JP5495460B1 - フェイシャルティシュ製品の製造方法 - Google Patents

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    • D21F11/14Making cellulose wadding, filter or blotting paper

Abstract

【課題】強度、バルク(比容積)、柔らかさの3つを満たしたフェイシャルティシュ製品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】パルプを主成分とし、シートを1枚又は2枚重ねしてなり、1枚のシートの坪量が10〜20g/m、比容積が7〜15cm/gであるフェイシャルティシュ製品であって、該フェイシャルティシュ製品の、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2(DGMT)が1.5〜3.5N/25mmであり、表面の凹凸の高低差が80〜250μmである。
【選択図】図4

Description

本発明は、パルプを主成分とするフェイシャルティシュ製品製造方法に関する。
フェイシャルティシュ製品は、顔の化粧料の拭き取り等に用いられるため、水分の吸収能力を確保すべく、バルク(比容積)が高いことが品質面で重要な要素である。さらに、肌に直接接するため、強度の他、柔らかさ(しなやかさと滑らかさとボリューム感の総合官能)も重要である。
高バルクで柔らかな紙製品を得る方法として、抄紙工程で抄紙原料にデボンダー又は嵩高剤と呼ばれる薬剤を添加して化学的処理し、パルプ繊維の繊維間結合を抑えてウェブの繊維層に緩みを与える方法が知られている(特許文献1)。
又、高バルクな紙製品を得るための機械的処理として、抄紙工程の脱水乾燥工程において、湿紙をプレス脱水せずに通風乾燥する方法TAD(through air drying;通風乾燥)方式(特許文献2)や、湿紙形成から乾燥工程の間において湿紙ウェブに凹凸処理を行う方法がある。
さらに、抄造後のウェブにエンボスなどにより機械的に凹凸処理を行う方法がある。さらに、これら方法を組み合わせる場合もある。
しかしながら、上記した化学的処理法の場合、薬剤コストが高いと共に、パルプの繊維間結合が低下するためにウェブ強度が低下する問題がある。さらに、上記薬剤処理による紙力低下を、原料の配合や叩解条件の変更、及び一時性湿潤紙力剤の添加で補うと共に、叩解による紙厚低下を高クレープ率の加工によって補う技術(特許文献3)が開示されているが、上記薬剤の使用や叩解によって、吸水速度が低下する問題がある。又、上記したTAD方式の場合、乾燥エネルギーのコストが膨大になる。さらに、抄紙後に凹凸処理する方法では、繊維間の結合や紙層構造が破壊されてウェブ強度が低下したり、ウェブの見かけ嵩は高くなるがウェブ自体の紙層嵩(キャリパー)を高くする(ふんわり感をだす)ことが難しいという問題がある。
一方、従来の紙製品の抄造においては、湿紙ウェブを、フェルトを介して1又は2つのロールプレスニップでヤンキードライヤーに押し付けて脱水し、さらにヤンキードライヤー(シリンダー)に貼り付けて乾燥し、次いでヤンキードライヤーからウェブを剥がす際にクレープ付け(しわ付け)を行っている。又、プレスパートにおいて、ダブルフェルトマシンのようにウェットパートのトップとボトムロールでプレスして脱水し、その後ロールプレスニップでヤンキードライヤーに押し付けることもある。
しかしながら、このヤンキードライヤーにおしつけることによって、ウェブが相対的に低バルクになるという問題がある。そして、上記した嵩高剤をパルプ原料に添加してクレープ付けによるバルク低下を抑制しようとしても、せいぜい3〜5%程度の嵩高効果しか得られず、一方で強度が著しく低下する。
又、上記したTAD方式は、ヤンキードライヤーで最終的に仕上げの乾燥及びクレープ付けを行う前にバキュームにより脱水し、通風ドライヤーで予備乾燥する技術であり、ロールプレスニップによる脱水工程が無いためにバルクロスが無く、高バルクなウェブが得られる。ところが、TAD方式はプレスニップ脱水相当の水分を通風熱で除去するため、従来のロールプレスニップ方式に比べて約2倍の乾燥エネルギーが必要になるとされている。
そこで、TAD方式を用いずに、湿紙工程で高バルクな処理を行う方法として、シュープレス方式と呼ばれる広いプレスニップにより、加圧脱水を調整する方法も提案されている(特許文献4)。シュープレス方式は、従来のロールプレスニップ方式に比べて、より高いバルク及び柔らかさを得ることができるが、TAD方式ほど高いバルクは得られない。
