しかしながら、上述したような従来の階段では、ささら桁(側桁)に大型で重い部材が使用されているため、搬送や施工などに時間と手間がかかっていた。また、階段の外観が重苦しいものとなり、例えば、この階段が設置される室内などの美観を損ねたりしていた。
また、上記特許文献1に開示のユニット階段では、階段101がユニット化されていることによって、搬送や施工にかかる時間と手間が軽減されるが、段板部材103がトラス断面となるようにリブ110で補強されていることによって大型となり、この段板部材103を支持している側桁102も大型で重厚な構成となっていた。そのため、上記同様に、階段の外観が重苦しいものとなり、意匠性に乏しいものとなっていた。
そこで本発明は、上記課題を解消するために、階段を構成するささら桁を、強度を低下させることなく軽構造に構成でき、それにより、階段の搬送や施工が容易となり、また、階段の意匠性を向上させることが可能なささら桁及び該ささら桁を用いた階段を提供することを目的とする。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の参考例のささら桁は、桁材3の長手方向における中途部分に下向きに突設されている支持柱4と、
前記支持柱4から前記桁材3の端部近傍にかけて張設されている可撓性長体5と、
を具備することを特徴とする。
このような構成によれば、桁材3と支持柱4と可撓性長体5とは略三角形状に接合され、例えば、桁材3に下向きの荷重がかかると、支持柱4を介して可撓性長体5に引張力が発生する。これにより、荷重がかかったときの桁材3の撓みを抑制することが可能となる。つまり、桁材3の曲げ剛性を向上させることが可能となる。
参考例のささら桁は、前記支持柱4が、前記桁材3の長手方向における中央に突設されていることを特徴とする。
参考例のささら桁は、前記可撓性長体5が、前記桁材3の長手方向における一方から他方にかけて前記支持柱4を介して張設されていることを特徴とする。
参考例のささら桁は、前記可撓性長体5が、前記桁材の一方の端部3aから他方の端部3bにかけて前記支持柱4を介して張設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、支持柱4が、桁材3の長手方向における中央に突設され、可撓性長体5が、この支持柱4を介して桁材3の長手方向における一方の端部3aから他方の端部3bにかけて張設されている場合など、可撓性長体5は、桁材3の一方の端部3aから支持柱4までの長さと他方の端部3bから支持柱4までの長さとが同等の長さとなり、桁材3の長手方向において、曲げ剛性が大幅に異なることを防ぐことが可能となる。これにより、桁材3を連続した一定の断面形状で構成することが可能となる。また、桁材3に下向きの荷重がかかると、支持柱4を介して一方の可撓性長体5aに引張力が発生すると同時に、他方の可撓性長体5bに圧縮力が発生する。これにより、荷重がかかったときの桁材3の撓みを更に強力に抑制することが可能となる。つまり、桁材3の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。
参考例のささら桁は、前記可撓性長体5が、複数張設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、複数の可撓性長体5が、桁材3から支持柱4にかけてそれぞれの長手方向に並んで張設されている場合など、桁材3に下向きの荷重がかかると、これら複数の可撓性長体5に引張力が分散して発生する。これにより、桁材3の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、桁材3を更に細くすることが可能となる。
参考例のささら桁は、上記のささら桁2が、左右一対で構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、ささら桁2が左右一対で構成されていることで、このささら桁2を用いて構成される階段1をユニット化することが可能となる。
請求項1記載のささら桁は、左右一対で構成されるささら桁40であって、
一対の桁材42,43の長手方向における中途部分に位置するとともに該一対の桁材42,43の間に下向きに突設されている支持柱44と、
前記支持柱44から前記一対の桁材42,43のうち左側桁材42の端部近傍にかけて張設されている左側可撓性長体47と、
前記支持柱44から右側桁材43の端部近傍にかけて張設されている右側可撓性長体48と、
