JP4917924B2 - 屋根の谷部構造を備えた建物 - Google Patents

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Description

本発明は、屋根の谷部構造を備えた建物に関する。
住宅等の建物における屋根の谷部構造として、和風小屋組であれば、谷部に沿って棟木から軒桁を介して軒先まで延びる1本の谷木が架け渡され、この谷木の上部に谷板が配され、この谷板に屋根を構成する野地板等の屋根材が取り付けられる技術が知られている。
また、数種類の屋根トラスから構成される小屋組であれば、所定位置に配置された外壁上に屋根トラスを載置したり、通常の屋根トラスよりも頑強なガーダートラスを架け渡したりして小屋組を構築した後に、複数の屋根トラスにより形成される谷部に沿って、谷木が取り付けられる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
これによれば、工場にて予め組み付けられた屋根トラスを現場にて建物本体に取り付けることで小屋組が完成するため、現場での品質のバラツキがなく、高強度な小屋組を備えた建物が構築できるものとされている。
特開平10−8564号公報
しかしながら、上記技術では、谷木を谷部に沿って棟から軒先まで架け渡そうとしても、その途中に配置されているガーダートラスに干渉するため、棟からガーダートラスの側面までしか配することができない。そのため、軒部においては、野地板等を支持する谷木が無いため、野地板等の取り付け状態が不安定な状態になっている。したがって、長期の視点では軒部がクリープ現象により垂れ下がってしまうおそれもあり、強度の観点からでは、不十分であると考えられる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高強度な屋根の谷部構造を備えた建物を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決するために、第1の発明では、複数の屋根トラスを用いて屋根を支持するとともに、その屋根の一部には谷部が形成されており、さらにその谷部に沿って延びて前記屋根の一部を支持する谷木を備えた建物であって、前記谷部に沿った前記谷木の延長上でありかつ建物の外壁から突出された軒部に配置される軒谷木を備え、その軒谷木が前記各屋根トラスのうち所定の屋根トラスに連結されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、谷部に沿った谷部の延長上でかつ軒部に配置される軒谷木を備えており、その軒谷木が所定の屋根トラスに連結されている。このため、軒部の谷部において、屋根を構成する野地板等の屋根材を軒谷木により支持することができる。その結果、経年によって生じる軒部の垂れ下がり現象を抑制することができる。
また、第2の発明では、第1の発明において、前記谷木と前記軒谷木とが前記屋根の谷部と平行な一直線上に配置されていることを特徴とする。
第2の発明によれば、谷木と軒谷木とが屋根の谷部と平行な一直線上に配置されている。このため、仮に谷木と軒谷木とが一直線上に配置されていないとすれば、各谷木の配置位置に合わせて野地板等の屋根材を取り付けなければならず、その取付作業が煩雑となるが、本発明ではこれを解消することができる。また、第6の発明のように両谷木に跨って谷板を配置する場合には、その谷板を好適に支持することができる。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記軒谷木は前記屋根トラスに設けられた連結具を介して連結されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、屋根トラスに設けられた連結具によって、軒谷木の位置決めを容易に行うことができる。
第4の発明では、第3の発明において、前記連結具は、前記谷木の傾斜角度と同一の傾斜角度を有する受け部を備え、その受け部に前記軒谷木の一端部を受け止めさせた状態で両者が取り付けられていることを特徴とする。
第4の発明によれば、連結具は、谷木の傾斜角度と同一の傾斜角度を有する受け部を備えており、その受け部に軒谷木の一端部を受け止めさせた状態で両者が取り付けられている。このため、軒谷木の傾斜角度を谷木の傾斜角度と同一にするための角度調整作業が不要となり、その取付作業が容易となる。また、両谷木の傾斜角度が同一であるため、両谷木に跨って取り付けられる直線状の谷板を好適に支持することができる。
