JP2015169168A - 燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】羽根溝の底部を流れる燃料の旋回流の損失を低減して旋回流の流速を早くしてポンプ部効率を向上した新規な燃料ポンプを提供することにある。【解決手段】ポンプハウジングに形成した断面が円弧状の燃料流路の円弧の中心をロータの羽根が回転する領域に設定し、ロータの羽根が形成される断面が円弧状の羽根溝の円弧の中心を燃料流路の領域に設定し、燃料流路を形成する円弧の半径に対して羽根溝を形成する円弧の半径を長くした。これによれば、羽根溝の円弧の半径がポンプハウジングの燃料流路の円弧よりも長くして羽根溝部分の流路長さを短くすることで、羽根溝の底部を流れる燃料の旋回流の損失を低減してポンプ部効率を向上することができるようになる。【選択図】図3A
Description
本発明は内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射装置に用いられる燃料ポンプに係り、特にタービンロータを備えた燃料ポンプに関するものである。
一般に自動車等に搭載されている内燃機関には燃料噴射装置が設けられ、この燃料噴射装置によって内燃機関の燃焼室に燃料を供給するようにしている。この燃料噴射装置はマルチポイント方式と呼ばれ、内燃機関の吸気通路に設けた絞り弁の下流に配置された燃料噴射弁に加圧された燃料を供給し、燃料噴射弁の開弁時間を制御することによって吸入空気量に応じた量の燃料を供給するように構成されている。
この燃料噴射弁に供給される加圧燃料は、燃料タンク内に浸漬された燃料ポンプから送られてきており、このような燃料ポンプとしては、円板状のロータを回転させることにより燃料を圧送するタービンロータを備えた燃料ポンプが使用されている。
例えば、特開2004-324490号公報(特許文献1)にある燃料ポンプは、筒状のケーシングを有し、その内部には、ポンプの動力源となる電動モータと、この電動モータの出力側に連結された回転軸とが設けられている。また、ケーシングには、回転軸の先端側に位置してポンプハウジングが設けられている。そして、ポンプハウジング内には、回転軸を中心とする環状の燃料通路が画成され、この燃料通路は、ポンプハウジングに設けられた燃料の吸込口と吐出口にそれぞれ接続されている。
ポンプハウジング内には、燃料通路の内周側に位置して円板状のロータが回転可能に配置され、ロータの外周側には、燃料通路内に配置される複数の羽根が列設されている。この場合、ロータは、ポンプハウジング内に燃料の油膜を介してフローティングシールされ、ポンプハウジングと直接接触することなく、高速回転できる構成となっている。
また、ロータの中央には回転軸用の軸係合孔が設けられ、この軸係合孔は、ポンプハウジングの外部からハウジング内に挿通された回転軸の先端外周に係合されている。この場合、回転軸の係合部位とロータの軸係合孔とは、例えばD字形等の非円形の断面形状をもって形成され、これらは互いに廻止め状態で連結されている。
そして、燃料ポンプの作動時には、電動モータにより回転軸を介してロータが回転駆動されると、ロータの各羽根が燃料通路内で回転する。これにより、ロータは、吸込口から燃料通路に燃料を吸込みつつ、この燃料を燃料通路内で吐出口に向けて圧送し、外部に吐出するものである。
ところで、この種の燃料ポンプのポンプ部効率は種々の要因によって左右されるが、その1つの要因としてロータの羽根が配置されている羽根溝の形状がある。従来のロータの羽根とポンプハウジングの一部を拡大したものを図5A及び図5Bに示している。
図5A、図5Bにおいて、外側ポンプハウジング11には断面が円弧状に形成された外側燃料流路11Bが形成され、この外側燃料流路11Bは吸入口(図示せず)に接続されている。この外側燃料流路11Bは燃料の流れ方向で見て略円環状に形成されている。同様に、内側ポンプハウジング13には断面が円弧状に形成された内側燃料流路13Bが形成され、この内側燃料流路13Bは吐出口(図示せず)に接続されている。この内側燃料流路13Bも燃料の流れ方向で見て略円環状に形成されている。
外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bの一部にはポンプ隔壁が設けられており、吸入口と吐出口が連通するのを防止している。
