JPH11290126A - 微細なシワを有する化粧用脂取り紙 - Google Patents

微細なシワを有する化粧用脂取り紙

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JPH11290126A
JPH11290126A JP10097099A JP9709998A JPH11290126A JP H11290126 A JPH11290126 A JP H11290126A JP 10097099 A JP10097099 A JP 10097099A JP 9709998 A JP9709998 A JP 9709998A JP H11290126 A JPH11290126 A JP H11290126A
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JP
Japan
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paper
fiber
pulp
sheet
orientation direction
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Application number
JP10097099A
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English (en)
Inventor
Yuko Tanaka
祐子 田中
Masato Shishikura
眞人 宍倉
Tomihisa Takano
富久 高野
Ippei Kato
一平 加藤
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Mishima Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Mishima Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度化による滑らかな感触と高い皮脂の取
れ感を損なうことなく、且つ肌へのベタつき感をなくし
て肌ざわりを改善し、更に意匠的にも優れた化粧用脂取
り紙を提供する。 【解決手段】 植物繊維を主成分とする原料からなる化
粧用脂取り紙において、繊維の配向方向に沿って形成さ
れた微細なシワが、紙全体に分布していることを特徴と
する化粧用脂取り紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧時あるいは化
粧直し時に顔面の皮膚表面に分泌された皮脂や汗を拭き
取るのに使用される化粧用脂取り紙に関する。
【0002】
【従来の技術】人の顔の皮膚には皮脂が分泌する皮脂腺
が多く存在し、一般的な20歳前後の女性の場合、前額
部で2時間当たり0.6〜1.0g/m2 程度の皮脂が
分泌すると言われている。この皮脂のため、化粧した顔
が部分的に脂っぽくなったり、また化粧ののりが悪くな
ったりする。そのため、脂っぽくなった部分の皮脂を取
り除いたり、特に洗顔することなく化粧直しする際な
ど、化粧効果を高めるために、浮き出た皮脂を吸油性の
薄手の紙で軽く押さえて吸い取ることがなされている。
【0003】従来このような用途には植物繊維から形成
された紙が用いられており、市販の化粧用脂取り紙の多
くは有色あるいは白色の坪量15〜30g/m2 の薄葉
紙であり、繊維原料としては木材パルプのほかにマニラ
麻等の非木材パルプ、ポリエチレン等の合成繊維等が使
用されている。また、紙の吸脂性を高めたり、皮脂の取
れ感を高めたり、紙の柔軟性を高めたりする目的で、タ
ルクや炭酸カルシウム等の無機填料を配合したもの、ス
ーパーカレンダー加工等による高密度化処理が施されて
いるものなどがある。
【0004】市販されている高密度で平滑性の高い化粧
用脂取り紙は、皮脂の取れ感が高く、表面が滑らかであ
るが、肌にベタつくとか、硬くパリパした感触であると
いう問題が指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、高
密度化による滑らかな感触と高い皮脂の取れ感を損なう
ことなく、且つ肌へのベタつき感をなくして肌ざわりを
改善し、更に意匠的にも優れた化粧用脂取り紙を提供し
ようとするものである。
【0006】そのため、本発明者らは、高密度で平滑性
の高い紙の表面に凹凸加工を施すことを検討した。市販
されている化粧用脂取り紙で、表面加工されたものとし
ては、乾燥収縮によると思われるボコジワを形成したも
のや、透かし技術により微細な格子柄を入れたものがあ
るが、前者はベタつき感はないが、密度が低く皮脂の取
れ感が悪く且つ平滑性が低くザラつき肌触りも悪いもの
であり、また、後者は凹凸が小さくて肌触りを改善する
には至らない。
【0007】表面に凹凸を付ける方法として、従来の紙
の加工技術であるクレープやエンボス加工を検討した
が、これらは、凹凸が大きすぎて、肌への接触面積が減
少して十分に皮脂を吸収できないことが判った。更に、