第5の発明では、第1乃至第4のいずれかに記載の発明において、前記屋根トラスは、少なくとも上弦材と下弦材とこれらを連結する連結金具とからなるガーダートラスであり、少なくともガーダートラスの一端が前記谷木の延長上に位置して当該一端に前記軒谷木が取り付けられていることを特徴とする。
第5の発明によれば、屋根トラスがガーダートラスであり、そのガーダートラスの一端が谷木の延長上に位置することから、谷木のそれ以上の延長を阻害するものであるところ、本発明では当該ガーダートラスを谷木の再スタート箇所としてガーダートラスの一端に軒谷木が取り付けられている。このため、ガーダートラスの存在にかかわらず軒谷木を谷木の延長上に配置させることができる。
第6の発明では、第1乃至第5のいずれかに記載の発明において、前記谷木と前記軒谷木とに跨るようにして谷板が設けられていることを特徴とする。
第6の発明によれば、谷木と軒谷木とに跨るようにして谷板が設けられているため、谷木及び軒谷木に対して別々の谷板を取り付ける必要がなく、その取付作業が容易となる。また、谷板が分断されていなことから、谷部構造の支持強度を高め、野地板等の屋根材を好適に支持することができる。
第7の発明では、第6の発明において、前記谷板が前記谷木及び軒谷木に所定の取付角度で取り付けられるように、谷木及び軒谷木に前記谷板の取付角度の規制部が形成されていることを特徴とする。
第7の発明によれば、谷板が両谷木に所定の取付角度で取り付けられるように、当該両谷木に谷板の取付角度の規制部が形成されている。このため、両谷木に対する谷板の取付作業が容易となるだけでなく、所望の谷板の取付角度を容易に得ることができる。なお、規制部としては、例えば両谷木の谷木との当接面によって構成することができ、この場合には両谷木の当接面を同一面に配置することによって規制部として機能する。
第8の発明では、第1乃至第7のいずれかに記載の発明において、前記軒谷木の先端には、鼻隠し木が固定されていることを特徴とする。
第8の発明によれば、軒谷木の先端には、鼻隠し木が固定されている。すなわち、軒谷木は、屋根トラスと鼻隠し木との間に架け渡されて、その両端が固定されている状態となっている。このため、軒谷木の上部に設けられる野地板等の屋根材をより確実に支持することができる。
第9の発明では、第8の発明において、前記軒谷木の先端部と前記鼻隠し木とは面接触された状態で取り付けられていることを特徴とする。
第9の発明によれば、軒谷木の先端部と鼻隠し木とが面接触された状態で取り付けられている。このため、軒谷木及び鼻隠し木の接触面同士を当接させることにより取付角度を容易に設定することができる。また、その取付作業、例えばビス止め作業が容易となる。さらに、軒谷木及び鼻隠し木を互いに安定した状態で連結することができる。
第10の発明では、第9の発明において、前記軒谷木の先端には、前記鼻隠し木と面接触される傾斜面部を備えた軒先具が取り付けられており、当該軒先具により前記軒谷木の先端部が構成されていることを特徴とする。
第10の発明によれば、軒谷木の先端には、傾斜面部を備えた軒先具が取り付けられており、当該軒先具により軒谷木の先端部が構成されている。このため、軒先具の傾斜面部に鼻隠し木を取り付けるだけで容易に面接触させることができる。また、面接触させるために軒谷木の先端部を特殊加工しなくても済むという製造上の利点がある。
なお、本明細書において記載されている、谷木,軒谷木,鼻隠し木の部材については木製に限定されるものではなく、例えば金属製や樹脂製等をも含み、特定の材質に限定されるものではない。
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1(a)は一実施形態における屋根形状及び壁パネルの配置を示す平面図、(b)は屋根トラスの配置を示す平面図、図2は軒部近傍の谷部構造を示す平面図、図3は軒谷木がガーダートラスに連結されている状態を示す斜視図、図4(a)は軒谷木受け具を示す斜視図、(b)は軒谷木がガーダートラスに連結されている状態を示す縦断面図、図5は軒谷木に谷板が取り付けられている状態を示す縦断面図、図6(a)は軒谷木と軒先金具とが分離している状態を示す斜視図、(b)は軒谷木に軒先金具が取り付けられている状態を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、図2及び図3に記載されている谷板は2点鎖線により仮想的に示している。