さらに、これらの諸問題を解決する方法として、ファブリックプレス方式と呼ばれる抄紙機械が開発されている(特許文献5)。ファブリックプレス方式は、従来のプレス技術を踏襲するが、脱水と同時に凹凸付けベルト又はファブリックによりウェブに凹凸付けを行うものである。この脱水及び凹凸付けは、湿紙ウェブがフェルトから凹凸付けベルトに送られる間に、1又は2つ以上のプレスニップで行なわれ、次いでウェブがヤンキードライヤーに運ばれて乾燥される。
ファブリックプレス方式によれば、従来のロールプレスニップ方式と乾燥エネルギーが同等でありつつ、TAD方式に匹敵する高いバルクが得られる。
なお、ファブリックプレス方式によるウェブの構造は、織物ではないが、織物に似た3次元パターンを形成する。これは、ウェブの凹凸付けが以下のように行われるためと考えられる。つまり、プレス処理の間、繊維性の網状組織が凹凸付けベルトの3次元の模様(パターン)を詰めるように満たすが、そのとき、凹凸付け層の三次元の模様が湿った繊維性のウェブに付与される。湿った繊維性のウェブは互いに相対的に可動であり、そのため、プレスフェルトが弾性的に圧縮する作用により、それらのウェブは互いに新しい位置及び方向を取る。プレスフェルトは、湿った繊維性のウェブを凹凸付けベルトの3次元の模様に押し付け、それによって、同じ坪量でバルク及び柔らかさを増し、かつ、改良された構造になる。
そして、ウェブのバルクは、プレスニップで脱水する間、ベルトの組織中のキャビティ(空洞)で、繊維性の網状構造(ネットワーク)を受けることで、圧縮されずに維持される。
なお、ファブリックプレス方式を用いずに通常のファブリックを用いてティシュを抄紙した場合、嵩(比容積)を7cm/g(密度で0.14g/cm3)以上にすることが困難であると共に、柔らかさが劣る。例えば、比容積を6.7cm/g(密度で0.15g/cm3)程度にした技術が開示されているが(特許文献6)、このものは表面の凹凸が低いため、柔らかさ(紙の風合い)が劣る(後述の比較例7,8参照)。
特開平7-189171号公報 特開平8-3890号公報 特開2004-209150号公報 特開平6-158578号公報 特表2001-521999号公報 特開2005-204868号公報
しかしながら、上記特許文献5記載の技術を用いても、フェイシャルティシュウェブ、及びフェイシャルティシュ製品の強度、バルク(比容積)、柔らかさのすべてを満たすには十分とはいえなかった。
従って本発明は、強度、バルク(比容積)、柔らかさの3つを満たしたフェイシャルティシュ製品製造方法の提供を目的とする。
本発明のフェイシャルティシュ製品の製造方法は、パルプを主成分とする紙料を抄造してなり、カレンダー加工が施され、シートを1枚又は2枚以上重ねた1組からなり、1枚の前記シートの坪量が10〜20g/m 、比容積が7〜15cm /gであるフェイシャルティシュの製造方法であって、湿紙ウェブに、凹凸付けファブリックを押付けて脱水と同時に凹凸付けを行った後、ウェブを乾燥し、該フェイシャルティシュ製品の、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT) 1/2 (DGMT)が1.5〜3.5N/25mmであり、視野1.0-1.4mmで測定したときの表面の凹凸の高低差が80〜250μmであり、スキャン面積6cm×6cmの条件下で行った表面の凹部の面積率が5〜15%である。
前記凹凸付けファブリックは、金属又は合成樹脂の線を経糸及び緯糸として縦横に編み込んだ網目状のワイヤからなることが好ましい。
抄紙及び乾燥後のウェブ厚みに対し、20〜80%のギャップを有する一対のロールにて前記カレンダー加工を施すことが好ましい。
前記抄紙及び乾燥後で前記カレンダー加工前のウェブ厚みが150μm以上、350μm以下であることが好ましい。
前記フェイシャルティシュ製品の、旧JIS−S3104法に規定する吸水度が、前記1組が1枚の前記シートからなる場合に5.0秒/0.01mL以下で、前記1組が2枚以上の前記シートからなる場合に5.0秒/0.1mL以下であることが好ましい。


この発明によれば、強度、バルク(比容積)、柔らかさが共に向上したフェイシャルティシュ製品が得られる。
本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品のウェブの製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品のウェブを製造する際のカレンダーパートの構成を示す図である。 形状測定レーザマイクロスコープにより得られた画像の一例を示す図である。 画像の観察視野を横切る線分の高さプロファイルの一例を示す図である。 フェイシャルティシュ表面をイメージスキャナで取り込んだ画像を示す図である。