凹凸が固定されて硬く、肌触りも悪い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙の表面加工
技術として使われたことのない方法を用いて、繊維の配
向方法に沿って微細なシワを紙全体に形成することによ
り、化粧用脂取り紙の肌触りを改善したものである。
【0009】すなわち、本発明は、植物繊維を主成分と
する原料からなる化粧用脂取り紙において、繊維の配向
方向に沿って形成された微細なシワが、紙全体に分布し
ていることを特徴とする化粧用脂取り紙に関する。
【0010】繊維の配向方向とは、抄紙の過程において
原料繊維が配向する方向であり、抄紙機から紙が引き出
される方向、通常マシンディレクションと呼ばれる方向
である。この方向に沿って形成された微細なシワが、紙
全体に分布していることを特徴とする。
【0011】本発明の化粧用脂取り紙における微細なシ
ワをより具体的に表現すると、微細なシワが、2.5c
m×2.5cmの範囲内に80個以上ある尾根からな
り、繊維の配向方向に沿った各尾根長さの平均値が4か
ら6mmであり、繊維の配向方向と直交する各尾根幅の
平均値が0.5から0.8mmである。
【0012】また、微細なシワは、触針式の表面粗さ測
定器により測定した紙の表面粗さ曲線に基づきJIS−
B0601−1982で規定する基準長さ25mmにお
ける「十点平均粗さが」15μm以上40μm以下であ
り、前記紙の表面粗さ曲線における山頂と山頂の間隔が
1mm以上3.5mm以下である。
【0013】この「十点平均粗さ」が15μmより小さ
いと外観的にシワと認めることが困難であり、また凹凸
が小さいために肌へのベタツキの改善効果が得られな
い。一方40μmより大きいと凹凸が大き過ぎるために
肌触りが悪く、肌との接触面積が減り、十分に皮脂を取
り除くことができなくなる。また「十点平均粗さ」が上
記範囲にあっても、山頂と山頂の間隔が3.5mmより
大きいと部分的な乾燥不良時に見られるルーズなシワの
ように見えて外観が良くない。さらに凹凸の間隔が大き
いので肌へのベタツキの改善効果も十分に得られない。
【0014】従来のクレープ紙は、湿紙をプレスロール
またはヤンキードライヤーなどの上でドクターを使って
ちりめん状にシワを付けられたものであり、シワの方向
は、紙の引き出される方向マシンディレクションとは直
交する方向であり、また、JIS−B0601−198
2で規定する基準長さ25mmにおける「十点平均粗さ
が」は300〜400μmないしはそれ以上である。従
ってクレープ仕上げでは、本発明のような繊維の配向方
向に沿った微細なシワを形成することはできない。
【0015】本発明における繊維の配向方向に沿った微
細なシワは、繊維配向性が2.5以上の紙に水分を付与
し高密度化処理後水分率13%以上を有する紙を1〜2
5kg/cmのテンション下で乾燥し、乾燥収縮によ
り、紙全体に形成することができる。従ってまた、本発
明は、植物繊維を主成分とする原料からなる化粧用脂取
り紙において、繊維配向性が2.5以上の紙に水分を付
与し高密度化処理後水分率13%以上有する紙を1〜2
5kg/cmのテンション下で乾燥し、乾燥収縮により
形成された微細なシワが紙全体に分布していることを特
徴とする化粧用脂取り紙に関する。
【0016】原料となる植物繊維は、木材パルプ、マニ
ラ麻パルプ、ケナフパルプなどから選ばれる少なくとも
1種である。高い皮脂の取れ感を得るためには、叩解度
をできるだけ進めより密度を高めることが必要である。
そのためには比較的叩解の進めやすい木材パルプを配合
することが望ましい。また、繊維の配向方向に沿ったシ
ワを形成しやすくするためには、比較的長繊維であるマ
ニラ麻を配合することが望ましい。望ましい原料配合
は、マニラ麻パルプ20〜80重量%に木材パルプを混
合したパルプである。微細なシワと叩解のし易さの点か
らより望ましい配合は、マニラ麻パルプ30〜70重量
%と木材パルプ70〜30重量%からなる配合である。
また、後の高密度化処理及び乾燥処理での強度を維持で
きる範囲でタルク、炭酸カウシウムなどの無機填料を配
合することができる。
【0017】実験の結果、叩解処理を多く施されたパル
プ、即ちカナダ標準ろ水度で低いろ水度のパルプを使用
し高密度化処理した紙は、より微細なシワを形成する上
でも効果があることが判った。望ましい微細なシワは、
密度が0.9g/cm以上の紙において形成可能であ
り、このため、マニラ麻はろ水度500mlCSF以下
程度まで、木材パルプはろ水度300mlCSF以下程
度まで叩解したものを使用するのが望ましい。
【0018】密度が0.9g/cmより小さい紙では
大きなシワが形成されやすくなる。例えば、マニラ麻パ
ルプ/木材パルプ=45/55の配合原料であっても、
それぞれろ水度が540mlCSF、580mlCSF
のものを使用すると、目標坪量20g/mのシートで
密度が0.8g/cm程度となり、繊維の配向方向に
沿って比較的大きなシワが形成される。
【0019】前記原料繊維は、抄紙機において一層ある
いは二層、三層に重ねて抄紙される。微細なシワを後加
工によって形成させるためにシートの繊維配向性は2.
