JP4918415B2 - トーチクリーナ装置 - Google Patents
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Description
即ち、本発明に係るトーチクリーナ装置1は、ワイヤノズル100の回りに周隙間Sを保持してガスノズル101が外嵌されたアーク溶接用トーチ2に対し、前記周隙間Sへ挿入して駆動回転されることにより堆積異物を除去する内周除去具35が設けられており、この内周除去具35の周囲に、トーチ2の先端エッジに当接する先細りのテーパ面21aが形成されており、この内周除去具35は前記ガスノズル101内に入り込み且つ前記ワイヤノズル100に嵌合可能なコイルバネにより形成され、このコイルバネは、先端をトーチ2に対して偏心回転させるべくその巻き芯Pが湾曲されてガスノズルの内周面及びワイヤノズルの外周面の双方に接触可能となっている。
しかも、内周除去具35がコイルバネで形成されていることで、バネ弾性による偏心方向の変形性や軸方向の伸縮性が得られ、且つこれらが変形前の状態に復元しようする性質が得られるため、この内周除去具35によるガスノズル101内周面やワイヤノズル100外周面への接触は、所定の接触圧を有したものとなる。
内周除去具35は、その巻き芯Pが湾曲されているので、内周除去具35に生じる偏心方向の変形性が一層効果的に活用され、それだけガスノズル101内周面やワイヤノズル100外周面への接触圧が強くなり、比例して、異物の除去も良好となる。
相対回転により前記ガスノズル101の先端101aに摺接する端面ブラシ60と先端外周面101bに摺接する周面ブラシ61とが段付き状態に配置された段付きブラシ58をも設けることができる。
図1乃至図12は、トーチクリーナ装置1の第1実施形態を示している。このトーチクリーナ装置1は、例えば、ガスシールド式アーク溶接ロボットのアームに備えられる溶接用トーチ2からスパッターやスラグ等の異物を除去し清掃(クリーニング)するためのものであり、前記トーチ2はアームに軸芯廻り回動可能に取り付けられている。
また前記トーチクリーナ装置1では、トーチ2の異物付着を防止する付着防止剤塗布装置9と、トーチ2から突出したワイヤを切断するワイヤ切断装置10とを有したものとしてある。
装置本体3の上面部には浮き床12が設けられており、この浮き床12の上部に上記した内部清掃装置5、吸引清掃装置6、エッジ清掃装置7が設けられている。この浮き床12は、装置本体3内で下端部が固定された複数本の防振脚13(図例では4本)により保持されており、各防振脚13が密着コイルバネなどによって形成されていることから、浮き床12は水平状態を保持しつつ揺れが可及的に抑制される構造となっている。
[エッジ清掃装置]
エッジ清掃装置7は、浮き床12の上方で昇降台20を介して設けられた端面除去具21を有している。昇降台20は、浮き床12に設けられた軸ホルダー22に対して上下に貫通する状態で上下動自在に保持されたガイド軸23を介してその上端部で支持されるようになっている。
そのため、この端面除去具21に対してトーチ2の先端を当接させ、これら端面除去具21とトーチ2とを相対回転させれば、図8や図11に示すように、トーチ2の先端エッジが開口28の刃部29で擦られる状態となり、ガスノズル101の先端101aにリング形状に異物が堆積して付着していれば、この異物は確実に除去されることになる。除去された異物は前記開口28からも端面除去具21の外方へ排出される。
浮き床12の下部には、各エッジ清掃装置7ごとに、昇降台20の下降をガイド軸23の変位から検出するようにした第1検出器30(図参照)及び第2検出器31(図参照)が設けられている。
[内部清掃装置]
内部清掃装置5は、2台あるエッジ清掃装置7のうちの一方と併設されたもので、図5乃至図8に示すように、端面除去具21の中央孔27内へ上端部を挿通させるような状態で浮き床12上に立設された内周除去具35を有している。
この内周除去具35は、緩い円弧状に湾曲された巻き芯Pを有するコイルバネにより形成されている。また内周除去具35(コイルバネ)の外径はトーチ2におけるガスノズル101の内径より小さく、内径はワイヤノズル100の外径よりも大きく形成されている。
前記内周除去具35の上端は、端面除去具21が最上位置にあるときその中央孔27内に位置し、トーチ2に対して非同芯で偏心していても、中央孔27より若干大径のガスノズル101内に入り込み、それらより小径のワイヤノズル100に嵌合可能になっている。
[吸引清掃装置]
吸引清掃装置6は、2台あるエッジ清掃装置7のうち、内部清掃装置5に併設のものとは別のエッジ清掃装置7に併設されていて、図9乃至図11に示すように、端面除去具21と同芯に配置された吸引パイプ40と、この吸引パイプ40内を負圧にする吸引手段41とを有している。
吸引パイプ40の上部は端面除去具21が上昇位置にあるときも中央孔27内に位置し、端面除去具21の円筒部分に設けた位置規制部材(ネジ)53によって位置規制されている。この位置規制部材53は端面除去具21の中心を通る直線上に一対設けられていて、吸引パイプ40に大きな摺動抵抗を与えないように隙間を有し、中央孔27に対する吸引パイプ40の大きな芯ズレを防止している。
このとき、連通孔49から径小管部46内を通って排出管47へと向かう空気流は、連通孔49や径小管部46による絞り作用を受けて高速化され、これに伴って減圧化(負圧化)が起こるので、排出管47へ向かう空気流(排気流)に吸い出されるようにして連通パイプ44内及び吸引パイプ40内の空気も吸引状態とされる。これによりトーチ2内の異物に負圧による吸引作用が派生し、前記内部清掃装置5で剥離された異物がトーチ2の周隙間Sの奥に残っていても吸引除去されることになる。
