が破
けてしまい、密度を0.80g/cm3 以上にすることが不
可能であることがわかった。
【0009】化粧用あぶら取り紙は、高密度でかつ、平
滑度が低く、表面積が多く(表面が粗い)、不透明度が
低いものほど皮脂を取れやすくする機能が高まる。しか
し、従来の箔打ち処理を行なった化粧用あぶら取り紙で
は、高密度にするには限界があることがわかった。
【0010】一方、高密度にするには、スーパーキャレ
ンダー、熱キャレンダー又は高圧プレス等の高圧処理で
行なうことが考えられる。ところが、高圧処理を行なう
と、紙面の平滑度が高すぎて、皮脂の取れ方が悪くなる
問題がある。
【0011】この発明は、箔打ちを行なって形成した化
粧用あぶら取り紙よりも、高密度にすることができると
ともに、しかも平滑度は高圧処理で行なった場合よりも
低くできて、皮脂の取れ方を良くすることができる化粧
用あぶら取り紙及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この請求項1の発明においては、植物繊維を主成
分とする原料からなり、高圧処理された後に、エンボス
加工処理がされていることを特徴とする化粧用あぶら取
り紙を要旨とするものである。
【0013】この発明での植物繊維は、マニラ麻(アバ
カ)、亜麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、雁皮、楮、バ
ナナ繊維、或は三椏からなる靱皮繊維又は木材パルプか
ら選ばれた少なくとも一種をいい、主成分とは、前記植
物繊維を50重量部%以上を含むことをいう。
【0014】抄紙された紙は、高圧処理されていると、
紙密度の高いものとなる。紙密度が高いと高吸油とな
り、使用後に透明性が上がる利点がある。一方、高圧処
理は平滑性が上がり過ぎて、表面積が非常に小さくなる
ため皮脂の取れ方が悪くなるが、高圧処理の後にエンボ
ス加工処理が行われていると、紙面の平滑度が下がる。
このため、エンボス加工処理されたあぶら取り紙によれ
ば平滑度が下がるため、皮脂の取れ方は良好となる。
【0015】なお、高圧処理は、水分量7〜21%が含
浸された状態の紙に対して行うことが好ましい。22%
以上の水分量であると、高圧処理を行なったとき、紙が
完全に乾燥できず、高圧処理後、たるみ並びに皺等のト
ラブルが発生しやすくなる。
【0016】又、7%未満の水分量の場合、高密度とす
ることができなくなる。この明細書において、エンボス
加工とは、エンボスロール等にて、紙面に凹凸を設ける
処理をいう。
【0017】使用するエンボスロールの型は、「微粒
面」、「ちりめん」、及び「いちご」等の「梨地」、
「ピラミッド」、及び「B絹」等の「絹目」、「布
目」、「A絹」、「C絹」、「毛穴」、「小石」、「ダ
イヤ」、「KF3」等を含む種々のものがあるが、その
エンボス加工時の圧力、速度(スピード)等の各種条件
を適宜設定することにより行なうことができる。
【0018】エンボス加工は、紙の表裏を同時にエンボ
ス加工を行なう両面雌雄エンボス加工、紙の片面(一般
に表側)のみにエンボス加工を行なう片面エンボス加工
がある。又、片面エンボス加工によって、表裏面をそれ
ぞれエンボス処理することによって、紙の両面にエンボ
ス加工を行なってもよい。
【0019】請求項2の発明は、請求項1において、高
圧処理は、スーパーキャレンダー、熱キャレンダー又は
高圧プレスが用いられてなる化粧用あぶら取り紙を要旨
とするものである。
【0020】高圧処理として、スーパーキャレンダー、
熱キャレンダー又は高圧プレスを使用することにより、
高密度の紙が得られる。請求項3の発明は、請求項1又
は請求項2において、紙密度が0.8〜1.2g/cm
3 である化粧用あぶら取り紙を要旨とするものである。
【0021】紙密度が、0.8〜1.2g/cm3 の範
囲であると、高吸油し、更に使用後非常に透明性が上が
る。紙密度が0.8g/cm3 未満の場合は、使用後の
透明性が悪くなり、1.2g/cm3 を越えると、生産
が困難となるため好ましくない。
【0022】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のうちいずれかにおいて、紙の平均表面粗さ(JIS B 06
51の測定器での算術平均粗さRa)が2.0〜6.0μ
mの範囲にエンボス加工処理された化粧用あぶら取り紙
を要旨とするものである。
【0023】平均表面粗さが2.0μm未満であると、
紙面の平滑性が高くなり過ぎ、表面積が非常に小さくな
