JP4912074B2 - ロック装置 - Google Patents

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Description

この発明は、本体に対して着脱部材を固定するロック装置に関するものであり、側面視略逆U字状の外刃の内面に内刃を押圧しつつ往復動させることによって顔の髭をそる(剃る)往復式電気かみそりに好適なロック装置に関するものである。
側面視略逆U字状の外刃の内面に内刃を押圧しつつ往復動させ、外刃に設けたスリットに入った髭を内刃によってカットするようにした往復式電気かみそりが公知である。
特開2004−49864 特開平10−323461
特許文献1、2にはモータを内蔵する本体に、外刃を上下方向に沈み込み自在に保持した外刃組立体を着脱可能にロックする往復式電気かみそりが示されている。すなわち本体に内蔵するモータにより加振されるオシレータに、内刃を揺動可能かつ内刃押上げばねによって上向きに付勢した状態で保持し、この内刃が外刃の内面を所定ばね力で押圧した状態で往復動するものである。
ここに外刃組立体を本体に対して着脱するロック装置は、本体に側方から押込みおよび復帰可能に設けた押釦を、外刃組立体に設けた係合爪に係脱させるものである。すなわち押釦と本体内装部品との間に押釦の復帰ばねを縮装し、この復帰ばねによって押釦に本体外側方への復帰力を付与して、押釦を復帰させた時にロック状態となり、押釦を押込んだ時にロックを解除するようにしている。
この従来のロック装置では、本体の組立て時に、本体ケースの開口に押釦を装着しつつ本体内装部品との間に復帰ばねを装填する必要がある。このため本体内装部品の組付けとロック装置の組付けを併行して行うことが必要になり、組立作業性が悪いという問題があった。
また押釦の復帰ばねの荷重は、本体ケースの内面と本体内装部品とに加わるため本体ケースの内面および本体内装部品には、この復帰ばねの荷重が加わる位置を補強しておく必要が生じる。このためこれらの位置に補強用リブやボスを設けたり部品の肉厚にして剛性を高める必要が生じる。さらにこれらの部品を樹脂などの成形品とする場合には、成形用金型の構造上部品型状に制約が生じ設計自由度が減るという問題もある。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、ロック装置を本体側の組立てと関係なく組み立てられるようにして組立作業性を向上させ、押釦の復帰ばねの荷重が本体ケースや本体内装部品に加わらないようにして本体ケースや本体内装部品に補強リブなどを設ける必要を無くし、成形用金型の設計自由度を増やすことができるようにしたロック装置を提供することを目的とする。
この発明によればこの目的は、本体に対して着脱部材を固定するロック装置であって、
前記本体および着脱部材の一方に設けられ前記着脱部材の着脱方向に平行でかつ他方の内面に沿って延出する第1係合爪と、前記本体および着脱部材の他方の内面に設けら前記他方の内面に沿って進入する前記第1係合爪が係脱する第2係合爪を有する押釦組立体とを備え、前記押釦組立体は前記他方とは別体に形成され前記他方の内面に対向して固定される裏板と、前記他方に設けた開口を貫通して突出可能であり前記裏板に係合してその突出量が規制されると共に前記第1係合爪を前記他方の内面との間に挟んで固定する前記第2係合爪が形成された押釦と、前記裏板と押釦の間に縮装された押釦復帰ばねとを一体化したものであることを特徴とするロック装置、により達成される。
この発明によれば、押釦と裏板との間に押釦復帰ばねを縮装し、これらを互いに係合させて押釦の突出量を規制することにより押釦組立体を形成し、裏板を本体または着脱部材の一方の内面に固定することによりこの押釦組立体を装着するから、本体内装部品の組立てとは関係なくロック装置を組立てることができ、組立作業性が向上する。また押釦復帰ばねの荷重は裏板と押釦とで受けることになるから、本体ケースや本体内装部品などに荷重を受けるための補強用のリブやボスを設ける必要がなくなり、成形用金型の設計自由度が増大する。
このロック装置は往復式電気かみそりの外刃組立体をモータや電池などを内蔵する本体ケースに着脱するロック装置に好適なものである(請求項2)。しかしこの発明は他の機器に適用するものであってもよい。例えば電気バリカン、フェイスシェーバー、電気歯ブラシなどの着脱部に適用することが可能である。