以下に本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品は、シートを1枚又は2枚以上重ねた1組からなり、1枚のシートの坪量が10〜20g/m、比容積が7〜15cm/gであり、フェイシャルティシュ製品のDGMTが1.5〜3.5N/25mmであり、表面の凹凸の高低差が80〜250μmである。フェイシャルティシュ製品の表面の凹部の面積率が5〜15%であることが好ましい。
1枚のシートの坪量が10g/m未満であると強度が低下し、20g/mを超えるとコストアップとなると共に柔らかさに劣る。上記坪量は、好ましくは10〜18g/m、更に好ましくは10〜16g/mである。
フェイシャルティシュ製品の比容積(1組当り)が7cm/g未満であると、ふんわり感が乏しく、柔らかさ(風合い)が劣る。一方、比容積が15cm/gを超えると、バルク(嵩高さ)は高くなるが、平滑性が劣り、滑らかさ(触感)が悪くなる。上記比容積は、好ましくは7〜12cm/g、更に好ましくは7.5〜10.5cm/gである。
又、フェイシャルティシュ製品のDGMTが1.5N/25mm未満であると、やぶれ易くて実用に適さない。DGMTが3.5N/25mmを超えると硬くなり、柔らかさが損なわれる。上記DGMTは、好ましくは1.5〜3.0N/25mm、更に好ましくは1.7〜3.0N/25mmである。
なお、DGMTは、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)との積の平方根であり、(DMDT×DCDT)1/2(DGMT:Geometric Tensile Strength)で表される。
比容積及びDGMTを上記範囲に管理する方法の一例としては、坪量を上記範囲とし、さらに後述する凹凸付けファブリックを湿紙ウェブに押付け、脱水と同時に凹凸付けを行うことが挙げられる。
フェイシャルティシュは、パルプを主成分(50質量%以上)とする。パルプとしては木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプがあるが、フェイシャルティシュを構成するパルプは木材パルプ100%から成っていてもよく、古紙パルプ、非木材パルプを含んでも良い。パルプ以外の成分としては、填料、合成繊維、天然繊維等を挙げることができる。目標とする品質を得るためには、NBKP:LBKP=10:90〜70:30(質量比)の木材パルプを原料とすることが好ましく、より好ましい範囲はNBKP:LBKP=20:80〜70:30、更に好ましい範囲はNBKP:LBKP=20:80〜40:60である。上記LBKPの材種としてユーカリ属グランディス、及びユーカリグロビュラスに代表される、フトモモ科ユーカリ属から製造されるパルプが好ましい。又は、このパルプ比率の木材パルプに対し、古紙パルプを50質量%程度まで含むことができる。古紙パルプは品質的バラツキが大きく、配合割合が増えると製品の品質、特に柔らかさに大きく影響するので、木材パルプに対して20質量%以下配合するのが望ましい。
なお、フェイシャルティシュに適正な強度を確保するために、通常の手段で原料配合し、パルプ繊維の叩解処理にて強度調整を行うことができる。目標の品質を得るための叩解としては、市販のバージンパルプに対して、JIS P8121で測定されるカナダ標準ろ水度で0〜200ml、より好ましくは50〜200ml、更に好ましくは50〜150ml濾水度を低減させる。又、湿潤紙力増強剤は適宜使用してもよい。
フェイシャルティシュ製品の表面の凹凸の高低差が80〜250μm、好ましくは90〜220μm、より好ましくは100〜220μmである。又、表面の凹部の面積率が好ましくは5〜15%、より好ましくは6〜15%、さらに好ましくは7〜13%である。
なお、表面とは、フェイシャルティシュが2ply以上の製品であれば、製品の外側に向く両面(つまり、シートの重ね合わせ面と反対面)を意味し、1ply製品であれば、1枚のシートの両面を意味する。
表面の凹凸の高低差は、形状測定レーザマイクロスコープを用いて測定する。形状測定レーザマイクロスコープは、点光源であるレーザ光源を、対物レンズを介して観察視野内のX−Y平面を複数に分割したピクセルにスキャンし、各ピクセル毎の反射光を受光素子で検出する。そして、対物レンズを高さ(Z軸)方向に駆動し、最も反射光量の高いZ軸位置を焦点として、高さ情報と反射光量を検出する。このようにしてスキャンを繰り返すことにより、全体に焦点の合った光量超深度画像と高低画像(情報)が得られる。レーザ光源は、ピンホール共焦点光学系であるので、測定精度が高い。
