JP4918415B2 - トーチクリーナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスシールド式のアーク溶接用トーチを清掃するトーチクリーナ装置に関する。
溶接ロボットの自動運転を補助するトーチクリーナ装置として、溶接ロボットのトーチ先端から突出するワイヤを切断するワイヤ切断装置と、トーチ内のスパッターやスラグ等の異物を除去する異物剥離装置と、トーチ先端を取り囲むようなリング状のスパッターなどの異物を除去するトーチ外部清掃装置と、トーチの異物付着を防止する付着防止剤塗布装置とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1等参照) 。
そこで異物剥離装置は、トーチのガス通路内へ細長い刃物を挿入させてこれを回転させることで異物を掻き落とすようになっていた。
特許第3186274号公報
従来公知の異物剥離装置において、トーチのガス通路内へ挿入させた刃物を、ガスノズル内周面及びワイヤノズルの外周面の双方に同時に接触させることは困難であり、そのため、これらガスノズル内周面やワイヤノズルの外周面において刃物が接触しない部分が生じることがあった(殊にワイヤノズルの外周面には刃物が接触し難いということがあった)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガスノズル内周面及びワイヤノズルの外周面の双方に付着した異物を確実且つ綺麗に除去できるようにしたトーチクリーナ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るトーチクリーナ装置1は、ワイヤノズル100の回りに周隙間Sを保持してガスノズル101が外嵌されたアーク溶接用トーチ2に対し、前記周隙間Sへ挿入して駆動回転されることにより堆積異物を除去する内周除去具35が設けられており、この内周除去具35の周囲に、トーチ2の先端エッジに当接する先細りのテーパ面21aが形成されており、この内周除去具35は前記ガスノズル101内に入り込み且つ前記ワイヤノズル100に嵌合可能なコイルバネにより形成され、このコイルバネは、先端をトーチ2に対して偏心回転させるべくその巻き芯Pが湾曲されてガスノズルの内周面及びワイヤノズルの外周面の双方に接触可能となっている。
このような内周除去具35を具備した構成であると、トーチ2内へ内周除去具35を挿入し、且つ内周除去具35駆動回転させた場合、偏心して非同芯となる内周除去具35(コイルバネ)がトーチ2のガスノズル101内周面及びワイヤノズル100外周面に対し、それらの全周且つ軸方向の略全域に余すことなく接触するようになる。
しかも、内周除去具35がコイルバネで形成されていることで、バネ弾性による偏心方向の変形性や軸方向の伸縮性が得られ、且つこれらが変形前の状態に復元しようする性質が得られるため、この内周除去具35によるガスノズル101内周面やワイヤノズル100外周面への接触は、所定の接触圧を有したものとなる。
これらのことから、トーチ2のガスノズル101内周面及びワイヤノズル100外周面に付着する異物が確実且つ綺麗に除去されることになる。
内周除去具35は、その巻き芯Pが湾曲されているので、内周除去具35に生じる偏心方向の変形性が一層効果的に活用され、それだけガスノズル101内周面やワイヤノズル100外周面への接触圧が強くな、比例して、異物の除去も良好となる。
内周除去具35の周囲に端面除去具21が設けられていてこの端面除去具21に前記テーパ面21aが形成されており、このテーパ面21aには開口28が穿孔されており、前記開口28の縁部には前記テーパ面21aに当接されたトーチ2のガスノズル101の先端101aから堆積異物を除去する刃部29が形成され、ガスノズル101先端101aから除去した堆積異物を前記開口28からテーパ面21aの外方へ排出可能となったものとすることができる。
このようにすると、ガスノズル101の先端101aと端面除去具21とを強く当接させることが可能であると共に、トーチ2の先端全周を端面除去具21と当接させることも可能になるため、ガスノズル101の先端101aに付着してリング形状に発達した異物は確実に除去できる。
