JP4100185B2 - 階段の支承体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、踏板を支持するトラス構造体と建物に設けられた階段取付部との間に介設される階段の支承体に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、外観をすっきりとさせた階段として、トラス状に形成した左右一対の側枠間の内方に踏板を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。かかる階段は、トラス状に形成してある左右一対の側枠と、両側枠の下弦材間を連結しているつなぎ材と、側枠の上方に位置するとともに側枠に連結材により連結し、側枠の上弦材に沿って平行に配設してある手摺と、両側枠の内方間に設けてある踏板とから構成され、さらに、階段の横座屈を防止すべく、側枠の上弦材の各端部および手摺の各端部がそれぞれ外方に屈曲した屈曲部になっている。
【0003】
しかし、前記の階段には、以下のような問題点がある。
(1)側枠の上弦材が常に手摺の高さに位置する構成であるため、手摺を不要とする階段には不向きである。すなわち、手摺を必要としない場合であっても、側枠の上弦材が踏板の両側上方に露出してしまうので、例えば、当該階段を壁面に沿って構築すると、側枠と壁面とが重複して美観が損なわれてしまう。
(2)階段全体の強度を維持する側枠が手摺部を形成しているので、意匠性の向上に寄与する手摺部のデザインを自由にすることができない。すなわち、手摺部が階段の強度を維持する構造体の役目を果たしているので、手摺部のデザインに制約が生じてしまう。
(3)上弦材および手摺に屈曲部を設けて強度向上を図ってはいるものの、左右の側枠の上弦材に沿って手摺を配置する構成であり、上弦材同士を連結することが不可能であるため、階段全体の強度向上には限界がある。
(4)側枠に曲げ加工を施して屈曲部を形成するため、加工に手間を要する。
(5)階段の段数および階段勾配などの設置条件に合わせてその都度加工しなければならないため効率よく生産することが難しい。
【0004】
このような問題を解決すべく、軽快で洗練されたデザインを有しながらも、強度が高く、かつ生産・施工効率のよい階段が本願出願人によって開示されている(例えば、特願2002−255928、特願2002−261764)。
【0005】
この階段は、互いに連結された左右一対の平面トラス構造体又は踏板の裏側中央に配置された立体トラス構造体で踏板を支持する形式の階段であり、各トラス構造体は、複数のフレーム材を節点部材で連結して構成されている。
【0006】
また、かかる階段では、図23に示すように、踏板107がブラケット106を介してトラス構造体Tに支持され、このトラス構造体Tは、階段取付部Kに当接する当接面S11とこの当接面S11に対して階段勾配で傾斜する傾斜面S12とを有する支承体S1を介して、受け梁や床組などの階段取付部Kに固定される。
【0007】
なお、側桁やささら桁で踏板を支持する形式の階段では、当該側桁等は、階段取付部に直に、あるいは、支持金物を介して固定されるのが一般的である(例えば、特許文献2,特許文献3および非特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
実公平4−21389号公報(第1−4頁、第1−4図)
【特許文献2】
特開平6−322916号公報(第1−4図)
【特許文献3】
実公平8−3558号公報(第1−4図)
【非特許文献1】
社団法人日本建築学会,「構造用教材」,第2版,1995年12月25日,p.95
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図23に示す階段では、トラス構造体T自体を階段勾配に合わせて組み立てる必要はないものの、支承体S1については、依然として階段勾配に合わせてその都度製作しなければならず、結果として製作コストが高くなってしまうという問題があった。
【0010】
また、トラス構造体Tを架設する際には、その一端側を固定した後に、他端側を固定することになるが、支承体S1の傾斜面S12の勾配を調節することができないので、一端を固定してしまうと他端において微調整をすることができず、結果として架設作業に手間と時間とを要していた。
【0012】
そこで、本発明は、踏板を支持するトラス構造体の端部と建物に設けられた階段取付部との間に介設される階段の支承体であって、階段勾配が異なるトラス構造体に共通して使用することができ、かつ、トラス構造体の架設作業が容易になる支承体を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、請求項1の発明は、踏板を支持するトラス構造体と建物に設けられた階段取付部との間に介設される階段の支承体であって、前記階段取付部に固定されるベース部材と、前記トラス構造体の端部に固定される連結部材とからなり、前記連結部材は、水平軸を介して前記ベース部材に連結され、当該水平軸を中心に回動可能であり、前記トラス構造体は、弦材と、ラチス材と、当該弦材およびラチス材を連結する節点部材とで構成されており、前記節点部材は、連結溝を外周面に有する柱状に形成されており、前記弦材は、前記節点部材の連結溝に嵌合可能な接続端部を両端に有する複数のフレーム材で構成されており、前記連結部材は、前記節点部材の連結溝に嵌合可能な接続端部を有し、当該連結部材の接続端部が、前記トラス構造体の端部に位置する前記節点部材の連結溝に嵌合されることを特徴とする。
【0014】
かかる階段の支承体によると、ベース部材と連結部材とを水平軸周りに回動可能に連結したので、ベース部材に対する連結部材の取付角度を自由に設定することができる。すなわち、当該支承体は、トラス構造体の勾配によらず共通して使用することが可能であり、トラス構造体の傾斜角度(階段勾配)に合わせてその都度製作する必要がないので、生産効率が高く、大量生産に適している。また、支承体をトラス構造体の一端と階段取付部との間に介設すると、当該トラス構造体をその一端を中心として上下方向に旋回させることができるので、その他端における位置決めが容易になり、結果としてトラス構造体を効率よく架設することが可能となる。
また、かかる階段の支承体は、両端に接続端部を有する複数のフレーム材と当該フレーム材の接続端部が嵌合可能な連結溝を有する節点部材とで構成されたトラス構造体に使用されるものであり、トラス構造体に固定される支承体の連結部材が節点部材の連結溝に嵌合可能な接続端部を備えている。したがって、この連結部材の接続端部をトラス構造体の端部に位置する節点部材の連結溝に嵌合するだけで、当該連結部材と節点部材とが接合される。すなわち、支承体の連結部材をトラス構造体の節点部材に固定するに際し、溶接や特別な工具を必要としないので、施工性がよい。
また、かかる階段の支承体は、その連結部材がトラス構造体の端部に位置する節点部材に固定される。このように構成すると、支点反力が節点に作用することになるため、トラス構造体を構成する各部材に軸方向力だけが伝達されるというトラス構造体の力学的な優位性を活かすことができる。
【0015】
請求項2の発明は、踏板を支持するトラス構造体と建物に設けられた階段取付部との間に介設される階段の支承体であって、前記階段取付部に固定されるベース部材と、前記トラス構造体の端部に固定される連結部材とからなり、前記連結部材は、水平軸を介して前記ベース部材に連結され、当該水平軸を中心に回動可能であり、前記トラス構造体は、弦材と、ラチス材と、当該弦材およびラチス材を連結する節点部材とで構成されており、前記節点部材は、柱状に形成されており、かつ、その中心にボルト挿通孔が形成されており、前記連結部材は、前記ボルト挿通孔に対応する透孔を有し、当該透孔と前記ボルト挿通孔に挿通されたボルトによって、前記トラス構造体の端部に位置する前記節点部材の下面側に固定されることを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2に記載の階段の支承体であって、前記踏板を支持するブラケットが、前記ボルトによって前記節点部材に対して固定されることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項に記載の階段の支承体であって、前記弦材に沿って配置される補強部材が、前記ボルトによって前記節点部材に対して固定されることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