電気かみそりに適用する場合には、第1係合爪は本体ケースの開口縁から本体ケースの内面に沿って延出するように着脱部材である外刃組立体に設け、第2係合爪は押釦組立体の押釦から外刃組立体の着脱方向にほぼ直交しかつ本体ケースの内面にほぼ沿って突出させ、第1係合爪は本体ケース内面に案内されて本体ケース内面と第2係合爪との間隙に進入し押釦復帰ばねを圧縮してこの間隙を押し開きつつ第2係合爪に係合させる一方、押釦を押し込むことにより第2係合爪を第1係合爪から脱出させるように構成するのがよい(請求項3)。
この場合、本体ケース内面に第1係合爪を本体ケース内面と第2係合爪との間隙に導く案内溝を形成しておけば、第1係合爪と第2係合爪との係脱を円滑に行わせることができる(請求項4)。
図1は本発明の一実施例である往復式電気かみそりの外観を示す斜視図、図2はそのヘッド部の縦断面図であって中央の外刃に沿った断面図である。なおこの図2では中央から左半分は外刃フロート圧力を強くまたは普通(ノーマル)にした状態を、右半分は外刃フロート圧力を弱く(ソフト)した状態を示す。図3は図2の一部拡大図であり(A)は外刃フロート圧力が強い(ノーマル)の状態(図2の左半分に相当する)を示し、(B)は外刃フロート圧力が弱い状態(ソフト、図2の右半分に相当する)を示す。図4はヘッド部の分解斜視図、図5は、スライド部材の高さを手動操作子によって調整する機構を抽出して示す断面図、図6は同じく底面図、図7は背面図である。
図1において符号10は本体であり、この本体10は電池、電気モータ、制御回路等(図示せず)を本体ケース11内に収容したものである。本体10の上面には上方から外刃組立体12が着脱可能である。外刃組立体12はヘッドカバー14の中に3本の外刃16を上下動可能かつ平行に装着したものである。なおヘッドカバー14には4本の第1係合爪18(図3(B)参照)が下方すなわち外刃組立体12の着脱方向に突出する一方、本体10の左右側面には外側へ突出復帰習性が付与されたヘッド着脱釦20が装着され、このヘッド着脱釦20に形成した第2係合爪114(後記図8〜11参照)が前記第1係合爪18に係脱可能となっている。この外刃組立体12を本体10に着脱するロック装置100については後記する。
前記ヘッドカバー14は、本体10の正面側の一部を除いて上面を覆っているので、本体10の上面はこの正面側の一部が露出している。この露出部分にはきわ剃り刃22が収容されている。すなわちこのきわ剃り刃22は、本体10に設けた操作子24によって上方へ突出可能である。きわ剃り刃22を使用する時は操作子24を上方へ押し上げて上方へ突出させる。図1はきわ剃り刃22の収納状態を示す。図1で26は電源スイッチであり、これを一度押すことによりモータが起動し、もう一度押すことによりモータが停止する。
図2において28は本体10の上部内側に固定された内ブロック、30はこの内ブロック28の開口に装填されたオシレータである。オシレータ30は左右両端がU字状の可撓性連結部32を介して内ブロック28にビス34によって固定されている。オシレータ30の中央下面には図2において紙面に垂直方向に長い長溝36が形成され、この長溝36に前記モータの回転により偏心運動する加振軸38が係入している。このためモータの起動によりオシレータ30は図2で左右方向に振動する。
オシレータ30の上面中央には内刃保持部40が突出し、ここに垂直軸42が固定されている。この垂直軸42にはスライダ44が上下にスライド自在に保持されている。スライダ44とオシレータ30の内刃保持部40との間にはコイルばね46が縮装され、スライダ44に上向きの復帰習性を付与する。このコイルばね46が、後記するように内刃押上げばねとなるものである。なおスライダ44は垂直軸42の上端に設けたストッパ48により抜け止めされている。
50は前記外刃16の内面に摺接する内刃である。内刃50はスライダ44に左右揺動可能に保持され、オシレータ30によって左右に振動可能である。なお内刃50は3つの外刃16a〜cに対応して3つあるが、図2、3では1つだけ示している。またオシレータ30の内刃保持部40と内ブロック28の上面との間にはシール部材52が装着され本体10の防水が図られている。
次に外刃組立体12を説明する。外刃組立体12は図4に示すように、外刃枠54に3つの外刃16を上下動可能に装着し、外周をヘッドカバー14(図1,2)で囲んだものである。外刃枠54は前記のように、ヘッドカバー14を本体10に固定した時にヘッドカバー14と本体10の上縁とに挟まれて固定される。
