JP4912090B2 - インペラ及びインペラを用いた燃料ポンプ - Google Patents
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Description
このインペラは、通常、ポンプケーシング内に回転可能に収容されて使用される。ポンプケーシング内面には、インペラの凹所群に対向する領域を上流端から下流端まで伸びる溝が形成される。インペラがポンプケーシング内に収容されると、インペラの各凹所と、ポンプケーシング内面に形成された溝によって燃料流路が形成される。インペラがポンプケーシング内で回転すると、燃料流路内に燃料が吸入される。燃料流路内に吸入された燃料は、インペラの回転による遠心力を受けて、インペラの凹所とポンプケーシングの溝との間で旋回しながら、ポンプケーシングの溝を上流側から下流側へ流れる。これによって、燃料が昇圧され、昇圧された燃料が燃料流路の下流端からポンプケーシング外に吐出される。
この燃料ポンプは、凹所の前側の壁面の内周側の面が凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面において凸状となるように形成されているので、インペラの回転時に燃料が凹所内にスムーズに流入する。したがって、このインペラによれば、燃料の流れの乱れが抑制され、好適に燃料を昇圧することができる。
このような構成によれば、凹所内によりスムーズに燃料を流入させることができる。
このような構成によれば、凹所内から凹所外への燃料の流れがスムーズとなり、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によれば、凹所内への燃料の流入がスムーズなものとなり、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によれば、インペラの回転方向前側から後側に向かって凹所の開口の面積が徐々に増大するため、凹所内によりスムーズに燃料を流入させることができる。
このような構成によれば、インペラの回転時に凹所外から凹所内および凹所内から凹所外への燃料の流れがスムーズになるので、燃料の流れの乱れを抑制することができる。
このような構成によれば、インペラの回転方向前側から後側に向かって凹所の開口面積が徐々に増大するため、凹所内によりスムーズに燃料を流入させることができる。
このような構成によれば、凹所内によりスムーズに燃料を流入させることができる。
このような構成によれば、インペラの回転時に凹所内から凹所外へ燃料がスムーズに流出する。
このような構成によれば、凹所内へ流入する燃料の流体抵抗と凹所内から凹所外へ流出する燃料の流体抵抗が好適な関係となり、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によれば、隔壁が均一な厚さで形成されている場合に比べて凹所の内周側の幅が広くなっているので、凹所内に燃料が流入する際の流体抵抗が低くなる。したがって、凹所内によりスムーズに燃料を流入させることができる。
このような構成によれば、インペラの回転時に凹所内を開口から底方向に向かって流れる燃料が、好適に流れの向きを変える。したがって、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によれば、インペラの回転時に凹所内を開口から底方向に向かって流れる燃料が、好適に流れの向きを変える。したがって、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によれば、インペラの回転時に凹所内を開口から底方向に向かって流れる燃料が、凹所の底面に好適に案内されて流れの向きを変える。したがって、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によると、凹所内から凹所外へ流れる燃料と、凹所内から連通孔内に流れる燃料とが互いに作用して燃料の流れが乱れることを抑制することができる。また、凹所外から凹所内へ流入する燃料は、インペラの回転方向より後側の底面に案内されて流れの向きを変え、凹所内から凹所外へ流出する。このため、凹所内の燃料の流れをスムーズにすることができる。
このような構成によると、凹所内の燃料がスムーズに連通孔内に流れることができる。
このような構成によると、凹所の内周側から凹所内に流入した燃料が凹所の内周側の底面に案内されるため、凹所内の燃料の流れがスムーズとなる。
このような構成によると、凹所内に流入する燃料が内周側壁面に案内されて凹所内をスムーズに流れることができる。
このインペラは、略円盤状であって、表面及び裏面に、周方向に繰返す凹所群が形成されており、各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部と内周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凸状に形成されており、中間部と外周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凹状に形成されており、各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部と内周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凹状に形成されており、中間部と外周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凸状に形成されている。