形状測定レーザマイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK-9510」を使用することができる。観察・測定ソフトウェアとしては、製品名「VK Viewer」を使用することができる。又、測定条件は、倍率200倍(標準対物レンズは倍率10倍を使用)、測定モードはカラー超深度とし、Autoセットによりゲインをオートで調整し、測定ピッチ1μm、ディスタンス(Z軸方向の範囲 μm)をサンプルの紙厚以上に設定し、測定する。なお、測定は、抄紙機以外の工程(例えば、マルチフォルダーやインターフォルダー等)で機械的にエンボス処理を行った製品については、エンボス部分以外の箇所を測定する。
その後、画像解析ソフトウェア(VK Analyzer)を用い、得られた画像から高さプロファイルを取得する。まず、図3に示す画像の観察視野を横切る線分Lを、目視で画像内に白い部分と黒い部分が隣接するように引く。なお、図3の白い部分が凸部、黒い部分が凹部に相当するので、白が強い部分と黒が強い部分が隣接している部分を横切るように線分Lを決めればよい。高さプロファイルの取得は各画像につき線分Lを1つ選んで行う。線分Lの長さは1.0-1.4mmとする。そして、図4のように高さプロファイルが得られる。ここで、図4の高さプロファイルは、実際の試料表面の凹凸を表す(測定)断面曲線Sであるが、ノイズ(フェイシャルティシュの表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、凹凸の高低差の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
そこで、高さプロファイルの断面曲線から「輪郭曲線」Wを計算し、この「輪郭曲線」の最大値MAXと最小値MINの差を「凹凸の高低差」と規定する。ここで、「輪郭曲線」は、断面曲線からλc:250μm(但し、λcはJIS-B0601「3.1.1.2」に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」)より短波長の表面粗さの成分を低域フィルタによって除去して得られる曲線である。
又、図4の縦軸(凹凸プロファイルの高さ)の値は、形状測定レーザマイクロスコープに試料を載置する台座の高さを基準としている。なお、線分Lにて、例えば山(凸部)が1つで、それに隣接する2つの谷(凹部)が得られた場合、最も小さい凹部のMINを用いる。山(凸部)が2つの場合は、最も大きい凸部のMAXを用いる。
なお、上述のように高さプロファイルの視野(Lの長さ)は1.0-1.4mmであり、測定に際しては上述のエンボスを十分に避けることができる。
表面の凹部の面積率は、フェイシャルティシュの表面を画像解析し、所定の閾値以下の暗い部分を凹部とみなし、その面積率を計算して得られる。
具体的には、フェイシャルティシュの表面を市販のイメージスキャナ(例えば、エプソン社製GT-X770)で、図5に示すような画像データとして取り込み、所定の画像解析装置(例えば、日本製紙ユニテック社製の「きょう雑物測定装置(Easy Scan)」)により分解能800dpi、スキャン面積6cm×6cmの条件で、所定の閾値以下の暗部の面積率を求める。ここで、上記閾値を、黒を0ビット、白を255ビットとしたときの白側に近い98%に設定して画像処理し、得られたそれぞれの暗部(陰部)を粒子(きょう雑物)とみなし、その粒径(円相当径)(μm)を計測する。その後、粒径が200〜799μmの粒子について、各粒子の面積を積算し、画像面積1m当たりの暗部(凹部)の面積率に換算した(例えば、測定面積が0.0036m2、200-799μmの粒子の積算面積が500mm2の場合、面積率(%)は500mm2÷0.0036m2×100=13.9%となる)。
面積率の測定は、フェイシャルティシュのサンプルにシワやミシン目、折り目等が入らないようにしてスキャナの一辺にフェイシャルティシュの一辺を沿わせて設置し、画像データを取り込む。次に、このフェイシャルティシュの一辺をスキャナに対して90℃ずつ回転させてそれぞれ画像データを取り込む(合計4つの画像データ)。この操作を2回繰り返し、合計8個の画像データを取り込む。さらに、フェイシャルティシュのサンプルのもう一方の表面についても、同様の操作を8回行う。このようにして得られた製品の2つの表面(両面)の16個の画像データにつき、上記した画像解析を行い、暗部(凹部)の面積率を測定し、これら16個の面積率の平均値を採用する。
なお、フェイシャルティシュのサンプルにミシン目や折り目が入っている等、6cm×6cmのスキャン面積(0.0036m2)を確保できない場合は、一度で測定する測定面積を小さくしても良いが、この場合は測定面積が最低0.0036m2となるように、測定箇所を増やす。例えば、3cm×6cm(0.0018m2)を2箇所測定すれば、測定面積は0.0036m2となる。