相対回転により前記ガスノズル101の先端101aに摺接する端面ブラシ60と先端外周面101bに摺接する周面ブラシ61とが段付き状態に配置された段付きブラシ58をも設けることができる。
このようにすると、トーチ2におけるガスノズル101の先端101a及びガスノズル101の先端外周面101bに付着した異物を綺麗に除去できることになる。従って、トーチ2内(ガスノズル101内周面及びワイヤノズル100外周面)に付着した異物の除去と合わせて、トーチ2の清浄化に有益なものとなる。
本発明に係るトーチクリーナ装置では、ガスノズル内周面及びワイヤノズルの外周面の双方に付着した異物を確実且つ綺麗に除去できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図12は、トーチクリーナ装置1の第1実施形態を示している。このトーチクリーナ装置1は、例えば、ガスシールド式アーク溶接ロボットのアームに備えられる溶接用トーチ2からスパッターやスラグ等の異物を除去し清掃(クリーニング)するためのものであり、前記トーチ2はアームに軸芯廻り回動可能に取り付けられている。
図1乃至図4から明かなように、箱状の装置本体3に対し、主としてトーチ2内に付着した異物を除去する内部清掃装置5及び吸引清掃装置6と、主としてトーチ2外に付着した異物を除去するエッジ清掃装置7及び先端清掃装置8とを有している。
また前記トーチクリーナ装置1では、トーチ2の異物付着を防止する付着防止剤塗布装置9と、トーチ2から突出したワイヤを切断するワイヤ切断装置10とを有したものとしてある。
トーチ2は、図12等に示すように、ワイヤノズル100とその回りに外嵌されたガスノズル101との周隙間Sにガス通路102が形成され、ガス孔から噴出されたガスがガス通路102を経て溶接部位へ噴射させると共に、ワイヤノズル100の先端部からワイヤが必要量、送り出されて突出される構成となっている。
装置本体3の上面部には浮き床12が設けられており、この浮き床12の上部に上記した内部清掃装置5、吸引清掃装置6、エッジ清掃装置7が設けられている。この浮き床12は、装置本体3内で下端部が固定された複数本の防振脚13(図例では4本)により保持されており、各防振脚13が密着コイルバネなどによって形成されていることから、浮き床12は水平状態を保持しつつ揺れが可及的に抑制される構造となっている。
[エッジ清掃装置]
エッジ清掃装置7は、浮き床12の上方で昇降台20を介して設けられた端面除去具21を有している。昇降台20は、浮き床12に設けられた軸ホルダー22に対して上下に貫通する状態で上下動自在に保持されたガイド軸23を介してその上端部で支持されるようになっている。
ガイド軸23にはコイルバネ24が外嵌され、このコイルバネ24が昇降台20と浮き床12との上下間で弾性力を生起させるように挟持されることにより、昇降台20及び端面除去具21は昇降自在であると共に、上方へ向けて押し上げ付勢された状態となっている。コイルバネ24には蛇腹構造などを具備して伸縮自在となったブーツ25が被せられている。
端面除去具21はトーチ2の先端を受ける受け部材であり、上下に貫通する中央孔27を有しており、この中央孔27の上端側の開口縁部には、トーチ2が当接する方向において先細りとなるテーパ面21aが形成されている。テーパ面21aの上端位置での内径はトーチ2の先端外径より大きく、またテーパ面21aの下端位置での内径はトーチ2の先端外径よりも小さく形成されている。
また、このテーパ面21aにはガスノズル101の先端101aの周縁が当接する位置に開口28が穿孔されている。この開口28は周方向に間隔をおいて複数個(3個)が穿孔されており、この開口28の縁部により、異物除去のための刃部29が形成されている。
そのため、この端面除去具21に対してトーチ2の先端を当接させ、これら端面除去具21とトーチ2とを相対回転させれば、図8や図11に示すように、トーチ2の先端エッジが開口28の刃部29で擦られる状態となり、ガスノズル101の先端101aにリング形状に異物が堆積して付着していれば、この異物は確実に除去されることになる。除去された異物は前記開口28からも端面除去具21の外方へ排出される。