を具備することを特徴とする。
このような構成によれば、左側桁材42,支持柱44,左側可撓性長体47と、右側桁材43,支持柱44,右側可撓性長体48とはそれぞれ略三角形状に接合される。例えば、左右いずれかの桁材42,43に下向きの荷重がかかると、支持柱44を介して左側及び右側可撓性長体47,48に引張力が発生する。これにより、荷重がかかったときの両桁材42,43の撓みを抑制することが可能となる。つまり、両桁材42,43の曲げ剛性を向上させることが可能となる。
請求項2記載のささら桁は、前記支持柱44は、少なくとも一部が、前記一対の桁材42,43の長手方向の中央で、且つ該両桁材42,43の並び方向の中央に位置するように突設されていることを特徴とする。
請求項3記載のささら桁は、前記支持柱44が、前記左側桁材42と前記右側桁材43との間に該両桁材42,43を連結して設けられている横梁45に突設されていることを特徴とする。
請求項4記載のささら桁は、前記左側可撓性長体47が、前記左側桁材42の長手方向における一方から他方にかけて前記支持柱44を介して張設されるとともに、
前記右側可撓性長体48が、前記右側桁材43の長手方向における一方から他方にかけて前記支持柱44を介して張設されていることを特徴とする。
請求項5記載のささら桁は、前記左側可撓性長体47が、前記左側桁材42の長手方向における一方の端部42aから他方の端部42bにかけて前記支持柱44を介して張設されるとともに、
前記右側可撓性長体48が、前記右側桁材43の長手方向における一方の端部43aから他方の端部43bにかけて前記支持柱を介して張設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、左側及び右側可撓性長体47,48が、それぞれ支持柱44を介して左側及び右側桁材42,43のそれぞれの長手方向における一方の端部42a,43aから他方の端部42b,43bにかけて張設されている場合など、左側及び右側可撓性長体47,48は、それぞれ左側及び右側桁材42,43の一方の端部42a,43aから支持柱44までの長さと他方の端部42b,43bから支持柱44までの長さとが同等の長さとなり、両桁材42,43の長手方向において、曲げ剛性が大幅に異なることを防ぐことが可能となる。これにより、両桁材42,43をそれぞれ連続した一定の断面形状で構成することができる。また、左右いずれかの桁材42,43に下向きの荷重がかかると、支持柱44を介して左側及び右側可撓性長体47,48の一方の可撓性長体47a,48aに引張力が発生すると同時に、他方の可撓性長体47b,48bに圧縮力が発生する。これにより、荷重がかかったときの両桁材42,43の撓みを更に強力に抑制することが可能となる。つまり、両桁材42,43の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。
さらに、左側桁材42と右側桁材43との間に横梁45が設けられるとともに、支持柱44がこの横梁45に突設されていることによって、両桁材42,43の連結及び補強と、支持柱44の突設とを1つの部材で統括することが可能となる。
請求項6記載のささら桁は、前記左側可撓性長体47と前記右側可撓性長体48とが、それぞれ前記一対の桁材42,43に複数張設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、それぞれ複数の左側及び右側可撓性長体47,48が、左側及び右側桁材42,43の長手方向における任意の位置から支持柱44にかけて張設されている場合など、両桁材42,43に下向きの荷重がかかると、これら複数の可撓性長体47,48に引張力が分散して発生する。これにより、両桁材42,43の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、桁材42,43を更に細くすることが可能となる。
請求項7記載の階段は、請求項1〜6のいずれか1つに記載のささら桁40と、
前記ささら桁40に設けられている踏板10と、
を具備することを特徴とする。
このような構成によれば、階段1が軽構造なささら桁40を用いて構成されていても階段としての機能と強度を充分に備えることができる。つまり、階段の昇降時に揺れなど起こすことなく、且つスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となり、階段の意匠性を向上させることが可能となる。また、ささら桁40が軽構造であることから、階段1の搬送や施工が容易となる。
