JP4917076B2 - 血液処理フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、血液から凝集物や白血球等の好ましくない成分を除去する為の血液処理フィルターに関する。特に、輸血用の全血製剤、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などから副作用の原因となる微小凝集物や白血球を除去する目的で用いられる、精密で使い捨ての血液処理フィルターに関するものである。
ドナーから採血された全血は、全血のまま輸血に用いられることは少なく、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤等の成分に分離され、貯蔵された後に輸血されるのが一般的である。また、これらの血液製剤に含まれる微小凝集物や白血球が種々の輸血副作用の原因となることから、輸血の前にこれらの好ましくない成分を除去してから輸血する機会が増えている。近年は特に白血球除去の必要性が広く認識され、欧州では、全ての輸血用血液製剤に白血球除去処理を施し、その後に輸血に用いることを法制化している国もある。
血液製剤から白血球を除去する為の方法としては、血液製剤を白血球除去フィルターで処理するのが最も一般的である。従来、この白血球除去フィルターによる血液製剤の処理は、輸血操作を行う際にベッドサイドで行われることが多かったが、近年では白血球除去製剤の品質管理、及び白血球除去処理の有効性向上の為に、血液センターにおいて保存前に行われることが一般的になりつつある。
ドナーから採血し、複数の血液成分に分離し、各血液成分を貯蔵するために、典型的には2つから4つの可撓性のバッグとこれらを接続する導管、抗凝固剤、赤血球保存液、採血針等から構成される採血分離セットが以前より使われているが、上記の「保存前白血球除去」に好適に使用されうるシステムとして、これらの採血分離セットに白血球除去フィルターを組み込んだものが広く使われており、「クローズドシステム」または「一体型システム」等の名称で呼ばれている。これらは、特開平1−320064号公報、WO92/20428等に開示されている。
従来白血球除去フィルターには、不織布や多孔質体からなるフィルター要素をポリカーボネート等の硬質容器に充填したものが広く使われてきたが、容器がガス透過性を有さないため、採血分離セットの滅菌工程として広く使われている蒸気滅菌を適用し難いという問題があった。また、クローズドシステムには採血後にまず全血製剤を白血球除去し、白血球除去フィルターを切り離してから成分分離のための遠心分離操作をおこなうものと、全血を遠心分離によって複数の血液成分に分離した後に白血球除去を行う場合とがあるが、後者の場合には白血球除去フィルターも採血分離セットと共に遠心される。この際、硬質の容器がバッグや導管にダメージを与えたり、硬質容器自身が遠心時のストレスに耐えられずに破損する危険があった。
これらの問題点を解決する方法として、採血分離セットのバッグに使用されているものと同一または類似の、可撓性かつ蒸気浸透性に優れる素材を容器に用いた、可撓性の白血球除去フィルターが開発されている。
これらはフィルター要素を一旦シート状の可撓性フレームに溶着した後に、該フレームをハウジング材と溶着したもの(特許文献1、特許文献2)、可撓性容器を直接フィルター要素に溶着させたもの(特許文献3、特許文献4)とに大別できる。
以下、前者をフレーム溶着型、後者を容器溶着型ということがある。
通常これらの白血球除去フィルターで血液を処理する際は、フィルターの血液入口側に導管を介して接続されている、処理されるべき血液製剤が入ったバッグを、フィルターよりも20cmから100cm程高い位置に置き、重力の作用によって血液製剤をフィルターに通し、フィルターの血液出口側に導管を介して接続された回収バッグに濾過後の血液製剤を収容する。濾過の最中にはフィルター要素の抵抗によって圧力損失が生じ、フィルター入口側の空間は陽圧となる。可撓性容器からなるフィルターの場合、容器が可撓性であるが故、この陽圧によって容器は風船状に膨らみ、フィルター要素は出口側の容器に押しつけられる。即ち、濾過が行われている間、フィルター要素と容器との接合部位またはフィルター要素とシート状フレームとの接合部位には、該接合を剥がそうとする力が常に加わることになる。
また、白血球除去フィルターを採血分離セットと共に遠心する場合にも、フィルター要素とシート状フレーム、またはフィルター要素と可撓性容器との接合部位を剥がそうとする力が加わる場合がある。一例として、米国等で典型的に用いられる容量が1リットルの円筒状遠心カップを用いて遠心操作を行う場合を述べる。この遠心カップの中に、抗凝固処理された全血製剤約570mLの入った軟質ポリ塩化ビニル製の血液バッグ、血液処理フィルター、約100mLの赤血球保存液の入った軟質ポリ塩化ビニル製のバッグ、遠心後に多血小板血漿を移すための空のバッグと、血液処理フィルターで処理した後の血液を収納するための空バッグをこの順に配置し、遠心する場合を想定する。各バッグとフィルターとを繋ぐ軟質ポリ塩化ビニル製の導管は、バッグやフィルターとの間に適宜配置される。それぞれのバッグとフィルターは、遠心力によって遠心カップ底面に押しつけられるが、この作用によって全血製剤の入ったバッグと赤血球保存液の入ったバッグは変形し膨らもうとする。この結果、両者に挟まれた可撓性の血液処理フィルターは、しばしば血液バッグに押しつぶされたり、膨らんだ血液バッグの形状に沿って変形させられることがあり、前記の風船のように容器が膨らむ場合とはメカニズムは異なるが、結果的に同様にフィルター要素とシート状フレーム、またはフィルター要素と可撓性容器との接着部位を剥がそうとする力が加わることになる。
通常容器またはフレーム材料として広く用いられている軟質塩化ビニルやポリオレフィンは、フィルター要素として広く使われているポリエステル繊維やポリウレタン多孔質体などの材料に対して殆ど接着性を有さない。この為、これらの接合部位は比較的弱い力によって容易に剥離しやすい問題を抱えているが、前記した特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等、これまでに開示された可撓性フィルターにおいてはいずれも、この問題の認識も、またこの問題に対して如何に対処すべきかも記載されていなかった。
実際、市販されているフレーム溶着型のフィルターは、フィルター要素とフレームとの接合部位を剥がそうとする力に対して十分な耐性を有するとは言えず、使用中にフィルター要素とフレームが剥離してフィルター要素が脱落し、濾過が無効になる危険があった。
容器溶着型のフィルターは殆ど市販されていないが、同様の理由により使用中にフィルター要素と容器が剥離し、容器破裂やリークを起こす危険があった。
また、通常の重力落差を用いた濾過操作以外にも、濾過されるべき血液製剤の入ったバッグを手で圧迫したり、絞ることで圧力を加えて強制的に血液でフィルターをプライミングすることがあり(以下スクイージングと称することもある)、さらにはポンプを用いて高い圧力をかけて急速濾過を行う場合もあることから、耐圧性や耐剥離性に優れるフィルターが望まれていた。
さらに、通常の重力落差を用いた濾過操作では、フィルターの血液入口側には前述の様な陽圧が加わることで可撓性容器は風船状に膨らみ、この時内部のフィルター要素は出口側容器に押しつけられるようにたわむ。一方、出口側容器とフィルター要素との空隙は、出口に接続された導管内の血液が重力によって落下して、通常フィルターよりも50〜100cm低い位置に置かれ血液フィルターで処理された後の血液を収納するためのバッグへと移動しようとするため、この作用によって逆に陰圧となり、出口側可撓性容器はフィルター要素に密着する傾向を示す。即ち、フィルター要素は二重の力によって出口側容器と密着し、血液の流れが阻害されることが知られている。
この問題を解決する方法として、先行技術には、フィルター要素と出口側容器との間に連接棒と呼ばれる軟質塩ビチューブを挿入して密着を防ぐ方法 (特許文献1)、 ニットファイバー製のスクリーン等を挿入する方法(特許文献4)、軟質容器内面に高低差0.2−2mmの凹凸をつけて密着を防ぐ方法(特許文献2)、等が提案されている。しかしながら、特許文献2に記載されるように、連接棒やスクリーンを挿入する方法は別部材を挿入することによって容器の溶着不良を起こす危険があると考えられていた。また、特許文献2で開示された方法は、連接棒やスクリーンを挿入する方法の問題点に対する解決策として提案されたものの、軟質容器と可撓性のシート状フレームを溶着する際の解決策に限定されたものである。すなわち、容器材料とシートフレーム材料との溶着には、容器内面が凹凸を有していても支障がないが、容器材料とフィルター要素とを直接溶着しようとする場合には、容器内面の凹凸が溶着不良を起こす危険があり、必ずしも満足すべきものではなかった。
欧州特許出願公開第0526678号明細書 特開平11−216179号公報 特開平7−267871号公報 国際公開第95/17236号パンフレット