最初に建物10の概要について説明する。なお、本実施形態の建物10は、枠組壁工法の枠材をスチール製に置き換えた鉄骨骨組壁工法(スチールハウス)により建造されたものである。
図1(a)に示すように、建物10は、第1建物部11及び第2建物部12から構成されている。第1建物部11と第2建物部12とは直交配置されており、平面視において全体として断面L字形状になっている。
第1建物部11は、複数枚の壁パネル13が所定位置に配されることによりなる第1建物部本体14とその上部に設けられる第1小屋組15とを備えている。同様に、第2建物部12は、複数枚の壁パネル16が所定位置に配されることによりなる第2建物部本体17とその上部に設けられる第2小屋組18とを備えている。
第1小屋組15は、図1(b)に示すように、複数のトラス20〜28と頂部転び止め材30とから構成されている。各トラス20〜28は、スチールフレームよりなる外枠をボルト等により互いに連結されて縦断面が略二等辺三角形状に形成され、その外枠の間を繋ぐように複数の束材及び斜材が組み付けられている。これらトラス20〜28は、第1建物部本体14の上部にその長手方向(図1(b)の左右方向)に所定間隔をおいてそれぞれ配設されている。このように配設されたトラス20〜28の頂部には、その頂部同士を連結する頂部転び止め材30が2本組み付けられている。
第2小屋組18は、トラス31、ガーダートラス32、サドルトラス33及び頂部転び止め材34から構成されている。トラス31及びガーダートラス32は、第2建物部本体17の上部にその短手方向(図1(b)の上下方向)に所定間隔をおいてそれぞれ配設されている。詳細には、ガーダートラス32は、第1建物部本体14と第2建物部本体17との境界部分に配設されている。ガーダートラス32には、第1小屋組15を構成するトラスのうちトラス25〜27の一端がボルト等により連結固定されている。すなわち、本実施形態における建物10が全体として平面L字状に形成されることから、第1建物部11と第2建物部12との境界部分には壁パネル13,16が存在せず、第1小屋組15を構成するトラスのうち上記境界部分に一端が配置されるトラス25〜27を下方から支えることができない。そこで、上記境界部分にガーダートラス32を配置して前記各トラス25〜27の一端を支持している。
ガーダートラス32の手前側(図1(b)の下側)にはトラス31が複数(例えば2枚)配設されている。これらトラス31及びガーダートラス32の頂部には、その頂部同士を連結する頂部転び止め材34が2本組み付けられている。
ガーダートラス32の奥側(図1(b)の上側)にはサドルトラス33が配設されている。詳細には、サドルトラス33は、第1小屋組15を構成するトラスのうちトラス25〜27の上部に配設されている。このため、サドルトラス33は、トラス31及びガーダートラス32よりも外枠の大きさが小さく形成されている。
第1小屋組15と第2小屋組18とが交わる部分には、溝形の第1谷部V1,第2谷部V2がそれぞれ形成されている。
以下に、第1谷部V1を例に谷部構造について詳しく説明する。
図1,図2に示すように、谷木41は、第1谷部V1に沿って設けられ、その一端が頂部転び止め材30に、他端がガーダートラス32の側面にてアングル55により連結されている。ここで、図3に示すように、ガーダートラス32は、上弦材32aと下弦材32bとその両者の間に設けられる斜材や束材及びこれらトラス材を連結するガセットプレート35とからなり、全体として略二等辺三角形状に形成されている。このガーダートラス32の一端は、谷木41の延長上に位置し、壁パネル16の上部に配置されている頭つなぎ材57上に載置されている。このため、谷木41を棟から軒部50に至るまで延ばそうとしても、その途中に配置されているガーダートラス32と干渉してしまうため、谷木41の先端は、上記のようにガーダートラス32の側面位置まで延びるにとどまっている。
そこで、本実施形態においては、軒部50に第1谷部V1に沿った軒谷木42が設けられている。具体的には、軒谷木42の一端が平板状のガセットプレート35に軒谷木受け具56を介して連結され、他端が軒部50の先端である軒先のコーナ部近傍に至るまで延びている。