本発明の参考例のささら桁によれば、桁材と支持柱と可撓性長体とは略三角形状に接合され、例えば、桁材に下向きの荷重がかかると、支持柱を介して可撓性長体に引張力が発生する。これにより、荷重がかかったときの桁材の撓みを抑制することが可能となる。つまり、桁材の曲げ剛性を向上させることが可能となる。したがって、ささら桁を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
また、例えば、支持柱が、桁材の長手方向における中央に突設され、可撓性長体が、この支持柱を介して桁材の長手方向における一方の端部から他方の端部にかけて張設されている場合など、可撓性長体は、桁材の一方の端部から支持柱までの長さと他方の端部から支持柱までの長さとが同等の長さとなり、桁材の長手方向において、曲げ剛性が大幅に異なることを防ぐことが可能となる。これにより、桁材を連続した一定の断面形状で構成することができる。したがって、ささら桁の製造が容易となる。また、桁材に下向きの荷重がかかると、支持柱を介して一方の可撓性長体に引張力が発生すると同時に、他方の可撓性長体に圧縮力が発生する。これにより、荷重がかかったときの桁材の撓みを更に強力に抑制することが可能となる。つまり、桁材の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、上記同様に、ささら桁を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
さらに、例えば、複数の可撓性長体が、桁材から支持柱にかけてそれぞれの長手方向に並んで張設されている場合など、桁材に下向きの荷重がかかると、これら複数の可撓性長体に引張力が分散して発生する。これにより、桁材の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、桁材を更に細くすることが可能となる。
また、ささら桁が左右一対で構成されていることで、このささら桁を用いて構成される階段をユニット化することが可能となる。これにより、例えば、階段の片側を支持させるために室内の壁などを利用したりする必要がなくなる。したがって、階段が設置される場所は、例えば、室内の壁際などに限定されることなく所望の場所に設置できる。
請求項1〜6記載のささら桁によれば、左側桁材,支持柱,左側可撓性長体と、右側桁材,支持柱,右側可撓性長体とはそれぞれ略三角形状に接合される。例えば、左右いずれかの桁材に下向きの荷重がかかると、支持柱を介して左側及び右側可撓性長体に引張力が発生する。これにより、荷重がかかったときの両桁材の撓みを抑制することが可能となる。つまり、両桁材の曲げ剛性を向上させることが可能となる。したがって、ささら桁を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
また、例えば、左側及び右側可撓性長体が、それぞれ支持柱を介して左側及び右側桁材のそれぞれの長手方向における一方の端部から他方の端部にかけて張設されている場合など、左側及び右側可撓性長体は、左側及び右側桁材のそれぞれの一方の端部から支持柱までの長さと他方の端部から支持柱までの長さとが同等の長さとなり、両桁材の長手方向において、曲げ剛性が大幅に異なることを防ぐことが可能となる。これにより、両桁材をそれぞれ連続した一定の断面形状で構成することができる。したがって、ささら桁の製造が容易となる。また、左右いずれかの桁材に下向きの荷重がかかると、支持柱を介して左側及び右側可撓性長体の一方の可撓性長体に引張力が発生すると同時に、他方の可撓性長体に圧縮力が発生する。これにより、荷重がかかったときの両桁材の撓みを更に強力に抑制することが可能となる。つまり、両桁材の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、上記同様に、ささら桁を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
さらに、左側桁材と右側桁材との間に横梁が設けられるとともに、支持柱がこの横梁に突設されていることによって、両桁材の連結及び補強と、支持柱の突設とを1つの部材で統括することが可能となる。
また、例えば、左側及び右側可撓性長体が、それぞれ左側及び右側桁材の長手方向における任意の位置から支持柱にかけて張設されている場合など、両桁材に下向きの荷重がかかると、複数の可撓性長体に引張力が分散して発生する。これにより、両桁材の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、両桁材を更に細くすることが可能となる。