本発明の課題は、濾過時に生ずる入り口側の陽圧によってフィルター要素が出口側容器に押しつけられ、さらに出口側の陰圧によって出口側容器がフィルター要素に密着しても、血液の流れが阻害される恐れのない可撓性の血液処理フィルターを提供するとともに、耐圧性、耐剥離性に優れ、濾過時の圧力や遠心操作時のストレスに対しても十分な強度を持つ可撓性の血液処理フィルターを提供することにある。さらにはスクイージング操作やポンプによる急速濾過で発生する更に高い圧力にも耐えて、リークや破裂や剥離を生じない可撓性の血液処理フィルターを提供する事にある。
発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、出口側容器と接する最下流の位置に特定の特性を有するフィルター要素を特定の厚みで配置すると、可撓性容器を有する血液処理フィルターにおいて、血液の流れが阻害されないことを見出し、本発明に至った。また、出口側容器と接する最下流の位置に特定の特性を有するフィルター要素を特定の厚みで配置すると、フレーム溶着型、容器溶着型のいずれのフィルターにおいても、血液の流れが阻害されないばかりか耐圧性、耐剥離性の面において格段に優れた特性を発揮しうることを見出し、さらに驚くべきことには、入口側の重力落差がほぼ無くなってからも良好な血液の流れを維持することで、濾過終了間際の回収時間を短縮できることを見出し、本発明に至った。
また、本発明者らは耐圧性、耐剥離性に関する研究をさらに進めた結果、可撓性のシート状フレームまたは可撓性容器とフィルター要素との接合部位において、フィルター要素の一部がシート状フレームまたは容器の材料によって包埋されたごとき複合材料様の層を形成し、かつ該複合材料層の厚みが一定の範囲にあるとき、耐剥離性、耐破裂性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、血液の入口と出口とを有する可撓性容器と、血液から好ましくない成分を除去するためのシート状フィルター要素とからなり、血液の入口と出口とがフィルター要素によって隔てられている血液処理フィルターにおいて、該シート状フィルター要素は、血液から凝集物を除去するための第一のフィルター要素、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素、第二のフィルター要素と出口側容器との間に配置され、厚み1cmに換算した時の通気度が3〜40cc/cm/秒である第三のフィルター要素とを含み、該第三のフィルター要素の厚みが0.04〜0.25cmであり、シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と可撓性容器とが一体化されて形成されたシール区域を有し、シール区域の断面は、血液の入口側から出口側にかけて、入口側可撓性容器材料のみからなる層、入口側可撓性容器材料とフィルター要素材料とが混在している入口側複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層、出口側可撓性容器材料とフィルター要素材料とが混在している出口側複合材料層、出口側可撓性容器材料のみからなる層の、少なくとも5層からなり、入口側複合材料層、出口側複合材料層の厚みが、いずれも0.15〜0.4mmであることを特徴とする血液処理フィルターに関するものである(以下、本発明における「容器溶着型複合層フィルター」と称することがある。)。
この血液処理フィルターは、シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と可撓性容器とが一体化されて形成された第一のシール区域と、第一のシール区域の外側全周に渡って入口側可撓性容器と出口側可撓性容器とが一体化されて形成された第二のシール区域と、第一のシール区域と第二のシール区域との間に非シール区域とを有することが好ましい。
また本発明は、血液の入口と出口とを有する可撓性容器と、血液から好ましくない成分を除去するためのシート状フィルター要素と、可撓性容器とシート状フィルター要素との間に配置された少なくとも1枚の可撓性のシート状フレームとからなり、血液の入口と出口がフィルター要素および少なくとも1枚のシート状フレームによって隔てられている血液処理フィルターにおいて、該フィルター要素が、血液から凝集物を除去するための第一のフィルター要素、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素を含み、シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と少なくとも1枚のシート状フレームとが接合された第一のシール区域と、第一のシール区域の外側全周に渡って入口側可撓性容器、少なくとも1枚のシート状フレーム、および出口側可撓性容器が一体化されて形成された第二のシール区域とを有し、第一シール区域の断面は、シート状フレーム材料のみからなる層、シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層の、少なくとも3層からなり、複合材料層の厚みが、0.15〜0.4mmであることを特徴とする血液処理フィルターにも関するものである(以下、本発明における「フレーム溶着型複合層フィルター」と称することがある。)。
本発明は、このような「フレーム溶着型複合層フィルター」において、シート状フィルター要素が、血液から凝集物を除去するための第一のフィルター要素、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素、第二のフィルター要素と出口側容器との間に配置され、厚み1cmに換算した時の通気度が3〜40cc/cm/秒であって、厚みが0.04〜0.25cmである第三のフィルター要素とを含むことが好ましい。
なお、以下「容器溶着型複合層フィルター」を「容器溶着型血液処理フィルター」と称することがある。同様に、「フレーム溶着型複合層フィルター」を「フレーム溶着型血液処理フィルター」と称することがある。また、「容器溶着型複合層フィルター」と「フレーム溶着型複合層フィルター」を総称して「複合層フィルター」と称することがある。
以上のとおり、本発明により、第三のフィルター要素の通気度と厚みを選択することで、濾過時に生ずる入口側の陽圧や、出口側の陰圧によってフィルター要素が出口側容器に密着しても、血液の流れが阻害される恐れのない可撓性血液処理フィルターを提供することができた。また、本発明では、厚みが0.15〜0.4mmの複合材料層を形成することによって、耐圧性、耐剥離性に優れ、濾過時の圧力や遠心操作時のストレスに対して十分な強度を持つ可撓性血液処理フィルターを提供することができた。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の血液処理フィルターの全体的形状は、矩形状、菱形状、円盤状、長円板状などのいずれでも良いが、フィルター製造時の材料ロスを少なくするためには、矩形状および菱形状が好ましい。なお、ここでは、正方形も矩形に含めることとする。
本発明に用いる可撓性容器は、可撓性の合成樹脂製のシート状または円筒状成型物から形成されるのが好ましく、更に熱可塑性樹脂であることが好ましい。
血液の入口と出口は、射出成型などの方法によりあらかじめ可撓性容器と一体化して形成させてもよく、あるいは、押し出し成型されたシート状フィルムや円筒状のフィルム成型物に穴やスリットを形成し、ここに、別途射出成型や押出成型などにより成型された入口用と出口用の部品を、接着剤やヒートシールあるいは高周波溶着などの公知の技術によって、液密かつ連通させた状態で接続させても良い。蒸気滅菌時に容器変形が起こりにくく、製造工程が容易であるという理由から後者がより好ましい。
また、フィルターがシート状フレームを有するときには、シート状または円筒状のフィルムとシート状フレームとの間に、血液の入口及び出口となりうる管状物を挿入して貼り合わせることにより、形成しても良い。
また、シート状または円筒状のフィルムに管状物を含む入口用及び出口用の部品を液密に取り付ける場合、入口用及び出口用の部品の材質は、シート状または円筒状のフィルムと同質でも良く、別の材質でも良い。別の材質であるとき、入口と出口がそれぞれシート状または円筒状のフィルムと隙間無く液密に接合可能で取扱性等に支障がなければ、材質は特に限定されない。しかし、大量生産に適するヒートシールや高周波溶着により接合する場合は、シート状または円筒状のフィルムと熱的及び電気的性質が近いものが好ましい。
軟質塩化ビニルのような誘電率の比較的高い材料同士の場合には高周波溶着により好適な接合が可能であり、ポリオレフィンのような誘電率が低く低融点の材料同士の場合にはヒートシールにより好適な接合が可能である。
本発明の可撓性容器またはフレーム状シートは、フィルター要素と熱的及び電気的性質が類似したものが良い。例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体またはその水添物等の熱可塑性エラストマー、及び、熱可塑性エラストマーとポリオレフィン、エチレン−エチルアクリレート等の軟化剤との混合物等が好適な材料として挙げられる。好ましくは、軟質塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、及び、これらを主成分とする熱可塑性エラストマーであり、更に好ましくは軟質塩化ビニル、ポリオレフィンである。