軒谷木受け具56の詳細について説明すると、軒谷木受け具56は、鋼板を折り曲げることにより形成されており、ガセットプレート35に取り付けられる取付部56aと、その取付部56aの一端から第1谷部V1に沿って延びて軒谷木42の一側面が当接される当接部56bと、その当接部56bの下端から直角に延びて軒谷木42の下面を受ける受け部56cと、その受け部56cのもう一端から上方へ延びるとともに当接部56bと平行となって軒谷木42を挟み込む折り返し部56dとを有している(図4(a)参照)。軒谷木受け具56は、ガーダートラス32に取り付けられた状態で、受け部56cの傾斜が谷木41の傾斜と同一傾斜となるように形成されている。
この当接部56b、受け部56c及び折り返し部56dに囲まれた凹部に軒谷木42が嵌め込まれてボルト等により連結されている。これにより、軒谷木42は、軒谷木受け具56に取り付けるだけで所望の角度(第1谷部V1の勾配)に位置決めされる(図4(b)参照)。これにより、谷木41と軒谷木42とが第1谷部V1に沿った一直線上に配置されている。
谷木41及び軒谷木42の上面には、これら両谷木に跨るようにして谷板43が取り付けられている。図5に示すように、谷板43は、谷木41及び軒谷木42の上面に固定される長尺板状の底板部43aと、この底板部43aの長手方向に沿った両端からそれぞれ外側上方へ広がるようにして延びる傾斜板部43bとを有している。なお、傾斜板部43bの傾斜角度は、屋根勾配に対応してそれぞれ設定されている。
ここで、谷木41及び軒谷木42は、いずれも角形鋼管とされ、その上面が平板状に形成されている。そのため、これらの上面に谷板43の底板部43aが当接された状態で取り付けられることにより谷板43の取付角度が規制される。その結果、谷板43の取付角度の調整を行わなくてもよいため、その取付作業が容易となる。また、谷板43の取付不良から生じる傾斜板部43bの傾斜角度の誤差を抑制することができる。なお、谷木41及び軒谷木42は、いずれも溝形鋼であってもよいし角形鋼管及び溝形鋼の組み合わせであってもよい。
各傾斜板部43bには、互いの突合せ端部により第1谷部V1を形成する一対の野地板70が固定されている。詳細には、一対の野地板70の突合せ端部において各底面が各傾斜板部43bの上面に当接され、その当接面にてビス等により固定されている。これにより、野地板70が屋根勾配となる所定角度を持って位置決めされている。その結果、野地板70のうち軒部50に配置される部分については、谷板43を介して軒谷木42により支持されている。
軒谷木42の軒部50先端(軒先)には、軒先金具60が取り付けられている。軒先金具60は、図6(a)に示すように、鋼板を折り曲げることにより形成される傾斜面部60a,60bと、これら傾斜面部60a,60bの各端部から軒谷木42側に平行に延びる一対の側面部60cとを有している。軒先金具60は、両側面部60cが軒谷木42の両側面よりも外側になるようにして軒谷木42に嵌め込まれた状態で、両側面部60cにてビス61により取り付けられている(図6(b)参照)。傾斜面部60a,60bは先端部において直角に折り曲げられており、軒谷木42の延びる方向に対してはそれぞれ45度の傾斜角となっている。
この軒先金具60の傾斜面部60aには、図2に示すように、鼻隠し木44がビス等により取り付けられている。より詳細には、鼻隠し木44の先端部の側面(図2では右側側面)と傾斜面部60aとが面接触した状態で取り付けられている。鼻隠し木44は、軒先金具60の傾斜面部60aに沿いかつ第2小屋組18を構成するトラス31等の端面に沿って取り付けられている。
また、この鼻隠し木44の先端部近傍の側面(図2では左側側面)には、鼻隠し木44の延びる方向に対して直角方向に延びる鼻隠し木45がビス等により取り付けられている。鼻隠し木45は、その端面が鼻隠し木44の側面に当接されているとともに、第1小屋組15を構成するトラス23等の端面に沿って取り付けられている。
これらにより、軒谷木42は、ガーダートラス32及び鼻隠し木44によりその両端が支持されており、軒谷木42がガーダートラス32のみならず鼻隠し木44,45を介して他のトラス23,31等にも関連して各部が密に連結されることとなり、軒谷木42が片持ち支持されるような不安定な状況が回避されている。