なお、本第1実施形態では、浮き床12上に2台のエッジ清掃装置7が設けられたものとしてあり、従って昇降台20、軸ホルダー22、ガイド軸23、コイルバネ24及び端面除去具21が、それぞれ別個独立して2組ずつ設けられたものを示している。
浮き床12の下部には、各エッジ清掃装置7ごとに、昇降台20の下降をガイド軸23の変位から検出するようにした第1検出器30(図参照)及び第2検出器31(図参照)が設けられている。
[内部清掃装置]
内部清掃装置5は、2台あるエッジ清掃装置7のうちの一方と併設されたもので、図5乃至図8に示すように、端面除去具21の中央孔27内へ上端部を挿通させるような状態で浮き床12上に立設された内周除去具35を有している。
内周除去具35の下端部には回転ホルダー36が取り付けられ、この回転ホルダー36が、浮き床12の下部に上向き状態で固定されたモータ37の回転軸37aに連結されている。従ってこの内周除去具35はモータ37によって回転駆動することができる。
この内周除去具35は、緩い円弧状に湾曲された巻き芯Pを有するコイルバネにより形成されている。また内周除去具35(コイルバネ)の外径はトーチ2におけるガスノズル101の内径より小さく、内径はワイヤノズル100の外径よりも大きく形成されている。
内周除去具35を形成しているコイルバネの巻き芯Pは、先端フリー状態で緩い円弧状に湾曲されており(図6参照)、トーチ2の直線軸芯に対して非同芯となっている。
前記内周除去具35の上端は、端面除去具21が最上位置にあるときその中央孔27内に位置し、トーチ2に対して非同芯で偏心していても、中央孔27より若干大径のガスノズル101内に入り込み、それらより小径のワイヤノズル100に嵌合可能になっている。
従ってこの内周除去具35は、端面除去具21にトーチ2の先端を当接させた状態で、更にトーチ2の下降によって端面除去具21を押し下げることに伴い、トーチ2に対してワイヤノズル100とガスノズル101との周隙間S(ガス通路102内)へ挿入することができるものであり、尚かつ、この挿入状態のまま内周除去具35を回転させた場合には、内周除去具35がバネ弾性による偏心方向の変形性や軸方向の伸縮性を発揮してガスノズル101の内周面やワイヤノズル100の外周面に対し、それらの全周且つ軸方向の略全域に余すところなく接触するようになる。
[吸引清掃装置]
吸引清掃装置6は、2台あるエッジ清掃装置7のうち、内部清掃装置5に併設のものとは別のエッジ清掃装置7に併設されていて、図9乃至図11に示すように、端面除去具21と同芯に配置された吸引パイプ40と、この吸引パイプ40内を負圧にする吸引手段41とを有している。
吸引パイプ40の外径はトーチ2におけるガスノズル101の内径より小さく、内径はワイヤノズル100の外径よりも大きく形成されている。従ってこの吸引パイプ40は、端面除去具21にトーチ2の先端を当接させた状態で、更にトーチ2の下降によって端面除去具21を押し下げることに伴い、ガスノズル101内へ挿入されるようになっている。
前記吸引パイプ40の下端部にはパイプホルダー42が外嵌され、このパイプホルダー42に対して吸引パイプ40が上下動自在な状態に保持されている。パイプホルダー42の上端部に設けられた内フランジ42aと吸引パイプ40の下端部に設けられた外フランジ40aとが係合して、吸引パイプ40は上方へ抜け出さないように保持される。
吸引パイプ40の上部は端面除去具21が上昇位置にあるときも中央孔27内に位置し、端面除去具21の円筒部分に設けた位置規制部材(ネジ)53によって位置規制されている。この位置規制部材53は端面除去具21の中心を通る直線上に一対設けられていて、吸引パイプ40に大きな摺動抵抗を与えないように隙間を有し、中央孔27に対する吸引パイプ40の大きな芯ズレを防止している。
