JP6606146B2 - トイレットロール - Google Patents
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このようなことから、トイレットペーパーのシート1枚当りの坪量を14g/m2以下に低減し、巻長を長くしたトイレットロールが開発されている(特許文献1、2)。
又、本願出願人は、トイレットペーパーの1枚当りの坪量を13g/m2より高くして風合い、使用感を向上させながら、巻長を長くしたトイレットロールを開発した(特許文献3、4)。
また、特許文献3、4記載の技術は、トイレットペーパーの坪量を高くしながら、風合いを向上させているが、ロールの柔らかさについては検討されていない。
ここで、ロールの柔らかさとは、店頭でトイレットロールを手に持ったときの触感であり、直接シートの柔らかさを反映するものではない。しかしながら、店頭でロールを巻きほぐしてシートの柔らかさを確認することができないため、仮にシート自体が柔らかくてもロールが硬いと、シートも硬いと思われてしまい、購入を促すことができないという問題がある。
従って本発明は、坪量を下げずにシートおよびロールの柔らかさに優れると共に1ロール当りの巻長を長くし、販促効果を高め、持ち運びや保管時の省スペース性に優れたトイレットロールの提供を目的とする。
つまり、エンボス等を付与してシートを柔らかくしても、ロールを固く巻きすぎると、ロールの柔らかさが低下する。一方、ロールを弱く巻きすぎると、ロールの柔らかさは向上するが、巻直径が大きくなって巻長が短くなるのである。
前記トイレットペーパーは、クラフトパルプを40〜100質量%含有することが好ましい。
ミルクカートン由来の古紙パルプを0質量%を超え60質量%以下含有することが好ましい。
CIE(国際照明委員会)が規定するC光源を前記トイレットペーパーの表面側に照射したときのISO 2470に準拠した白色度UV-inと、波長420nm以下の紫外光をカットするフィルタを介して、前記C光源を前記トイレットペーパーの表面側に照射したときのISO 2470に準拠した白色度UV-cutとの差Δが0.0〜2.5ポイントであることが好ましい。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るトイレットロール10は、1プライのトイレットペーパー10xをロール状に巻き取ったトイレットロールであって、巻固さが0.2〜1.3mm、巻長(巻き取り長さ)が110〜185m、巻直径DR(ロールの外径)が104〜134mm、巻密度が1.1〜1.9m/cm2である。
トイレットペーパー10xのロール外側の表面をロール表面(又はトイレットペーパーの表面)10aとし、ロール内側の表面をロール裏面(又はトイレットペーパーの裏面)10bとする。
トイレットロールの巻固さ、巻密度を上記範囲に調整する方法としては、坪量及び紙厚を所定範囲に調整しつつ、ロールワインダー(特にサーフェイス式)でロールを巻く強さを調整する方法がある。
ここで、エンボス等を付与してシートを柔らかくしても、ロールを固く巻きすぎると、ロールの柔らかさが低下する。一方、ロールを弱く巻きすぎると、ロールの柔らかさは向上するが、巻直径DRが大きくなって巻長が短くなる。このようなことから、ロールの柔らかさと巻長を両立するための因子として、巻固さ、巻密度を規定した。
トイレットロール10の巻固さは、圧縮試験機(カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機KES−G5)を用いて、次のように測定する。まず、トイレットロール10を軸心が水平になるよう硬い台上に横に置く。次に、トイレットロール10のロール表面の中央部に上記KES−G5の圧縮子(面積2.0cm2)を、速度10mm/分の条件で上から押し込む。圧縮子がロールを押す圧力が0.5gf/cm2のときの押し込み深さをT0、圧力が50gf/cm2のときの押し込み深さをTmとして、(Tm−T0)を巻固さとする。測定は5回行い、測定結果を平均する。
巻長は、好ましくは120〜165m、より好ましくは130〜155mである。
巻直径DRは、好ましくは108〜125mm、より好ましくは113〜119mmである。
巻密度が1.1m/cm2未満であると、巻直径DRが134mmを超えてしまい、トイレットペーパーホルダー等に収まり難くなる。巻密度が1.9m/cm2を超えると、シートの柔らかさが劣ったり、ロールの柔らかさが劣る。