本発明の三要素フィルターに用いるシート状フィルター要素は、血液から凝集物を除去するための第一のフィルター要素、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素、第二のフィルター要素と出口側容器との間に配置され、厚み1cmに換算したときの通気度が3〜40cc/cm/秒である第三のフィルター要素とを含み、該第三のフィルター要素の厚みが0.04〜0.25cmであることが必要である。複合層フィルターにおいては、シート状フィルター要素が上記第一、第二、第三のフィルター要素を含むことは必ずしも必要ではないが、複合材料層の形成が容易になることから、第一、第三のフィルター要素を含むことが好ましい。
ここで通気度とは、日本工業規格JIS L−1096, 6.27.1 A法(1992年版)に規定されている試験によって測定された空気の通過量(cc/cm/秒)を指し、厚み1cmに換算したときの通気度とは、第三フィルター要素の厚みをcm単位で表し、これを通気度に乗じた値をいう。
またここで言う厚みとは、日本工業規格JIS B7503(1992年版)に規定されている方法に従い、測定子の直径10mmのダイヤルゲージを用いて、測定力1.5Nで測定した値をさす。
第三フィルター要素が複数の構成要素、例えば複数枚の不織布や織布等からなる場合には、個々の通気度と厚みを測定し、厚み1cmに換算したときの通気度を求める。本発明では、この値が3〜40cm/秒の範囲に入るものの厚みの合計が0.04〜0.25cmであることが必要である。例えば、通気度が3〜40cc/cm/秒の範囲に入るフィルター要素の間に通気度が3cc/cm/秒未満、あるいは40cc/cm/秒を超えるフィルター要素が挿入されていても、それは本発明の範疇である。
なお、第三フィルター要素の繊維径や孔径が極めて大きい場合、一枚の厚みが極めて薄い場合など、前記試験の標準的な方法では第三フィルター要素1枚の通気度を測定し難い場合があるが、この様な場合には複数枚を積層したり、通気度を測定する試験片の面積の一部をマスクして測定した後、1枚当たり、標準面積当たりの数値に換算する。
この第三フィルター要素の存在により、フィルター入口側の陽圧及びフィルター出口側の陰圧によってフィルター要素が出口側容器と密着した状態であっても、第二のフィルター要素を通過した血液が血液出口に向かう際、血液が第三フィルター要素内をフィルター要素の厚み方向に対して直角の方向に流れることが出来、濾過や回収に掛かる時間を短縮することが出来る。
厚み1cmに換算したときの通気度が3cc/cm/秒未満の場合には、第二フィルター要素を通過した血液の上記直角方向の流れが十分に得られず、濾過時間、特に回収時間が長くなってしまう。また、40cc/cm/秒を超える場合には、十分な耐圧性、耐剥離性が得られない場合があり、不適である。
厚み1cmに換算したときの通気度は3.5〜10cc/cm/秒の範囲がより好ましく、4〜9cc/cm/秒の範囲が最も好ましい。
また、第三のフィルター要素の厚みが0.04cm未満の場合には、上記直角方向の流れが不十分となり、濾過時間が延びる為、不適である。逆に第三のフィルター要素の厚みが0.25cmを超える場合には、濾過時間や回収時間の短縮効果がそれ以上得られなくなるか、むしろ第三フィルター要素自身の抵抗が大きくなることによって、却って濾過時間、特に回収時間が延びる傾向を示すとともに、いたずらに血液製剤のロスを増大させる結果になる。
第三のフィルター要素の厚みは0.05〜0.20cmであることがより好ましく、0.06〜0.15cmであることが最も好ましい。
本発明のフィルター要素には、不織布や織布、メッシュなどの繊維状多孔性媒体や、三次元網目状連続細孔を有する多孔質体などの公知の濾過媒体を用いることができる。これらの素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、等が挙げられる。
第一のフィルター要素と第二のフィルター要素には通常、繊維径や孔径が違うものを組み合わせて用いる。例えば、入口側に繊維径が数〜数十μmのフィルター材を凝集物除去の為の第一のフィルター要素として配置し、次に繊維径が0.3〜3.0μmのフィルター材を白血球を除去するための第二のフィルター要素として配置し、更に下流側に第三のフィルター要素を積層して用いる。
第一、第二、第三のフィルター要素は、それぞれが更に複数種類のフィルター要素から構成されていても良い。その場合、第一、第二フィルター要素については、第二要素の最も繊維径が小さい部位から入口及び出口に向かって、段階的または連続的に繊維径が大きくなるように配置することが好ましい。
三次元網目状連続細孔を有する多孔質体を第一、第二フィルター要素に用いる場合も同様に、第二要素の最も孔径が小さい部位から入口及び出口に向かって、段階的または連続的に孔径が大きくなるように配置することが好ましい。
同様に第三フィルター要素については、第二フィルター要素と接する部位から、出口側容器と接する部位に向かって段階的または連続的に厚み1cmに換算したときの通気度が大きくなるように配置することが好ましい。
また、本発明の容器溶着型フィルターにおける第一のシール区域、並びに本発明のフレーム溶着型フィルターにおける第一のシール区域(以下両者を総称して「第一のシール区域」と称する場合もある)の形成、即ち可撓性の容器またはフレーム状シートとフィルター要素の周縁部近傍との接合は、高周波溶着、超音波溶着による内部溶着、ヒートシールによる外部溶着などの方法で行うことが出来る。容器またはフレーム状シートとフィルター要素が共に誘電率の比較的高い材料同士の場合には高周波溶着が好ましく、いずれか一方の誘電率が低く、共に低融点の材料同士の場合にはヒートシールが好ましい。
また、第一のシール区域は、フィルター要素の最外周縁部に形成させても、最外周縁部よりもやや内側、例えば数mm入った箇所に形成させても良い。後者であれば、第一のシール区域の外側に、シールされないフィルター要素が数mm程度の幅で残存することになるので、確実にシールができ安定性に優れるため、より好ましい。
第一のシール区域では、全てのフィルター要素が可撓性容器またはシート状フレームと一体化されている必要はない。本発明の三要素フィルターにおいては、少なくとも第二のフィルター要素、及び第二のフィルター要素と接する第一のフィルター要素の一部、第二のフィルター要素と接する第三のフィルター要素の一部は一体化されていることが好ましく、全てのフィルター要素が一体化されていることがさらに好ましい。一体化されるべき第一のフィルター要素及び第三のフィルター要素は、一体化される容器またはシート状フレームの厚みに対して50〜1,000%の厚みを有することが好ましく、70〜500%であることがより好ましく、100〜250%であることがさらに好ましい。なお、容器またはシート状フレームの厚みは、本来接合される前の第一のシール区域相当部位の厚みで定義されるべきものであるが、接合された後でも、シール区域に隣接する容器材料またはシート状フレーム材料の、シール区域より内側の部位の厚みをもって、第一のシール区域相当部位の厚みに代えても良い。
また本発明の容器溶着型複合層フィルターにおいては、第一シール区域の断面が、血液の入口側から出口側にかけて、入口側容器材料のみからなる層、入口側容器材料とフィルター要素材料とが混在している入口側複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層、出口側容器材料とフィルター要素材料とが混在している出口側複合材料層、出口側容器またはシート状フレームのみからなる層の、少なくとも5層からなり、入口側複合材料層、出口側複合材料層の厚みが、ともに0.15〜0.4mmである。
また、フレーム溶着型複合層フィルターにおいては、第一シール区域の断面が、シート状フレーム材料のみからなる層、シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層の、少なくとも3層からなり、複合材料層の厚みが、0.15〜0.4mmである。1枚のシート状フレームとフィルター要素とを接合する場合には、シート状フレームをフィルター要素の上流側に配置させても、下流側に配置させても良い。前者の場合には、当該シール区域の断面は、血液の入口側から出口側にかけて、シート状フレーム材料のみからなる層、シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層の、少なくとも3層が観察される。後者の場合には、血液の入口側から出口側にかけて、フィルター要素材料のみからなる層、シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、シート状フレームのみからなる層の、少なくとも3層が観察される。
2枚のシート状フレームにフィルター要素を挟み、血液の入口側から出口側にかけて、入口側シート状フレーム材料のみからなる層、入口側シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層、出口側シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、出口側シート状フレーム材料のみからなる層の5層からなる第一シール区域を形成させても良い。