凹凸の高低差、及び凹部の面積率を上記範囲とすると、フェイシャルティシュが適度に嵩高くなり、強度を確保しつつ柔らかさ(紙の風合い)が向上する。
一方、凹凸の高低差及び凹部の面積率が上記範囲未満であると、フェイシャルティシュの表面の凹凸が低くなり過ぎ、柔らかさ(紙の風合い)が劣る。
凹凸の高低差及び凹部の面積率が上記範囲を超えると、フェイシャルティシュの表面の凹凸が高くなり過ぎ、滑らかさが劣る。
なお、凹凸の高低差、及び凹部の面積率を上記範囲に管理する方法の一例としては、後述する凹凸付けファブリックを湿紙ウェブに押付け、脱水と同時に凹凸付けを行うことが挙げられる。
又、一般に、フェイシャルティシュは、抄紙後に抄紙機以外の工程(例えば、マルチフォルダーやインターフォルダー等)で機械的にエンボス処理を施すことは少ないが、エンボス処理を行った場合、嵩が高くなり柔らかさが向上するが、強度が低下しやすくなるため、柔らかさと強度を両立することが難しい。
フェイシャルティシュ製品の旧JIS−S3104法に規定する吸水度が、1組が1枚のシートからなる(1プライの)場合に1.0〜5.0秒/0.01mLであることが好ましく、1.0〜3.0秒/0.01mLであることがより好ましい。1組が2枚以上のシートからなる(2プライ以上の)場合、上記吸水度が1.0〜5.0秒/0.1mLであることが好ましく、1.0〜3.0秒/0.1mLであることがより好ましい。
吸水度は小さいほどよいが、吸水度が1.0秒以下のものを測定することはできないため、吸水度が1.0秒以下は「1.0秒(以下の表では「≦1.0」と表記」」とみなすこととする。従って、吸水度の下限は測定上は1プライの場合で1.0秒/0.01mL、2プライ以上の場合で1.0秒/0.1mLとなる。
一方、吸水度が1プライの場合で5.0秒/0.01mLを超え、又は2プライ以上の場合で5.0秒/0.1mLを超えると、吸水が遅くて実用に適さない場合がある。なお、吸水度は旧JIS−S3104法に規定されており、「0.1mL(又は0.01mL)」は、フェイシャルティシュ製品への水の滴下量である。
本発明のフェイシャルティシュは、上記したシートを1枚重ね、又は2枚以上重ねて切断してなる。このフェイシャルティシュは、例えば製品幅にスリットされたロール状、又はそれぞれ製品幅及び長さに切断され、C折りして互いに積層されたシート状とすることができる。
次に、図1、図2を用いて、本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュのシートを構成するウェブの製造方法について説明する。図1はウェブの製造装置50の一例を示す。
図1の装置50は、ファブリックプレス方式の抄紙機であり、予備的に脱水するための通風乾燥(TAD)設備を用いず、プレス手段のみで凹凸付けしたウェブ103を製造することができる。装置50は、連続するウェブを形成するウェット部2、ウェブを脱水して模様付け又は凹凸付けするプレス部3、及びウェブを最終乾燥する乾燥部4を備えている。
ウェット部2は、クレセントフォーマー形式で湿紙を形成するものであり、繊維及び水からなる紙料をフォーミング領域に供給するヘッドボックス6、ウェブの水の一部を脱水するフォーミングフェルト8及びフォーミングワイヤー9、複数のガイドロール10、並びにフォーミングロール7を有する。
ヘッドボックス6は、フォーミングワイヤー9とフォーミングフェルト8との間の成型部5にて紙料ジェットを吐出する。フォーミングワイヤー9はエンドレスのループ形態であり、複数のガイドロール10及びフォーミングロール7の周りを走行し、フォーミングロール7にてフォーミングフェルト8に接触する。従って、位置5に吐出された紙料はフォーミングワイヤー9によって脱水されて繊維性ウェブ101を形成し、この繊維性ウェブ101がフォーミングフェルト8にてプレス部3に搬送される。フォーミングフェルト8も複数のガイドロール18の周りを走行するエンドレスのループ形態となっている。
なお、成型部5をサクションブレストロールフォーマーとすることもできる。
プレス部3はメインプレス11及び凹凸付けファブリック14を備え、メインプレス11は第1のプレス要素12と第2のプレス要素13とからなる。第1及び第2のプレス要素12,13は、互いに圧着してそれらの間にプレスニップN1を形成する。図1の例では、メインプレス11はロールプレスであり、第1及び第2のプレス要素12,13が対向する双ロールをなす。そして、第1のプレス要素(ロール)12が凹凸付けファブリック14のループ内に位置し、第2のプレス要素(ロール)13がフォーミングフェルト8ループ内に位置し、プレスニップN1にてフォーミングフェルト8と凹凸付けファブリック14が接触する。メインプレス11は、長いニッププレス又はシュープレス(図示しない)でも良い。