このインペラによれば、インペラの回転時に凹所外から凹所内および凹所内から凹所外へ燃料がスムーズに流れるので、燃料の流れの乱れを抑制することができる。
このインペラは、略円盤状であって、表面及び裏面に、周方向に繰返す凹所群が形成されており、各凹所の開口部は、隣接する凹所間の隔壁が内周端と外周端の中間部から内周端に向かうに従って薄くなるよう形成されている。
このインペラによれば、隔壁が均一な厚さで形成されている場合に比べて凹所の内周側の幅が広くなっているので、凹所内により多くの燃料を流入させることができる。
このインペラは、略円盤状であって、表面及び裏面に、周方向に繰返す凹所群が形成されており、各凹所の底面は、平面状に形成されており、インペラ表面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、少なくとも底近傍においては、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面においてインペラの回転方向に傾斜する直線となるように形成されており、その直線部分とインペラ表面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、インペラ裏面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、少なくとも底近傍においては、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面においてインペラの回転方向に傾斜する直線となるように形成されており、その直線部分とインペラ裏面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、各凹所において、底面と前記直線部分とのなす角度βと前記角度αとの和が180度未満となることを特徴とする。
このインペラによれば、インペラの回転時に凹所内を開口から底方向に向かって流れる燃料が、凹所の底面に好適に案内されて流れの向きを変える。したがって、凹所内の燃料の流れをよりスムーズなものとすることができる。
このような構成によると、凹所内から凹所外へ流れる燃料と、凹所内から連通孔内に流れる燃料とが互いに作用して燃料の流れが乱れることを抑制することができる。
このような構成によると、凹所内の燃料がスムーズに連通孔内に流れることができる。
このような構成によれば、ポンプ効率の高い燃料ポンプを構成することができる。
(形態1)ウエスコポンプは、略円盤状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するポンプケーシングを有している。
(形態2)インペラの表面及び裏面には、周方向に繰返す凹所群が形成されている。
(形態3)各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面において凸状の曲線となるように形成されている。
(形態4)各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部がインペラの回転方向に対して内周端及び外周端よりも後側に位置するように形成されており、各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部がインペラの回転方向に対して内周端及び外周端よりも後側に位置するように形成されている。
(形態5)各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端がインペラの回転方向に対して最も前側に位置するように形成されており、各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端がインペラの回転方向に対して最も前側に位置するように形成されている。
(形態6)各凹所の開口部は、インペラの回転方向に対して前側の壁面と内周側壁面とのなす角度が60度以下となるように形成されている。
(形態7)各凹所の開口部は、インペラの回転方向に対して前側の壁面と内周側壁面とが滑らかに接続され、インペラの回転方向に対して前側の壁面と外周側壁面とが滑らかに接続されるように形成されており、これによって各凹所の開口部では、インペラの回転方向に対して前側の壁面と外周側壁面とが半径R1の円弧状に接続され、前側壁面と内周側壁面とが半径R1よりも小さい半径R2の円弧状に接続されている。
(形態8)各凹所の開口部は、隣接する凹所間の隔壁が内周端と外周端の中間部から内周端及び外周端に向かうに従って薄くなるよう形成されている。
(形態9)各凹所の底面は、外側壁面及び内側壁面と滑らかな曲面によって接続されている。
(形態10)各凹所の底面は、インペラの回転方向に対して後側の壁面と滑らかな曲面によって接続されている。
(形態11)インペラ表面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、底近傍においては、インペラの回転方向に傾斜してインペラ表面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、インペラ裏面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、底近傍においては、インペラの回転方向に傾斜してインペラ裏面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、各凹所の底面と前側壁面とのなす角度βが90°となっている。