この場合、入口側シート状フレームと出口側シート状フレームの少なくともいずれか一方が、入口側と出口側の両方の可撓性材料と一体化されて第二のシール区域を形成することが必要である。そして、容器と一体化されているシート状フレーム側に主としてストレスがかかることから、該第二のシール区域を形成するシート状フレームとフィルター要素とを主たる構成要素とする複合材料層の厚みが0.15〜0.4mmであることが必要である。第二のシール区域を形成しないシート状フレームとフィルター要素とを主たる構成要素とする複合材料層については、その厚みは必ずしもこの範囲になくとも良い。
本発明で、複合材料層は、容器材料あるいはシート状フレーム材料が溶融して、相対的に溶融しにくいフィルター要素材料の空隙に入り込んで、フィルター要素の繊維あるいは多孔質体を包埋したような層を形成することが望ましい。
複合材料層の厚みは、0.15〜0.4mmであることが必要である。
複合材料層の厚みが0.15mmよりも小さい場合は十分な耐剥離性、耐破裂性を示さない。
前述したように、容器またはフレーム材料として広く用いられている軟質ポリ塩化ビニルやポリオレフィン等は、フィルター要素として広く使われているポリエステル繊維やポリウレタン多孔質体などの材料に対して殆ど接着性を有さない。
容器溶着型のフィルターにおける入口側複合材料層を軟質ポリ塩化ビニルからなる容器材料と、ポリエステル繊維からなる第一フィルター要素とから高周波溶着技術を用いて形成させる場合を例にとって、当該複合材料層の製造法とその特徴を説明する。出口側容器材料、フィルター要素、入口側容器材料の高周波溶着による接合は、これらの材料を積層して、高周波溶着用の金型に挟み、一定の圧力でプレスした後、高周波電流を印可する。高周波によって加熱された軟質ポリ塩化ビニルは軟化・溶融し、プレス圧力の作用によって第一フィルター要素の繊維の空隙に入り込んでゆく。この時第一フィルター要素は繊維が溶融する温度にまで十分に加熱されておらず、且つ容器材料よりも融点が高いため、繊維は溶融せずに残存し、その空隙に容器材料が入り込んで、繊維を容器材料で包埋したがごとき複合材料層が形成される。一方、内部のフィルター要素、例えば本発明における第二のフィルター要素は、フィルター要素全体の厚みに対してほぼ中央の部位から昇温し始める傾向を有する。この結果、当該フィルター要素は、入口側から容器材料が侵入してくるよりも早く高周波加熱によって融点に達し融け始め、やがて上記複合材料層と出会うまで融け広がる。出口側においても同様の経過を経て複合材料層が形成される結果、最終的に5層からなる第一シール区域が形成されるに至る。
複合材料層の厚みは、容器材料の侵入速度と、フィルター要素の溶融速度とのバランスによって決定される。しかし、フィルター要素が繊維径や孔径の異なる複数種類のフィルター要素からなる場合には、繊維径や孔径によって容器材料の侵入速度が影響を受けるため、複合材料層の厚みは、高周波溶着の条件以外にも多くの要因が関連した、極めて複雑な現象の結果として決定される。したがって、所望の複合材料層の厚みを形成するための条件は、予め実験によって求めておくのが望ましい。
フレーム溶着型フィルターの場合にも、シート状フレーム材料とフィルター要素材料とから、同様に第一シール区域を形成することができる。
以上のような経過を経て形成された複合材料層において、繊維を取り囲む容器材料あるいはシート状フレーム材料が繊維に対して接着性を有さない場合、容器またはシート状フレームをフィルター要素から剥がそうとする力に対しては、フィルター要素と容器材料あるいはシート状フレームとがどれだけ強く噛み込みあっているかが重要であり、その強さは複合材料層の厚みと一定の関係があると考えられる。この為本発明の検討当初は、複合材料層の厚みが大きい程強いと予想されたが、意外なことに複合材料層の厚みが0.4mmよりも大きくなると、時として耐圧性に劣る場合があること、つまり耐圧性・耐剥離性がばらつくことが分かった。この為、複合材料層の厚みは0.4mm以下であることが必要である。
複合材料層の厚みは、0.18〜0.35mmがより好ましく、0.23〜0.33が最も好ましい。また、入口側複合材料層の厚みと出口側複合材料層の厚みは近いことが好ましく、両者の差は0.1 mm以下であることが好ましく、0.05mm以下がより好ましい。
フィルター要素の構成や高周波溶着条件の選択次第では、容器材料の侵入速度がフィルター要素の溶融速度を上回り、第二要素が融け広がる前に、容器材料が第一フィルター要素への侵入を完了してしまう場合がある。通常、白血球を除去するための第二フィルター要素は、第一フィルター要素に対してはるかに小さい繊維径や孔径を有しており、溶融した容器材料と言えども容易にはその中に侵入して行くことが出来ない。その結果、第一フィルター要素と第二フィルター要素との間に、侵入してきた容器材料が滞留して形成されたかのごとき、容器材料のみからなる層が観察される場合がある。この場合には、本来接着性を有さない容器材料と第二フィルター要素とが面で接することになり、耐圧性、耐剥離性が低下してしまう。
従って、複合材料層とフィルター要素のみからなる層との界面において、半分は容器材料に包埋され、半分は第二フィルター要素と溶融しあって埋まり込んでいるがごとき、第一フィルター要素の繊維が存在することが好ましい。この様な場合には、第一シール区域の断面において、複合材料層とフィルター要素のみからなる層との境界線が、ミクロに複雑に入り組んだ構造 (以下、「アンカー構造」と称することがある)を呈する。以上、繊維からなる第一フィルター要素内においてアンカー構造が形成される場合を例に説明したが、アンカー構造は、第二フィルター要素や第三フィルター要素内に形成されていても良く、また、三次元網目状連続細孔を有する多孔質体からなるフィルター要素内で形成されていても良い。
複合材料層の厚みの測定は、第一シール区域において、最も剥離し易い傾向を示す箇所を予め特定しておき、その断面を切り出した後、走査電子顕微鏡で反射電子像を観察する方法、走査電子顕微鏡観察とエネルギー分散型X線分析(EDX: Energy Dispersive X-Ray Analysis) を併用する方法、複合材料層を形成する材料の一方を選択的に溶解する溶剤を塗布する等のエッチング処理を施してから走査電子顕微鏡やレーザー顕微鏡で観察する方法等、種々の方法で行うことが出来る。アンカー構造を観察する場合には、走査電子顕微鏡で反射電子像を観察する方法が適する。容器溶着型フィルターにおいて、剥離し易い箇所を特定するには、血液の出口を鉗子で閉じた後に血液入口から加圧空気を送り込んで破裂させるのが簡便である(以下、バースト試験と称することがある)。
フレーム溶着型のフィルターに関しては、シート状フレームに該フレームと同一または類似のシート状材料を接合して、一旦容器溶着型フィルターと同様の構造を形成して、バースト試験を行う方法、インストロン型の万能引っ張り圧縮試験機を用いて第一シール区域各部における剥離強度を測定する方法等がある。第一シール区域は数mmの幅を有することが一般的であるが、当該幅内において複合材料層の厚みが異なる場合には、アンカー構造が観察される部位の厚みを数点測定し、その平均値をとる。アンカー構造の特定が困難な場合には、最大厚みを示す部位の値を複合材料層の厚みとする。
第一のシール区域の幅は、1〜6mmが好ましく、2〜5mmがより好ましく、3〜4mmが更に好ましい。1mm未満では接着部分が線のようになり、高圧蒸気滅菌や粗暴な取り扱い等によってシール性を充分保てない危険がある。6mmより大きいときは、高周波溶着やヒートシール等によって硬化傾向を有する当該シール区域の幅が大きくなりすぎるために、可撓性容器としての特性を一部失うことになり好ましくない。
本発明のフレーム溶着型血液処理フィルターに用いるシート状フレームは通常、可撓性のシート状成型物から、第一のシール区域内側の有効濾過部分に相当する部分を切り取ったり、打ち抜く等して削除し、額縁状の形状にしたものを指す。射出成型によって、初めから額縁状の形状に成型したものでも良い。ここで言う額縁状とは、その形状を矩形状に限定するものではなく、可撓性容器や有効濾過部分の形状に合わせて、菱形や円や長円の外周を縁取った様な形状であっても構わない。
シート状フレームは、血液の入口側または出口側のいずれか一方に配置されていることが必要であるが、入口側及び出口側の双方に配置されていても良い。シート状フレームの内側近傍はフィルター要素の外周近傍と一体化されて第一のシール区域を形成することが必要である。また、該フレームの外周部は入口側容器及び出口側容器と一体化されて、第二のシール区域を形成することが必要であるが、該フレームを入口側、出口側の双方に配置する場合、いずれか一方が入口側容器及び出口側容器と一体化されて第二のシール区域を形成して血液の入口と出口とがフィルター要素とシート状フレームとによって隔てられていれば良く、双方ともに容器と一体化されて第二のシール区域を形成することは必ずしも必要ない。フィルター要素と容器は該シート状フレームを媒介して間接的に接合され、フィルター要素最上流部と入口側容器、シート状フレームに囲まれ、ここに血液入口が連通した上流室、フィルター要素最下流部と出口側容器、シート状フレームに囲まれ、ここに血液出口が連通した下流室とが形成され、血液の入口、出口がフィルター要素及びシート状フレームによって隔てられたフィルターが形成される。
第二のシール区域を形成させるに際しては、高周波溶着、超音波溶着による内部溶着、ヒートシールによる外部溶着、溶剤による接着などの公知の方法を適用することが出来るが、可撓性容器が誘電率の比較的高い材料の場合には高周波溶着が好ましく、誘電率が低く低融点の材料の場合にはヒートシールが好ましい。
