JP4911493B2 - 放熱パイプ覆い機構 - Google Patents
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Description
この従来の天井輻射パネルは、パネル本体aに可燃性物質からなる樹脂製の放熱パイプ1を敷設しているが、この放熱パイプ1は直線部1aとUターン部1bとを交互に繰り返して全体的には蛇行させている。そして、上記直線部1aは放熱板2で覆っているが、この放熱板2は、図6に示すように放熱パイプ1の表面の曲率に合わせた凹部2aと、この凹部2aの両側に設けた平板部2bとを備えている。
上記のようにしたパネル本体aの放熱パイプ1に、例えば、冷温熱流体を供給すると、その冷温熱流体は、放熱パイプ1の一方から流入して他方に流出して行くが、この流出過程でパネル本体aに熱を放出し、そのパネル本体aの輻射熱が部屋を冷暖房することになる。
さらに、パネル本体aに多数の吸音孔が形成されている場合に、もし、全ての吸音孔を避けて放熱パイプ1を敷設できたとしても、放熱パイプ1をパネル本体aに対して均等に配列することができなかったり、パネル本体aに接触する長さが短くなってしまったりして、輻射効率が極めて低くなってしまうという問題が発生する。
そして、第1の発明は、放熱パイプの全面を金属製覆い部材で覆うとともに、金属製覆い部材で覆った放熱パイプを天井パネルに敷設したとき、互いに隣り合って位置する放熱パイプの直線部に対応する金属製覆い部材の部分間に間隔が形成され、これらの間隔に吸音孔が露出可能な構成にし、上記金属製覆い部材は、金属製の平板状の均熱板と、この均熱板の一方の面に固定するとともに、上記均熱板との間で放熱パイプを覆う固定板とからなり、上記均熱板は上記天井パネルに接触しており、その接触面が平坦である点に特徴を有する。
第2の発明は、上記固定板が、放熱パイプの直線部あるいはUターン部に対応する部分ごとに分割してなる点に特徴を有する。
第3の発明は、上記放熱パイプの断面形状を変形加工し、この放熱パイプを金属製覆い部材の内周に密着させた点に特徴を有する。
また、放熱パイプは吸音孔を避けて設ける必要がないので、吸音孔が多数形成された天井パネルであっても、放熱パイプ覆い機構と天井パネルとの接触面積を必要なだけ確保することができる。したがって、放熱パイプを敷設する際に、例えば、標準の天井パネルを用いて製造コストを低減したり、既設の天井パネルをリフォーム工事して天井輻射パネルにしたりすることができる。
しかも、互いに隣り合って配列された放熱パイプの直線部に対応する部分間には、所定の間隔が設けられているので、この間隔に対応する面に吸音孔を貫通させることができる。したがって、上記のように高い防火性を実現しながらも、確実に吸音効果を維持することができる。
そのうえ、金属製覆い部材は、金属であるため熱伝導率が高く、放熱パイプを流れる冷温熱流体の熱を、効率よく天井パネルに伝達することができる。
また、第1の発明によれば、均熱板を天井パネルにあらかじめ固定し、その上に放熱パイプを敷設した後に、この放熱パイプを固定板で覆うことができる。したがって、あらかじめ放熱パイプの敷設位置、言い換えれば放熱パイプの蛇行パターンを定めることができ、放熱パイプを簡単に均等配列することが可能になる等その施工性が向上する。しかも、均熱板、固定板および放熱パイプさえ備えておけば、すべて現場での施工が可能である。
第2の発明によれば、固定板のみを分割したので、放熱パイプが天井パネルに対してむき出しになることがない。したがって、高い防火性を維持しながらも、施工性を一層向上することができる。
第3の発明によれば、放熱パイプの断面形状を変形加工して、放熱パイプを金属製覆い部材の内周に密着させたので、熱伝導率を向上させることができる。