(形態12)インペラには、表面の凹所の底面とその凹所と対応するインペラの裏面の凹所とを連通する連通孔が凹所毎に形成されており、各連通孔は各凹所の底面のインペラの回転方向に対して中間部よりも前側に開口している。
(形態13)各連通孔のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、インペラの厚み方向中間部よりも表面側の領域では、表面の凹所の後側壁面の底近傍と略同一角度で傾斜しており、インペラの厚み方向中間部よりも裏面側の領域では、裏面の凹所の後側壁面の底近傍と略同一角度で傾斜している。
(形態14)各連通孔は、各凹所の底面の外周端と内周端の中間部よりも外周側における開口面積が、中間部よりも内周側における開口面積より大きい。
(形態15)各凹所の内周側壁面は、インペラの外周側から内周側に向かう方向においては、内周側に傾斜している。
図1に示すウエスコポンプ10は、自動車等の燃料タンク中の燃料に浸漬された状態で使用され、燃料タンク内の燃料をエンジンに圧送する。
図1に示すように、ウエスコポンプ10は、モータ部12とポンプ部14がハウジング16内に収容されて構成されている。モータ部12は回転子18を有する。回転子18は、シャフト20と、シャフト20に固定されている積層鉄芯22と、積層鉄芯22に巻かれている図示されていないコイルと、そのコイルの端部が接続されている整流子24を有している。シャフト20は、ハウジング16に対して、軸受26,28によって回転可能に支持されている。ハウジング16の内側には、回転子18を取囲むように、永久磁石30が固定されている。ハウジング16の上部に取り付けられたトップカバー32には、図示されない端子が設けられており、モータ部12に電気が供給される。モータ部12に電気を供給すると、ブラシ34と整流子24を介してコイルに電流が流れ、回転子18が回転し、シャフト20も回転する。また、トップカバー32には、吐出ポート48が形成されている。
インペラ50は、ポンプケーシング39内に収容されている。インペラ50の上面50a及び下面50bは平面状に形成されている。図2、図3に示すように、インペラ50の中心には、断面略D字形の貫通孔52が形成されている。貫通孔52には、シャフト20の下端が係合されている。これによって、インペラ50はシャフト20の軸方向に移動可能である一方で、シャフト20に対して相対回転不能となっている。したがって、シャフト20が回転するとインペラ50も回転する。図2に示すように、インペラ50の下面50bには、外周に沿って周方向に連続する凹所群54,54,・・・が設けられている。図3に示すように、インペラ50の上面50aには、外周に沿って周方向に連続する凹所群56,56,・・・が設けられている。各凹所56は、インペラ50の上面50aに形成されている凹所54とそれぞれ対応する位置に形成されている。
前側壁面54aと外周側壁面54cは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、前側壁面54aの開口端線55aと外周側壁面54cの開口端線55cは半径R1よりも大きい半径R2の円弧によって接続されている。
後側壁面54bと内周側壁面54dは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、後側壁面54bの開口端線55bと内周側壁面54dの開口端線55dは円弧によって接続されている。
後側壁面54bと外周側壁面54cは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、後側壁面54bの開口端線55bと外周側壁面54cの開口端線55cは円弧によって接続されている。
すなわち、凹所56の前側壁面56aは、開口56e近傍(図7の56g)では凸状の球面に形成されており、これによって、前側壁面56aの開口端線57aは円弧となっている。前側壁面56aは、開口56eにおいては内周端Gと外周端Hの中間部Iがインペラ50の回転方向に対して最も後ろ側に位置し、内周端Gがインペラ50の回転方向に対して最も前側に位置するように形成されている。
凹所56の後側壁面56bは、インペラ50の内周側から外周側に向かう方向においては、凹状の円弧形状となるように形成されている。したがって、後側壁面56bの開口端線57bは円弧となっている。後側壁面56bは、開口56eにおいては、内周端Jと外周端Kの中間部Lがインペラ50の回転方向に対して最も後ろ側に位置し、内周端Jがインペラ50の回転方向に対して最も前側に位置するように形成されている。
凹所56の外周側壁面56cは、インペラ50の外周面に平行(すなわち、インペラ50の回転軸を軸心とする円筒面と略平行)であり、インペラ50の上面50aに対して垂直(図9参照)な平面状に形成されている。したがって、外周側壁面56cの開口端線57cは略直線状となっている。
凹所56の内周側壁面56dは、インペラ50の外周面に平行(すなわち、インペラ50の回転軸を軸心とする円筒面と略平行)であり、インペラ50の内周側にインペラ50の厚み方向に対して角度ψだけ傾斜(図9参照)した平面状に形成されている。したがって、内周側壁面56dの開口端線57dは略直線状となっている。