本発明の実施形態に係る階段の支承体は、図1に示すように、踏板7を支持する階段構造体たる立体トラス構造体30を所定の階段勾配で傾斜させて建物の上階と下階とに設けられた階段取付部K,K間へ架設するためのものであり、立体トラス構造体30の端部と階段取付部Kとの間に介設される。ここで、本実施形態では、上階側の階段取付部Kは、上階の床板を支持する梁材に設けられており、下階側の階段取付部Kは、下階の床板に設けられている(図7参照)。なお、以下では、立体トラス構造体30の上端と上階側の階段取付部Kとの間に介設される支承体を「上支承体10」と、立体トラス構造体30の下端と下階側の階段取付部Kとの間に介設される支承体を「下支承体20」という。また、上支承体10の形態と下支承体20の形態とは異なるが、いずれも本発明に係る階段の支承体の技術的思想を具備するものである。
【0029】
また、本実施形態では、立体トラス構造体30の上面に複数のブラケット6が蹴上げ高さごとに配設され、各ブラケット6に踏板7が支持固定されている。
【0030】
すなわち、本実施形態に係る支承体を有する階段は、階段勾配で傾斜する立体トラス構造体30と、この立体トラス構造体30の上面に蹴上げ高さごとに配設される複数のブラケット6と、各ブラケット6に支持固定される踏板7と、立体トラス構造体30の上端と階段取付部Kとの間に介設される上支承体10と、立体トラス構造体30の下端と階段取付部Kとの間に介設される下支承体20とを備えて構成されている。また、本実施形態では、立体トラス構造体30の上弦材30Aに沿って上補強部材5Aが配置され、下弦材30Bに沿って下補強部材5Bが配置されている。
【0031】
ここで、立体トラス構造体30の構成を、図7乃至図13を参照して詳細に説明する。なお、図8および図10では、上補強部材5Aおよび下補強部材5Bの図示を省略している。
【0032】
立体トラス構造体30は、図8に示すように、互いに平行な二条の上弦材30A,30Aと、上弦材30A,30Aを互いに連結する複数のフレーム状の連結フレーム材3と、上弦材30A,30Aの中間の下方に位置する一条の下弦材30Bと、上弦材30A,30Aと下弦材30Bとを互いに連結する複数のラチス材4とを備えて構成されており、階段勾配で傾斜している。
【0033】
上弦材30Aは、節点部材たるハブ2Aにより連結された複数のフレーム材1により構成され、下弦材30Bは、ハブ2Bにより連結された複数のフレーム材1により構成されている。すなわち、複数のフレーム材1をその長手方向に連設することで上弦材30Aおよび下弦材30Bが構成され、ハブ2A,2Bが立体トラス構造体30の節点になっている。
【0034】
なお、上弦材30Aを構成するハブ2Aと下弦材30Bを構成するハブ2Bは、同一の構成なので、説明が重複する場合は、適宜符号「2」を付す。
【0035】
フレーム材1は、断面円形のアルミニウム合金製の中空押出形材を加工したものであり、図9(a)(b)に示すように、その両端に偏平状の接続端部1aを有している。
【0036】
フレーム材1の接続端部1aは、中空押出形材の両端をプレス加工などにより押し潰すことにより形成され、後記するハブ2の連結溝2a(図10参照)に嵌合可能である。また、接続端部1aの先端部分には、図9(b)に示すように、フレーム材1の軸線C1に直交する方向に沿って凹凸が形成されている。
【0037】
ハブ2は、アルミニウム合金製の押出形材であり、図10に示すように、本実施形態では、円柱形状を呈している。ハブ2の外周面には、その軸線C3方向に沿って8つの連結溝2aが形成され、ハブ2の中心(軸線C3上)には、ボルト挿通孔2bが形成されている。また、図11に示すように、ハブ2を端面側から見ると、8つの連結溝2aは、ボルト挿通孔2bを中心として放射状に形成されており、隣り合う連結溝2aの中心角は45度である。なお、ハブ2は、鋳造により製作してもよい。
【0038】
ハブ2の連結溝2aは、図11に示すように、フレーム材1の接続端部1aの先端部分と同一の断面形状に形成されている。すなわち、連結溝2aは、フレーム材1の接続端部1aが嵌合可能に形成されている。また、連結溝2aの内壁面には、フレーム材1の接続端部1aの凹凸と係合する凹凸が形成されている。なお、連結溝2aおよびボルト挿通孔2bは、アルミニウム合金を押し出す際に成形されるため、ハブ2の軸線C3方向に等断面を有している。
【0039】
なお、ハブ2の形状や連結溝2aの個数などは、ハブ2に接続される部材の本数や角度に合わせて、適宜変更しても差し支えない。
【0040】
また、図10に示すように、8つの連結溝2aのうち、フレーム材1、連結フレーム材3またはラチス材4が接続されないものには、連結溝2aと同一の寸法・形状を有する溝埋部材2eが挿入される。また、本実施形態では、ハブ2の連結溝2aの長さをラチス材4の接続端部4aの長さ(幅)に合わせてあるので、フレーム材1をハブ2の下端まで挿入すると、その上方には隙間が生じる。この場合には、フレーム材1の接続端部1aの上方に溝埋部材2fを挿入して、フレーム材1の接続位置がずれないようにする。
【0041】
また、ハブ2は、その軸線C3が階段傾斜方向(上弦材30Aあるいは下弦材30Bの長手方向)と直交するように配置される。すなわち、ハブ2の上下面は階段勾配で傾斜し、ハブ2の連結溝2aおよびボルト挿通孔2bは、階段傾斜方向と直交する方向に沿って配置されることになり、その結果、このハブ2に接続されたフレーム材1は、階段勾配で傾斜することになる。
【0042】
また、フレーム材1をハブ2に接続するには、図10に示すように、フレーム材1の接続端部1aの先端部分をハブ2の上面側(あるいは下面側)から連結溝2aに嵌合すればよい。このとき、溶接や特別な工具を必要としないので、施工性がよい。なお、連結溝2aと接続端部1aとの間に生じる微細な隙間を埋めるべく、連結溝2aに接着剤などを流し込んでもよい。
【0043】
フレーム材1の接続端部1aをハブ2の連結溝2aに嵌合させると、図11に示すように、接続端部1aと連結溝2aの各々に形成した凹凸が互いに係合するので、フレーム材1がその軸線方向に引き抜かれることがない。また、フレーム材1とハブ2との接合部は、フレーム材1の接続端部1aがハブ2の軸線C3方向に長い偏平状に形成されていることから(図10参照)、ハブ2の軸線C3方向の外力に対しては、強度的に強いジョイント構造となる。
【0044】
また、下弦材30Bを構成するハブ2Bの上面には、図10に示すように、フレーム材1およびラチス材4の上方向への抜出しを防止するためのワッシャ2dが取り付けられる。ワッシャ2dは、ハブ2Bのボルト挿通孔2bに挿通される通しボルトB10とナットN10により固定される。なお、本実施形態では、フレーム材1等の下方向への抜出しは、下弦材30Bの下面(ハブ2Bの下面)に沿って配設される下補強部材5B(図7参照)により防止される。また、ハブ2Bの上下面には、ボルトB10の頭部およびナットN10を覆い隠すためのキャップ2cが取り付けられる。
【0045】
一方、上弦材30Aを構成するハブ2Aには、図示は省略するが、その下面にワッシャが取り付けられ、このワッシャによりフレーム材1等の下方向への抜出しが防止される。なお、本実施形態では、フレーム材1等の上方向への抜出しは、ハブ2Aの上面に取り付けられた上補強部材5A(図7参照)により防止される。また、ハブ2Aの下面には、ボルトB11の頭部を覆い隠すためのキャップ2cが取り付けられている(図14(a)参照)。
【0046】