凹凸付けファブリック14は、エンドレスのループ形態をなし、複数のガイドロール15、及び乾燥部4に対向するスムーズな転送ロール16の周りを走行する。凹凸付けファブリック14は、第1のプレス要素(ロール)12の周りを走行したときにメインプレス11のプレスニップN1を通り、フォーミングフェルト8で搬送された繊維性ウェブ101と接触する。そして、プレスニップN1にて、凹凸付けファブリック14が繊維性ウェブ101の脱水及び凹凸付けを行って、凹凸付け繊維性ウェブ102を形成する。凹凸付け繊維性ウェブ102は、凹凸付けファブリック14によって転送ロール16まで搬送される。
転送ロール16は、後述する乾燥部4の乾燥シリンダー19と対向し、両者の間に転送ニップN2を形成する。そして、転送ニップN2に搬送された凹凸付け繊維性ウェブ102は、プレス及び脱水を施されずに乾燥にのみ供される。
なお、プレス部3(プレスニップN1)において、フォーミングフェルト8はz−方向(厚み方向)に弾性変形可能で圧縮可能な受水プレスフェルト17として働く。受水プレスフェルト17は、プレスニップN1を通過した凹凸付け繊維性ウェブ102をすぐに離し、ウェブ102を再び湿らさないようにする。
プレス部3を通る間、各ウェブ101、102の乾燥度は、繊維濃度15〜30%の範囲から42〜52%の範囲とすることができる。
乾燥部4は、乾燥シリンダー19、クレープ付けドクター21、及び乾燥シリンダー19を覆うフード22を備えている。なお、図1の例では、乾燥シリンダー19はヤンキードライヤーであるが、他のタイプの乾燥部(たとえばエアースルードライヤー、金属製の乾燥ベルト)を適用することができる。又、乾燥部は、単一の乾燥部(例えば、図1のように1つのシリンダー)であってもよく、複数の乾燥部で構成することもできる。
乾燥シリンダー19の表面は、転送ニップN2近傍にて、凹凸付け繊維性ウェブ102を乾燥する乾燥表面20を形成する。又、クレープ付けドクター21は乾燥表面20の下流に配置され、乾燥表面20によって乾燥した凹凸付け繊維性ウェブ102にクレープ付けを行い、それによって、凹凸付け及びクレープ付けの両方を施された最終ウェブ103が得られる。クレープ付は、紙を縦方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮し、クレープと称される波状の皺を形成する公知の方法であり、紙に嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。
そして、転送ニップN2にて、凹凸付け繊維性ウェブ102が凹凸付けファブリック14から離れて乾燥シリンダー19の乾燥表面20に転送される。転送ニップN2の圧力は1MPa以下であり、この圧力ではウェブ102の脱水は生じない。
なお、凹凸付けファブリック14から乾燥表面20側にウェブ102を確実に転送させるため、スプレー装置23によって乾燥表面20に接着剤を塗布するようにすると良い。スプレー装置23は、クレープ付けドクター21と転送ニップN2との間であって、乾燥表面20が開放された位置に配置することができる。
凹凸付けファブリック14としては、金属又は合成樹脂(プラスチック)の線を経糸及び緯糸として縦横に編み込んだ網目状のワイヤが挙げられる。このワイヤの目数としては、経糸及び緯糸の目数がそれぞれ20〜70本/2.54cm、好ましくは20〜65本/2.54cm、より好ましくは25〜60本/2.54cmとすることができる。又、このワイヤの線径としては、経糸および緯糸の線径が0.21〜0.70mm、好ましくは0.21〜0.55mm、より好ましくは0.21〜0.45mmとすることができる。
経糸及び緯糸の目数が上記範囲未満である場合、又は経糸及び緯糸の線径が上記範囲を超える場合、凹凸付けファブリック14の表面の凹凸が強過ぎ、フェイシャルティシュの表面の凹凸も強くなって凹凸の高低差及び凹部の面積率が上記範囲を超え、フェイシャルティシュの表面の凹凸が高くなり過ぎ、滑らかさが劣る。
経糸及び緯糸の目数が上記範囲を超える場合、又は経糸及び緯糸の線径が上記範囲未満である場合、凹凸付けファブリック14の表面の凹凸が低過ぎ、フェイシャルティシュの表面の凹凸も低くなって凹凸の高低差及び凹部の面積率が上記範囲未満となり、柔らかさ(紙の風合い)が劣る。
なお、一般的なファブリックとしては、経糸及び緯糸の目数がそれぞれ、70〜200本/2.54cm程度である。また、経糸及び緯糸の線径はそれぞれ、0.08〜0.20mm程度である。
上記で示したワイヤの目数や線径は、ワイヤのトップ面(湿紙とワイヤーが接触する面)の値である。