外刃16の両端には、外刃弾性支持体としての外刃押下げばね56を装填するばね装填室58が設けられている。このばね装填室58は外刃枠54の両端板54aの内面に突設したガイド60に案内されて外刃16の上下動を可能にする。外刃枠54の両端板54aの外面にはスライド部材62が上下動自在に取付けられている。すなわち外刃枠54の両端板54aの外面に突設した係合爪64,64を、スライド部材62に設けた縦長のスリット66,66に係合させたものである。
このスライド部材62の上縁には、外刃枠54の端板54aに設けた縦長の開口を貫通して外刃16のばね装填室58内に水平に進入する3つの水平突起68が形成されている。この水平突起68は外刃16のばね装填室58に装填した外刃押下げばね56の上端に係合する。すなわち外刃押下げばね56は、下端がばね装填室58の底面に当接し、上端がスライド部材62の水平突起68に当接した状態で圧縮されている。
スライド部材62には、外刃枠54との間に縮装されたスライド部材押下げばね70によって、下向きの復帰力が付与されている。すなわちこのばね70の下端は、スライド部材62の下端中央に設けた突起72に係止され、上端は外刃枠54の上縁中央に設けた突起74に係止されている。このばね70は、3本の外刃押下げばね56の合計ばね力よりも強い復元力を持つ。このためスライド部材62は外刃押下げばね56により上向きの反力を受ける一方、このスライド部材押下げばね70により下向きの反力を受け、後者の下向きの反力が大きいので結局スライド部材62に下降位置で静止する。
すなわちスライド部材62は外刃枠54の端板54aに設けた係合爪64がスライド部材62のスリット66の上縁に当接した位置で安定する。図2の左半分、図3(A)、図5、7はこの状態を示している。この時には外刃押下げばね56は伸びた状態であるから外刃16を押し下げる力(F(OUT))は小さい。従って前記内刃押上げばね46の押上げ力(F(IN))との差F(TOT)=F(IN)−F(OUT)は大きくなる。
このスライド部材62の高さは本体10側に設けたフロート設定部材76により設定される。すなわちフロート設定部材76は図4、6に示すように、本体10の背面の内側に上下動可能に配設された水平板78の両端から上方へ起立するように形成されている。このフロート設定部材76は、前記ヘッド着脱釦20に設けた縦溝を通って上方へ進出し、前記スライド部材62の下縁中央下面(突起72の下面)に臨んでいる。このため外刃組立体12を本体10に取付けてヘッド着脱釦20にロックすると、スライド部材62の下縁はフロート設定部材76の上端に当接し、フロート設定部材76の高さが固定される。
水平板78にはカム板80が固定され、このカム板80に形成した斜めのカム溝82には本体10の背面に水平にスライド可能に装着された手動操作子84の突起86が係入している。このため手動操作子84を左右に移動することによってカム板80および水平板78が上下動する。このためフロート設定部材76が上下動する。
手動操作子84を一方(図7で左側)へ移動させるとフロート設定部材76が上昇する。このためスライド部材62は上昇し、外刃押下げばね56は伸びる。従って外刃押下げばね56のばね力F(OUT)は小さくなるため、外刃16のフロート圧力F(TOT)=T(IN)−F(OUT)は大きくなる。すなわちノーマル状態となる。反対に手動操作子84を他方(図7で右側)へ移動させると、スライド部材62が下降し、外刃押下げばね56は圧縮されて縮む。従って外刃押下げばね56のばね力F(OUT)が大きくなるから、外刃16のフロート圧力F(TOT)は小さくなる。すなわちソフト状態となり、外刃16は皮膚の曲面に良く追従して上下動する。この時内刃50と外刃16との接触圧は変化しないから、切れ味が変化したり、騒音が大きくなったり摩擦熱により発熱が大きくなるなどの問題が生じない。
次に外刃組立体12を本体ケース11に着脱可能にロックする左右一対のロック装置100を図8〜11を用いて説明する。図8は本体ケース11の内部とロック装置100を示す分解斜視図、図9は同じく本体ケース11の外観斜視図、図10は図9におけるX部拡大図、図11は、外刃組立体12の着脱の様子を内部構造を省いて示す側断面図(A)と外刃組立体12の正面図(B)である。
ロック装置100は、前記外刃組立体12のヘッドカバー14に設けた第1係合爪18(図3(B)参照)と、本体ケース11に設けた押釦組立体102とを備える。ここに押釦組立体102は、本体ケース11とは図8に明らかなように別体であって本体ケース11の内面に固定される裏板104と、本体ケース11に設けた開口106(図8)から突出可能な押釦となる前記ヘッド着脱釦20と、裏板104とヘッド着脱釦20との間に縮装された押釦復帰ばね108とを一体化したものである。すなわちヘッド着脱釦20には、裏板104に設けた一対の小孔110、110に係合する一対の爪112、112が突設され、押釦復帰ばね108を圧縮しながらヘッド着脱釦20の爪112、112を裏板104の小孔110、110に進入させて係止させ、ヘッド着脱釦22と裏板104とを一体化することにより、押釦組立体102とするものである。