連結フレーム材3は、フレーム材1と同様の構成であり、その両端に偏平状の接続端部3aを有している(図9(a)(b)参照)。また、接続端部3aの先端部分には、フレーム材1の接続端部1aと同一断面形状の凹凸が形成されている。すなわち、連結フレーム材3の接続端部3aの先端部分は、ハブ2の連結溝2aに嵌合可能であり、この接続端部3aを連結溝2aに嵌合させると、接続端部3aと連結溝2aの各々に形成した凹凸が互いに係合するので、連結フレーム材3が軸線方向へ引き抜かれることがない。
【0047】
ラチス材4は、フレーム材1と同様に、アルミニウム合金製の中空の押出形材を加工したものであり、図9(c)(d)に示すように、その両端に偏平状の接続端部4aを有しているが、接続端部4aの先端がラチス材4の軸線C2に対して角度α(以下、コイン角αとする)をなす方向に切断されている。また、接続端部4aの先端部分には、切断方向に沿って凹凸が形成されている。この接続端部4aの先端部分の断面形状は、図11に示すように、フレーム材1の接続端部1aの先端部分と同一の断面形状であり、ハブ2の連結溝2aに嵌合可能である。すなわち、この接続端部4aを連結溝2aに嵌合させると、接続端部4aと連結溝2aの各々に形成した凹凸が互いに係合するので、ラチス材4の軸線方向への引き抜きが防止される。なお、ラチス材4は、その軸線C2方向(図10参照)がハブ2の軸線C3方向に対してコイン角αだけ傾斜した状態でハブ2に接続される。
【0048】
このように、立体トラス構造体30は、図8に示すように、二条の上弦材30Aと一条の下弦材30Bとをラチス材4で互いに連結して構成されているので、階段傾斜方向から観ると逆三角形を呈するとともに(図14(a)参照)、階段側面から見るとワーレントラス状を呈する(図7参照)。すなわち、立体トラス構造体30は、全体として統一感のある幾何学模様を有するとともに、すっきりとした外観を有しているため、これを居室内に架設すれば、明るく洗練されたイメージの居室内空間を創出することができる。しかも、この立体トラス構造体30は、溝形鋼やI形鋼のような重厚な部材に比べて軽やかで開放感があり、必要以上に視界を妨げることもないので、居室内に構築しても、居住者に圧迫感を与えることはない。
【0049】
また、立体トラス構造体30は、強度の割に軽量なアルミニウム合金製の部材で構成されているので、非常に軽量であり、その結果、施工時の取り扱いが非常に容易になるとともに、従来の木造住宅の階段取付部に特別な補強等を要することなく取り付けることができる。さらに、アルミニウム合金は、優れた耐食性を有することから、立体トラス構造体30が腐食して美観を損ねることもない。
【0050】
さらに、上弦材30Aおよび下弦材30Bは、フレーム材1の数を増減させることにより、その長さを容易に調節することができるので、階段の設置条件が異なる場合にも容易に対応することができる。
【0051】
また、図8に示すように、立体トラス構造体30の上弦材30A,30Aが連結フレーム材3により互いに連結され、上弦材30Aの左右方向への変位・変形が拘束されているので、立体トラス構造体30のねじり剛性や曲げ剛性(特に左右方向)が高い。すなわち、階段昇降時においてこの立体トラス構造体30に偏荷重が作用しても、ねじれや横揺れは非常に小さい。
【0052】
なお、本実施形態では、連結フレーム材3は、上弦材30Aに対して直交しているが(図8参照)、上弦材30Aに対して斜交する連結フレーム材を配置して、立体トラス構造体30の上面にトラスを形成してもよい。このようにすると、立体トラス構造体30の上面のせん断変形がより一層抑制されるので、立体トラス構造体30のねじり剛性や曲げ剛性(特に左右方向)が格段に向上する。
【0053】
次に、上弦材30Aに沿って配置される上補強部材5Aおよび下弦材30Bに沿って配置される下補強部材5Bの構成を、図13および図14を参照して詳細に説明する。
【0054】
上補強部材5Aおよび下補強部材5Bは、図13(a)に示すように、アルミニウム合金製の平板(いわゆるフラットバー)であり、ハブ2A(ハブ2B)に合わせて複数のボルト孔が穿設されている。また、本実施形態では、上補強部材5Aは、上弦材30Aの全長と同じ長さを有し、上弦材30Aを構成する全てのハブ2Aに固定されている(図7参照)。同様に、下補強部材5Bは、下弦材30Bの全長と同じ長さを有し、下弦材30Bを構成する全てのハブ2Bに固定されている(図7参照)。
【0055】
上弦材30Aに沿って上補強部材5Aを配置すると、ハブ2Aとフレーム材1との接合部において、ハブ2Aの軸線周りに回転する方向(以下、弱軸方向という)の接合強度が補強されるので、結果として上弦材30Aの左右方向の曲げ剛性が向上する。すなわち、上弦材30Aを構成する複数のハブ2Aが上補強部材5Aで一体化され、上弦材30Aの左右方向の曲げ剛性が向上するので、結果として階段昇降時の横揺れが格段に抑制されることになる。なお、平板の上下方向(板厚方向)の剛性は必ずしも大きくないが、左右方向(幅方向)の剛性は大きいので、上弦材30Aの左右方向の剛性については十分に向上させることができる。
【0056】
なお、上補強部材5Aは、上弦材30Aの全長にわたって配設することが好ましいが、上弦材30Aよりも短い場合であっても、少なくとも連続する三つのハブ2Aを上補強部材5Aで一体化すれば、その三つのハブ2Aのうち、中間に位置するハブ2Aとフレーム材1との接合部については、ハブ2Aの軸線周りに回転する方向(弱軸方向)に対して補強されることになるので、上弦材10Aの左右方向の曲げ剛性が向上し、その左右方向の変形が抑制される。
【0057】
同様に、下弦材30Bに沿って下補強部材5Bを配置すると、結果として下弦材30Bの左右方向の曲げ剛性が向上する。
【0058】
また、図示は省略するが、上補強部材5Aおよび下補強部材5Bを複数の短尺材で構成してもよい。この場合、隣接する短尺材の端部同士をハブ2上で重複させつつ、各短尺材を連続する三つ以上のハブ2に固定してもよいが、より好ましくは、隣接する短尺材同士を連続する二つのハブ2,2間で重複させつつ、各短尺材を連続する三つ以上のハブ2に固定するのがよい。例えば、上弦材30Aが10個のハブ2Aと9本のフレーム材1で構成されている場合(図7参照)であって、連続する6個のハブ2Aに固定可能な長さを有する二本の短尺材で上補強部材5Aを構成するときは、上弦材30Aの中央部において短尺材の端部同士を連続する二つのハブ2A,2A間で重複させつつ、一方の短尺材を下から6個のハブ2Aに固定するとともに、他方の短尺材を上から6個のハブ2Aに固定する。このようにすると、複数の短尺材で上補強部材5Aを構成しても、一本の長尺材で上補強部材5Aを構成したのと同等の補強効果を得ることができる。
【0059】
また、上補強部材5Aの形状は、図14(a)に示すものに限定されることはなく、例えば、図14(b)に示すように、断面L字形の形材であってもよい。同様に、下補強部材5Bの形状も図14(a)に示すものに限定されることはなく、例えば、図14(b)に示すように、上面が開口する断面溝形の形材であってもよい。さらには、図示は省略するが、中空部を備える形材で上補強部材5Aおよび下補強部材5Bを構成してもよい。
【0060】
また、本実施形態のごとく上弦材30Aの全長におよぶ長さを有する上補強部材5Aおよび下弦材30Bの全長におよぶ長さを有する下補強部材5Bを用いれば、立体トラス構造体30がその全長にわたり補強されるので、連結フレーム材3およびブラケット6の軽構造化を図ることが可能であり、さらには、図14(b)に示すように、連結フレーム材3を省略することも可能である。なお、連結フレーム材3を省略した場合には、ブラケット6によって左右の上弦材30A,30Aが互いに連結されることになる。
【0061】
次に、立体トラス構造体30の上面に取り付けられるブラケット6およびこのブラケット6の上面に支持固定される踏板7の構成を、図13および図14を参照して詳細に説明する。
【0062】