前側壁面56aと内周側壁面56dは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、前側壁面56aの開口端線57aと内周側壁面56dの開口端線57dは半径R1の円弧によって接続されている。前側壁面56a及び内周側壁面56dは、開口56eにおける角度θが約40°(60°以下)となるように形成されている。前側壁面56aと外周側壁面56cは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、前側壁面56aの開口端線57aと外周側壁面56cの開口端線57cは半径R2の円弧によって接続されている。後側壁面56bと内周側壁面56dは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、後側壁面56bの開口端線57bと内周側壁面56dの開口端線57dは円弧によって接続されている。後側壁面56bと外周側壁面56cは滑らかな曲面によって接続されている。これによって、後側壁面56bの開口端線57bと外周側壁面56cの開口端線57cは円弧によって接続されている。
各凹所56を隔離する各隔壁59は、インペラ50の内周側から外周側へ向かう方向において、内周端と外周端の中間部が厚く、中間部から内周端及び外周端に向かうに従って薄くなるように形成されている。
また、凹所56の後側壁面56bは、インペラ50の厚み方向においては、断面がインペラ50に対して角度A(反凹所側の角度がA)だけ傾斜した直線状に形成されている。また、凹所56の前側壁面56aの開口近傍56gは、点62を中心とした凸状の球面に形成されている。凹所56の前側壁面56aの底近傍56hは、インペラ50の厚み方向においては、断面がインペラ50に対して角度A(反凹所側の角度がA)だけ傾斜した直線状に形成されている。したがって、インペラ50の厚み方向においては、前側壁面56aの底近傍56hと後側壁面56bは略同一角度で傾斜している。また、インペラ50の厚み方向の略中間部近傍には、凹所56の底面56fが形成されている。底面56fは、後側壁面56b及び前側壁面56aの底近傍56hに対して略直角となる平面状に形成されている。底面56fと後側壁面56bは、R状の曲面によって滑らかに接続されている。
また、上述したように、凹所56の外周側壁面56cは、インペラ50の上面50aに対して略垂直であり、インペラ50の回転軸を軸心とする円筒面と略平行な平面状に形成されている。また、上述したように、凹所56の内周側壁面56dは、内周側にインペラ50の厚み方向に対して角度ψだけ傾斜しており、インペラ50の回転軸を軸心とする円筒面と略平行な平面状に形成されている。また、凹所56の底面56fは、インペラ50の内周側から外周側に向かう方向においては、インペラ50の上面50aと略平行となるよう形成されている。外周側壁面56cと底面56fは曲面によって滑らかに接続されている。内周側壁面56dと底面56fも曲面によって滑らかに接続されている。
上述したように、前側壁面54aは、内周端Aがインペラ50の回転方向に対して最も前側に位置し、中間部Cが最も後側に位置するように形成されている。また、後側壁面54bも、内周端Dがインペラ50の回転方向に対して最も前側に位置し、中間部Eが最も後側に位置するように形成されている。また、凹所54は、開口54eにおいては、前側壁面54aと内周側壁面54dとのなす角度が40°(60°以下)となるように形成されている。また、前側壁面54aと内周側壁面54dは滑らかな曲面によって接続されており、これによって前側壁面54aの開口端線55aと内周側壁面54dの開口端線55dが半径R1の円弧によって接続されている。したがって、燃料がスムーズに溝40aから凹所54内に流入し、燃料の流れの乱れが抑制される。
また、上述したように、各凹所54を隔離する各隔壁53は、インペラ50の内周側から外周側へ向かう方向において、内周端ADと外周端BEの中間部CFが厚く、中間部CFから内周端ADに向かうに従って薄くなるよう形成されている(図4参照)。このように隔壁53が形成されているので、隔壁53を均一な厚さで形成した場合に比べて凹所54の内周端の幅(図4の矢印DA)が大きくなっている。したがって、燃料の流入時の流体抵抗が低くなり、凹所54内に多くの燃料を導入することができる。
なお、本実施例では、各凹所54を隔離する各隔壁53は、中間部CFから外周端BEに向かうに従って薄くなるよう形成されているが、この形状はインペラ50の製造時の制約によるものであるので、外周端BEは薄く形成されていなくてもよい。
また、上述したように、凹所54の前側壁面54aの開口近傍54gは、インペラ50の厚み方向においては、図7に示すように凸状の球面に形成されている。したがって、燃料は図5の矢印Oに示すようにスムーズに溝40aから凹所54内に流入し、燃料の流れの乱れが抑制される(燃料の流れが前側壁面54aの開口近傍54gから剥離することが抑制され、燃料の流れの乱れが抑制される。)。
また、上述したように、凹所54の底面54fは、外周側壁面54c及び内周側壁面54dと曲面によって滑らかに接続されている。したがって、図10の矢印Pに示すように燃料がスムーズに流れの向きを変え、燃料の流れの乱れが抑制される(燃料の流れに淀みが発生することが抑制される)。
また、上述したように、凹所54の底面54fは、インペラ50の厚み方向においては、後側壁面54b及び前側壁面54aの底近傍54hに対して略直角となる平面状に形成されている(図7参照)。また、底面54fは、後側壁面56bとR状の曲面によって滑らかに接続されている。したがって、図7の矢印Uに示すように、燃料がスムーズに流れの向きを変え、燃料の流れの乱れが抑制される(燃料の流れに淀みが発生することが抑制される)。