巻密度は、好ましくは1.2〜1.7m/cm2、より好ましくは1.3〜1.5m/cm2である。
1枚当りのトイレットペーパー10xの坪量及び紙厚を上記範囲に調整する方法としては、原紙ウェブのカレンダー条件(カレンダー処理後の紙厚及び比容積、カレンダー処理前後の紙厚差)及びエンボス条件を規定する。
トイレットペーパー10xのシート1枚当りの坪量がより好ましくは16〜21g/m2であり、さらに好ましくは17〜20g/m2、最も好ましくは17〜19g/m2である。トイレットペーパー10xの紙厚がより好ましくは0.8〜1.3mm/10枚であり、さらに好ましくは0.9〜1.2mm/10枚である。
本発明のトイレットロール10(トイレットペーパー10x)に深さが0.05〜0.36mmのエンボスが施されてなると好ましい。特に、シングルエンボスが好ましい。
シングルエンボスは、図3に示すように、トイレットペーパー10xの一方の面からのみ、エンボスロール151のエンボス凸部を押し当てて形成される。
図2は、トイレットロール10(トイレットペーパー10x)に設けられたシングルエンボス2を示す断面図である。なお、図2の例では、トイレットペーパー10xは1プライからなり、図2の上部がロール表面10a側に対応する。トイレットペーパー10xのエンボスロール151を押し当てた面(図2の表面)に凹部2R、裏面に凸部2Pが現れるエンボス(シングルエンボス)2が形成される。
なお、図2(a)はエンボス深さが深い場合、図2(b)はエンボス深さが浅い場合である。
又、図2(a)の場合、エンボス深さDを深くするには、その分だけシート1枚当りの紙厚t1を薄くして凹凸を顕著にする必要があることから、原紙のカレンダー処理を強く行うことに起因してシートの柔らかさが向上する。
一方、トイレットペーパー10xの表面にエンボスを設けずに平滑にすると、滑らか過ぎて表面がパリパリに感じ、シートの柔らかさが劣る。なお、トイレットペーパー10xのうち、温水洗浄便座の使用時等に水が付着し易いロール外側(ロール表面10a側)に、エンボスの凹部2Rを設けると、凹部2Rは凸部より触感が良いため、シートの柔らかさが向上する。
図8は、ロール表面10a側のエンボス凹部2Rの撮影画像を示す。
エンボス深さDは好ましくは0.05〜0.36mmであり、より好ましくは0.08〜0.31mm、更に好ましくは0.11〜0.26mmである。エンボス深さDが上記範囲より小さいと、エンボスの凹凸の度合いが小さくなって嵩が低くなり(密度が高くなり)、シートの柔らかさを向上させることが困難な場合がある。エンボス深さDが上記範囲を超えると、エンボスの凹凸が顕著になり過ぎて嵩が高くなり過ぎ(密度が低くなり過ぎ)、巻直径DRが134mmを超えてしまい、ペーパーホルダーにトイレットロール10を装着し難くなる。
形状測定レーザマイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3100」を使用することができる。レーザマイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR−H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、求めるエンボスの大きさによって、適宜変更しても良い。
そこで、図6に示すように、高さプロファイルの断面曲線Sから「輪郭曲線」Wを計算し、この輪郭曲線Wのうち、上に凸となる2つの変曲点P1,P2と、変曲点P1,P2で挟まれる最小値を求め、深さの最小値Minとする。さらに、変曲点P1,P2の深さの値の平均値を深さの最大値Maxとする。
このようにして、エンボス深さD=最大値Max−最小値Minとする。又、変曲点P1,P2のX−Y平面上の距離(長さ)を最長部aの長さと規定する。なお、「輪郭曲線」は、断面曲線からλc:800μm(但し、λcはJIS-B0601「3.1.1.2」に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」)より短波長の表面粗さの成分を低域フィルタによって除去して得られる曲線である。なお、λcを、隣接するエンボス同士のP1の間隔(これを、エンボスピッチという)以上に設定すると、ピークをノイズと認識してしまう可能性があるので、λcをエンボスピッチ未満とする。例えば、エンボスピッチが800μm以下の場合、例えばλc:250μmに設定する。隣接するエンボス同士のP1の間隔は、図6の左又は右に繋がる次のエンボスについて同様にP1,P2を求め、隣接するエンボス同士でP1、P2、P1と並ぶときの2つのP1の間隔である。