ブラケット6は、図13(b)に示すように、断面多角形状のアルミニウム合金製の中空押出形材からなり、その上面に踏板7が載置される踏板支持面6aを有するとともに、その下面に上補強部材5Aに当接する取付面6bを有し、図14(a)に示すように、ボルトB11・ナットN11により上補強部材5Aとともにハブ2Aに固定される。なお、図示は省略するが、上補強部材5Aを配置しない場合には、ハブ2Aの上面にブラケット6が直接取り付けられる。
【0063】
取付面6bは、踏板支持面6aに対して階段勾配で傾斜している。すなわち、取付面6bを上補強部材5A(ハブ2A)の上面に取り付けると、踏板支持面6aは水平になる。また、図14(a)に示すように、ブラケット6の側面開口部には、これを覆い隠す蓋材6cが取り付けられる。
【0064】
また、本実施形態では、図14(a)に示すように、隣り合う上弦材30A,30Aがブラケット6によっても互いに連結されることになる。なお、ブラケット6を構造材とみなす場合には、連結フレーム材3を省略(図14(b)参照)あるいは軽構造化することができる。
【0065】
踏板7は、木製や金属製などの板材からなり、図13(b)に示すように、ブラケット6の踏板支持面6aに支持固定される。また、本実施形態では、ブラケット6が踏板7の下面中央に位置することになるので、踏板7の中央部に生じる撓みが小さい。また、本実施形態では、図14(a)に示すように、踏板7の内部にボルトB12を螺合させるためのプレート7aが埋め込まれており、ボルトB12をブラケット6の内部からプレート7aに螺合することで、踏板7がブラケット6に固定される。
【0066】
なお、図示は省略するが、踏板7の側端を壁面に固定してもよい。踏板7の側端を壁面に固定すれば、踏板7の安定性がより一層向上するとともに、踏板7の側方に壁面が位置するので、階段の歩行者に安心感を与える。
【0067】
また、踏板7の側端には、図7に示すように、必要に応じて手摺支柱9が取り付けられ、その上端に手摺(笠木)8が配設される。なお、手摺8および手摺支柱9は、図7に示すようなものに限定されることはない。すなわち、手摺8および手摺支柱9は、階段自体を支持する構造体ではないので、様々な形状・デザイン、材質のものを自由に選定することができる。
【0068】
このように、立体トラス構造体30の上弦材30A,30A間に架設されたブラケット6の上面に踏板7を支持固定すると、踏板7の下側に立体トラス構造体30が位置することになるので、立体トラス構造体30が手摺8および手摺支柱9のデザインの妨げになることはなく、また、壁面に沿って階段を構築する場合など手摺8および手摺支柱9を配置しないときには、すっきりとした外観になる。
【0069】
次に、立体トラス構造体30の組立手順を、図12乃至図14を参照して詳細に説明する。
【0070】
まず、図12(a)に示すように、複数のハブ2Bのそれぞれに四本のラチス材4を90度ピッチで接続するとともに、隣り合うハブ2B,2B同士をフレーム材1で順次連結して下弦材30Bを構成する。なお、ラチス材4は、その接続端部4aの先端が軸線C2に対してコイン角α(図9(d)参照)をなしているので、ラチス材4はハブ2Bの軸線C3に対してαだけ傾斜した状態で接続される(図10参照)。
【0071】
続いて、図12(b)に示すように、隣接するラチス材4,4の上端同士をハブ2Aで連結するとともに、階段傾斜方向(下弦材30の長手方向)に隣り合うハブ2A,2A同士をフレーム材1で連結して上弦材30Aを構成し、さらに、階段左右方向に隣り合うハブ2A,2A同士を連結フレーム材3で連結して二条の上弦材30A,30Aを一体にする。
【0072】
次に、図13(a)(b)に示すように、上弦材30Aの上側に沿って上補強部材5Aを載置するとともに、ハブ2Aの位置において上補強部材5Aの上面にブラケット6を載置し、図14(a)に示すように、ハブ2Aの下面に抜止め用のワッシャ2dをあてがったうえで、ボルトB11をハブ2Aの下面側から上補強部材5Aを貫通してブラケット6の内部にまで挿通し、このブラケット6の内部に突出したボルトB11をナットN11で締結してハブ2A、上補強部材5Aおよびブラケット6を一体に固定する。また、ハブ2Aの下面にキャップ2cを取り付けてボルトB11の頭部を覆い隠す。
【0073】
同様に、図13(a)に示すように、ハブ2Bの下面に沿って下補強部材5Bを配置し、図14(a)に示すように、ハブ2Bの上面に抜止め用のワッシャ2dを配置したうえで、下補強部材5Bの下面側からハブ2BにボルトB10を挿通し、ハブ2Bの上面に突出したボルトB10をナットN10で締結してハブ2Bと下補強部材5Bとを一体に固定する。また、ハブ2Bの上下面にキャップ2cを取り付けてボルトB10の頭部およびナットN10を覆い隠す。
【0074】
このように、立体トラス構造体30は、所定の寸法・形状に形成された各部材を適宜嵌合あるいはボルト接合するだけで組み立てることができる。すなわち、施工現場で複雑な加工を行う必要がなく、また、特別な工具や溶接も必要としないので、熟練工でなくとも容易に立体トラス構造体30を組み立てることができる。さらに、接続用の部品を削減することができるので経済的である。
【0075】
なお、前記した立体トラス構造体30の組立手順は一例であり、適宜変更しても差し支えない。また、立体トラス構造体30は、工場で予め組み立ててもよく、階段の設置場所にて組み立ててもよい。いずれの場合でも、予め所定の形状・寸法に形成された前記の各部材を組み合わせるだけで、容易にかつ正確に立体トラス構造体を組み立てることができる。
【0076】
次に、本実施形態に係る階段の支承体(上支承体10,下支承体20)を、図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
【0077】
上支承体10は、図1に示すように、上階側の階段取付部Kに固定されるベース部材10Aと、立体トラス構造体30の上端に位置するハブ2Aに固定される連結部材10Bとを備えて構成されている。また、連結部材10Bは、水平軸10Cを介してベース部材10Aと連結され、この水平軸10Cを中心に回動可能である。
【0078】
ベース部材10Aは、アルミニウム合金製の押出形材を加工して形成され、図2(a)に示すように、階段取付部Kに当接する板材からなる固定部11と、この固定部11の中央に垂設された一対の板材からなる支持部12とを備えている。また、固定部11には、支持部12を挟んで一対の取付孔11a,11aが穿設され、支持部12には、略中央に挿通孔12aが穿設されている。
【0079】
また、ベース部材10Aは、図3(a)に示す断面形状を有するアルミニウム合金製の押出形材100を適宜な寸法で切断・切除することで製作される。なお、ベース部材10Aは、鋳造により製作してもよい。
【0080】
連結部材10Bは、図2(a)に示すように、アルミニウム合金製の板材からなり、ベース部材10Aの支持部12に連結される摺動部15と、ハブ2の連結溝2aに嵌合可能な接続端部15aとを有する。また、摺動部15の略中央部分には、水平軸10Cを構成するボルトB1の軸部が挿通可能な挿通孔15bが穿設されている。
【0081】
連結部材10Bの摺動部15は、図3(b)に示すように、本実施形態では、ベース部材10Aの支持部12を構成する一対の板材の内側間隔と等しい厚さを有し、当該一対の板材間に挿入可能である。
【0082】
連結部材10Bの接続端部15aは、連結部材10Bの端縁に形成され、ハブ2の連結溝2a(図11参照)と等しい断面形状を有するとともに、接続端部15aの先端部分には、連結溝2aの内壁に形成された凹凸に係合する凹凸が形成されている。また、接続端部15aの長さは、図2(b)に示すように、ハブ2Aの高さ寸法と等しくなっている。
【0083】
水平軸10Cは、図3(b)に示すように、本実施形態では、ボルトB1とナットN1とで構成されている。
【0084】
上支承体10のベース部材10Aを階段取付部Kに固定するには、図2(a)に示すように、固定部11を階段取付部Kに当接させたうえで、固定部11に形成した取付孔11aからボルトやドリルビスなどの固着具B5を階段取付部Kに螺入すればよい。
【0085】