第二のシール区域の幅は1〜10mmであることが好ましく、2〜5mmがより好ましい。1mm未満の場合には、シールの信頼性が十分に保てない場合があり、溶着幅を必要以上に増やすことは材料の使用量がかさむことから10mm以下が好ましい。
本発明の容器溶着型フィルターにおいては、シール区域の外側に、入口側可撓性容器材料と出口側可撓性容器材料とを全周に渡って一体化させた、第二のシール区域を形成させても良い。この場合、第二のシール区域と区別する目的で、容器とフィルター材料とを一体化したシール区域を容器溶着型フィルターにおける第一のシール区域と称することもある。濾過操作時の誤操作や粗暴な取り扱い、遠心操作のストレス等によって、もしも第一のシール区域が破損してリークを生じた場合にも、医療従事者が感染の危険にさらされたり、血液製剤が雑菌によって汚染されることを防止できることから、容器溶着型フィルターにおいても、第二のシール区域を形成させることが好ましい。
さらに、容器溶着型フィルターにおいては、第一のシール区域と第二のシール区域との間に非シール区域が存在することが、より好ましい。この際、非シール区域の幅は1〜30mmが好ましい。非シール区域を存在させることで、第一のシール区域にリークが生じた場合でも、容易にリークを検出することができる。
本発明の可撓性容器は、フィルム状シートから形成しても、円筒状フィルムから形成しても良いが、フィルム状シートから血液処理フィルターを構成する場合、二枚のフィルムシートの間にフィルター要素を挟むこともできるし、また一枚のフィルムシートを折り曲げて、その間にフィルター要素を挟むこともできる。
なお、容器溶着型のフィルターにおいては、一枚のフィルム状シートを折り曲げて、その間にフィルター要素を挟んで第一のシール区域を形成させた場合、全周に渡って第二のシール区域を形成せずとも、解放している三方のみをシールすれば上記の目的を達成することが出来るが、これも本発明の範疇である。また、円筒状のフィルムの内側にフィルター要素を挟んで第一のシール区域を形成させる場合、容器溶着型のフィルターにおいては、全周に渡って第二のシール区域を形成せずとも、解放している二方のみをシールすれば上記の目的を達成することが出来るが、これもまた本発明の範疇である。
本発明の血液処理フィルターの一実施態様を図に示すが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
図1は、本発明による容器溶着型血液処理フィルターの断面模式図である。血液入口(a)の付いた樹脂製シートからなる入口側可撓性容器(b)と、血液出口(e)の付いた樹脂製シートからなる出口側可撓性容器(d)、血液から好ましくない成分を除去するためのフィルター要素(c)から構成され、血液の入口(a)と出口(e)がフィルター要素(c)によって隔てられている血液処理フィルター(m)に於いて、フィルター要素(c)は入口側可撓性容器と出口側可撓性容器とに挟まれて、その周縁部近傍が全周に渡って可撓性容器と溶着一体化された第一のシール区域(f)を形成しており、その外側には入口側可撓性容器と出口側可撓性容器とを溶着することにより一体化した第二のシール区域(i)が形成されている。第一のシール区域(f)はフィルター要素(c)の最外周縁部よりもやや内側で形成され、第一のシール区域(f)の外側のシールされない非シール区域(h)にはシールされないフィルター要素(g)が残存している。また、フィルター要素(c)は第一のフィルター要素(j),第二のフィルター要素(k)、第三のフィルター要素(l)からなっている。
図2は、フレーム溶着型血液処理フィルターの断面模式図である。図2には、入口側と出口側の双方にシート状フレームが配置され、出口側シート状フレームのみが第二のシール区域で容器と一体化されている血液処理フィルターを例示した。図2において、図1に対応する部材には同じ符号が付されている。
血液の入口(a)と出口(e)、入口側可撓性容器(b)と出口側可撓性容器(d)、血液から好ましくない成分を除去するためのシート状フィルター要素(c)、入口側可撓性容器(b)とシート状フィルター要素(c)との間に配置された入口側の可撓性シート状フレーム(o)、および出口側可撓性容器(d)とシート状フィルター要素(c)との間に配置された出口側可撓性シート状フレーム(n)からなり、血液の入口(a)と出口(b)がフィルター要素(c)、および出口側のシート状フレーム(n)によって隔てられている血液処理フィルターにおいて、シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と2枚のシート状フレームとが接合された第一のシール区域(f)と、第一のシール区域の外側全周に渡って入口側可撓性容器、出口側シート状フレーム、および出口側可撓性容器が一体化されて形成された第二のシール区域(i)とが形成されている。第一のシール区域(f)はフィルター要素(c)の最外周縁部よりもやや内側で形成され、第一のシール区域(f)の外側には、シールされないフィルター要素が残存(g)している。かくして、フィルター要素(c)最上流部と入口側容器(b)、出口側シート状フレーム(n)に囲まれ、ここに血液入口(a)が連通した上流室(A)と、フィルター要素(c)最下流部と出口側容器(e)、出口側シート状フレーム(n)に囲まれ、ここに血液出口(e)が連通した下流室(B)とが形成され、血液の入口、出口がフィルター要素および出口側シート状フレームによって隔てられた血液処理フィルターが形成されている。
なお図2においては、分かりやすくするために、第一シール区域および第二シール区域においてそれぞれのシート等は離間して示したが、実際にはこれらの要素相互は溶着一体化されているものである。
また、図2には、血液入口及び出口を第二シール区域に取り付ける例を示したが、フレーム溶着型の血液処理フィルターであっても血液入口及び出口は、図1と同様に可撓性容器に直接取り付けても良い。
図3は、図1および図2のような血液処理フィルターの第一シール区域から試験片を切り出したときの断面を示す模式図の一例である。入口側容器またはシート状フレーム材料のみからなる層(p)、入口側容器またはシート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している入口側複合材層(q)、フィルター要素材料のみからなる層(r)、出口側容器またはシート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している出口側複合材料層(s)、出口側容器またはシート状フレームのみからなる層(t)の5層からなっており、それぞれの厚みは、入口側容器またはシート状フレーム材料のみからなる層(p)0.15mm、入口側容器またはシート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している入口側複合材料層(q)0.25mm、フィルター要素材料のみからなる層(r)0.9mm、出口側容器またはシート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している出口側複合材料層(s)0.23mm、出口側容器またはシート状フレームのみからなる層(t)0.16mm、第一シール区域全体の厚みが1.69mmである。
以下、実施例に基づき、本発明の白血球除去フィルターについて詳細に説明するが、本発明は、これらによって範囲を限定されるものではない。
測定方法
(1)回収時間及び血液ロス量の測定
本発明の血液処理フィルターを、処理前血液貯流バッグと処理後血液回収バッグとの間に配置し、処理前血液貯流バッグに接続した入口側導管を血液処理フィルターの血液入口(a)へ、処理後血液回収バッグに接続した出口側導管を血液処理フィルターの血液出口(e)へそれぞれ接続した。また、それぞれの導管として、内径3mm、外径4.2mmの塩化ビニル製のチューブを使用し、長さは50cmとした。入口側導管と出口側導管の、それぞれ中央にY字管を取付けそれらを繋ぐバイパス導管を取り付けた。また、処理前血液貯流バッグには血液を流入させるための血液流入導管を接続し、システムを作製した。
入口側導管、バイパス導管を鉗子で閉じた後、血液流入導管から処理前血液貯流バッグへCPD(Citrate-Phosphate-Dextrose)添加牛濃厚赤血球液250mlを入れ、その後、血液流入導管は根元からヒートシールし切り離した。
システム全体を吊り下げ、また、処理後血液回収バッグを天秤の上に静置した後、入口側導管を閉じている鉗子を開放し、濾過を開始した。処理前血液貯流バッグの血液は重力により流出し血液処理フィルター(m)を通過して処理後血液回収バッグに回収される。血液処理の最中には、上記重力の作用により血液処理フィルター(m)の入口側が風船状に膨らんだ状態となった。
やがて、処理前血液貯流バッグの血液が空となるが、この時点では、圧力の作用により膨らんだ血液処理フィルター(m)の中に血液が残存している。この残存している血液は重力の作用により処理後血液回収バッグに回収される。この処理前血液貯流バッグが空になってから、処理後血液回収バッグの重量増加が止まり血液処理フィルター(m)の中に残存している血液の回収が終了するまでを回収時間とする。