外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13の間にはロータ18が配置されている。ロータ18を構成するロータ本体18Aの外周先端側には外環部18Bが形成されており、ロータ本体18Aとの間にポンプ作用を行う羽根20が形成されている。ここで、ロータ本体18A、羽根20及び外環部18Bとは合成樹脂によって一体成型されている。
複数の羽根20は各燃料流路11B、13Bに対応して円環状に配列されており、外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bに対向するように配置されている。図5Bに示すように、羽根20はロータ18を軸方向で見てその中央を境にして回転方向に向かって傾いて形成されており、その傾き角は約60°に設定されている。
図5Aに戻って各羽根20の間のロータ本体18Aの軸方向の中央付近には、外周側に向けて突出する突出部18Cが形成されており、この突出部18Cは断面が円弧状の羽根溝21を形成している。この羽根溝21は外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bとで夫々対となるように形成されている。尚、外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13は対称の関係であるので、以下では外側ポンプハウジング11について説明する。
図5Aにあるように、外側ポンプハウジング11に形成した燃料流路11Bの円弧状断面を有する円弧部はその半径がr1に設定され、ロータ18に形成した羽根溝21の円弧部の半径はr2に設定され、これらはr1=r2とされている。そして、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝21の円弧部を連続して接続するために、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝21の円弧部の中心Pは、ロータ18の羽根20が通過する領域上に位置する共通の中心となっている。したがって、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝21の円弧部は実質的に同心円の円弧となっている。
このような形状の外側ポンプハウジング11の燃料流路11Bでは、燃料は燃料流路11Bの円弧部に沿って旋回してロータ18の羽根溝21に流入し、更に流入した燃料は羽根溝21の円弧部に沿って旋回する。燃料は円環状の燃料通路を螺旋状に旋回しながら進行して吐出口から吐出されるものである。
しかしながら、従来のロータ18では、外側ポンプハウジング11の燃料流路11Bと羽根溝21の接続部から吐出部18Cまでの羽根溝21の円弧部の半径が短い。このため、吐出部18Cに至るまでの羽根溝21の円弧部の長さが長くなり、この部分での流れの損失が大きくなって旋回してきた燃料の移動速度が減速される現象がある。更に、羽根溝21の円弧部の曲率(1/半径)が大きい(曲がり度合いが大きい)ので、燃料の旋回流同士が衝突することにより円滑な旋回流とならず、流れの損失が大きくなる現象がある。
このような要因によってポンプ部効率の向上が阻害されており、必要とされる燃料流量を得るためには、燃料ポンプの回転数を高めることが必要となり消費電流が増加するという課題があった。特に近年では地球環境の保護の観点から、自動車で消費される電力を低減する要請が強くなってきている。
本発明の目的は、羽根溝の円弧部を流れる燃料の旋回流の損失を低減してポンプ部効率を向上した新規な燃料ポンプを提供することにある。
本発明の特徴は、ポンプハウジングに形成した円弧状断面を有する燃料流路の円弧部の中心をロータの羽根が回転する領域内に設定し、ロータの羽根が形成される断面が円弧状の羽根溝の円弧部の中心をロータの羽根が回転する領域外に設定し、燃料流路を形成する円弧部の半径に対して羽根溝を形成する円弧部の半径を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにした、ところにある。
更に望ましくは、羽根溝の円弧部の中心を燃料流路の領域内に設定し、燃料流路を形成する円弧部の半径に対して羽根溝を形成する円弧部の半径を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにした、ところにある。