5以上が望ましい。繊維配向性が2.5より小さいと繊
維の配向方向に沿ったシワとならず、方向性のないボコ
状のシワ(いわゆるボコジワ)となり、そのために山頂
と山頂との間隔も大きく外観および肌触り点で好ましく
ない。
【0020】本発明では、繊維配向性を「シートの抄紙
方向の引張り強さ÷シートの幅方向の引張り強さ」とし
て定義した。繊維配向性を2.5以上とするためには、
円網抄紙機を用いるのが好ましい。長網抄紙機では、紙
料を抄網に吐出する速度と抄網の走行する速度が同じで
あるため、パルプ繊維は紙料中と同様にほぼランダムに
配置固定化され、脱水されて乾燥シートとなる。繊維の
配向がランダムであるため、抄紙方向と幅方向の引張り
強さの比は1.0〜2.5の範囲となる。一方、円網抄
紙機では、紙料槽中で回転するシリンダー状の抄網上に
紙層が形成される際、抄網の速度が紙料の流れに比べ大
きいため、抄網表面で回転方向に整流され、繊維の配向
性が大きくなる。
【0021】シートの坪量は、10〜30g/mが好
ましく、これより坪量が低いと強度の点で加工適性およ
び使用適性が良くない。また30g/mより高いと脂
取り紙としては、紙が厚くて硬く肌触りが悪く、また皮
脂を吸収した部分の不透明度の低下が少なく、皮脂の取
れ感の点でも好ましくない。
【0022】シートの高密度化は、多段(多ニップ)式
のスーパーカレンダーなどを用いて行なうことができ
る。高密度化処理の前に水分を付与するが、水分付与の
方法は特に限定されない。例えば、シートに回転ブラシ
で水滴を飛ばす方法がある。
【0023】スーパーカレンダー処理による高密度化の
際に十分な乾燥がなされず一定量の水分が残存するよう
にしておくことが、高密度化後の乾燥工程においてシワ
を形成する上で重要である。実験によれば、微細なシワ
を形成するためには、高密度化後乾燥処理前の紙の水分
として13%以上となるようにすることが必要である。
しかし、高密度化前に付与する水分が多すぎると紙力が
低下して紙が切れやすくなり加工適性が悪くなるので、
高密度化処理前に付与する水分は20〜30%に設定す
るのが望ましい。
【0024】スーパーカレンダー処理においては、紙の
密度が0.9g/cm以上となるように線圧を200
〜300kg/cm程度とし、また付与した水分ができ
るだけ減少しないように、30〜60℃の低温度で行な
うことが望ましい。
【0025】13%以上の水分を保持して高密度化処理
されたシートを、繊維の配向方向(マシンディレクショ
ン)に1〜25kg/cm、より望ましくは1.6〜2
1.6kg/cmのテンションをかけた状態で乾燥する
ことにより、紙全体に微細なシワを形成することができ
る。1kg/cmよりテンションが弱いと、紙が自由に
収縮して大きな波打ち状のシワとなりやすく、また、2
5kg/cmよりテンションが強いと、微細なシワは発
生するものの、折れ込みジワの発生が避けられず商品化
できない。
【0026】高水分で高密度化した紙を乾燥処理する
際、巻取りの繰り出し速度をブレーキを用いて制限する
などの方法で、乾燥工程を通って乾燥した紙の巻取り速
度を繰り出し速度に対して僅かに大きくすることによ
り、紙には走行方向にテンションをかけることができ
る。従って、巻取りの繰り出し速度の調整により、テン
ションを上記所望の値とすることができる。
【0027】紙がカレンダーのロールとロールの間を通
ることにより、圧密化と同時に表面は平滑化される。ス
ーパーカレンダーのような弾性ロールと金属ロールの組
み合わせでは、紙にはロール間でズリ応力が加わりさら
に平滑になる。脂取り紙ではシートを肌に押し当てた時
に、人が滑らかに感じられるのは、ベック平滑度300
sec/10ml以上である。従って、平滑度がこれ以
上の値となるように、スーパーカレンダー加工の条件を
設定するのが望ましい。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例について
説明する。実施例及び比較例において、製品の物性等は
以下の方法により測定した。
【0029】(1)十点平均粗さ 触針式の表面粗さ測定器(株式会社小坂研究所製)によ