回収が終了した後、出口側導管に取り付けられたY字管と血液処理フィルター(m)の間を鉗子で閉じ、処理後血液回収バッグをスクイージングしながらバイパス導管を閉じていた鉗子を開放して処理後血液回収バッグの空気を処理前血液貯流バッグへ押し上げ、処理後血液回収バッグの空気を全て出したところで再びバイパス導管を鉗子で閉じた。その後、出口側導管に取り付けられたY字管と血液処理フィルター(m)の間の鉗子を開放し、システムを静置すると、処理前血液貯流バッグへ押し上げられた空気が流れ込んでエアリンスが開始され、入口側導管の中の血液及び第一フィルター要素(j)に含浸している血液に相当する分の体積だけ、処理後血液回収バッグ中の血液量が増す。エアリンスの後に血液処理フィルター(m)及び導管に残存する血液量を、処理前血液量と処理後血液量の差として求め、これを、血液ロス量とする。
(2)容器強度の測定
第一のシール区域を横切るように、カッターで二カ所(長さ約20mm)に切れ目を入れた。第一のシール区域の内側、即ち有効濾過部に30mm程度入った部分に、第一のシール区域と平行に切れ目を入れて試験片を切り出し、かみそり刃を用い、第一のシール区域切断面の凹凸を削り表面の平滑を出し、第一のシール区域の長さを3点ノギスで測定し,その平均値を第一のシール区域の長さとした。
その際、容器溶着型血液処理フィルターでは、有効濾過部側の容器及びフィルター要素は切り離さずに付属させておいた。第二のシール区域を有する場合には、第一のシール区域の強度のみ測定するため、非シール区域で容器を切り離した。有効濾過部側の入口側と出口側の容器を、第一のシール区域から10mm有効濾過部側の位置でつかみ具にて固定し、上下方向に10mm/minの速度で引っ張り、第一のシール区域を引き剥がすような力を加えた。
また、シート状フレームを用いたフレーム溶着型の血液処理フィルターでは、有効濾過部側につかみ治具に固定するに十分な量のシート状フレーム材料が無いため、同一の材料をシート状フレームの有効濾過部側に接着した上で、これをつかみ治具ではさみ上記と同様に試験を行った。
上記試験に於いて、完全に容器が引き剥がされるまでの力の最大値を、切り出した第一のシール区域の長さを用い、第一のシール区域の長さ1mm当りの力(N/mm)に換算し、値を比較した(以下、剥離強度と称する)。剥離強度の測定は、Orientec製Universal Testing Machine RTC-1250を使用し、室温23℃にて行った。
(3)複合材料層の厚み測定方法
第一のシール区域の断面を観察するために、有効濾過部から第二シール区域にかけて、第一のシール区域を垂直に横切るようにカッターナイフを入れて試験片を切り出し、第一シール区域の断面が平滑になるようにかみそり刃で、表面の凹凸を削った。この様にして作成したサンプルを、走査電子顕微鏡を用いて反射電子像を観察する方法で写真撮影し、写真から複合材料相の厚みを読みとった。なお、厚みは第一のシール区域の幅に対して数点測定し、アンカー構造部分の平均値、または一番厚い部分を複合材料相の厚みとした。
(4)バースト試験方法
容器溶着型フィルターについては、フィルターの第二のシール区域を切除するか、あえて第二のシール区域を形成させないフィルターを作成し、第一シール区域の外側にあるフィルター要素の端部を露出させた状態にした。血液出口を鉗子で閉じ、血液入口に導管を接続した後、フィルターを水中に没して導管から0.08MPaの圧力の空気を注入し、第一シール区域が剥離して空気が漏れ始めるまでの時間を測定し、それを破裂時間とした。
シート状フレームを用いたフレーム溶着型のフィルターに関するバースト試験は、フィルター要素が目詰まりした状態を擬似的におこすため、フィルター要素の入口側のシート状フレームにシート状フレームと同一材質のフィルムを貼り付けてこのバースト試験を行った。
[実施例1]
第二のシール区域の外側の寸法よりも、縦、横ともに20mm大きく切断し、血液の入口、出口を接着する部分に該入口、出口の内径と同等以上の直径を有する孔を空けた厚み0.037cmの可撓性のポリ塩化ビニル樹脂製シートを準備した。また、導管の外径とフィットする内径を有する、射出成形により成形されたポリ塩化ビニル樹脂製の血液の入口用部品及び出口用部品を準備した。前記ポリ塩化ビニル樹脂製シートの孔に前記入口用及び出口用部品をそれぞれ高周波溶着して、図1に示すような、血液の入口(a)の付いた入口側の可撓性容器(b)、及び、血液の出口(e)の付いた出口側の可撓性容器(d)を作製した。
フィルター要素(c)としては、以下に記すポリエステル製不織布を積層して用いた。第一のフィルター要素(j)として、平均繊維径が12μm、目付が30g/mの不織布(1)を4枚、第二のフィルター要素(k)として、平均繊維径1.7μm、目付が66g/mの不織布(2)を1枚、平均繊維径1.2μm、目付が40g/mの不織布(3)を25枚、不織布(2)と同一の不織布1枚の合計27枚を、そして、第三のフィルター要素(l)として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を4枚積層して厚み0.114cmとしたものを、この順に積層した。以上のようにして作製した、三種のフィルター要素からなる積層物を91mm×74mm(長方形)に切断しフィルター要素(c)とした。これらの可撓性容器(b、d)とフィルター要素(c)とを、入口側可撓性容器(b)、フィルター要素(c)、出口側可撓性容器(d)の順に重ね合わせ、濾過部寸法が75mm×58mm、第一のシール区域の幅(f)が3mmとなるように高周波溶着法を用いて第一のシール区域を形成させた。第一のシール区域の形成に当たっては、予め剥離強度を試験し、上記のフィルター要素(c)を使用した時に最も剥離強度が大きくなる条件を用いて高周波溶着を実施した。フィルター要素の最外周からさらに3mm離れた外側の部位に、入口側容器と出口側容器を第二のシール区域の幅(i)が4mmとなるように高周波溶着法を用いて第二のシール区域を形成させ、第二のシール区域の外側に出ている容器材料は切り外した。
このようにして得られた血液フィルターを、前述の回収時間及び血液ロス量の測定方法に従って検査し、回収時間、血液ロス量の値を得た。また、前述の容器強度の測定方法によって剥離強度を測定した。それぞれの試験は5回繰り返しその平均値を結果とした。結果を表1に示す。
[実施例2]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を3枚積層して厚み0.057cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を9枚積層して厚み0.171cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を12枚積層して厚み0.228cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が3.2cc/cm/秒であり1枚の厚み0.022cmの不織布を4枚積層して厚み0.088cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例6]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が3.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.021cmの不織布を5枚積層して厚み0.105cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例7]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が8.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.023cmの不織布を2枚積層して厚み0.046cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例8]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が8.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.023cmの不織布を5枚積層して厚み0.116cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例9]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が8.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.023cmの不織布を8枚積層して厚み0.185cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例10]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が9.6cc/cm/秒であり1枚の厚み0.053cmの不織布を2枚積層して厚み0.106cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例11]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が8.4cc/cm/秒であり1枚の厚み0.009cmのポリエステル製スクリーンを10枚積層して厚み0.090cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例12]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が28.