上述したように、前側壁面54aと外周側壁面54cは滑らかな曲面によって接続されており、これによって前側壁面54aの開口端線55aと外周側壁面54cの開口端線55cが半径R2(>半径R1)の円弧によって接続されている。このように、凹所54が形成されているので、燃料の流出時の流体抵抗が流入時(図4の矢印N)に比べて低くなり、凹所54内の燃料がスムーズに溝40aに流出することができる。したがって、凹所54内での燃料の流れの乱れが抑制される。
上述したように、連通孔58は、底面54fのインペラ50の回転方向に対して前側近傍(すなわち、前側壁面54aと後側壁面54bとの中間(IX−IX線)より前側(図8参照))に開口している。また、連通孔58は、底面54fの外周側に偏った位置に開口することによって、底面54fのインペラ50の内周側から外周側へ向かう方向における中間線CLより外周側における連通孔58の開口面積が、中間線CLより内周側における開口面積より大きくなっている。このように連通孔58が形成されているので、凹所54及び溝40a内で旋回する燃料の流れと、凹所54から連通孔58に流入する燃料の流れとが相互に作用して、凹所54内に燃料の流れの乱れが発生することが抑制される。
また、連通孔58の後側壁面58bは、インペラ50の厚み方向における中間部CSよりも下面50b側の領域では、凹所54の後側壁面54bと略同一角度で傾斜している(すなわち、インペラ50の下面50bに対して角度Aだけ傾斜している(図7参照))。したがって、凹所54から連通孔58にスムーズに燃料が流入し、燃料の流れの乱れを抑制される。
また、上述したウエスコポンプでは、各凹所の内周側壁面は、インペラの外周側から内周側に向かう方向においては、内周側に傾斜している。また、凹所の前側壁面の底近傍は、インペラに対して鋭角な角度Aで傾斜しており、各凹所の底面は、前側壁面に対して略直角となる平面状に形成されている。また、凹所の底面は、後側壁面とR状の曲面によって滑らかに接続されている。また、凹所の底面は、内側壁面及び外側壁面と滑らかな曲面によって接続されている。したがって、燃料が凹所内で淀むことなく好適に流れの向きを変え、燃料の流れの乱れが抑制される。
また、上述したウエスコポンプでは、インペラの表面の凹所とインペラの裏面の凹所を連通する連通孔は、凹所の底面のインペラの回転方向に対して中間部よりも前側に開口している。また、連通孔の後側壁面は、インペラの厚み方向中間部よりも表面側の領域では、表面の凹所の後側壁面の底近傍と略同一角度で傾斜しており、インペラの厚み方向中間部よりも裏面側の領域では、裏面の凹所の後側壁面の底近傍と略同一角度で傾斜している。また、連通孔は、各凹所の底面の外周端と内周端の中間部よりも外周側における開口面積が、中間部よりも内周側における開口面積より大きい。したがって、好適に凹所から連通孔内に燃料が流入し、燃料の流れの乱れが抑制される。
また、上述した実施例では、インペラの製造時の制約のため、隔壁53は、中間部CFから外周端BEに向かうに従って薄くなるよう形成されていたが、製造時に制約を受けない場合は、その様にインペラを形成する必要はない。例えば、凹所54(56)は、図12に示す形状に形成してもよい。図12では、前側壁面54aの内周端部Aがインペラの回転方向に対して最も前側に位置し、後側壁面54bの内周端部Dがインペラの回転方向に対して最も前側に位置するように形成されている。また、図12では、隔壁53が中間部CFから内周端ADに向かうにしたがって薄くなるように形成されている。一方、隔壁53の外周端BEは、中間部CFよりも厚く形成されている。このような形状の凹所によっても、燃料の流れの乱れを抑制することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:モータ部
14:ポンプ部
16:ハウジング
18:回転子
20:シャフト
22:積層鉄芯
24:整流子
30:永久磁石
32:トップカバー
34:ブラシ
38:吐出側ケーシング
38a:溝
38b:ケーシング面
39:ポンプケーシング
40a:溝
40b:ケーシング面
42:吸入口
43:吐出口
44:第2昇圧路
46:第1昇圧路
48:吐出ポート
50:インペラ
50a:上面
50b:下面
52:貫通孔
53:隔壁
54:凹所
54a:前側壁面
54b:後側壁面
54c:外周側壁面
54d:内周側壁面
56:凹所
56a:前側壁面
56b:後側壁面
56c:外周側壁面
56d:内周側壁面
58:連通孔
58a:前側壁面
58b:後側壁面
59:隔壁
Claims (23)
- 略円盤状のインペラと、このインペラを回転可能に収容するポンプケーシングとを有する燃料ポンプであって、
インペラの表面及び裏面に、周方向に繰返す凹所群が形成されており、
表面の各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面のうち内周端と外周端の中間部より内周側の面は、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面において凸状となるように形成されており、
裏面の各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面のうち内周端と外周端の中間部より内周側の面は、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面において凸状となるように形成されており、
ポンプケーシングの内面のうちのインペラの表面と対向する第1内面に、表面の凹所群に沿って伸びる溝が形成されており、