パイプホルダー42内には吸引パイプ40が最上位置まで上昇しても吸引パイプ40へ差し込み状態を維持する段付きの連通パイプ44が設けられており、パイプホルダー42の内周面とこの連通パイプ44の外周面との周間に装填されたコイルバネ43により、吸引パイプ40が押し上げ付勢されるようになっている。これらによりショックアブソーバー機構が構成され、トーチ2内に挿入された吸引パイプ40が万が一、トーチ2内で奥付き状態を起こすことがあったとしても、トーチ2や吸引パイプ40が破損することが防止される。
吸引手段41は、吸引パイプ40の下部にエジェクター部45を配備させて構成されている。このエジェクター部45は、上記した連通パイプ44の下端部に設けられた径小管部46と、この径小管部46の下部に接続された排出管47と、径小管部46のまわりに周空間を形成させつつ外嵌された外筒48とを有し、径小管部46には周方向に間隔をおいて複数の連通孔49が形成され、外筒48に送風管50が接続されたものとなっている。
図1及び図4に示すように、送風管50には電磁バルブ51などを介して装置外から圧力空気が供給可能になっている。送風管50へ圧力空気が供給された場合、この圧力空気は連通孔49を抜けて径小管部46内へ入り、排出管47を通って装置外(図9の下方)へと排気されるようになる。
このとき、連通孔49から径小管部46内を通って排出管47へと向かう空気流は、連通孔49や径小管部46による絞り作用を受けて高速化され、これに伴って減圧化(負圧化)が起こるので、排出管47へ向かう空気流(排気流)に吸い出されるようにして連通パイプ44内及び吸引パイプ40内の空気も吸引状態とされる。これによりトーチ2内の異物に負圧による吸引作用が派生し、前記内部清掃装置5で剥離された異物がトーチ2の周隙間Sの奥に残っていても吸引除去されることになる。
なお、このようにして吸引パイプ40内が吸引状態にされることでガスノズル101内が吸引されるとき、ガスノズル101の先端101aは図11に示すように、端面除去具21のテーパ面21aに当接した状態となっている。従ってトーチ2内には、端面除去具21のテーパ面21aに形成された開口28を介して外気の流れ込みが可能になっている。すなわち、ガスノズル101の先端101a付近の空気が端面除去具21の上方及び外周から開口28を通ってガスノズル101内へと流れることになる。
トーチ2の先端部には、後述する付着防止剤塗布装置9にて付着防止剤を付着させるので、この付着した付着防止剤が、上記したようにガスノズル101の外周からガスノズル101の先端101a内へと通過する空気により霧化され、吸引パイプ40の先端へと導かれるので、ガスノズル101の内周面及びワイヤノズル100の外周面へ(吸引パイプ40の先端が届く深奥部まで)効率よく、また拡散しながら導入されて、均一に供給されることになる。
[先端清掃装置]
先端清掃装置8は、図1乃至図3、及び図12に示すように、ブラケット55を介して固定されたゴム製の支持台56と、この支持台56に立てられた支持棒57を介して保持された円盤状の段付きブラシ58とを有している。この段付きブラシ58は、トーチ2におけるガスノズル101の先端101aに摺接する端面ブラシ60と、ガスノズル101の先端外周面101bに摺接する周面ブラシ61とが段付き状態に配置されている。
従って、これら段付きブラシ58とトーチ2とを互いに当接状態とさせたまま、段付きブラシ58のまわりでトーチ2を自転又は公転させる(段付きブラシ58を回転させてもよい)ことにより、トーチ2におけるガスノズル101の先端101a及び先端外周面101bに付着した異物を、擦り落としにより綺麗に除去することができる。
[付着防止剤塗布装置]
付着防止剤塗布装置9は、図1乃至図3に示すように、トーチ2の先端を浸し可能な貯剤部63を有している。この貯剤部63は、装置本体3に取り付けられた容器台64と、この容器台64に載せられる容器65とを有したもので、容器65内に異物付着防止剤が貯留される。
この付着防止剤塗布装置9は、前述した如く、端面除去具21及び吸引清掃装置6もその一部を構成する。
[ワイヤ切断装置]