本発明によれば、羽根溝の円弧部の半径をポンプハウジングの燃料流路の円弧部の半径よりも長くして羽根溝部分の流路長さを短くすることで、羽根溝の円弧部を流れる燃料の旋回流の損失を低減してポンプ部効率を向上することができるようになる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
以下、本発明の代表的な実施形態によるタービンロータ型の燃料ポンプを、添付図面に従って詳細に説明する。図1は本発明が適用されるタービンロータ型の燃料ポンプの縦断面を示し、図2はロータとポンプハウジングの一部を拡大した拡大図である。
図1において、参照1は燃料ポンプの外殻を構成する筒状のケーシングで、このケーシング1は、その軸方向両端側が後述の吐出カバー2とポンプハウジング10とにより閉塞されている。
吐出カバー2は、ケーシング1の軸方向一方側に設けられた有蓋筒状の形状を有しており、この吐出カバー2には、吐出ポート2A、コネクタ部2Bがケーシング1の外側に向けてそれぞれ突設されている。吐出カバー2の中心軸付近には、ケーシング1内に向けて延びる軸受筒2Cが設けられている。
吐出ポ−ト2A内には残圧保持用のチェック弁3が設けられており、このチェック弁3は、後述する電動モータ8の回転時に開弁し、ケーシング1内を流通する燃料を吐出ポート2Aから外部の燃料配管(図示せず)等に向けて吐出させるものである。燃料配管は図示しない燃料噴射弁に燃料を供給するように接続されている。また、チェック弁3は、電動モータ8の停止時に閉弁して燃料配管内の吐出燃料がケーシング1内に戻るのを阻止し、燃料配管内を所定の残圧状態に保持する機能を併せ有している。
ケーシング1内には回転可能に設けられた回転軸4が配置されており、この回転軸4は、例えば所定の半径を有する円柱状の金属ロッド等からなり、ケーシング1の軸線に沿って軸方向に延びると共に、その軸方向途中部位には、後述する電動モータ8の回転子8B等が取付けられている。
そして、回転軸4は、その軸方向一方側が吐出カバー2の軸受筒2Cにブッシュ5を介して回転可能に支持され、その軸方向他方側が後述する内側ポンプハウジング13の内周側にブッシュ6を介して回転可能に支持されている。
また、回転軸4の他端側はブッシュ6を介してポンプハウジング10内に突出し、この突出端側には係合軸部7が一体形成されている。これは回転軸4の軸方向他方側に設けられた係合軸部で、この係合軸部7は例えば回転軸4の外周側の一部に平面状の面取り部を形成することにより、略D字形等の非円形をなす断面形状に形成されている。
これにより、係合軸部7は面取り部の部分で断面形状が非円形となり、その周囲に位置する元々の外周面の部分で断面形状が円形となっている。そして、係合軸部7は後述するロータ18の軸係合孔19内に偏心および回転を規制された状態で係合されるものである。
ケーシング1内には電動モータ8が収容されており、この電動モータ8は吐出カバー2とポンプハウジング10との間に位置してケーシング1内に嵌合して設けられ、永久磁石からなる固定子(図示せず)を支持した筒状のヨーク8Aと、このヨーク8Aの内側に隙間をもって挿入され、回転軸4と一体的に回転するように取付けられた回転子8Bおよびコンミテ−タ8Cと、このコンミテータ8Cに摺接して電力を供給する導電性のブラシ(図示せず)等とにより構成されている。
そして、電動モータ8は、吐出カバー2のコネクタ部2Bからコンミテータ8C等を介して回転子8Bに電力が給電されると、回転子8Bが回転軸4と一体的に回転し、これによってロータ18を回転駆動するものである。また、ヨーク8Aと回転子8Bとの間には、後述するポンプハウジング10の吐出口15から吐出された燃料を吐出カバー2側に流通させる通路部9が形成されている。
ケーシング1の軸方向他方側には設けられたポンプハウジング10が設けられており、このポンプハウジング10は、外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13とを軸方向で衝き合わせすることにより構成されている。外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13には軸方向に垂直な面で、円形状の燃料通路16が形成されており、外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13の間に形成されたロータ収納部14に収納されたロータ18が回転可能に配置されている。