また、連結部材10Bを上弦材30Aの上端に位置するハブ2Aに固定するには、連結部材10Bの接続端部15aの先端部分をハブ2Aの上面側(あるいは下面側)から連結溝2aに嵌合すればよい。接続端部15aを連結溝2aに嵌合させると、接続端部15aと連結溝2aの各々に形成した凹凸が互いに係合するので、連結部材10Bの抜出しが防止される。また、連結部材10Bとハブ2Aとの接続に際して溶接や特別な工具を必要としないので、施工性がよい。なお、接続端部15aと連結溝2aとの間に生じる微細な隙間を埋めるべく、連結溝2aに接着剤などを流し込んでもよい。
【0086】
また、ベース部材10Aと連結部材10Bとを連結するには、ベース部材10Aの支持部12に連結部材10Bの摺動部15を挿入し、ベース部材10Aの支持部12に形成された挿通孔12aと連結部材10Bの摺動部15に形成された挿通孔15bの位置を合わせた後に、支持部12の挿通孔12aおよび摺動部15の挿通孔15aにボルトB1を挿通し、このボルトB1をナットN1で締結すればよい。
【0087】
なお、図2(b)に示すように、本実施形態では、ハブ2Aの上面に上補強部材5Aが配置されるので、連結部材10Bは、上補強部材5Aを配置・固定する前にハブ2Aに接続しておく。
【0088】
下支承体20は、図1に示すように、下階側の階段取付部Kに固定されるベース部材20Aと、立体トラス構造体30の下端に位置するハブ2A,2Bに固定される連結部材20Bとを備えて構成されている。また、連結部材20Bは、水平軸20Cを介してベース部材20Aに連結され、この水平軸20Cを中心に回動可能である。
【0089】
ベース部材20Aは、アルミニウム合金製の押出形材を加工して形成され、図4(a)に示すように、階段取付部Kに当接する板材からなる固定部21と、この固定部21の中央に垂設された一対の板材からなる支持部22とを備えている。また、固定部21には、支持部22を挟んで一対の取付孔21a,21aが穿設され、支持部22には、それぞれ略中央に挿通孔22aが穿設されている。
【0090】
また、ベース部材20Aは、図5(a)に示す断面形状を有するアルミニウム合金製の押出形材200を適宜な寸法で切断・切除することで製作される。なお、ベース部材20Aは、鋳造により製作してもよい。
【0091】
連結部材20Bは、アルミニウム合金製の押出形材からなり、図4(a)に示すように、ハブ2の下面に当接する当接部25と、この当接部25の端縁に垂設された一対の板材からなる摺動部26とを有する。また、摺動部26の先端部分には、水平軸20Cを構成するボルトB2の軸部が挿通可能な挿通孔26aが穿設されている。
【0092】
連結部材20Bの摺動部26は、図5(b)に示すように、本実施形態では、この摺動部26を構成する一対の板材の内側間隔がベース部材20Aの支持部22を構成する一対の板材の外側間隔と等しく、ベース部材20Aの支持部22に外挿可能である。
【0093】
水平軸20Cは、図5(b)に示すように、本実施形態では、ボルトB2およびナットN2で構成されている。
【0094】
下支承体20のベース部材20Aを階段取付部Kに固定するには、図4(a)に示すように、固定部21を階段取付部Kに当接させたうえで、固定部21に形成した取付孔21aから固着具B6を階段取付部Kに螺入すればよい。
【0095】
また、上弦材30Aの下端に位置するハブ2Aに連結部材20Bを固定するには、図4(b)に示すように、ハブ2Aの下面に連結部材20Bの当接部25(図4(a)参照)を当接させた状態で、ハブ2Aの上面に上補強部材5Aとブラケット6とを載置し、連結部材20B側からハブ2A、上補強部材5Aおよびブラケット6にボルトB11を挿通し、ブラケット6の内部に突出したボルトB11をナットN11で締結すればよい。
【0096】
また、ベース部材20Aと連結部材20Bとを連結するには、図4(a)に示すように、ベース部材20Aの支持部22を構成する一対の板材間にスペーサ27を挿入したうえで、ベース部材20Aの支持部22に連結部材20Bの摺動部26を外挿し、ベース部材20Aの支持部22に形成された挿通孔22aと連結部材20Bの摺動部26に形成された挿通孔26aの位置を合わせた後に、支持部22の挿通孔22aおよび摺動部26の挿通孔26aにボルトB2を挿通し、このボルトB2をナットN2で締結すればよい。
【0097】
同様に、下弦材30Bの下端に位置するハブ2Bに連結部材20Bを取り付けるには、ハブ2Bの下面に下補強部材5Bを配置し、さらに下補強部材5Bの下面に連結部材20Bの当接部25(図4(a)参照)を当接させた状態で、連結部材20B側から下補強部材5Bおよびハブ2BにボルトB10を挿通し、ハブ2Bの上面に突出したボルトB10をナットN10で締結すればよい。
【0098】
すなわち、図4(b)に示すように、連結部材20Bのうち、上弦材30Aの下端に位置するハブ2Aに取り付けられるものは、ハブ2A、上補強部材5Aおよびブラケット6と一体に固定され、下弦材30Bの下端に位置するハブ2Bに取り付けられるものは、下補強部材5Bおよびハブ2Bと一体に固定される。
【0099】
次に、上支承体10および下支承体20を有する階段を設置する手順を、図6、図7および図13(b)を参照して詳細に説明する。
【0100】
まず、図6に示すように、階段の設置場所において、階段取付部Kの所定の位置に上支承体10のベース部材10Aおよび下支承体20のベース部材20Aを固定する。より詳細には、立体トラス構造体30の上端側において、上弦材30Aの配置に合わせて二つのベース部材10Aを階段取付部Kに固定するとともに、立体トラス構造体30の下端側において、上弦材30Aおよび下弦材30Bの配置に合わせ三つのベース部材20Aを階段取付部Kに固定する。
【0101】
また、図6に示すように、立体トラス構造体30の上端に上支承体10の連結部材10Bを固定するとともに、立体トラス構造体30の下端に下支承体20の連結部材20Bを固定する。
【0102】
続いて、図6に示すように、上支承体10のベース部材10Aおよび下支承体20のベース部材20Aに、上支承体10の連結部材10Bと下支承体20の連結部材20とが取り付けられた立体トラス構造体30を架設し、立体トラス構造体30の上端において、上支承体10のベース部材10Aと連結部材10BとをボルトB1・ナットN1(図2(a)参照)で連結するとともに、立体トラス構造体30の下端において、下支承体20のベース部材20Aと連結部材20BとをボルトB2・ナットN2(図4(a)参照)で連結する。このとき、上支承体のベース部材10Aと連結部材10Bとを先に連結し、水平軸10C(図1参照)を中心として、立体トラス構造体30を上下に旋回させつつ下支承体のベース部材20Aと連結部材20Bとの位置決めを行うと架設作業が容易になる。
【0103】
すなわち、立体トラス構造体30の上端においてその左右の上弦材30A,30Aをそれぞれ上支承体10,10で旋回可能に支持した後に、その支持点(水平軸10C)を中心として立体トラス構造体30を上下方向に旋回させてその下端の位置決めを行い、その後、下端において下支承体20のベース部材20Aと連結部材20Bとを連結して上弦材30A,30Aおよび下弦材30Bのそれぞれを下階側の階段取付部Kに固定する。このようにすると、立体トラス構造体30を架設するに際し、その下端の位置決めを容易に行うことができるので、その架設作業が効率のよいものとなる。また、立体トラス構造体30の下端では、その上弦材30A,30Aと下弦材30Bとがそれぞれ階段取付部Kに固定されることになるので、立体トラス構造体30の取付強度が強固になる。
【0104】
その後、図7に示すように、ブラケット6の上面に踏板7を固定するとともに、必要に応じて踏板7の側端に手摺支柱9および手摺8を取り付けると、階段の構築が完了する。
【0105】
なお、上支承体10のベース部材10Aと連結部材10Bとを予め連結した状態で立体トラス構造体30を架設してもよいし、同様に、下支承体20のベース部材20Aと連結部材20Bとを予め連結した状態で立体トラス構造体30を架設してもよい。