請求項7記載の階段によれば、階段が軽構造なささら桁を用いて構成されていても階段としての機能と強度を充分に備えることができる。つまり、階段の昇降時に揺れなど起こすことなく、且つスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となり、階段の意匠性を向上させることが可能となる。また、ささら桁が軽構造であることから、階段の搬送や施工が容易となる。
以下、本発明のささら桁及び該ささら桁を用いた階段を各実施の形態ごとに図面を参照して具体的に説明する。
「第1の実施の形態」
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施は、本願請求項に係る発明の参考例である。
図1は本発明によるささら桁の第1の実施の形態を用いた階段を示す斜視図、図2は同正面図、図3は同右側面図、図4は同右側断面図、図5(a),(b),(c)は同一部拡大斜視図、図6(a)は同ささら桁を構成するジョイント部材(ネジ孔1つ)を示す平面図、図6(b)はA−A断面図、図7(a)は同ささら桁を構成するジョイント部材(ネジ孔2つ)を示す平面図、図7(b)はB−B断面図、図8は同ささら桁を用いた階段を構成する踏板を示す正面図、図9はC−C断面図、図10は同ささら桁を用いた階段を構成する踏板を示す分解斜視図である。
この第1の実施の形態のささら桁2は、桁材3と、支持柱4と、可撓性長体5とで略構成されている。
桁材3は、図1,2に示すように、細身の略矩形柱状に形成されている。この桁材3の長手方向における中央には、支持柱4が下向きに突設されている。
支持柱4は、図3,4に示すように、桁材3と同様に略矩形柱状に形成されている。また、支持柱4は、桁材3の長さよりも充分に短い長さ(桁材3の10分の1程度の長さ)に形成されている。さらに、支持柱4は、長手方向が桁材3と直交して設けられている。そして、この支持柱4を介して、桁材3の長手方向における一方の端部3aから他方の端部3bにかけて可撓性長体5が張設される。
可撓性長体5は、本実施の形態では、2本で構成され、図3,4,5に示すように、桁材3の一方の端部3aから支持柱4にかけて一方の可撓性長体5aが張設され、桁材3の他方の端部3bから同じく支持柱4にかけて他方の可撓性長体5bが張設されている。これら2本の可撓性長体5a,5bは、支持柱4の先端にて接続されている。なお、本実施の形態では、可撓性長体5には、両端にネジ加工が施された鋼線材などが使用されている。また、このような鋼線材は、短い鋼線材がターンバックルによって接続されて1本となっているものを使用してもよい。さらに、可撓性長体5(5a,5b)は、略く字形に一体形成されていてもよい。
ジョイント部材6は、図6,7に示すように、略円柱ブロック状に形成されている。このジョイント部材6の中央には、軸線方向に貫通孔7が穿設されている。また、図5に示すように、ジョイント部材6は、貫通孔7にボルトなどが挿通されて桁材3及び支持柱4の内側面8aに接合される。このジョイント部材6の側周面には、貫通孔7(中心軸)に向かってこの貫通孔7と直交するようにネジ孔9が設けられている。ネジ孔9には、前述した可撓性長体5(5a,5b)の端部が接続される。さらに、図6に示すように、ジョイント部材6のうち、桁材3の両端部3a,3bに接合されるジョイント部材6aには1つのネジ孔9が設けられている。また、図7に示すように、支持柱4の先端に接合されるジョイント部材6bには対向するように2つのネジ孔9が設けられている。これらジョイント部材6bの2つのネジ孔9,9は、接続される可撓性長体5a,5bの挿入角度ににあわせて所定の傾斜角を有して設けられている。
この第1の実施の形態のささら桁2によれば、桁材3と支持柱4と可撓性長体5とは略三角形状に接合され、例えば、桁材3に下向きの荷重がかかると、支持柱4を介して可撓性長体5に引張力が発生する。これにより、荷重がかかったときの桁材3の撓みを抑制することが可能となる。つまり、桁材3の曲げ剛性を向上させることが可能となる。したがって、ささら桁2を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