次に、図2を参照し、本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュウェブの製造方法におけるカレンダー加工の一例について説明する。
カレンダーパート60は、対向する一対のロール61、62から構成され、ロール61、62間のギャップに、抄紙及び乾燥後の凹凸付けしたウェブ103が装入されてカレンダー加工される。
ここで、ウェブ103の厚みtに対し、ロール61、62間のギャップの距離tを20〜80%(より好ましくは20〜70%)に設定することで、より滑らかで、柔軟性に富んだ嵩高なウェブが得られる。
距離tが厚みtの20%未満であると、ウェブは平滑になるが、バルクロスが生じ、比容積が7〜15cm/gの嵩高でふんわりしたウェブが得られないことがある。距離tが厚みtの80%を超えると、ウェブを滑らかにすることが困難になることがある。
なお、距離tが厚みtの20〜80%であれば、ロール61、62を通過したウェブのキャリパー(厚み)がある程度自然に復元し、キャリパーの減少を最小限に抑え、柔軟性、厚さの低減を最小限に抑えつつ、表面性の向上をはかることができる。
ロール61、62としては、鋼鉄ロール、チルドロール、表面硬質メッキ仕上げロール等の金属性ロール、又は弾性材料でコーティングされたシリンダーを用いることができる。ウェブをより滑らかにできる点では、金属ロールが好ましい。
カレンダー加工前のウェブ厚みtは、150〜300μm/枚、好ましくは180〜300μm/枚、より好ましくは200〜300μm/枚である。またカレンダー加工後のウェブ厚みは、80〜280μm/枚、好ましくは100〜250μm/枚、より好ましくは100〜200μm/枚である。
さらに、フェイシャルティシュ製品加工後の厚みは、0.8〜2.5mm/10枚、好ましくは0.8〜2.0mm/10枚、さらに好ましくは0.85〜2.0mm/10枚である。
なお、フェイシャルティシュ加工において、カレンダー処理、エンボス加工の有無、印刷の実施有無は、適宜選択できる。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
パルプ組成(質量%)をNBKP30%、LBKP70%とし、表1、表2に示す特性を有するシートの1枚重ね及び2枚重ねのフェイシャルティシュのウェブとして、図1に示すファブリックプレス方式の製紙機50を用い、凹凸付けしたウェブ103を製造した。次に、図2に示すプルユニットカレンダーパート60を用い、抄紙及び乾燥後のウェブ103をカレンダー加工した。カレンダー加工の条件を表1に示す。凹凸付けファブリック14としては、経糸及び緯糸として縦横に編み込んだ網目状のプラスチック製ワイヤを用い、ワイヤの経糸及び緯糸の目数及び線径を表1、表2に示すように規定した。
さらに、カレンダー加工後の最終ウェブを、1枚重ね及び2枚重ねのフェイシャルティシュ製品に加工し、以下の評価を行った。
坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりに換算した。
厚さ:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm 以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は試料を10枚重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
比容積:シート1枚当たりの厚さをシート1枚当たりの坪量で割り、単位gあたりの容積cm3で表した。
DGMT(Geometric Tensile Strength):JIS P8113に基づいて測定した乾燥時の縦方向引張り強さDMDTと乾燥時の横方向引張り強さDCDTの積の平方根を算出した。
吸水度:旧JIS−S3104法に従い、温度23±1℃、湿度50±2%の状態で、0.01ml(1プライの場合)、又は0.1ml(2プライの場合)の精製水を滴下し、水滴がフェイシャルティシュ製品に吸収される時間(秒)を測定した。
フェイシャルティシュ表裏面の凹凸の高低差及び凹部の面積率:上述の通りに測定した。
なお、坪量、DGMT、厚さの測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
柔らかさ、滑らかさ、破れにくさの評価は、モニター20人による官能評価によって行った。評価基準は10点満点として各サンプルの相対評価を行った。評価基準は以下の通りである。評価が7点以上であれば、その特性に優れる。なお、1plyは1〜9点、2plyは1〜10点の評価とした。
◎:9〜10点
○:7〜8点
△:5〜6点
×:1〜4点
得られた結果を表1〜表3に示す。