ケーシング1を外側から閉塞する外側ポンプハウジング11は、ケーシング1にカシメ等の手段を用いて嵌合状態で取付けられ、燃料の吸込口12が一体的に形成されている。
また、図2に示すように外側ポンプハウジング11には、ロータ18の中心側に位置して円形状の凹部11Aが形成され、ロータ18の外周側に位置する部位には、周方向に延びる断面が略半円形状の円弧に形成された外側燃料流路11Bが形成されている。この外側燃料流路11Bは円環のC字状に形成され、燃料の吸込口12が接続されている。
ケーシング1内に嵌合して設けられた内側ポンプハウジング13は、扁平な有蓋筒状体として形成され、外側ポンプハウジング11に衝き合わされる筒部13Aと、この筒部13Aの軸方向一方側を施蓋する環状の蓋部13Cとにより構成されている。そして、筒部13Aの内周側には、外側ポンプハウジング11に面して円形状のタービン収容凹部14が設けられている。また、蓋部13Cの外周側には、吐出口15が軸方向に延びて穿設されている。
図2に示すように内側ポンプハウジング13のタービン収容凹部14の外周側の部位には、周方向に延びる断面が略半円形状の円弧に形成された内側燃料流路13Bが形成されている。この内側燃料流路13Bも円環のC字状に形成され、燃料の吐出口15が接続されている。
タービン収容凹部14の外周側に位置してポンプハウジング10内に形成された環状の燃料通路16は、外側ポンプハウジング11の外側燃料流路11Bと、内側ポンプハウジング13の内側燃料流路13Bを含み、回転軸4を中心として周方向に延びる縦長な断面C字状の通路として構成されている。
そして、燃料通路16は、その始端側が吸込口12に連通し、その終端側が吐出口15に連通している。この場合、内側ポンプハウジング13には、筒部13Aの内周側からロータ18の外周に近接する位置まで径方向に突出するポンプ隔壁(図示せず)が設けられ、このポンプ隔壁は、燃料通路16を除いて吸込口12と吐出口15との間でロータ18の外周側を遮蔽している。
そして、外側ポンプハウジング11の外側燃料流路11Bと内側ポンプハウジング13の内側燃料流路13Bの間にはロータ18が配置されている。このロータ18は、例えば強化プラスチック材料によって略円板状に形成され、ポンプハウジング10のタービン収容凹部14内に回転可能に設けられている。
そして、ロータ18は、電動モータ8により回転軸4を介して回転駆動され、これによって吸込口12から燃料通路16に燃料を吸込みつつ、この燃料を燃料通路16内で吐出口15に向けて圧送する。ここで、ロータ18の外周側には、径方向に延びる多数の羽根20が周方向に列設されている。
この羽根20は、外側ポンプハウジング11の外側燃料流路11Bと内側ポンプハウジング13の内側燃料流路13Bに対向して配置されており、羽根20が回転することによりポンプ作用を行うものである。そして、ロータ18は、外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13との間にフローティングシールされ、この状態で回転軸4と一緒に回転するものである。
本実施例になるタービンロータ型の燃料ポンプは、上述の如き構成を有するもので、その動作は以下の通りである。吐出カバー2のコネクタ部2Bを通じて外部から電力の供給を行うと、電動モータ8は、回転子8Bが回転軸4と一体に回転し、ポンプハウジング10内でロータ18を回転駆動する。
燃料タンク(図示せず)内の燃料は、ロータ18が回転することによって吸込口12から燃料通路16に吸込まれる。吸い込まれた燃料は外側ポンプハウジング11の燃料流路11B、及び内側ポンプハウジング13の燃料流路13Bの円弧部に沿って旋回してロータ18の羽根溝21に流入し、更に流入した燃料は羽根溝21の円弧部に沿って旋回する。
ロータ18の各羽根20により燃料は円環状の燃料通路16を螺旋状に旋回しながら進行して昇圧され、最終的に吐出口15から吐出されるものである。ケーシング1内に吐出された燃料は通路部9を通り、吐出ポ−ト2A内に設けたチェック弁3を開弁して燃料を吐出ポート2Aから外部の燃料配管(図示せず)等に向けて吐出されるものである。