また、例えば、支持柱4を介して一方の可撓性長体5a(5)に引張力が発生すると、同時に他方の可撓性長体5b(5)には圧縮力が発生する。これにより、荷重がかかったときの桁材3の撓みを更に強力に抑制することが可能となる。つまり、桁材3の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、上記同様に、ささら桁2を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
次に、上記した第1の実施の形態のささら桁2を用いた構造の一例である階段について説明する。
この階段1は、左右一対のささら桁2,2と、踏板10と、手摺り20とで略構成されている。
踏板10は、図8,9,10に示すように、踏板材11と、連結板13と、支持部材16とで略構成されている。
踏板材11は、木製などの板材からなり、裏面に複数の(本実施の形態では4つ)の係止凹部12が設けられている。踏板材11は、長手方向の長さが一対のささら桁2,2の並び方向の幅よりも長く形成されている。
連結板13は、踏板材11が載置可能な面積を有し、長手方向における両端に略三角形状の連結端部14が延設されている。また、連結板13のささら桁2側となる後辺部には、立上部15が上方に向かって屈曲して形成されている。この立上部15の屈曲角度は、踏板材11の後辺部と係合可能な角度となっている。
支持部材16は、略角錐形に形成され、後端が上述したささら桁2の桁材3に溶接などによって強固に固定されている。また、支持部材16の上面17は平坦面となっている。この上面17上には、連結板13が載置され、ボルト18で固定される。この固定のためのボルト18は、踏板材11が載置されるときに、踏板材11の係止凹部12に挿入され、連結板13の立上部15と共に、踏板材11が連結板13上で面方向にずれることを防止する。
手摺り20は、図1〜4に示すように、支柱部材21と、手摺りレール24とで略構成されている。
支柱部材21は、上述したささら桁2(桁材3)の外側面8bに所定間隔あけて複数並んで設けられる。この支柱部材21は、略円柱状の部材からなり、垂直に延びる中途部22の下方が湾曲して基端部23が形成されている。また、図10に示すように、基端部23は、ささら桁2(桁材3)の外側面8bに溶接などによって固着されている。さらに、中途部22は、上述した連結板13の連結端部14と溶接などによって固着されている。
手摺りレール24は、その長手方向をささら桁2(桁材3)の長手方向と同方向に向けて、且つささら桁2(桁材3)と同等の傾斜となって、各支柱部材21の上端に取り付けられている。なお、手摺りレール24は、支柱部材21の上端に溶接などによって固着されたり、或いは、例えば、手摺りレール21の長手方向に溝部(図示せず)が形成されるとともに、支柱部材の上端がプレス加工などで溝部と係合可能な形状に形成され、手摺りレール24の溝部と支柱部材21の上端とをスライドさせて取り付けるなどの方法が用いられてもよい。
なお、図中、手摺り20は、ささら桁2(桁材3)の両外側部8b,8bにそれぞれ設けられている構成となっているが、これに限定されるものではなく、手摺り20が、ささら桁2(桁材3)の両外側部8b,8bのうち左右のいずれか片側のみに設けられる構成としてもよい。また、例えば、階段1の両側若しくは片側に壁などがある場合、その壁に手摺りが設けられたりするなど、階段1が設置される状況に応じて手摺り20を設けない構成としてもよい。
次に、この第1の実施の形態のささら桁2を用いた階段1を、住宅の室内などの所望の場所に設置するときについて説明する。
まず、図1,3に示すように、一対のささら桁2,2を並び方向に所定間隔あけて配置する。そして、予め両ささら桁2,2の下端部に取り付けられた取付金具30,30にボルトなどを用いて床面31と固定させる。
次に、同じく取付金具30,30が取り付けられた両ささら桁2,2の上端部をそれぞれ上階床32の梁材32aにボルトなどで固定させる。このとき、ささら桁2は、予め工場などにおいて、可撓性長体5が接合されていて、さらに、支持部材13,支柱部材21,手摺りレール24などが取り付けられている状態となっていると設置現場での施工作業が更に容易となる。
そして、連結板13及び踏板材11を階段1に順次配設していくことで、階段1の設置作業が完了する。
なお、階段1を設置する手順は、上記した手順のみに限定されるものではなく、例えば、設置現場の状況にあわせて搬送や施工などの効率を考慮するなどして、階段1を、適宜ユニット化しておいてもよい。