【0106】
このように、立体トラス構造体30の端部に位置するハブ2A,2Bに上支承体10および下支承体20を固定すると、支点反力が立体トラス構造体30の節点に作用することになるため、立体トラス構造体30を構成する各部材に軸方向力だけが伝達されるというトラス構体の力学的な優位性を活かすことができる。
【0107】
また、上支承体10は、ベース部材10Aと連結部材10Bとを水平軸10C周りに回動可能に連結したので、ベース部材10に対する連結部材10Bの取付角度を自由に設定することが可能であり、その結果、立体トラス構造体30の勾配が異なる場合であっても、共通して使用することができる。例えば、図2(b)に示す上支承体10を立体トラス構造体30と傾斜角度が異なる立体トラス構造体に使用する場合であっても、ベース部材10Aおよび連結部材10Bの構成を変更する必要はない。このように、上支承体10は、その構成部材を立体トラス構造体の傾斜角度(階段勾配)に合わせてその都度製作する必要がないので、生産効率が高く、大量生産に適している。また、下支承体20についても同様である。
【0108】
なお、上支承体10および下支承体20の構成は、適宜変更して差し支えない。例えば、図示は省略するが、上支承体10の支持部12を固定部11に垂設された一つの板材で構成してもよい。この場合、連結部材10Bの摺動部15は、支持部12の側面に当接され、かかる状態でボルトB1・ナットN1によりベース部材10Aと連結部材10Bとが連結されることになる。また、連結部材10Bの摺動部15をベース部材10Aの支持部12に外挿可能なように構成してもよい。
【0109】
また、図2(a)に示す上支承体10と同様の構成を有する「下支承体」を、立体トラス構造体30の下端に位置するハブ2A,2Bと階段取付部Kとの間に介設してもよく、反対に、図4(a)に示す下支承体20と同様の構成を有する「上支承体」を立体トラス構造体30の上端に位置するハブ2Aと階段取付部Kとの間に介設してもよい。
【0110】
なお、前記した実施形態では、二条の上弦材30A,30Aと一条の下弦材30Bとを複数のラチス材4で互いに連結して構成された立体トラス構造体30の上下端に本実施形態に係る階段の支承体(上支承体10,下支承体20)が備えられている場合を例示したが、踏板を支持する階段構造体の構成はこれに限定されることはない。
【0111】
(階段構造体の第1の変形例)
例えば、踏板を支持する階段構造体は、図15および図16に示すように、三条の上弦材40Aと二条の下弦材40Bとを有し、階段傾斜方向から観みて略台形を呈する立体トラス構造体40であってもよい。
【0112】
この立体トラス構造体40は、互いに平行な三条の上弦材40Aと、隣り合う上弦材40A,40Aの中間の下方に位置する下弦材40Bと、隣り合う上弦材40A同士および隣り合う下弦材40B同士をそれぞれ互いに連結する複数の連結フレーム材3と、上弦材40Aと下弦材40Bとを互いに連結する複数のラチス材4とから構成されている。また、図示は省略するが、前記した立体トラス構造体30の場合と同様に、立体トラス構造体40の上端と上階側の階段取付部Kとの間に上支承体10が介設され、立体トラス構造体40の下端と下階側の階段取付部Kとの間に下支承体20が介設される。
【0113】
また、立体トラス構造体40の上弦材40Aおよび下弦材40Bは、前記した立体トラス構造体30と同様に、ハブ2Aあるいはハブ2Bにより連結された複数のフレーム材1により構成されている。なお、立体トラス構造体40を構成する各部材、ブラケット6、踏板7等の構成や組立手順は、前記した立体トラス構造体30の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0114】
また、立体トラス構造体40を階段の構築場所に架設する手順も、前記した立体トラス構造体30の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0115】
このように構成された立体トラス構造体40は、階段傾斜方向から観ると台形を呈するとともに(図16参照)、階段側面から見るとワーレントラス状を呈する。すなわち、立体トラス構造体40は、全体として統一感のある幾何学模様を有するとともに、すっきりとした外観を有しているため、これを居室内に架設すれば、明るく洗練されたイメージの居室内空間を創出することができる。しかも、この立体トラス構造体40は、溝形鋼やI形鋼のような重厚な部材に比べて軽やかで開放感があり、必要以上に視界を妨げることもないので、居室内に構築しても、居住者に圧迫感を与えることはない。
【0116】
なお、上弦材の条数および下弦材の条数はこれに限定されることはなく、例えば、図示の踏板7よりも幅の広い踏板を支持する場合には、さらに多くの条数の上弦材および下弦材で立体トラス構造体を構成してもよい。
【0117】
(階段構造体の第2の変形例)
また、踏板を支持する階段構造体は、図17および図18に示すように、三条の上弦材50Aと二条の下弦材50Bと一条の第二下弦材50Cとを有する立体トラス構造体50であってもよい。なお、第二下弦材50Cは、図18に示すように、下弦材50Bの中央部の下方にのみ配置されている。
【0118】
この立体トラス構造体50は、互いに平行な三条の上弦材50Aと、隣り合う上弦材50A,50Aの中間の下方に位置する下弦材50Bと、隣り合う上弦材50A同士および隣り合う下弦材50B同士をそれぞれ互いに連結する複数の連結材3と、上弦材50Aと下弦材50Bとを互いに連結する複数のラチス材4とから構成され、さらに、隣り合う下弦材50B,50Bの中間の下方に第二下弦材50Cが配置され、複数のラチス材4により下弦材50B,50Bと互いに連結されている。また、図18に示すように、立体トラス構造体50の上弦材50Aの上端に位置するハブ2Aと階段取付部Kとの間に上支承体10が介設され、上弦材50Aの下端に位置するハブ2Aおよび下弦材50Bの下端に位置するハブ2Bと階段取付部Kとの間に下支承体20が介設されている。
【0119】
下弦材50B,50Bの中間の下方に第二下弦材50Cを配置すると、立体トラス構造体50の曲げ剛性(特に上下方向)が向上するので、立体トラス構造体50の撓みが大幅に抑制される。
【0120】
また、上弦材50Aおよび下弦材50Bは、前記した立体トラス構造体30と同様に、ハブ2Aあるいはハブ2Bにより連結された複数のフレーム材1により構成され、第二下弦材50Cはハブ2Cにより連結された複数のフレーム材1により構成されている。なお、立体トラス構造体50を構成する各部材、ブラケット6、踏板7等の構成や組立手順は、前記した立体トラス構造体30の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0121】
また、立体トラス構造体50を階段の構築場所に架設する手順も、前記した立体トラス構造体30の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0122】
(階段構造体の第3の変形例)
また、前記した立体トラス構造体30の上弦材30Aは、ハブ2Aにより連結された複数の短尺のフレーム材1から構成されているが、図19(a)(b)に示す立体トラス構造体60のように、溝部61aを有する長尺の形材61で上弦材60Aを構成してもよい。この場合、ハブ2Aは形材61の溝部61aの内部に取り付けられる。
【0123】
形材61は、立体トラス構造体60の全長におよぶ長さを有するアルミニウム合金製の押出形材であり、図19(a)に示すように、階段傾斜方向に連続するとともに、他の上弦材60Aに対向する面が開口する溝部61aを有する。なお、形材61の寸法・形状は、図示のものに限定されることはなく、様々な寸法・形状のものを使用することができる。
【0124】
なお、フレーム材1、ハブ2A,2B、連結フレーム材3、ラチス材4、ブラケット6、踏板7は、前記した立体トラス構造体30で説明したものと同様の構成であるので詳細な説明は省略する。
【0125】