るため皮脂(あぶら)の取れ方が悪くなる。又、平均表
面粗さが6.0μmを越えると、凹凸が激しくなり、皮
膚に触れたときの触感(肌触り)が悪くなるとともに、
肌との接触が悪くなりあぶらの取れ方が悪くなる。
【0024】従って、紙の平均表面粗さ(JIS B 0651の
測定器での算術平均粗さRa、以下、単に平均表面粗さ
という)が2.0〜6.0μmの範囲が触感及びあぶら
の取れ方の点で好ましい結果が得られる。なお、算術平
均粗さRaはJIS B 0601の中心線平均粗さの定義に準ず
る。
【0025】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のうちいずれかにおいて、植物繊維を主成分とする原料
100重量部に対して無機質填料0.5〜40重量部%
を含むことを特徴とする化粧用あぶら取り紙を要旨とす
るものである。
【0026】無機質填料とは、クレー、タルク、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタン、あるいはホワイトカ
ーボン等の填料をいい、この填料が混在することによ
り、高吸油(吸液)し、更に使用後透明性が上がるもの
をいう。
【0027】無機質填料0.5%未満では、高吸油性
(高吸液性)が悪くなる。又、40重量部%を越える
と、強度が弱く、耐久性の悪化、すなわち、使用時に破
けを生じ易くなる。
【0028】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のうちいずれかにおいて、紙の片面又は両面に凹凸層を
設けた化粧用あぶら取り紙を要旨とするものである。凹
凸層がないあぶら取り紙の場合、紙の厚さ方向のみで吸
油するため、紙の厚さにより吸油量が制限される。
【0029】又、使用時の肌触り・強度(使用時破けに
くい)・使い易さより、紙の坪量は15〜25g/m2
の範囲であり、使用時の吸油量には制限があり、特に顔
面等の皮脂の多い場合一枚のみの使用では十分に取れな
いため、2〜3枚使用する場合も生ずる。紙の片面又は
両面に凹凸層がある場合には、その凹部に皮脂が吸収さ
れ、凹凸層面の表層部並びに紙の厚さ方向にて吸油され
高い吸油量が得られるため、特に顔面等の皮脂の多い場
合一枚のみの使用でも十分な効果が得られる。さらに、
凹凸層を設けると、さらに風合いが柔らかくなり、肌に
なじみやすい。
【0030】前記凹凸層は、抄紙の段階で抄紙機のシリ
ンダーワイヤー上に金網又はプラスチックワイヤー又は
シリンダーワイヤー上に部分的に目止めを行い、一層又
は二層から形成される。
【0031】線径0.1mmから1 .0mmの範囲で、
かつ5メッシュ〜40メッシュの範囲の抄網を使用する
と、凹凸層による吸油量及び紙層形成の点で好ましい。
0.1mm未満の線径では、吸油量が増加しないため好
ましくなく、1.0mmを越すと、紙層形成及び強度の
点で好ましくない。又、5メッシュ未満では、吸油量
(吸液量)の点で好ましくなく、40メッシュを越える
と、凹凸層が形成しにくく好ましくない。
【0032】請求項7の発明は、植物繊維を主成分とす
る原料を抄紙機にて抄紙し、その後、高圧処理し、後
に、エンボス加工処理をすることを特徴とする化粧用あ
ぶら取り紙の製造方法を要旨とするものである。
【0033】請求項8の発明は、請求項7において、高
圧処理は、スーパーキャレンダー、熱キャレンダー又は
高圧プレスを用いることを特徴とする化粧用あぶら取り
紙の製造方法を要旨とするものである。
【0034】上記の製造方法において、高圧処理とし
て、スーパーキャレンダー、熱キャレンダー等の加工工
程を採用する場合には、後のエンボス加工工程の連続処
理を行なうことが可能であり、生産コストを低減するこ
とができる。すなわち、箔打ち紙の場合には、紙を数百
枚単位で重ねて行なう必要があり、そのための裁断工程
が必要となって、実質的に連続処理を行なうことはでき
ず、高コストとなる。それに対して、上記の方法によれ
ば、ロール等から巻出された紙を各工程において、処理
することが可能であり、そのような問題がなく、生産コ
ストを低減できる。
【0035】請求項9の発明は、請求項7又は請求項8
において、紙の平均表面粗さ(JISB 0651の測定器での
算術平均粗さ)が2.0〜6.0μmの範囲にエンボス
処理加工処理することを特徴とする化粧用あぶら取り紙
の製造方法を要旨とするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、製造方法の一実施形態を