この第1の実施の形態のささら桁2を用いた階段1によれば、階段1が軽構造なささら桁2を用いて構成されていても階段としての機能と強度を充分に備えることができる。つまり、階段の昇降時に揺れなど起こすことなく、且つスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となり、階段の意匠性を向上させることが可能となる。これにより、この階段1が設置される住宅などの室内空間を広々と見せたりすることができる。また、ささら桁2が軽構造であることから、階段1の搬送や施工が容易となる。
なお、上述した第1の実施の形態では、支持柱4が桁材3の長手方向における中央に突設されているが、中央以外の任意の位置に突設されていてもよく、例えば、支持柱4が、桁材3のいずれかの端部寄りに突設されている構成としてもよい。これにより、階段1(ささら桁2)をまた違ったデザインで構成することができ、階段1の意匠性を向上させることが可能となる。ただし、桁材3の曲げ剛性は長手方向の任意の位置ごとに大幅に異なることがあるため、桁材3及び可撓性長体5を太く構成するなどして、適宜調整が必要となる。
また、桁材3の長手方向の一部分のみに可撓性長体5が張設されている構成としてもよい。これにより、上記同様に階段1を異なるデザインで構成することができ、階段1(ささら桁2)の意匠性を向上させることが可能となる。ただし、この場合も桁材3の長手方向において、可撓性長体5によって補強されている部分以外は桁材3を太く構成するなどして、適宜調整が必要となる。
さらに、可撓性長体5(5a,5b)は、桁材3から支持柱4にかけて1本のみ張設されているが、複数の可撓性長体5(5a,5b)が張設されている構成としてもよく、例えば、図19に示すように、複数の可撓性長体5(5a,5b)が、桁材3から支持柱4にかけてそれぞれ長手方向に並んで張設されている構成としてもよい。これにより、桁材3の曲げ剛性を更に向上させることが可能となり、桁材3を更に細くすることが可能となる。または、各可撓性長体5を更に細くすることが可能となる。つまり、階段1をよりスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となる。
また、例えば、図20に示すように、複数の可撓性長体5(5a,5b)が、桁材3から支持柱4にかけて、一端は桁材3の長手方向に並んで接続され、他端は支持柱4の一箇所に集中させて張設されていてもよい。これにより、上記同様に、桁材3の曲げ剛性を更に向上させることが可能となり、桁材3を更に細くすることが可能となる。または、各可撓性長体5を更に細くすることが可能となる。つまり、階段1をよりスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となる。
「第2の実施の形態」
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は本願請求項に係る発明の実施の形態である。
図11は本発明によるささら桁の第2の実施の形態を用いた階段を示す斜視図、図12は同正面図、図13は同背面図、図14は同右側面図、図15は同右側断面図、図16(a),(b),(c)は同一部拡大斜視図である。図17(a)は同ささら桁を構成するジョイント部材(ネジ孔1つ)を示す平面図、図17(b)はD−D断面図、図18(a)は同ささら桁を構成するジョイント部材(ネジ孔2つ)を示す平面図、図18(b)はE−E断面図である。
この第2の実施の形態のささら桁40は、第1の実施の形態と同様に、桁材42,43と、支持柱44と、可撓性長体47,48とで略構成されている。ただし、桁材42,43は左右一対で構成され、この状態で1つの構造体をなしている。
なお、以下で説明する第2の実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同等或いは同一箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
桁材42,43は、図11,12,13に示すように、左側桁材42と、右側桁材43とからなり、左右一対で構成されている。左側及び右側桁材42,43は、それぞれ細身の略矩形柱状に形成されている。これら一対の桁材42,43の長手方向における中央には、同じく略矩形柱状に形成されている横梁45が両桁材42,43を連結して設けられている。