[先端清掃装置]
先端清掃装置8は、図1乃至図3、及び図12に示すように、ブラケット55を介して固定されたゴム製の支持台56と、この支持台56に立てられた支持棒57を介して保持された円盤状の段付きブラシ58とを有している。この段付きブラシ58は、トーチ2におけるガスノズル101の先端101aに摺接する端面ブラシ60と、ガスノズル101の先端外周面101bに摺接する周面ブラシ61とが段付き状態に配置されている。
[付着防止剤塗布装置]
付着防止剤塗布装置9は、図1乃至図3に示すように、トーチ2の先端を浸し可能な貯剤部63を有している。この貯剤部63は、装置本体3に取り付けられた容器台64と、この容器台64に載せられる容器65とを有したもので、容器65内に異物付着防止剤が貯留される。
[ワイヤ切断装置]
ワイヤ切断装置10は、図1、図2、図4に示すように、装置本体3の上面で浮き床12と横並びになる状態で設けられており、水平置きされたモータ66の回転軸67に取り付けられた可動刃68と、この可動刃68の回転域側部に固定された固定刃69とを有している。なお、このワイヤ切断装置10には、トーチ2の先端から突出したワイヤが可動刃68の回転域内へ入り込む位置までトーチ2が接近したときにトーチ2を検出する第3検出器70が設けられている。
[動作]
次に、本発明の実施例の作用を説明する。
しかも、このとき内周除去具35には変形前の状態に復元しようするバネ弾性が生じているため、内周除去具35によるガスノズル101やワイヤノズル100への接触は、所定の接触圧を有したものとなり、トーチ2内の異物を掻き取りにより確実に除去する。
この内周除去具35による清掃に前後して又は同時に、端面除去具21に対してトーチ2を押し付けたまま回転させる。それによりエッジ清掃装置7では、ガスノズル101の先端101a全周を端面除去具21の刃部29(開口28の縁部)で擦るようになって、ガスノズル101の先端101aに付着した異物(例えば、トーチ2先端を取り囲む状態で強固に付着したリング状のスパッターなど)を削り落とす。
そしてこの吸引清掃装置6の上方位置にてトーチ2が下降され、吸引清掃装置6と併設されているエッジ清掃装置7の端面除去具21にトーチ2の先端が当接し、更にこの端面除去具21を押し下げていく。
この吸引清掃装置6においても、その清掃に前後してまたは同時に、端面除去具21の刃部29によるガスノズル101の先端101a全周のエッジ清掃を行ってもよい。
次にトーチ2は先端清掃装置8へ向けて移動される。そしてトーチ2はこの先端清掃装置8の上方位置にて下降され、段付きブラシ58の端面ブラシ60にトーチ2におけるガスノズル101の先端101aが当接し、また同時に、段付きブラシ58の周面ブラシ61にガスノズル101の先端外周面101bが当接する状態にセットされる。
[別実施形態]
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
また、ガスノズル101の先端101aのエッジ清掃は内部清掃装置5で内部を清掃する際にのみ行うようにしてもよく、エッジ清掃装置7は、端面除去具21のテーパ面21aに周方向に間隔をおいて突条部を形成し、この突条部にガスノズル101の先端101aと交差する方向の刃部29を形成し、突条部間を吸引空気流通路としてもよい。
2 トーチ
21 端面除去具
35 内周除去具
58 段付きブラシ
60 端面ブラシ
61 周面ブラシ
100 ワイヤノズル
101 ガスノズル
S 周隙間
P 巻き芯
Claims (3)
- ワイヤノズル(100)の回りに周隙間(S)を保持してガスノズル(101)が外嵌されたアーク溶接用トーチ(2)に対し前記周隙間(S)へ挿入して駆動回転されることにより堆積異物を除去する内周除去具(35)が設けられ、
前記内周除去具(35)の周囲に、トーチ(2)の先端エッジに当接する先細りのテーパ面(21a)が形成されており、
この内周除去具(35)は前記ガスノズル(101)内に入り込み且つ前記ワイヤノズル(100)に嵌合可能なコイルバネにより形成され、
このコイルバネは、先端をトーチ(2)に対して偏心回転させるべくその巻き芯(P)が湾曲されてガスノズル(101)の内周面及びワイヤノズル(100)の外周面の双方に接触可能となっている
ことを特徴とするトーチクリーナ装置。 - 前記内周除去具(35)の周囲に端面除去具(21)が設けられていてこの端面除去具(21)に前記テーパ面(21a)が形成されており、
このテーパ面(21a)には開口(28)が穿孔されており、
前記開口(28)の縁部には前記テーパ面(21a)に当接されたトーチ(2)のガスノズル(101)の先端(101a)から堆積異物を除去する刃部(29)が形成され、
ガスノズル(101)の先端(101a)から除去した堆積異物を前記開口(28)からテーパ面(21a)の外方へ排出可能となっていることを特徴とする請求項1記載のトーチクリーナ装置。 - 相対回転により前記ガスノズル(101)の先端(101a)と摺接する端面ブラシ(60)と先端外周面(101b)と摺接する周面ブラシ(61)とが段付き状態に配置された段付きブラシ(58)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトーチクリーナ装置。
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