ワイヤ切断装置10は、図1、図2、図4に示すように、装置本体3の上面で浮き床12と横並びになる状態で設けられており、水平置きされたモータ66の回転軸67に取り付けられた可動刃68と、この可動刃68の回転域側部に固定された固定刃69とを有している。なお、このワイヤ切断装置10には、トーチ2の先端から突出したワイヤが可動刃68の回転域内へ入り込む位置までトーチ2が接近したときにトーチ2を検出する第3検出器70が設けられている。
[動作]
次に、本発明の実施例の作用を説明する。
トーチ2を清掃するには、まず内部清掃装置5へ移動される。そしてこの内部清掃装置5の上方位置にてトーチ2が下降され、内部清掃装置5と併設されているエッジ清掃装置7の端面除去具21に対してトーチ2のガスノズル101の先端が当接し、更にこの端面除去具21を押し下げていくと第1検出器30がそれを検出、モータ37を駆動して内周除去具35を回転する。
内周除去具35は回転しながらワイヤノズル100とガスノズル101との周隙間S(ガス通路102内)内に挿入されることにより、バネ弾性による偏心方向の変形性や軸方向の伸縮性を発揮しながらガスノズル101の内周面やワイヤノズル100の外周面に対し、それらの全周且つ軸方向の略全域に余すところなく接触するようになる。
しかも、このとき内周除去具35には変形前の状態に復元しようするバネ弾性が生じているため、内周除去具35によるガスノズル101やワイヤノズル100への接触は、所定の接触圧を有したものとなり、トーチ2内の異物を掻き取りにより確実に除去する。
トーチ2は所要高さまで下降した後に上昇し、第1検出器30による検出がなくなるまで内周除去具35は回転を持続する。
この内周除去具35による清掃に前後して又は同時に、端面除去具21に対してトーチ2を押し付けたまま回転させる。それによりエッジ清掃装置7では、ガスノズル101の先端101a全周を端面除去具21の刃部29(開口28の縁部)で擦るようになって、ガスノズル101の先端101aに付着した異物(例えば、トーチ2先端を取り囲む状態で強固に付着したリング状のスパッターなど)を削り落とす。
次にトーチ2は付着防止剤塗布装置9へ向けて移動される。そしてトーチ2はこの付着防止剤塗布装置9の貯剤部63で下降し、トーチ2の先端が容器65内の付着防止剤へ浸けられる状態となる。トーチ2はその後上昇して隣接する吸引清掃装置6へ向けて移動される。
そしてこの吸引清掃装置6の上方位置にてトーチ2が下降され、吸引清掃装置6と併設されているエッジ清掃装置7の端面除去具21にトーチ2の先端が当接し、更にこの端面除去具21を押し下げていく。
トーチ2の下降によりワイヤノズル100とガスノズル101との周隙間S(ガス通路102内)へ吸引パイプ40が挿入されていく。そして第2検出器31による検出があると、吸引清掃装置6では、連通パイプ44内及び吸引パイプ40内の空気が吸引され、ガスノズル101内が負圧になり、ガスノズル101の外方の空気がガスノズル101内を通って吸引パイプ40に吸引され、その吸引される空気流によってトーチ2内の異物が除去される。
吸引清掃装置6においては、ガスノズル101内に端面除去具21のテーパ面21aに形成された開口28を介して外気が流れ込み、ガスノズル101の外周から内側へと空気が通過するので、ガスノズル101の先端101a付近に付着した付着防止剤が、ガスノズル101の外周から先端101aを通ってガスノズル101内へと通過する空気により霧化され、吸引パイプ40の先端へと導かれるので、ガスノズル101の内周面及び吸引パイプ40内のワイヤノズル100の外周面に、付着防止剤が効率よく、また均一に拡散されて付着される。
そしてトーチ2が所要高さまで下降した後に上昇し、第2検出器31による検出がなくなるまで吸引作用は持続される。
この吸引清掃装置6においても、その清掃に前後してまたは同時に、端面除去具21の刃部29によるガスノズル101の先端101a全周のエッジ清掃を行ってもよい。
次にトーチ2は先端清掃装置8へ向けて移動される。そしてトーチ2はこの先端清掃装置8の上方位置にて下降され、段付きブラシ58の端面ブラシ60にトーチ2におけるガスノズル101の先端101aが当接し、また同時に、段付きブラシ58の周面ブラシ61にガスノズル101の先端外周面101bが当接する状態にセットされる。