又、最長部aと最長部bの積(a×b)をエンボス2の面積Sとして求める。最長部aと最長部bは、上記したトイレットペーパー10xの表面10aの10個のエンボス2についての個々のa、bの値を平均した値を用いる。
エンボス面積Sは、好ましくは0.4〜7.0mm2、より好ましくは1.5〜6.5mm2、更に好ましくは2.5〜6.0mm2、最も好ましくは3.5〜5.5mm2である。エンボス面積Sが0.4mm2未満であるとエンボスが小さすぎて美粧性が劣る場合がある。一方、エンボス面積Sが7.0mm2を超えるとエンボスが大きすぎて、同様に美粧性が劣る場合がある。
また、エンボス深さDとエンボス面積Sで任意の10個のエンボス2を選定する際には、トイレットロール10の外巻の端部(トイレットペーパーを使用し始める位置)から、トイレットロール10の巻長の20%に当たる部分で測定する。例えば、巻長が75mの場合、端部から75m×20%=15mの部分で測定する。なお、巻長の20%の部分がミシン目に当たる場合は、ミシン目の外巻側を測定する。
ロール巻取り加工機150は、大別するとサーフェイス方式とセンター方式の2種類がある。サーフェイス方式は巻取るロールを外側から別の複数の駆動ロールで支持しながら巻取る方法であり、巻取られたトイレットロール10は、巻き径のコントロールがし易く、生産速度がより高速となる。センター方式は巻取りロールの中心に通したシャフトの駆動により巻取る方法で、巻取られたトイレットロール10は、比較的柔らかな製品となり、デリケートなエンボスを施した製品に適している。本発明においては、いずれの方法でも巻き取ることができるが、好ましくはサーフェイス方式である。
なお、ロール巻取り加工機150にマシンワインダー100を組み込んだり、ロール巻取り加工機150にカレンダー101、102の両方(2スタック)または片方(1スタック)を組み込み、ロール巻取り加工機にてカレンダー処理、エンボス処理をこの順で行ってもよい。
なお、エンボスロールの凹凸が深ければニップ幅を狭くし、エンボスロールの凹凸が浅ければニップ幅を広くすることで、エンボス深さDを調整できる。
比容積が4.0cm3/g未満であると、シートの柔らかさが乏しくなったり、バルク(嵩高さ)が低下して水分の吸収性に劣る場合がある。一方、比容積が7.5cm3/gを超えると、シートのバルク(嵩高さ)は高くなるが、エンボス後の紙厚が高くなって巻径が大きくなる場合がある。上記比容積は、好ましくは4.7〜7.0cm3/g、より好ましくは5.5〜6.5cm3/gである。
DMDT及びDCDTが上記値未満であると、やぶれ易くて実用に適さないことがある。DMDT及びDCDTが上記値より高いと硬くなり、シートの柔らかさが損なわれることがある。
なお、トイレットペーパーの抄紙の流れ方向を「縦方向」とし、流れ方向に直角な方向を「横方向」とする。
トイレットペーパー1枚当たりのJIS-P4501に基づくほぐれ易さは、60秒以下が好ましく、50秒以下がより好ましく、40秒以下が更に好ましい。ほぐれ易さは、速い方がよいが、上記範囲を超えると、トイレでの水解性に劣る場合がある。
また、ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有率が好ましくは0〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは20〜45質量%であり、クラフトパルプの含有率としては、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは55〜80質量%である。
ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプは、針葉樹パルプが主体であり、トイレットペーパーの強度を確保しやすいメリットがある一方、品質的バラツキが大きく、含有割合が高すぎると製品の品質に影響するので、上記の範囲の含有率にすることが好ましい。
上記LBKPの材種としてユーカリ属グランディス、及びユーカリグロビュラスに代表される、フトモモ科ユーカリ属から製造されるパルプが好ましい。