挙げるが、これに限定されるものではない。 (製造方法)原料は、マニラ麻(アバカ)、亜麻、黄
麻、サイザル麻、ケナフ、雁皮、楮、バナナ繊維あるい
は三椏から成る靭皮繊維又は木材パルプから選ばれた少
なくとも一種を50重量部%以上を用いることが望まし
い。50重量部%を下回ると、強度が弱く使用時に破け
を生じ易くて好ましくない。
【0037】ビー夕ー等の叩解機にて所定の叩解度に調
成し、更にタルク等の無機質填料を植物繊維等の原料1
00重量部%に対して0.5〜40重量部%混合して均
一分散する。そして、そのまま抄紙すると、繊維への填
料定着が悪く、排水の問題並びに工程の汚れが発生する
ため、その後定着剤としてファイレックスRC104及
びファイレックスM(ともに、明成化学工業株式会社
製)等を用い、繊維への定着性を向上する。その後、丸
網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機等の抄き網で、一層
のものを抄紙する。
【0038】なお、一層であって、凹凸層としたい場合
には、丸網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機等の抄き網
であって、線径0.1〜1 .0mmで5〜40メッシュ
のものを使用して網目模様にて一層の凹凸紙を形成す
る、又は抄き網に部分的に金網の目を詰めることにより
その部分は原料が乗らず一層の凹凸紙を形成できる。
【0039】更に二層の場合は抄き漕を2本として一層
と同様、図1(a)に示すように表層と裏層に凹凸層2
0を形成する。又、二層抄き合わせの場合は第一抄き漕
は金網60〜120メッシュを使用して凹凸層のない層
(平滑層)22を形成し、更に第二抄き漕は線径0.1
〜1 .0mmで5〜40メッシュを使用又は部分的に金
網の目を詰めることにより凹凸層21を形成し、坪量1
5〜25g/m2 の紙を抄造する(図1(b)を参
照)。
【0040】坪量15g/m2 未満の場合、紙の強度が
なく、使用時に破けを生じ易く、又、25g/m2 を越
えると柔軟性がなくなり、使用時肌との馴染みが悪く違
和感があり、さらには、使用時の透明性にもかけるため
25g/m2 以下が好ましい。
【0041】なお、使用される無機質填料はクレー、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタンあるいは
ホワイトカーボンの中から選ばれたものが使用できる
が、皮脂の吸油量を多くするには、マイクロタルクを使
用し平均粒子径2.5μ以下で表面積13.0 BET
2 /g以上のものが望ましい。
【0042】使用後の透明性を上げるには密度を0.8
〜1.2g/cm3 と高密度化する必要があり、所定の
寸法にした後、スーパーキャレンダー、熱キャレンダー
又は高圧プレス等の高圧処理を行なう。そして、高圧処
理によって、平滑性(平滑度)が高すぎるのを抑えるた
めに、エンボス加工処理を施す。
【0043】(実施例) 次に、実施例について説明する。 (実施例1及び実施例2) 実施例1及び実施例2は下記の紙料、無機填料、及び定
着剤を使用した。
【0044】 マニラ麻 叩解度SR30゜ 100部 マイクロタルク 平均粒子径 1.2μ 20部 表面積 14.5 BETm2 /g 定着剤 ファイレックスRC−104 0.5% ファイレックスM 0.3% すなわち、マニラ麻をビーターにて所定の叩解度に調成
し、マイクロタルクを20.0重量部%を混合して均一
分散とした。そして、その後、定着剤としてファイレッ
クスRC−104及びファイレックスM(ともに、明成
化学工業株式会社製)を用いて、繊維へ定着させ、その
後、丸網抄紙機にて、1本バットにて坪量22g/m2
で平滑紙を抄紙した。
【0045】次工程において、水分量(割合)が14
%,16%,18%,21%のものを下記の条件のスー
パーキャレンダーにて高圧処理を行なった。その結果を
表2に示す。
【0046】又、併せて比較対象のために従来品とし
て、「(A2)生原紙」及び「(I)」のものを表2に
示す。
【0047】
【表2】
【0048】なお、特性/条件の欄において、「(E)
14% 」、「(F)16% 」、「(G)18%」、「(H)21%
」の中の数字は、水分量を表す。 (条件) 高圧処理方法:スーパーキャレンダー スーパーキャレンダー条件:14段での13ニップ 線圧力:300kg/cm、温度:80℃ スピード:200m/分 上記表2中、「(A2)」とは、生原紙であって、高圧