立体トラス構造体60によると、上弦材60Aが溝部61aにハブ2Aが内包されるため、図20に示すように、その側面のデザインがすっきりとしたものになる。さらに、上弦材60Aが一本の長尺の形材61で構成されているので、弱軸がない。すなわち、上弦材60Aは、その上下方向のみならず左右方向の剛性も高いので、横揺れやねじれに強い。
【0126】
このような立体トラス構造体60を組み立てるには、まず、複数のフレーム材1をハブ2Bで順次連結して下弦材60Bを構成するとともに、複数のハブ2Bのそれぞれに四本のラチス材4を90度ピッチで接続し、続いて、隣接するラチス材4,4の上端同士をハブ2Aで連結するとともに、階段左右方向に隣り合うハブ2A,2A同士を連結フレーム材3で連結する(図19(a)参照)。
【0127】
次に、上弦材60Aの上端に位置するハブ2Aに上支承体10の連結部材10B(図2(a)参照)を接合した上で、図19(a)に示すように、複数のハブ2Aに、その側方から形材61を覆い被せ、形材61の溝部61aに複数のハブ2Aを内包させる。このとき、ハブ2Aのボルト挿通孔2b(図10参照)と形材61のボルト挿通孔の位置を合わせておく。
【0128】
そして、図19(b)に示すように、ハブ2Aの位置に合わせて形材61の上面にブラケット6を載置したうえで、形材61の下面側からハブ2Aを貫通してブラケット6の内部までボルト(図示せず)を挿通するとともに、これをナット(図示せず)で締結してハブ2A、形材61およびブラケット6を一体に固定する。
【0129】
なお、図20に示すように、上弦材60Aの下端においては、形材61の下面に下支承体20の連結部材20Bの当接部25(図4(a)参照)を当接させた状態で、連結部材20Bの下面側から形材61およびハブ2Aを貫通してブラケット6の内部までボルトを挿通するとともに、ブラケット6の内部に突出したボルトをナットで締結して、連結部材20B、形材61、ハブ2Aおよびブラケット6を一体に固定する。
【0130】
また、下弦材60Bの下端においては、ハブ2Bの下面に下支承体20の連結部材20Bの当接部25(図4(a)参照)を当接させた状態で、連結部材20Bの下面側からハブ2Bにボルトを挿通するとともに、その上面に突出したボルトをナットで締結して、連結部材20Bおよびハブ2Bを一体に固定する。
【0131】
なお、立体トラス構造体60を階段の構築場所に架設する手順は、前記した立体トラス構造体30の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0132】
(階段構造体の第4の変形例)
踏板を支持する階段構造体は、前記した立体トラス構造体に限定されることはなく、例えば、図21に示すように、左右一対の平面トラス構造体70,70であってもよい。
【0133】
すなわち、図21に示す階段は、階段勾配で傾斜する左右一対の平面トラス構造体70,70と、この平面トラス構造体70,70間に蹴上げ高さごとに架設される複数のブラケット6と、各ブラケット6に支持固定される踏板7と、平面トラス構造体70の上端と階段取付部Kとの間に介設される上支承体10と、平面トラス構造体70の下端と階段取付部Kとの間に介設される下支承体20とを備えて構成されている。また、左右の平面トラス構造体70,70は、その上弦材70A,70A同士がこれらに斜交する連結フレーム材3Aで互いに連結され、下弦材70B,70B同士がこれらに直交する連結フレーム材3Bで互いに連結されている。
【0134】
平面トラス構造体70は、図21に示すように、いわゆるワーレントラスであり、階段勾配で傾斜する上弦材70Aと下弦材70Bと、これらを互いに連結する複数のラチス材4によって構成されている。また、上弦材70Aは複数のフレーム材1をハブ2Aで連結して構成され、下弦材70Bは複数のフレーム材1をハブ2Bで連結して構成されている。すなわち、平面トラス構造体70は、複数のハブ2A,2Bに複数のフレーム材1とラチス材4とを接合して構成されており、ハブ2A,2Bが平面トラス構造体70の節点になっている。
【0135】
また、平面トラス構造体70の上弦材70Aの上端に位置するハブ2Aに上支承体10の連結部材10Bが固定され、上弦材70Aの下端に位置するハブ2Aおよび下弦材70Bの下端に位置するハブ2Bに下支承体20の連結部材20Bが固定されている。
【0136】
なお、平面トラス構造体70を構成する各部材、ブラケット6、踏板7等の構成および平面トラス構造体70の組立方法は、前記した立体トラス構造体30の場合と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0137】
また、平面トラス構造体70,70を階段の構築場所に架設する手順は、前記した立体トラス構造体30の場合と同様であるので詳細な説明は省略するが、左右の平面トラス構造体70,70は、連結フレーム材3A,3Bで一体化したものを架設する。
【0138】
このような平面トラス構造体70は、溝形鋼やI形鋼のような重厚な部材に比べて軽やかで開放感があるので、明るく洗練された居室内空間を創出することができ、また、必要以上に視界を妨げることもないので、居室内に構築しても、居住者に圧迫感を与えることはない。
【0139】
また、左右の平面トラス構造体70,70は、連結フレーム材3A,3Bにより互いに連結されているので、その面外方向(左右方向)への変位・変形が互いに拘束される。すなわち、平面トラス構造体70は、ねじり剛性および左右方向の曲げ剛性が高く、その結果、階段昇降時に階段に発生するねじれや横揺れが非常に小さくなる。
【0140】
さらに、連結フレーム材3Aが上弦材70Aに対して斜交し、左右の上弦材70A,70Aとともにワーレントラスを形成するので、上弦材70A,70Aにより形成される平面のせん断変形が小さくなる。すなわち、上弦材70Aに対して斜交する連結フレーム材3Aを配置すると、階段全体のねじり剛性および左右方向の曲げ剛性が向上し、その結果、階段昇降時に階段に発生するねじれや横揺れが非常に小さくなる。
【0141】
なお、図示は省略するが、左右の上弦材70A,70A(ハブ2A,2A)のそれぞれにブロック状のブラケットを取り付け、左右のブラケット間に踏板7を架け渡してもよい。
【0142】
また、図示は省略するが、前記した立体トラス構造体30と同様に、平面トラス構造体70の上弦材70Aに沿って上補強部材を配置するとともに、この上補強部材を連続する三つ以上のハブ2Aに固定してもよく、さらには、下弦材70Bに沿って下補強部材を配置するとともに、この下補強部材を連続する三つ以上のハブ2Bに固定してもよい。
【0143】
上補強部材および下補強部材を配置すると、ハブ2A,2Bとフレーム材1との接合部において、その弱軸方向の強度(図21の場合は、階段左右方向)が補強されるので、結果として上弦材70Aおよび下弦材70Bの左右方向(弱軸方向)の曲げ剛性が向上し、階段昇降時の横揺れが格段に抑制される。
【0144】
特に、上弦材70Aおよび全長におよぶ長さを有する上補強部材および下弦材70Bの全長におよぶ長さを有する下補強部材を用いれば、平面トラス構造体70がその全長にわたり補強され、例えば、連結フレーム材3A,3Bおよびブラケット6を軽構造化することが可能であり、さらには、連結フレーム材3A,3Bを省略することも可能である。なお、連結フレーム材3A,3Bを省略した場合には、ブラケット6によって左右の平面トラス構造体70,70が互いに連結されることになる。さらに、ブラケット6に替えて、左右一対のブロック状のブラケットで踏板7を支持する場合には、踏板7で左右の平面トラス構造体70,70が互いに連結されることになる。
【0145】
また、図21に示す階段では、踏板7を支持する階段構造体が左右一対(二列)の平面トラス構造体70,70で構成されている場合を例示したが、さらに多くの平面トラス構造体70を並設してもよい。
【0146】
(階段構造体の第5の変形例)