そして、上述したように図5Aに示す従来の燃料ポンプでは、外側ポンプハウジング11に形成した燃料流路11Bの円弧部の半径r1と、ロータ18に形成した羽根溝21の円弧部の半径r2は同じ長さに設定されている。そして、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝21の円弧部を連続して接続するために、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝21の円弧部の中心Pは、ロータ18の羽根部18が通過する領域上に位置する共通の中心Pになる。したがって、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝21の円弧部は実質的に同心円の円弧となっている。
しかしながら、従来のロータ18では羽根溝21の円弧部の長さが長いため、この部分での流れの損失が大きくなって、旋回してきた燃料の移動速度が減速される現象がある。更に、羽根溝21の円弧部の曲率が大きいので、燃料の旋回流同士が衝突することにより円滑な旋回流とならず流れの損失が大きくなる現象がある。
このような要因によってポンプ部効率の向上が阻害されており、必要とされる燃料流量を得るためには、燃料ポンプの回転数を高めることが必要となって消費電流が増加するという課題があった。
このような課題を解決するために、本実施例では以下に示す構成を採用したことを特徴としている。つまり、ポンプハウジング11、13に形成した円弧状断面を有する燃料流路11B、13Bの円弧部の中心をロータ18の羽根22が回転する領域に設定し、ロータ18の羽根22が形成される断面が円弧状の羽根溝23の円弧部の中心をロータ18の羽根22が回転する領域以外に設定し、燃料流路11B、13Bを形成する円弧部の半径r1に対して羽根溝21を形成する円弧部の半径r2を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにしたものである。
更に望ましくは、羽根溝の円弧部の中心を燃料流路の領域に設定し、燃料流路11B、13Bを形成する円弧部の半径r1に対して羽根溝21を形成する円弧部の半径r2を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにしたものである。
以下、本実施例の具体的な構成について図3A、図3Bを用いて詳細に説明する。図3A、図3Bにおいて、外側ポンプハウジング11には断面底部が円弧状に形成された外側燃料流路11Bが形成され、この外側燃料流路11Bは吸入口(図示せず)に接続されている。この外側燃料流路11Bは燃料の流れ方向で見て略円環状に形成されている。すなわち、回転軸4の外周方向に略円環状に形成されている。
同様に、内側ポンプハウジング13には断面底部が円弧状に形成された内側燃料流路13Bが形成され、この内側燃料流路13Bは吐出口(図示せず)に接続されている。内側燃料流路13Bは回転軸4の外周方向に略円環状に形成されている。外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bの一部にはポンプ隔壁が設けられており、吸入口と吐出口が連通するのを防止している。また、外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bは燃料の移動が進むにつれて昇圧するように円弧部の深さが浅くなっている。
外側ポンプハウジング11と内側ポンプハウジング13の間にはロータ18が配置されている。ロータ18を構成するロータ本体18Aの外周先端側には外環部18Bが形成されており、ロータ本体18Aとの間にポンプ作用を行う羽根22が形成されている。ここで、ロータ本体18A、羽根22及び外環部18Bとは合成樹脂によって一体化されている。
複数の羽根22は円環状に配列されており、外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bに対向するように配置されている。図3Bに示すように、羽根22はロータ18を軸方向で見てその中央を境にして回転方向に向かって傾いて形成されており、その傾き角は約30°〜60°に設定されている。
図3Aに戻って各羽根22の間のロータ本体18Aの軸方向の中央付近には、外周側に向けて突出する突出部18Cが形成されており、この突出部18Cは断面が円弧状の羽根溝23を形成している。この羽根溝23には燃料を案内するように上述した円弧状の円弧部が形成されている。羽根溝23は外側燃料流路11Bと内側燃料流路13Bとで夫々対となるように形成されている。