図1に示す天井パネルbには、多数の吸音孔rを形成するとともに、樹脂製の放熱パイプ1を敷設するものである。この天井パネルbに敷設する放熱パイプ1は、直線部1aとUターン部1bとを交互に繰り返して全体的には蛇行させている。そして、上記直線部1a及びUターン部1bは金属製の固定板3によって覆われている。この構造について、図2、図3を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、固定板3は、放熱パイプ1の表面の曲率に合わせたアーチ状の凹部3aと、この凹部3aの両側に設けた平板部3bとを備えるとともに、放熱パイプ1を上記凹部3aで覆うようにしている。
上記のように第1実施形態においては、放熱パイプ1の全周を固定板3と均熱板4とで完全に覆っているが、これら固定板3と均熱板4とが相俟って金属製覆い部材Kを構成している。
また、この第1実施形態における固定板3は、図1からも明らかなように、放熱パイプ1の直線部1aに対応する直線部分と、Uターン部1bに対応するUターン部分とに分割して、それぞれを別個に形成している。ただし、上記均熱板4は、放熱パイプ1の直線部1aあるいはUターン部1bごとに分割したものではなく、全体が一本の蛇行した部材として構成している。
なお、金属製覆い部材Kにおいて、固定板3の直線部分に対応する部分をKaとし、固定板3のUターン部分に対応する部分をKbとして示している。そして、図2は、上記部分Kaを示す断面図であり、図3は、上記部分Kbを示す断面図である。
上記のように敷設した放熱パイプ1に、例えば、冷温熱流体を供給すると、その冷温熱流体は、放熱パイプ1の一方から流入して他方に流出して行くが、この流出過程で冷温熱流体の熱が、金属製覆い部材Kを介して天井パネルbに伝達し、その天井パネルbの輻射熱によって部屋を冷暖房することになる。
また、放熱パイプ1は吸音孔rを避けて設ける必要がないので、図1のように吸音孔rが多数形成された天井パネルbであっても、放熱パイプ覆い機構と天井パネルbとの接触面積を必要なだけ確保することができる。したがって、放熱パイプ1を敷設する際に、例えば、標準の天井パネルを用いて製造コストを低減したり、既設の天井パネルをリフォーム工事して天井輻射パネルにしたりすることができる。
そのうえ、金属製覆い部材Kは、金属であるため熱伝導率が高く、放熱パイプ1を流れる冷温熱流体の熱を、効率よく天井パネルbに伝達することができる。
また、均熱板4を天井パネルbにあらかじめ固定し、その上に放熱パイプ1を敷設した後に、この放熱パイプ1を固定板3で覆うことができる。したがって、あらかじめ放熱パイプ1の敷設位置、言い換えれば放熱パイプ1の蛇行パターンを定めることができ、放熱パイプ1を簡単に均等配列することが可能になる等その施工性が向上する。しかも、均熱板4、固定板3および放熱パイプ1さえ備えておけば、すべて現場での施工が可能である。また、固定板3のみを分割したので、放熱パイプ1が天井パネルbに対してむき出しになることがなく、高い防火性を維持しながらも、施工性を一層向上することができる。
すなわち、図2、図3からも明らかであるように、放熱パイプ1の断面形状は円形であるため、放熱パイプ1と均熱板4との間には隙間が形成されしまう。そのため、放熱パイプ1と均熱板4との接触面積が小さくなり、その分、放熱パイプ1から均熱板4への熱伝導率が低下してしまう。
そこで、放熱パイプの断面を平坦に加工し均熱板4にぴったりと密着させれば、言い換えれば、放熱パイプを金属製覆い部材Kの内周にぴったりと密着させれば、熱伝導率を向上させることができる。
このような放熱パイプの変形加工は公知の技術で可能であるため、簡単に製造、加工することができるとともに、変形加工の際に配管接続部をそのまま断面円形にしておけば、従来の管継手をそのまま使用することもできる。