なお、詳細な説明は省略するが、第2谷部V2においても、以上説明した第1谷部V1における谷部構造とほぼ同様の谷部構造が形成されている。
以上説明した構成を備えていることにより、本実施形態の屋根の谷部構造では、以下に示す有利な効果が得られる。
軒谷木42を第1谷部V1に沿って設け、その一端をガーダートラス32に連結した。これにより、軒部50の第1谷部V1において、野地板70を軒谷木42により支持することができる。その結果、第1谷部V1における軒部50の経年によって生じる垂れ下がり現象を抑制することができる。
軒谷木42をガーダートラス32のガセットプレート35に連結するに際して、軒谷木受け具56を利用した。これにより、軒谷木42の位置調整を行うことなく、谷木41の傾斜と同一の傾斜により連結することができるため、その取付作業が容易となる。しかも、平板状のガセットプレート35に取り付けたことにより、軒谷木受け具56を安定した状態で取り付けることができる。すなわち、例えば、軒谷木受け具56を細長の上弦材32a等のトラス材に取り付けようとした場合には、その取り付け部位が狭小であるためにその取付作業が困難となるばかりか取付状態が不安定となるおそれがある。本実施形態では、このような不都合を解消することができる。
谷木41と軒谷木42とを一直線上に配置した。これにより、これら両谷木に沿って野地板70を好適に取り付けることができる。すなわち、仮に、谷木41と軒谷木42とが一直線上に配置されていない場合には、各谷木の配置位置に合わせて野地板70を取り付けなければならず、その取付作業が煩雑となるが、本実施形態では、これを解消することができる。
谷木41と軒谷木42とに跨るようにして谷板43を取り付けた。これにより、谷木41及び軒谷木42に対して別々の谷板43を取り付ける必要がなく、その取付作業が容易となる。また、谷板43が分断されていなことから、第1谷部V1の支持強度を高め、野地板70を好適に支持することができる。しかも、傾斜板部43bに沿って野地板70を取り付けることにより、野地板70の位置決めを容易に行うことができる。
軒谷木42の先端を鼻隠し木44,45が直交する位置に至るまで延ばし、当該軒谷木42の一端に鼻隠し木44を取り付けた。これにより、軒部50に配置される野地板70をより確実に支持することができる。また、鼻隠し木44をトラス23等の端面に沿って取り付ける際、鼻隠し木44の端部を軒谷木42の軒部50側の先端部に合わせて取り付ければよいため、鼻隠し木44の位置決めが容易となる。
鼻隠し木44の軒谷木42への取り付けは、軒谷木42の先端に取り付けた軒先金具60の傾斜面部60aに沿わせることにより行われるようにした。これにより、鼻隠し木44の角度調整を行わなくても取付角度を決めることができる。また、ビス止め作業が容易に行うことができる。さらに鼻隠し木44を安定した状態で軒谷木42に連結することができる。
軒先金具60を軒谷木42に取り付けることにより、その先端部を直角形状とした。これにより、軒先金具60を第1谷部V1の軒部50だけでなく、第2谷部V2の軒部50に用いることもできる。この場合、軒先金具60の傾斜面部60bに鼻隠し木44を取り付ければよく、その汎用性を高めることができる。
別体の軒先金具60を軒谷木42に取り付けた。これにより、軒谷木42と鼻隠し木44とを面接触させるために、軒谷木42の先端部を特殊加工しなくても済むという製造上有利な点がある。
軒先金具60の両側面部60cが軒谷木42の両側面よりも外側になるように取り付けた。これにより、軒先金具60の棟側への位置ずれを抑制し、鼻隠し木44の取付状態を安定保持することができる。
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
・上記実施の形態では、軒谷木42の上面部42aに、谷板43を取り付け、その谷板43の傾斜板部43bに沿って野地板70をそれぞれ取り付けたが、次のように変更してもよい。例えば、図7に示すように、谷木80に上面部80aの左右中央部を突出させることによりなる2つの傾斜面80bを形成する。この上面部80aの形状・大きさに合わせて横断面W字状となる谷板81の底面部81aを形成する。そして、谷板81の底面部81aを谷木80の上面部80aに当接させ、その当接面にて固定する。この谷板81の底面部81aと傾斜面81bとの間に形成される係合凹部81cに、野地板70を突き合わせるようにして取り付けてもよい。これらによれば、各野地板70の端面が谷板81の底面部81aにそれぞれ当接されて斜め下方への移動が規制されるため、より確実に野地板70を支持することができる。