図3Aにあるように、外側ポンプハウジング11に形成した燃料流路11Bの円弧部はその半径がr1に設定され、ロータ18に形成した羽根溝23の円弧部の半径はr2に設定され、これらはr1<r2とされている。そして、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝23の円弧部を連続して接続するために、燃料流路11Bの円弧部の中心Pと羽根溝23の円弧部の中心Qは異なった位置に決められている。
すなわち、燃料流路11Bの円弧部の中心Pは従来と同様に、ロータ18の羽根22が通過する領域内に設定されている。一方、ロータ18の羽根22が形成される断面が円弧状の羽根溝23の円弧部の中心Qは、ロータ18の羽根22が回転する領域外に設定されている。
本実施例では燃料流路11Bの円弧部と羽根溝23の円弧部を連続して接続するために、ロータ18の羽根22が形成される羽根溝23の円弧部の中心Qは外側ポンプハウジング11の燃料流路11Bの領域内に位置するようにしている。このように、燃料の流れの連続性を確保するために、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝23の円弧部を連続して接続することが重要である。尚、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝23の円弧部を連続して接続できれば、ロータ18の羽根22が形成される羽根溝23の円弧部の中心Qは外側ポンプハウジング11の燃料流路11Bの領域上に位置するようにしなくても良いものである。要は、燃料流路11Bの円弧部と羽根溝23の円弧部を燃料の流れの乱れが少なくなるように連続して接続できればよいものである。
このように、本実施例では燃料流路11Bを形成する円弧部の半径r1に比べて、ロータ18に形成した羽根溝23の円弧部の半径r2が大きく設定され、r1<r2の関係とされている。したがって、従来のロータ18の羽根溝21の円弧部の曲率(1/半径)に比べて、本実施例のロータ18の羽根溝22の円弧部の曲率が小さいため、突出部18Cまでの羽根溝22の円弧部による流路長さを短くすることができる。
このため、羽根溝23の円弧部での流れの損失が低減して、燃料の旋回流の流速が早くなるようにできる。これによって、旋回流の流速低下の影響が相対的に減少して流路内の内部漏れ流量(逆流分)が低減するようになる。
更に、従来のロータ18では羽根溝21の円弧部の曲率が大きいので、燃料の旋回流同士が衝突するが、本実施例のロータ18では羽根溝23の円弧部の曲率が小さいので、燃料の流れが円滑になって旋回流同士が衝突する度合いが少なくなり、流れの損失を小さくすることができる。
ここで、羽根溝23の円弧部を最短にするためには直線で形成すれば良いが、直線にすると外側ポンプハウジング11の燃料流路11Bで形成された燃料の旋回性能を阻害するので、羽根溝23の円弧部は適切に決められることが必要である。
本実施例では少なくとも、ポンプハウジング11に形成した燃料流路11Bの円弧部の中心をロータ18の羽根22が回転する領域内に設定し、ロータ18の羽根22が形成される羽根溝23の円弧部の中心をロータ18の羽根22が回転する領域外に設定し、燃料流路11Bを形成する円弧部の半径r1に対して羽根溝21を形成する円弧部の半径r2を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにすれば良いものである。ただ、羽根溝21を形成する円弧部の半径r2は直線を除くものである。
このように、ポンプ部効率を向上できることで、必要とされる燃料流量を得るために燃料ポンプの回転数を高めることを抑制でき、消電電流を低減することが可能となるものである。
図4は図3A、図3Bに示す本実施例のロータ18を使用した燃料ポンプと、図5A,図5Bに示した従来のロータ18を使用した燃料ポンプのポン部効率を比較したものである。図からわかるように、従来の燃料ポンプのポンプ部効率に比べて本実施例の燃料ポンプのポンプ部効率は、使用される吐出流量領域で約3%乃至4%の範囲で向上することができる。
尚、本実施例では内側ポンプハウジング13と外側ポンプハウジング11を備えた燃料ポンプについて説明したが、どちらか一方のポンプハウジングを備えた燃料ポンプにも応用できることは言うまでもない。