ポンプケーシングの内面のうちのインペラの裏面と対向する第2内面に、裏面の凹所群に沿って伸びる溝が形成されており、
インペラを回転させたときに、表面の凹所群と第1内面の溝によって形成されている空間内に燃料の第1の旋回流が形成され、裏面の凹所群と第2内面の溝によって形成されている空間内に第1の旋回流とは反対回りに旋回する燃料の第2の旋回流が形成される、
ことを特徴とする燃料ポンプ。 - 前記内周側の面は、前記縦断面において凸状の曲線となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
- 各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面のうち内周端と外周端の中間部より外周側の面が、前記縦断面において凸状となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料ポンプ。
- 各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部がインペラの回転方向に対して内周端及び外周端よりも後側に位置するように形成されており、
各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部がインペラの回転方向に対して内周端及び外周端よりも後側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料ポンプ。 - 各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端がインペラの回転方向に対して最も前側に位置するように形成されており、
各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端がインペラの回転方向に対して最も前側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料ポンプ。 - 各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部と内周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凸状に形成されており、中間部と外周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凹状に形成されており、
各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部と内周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凹状に形成されており、中間部と外周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凸状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料ポンプ。 - 各凹所の開口部は、インペラの回転方向に対して前側の壁面と内周側壁面とのなす角度が60度以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料ポンプ。
- 各凹所の開口部は、インペラの回転方向に対して前側の壁面と内周側壁面とが滑らかに接続されるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の燃料ポンプ。
- 各凹所の開口部は、インペラの回転方向に対して前側の壁面と外周側壁面とが滑らかに接続されるように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の燃料ポンプ。
- 各凹所の開口部は、インペラの回転方向に対して前側の壁面と外周側壁面とが半径R1の円弧状に接続され、前側壁面と内周側壁面とが半径R1よりも小さい半径R2の円弧状に接続されるように形成されていることを特徴とする請求項9に記載の燃料ポンプ。
- 各凹所の開口部は、隣接する凹所間の隔壁が内周端と外周端の中間部から内周端に向かうに従って薄くなるよう形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の燃料ポンプ。
- 各凹所の底面は、外側壁面及び内側壁面と滑らかな曲面によって接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の燃料ポンプ。
- 各凹所の底面は、インペラの回転方向に対して後側の壁面と滑らかな曲面によって接続されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の燃料ポンプ。
- インペラ表面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、少なくとも底近傍においては、インペラの回転方向に傾斜してインペラ表面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、
インペラ裏面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、少なくとも底近傍においては、インペラの回転方向に傾斜してインペラ裏面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、