この状態を保持させたまま、トーチ2が自転する、又は段付きブラシ58のまわりを公転する。このようにしてトーチ2におけるガスノズル101の先端101a及び先端外周面101bに付着した異物を、段付きブラシ58で擦り落とす。
[別実施形態]
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば内部清掃装置5のみ、又は内部清掃装置5と吸引清掃装置6、エッジ清掃装置7、先端清掃装置8、付着防止剤塗布装置9又はワイヤ切断装置10のいずれか1つの装置とを組み合わせてもよく、ワイヤ切断装置10を設けずに、装置本体3上に先端清掃装置8及び/又は付着防止剤塗布装置9を配置したりしてもよい。
また、ガスノズル101の先端101aのエッジ清掃は内部清掃装置5で内部を清掃する際にのみ行うようにしてもよく、エッジ清掃装置7は、端面除去具21のテーパ面21aに周方向に間隔をおいて突条部を形成し、この突条部にガスノズル101の先端101aと交差する方向の刃部29を形成し、突条部間を吸引空気流通路としてもよい。
更に、トーチ2は回転可能であるので、端面除去具21は回転不能に構成されているが、この端面除去具21を昇降台20に回転可能に設けてもよい。
トーチクリーナ装置の第1実施形態を示した平面図である。 図1のA−A線矢視図である。 図1のB−B線矢視図である。 図1のC−C線矢視図である。 図1のD−D線断面図である。 内周除去具の巻き芯が湾曲している様子を図5の一部を利用して説明した図である。 図5の状態から内周除去具及び端面除去具を使用した状態への動作移行図である。 図7の要部拡大図である。 図1のE−E線断面図である。 図9の状態から吸引パイプ及び端面除去具を使用した状態への動作移行図である。 図10の要部拡大図である。 図3の状態から段付きブラシを使用した状態への動作移行図である。
1 トーチクリーナ装置
2 トーチ
21 端面除去具
35 内周除去具
58 段付きブラシ
60 端面ブラシ
61 周面ブラシ
100 ワイヤノズル
101 ガスノズル
S 周隙間
P 巻き芯

Claims (3)

  1. ワイヤノズル(100)の回りに周隙間(S)を保持してガスノズル(101)が外嵌されたアーク溶接用トーチ(2)に対し前記周隙間(S)へ挿入して駆動回転されることにより堆積異物を除去する内周除去具(35)が設けられ
    前記内周除去具(35)の周囲に、トーチ(2)の先端エッジに当接する先細りのテーパ面(21a)が形成されており、
    この内周除去具(35)は前記ガスノズル(101)内に入り込み且つ前記ワイヤノズル(100)に嵌合可能なコイルバネにより形成され、
    このコイルバネは、先端をトーチ(2)に対して偏心回転させるべくその巻き芯(P)が湾曲されてガスノズル(101)の内周面及びワイヤノズル(100)の外周面の双方に接触可能となっている
    ことを特徴とするトーチクリーナ装置。
  2. 前記内周除去具(35)の周囲に端面除去具(21)が設けられていてこの端面除去具(21)に前記テーパ面(21a)が形成されており、
    このテーパ面(21a)には開口(28)が穿孔されており、
    前記開口(28)の縁部には前記テーパ面(21a)に当接されたトーチ(2)のガスノズル(101)の先端(101a)から堆積異物を除去する刃部(29)が形成され、
    ガスノズル(101)の先端(101a)から除去した堆積異物を前記開口(28)からテーパ面(21a)の外方へ排出可能となっていることを特徴とする請求項記載のトーチクリーナ装置。
  3. 相対回転により前記ガスノズル(101)の先端(101a)と摺接する端面ブラシ(60)と先端外周面(101b)と摺接する周面ブラシ(61)とが段付き状態に配置された段付きブラシ(58)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトーチクリーナ装置。
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