り、紙の表面粗さ曲線を測定し、JIS−B0601−
1982に記載の方法に準じて基準長25mmにおける
十点平均粗さとした。
【0030】(2)山頂と山頂の間隔 上記紙の表面粗さ曲線より、山頂と山頂の間隔を測定し
平均した。
【0031】(3)2.5cm×2.5cmの範囲内に
あるシワの尾根数 シワの谷が陰影として現れるようにシートの表面写真を
撮り、これを拡大してシートの2.5cm×2.5cm
に該当する範囲内において白く見えるシワの尾根を図1
のようにマークして数えた。
【0032】(4)シワの尾根長さ(L)の平均値及び
尾根幅(D)の平均値 図2は、上記の方法でマークされた尾根の拡大図であ
り、(a)は比較的細長い尾根の例であり、(b)は比
較的幅広の尾根の例である。上記の方法でマークした各
尾根について、図2に示すように、繊維の配向方向(マ
シンディレクション)の長さ(L)を測定しその平均値
を計算した。また、繊維の配向方向と直交する尾根幅
(D)を測定しその平均値を計算した。
【0033】(5)L/Dの平均値 各尾根についてL/Dを計算し、その平均値を求めた。
【0034】(6)吸脂量 疑似皮脂として、ヒマシ油/ベンジルアルコール=80
/20の混合油液を用いて、疑似皮脂の脂取り紙への転
移は印刷適性試験機「RIテスター」(石川島産業機械
株式会社製)を用いて行った。すなわち、疑似皮脂0.
5mlをRIテスターの印刷ロール上に取り、2分間練
って印刷ロール上に均一に油膜を形成させた後、印刷を
する要領でサンプル上に疑似皮脂を転移させた。この疑
似皮脂転移前後のサンプルの重量差を持って吸脂量とし
た。
【0035】(8)低下不透明度 上記疑似皮脂転移前後のサンプルの不透明度の差をもっ
て低下不透明度とした。
【0036】(9)皮脂の取れ感 上記疑似皮脂転移前後のサンプルの色相をSMカラーコ
ンピューターで測定する。この時、サンプルの裏当てに
白色標準板および黒の試料押えを使用しそれぞれの疑似
皮脂転移前後の色差を足して皮脂の取れ感とした。
【0037】実施例1 カナダ標準型ろ水度400mlCSFまで叩解したマニ
ラ麻パルプ(東邦ワラパルプ株式会社製TMP−2B5
S)とカナダ標準型ろ水度200mlCSFまで叩解し
た市販の木材パルプ(NBKP/LBKP=30/10
の割合で配合)をマニラ麻パルプ/木材パルプ=60/
40の割合で混合し、これに紙力増強剤としてポリアミ
ドエピクロルヒドリン樹脂(荒川化学株式会社製アラフ
ィックス125)を対パルプ1.5%、離型剤としてポ
リエチレンワックス(近代化学工業株式会社製ベルトー
ルN−856)を対パルプ0.5%、それぞれ添加し、
抄紙用原料とした。
【0038】この原料を用いて目標坪量20g/m
シートを円網抄紙機で10g/mずつの2層として抄
紙した。このシートを巻き返しながら水の付いた回転ブ
ラシで水滴を飛ばして水分を付与し、回転ブラシの回転
数を調整してシートの水分を28%とした。
【0039】このシートの巻き取りを6時間程度放置し
て紙の水分を均一にした後、14段のスーパーカレンダ
ーで高密度化した。高密度化の条件は、線圧300kg
/cm、加工スピード100m/min、ロール温度4
0〜50℃であった。また、高密度化後のシートの水分
は20%であった。シートの密度は0.974g/cm
であった。
【0040】このシートを13kg/cmのテンション
下で乾燥させ、シートが引き出される方向、すなわち繊
維の配向方向に沿って微細なシワを形成させた。乾燥
は、通常の紙加工用コーターを使用し、シリンダードラ
イヤーと赤外線ヒーターで乾燥させた。温度はそれぞれ
70℃、85℃であった。このシートの物性を表1に示
した。
【0041】実施例2 カナダ標準型ろ水度380mlCSFまで叩解したマニ
ラ麻パルプ(東邦ワラパルプ株式会社製TMP−2B5
S)とカナダ標準型ろ水度220mlCSFまで叩解し
た市販の木材パルプ(NBKP/LBKP=30/10
の割合で配合)をマニラ麻パルプ/木材パルプ=60/
40の割合で混合した他は実施例1と同様にして、この
原料を用いて目標坪量20g/mのシートを作製し
た。