前記した平面トラス構造体70は、ハブ2A,2Bにより連結された複数の短尺のフレーム材1で上弦材70Aおよび下弦材70Bが構成されているが(図21参照)、図22に示す平面トラス構造体80のように、複数のハブ2Aを内包する長尺の形材81Aで上弦材80Aを構成するとともに、複数のハブ2Bを内包する長尺の形材81Bで下弦材80Bを構成してもよい。また、上弦材81Aと下弦材81Bとは、複数のラチス材4で互いに連結されている。
【0147】
形材81Aは、階段傾斜方向に連続し、その下面(ラチス材4側)が開口する溝部を有するアルミニウム合金製の押出形材からなり、形材81Aの下面には、その開口を塞ぐ蓋材82Aが取り付けられる。
【0148】
形材81Bは、階段傾斜方向に連続し、その上面(ラチス材4側)が開口する溝部を有するアルミニウム合金製の押出形材からなり、形材81Bの上面には、その開口を塞ぐ蓋材82Bが取り付けられる。
【0149】
また、上支承体10の連結部材10Bは、上弦材80Aの上端に位置するハブ2Aに固定され、下支承体20の連結部材20Bは、上弦材80Aの下端に位置するハブ2Aおよび下弦材80Bの下端に位置するハブ2Bに固定されている。
【0150】
なお、平面トラス構造体80を備える階段は、図21に示す平面トラス構造体70を備える階段と同様に、二つの平面トラス構造体80が左右に配置される。
【0151】
以上、本実施形態で示した各トラス構造体は、シングルワーレントラス状であるが、例えば、図示は省略するが、プラットトラス状やハウトラス状であってもよい。
【0152】
また、本実施形態では、節点部材として連結溝2aを有するハブ2(図10参照)を例示したが、節点部材の構成はこれに限定されることはなく、例えば、ボールジョイントであってもよい。また、節点部材を使用せずに、ラチス材やフレーム材をボルトや溶接などにより直接接合してもよい。
【0153】
また、上支承体10の連結部材10Bおよび下支承体20の連結部材20Bは、トラス構造体の節点を構成するハブ2Aあるいはハブ2Bに固定される構成を例示したが、これに限定されることはなく、ハブ2A,2B以外の部位に固定してもよい。例えば、図示は省略するが、トラス構造体の弦材が長尺の形材で構成されている場合(例えば、図19に示す立体トラス構造体60や図22に示す平面トラス構造体80)には、当該形材に溶接やボルト接合等により固定することもできる。
【0154】
また、踏板を支持する階段構造体が立体トラス構造体あるいは平面トラス構造体である場合を例示したが、階段構造体の構成はトラス構造体に限定されることはなく、H形鋼、I形鋼、木材等で構成された階段構造体にも適用することができる。
【0155】
【発明の効果】
本発明に係る階段の支承体によると、ベース部材と連結部材とを回動可能に連結したので、ベース部材に対する連結部材の取付角度を自由に設定することができる。すなわち、当該支承体は、トラス構造体の勾配によらず共通して使用することが可能であり、トラス構造体の傾斜角度(階段勾配)に合わせてその都度製作する必要がないので、生産効率が高く、大量生産に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る階段の支承体および当該支承体を有する階段の斜視図である。
【図2】 (a)は上支承体の分解斜視図、(b)は上支承体の側面図である。
【図3】 (a)は上支承体のベース部材の製造方法を説明する図、(b)は図2(b)のX−X断面図ある。
【図4】 (a)は下支承体の分解斜視図、(b)は下支承体の側面図である。
【図5】 (a)は下支承体のベース部材の製造方法を説明する図、(b)は下支承体の断面図である。
【図6】 階段の設置方法を説明する図である。
【図7】 図1に示す階段の全体側面図である。
【図8】 立体トラス構造体の斜視図である。
【図9】 (a)はフレーム材および連結フレーム材の斜視図、(b)は同じく平面図、(c)はラチス材の斜視図、(d)は同じく平面図である。
【図10】 節点部材(ハブ)とフレーム材との接合状態を説明する斜視図である。
【図11】 同じく平面図である。
【図12】 (a)は立体トラス構造体の組立手順を説明する上面図、(b)は(a)に続く手順を説明する上面図である。
【図13】 (a)は上補強部材および下補強部材の取付方法を説明する斜視図、(b)はブラケットおよび踏板の取付方法を説明する斜視図である。
【図14】 (a)は立体トラス構造体を階段傾斜方向から、ブラケットおよび踏板を階段正面方向から見た図であって、図7のX1−X1断面図、(b)は立体トラス構造体の変形例を示す図である。
【図15】 踏板を支持する階段構造体の第1の変形例を示す斜視図である。
【図16】 図15に示す階段構造体を階段傾斜方向から、ブラケットおよび踏板を階段正面方向から見た図である。
【図17】 踏板を支持する階段構造体の第2の変形例を示す図であって、当該階段構造体を階段傾斜方向から、ブラケットおよび踏板を階段正面方向から見た図である。
【図18】 図17に示す階段構造体の全体側面図である。
【図19】 (a)(b)は踏板を支持する階段構造体の第3の変形例を示す分解斜視図である。
【図20】 図19に示す階段構造体の拡大側面図である。
【図21】 踏板を支持する階段構造体の第4の変形例を示す斜視図である。
【図22】 踏板を支持する階段構造体の第5の変形例を示す拡大側面図である。
【図23】 従来の階段の支承体を説明する側面図である。
【符号の説明】
10,20 支承体(上支承体、下支承体)
10A,20A ベース部材
10B,20B 連結部材
10C,20C 水平軸
30 立体トラス構造体
30A 上弦材
30B 下弦材
1 フレーム材
1a 接続端部
2(2A,2B) ハブ(節点部材)
2a 連結溝
3 連結フレーム材
3a 接続端部
4 ラチス材
4a 接続端部
5A 上補強部材
5B 下補強部材
6 ブラケット
7 踏板
8 手摺
9 手摺支柱
K 階段取付部

Claims (4)

  1. 踏板を支持するトラス構造体と建物に設けられた階段取付部との間に介設される階段の支承体であって、
    前記階段取付部に固定されるベース部材と、
    前記トラス構造体の端部に固定される連結部材とからなり、
    前記連結部材は、水平軸を介して前記ベース部材に連結され、当該水平軸を中心に回動可能であり、
    前記トラス構造体は、弦材と、ラチス材と、当該弦材およびラチス材を連結する節点部材とで構成されており、
    前記節点部材は、連結溝を外周面に有する柱状に形成されており、
    前記弦材は、前記節点部材の連結溝に嵌合可能な接続端部を両端に有する複数のフレーム材で構成されており、
    前記連結部材は、前記節点部材の連結溝に嵌合可能な接続端部を有し、
    当該連結部材の接続端部が、前記トラス構造体の端部に位置する前記節点部材の連結溝に嵌合されることを特徴とする階段の支承体。
  2. 踏板を支持するトラス構造体と建物に設けられた階段取付部との間に介設される階段の支承体であって、
    前記階段取付部に固定されるベース部材と、
    前記トラス構造体の端部に固定される連結部材とからなり、
    前記連結部材は、水平軸を介して前記ベース部材に連結され、当該水平軸を中心に回動可能であり、
    前記トラス構造体は、弦材と、ラチス材と、当該弦材およびラチス材を連結する節点部材とで構成されており、
    前記節点部材は、柱状に形成されており、かつ、その中心にボルト挿通孔が形成されており、
    前記連結部材は、前記ボルト挿通孔に対応する透孔を有し、当該透孔と前記ボルト挿通孔に挿通されたボルトによって、前記トラス構造体の端部に位置する前記節点部材の下面側に固定されることを特徴とする階段の支承体。
  3. 前記踏板を支持するブラケットが、前記ボルトによって前記節点部材に対して固定されることを特徴とする請求項2に記載の階段の支承体。
  4. 前記弦材に沿って配置される補強部材が、前記ボルトによって前記節点部材に対して固定されることを特徴とする請求項に記載の階段の支承体。
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