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.030cmのポリエステル製スクリーンを4枚積層して厚み0.120cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例13]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が36.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.038cmのポリエステル製スクリーンを3枚積層して厚み0.114cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例14]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が36.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.038cmのポリエステル製スクリーンを5枚積層して厚み0.190cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例15]
シート状フレームを有すること及び下記に記載すること以外は、実施例1と同じ方法で図2のようなフィルターを作製し、回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。入口側及び出口側容器材料とフィルター要素は実施例1と同じ方法で準備した。出口側シート状フレーム材料としては、入口側及び出口側容器材料と同じ外寸を持つポリ塩化ビニル樹脂製シート(n)を使用し、その内側は第一のシール区域(f)の内側に3mmはみ出すフレームを残し、切り抜いた。入口側シート状フレーム(o)は、第一のシール区域(f)の内側、外側ともに3mmずつフレームがはみ出す寸法とした。出口側及び入口側シート状フレーム材料の間にフィルター要素を配置し高周波溶着法により第一のシール区域を形成し、更に出口側シート状フレーム側に出口側容器材料を、入口側シート状フレーム側に入口側容器材料を被せ、実施例1と同様に第二のシール区域を高周波溶着法により形成し、第二のシール区域の外側に出ている容器材料及びシート状フレーム材料を切り外した。結果を表1に示す。
表1
[比較例1]
第三のフィルター要素を用いなかったこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例2]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を1枚積層したこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例3]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を2枚積層して厚み0.038cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例4]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が4.5cc/cm/秒であり1枚の厚み0.019cmの不織布を15枚積層して厚み0.285cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例5]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が8.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.023cmの不織布を1枚積層して厚み0.023cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例6]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が8.8cc/cm/秒であり1枚の厚み0.023cmの不織布を12枚積層して厚み0.276cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例7]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が2.2cc/cm/秒であり1枚の厚み0.044cmの不織布を1枚積層して厚み0.044cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例8]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が2.2cc/cm/秒であり1枚の厚み0.044cmの不織布を2枚積層して厚み0.088cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例9]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が0.038cc/cm/秒であり1枚の厚み0.042cmの不織布を2枚積層して厚み0.042cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例10]
第三のフィルター要素として、厚み1cmに換算した時の通気度が0.038cc/cm/秒であり1枚の厚み0.042cmの不織布を3枚積層して厚み0.126cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例11]
第三のフィルター要素の代わりに、厚み1cmに換算した時の通気度が0.038cc/cm/秒であり1枚の厚み0.042cmの不織布を5枚積層して厚み0.208cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例12]
第三のフィルター要素の代わりに、開孔部の一辺が2.8mm、繊維径が500μm、開孔率77%のポリオレフィン製スクリーンを1枚積層して厚み0.090cmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法でフィルターを作製し回収時間、血液ロス量及び剥離強度を測定した。
当該スクリーンの厚み1cmに換算した時の通気度を測定しようとしたが、当該値が大きすぎて測定出来なかった。当該通気度は積層枚数及び試験片の測定面積から推定する時、少なくとも100 cc/cm/秒以上の値になるものと考えられた。結果を表2に示す。
表2
[実施例16]
射出成形により成形されたポリ塩化ビニル樹脂製の血液入口(a)、出口(e)をそれぞれ、接着部分に孔を空けた軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シート(b)、(d)と高周波溶着して、図1に示すような、入口(a)の付いた入口側容器材料(b)、及び出口(e)の付いた出口側容器材料(d)(寸法:120mm×100mm)を作成した。フィルター要素(c)として、ポリエステル製不織布を次の構成で積層したものを用いた。第一のフィルター要素として、平均繊維径が12μm、目付が30g/mの不織布(不織布(1))を4枚、第二のフィルター要素として、平均繊維径1.7μm、目付が66g/mの不織布(不織布(2))を1枚と、平均繊維径1.2μm、目付が40g/mの不織布(不織布(3))を25枚、不織布(2)を1枚の計27枚、第三のフィルター要素として、不織布(1)1枚、合計32枚積層した。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.019cmである。積層したフィルター要素を85mm×68mmに切断し、フィルター要素 (c)とした。これらの可撓性容器材料(b,d)とフィルター要素(c)とを、図1に示すように重ね合わせ、第一のシール区域(f)が3mmとなるように高周波溶着法により溶着した。試験上の手間を軽減するため、第二のシール区域はあえて形成させなかった。この様にして作成したフィルター15個を3群に分け、複合材料層の厚み,剥離強度,破裂時間を各5個ずつ測定した。5個の結果の平均を表3に示す。
[実施例17]
第三フィルター要素として不織布(1)を2枚用いた以外は実施例1と同様の方法でフィルターを作成し、実施例16と同じ試験を行った。5個の平均値を表3に示す。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.038cmである。
[実施例18]
第三フィルター要素として不織布(1)を4枚用いた以外は実施例1と同様の方法でフィルターを作成し、実施例16と同じ試験を行った。5個の平均値を表3に示す。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.076cmである。
[実施例19]