【0042】このシートに実施例1と同様にして、水分
を付与し、且つ高密度化処理を行なった後、テンション
を1.6kg/cmとした他は実施例1と同様にして乾
燥処理を施したところ、微細なシワがシート全体に形成
された。このシートの物性を表1に示した。
【0043】実施例3 乾燥処理の際のテンションを11.6kg/cmとした
他は実施例1と同様にしてシートを形成したところ、微
細なシワがシート全体に形成された。このシートの物性
を表1に示した。
【0044】比較例1 実施例1と同様にして抄紙したシートを巻き返しながら
水の付いた回転ブラシで水滴を飛ばして水分を付与し、
回転ブラシの回転数を調整してシートの水分を16%と
した。
【0045】このシートを、実施例1と同様に放置して
水分を均一にしてから、スーパーカレンダーで高密度化
した。但し、高密度化の条件は、線圧300kg/c
m、加工スピード100m/min、ロール温度60℃
とし、乾燥も同時に行なわれた。高密度化且つ乾燥後の
紙の水分は5%であり、作製されたシートの密度は、
0.919g/cmで、シートにはシワがなかった。
このシートの物性を表2に示した。
【0046】比較例2 市販の脂取り紙で表面に波打ち状のシワが施されている
ものについて、物性を調べた。この紙の構成は、亜麻パ
ルプ100%で炭酸カルシウムが灰分として8%配合さ
れていた。この紙の物性を表2に示した。
【0047】比較例3 市販の木材パルプをNBKP/LBKP=82/18の
割合で配合し、リファイナーで70°SRに叩解した。
これを長網抄紙機で目標坪量20g/mのシートを作
製した。このシートに水分を付与して水分を25%と
し、テーブル試験用スーパーカレンダーで線圧250k
g/cm、加圧スピード5m/min、ロール温度30
℃で高密度化した。高密度化後の水分は15%であっ
た。密度は0.963g/cmであった。これをテン
ションをかけずに自然乾燥させたところ、シートにはボ
コジワが発生した。このシートの物性を表2に示した。
【0048】比較例4 実施例1において、抄紙後水分付与し、スーパーカレン
ダーで高密度化処理して得たシートをテンションをかけ
ることなく、自然乾燥させたところ、シートには繊維の
配向方法に沿って大きなシワが形成された。このシート
の物性を表2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】実施例1〜3のシートは、高密度化した脂
取り紙全体に微細なシワが分布しており、高い皮脂の取
れ感と滑らかな肌触りを損なうことなく、肌へのベタツ
キを改善することができた。また、外観上もやわらかな
印象を与え、意匠的にも好ましいものであった。
【0052】比較例1のシートは、高密度化により、高
い取れ感と滑らかな肌触りはあるものの、シワがないた
め、肌にベタつく感じがする。
【0053】比較例2のシートは、紙の表面に波打ち状
の凹凸があるので、肌へのベタツキはないものの、密度
が低く皮脂の取れ感は悪く、また平滑性が低いため肌に
ザラつく感じがする。
【0054】比較例3のシートは、長網抄紙機で抄紙し
たため、繊維配向性が2.5未満で小さく、繊維の配向
方向に沿ったシワとならず、ボコジワとなった。そのた
め凹凸が大きく肌触りが悪く、外観上も良くない。
【0055】比較例4のシートは、テンションをかけな
い自然乾燥のため、十点平均粗さが40μmより大き
く、山頂と山頂の間隔も広く、凹凸の大きなシワとなっ
たので、肌触りの改善が不十分であり、外観上も満足で
きるものではなかった。
【0056】表3は、実施例1、2並びに比較例2、3
の各シートにおいて、2.5cm×2.5cmの範囲内
にあるシワの尾根の本数、1mm毎に区分された各尾根
長さ(L)にある尾根の本数、0.5mm毎に区分され
た各尾根幅(D)にある尾根の本数などを調べたデータ
の例である。表3において、尾根長さは、繊維の配向方
向に沿ったシワの長さであり、尾根幅は、繊維の配向方
向と直交するシワの幅の長さである。
【0057】表3より、実施例1及び実施例2のシート
では、シワの尾根幅はすべて1mm以下であり、尾根長
さは4.1mm−5.0mmのものを中心に分布してお