処理、箔打ち処理のいずれの処理も行なっていないもの
である。又、「(I)」は、スーパーキャレンダー(高
圧処理)の代わりに、表1の「(B)」と同様の箔打ち
条件で箔打ち処理のみ行なったものである(なお、従来
条件のもの(A2,I)の水分量は7±1%である。)
又、平均表面粗さの測定は、JIS B 0651(触針式表面粗
さ測定器による測定)によって行なった。
【0049】以上のことから、スーパーキャレンダーの
みで高圧処理した場合には、密度は、従来の箔打ち品よ
りも高くすることができる。一方、スーパーキャレンダ
ーのみ((E)〜(H))では、箔打ち品(B)と異な
り、平滑度を100以下にすることは困難である。
【0050】なお、水分量が22%以上の場合には、紙
が完全に乾燥できず、高圧処理後、たるみ並びに皺等の
トラブルが発生しやすくなった。又、表2には挙げてい
ないが、水分量7%未満の例では、0.80g/cm3 以上
の密度を得ることができないことがわかった。
【0051】従って、高圧処理時の抄紙の水分量は、7
%〜21%であることが望ましいことが分かった。次
に、前記水分量18%のものを上記のようにスーパーキ
ャレンダーで高圧処理を行なった後に、エンボス加工処
理を行なった。
【0052】ここで、スーパーキャレンダーによる高圧
処理とその後のエンボス加工処理を行なった実施例1及
び実施例2の密度、平滑度、不透明度、平均表面粗さを
表3に示す。
【0053】なお、エンボス加工処理の条件は下記の通
りである。 (エンボス加工処理) ・各実施例の共通条件 ロール温度:80℃ 線圧力: 100kg/cm 速度: 3m/分 ・実施例1の条件 使用エンボスロールの種類: 微粒面(700番手) エンボス加工面 : 紙の両面 ・実施例2の条件 使用エンボスロールの種類: 絹目60(網目状の60
メッシュ) エンボス加工面 : 紙の片面 又、比較例として、生原紙のもの(比較例1)、生原紙
にエンボス加工を行なったもの(比較例2)、生原紙に
スーパーキャレンダーによる高圧処理を行なったのみの
もの(比較例3)の、密度、平滑度、不透明度、表面粗
さも併せて表3に示す。
【0054】なお、比較例2のエンボス加工の条件は、
実施例1と同条件である。
【0055】
【表3】
【0056】上記のことから、実施例1、実施例2の品
では、スーパーキャレンダーにて高圧処理を行なった
後、エンボス加工を行なったために、比較例1及び比較
例2に比較して、高密度とすることができた。
【0057】図2は実施例1、2及び比較例1,2の密
度を示したグラフである。なお、同図において、「箔打
ち」の基準線は表1の(D)の比較例の密度を示してい
る。又、「スーパーキャレンダー」の基準線は、比較例
3の数値である。
【0058】同図に示すように、実施例1及び実施例2
のものは比較例3のスーパーキャレンダー加工を行なっ
たものよりは、密度を低くすることができた。なお、表
1に示すように、比較例として、箔打ち品(B)〜
(D)では、密度は0.80g/cm3 以上のものが得られ
ておらず、実施例1及び実施例2では、これらの箔打ち
品(B)〜(D)よりも、高密度のものが得られたこと
が確認できた。そして、使用すると、上記の箔打ち品よ
りも、実施例1及び実施例2のものの方が、高密度であ
り、又、不透明度も低いため、高吸油性を示した。
【0059】そして、上記のようにして高圧処理した
後、エンボス加工を行なうことによって、平滑度を下げ
ることができた。すなわち、平滑度(A面B面の平均平
滑度)は、スーパーキャレンダー処理の比較例3の平滑
度が1790.5(秒)と高くなっていたものが、実施
例1、実施例2では109.0(秒)、75.0(秒)
と低くなることが確認できた。
【0060】図3は実施例1、2及び比較例1,2の平
均表面粗さを示したグラフである。なお、同図におい
て、「箔打ち」の基準線は表1の(D)の比較例での平
均表面粗さを示している。又、「スーパーキャレンダ
ー」の基準線は、比較例3の数値である。
【0061】そして、実施例1、実施例2の品では、平
均表面粗さがそれぞれ2.4μm、5.7μmと、比較
例3のものよりも大きくなったため、非常に皮脂の吸油
性がよくなり、又、取り除いた皮脂により、あぶら取り
紙の透明性が高くなったことが確認できた。
【0062】なお、スーパーキャレンダーのみで形成し
た化粧用あぶら取り紙(比較例3)の場合には、平滑性
(度)が高すぎるのに加えて、又、平均表面粗さが1.