以上述べたように、本発明はポンプハウジングに形成した円弧状断面を有する燃料流路の円弧部の中心をロータの羽根が回転する領域内に設定し、ロータの羽根が形成される断面が円弧状の羽根溝の円弧部の中心をロータの羽根22が回転する領域外に設定し、燃料流路を形成する円弧部の半径に対して羽根溝を形成する円弧部の半径を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにしたものである。
更に望ましくは、羽根溝の円弧部の中心を燃料流路の領域内に設定し、燃料流路を形成する円弧部の半径に対して羽根溝を形成する円弧部の半径を長くすると共に、燃料流路の円弧部と羽根溝の円弧部が連続して繋がるようにしたものである。
この本発明の構成によれば、羽根溝の円弧部の半径をポンプハウジングの燃料流路の円弧部の半径よりも長くして羽根溝部分の流路長さを短くすることで、羽根溝の円弧部を流れる燃料の旋回流の損失を低減してポンプ部効率を向上することができるようになる。これによって、必要とされる燃料流量を得るために燃料ポンプの回転数を高めることを抑制でき、消電電流を低減することが可能となるものである。
1…ケーシング、4…回転軸、7…係合軸部、8…電動モータ、9…通路部、10…ポンプハウジング、11…外側ポンプハウジング、11B…外側燃料流路12…吸込口、13…内側ポンプハウジング、13B…内側燃料流路、15…吐出口、16…燃料通路、18…ロータ、20…羽根、21…羽根溝。
Claims (3)
- 電動モータを収容する筒状のケーシングと、このケーシング内に回転可能に設けられ前記電動モータにより回転される回転軸と、前記ケーシングに設けられ前記回転軸を中心として断面が円弧状に形成された略環状の燃料流路が形成されたポンプハウジングと、前記ポンプハウジングと衝き合わされようにして設けられ、前記燃料流路に対向して環状に配置された複数の羽根を有する円板状のロータとを備えてなる燃料ポンプにおいて、
前記ポンプハウジングに形成した前記燃料流路の円弧部の中心を、前記ロータの羽根が回転する領域内に設定し、
前記ロータの前記羽根が形成される断面が円弧状の羽根溝の円弧部の中心を、前記ロータの前記羽根が回転する領域外に設定し、
前記燃料流路を形成する前記円弧部の半径に対して前記羽根溝を形成する前記円弧部の半径を長くすると共に、前記燃料流路の前記円弧部と羽根溝の前記円弧部の円弧が連続して繋がることを特徴とする燃料ポンプ。 - 請求項1に記載の燃料ポンプにおいて、
前記羽根溝の円弧部の中心を燃料流路の領域内に設定し、前記燃料流路を形成する前記円弧部の半径に対して前記羽根溝を形成する前記円弧部の半径を長くすると共に、前記燃料流路の前記円弧部と羽根溝の前記円弧部の円弧が連続して繋がることを特徴とする燃料ポンプ。 - 請求項1或いは請求項2に記載の燃料ポンプにおいて、
前記ポンプハウジングは外側燃料流路が形成された外側ポンプハウジングと内側燃料流路が形成された内側ポンプハウジングを有し、前記外側ポンプハウジングと前記内側ポンプハウジングの間に、前記外側燃料流路及び前記内側燃料流路に対向して環状に配置された複数の羽根を有する前記ロータが配置されており、
前記外側燃料流路及び前記内側燃料流路の円弧部の中心を、前記両燃料流路に対応する前記ロータの前記羽根が回転する領域内に設定し、
前記両燃料流路に対応する前記羽根溝の円弧部の中心を対応する前記燃料流路の領域内に設定したことを特徴とする燃料ポンプ。
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JP2014046274A JP2015169168A (ja) | 2014-03-10 | 2014-03-10 | 燃料ポンプ |
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Cited By (1)
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WO2017090510A1 (ja) * | 2015-11-24 | 2017-06-01 | 愛三工業株式会社 | 渦流ポンプ |
Citations (1)
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2014
- 2014-03-10 JP JP2014046274A patent/JP2015169168A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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