なお、脱墨パルプが蛍光染料を含むと、トイレットペーパー(シート)のUV-in条件下での白色度の値と、UV-cut条件下での白色度の値の差Δが大きくなる。ここで、UV-inとは、CIE(国際照明委員会)が規定するC光源(紫外光を含む)をシート表面側に照射したときのISO 2470に準拠した白色度である。UV-cutとは、波長420nm以下の紫外光をカットするフィルタを介して、C光源をシート表面側に照射したときのISO 2470に準拠した白色度である。差Δ=(白色度UV-in)−(白色度UV-cut)である。
差Δは、好ましくは0.0〜2.5ポイント、より好ましくは0.0〜1.5ポイント、さらに好ましくは0.0〜1.0ポイント、最も好ましくは0.0〜0.5ポイントである。白色度は、ISO 2470に準拠して、株式会社村上色彩技術研究所社製 高速分光光度計CMS−35SPXを用いて測定できる。
トイレットペーパーとして古紙原料を使用する場合も、上記バージン系の場合と同様の処理を行う。
トイレットペーパーの製造方法の詳細については後述する。
まず、公知の抄紙機のワイヤーパート上で上記紙料からウェブを抄紙し、プレスパートのフェルトへ移動させる。ワイヤーパートの方式としては、丸網式、長網(フォードリニアー)式、サクションブレスト式、短網式、ツインワイヤー式、クレセントフォーマー式などが挙げられる。
そして、ウェブに対し、サクションプレッシャーロール又はサクションなしのプレッシャーロール又はプレスロールなどで機械的に圧縮をしたり、あるいは熱風による通気乾燥などの脱水方法により脱水を続ける。また、サクションプレッシャーロール又はサクションなしのプレッシャーロールは、プレスパートからヤンキードライヤーにウェブを移動させる手段としても使用される。
クレーピング(クレープと言われる波状の皺をつけること)は、紙を縦方向(抄紙機上のシート走行方向)に機械的に圧縮することである。そして、トイレットペーパーのウェブの製造の際、クレーピングドクターによりヤンキードライヤー上のウェブが剥がされ、リールパートで巻き取られるが、ヤンキードライヤーとリールパートの速度差(リールパートの速度≦ヤンキードライヤーの速度)によりクレーピングドクターにてクレープ(皺)が形成される。
トイレットペーパーに必要な品質、すなわち嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などは上記速度差で左右される。上記速度差等の条件にもよるが、クレーピング後のリール上のウェブの坪量は概略18〜24g/m2となり、クレーピング前のヤンキードライヤー上のウェブの坪量より重くなる。上記坪量は、好ましくは19〜23g/m2である。上記範囲を超えると、強度が高くなって紙がゴワゴワする場合があり、上記範囲未満であると、強度が弱くて破れやすくなる場合がある。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
品質や操業性の良し悪しはこのクレーピングの条件で大方決まり、クレーピング条件を最適とする操業条件が当業者にとって重要な事項となる。本発明においてトイレットペーパーを製造する際のクレープ率は好ましくは10〜50%、より好ましくは15〜40%、最も好ましくは20〜35%である。
図7はマシンワインダー100の一例を示す。上述のようにクレープ後にリールパートで巻き取られたリール1がマシンワインダー100にセットされ、1スタック目のカレンダー機101でカレンダー処理される。但し、必要に応じて、1スタック目のカレンダー機101と、2スタック目のカレンダー機102の順で2段階カレンダー処理しても良い。また、オンマシンカレンダーでカレンダー処理することも可能である。
エンボス処理前(カレンダー処理後)のトイレットペーパーの紙厚を好ましくは0.6〜1.5mm/10枚、より好ましくは0.6〜1.2mm/10枚とする。又、エンボス処理前(カレンダー処理後)の原反ロール4におけるトイレットペーパーの比容積を好ましくは3.4〜6.3cm3/g、より好ましくは3.6〜5.8cm3/g、さらに好ましくは3.8〜5.3cm3/gとする。
又、表1,2に示したエンボス処理後のトイレットペーパーの紙厚は図2の紙厚t2に相当するが、測定荷重3.7kPaで測定した値であるため、紙厚t2を正確に反映したものではない。
一方、エンボス深さDはエンボスを圧縮しない生成りの状態での値を測定している。従って、エンボス深さDは紙厚t1、t2から計算される値(この値は、エンボスを測定荷重3.7kPaで圧縮した値である)よりは大幅に大きい。