表1〜表3から明らかなように、1枚のシートの坪量が10〜20g/m、比容積が7〜15cm/gで、かつフェイシャルティシュ製品の強度(DGMT)が1.5〜3.5N/25mmである各実施例の場合、強度、バルク(比容積)、柔らかさに共に優れたフェイシャルティシュ製品が得られた。
なお、各実施例の場合、湿紙ウェブに、所定の凹凸付けファブリックを押付けて脱水と同時に凹凸付けを行ったため、表裏面の凹凸の高低差が80〜250μmであり、表裏面の凹部の面積率が5〜15%であった。
又、凹凸付けファブリックの経糸及び緯糸の目数を最も多くし、線径を最も細くした実施例12、13の場合、他の実施例に比べてフェイシャルティシュ表面の凹凸が低く、凹凸の高低差及び凹部の面積率の値が他の実施例に比べて小さくなったが、実用上問題はない。
凹凸付けファブリックの経糸及び緯糸の目数を最も少なくし、線径を最も太くした実施例15,16の場合、他の実施例に比べてフェイシャルティシュ表面の凹凸が高く、凹凸の高低差及び凹部の面積率の値が他の実施例に比べて大きくなったが、実用上問題はない。
一方、1枚のシートの坪量が10g/m未満である比較例1の場合、強度(DGMT)が1.5N/25mm未満に低下し、破れやすくなった。
1枚のシートの坪量が20g/mを超えた比較例2の場合、強度(DGMT)が3.5N/25mmを超えて高くなり過ぎ、ハンドフィール(柔らかさ)が劣った。
抄紙及び乾燥後のウェブを80%を超えるギャップを有する一対のロールにてカレンダー加工した比較例3の場合、比容積が15cm/gを超えて嵩高くなり過ぎ、滑らかさが劣った。
抄紙及び乾燥後のウェブ厚みに対し、20%未満のギャップを有する一対のロールにてカレンダー加工した比較例4の場合、カレンダー加工が過度になって表裏面の凹凸の高低差が80μm未満となり、紙が潰れ過ぎて柔らかさが劣った。
凹凸付けファブリックの経糸及び緯糸の目数を実施例より多くし、線径を実施例より細くした比較例5の場合、フェイシャルティシュ表面の凹凸が低くなり過ぎ、凹凸の高低差及び凹部の面積率の値が上記範囲未満となり、ハンドフィール(柔らかさ)が劣った。
凹凸付けファブリックの経糸及び緯糸の目数を実施例より少なくし、線径を実施例より太くした比較例6の場合、フェイシャルティシュ表面の凹凸が高くなり過ぎ、凹凸の高低差及び凹部の面積率の値が上記範囲を超え、滑らかさが劣った。
市販のフェイシャルティシュである比較例7,8の場合、フェイシャルティシュ表面の凹凸が低くなり過ぎ、凹凸の高低差及び凹部の面積率の値が上記範囲未満となり、かつ比容積も7cm/g未満となって嵩が低下し、柔らかさが劣った。これは、比較例7、8の場合、上記した凹凸付けファブリック14を用いずに抄紙したためである。なお、DGMT(強度)は、例えばパルプの原料及びその配合量、叩解度、紙力剤の添加の有無、抄紙条件等によって適宜調整することができる。
14 凹凸付けファブリック
101 繊維性ウェブ

Claims (5)

  1. パルプを主成分とする紙料を抄造してなり、カレンダー加工が施され、シートを1枚又は2枚以上重ねた1組からなり、1枚の前記シートの坪量が10〜20g/m、比容積が7〜15cm/gであるフェイシャルティシュ製品の製造方法であって、湿紙ウェブに、凹凸付けファブリックを押付けて脱水と同時に凹凸付けを行った後、ウェブを乾燥し、
    該フェイシャルティシュ製品の、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2(DGMT)が1.5〜3.5N/25mmであり、
    視野1.0-1.4mmで測定したときの表面の凹凸の高低差が80〜250μmであり、スキャン面積6cm×6cmの条件下で行った表面の凹部の面積率が5〜15%であるフェイシャルティシュ製品の製造方法
  2. 前記凹凸付けファブリックは、金属又は合成樹脂の線を経糸及び緯糸として縦横に編み込んだ網目状のワイヤからなる請求項1記載のフェイシャルティシュ製品の製造方法。
  3. 抄紙及び乾燥後のウェブ厚みに対し、20〜80%のギャップを有する一対のロールにて前記カレンダー加工を施す請求項1又は2記載のフェイシャルティシュ製品の製造方法。
  4. 前記抄紙及び乾燥後で前記カレンダー加工前のウェブ厚みが150μm以上、350μm以下である請求項3記載のフェイシャルティシュ製品の製造方法。
  5. 前記フェイシャルティシュ製品の、旧JIS−S3104法に規定する吸水度が、前記1組が1枚の前記シートからなる場合に5.0秒/0.01mL以下で、前記1組が2枚以上の前記シートからなる場合に5.0秒/0.1mL以下である請求項1〜4のいずれかに記載のフェイシャルティシュ製品の製造方法。
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