支持柱44は、上記した左側及び右側桁材42,43及び横梁45と同様に略矩形柱状に形成されており、図13に示すように、長手方向が両桁材42,43と直交するように横梁45に突設されている。また、この支持柱44は、ささら桁40が組み上がった状態において下向きに突設されており、少なくとも一部が両桁材42,43の長手方向の中央で、且つ両桁材42,43の並び方向の中央に位置している。本実施の形態では、支持柱44は、横梁45と略T字形をなして一体形成されており、支持柱44の長手方向のどの部分においても、上述したような両桁材42,43の長手方向の中央で、且つ両桁材42,43の並び方向の中央に位置していることとなる。さらに、支持柱44は、桁材42,43の長さよりも充分に短い長さ(桁材42,43の10分の1程度の長さ)に形成されている。そして、この支持柱44を介して、左側及び右側桁材42,43のそれぞれの長手方向における一方の端部42a,43aから他方の端部42b,43bにかけて可撓性長体47,48が張設される。
可撓性長体47,48は、図13〜16に示すように、左側可撓性長体47と、右側可撓性長体48とからなり、各可撓性長体47,48は、本実施の形態では、2本で構成されている。つまり、一対の桁材42,43では、可撓性長体47,48は、4本で構成されている。まず、左側可撓性長体47は、左側桁材42の一方の端部42aから支持柱44にかけて一方の左側可撓性長体47aが張設され、他方の端部42bから支持柱44にかけて他方の左側可撓性長体47bが張設されている。そして、右側可撓性長体48は、右側桁材43の一方の端部43aから支持柱44にかけて一方の右側可撓性長体48aが張設され、他方の端部43bから支持柱44にかけて他方の右側可撓性長体48bが張設されている。両可撓性長体47,48は、一対の桁材に42,43に略X字形に張設されている。なお、本実施の形態では、可撓性長体47,48には、両端にネジ加工が施された鋼線材などが使用されている。このような鋼線材は、短い鋼線材がターンバックルによって接続されて1本となっているものを使用してもよい。また、両可撓性長体47,48が、それぞれ略く字形に一体形成されていてもよい。さらに、両可撓性長体47,48が略X字形に一体形成されていてもよい。
ジョイント部材50は、図17,1に示すように、略円柱ブロック状に形成されている。このジョイント部材50の中央には、軸線方向に貫通孔51が穿設されている。また、図16に示すように、ジョイント部材50は、貫通孔51にボルトなどが挿通されて両桁材42,43の内側面53及び支持柱44の両側面に接合される。このジョイント部材50の側周面には、貫通孔51(中心軸)に向かってこの貫通孔51と直交するようにネジ孔52が設けられている。ネジ孔52には、前述した各可撓性長体47,48(47a,47b,48a,48b)の端部が接続される。さらに、図17に示すように、ジョイント部材50のうち、桁材42,43の両端部42a,42b,43a,43bに接合されるジョイント部材50aには1つのネジ孔52が設けられている。また、図18に示すように、支持柱44の先端における両側面に接合されるジョイント部材50bには対向するように2つのネジ孔52が設けられている。これらジョイント部材50bの2つのネジ孔52,52は、接続される各可撓性長体47a,47b,48a,48bの挿入角度ににあわせて所定の傾斜角を有して設けられている。さらに、図17(b),18(b)に示すように、ネジ孔52は、ジョイント部材50(50a,50b)の軸線方向に沿って所定角度の傾斜角を有している。
この第2の実施の形態のささら桁40によれば、左側桁材42,支持柱44,左側可撓性長体47と、右側桁材43,支持柱44,右側可撓性長体48とはそれぞれ略三角形状に接合される。例えば、左右いずれかの桁材42,43に下向きの荷重がかかると、支持柱44を介して左側及び右側可撓性長体47,48に引張力が発生する。これにより、荷重がかかったときの両桁材42,43の撓みを抑制することが可能となる。つまり、両桁材42,43の曲げ剛性を向上させることが可能となる。したがって、上述した第1の実施の形態と同様に、ささら桁40を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
また、支持柱44を介して左側及び右側可撓性長体47,48の一方の可撓性長体47a,48aに引張力が発生すると、同時に他方の可撓性長体47b,48bには圧縮力が発生する。これにより、荷重がかかったときの両桁材42,43の撓みを更に強力に抑制することが可能となる。つまり、両桁材42,43の曲げ剛性を更に向上させることが可能となる。したがって、上記同様に、ささら桁40を、強度を低下させることなく軽構造に構成することが可能となる。