り、L/Dの平均値が8.1または9.4であって、繊
維の配向方向に沿って細長い形態のシワであることが判
る。
【0058】これに対して、比較例2及び比較例3のシ
ートでは、シワの尾根長さ、尾根幅ともに比較的ランダ
ムに分布し、尾根幅が2.1mm以上のものもある。L
/Dの平均値は、2.7または1.8であって、繊維の
配向方向に沿った細長い形態ではなく、ボコジワである
ことが、データ上も確認できる。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明にかかる化粧用脂取り紙は、高密
度化した平滑性の高い紙の全体に、繊維の配向方向に沿
って形成された微細なシワが分布しているため、高い皮
脂の取れ感と滑らかさを保持しつつ、肌へのベタツキ感
をなくし且つ意匠的にも優れた商品価値の高い化粧用脂
取り紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2.5cm×2.5cmの範囲内にあるシワの
尾根の数え方を示す模式図。
【図2】シワの各尾根の長さと幅の測定法を示す模式
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 27/00 D21H 27/00 5/00 Z 5/14 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維を主成分とする原料からなる化
    粧用脂取り紙において、繊維の配向方向に沿って形成さ
    れた微細なシワが、紙全体に分布していることを特徴と
    する化粧用脂取り紙。
  2. 【請求項2】 微細なシワが、2.5cm×2.5cm
    の範囲内に80個以上ある尾根からなり、繊維の配向方
    向に沿った各尾根長さの平均値が4から6mmであり、
    繊維の配向方向と直交する各尾根幅の平均値が0.5か
    ら0.8mmであることを特徴とする請求項1に記載の
    化粧用脂取り紙。
  3. 【請求項3】 微細なシワが、触針式の表面粗さ測定器
    により測定した紙の表面粗さ曲線に基づきJIS−B0
    601−1982で規定する基準長さ25mmにおける
    「十点平均粗さが」15μm以上40μm以下であり、
    前記紙の表面粗さ曲線における山頂と山頂の間隔が1m
    m以上3.5mm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の化粧用脂取り紙。
  4. 【請求項4】 繊維配向性が2.5以上の紙に水分を付
    与し高密度化処理後水分率13%以上有する紙を1〜2
    5kg/cmのテンション下で乾燥し、乾燥収縮により
    形成された微細なシワが紙全体に分布していることを特
    徴とする請求項1に記載の化粧用脂取り紙。
  5. 【請求項5】 密度が0.9g/cm以上、平滑度が
    300sec/10ml以上である請求項1〜4に記載
    の化粧用脂取り紙。
  6. 【請求項6】 植物繊維が、木材パルプ、マニラ麻パル
    プおよびケナフパルプから選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1〜5に記載の化粧用脂取り紙。
  7. 【請求項7】 植物繊維が、マニラ麻パルプ30から7
    0重量%、木材パルプ70から30重量%からなる混合
    繊維であることを特徴とする請求項1〜5に記載の化粧
    用脂取り紙。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103284647A (zh) * 2012-02-22 2013-09-11 金红叶纸业集团有限公司 生活用纸
JP2014136852A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 Mitsubishi Motors Corp 竹繊維シートの製造方法

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