各凹所の底面と前記壁面とのなす角度βと前記角度αとの和が180度未満となることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の燃料ポンプ。 - インペラには、表面の凹所の底面とその凹所と対応するインペラの裏面の凹所とを連通する連通孔が凹所毎に形成されており、
各連通孔は各凹所の底面のインペラの回転方向に対して中間部よりも前側に開口していることを特徴とする請求項14に記載の燃料ポンプ。 - インペラ表面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、少なくとも底近傍においては、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面においてインペラの回転方向に傾斜する直線となるように形成されており、
インペラ裏面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、少なくとも底近傍においては、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面においてインペラの回転方向に傾斜する直線となるように形成されており、
各連通孔のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、各連通孔をインペラの周方向に切断したときの縦断面において、インペラの厚み方向中間部よりも表面側の領域では、表面の凹所の後側壁面の直線部分と略同一角度で傾斜する直線となるように形成されており、インペラの厚み方向中間部よりも裏面側の領域では、裏面の凹所の後側壁面の直線部分と略同一角度で傾斜する直線となるように形成されていることを特徴とする請求項15に記載の燃料ポンプ。 - インペラには、表面の凹所の底面とその凹所と対応するインペラの裏面の凹所とを連通する連通孔が凹所毎に形成されており、
各連通孔は、各凹所の底面の外周端と内周端の中間部よりも外周側における開口面積が、中間部よりも内周側における開口面積より大きいことを特徴とする請求項14に記載の燃料ポンプ。 - 各凹所の内周側壁面は、インペラの外周側から内周側に向かう方向においては、内周側に傾斜していることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の燃料ポンプ。
- 略円盤状のインペラであって、
表面及び裏面に、周方向に繰返す凹所群が形成されており、
各凹所のインペラの回転方向に対して前側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部と内周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凸状に形成されており、中間部と外周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凹状に形成されており、
各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、開口部において、内周端と外周端の中間部と内周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凹状に形成されており、中間部と外周端との間の領域がインペラの内周側から外周側に向かう方向において凸状に形成されていることを特徴とするインペラ。 - 略円盤状のインペラであって、
表面及び裏面に、周方向に繰返す凹所群が形成されており、
各凹所の底面は、平面状に形成されており、
インペラ表面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、少なくとも底近傍においては、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面においてインペラの回転方向に傾斜する直線となるように形成されており、その直線部分とインペラ表面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、
インペラ裏面に形成された各凹所のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、少なくとも底近傍においては、各凹所をインペラの周方向に切断したときの縦断面においてインペラの回転方向に傾斜する直線となるように形成されており、その直線部分とインペラ裏面とのなす角度が鋭角な角度αとなっており、
各凹所において、底面と前記直線部分とのなす角度βと前記角度αとの和が180度未満となることを特徴とするインペラ。 - インペラには、表面の凹所の底面とその凹所と対応するインペラの裏面の凹所とを連通する連通孔が凹所毎に形成されており、
各連通孔は各凹所の底面のインペラの回転方向に対して中間部よりも前側に開口していることを特徴とする請求項20に記載のインペラ。 - 各連通孔のインペラの回転方向に対して後側の壁面は、各連通孔をインペラの周方向に切断したときの縦断面において、インペラの厚み方向中間部よりも表面側の領域では、表面の凹所の後側壁面の直線部分と略同一角度で傾斜する直線となるように形成されており、インペラの厚み方向中間部よりも裏面側の領域では、裏面の凹所の後側壁面の直線部分と略同一角度で傾斜する直線となるように形成されていることを特徴とする請求項21に記載のインペラ。
- 請求項19〜22のいずれかに記載のインペラと、このインペラを回転可能に収容するポンプケーシングとを有する燃料ポンプ。
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