カレンダーの線圧は、好ましくは2.5〜7.5kgf/cm、より好ましくは3.0〜7.0kgf/cmとすることが好ましい。線圧が上記範囲を超えると、嵩が小さくなり、柔らかさが劣ることがある。また、線厚が上記範囲未満であると、嵩が大きくなり、ロールの巻直径DRが大きくなる。また、線圧は、1スタック目より2スタック目を高くすることが好ましい。
カレンダー処理時、ドローを適宜調整することができる。プライアップ前のリール1からカレンダー処理後の原反4の間のドローは、100〜110%とすることが好ましい。
カレンダー処理とドロー調整により、坪量を16g/m2を超え22g/m2以下に維持しつつ、紙厚を0.7mm/10枚を超え1.4mm/10枚以下に管理できる。
乾燥時の縦方向引張り強さDMDTと乾燥時の横方向引張り強さDCDT:JIS P8113に基づいて、トイレットペーパー(1枚)につき、破断までの最大荷重をN/25mmの単位で測定した。
坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりとした。
紙厚:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、カレンダー処理前及び後のウェブ、ロールについてはいずれも、シートを10枚重ねて測定を行った。又、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。そして、得られた1回当りの平均値を枚数で割ってシート1枚当りの紙厚とした。
ロールの巻直径DR:ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定した。測定は、10個のロールを測定し、測定結果を平均した。
ロールの巻固さ、巻密度、エンボス深さは上述の方法で測定した。なお、ロールの巻密度は、ロールの巻直径DRの測定に用いた10個のロールを測定し、測定結果を平均した。
なお、坪量、引張強さ、厚さ、比容積、巻固さ、巻密度、エンボス深さの測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
適度な深さのエンボスを付与してシートの柔らかさは優れていたが、巻長が185mを超えた比較例2の場合、巻直径が134mmを超え、ロール径が大きくなってトイレットペーパーホルダーに収まり難くなった。
エンボス深さDが0.05mm未満、巻固さが0.2mm未満の比較例3の場合、エンボスの凹凸の度合いが小さくなって嵩が低くなり(密度が低くなり)、シート及びロールの柔らかさが劣った。
トイレットペーパーをロールワインダで強く(硬く)巻き過ぎて巻固さが0.2mm未満の比較例6の場合、巻直径が104mm未満となり、ロールの柔らかさが劣った。
エンボス深さDが0.05mm未満の比較例7の場合、エンボスの凹凸の度合いが小さくなって嵩が低くなり(密度が低くなり)、シートの柔らかさが劣った。又、比較例7の場合、巻長が185mを超え、巻直径が134mmを超えたため、ロール径が大きくなってトイレットペーパーホルダーに収まり難くなった。
10 トイレットロール
10x トイレットペーパー
D エンボス深さ
Claims (5)
- ロール表面側が凹む凹エンボスを有し、1プライのトイレットペーパーをロール状に巻き取ったトイレットロールであって、
巻固さが0.2〜1.3mm、巻長が110〜185m、巻直径が104〜134mm、巻密度が1.1〜1.9m/cm2であり、
前記トイレットペーパーの比容積が、5.5〜6.5cm3/gであり、前記エンボス1個当たりの面積が、1.5〜6.5mm2であるトイレットロール。 - 前記エンボスの深さが0.05〜0.36mmである請求項1記載のトイレットロール。
- 前記トイレットペーパーは、クラフトパルプを40〜100質量%含有する請求項1又は2に記載のトイレットロール。
- ミルクカートン由来の古紙パルプを0質量%を超え60質量%以下含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のトイレットロール。
- CIE(国際照明委員会)が規定するC光源を前記トイレットペーパーの表面側に照射したときのISO 2470に準拠した白色度UV-inと、波長420nm以下の紫外光をカットするフィルタを介して、前記C光源を前記トイレットペーパーの表面側に照射したときのISO 2470に準拠した白色度UV-cutとの差Δが0.0〜2.5ポイントである請求項1〜4のいずれか一項に記載のトイレットロール。
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