図4に示す放熱パイプ覆い機構は、天井パネルbに敷設し、直線部1aとUターン部1bとを交互に繰り返して全体的には蛇行させた放熱パイプ1と、チューブからなる金属製覆い部材Kとによって構成される。
上記金属製覆い部材Kは、その内部に放熱パイプ1の外周直径とほぼ等しい直径を有する貫通孔5が形成されており、この貫通孔5に放熱パイプ1がぴったりと密着して嵌められている。言い換えれば、放熱パイプ1を金属製覆い部材Kがぴったりと覆っている。
また、金属製覆い部材Kの外周形状は円弧状にしているが、その下方に平坦面6を形成している。
上記のように敷設した放熱パイプ1に、冷温熱流体を供給すれば、その冷温熱流体によって天井パネルb及び天井パネルbを設けた部屋を冷暖房することになるのは上記第1実施形態と同様である。
上記第2実施形態の放熱パイプ覆い機構によれば、上記第1実施形態と同様、放熱パイプ1の全周を金属製覆い部材Kで覆ったので、放熱パイプ1が吸音孔rに対して表出することがなく、高い防火性能を実現できる。したがって、天井パネルbに形成した吸音孔rの上に放熱パイプ1が配列されても防火性能上何ら問題なく、消防法などを特別に考慮することなく放熱パイプ1を自由に敷設することができる。このように、放熱パイプ1を自由に敷設することができれば、天井パネルbに対して放熱パイプ1を均等間隔に配列することができ、天井パネルbに対する輻射熱にムラが生じたり、室内に温度ムラが生じたりしない。
また、放熱パイプ1は吸音孔rを避けて設ける必要がないので、吸音孔rが多数形成された天井パネルbであっても、放熱パイプ覆い機構と天井パネルbとの接触面積を必要なだけ確保することができる。したがって、放熱パイプ1を敷設する際に、例えば、標準の天井パネルを用いて製造コストを低減したり、既設の天井パネルをリフォーム工事して天井輻射パネルにしたりすることができる。
そのうえ、金属製覆い部材Kは、金属であるため熱伝導率が高く、放熱パイプ1を流れる冷温熱流体の熱を、効率よく天井パネルbに伝達することができる。
なお、第2実施形態における金属製覆い部材Kは、放熱パイプ1の直線部1aあるいはUターン部1bごとに分割して形成してもよいし、分割せずに一部材で形成しても構わない。いずれにしても放熱パイプ1の直線部1aに対応する部分間に間隔Sが形成されていれば、どのような構成でも構わない。
1a 直線部
1b Uターン部
3 固定板
4 均熱板
b 天井パネル
r 吸音孔
K 金属製覆い部材
Ka 直線部に対応する金属製覆い部材の部分
Kb Uターン部に対応する金属製覆い部材の部分
Claims (3)
- 吸音孔を貫通した天井パネル用であって、直線部とUターン部とを交互に繰り返して蛇行させた放熱パイプを覆う放熱パイプ覆い機構において、上記放熱パイプの全面を、金属製覆い部材で覆うとともに、金属製覆い部材で覆った放熱パイプを天井パネルに敷設したとき、互いに隣り合って位置する放熱パイプの直線部に対応する金属製覆い部材の部分間に間隔が形成され、これらの間隔に吸音孔が露出可能な構成にし、上記金属製覆い部材は、金属製の平板状の均熱板と、この均熱板の一方の面に固定するとともに、上記均熱板との間で放熱パイプを覆う固定板とからなり、上記均熱板は上記天井パネルに接触しており、その接触面が平坦である、放熱パイプ覆い機構。
- 上記固定板は、放熱パイプの直線部あるいはUターン部に対応する部分ごとに分割してなる上記請求項1記載の放熱パイプ覆い機構。
- 上記放熱パイプの断面形状を変形加工し、この放熱パイプを金属製覆い部材の内周に密着させた上記請求項1〜2記載の放熱パイプ覆い機構。
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