さらに、左側桁材47と右側桁材48との間に横梁45が設けられるとともに、この横梁45に支持柱44が突設されていることによって、両桁材42,43の連結及び補強と、支持柱44の突設とを1つの部材で統括することが可能となる。
なお、第2の実施の形態のささら桁40を用いた階段1については、図11〜15から明らかなように、ささら桁40以外の構成が、第1の実施の形態を用いた階段1と同様の構成となっているため説明を省略する。
この第2の実施の形態のささら桁40を用いた階段1によれば、上述した第1の実施の形態と同様に、階段1が軽構造なささら桁40を用いて構成されていても階段としての機能と強度を充分に備えることができる。つまり、階段の昇降時に揺れなどを起こすことなく、且つスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となり、階段の意匠性を向上させることが可能となる。これにより、この階段1が設置される住宅などの室内空間を広々と見せたりすることができる。また、ささら桁40が軽構造であることから、階段1の搬送や施工が容易となる。
なお、上述した第2の実施の形態では、支持柱44は、左側及び右側桁材42,43の長手方向における中央に位置するとともに、並び方向の中央に突設されているが、それ以外の任意の位置に突設されていてもよく、例えば、支持柱44が、両桁材42,43(長手方向又は並び方向)のいずれかの端部寄りに突設されている構成としてもよい。これにより、階段1(ささら桁40)をまた違ったデザインで構成することができ、階段1の意匠性を向上させることが可能となる。ただし、両桁材42,43の曲げ剛性は長手方向の任意の位置ごとに大幅に異なることがあるため、両桁材42,43及び各可撓性長体47,48を太く構成するなどして、適宜調整が必要となる。
また、両桁材42,43の長手方向の一部分のみにそれぞれ可撓性長体47,48が張設されている構成としてもよい。これにより、上記同様に階段1を異なるデザインで構成することができ、階段1(ささら桁40)の意匠性を向上させることが可能となる。ただし、この場合も両桁材42,43の長手方向において、可撓性長体47,48によって補強されている部分以外は桁材42,43を太く構成するなどして、適宜調整が必要となる。
さらに、左側及び右側桁材42,43の間に横梁45が設けられ、この横梁45に支持柱44が突設された構成となっているが、図21に示すように、支持柱60,60が、左側及び右側桁材42,43にそれぞれ突設されるとともに、両桁材42,43から下方に向かい、且つ両桁材42,43の並び方向の中央で結合され、略V字形をなしている構成としてもよい。これにより、支持柱44は、両桁材42,43の連結と、支持柱44を設けることを1つの部材で統括することができるとともに、階段1を異なるデザインで構成することが可能となる。
また、左側及び右側可撓性長体47,48は、左側及び右側桁材42,43から支持柱44にかけてそれぞれ1本ずつ張設されているが、複数の左側及び右側可撓性長体47,48が、左側及び右側桁材42,43から支持柱44にかけて張設されている構成としてもよく、例えば、図22に示すように、複数の左側及び右側可撓性長体47,48が、左側及び右側桁材42,43から支持柱44にかけてそれぞれ長手方向に並んで張設されている構成としてもよい。これにより、両桁材42,43の曲げ剛性を更に向上させることが可能となり、両桁材42,43を更に細くすることが可能となる。または、各可撓性長体47,48を更に細くすることが可能となる。つまり、階段1をよりスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となる。
また、例えば、図23に示すように、複数の左側可撓性長体47が、左側桁材42から支持柱44にかけて一方の端部47aは左側桁材42の長手方向に並んで接合されて他方の端部47bは支持柱44の一箇所に集中して張設され、同様に、複数の右側可撓性長体48が、右側桁材43から支持柱44にかけて一方の端部48aは右側桁材43の長手方向に並んで接合されて他方の端部48bは支持柱44の一箇所に集中して張設されている構成としてもよい。これにより、上記同様に、両桁材42,43の曲げ剛性を更に向上させることが可能となり、両桁材42,43を更に細くすることが可能となる。または、各可撓性長体47,48を更に細くすることが可能となる。つまり、階段1をよりスリムで無駄のないデザインで構成することが可能となる。