第三フィルター要素として不織布(1)を6枚用いた以外は実施例1と同様の方法でフィルターを作成し、実施例16と同じ試験を行った。5個の平均値を表3に示す。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.114cmである。
[実施例20]
第三フィルター要素として不織布(1)を8枚用いた以外は実施例16と同様の方法でフィルターを作成し、実施例1と同じ試験を行った。5個の平均値を表3に示す。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.0152cmである。
[実施例21]
第三フィルター要素として不織布(1)を4枚用い、第二のフィルター要素のうち不織布(3)を32枚にしたこと以外は実施例16と同様の方法でフィルターを作成して、実施例1と同じ試験を行った。5個の平均値を表3に示す。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.076cmである。
[実施例22]
第一のフィルター要素として、不織布(1)を4枚、第二のフィルター要素として、不織布(2)を1枚、不織布(3)を25枚、不織布(2)1枚の計27枚、第三のフィルター要素として、不織布(1)4枚、合計35枚積層した。なお、第三フィルター要素の厚み1cmに換算した時の通気度は4.5cc/cm/秒であり、厚みは0.076cmである。積層したフィルター要素を85mm×68mmに切断し、フィルター要素とした。外寸85mm×68mm、内寸69mm×52mmの額縁状に切り抜いた入口側シート状フレームと、外寸120mm×100mm、内寸69mm×52mmの額縁状に切り抜いた出口側シート状フレームとでフィルター要素を挟みこれらのシート状フレームとフィルター要素とを重ね合わせ、第一のシール区域の幅が3mmとなるように高周波溶着法により溶着した。その後、入口の付いた入口側容器材料(120mm×100mm)、及び出口の付いた出口側容器材料(120mm×100mm)で、出口側シート状フレームを挟み、第二のシール区域の内寸が91mm×74mm、幅が3mmとなるように高周波溶着した。この様にして作成したフィルター15個を3群に分け、複合材料層の厚み,剥離強度,破裂時間を各5個ずつ測定した。5個の結果の平均を表3に示す。
表3
[比較例13]
第三フィルター要素を用いず、出口側の不織布(1)を0枚にし出口側の複合材料層の厚みが0.1mm以下になるように高周波溶着条件を選んだ。これらの点以外は実施例1と同様の方法でフィルターを作成して、実施例1と同じ試験を行った。5個の平均値を表4に示す。
[比較例14]
市販のフレーム溶着型フィルターを入手し、複合材料層の厚み,剥離破壊強さ,破裂時間を測定した。本フィルターは、図2に示すように入口側、出口側の双方にシート状フレームが配置され、このうち出口側シート状フレームのみが容器と接合されて第二シール区域が形成されたものであるが、第二シール区域を形成する出口側シート状フレームの複合材料層が0.15mmに満たないものであった。測定方法の項で説明したように、剥離破壊強さ、破裂時間の測定に先立って、シート状フレームには、該フレームと同一の素材である軟質ポリ塩化ビニル製シートを貼り付けて、これらの試験が行えるようにした。結果を表4に示す。

表4

以上のとおり、本発明により、第三のフィルター要素の通気度と厚みを選択することで、濾過時に生ずる入口側の陽圧や、出口側の陰圧によってフィルター要素が出口側容器に密着しても、血液の流れが阻害される恐れのない可撓性血液処理フィルターを提供することができた。また、本発明では、厚みが0.15〜0.4mmの複合材料層を形成することによって、耐圧性、耐剥離性に優れ、濾過時の圧力や遠心操作時のストレスに対して十分な強度を持つ可撓性血液処理フィルターを提供することができた。
本発明の容器溶着型血液処理フィルターの断面模式図を示す。 本発明のフレーム溶着型血液処理フィルターの断面模式図を示す。 本発明の第一シール区域の断面模式図を示す。

Claims (11)

  1. 血液の入口と出口とを有する、少なくとも軟質塩化ビニルとポリオレフィンと熱可塑性エラストマーのいずれからなる可撓性容器と、血液から好ましくない成分を除去するための、少なくともポリプロピレンとポリエチレンとポリエステルとポリウレタンのいずれからなるシート状フィルター要素とからなり、血液の入口と出口とがフィルター要素によって隔てられている血液処理フィルターにおいて、該シート状フィルター要素は、血液から凝集物を除去するための第一のフィルター要素、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素、第二のフィルター要素と出口側容器との間に配置され、厚み1cmに換算した時の通気度が3〜40cc/cm2/秒である第三のフィルター要素とを含み、該第三のフィルター要素の厚みが0.04〜0.25cmであり、該第一、第三のフィルター要素には該第二のフィルター要素に対して繊維径または孔径が大きいものを用い、シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と可撓性容器とが一体化されて形成されたシール区域を有し、シール区域の断面は、血液の入口側から出口側にかけて、入口側可撓性容器材料のみからなる層、入口側可撓性容器材料とフィルター要素材料とが混在している入口側複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層、出口側可撓性容器材料とフィルター要素材料とが混在している出口側複合材料層、出口側可撓性容器材料のみからなる層の、少なくとも5層からなり、入口側複合材料層、出口側複合材料層の厚みが、いずれも0.15〜0.4mmであることを特徴とする血液処理フィルター。
  2. シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と可撓性容器とが一体化されて形成された第一のシール区域と、第一のシール区域の外側全周に渡って入口側可撓性容器と出口側可撓性容器とが一体化されて形成された第二のシール区域と、第一のシール区域と第二のシール区域との間に非シール区域とを有する請求項1記載の血液処理フィルター。
  3. 血液の入口と出口とを有する、少なくとも軟質塩化ビニルとポリオレフィンと熱可塑性エラストマーのいずれからなる可撓性容器と、血液から好ましくない成分を除去するための、少なくともポリプロピレンとポリエチレンとポリエステルとポリウレタンのいずれからなるシート状フィルター要素と、可撓性容器とシート状フィルター要素との間に配置された少なくとも1枚の可撓性のシート状フレームとからなり、血液の入口と出口がフィルター要素および少なくとも1枚のシート状フレームによって隔てられている血液処理フィルターにおいて、該フィルター要素が、血液から凝集物を除去するための第一のフィルター要素、第一のフィルター要素の下流に配置された白血球を除去するための第二のフィルター要素、第二のフィルター要素と出口側容器との間に配置され、厚み1cmに換算した時の通気度が3〜40cc/cm 2 /秒である第三のフィルター要素とを含み、該第三のフィルター要素の厚みが0.04〜0.25cmであり、該第一、第三のフィルター要素には該第二のフィルター要素に対して繊維径または孔径が大きいものを用い、シート状フィルター要素の周縁部近傍全周と少なくとも1枚のシート状フレームとが接合された第一のシール区域と、第一のシール区域の外側全周に渡って入口側可撓性容器、少なくとも1枚のシート状フレーム、および出口側可撓性容器が一体化されて形成された第二のシール区域とを有し、第一シール区域の断面は、シート状フレーム材料のみからなる層、シート状フレーム材料とフィルター要素材料とが混在している複合材料層、フィルター要素材料のみからなる層の、少なくとも3層からなり、複合材料層の厚みが、0.15〜0.4mmであることを特徴とする血液処理フィルター。
  4. 入口側可撓性容器材料またはシート状フレーム材料と第一のフィルター要素を主たる構成要素とする入口側複合材料層を含む請求項記載の血液処理フィルター。
  5. 出口側可撓性容器材料またはシート状フレーム材料と第三のフィルター要素を主たる構成要素とする出口側複合材料層を含む請求項3または4記載の血液処理フィルター。
  6. 入口と出口が、入口側可撓性容器あるいは出口側可撓性容器とシート状フレームとの間に配置され、第二のシール区域を横切るように容器の内と外とを連通し、かつ第二のシール区域と液密に接続されている請求項3〜のいずれかに記載の血液処理フィルター。
  7. 可撓性容器がシート状成型物から形成されてなる請求項1〜のいずれかに記載の血液処理フィルター。
  8. 可撓性容器が円筒状の成型物から形成されてなる請求項1〜のいずれかに記載の血液処理フィルター。
  9. 成型部品からなる入口及び出口が可撓性容器に液密に接続されてなる請求項1〜のいずれかに記載の血液処理フィルター。
  10. 入口、出口が軟質ポリ塩化ビニルからなる請求項1〜のいずれかに記載の血液処理フィルター。
  11. 入口、出口がポリオレフィンからなる請求項1〜のいずれかに記載の血液処理フィルター。
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