5μmと小さいため、皮脂の取れ方が悪くなった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明
は、平滑度を高圧処理で行なった場合よりも低くでき、
かつ密度は箔打ち処理を行なった場合よりも大きくなる
ため、皮脂の取れ方を良くすることができる。
【0064】請求項2の発明は、スーパーキャレンダ
ー、熱キャレンダー又は高圧プレスを使用することによ
り、高密度の紙とすることができる。請求項3の発明に
よれば、高吸液の化粧用あぶら取り紙にすることができ
る。
【0065】請求項4の発明によれば、紙の平均表面粗
さ(JIS B 0651の測定器での算術平均粗さ)が2.0〜
6.0μmの範囲であるため、触感及びあぶらの取れ方
が良くなる。
【0066】請求項5の発明によれば、無機質填料が混
在することにより、高吸油し、更に使用後透明性を上げ
ることができる。請求項6の発明によれば、凹凸層があ
るため、吸油量を多くすることができる。又、凹凸層が
設けられているため、さらに風合いが柔らかくなり、肌
になじみやすくすることができる。
【0067】請求項7の発明によれば、請求項1の化粧
用あぶら取り紙を効率良く得ることができる。請求項8
の発明によれば、請求項2の化粧用あぶら取り紙を効率
良く得ることができる。
【0068】請求項9の発明によれば、紙の平均表面粗
さ(JIS B 0651の測定器での算術平均粗さ)が2.0〜
6.0μmの範囲にエンボス加工処理するため、請求項
4の化粧用あぶら取り紙を効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は両面に凹凸層を設けた化粧用あぶら取
り紙の断面図、(b)は片面に凹凸層を設けた化粧用あ
ぶら取り紙の断面図。
【図2】 実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の
密度のグラフ。
【図3】 実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の
平均表面粗さのグラフ。
【符号の説明】
20…凹凸層、21…凹凸層、22…平滑層。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維を主成分とする原料からなり、
    高圧処理された後にエンボス加工処理がされていること
    を特徴とする化粧用あぶら取り紙。
  2. 【請求項2】 高圧処理は、スーパーキャレンダー、熱
    キャレンダー又は高圧プレスが用いられてなる請求項1
    に記載の化粧用あぶら取り紙。
  3. 【請求項3】 紙密度が0.8〜1.2g/cm3 であ
    る請求項1又は請求項2に記載の化粧用あぶら取り紙。
  4. 【請求項4】 紙の平均表面粗さ(JIS B 0651の測定器
    での算術平均粗さRa)が2.0〜6.0μmの範囲に
    エンボス加工処理されたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のうちいずれかに記載の化粧用あぶら取り紙。
  5. 【請求項5】 植物繊維を主成分とする原料100重量
    部に対して無機質填料0.5〜40重量部%を含むこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記
    載の化粧用あぶら取り紙。
  6. 【請求項6】 紙の片面又は両面に凹凸層を設けたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記
    載の化粧用あぶら取り紙。
  7. 【請求項7】 植物繊維を主成分とする原料を抄紙機に
    て抄紙し、その後、高圧処理し、後に、エンボス加工処
    理をすることを特徴とする化粧用あぶら取り紙の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 高圧処理は、スーパーキャレンダー、熱
    キャレンダー又は高圧プレスを用いることを特徴とする
    請求項7に記載の化粧用あぶら取り紙の製造方法。
  9. 【請求項9】 紙の平均表面粗さ(JIS B 0651の測定器
    での算術平均粗さRa)が2.0〜6.0μmの範囲に
    エンボス加工処理することを特徴とする請求項7又は請
    求項8に記載の化粧用あぶら取り紙の製造方法。
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