・上記実施の形態では、谷木41及び軒谷木42に別体の谷板43を取り付けたが、谷木及び軒谷木42の各上面部の角部から、外側上方に広がるようにして延びる傾斜板部を一体的に形成し、これら両谷木の上面部に谷板43の機能を付加してもよい。これによれば、現場において、谷木41及び軒谷木42に対する谷板43の取付作業が不要となり、現場作業の負担が軽減する。
・上記実施の形態では、軒谷木42の一端部に別体の軒先金具60を取り付けたが、必ずしも軒先金具60を取り付ける必要がなく、軒谷木42の一端部に鼻隠し木44と面接触させるための傾斜面部を一体的に形成してもよい。この場合、軒谷木42に対する軒先金具60の取付作業を省略することができる。
・上記実施の形態では、鉄骨骨組壁工法(スチールハウス)の建物10に適用したが、特定の工法に限定されず、ユニット工法の建物など、トラスを用いて構築される屋根を備えた各種工法を用いた建物に適用することができる。
(a)一実施形態における屋根形状及び壁パネルの配置を示す平面図、(b)屋根トラスの配置を示す平面図。 軒部近傍の谷部構造を示す平面図。 軒谷木がガーダートラスに連結されている状態を示す斜視図。 (a)軒谷木受け具を示す斜視図、(b)軒谷木がガーダートラスに連結されている状態を示す縦断面図。 軒谷木に谷板が取り付けられている状態を示す縦断面図。 (a)軒谷木と軒先金具とが分離している状態を示す斜視図、(b)軒谷木に軒先金具が取り付けられている状態を示す斜視図。 谷部構造の別例を示す縦断面図。
符号の説明
10…建物、20〜28…トラス、32…ガーダートラス、32a…上弦材、32b…下弦材、35…連結金具としてのガセットプレート、41…谷木、42…軒谷木、43…谷板、44,45…鼻隠し木、50…軒部、55…アングル、56…連結具としての軒谷木受け具、56c…受け部、60…軒先具としての軒先金具、60a,60b…傾斜面部、70…野地板、V1…第1谷部、V2…第2谷部。

Claims (8)

  1. 複数の屋根トラスを用いて屋根を支持するとともに、その屋根の一部には谷部が形成されており、さらにその谷部に沿って延びて前記屋根の一部を支持する谷木を備えた建物であって、
    前記谷部に沿った前記谷木の延長上でありかつ建物の外壁から突出された軒部に配置される軒谷木を備え、
    前記谷木と前記軒谷木との間には、前記各屋根トラスのうち、平面視において前記谷部に対して傾斜する向きで配置された所定の屋根トラスが介在されており、
    前記所定の屋根トラスにおける一方の側部には前記谷木がアングルを介して連結されており、他方の側部には前記軒谷木が連結具を介して連結されており、
    前記連結具は、前記谷木の傾斜角度と同一の傾斜角度を有する受け部を備え、
    前記軒谷木は、その一端部を前記受け部に受け止めさせた状態で連結されていることを特徴とする建物。
  2. 前記谷木と前記軒谷木とが前記屋根の谷部と平行な一直線上に配置されている請求項1に記載の建物。
  3. 前記屋根トラスは、少なくとも上弦材と下弦材とこれらを連結する連結金具とからなるガーダートラスであり、少なくともガーダートラスの一端が前記谷木の延長上に位置して当該一端に前記軒谷木が取り付けられている請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記谷木と前記軒谷木とに跨るようにして谷板が設けられている請求項1乃至のいずれかに記載の建物。
  5. 前記谷板が前記谷木及び軒谷木に所定の取付角度で取り付けられるように、谷木及び軒谷木に前記谷板の取付角度の規制部が形成されている請求項4に記載の建物。
  6. 前記軒谷木の先端には、鼻隠し木が固定されている請求項1乃至のいずれかに記載の建物。
  7. 前記軒谷木の先端部と前記鼻隠し木とは面接触された状態で取り付けられている請求項に記載の建物。
  8. 前記軒谷木の先端には、前記鼻隠し木と面接触される傾斜面部を備えた軒先具が取り付けられており、当該軒先具により前記軒谷木の先端部が構成されている請求項に記載の建物。
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