この状態でヘッド着脱釦20は、爪112、112が小孔110、110から裏側へ、すなわちケース本体11の内側へ、突出することによって所定範囲内で進退動可能である。なおヘッド着脱釦20には、外刃着脱方向にほぼ直交しかつ本体ケース11の内面にほぼ沿って左右一対の第2係合爪114が突設されている。この第2係合爪114には前記のように、外刃組立体12の第1係合爪18が係脱する。このように組み立てられた押釦組立体102は、裏板104を本体ケース11の内面に熱カシメ116により固定される。この時ヘッド着脱釦20が本体ケース11の開口106から突出する。
本体ケース11の内面には、その開口縁から外刃組立体12の第1係合爪18を、ヘッド着脱釦20の第2係合爪114と本体ケース11の内面との間隙118(図10)に導く案内溝120が形成されている。
押釦組立体102はヘッド着脱釦20と裏板104と押釦復帰ばね108とを一体化したものであるから、この組立体102を本体ケース11に固定すればよいのでロック装置100の組立作業性が良い。すなわち本体10の内装部品と押釦(ヘッド着脱釦20)との間に押釦復帰ばねを縮装しないので、本体内装部品の組立てと別にロック装置100の組立てができるからである。また押釦復帰ばねの反力を本体ケース11や本体10の内装部品で受けないので、これらの強度を受けるための補強リブなどが不用であり金型設計自由度が大きくなるものである。
本発明の一実施例の外観斜視図 そのヘッド部の縦断面図 図2における一部拡大図 ヘッド部の分解斜視図 フロート設定部材の調整機構を示す側面図 同じく底面図 同じく背面図 本体ケース内部とロック装置を示す分解斜視図 本体ケースの外観斜視図 図9におけるX部拡大図 外刃組立体の着脱の様子を示す側断面図(A)と外刃組立体の正面図(B)
符号の説明
10 本体
11 本体ケース
12 外刃組立体(着脱部材)
14 ヘッドカバー
16 外刃
18 第1係合爪
20 ヘッド着脱釦(押釦)
30 オシレータ
46 コイルばね(内刃押上げばね)
50 内刃
54 外刃枠
56 外刃押下げばね(外刃弾性支持体)
62 スライド部材
70 スライド部材押下げばね
76 フロート設定部材
84 手動操作子
100 ロック装置
102 押釦組立体
104 裏板
106 開口
108 押釦復帰ばね
110 小孔
112 爪
114 第2係合爪
118 間隙
120 案内溝

Claims (4)

  1. 本体に対して着脱部材を固定するロック装置であって、
    前記本体および着脱部材の一方に設けられ前記着脱部材の着脱方向に平行でかつ他方の内面に沿って延出する第1係合爪と、前記本体および着脱部材の他方の内面に設けら前記他方の内面に沿って進入する前記第1係合爪が係脱する第2係合爪を有する押釦組立体とを備え、前記押釦組立体は前記他方とは別体に形成され前記他方の内面に対向して固定される裏板と、前記他方に設けた開口を貫通して突出可能であり前記裏板に係合してその突出量が規制されると共に前記第1係合爪を前記他方の内面との間に挟んで固定する前記第2係合爪が形成された押釦と、前記裏板と押釦の間に縮装された押釦復帰ばねとを一体化したものであることを特徴とするロック装置。
  2. 本体は往復式電気かみそりの本体ケースであり、着脱部材は前記本体に上方から着脱される外刃組立体である請求項1のロック装置。
  3. 第1係合爪は本体ケースの開口縁から本体ケースの内面に沿って延出するように外刃組立体に設けられ、押釦組立体の第2係合爪は外刃組立体の着脱方向にほぼ直交しかつ前記本体のケース内面に沿う方向に突出し、前記第1係合爪は本体ケースの内面に案内されて本体ケースの内面と前記第2係合爪との間隙に進入し押釦復帰ばねを圧縮して前記間隙を押し開きつつ第2係合爪に係合する一方、押釦を押込むことにより第2係合爪と前記本体ケース内面との間に保持された第1係合爪脱出させる請求項2のロック装置。
  4. 本体ケースの内面には外刃組立体の第1係合爪を本体ケース内面と第2係合爪との間隙に案内する案内溝が形成されている請求項3のロック装置。
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