JP4911446B2 - エリアセンサ、画像入力装置、およびそれを組み込んだ電子写真装置等 - Google Patents

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本発明は、エリアセンサに関し、特に、受光画素と発光画素とが2次元的に配置されているエリアセンサに関する。そして、本発明は、そのようなエリアセンサを用いた画像入力装置に関し、特に、フレキシブルで薄型とすることができる画像入力装置に関する。また、そのような画像入力装置を組み込んだ電子写真装置等に関する。
原稿や写真を読み取る従来の画像入力装置は、発光部から原稿に光を照射しその反射光を受光部で読み取るものであるが、その受光部が1次元のリニアセンサであるために、原稿の読み取りには発光部と受光部を含む読み取りヘッドを機械的に走査させる必要があった。そのため、読み取り時間が多くかかるという問題や、曲面をもつような非平面の原稿を読み取りにくいという課題を抱えていた。
これに対して、読み取りのために受光部を走査せずに済むよう、受光部を2次元の面状としたエリアセンサも研究されている。
例えば、特許文献1では、面状発光のバックライトを使用し、エリアセンサの各素子間に形成された開口部を通して光を原稿に当て、返ってくる光をa−Si等を用いたアクティブマトリクス型のエリアセンサで読み取っている。
また、特許文献2では、有機光電変換素子(受光部)と有機EL等(発光部)を積層し、発光部の光を受光素子を透過して原稿に照射し、その反射光を各受光素子で受光している。
一方、非特許文献1では、有機トランジスタマトリックスと有機光センサを集積化することで、フレキシブルなシート型イメージスキャナの作製に成功している。ただし、光は外光を用い、シートの開口部を透過して原稿から返ってくる光を、シート上の有機光センサで受光し、有機トランジスタで読み出している。
特開2004−47618号公報 特開2004−260798号公報 信学技報 Vol.104 No.688 P.19「有機トランジスタと有機光センサの集積化 −シート型スキャナへの応用−」
特許文献1では、バックライトを使用してエリアセンサの各素子間に形成された開口部を通して光照射をしているため、薄型にすることは難しく、またフレキシブル基板上へ作製することは困難であると考えられる。
また、特許文献2では、有機の受光素子と発光部を積層し、受光素子を透過して発光部からの光を原稿に照射しているが、これでは受光素子は受光されるべき光を一旦通すので、原稿からの反射光に対する受光素子のS/N比が低く、低感度なものとなってしまうと考えられる。
また、非特許文献1では、フレキシブルスキャナを作製できたが、外光により露光を行っているため、安定した画像読み取りは困難である。
したがって、本発明の目的は、外光に頼らずに発光素子も使用しながら、S/N比が低下せず、しかも薄型コンパクトで場合によりフレキシブルな画像入力装置とすることができるエリアセンサを提供することである。
本発明者は、光電変換素子と発光素子を2次元状に平面配置したエリアセンサとすることにより、S/N比を低下させず、またバックライトも必要がなくなるため、非常に薄型でコンパクトでしかも高感度な画像入力装置を提供することが可能となることを見出し、本発明に想到した。また、本発明において、光電変換素子と発光素子とそれらを駆動するトランジスタに有機半導体を用いることにより、フレキシブル基板上に読み取りヘッドを作製することが可能となり、曲面原稿の入力も容易になる。
すなわち、本発明は、下記の手段によって達成された。
(1)
発光素子と薄膜トランジスタとを積層してなる発光画素と、光電変換素子と薄膜トランジスタとを積層してなる受光画素とが、基板上に2次元的に配置されており、前記発光素子は、前記発光画素に含まれる前記薄膜トランジスタの上方に形成された第一の電極と、前記第一の電極上方に形成された発光層と、前記発光層上方に形成された第二の電極とを含んで構成され、前記光電変換素子は、前記受光画素に含まれる前記薄膜トランジスタの上方に形成され、前記第一の電極と同一層に形成された第三の電極と、前記第三の電極上方に形成された光電変換層と、前記光電変換層上方に形成された前記発光素子と共通の前記第二の電極とを含んで構成されるエリアセンサ。
(2)
前記発光素子が有機発光素子であり、前記光電変換素子が有機光電変換素子であることを特徴とする(1)記載のエリアセンサ。
(3)
前記薄膜トランジスタに有機半導体を用いていることを特徴とする(1)または(2)に記載のエリアセンサ。
(4)
前記発光素子と光電変換素子の間に遮光壁を形成することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(5)
前記各発光画素が白色発光であり、前記各受光画素が赤色光、緑色光、青色光のいずれかに感受性、もしくはイエロー色光、マゼンタ色光、シアン色光のいずれかに感受性であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(6)
前記各発光画素が赤色発光、緑色発光、青色発光のいずれか、もしくはイエロー色発光、マゼンタ色発光、シアン色発光のいずれかであり、前記各受光画素が汎色感受性であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(7)
前記各発光画素が白色発光、前記各受光画素が汎色感受性であり、各受光画素上に、赤色、緑色、青色フィルタのいずれか、もしくはイエロー色、マゼンタ色、シアン色フィルタのいずれかの、カラーフィルタを配置してあることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(8)
前記各発光画素が白色発光、前記各受光画素が汎色感受性であり、各発光画素上に、赤色、緑色、青色フィルタのいずれか、もしくはイエロー色、マゼンタ色、シアン色フィルタのいずれかの、カラーフィルタを配置してあることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(9)
前記各発光画素の列と各受光画素の列とが交互に並んでいることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(10)
前記各白色発光画素と、前記赤色光、緑色光、青色光のいずれかに感受性、もしくはイエロー色光、マゼンタ色光、シアン色光のいずれかに感受性の各受光画素とがベイヤー配列であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(11)
前記基板がフレキシブル基板であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のエリアセンサ。
(12)
(1)〜(11)のいずれかに記載されたエリアセンサと、前記各発光画素の各薄膜トランジスタに接続され各発光素子を発光させて露光を行うための露光制御装置と、前記各受光画素の各薄膜トランジスタに接続され該薄膜トランジスタを駆動する受光制御装置と、該受光画素の各薄膜トランジスタに接続され各光電変換素子から信号を読み出す読み出し装置と、それらを制御する制御手段とを有することを特徴とする画像入力装置。
(13)
(12)の画像入力装置を組み込んだことを特徴とする電子写真装置。
(14)
(12)の画像入力装置を組み込んだことを特徴とするホワイトボード。
(15)
(12)の画像入力装置を組み込んだことを特徴とする携帯電話。
(16)
(12)の画像入力装置を組み込んだことを特徴とする下敷き様エリアセンサスキャナ。
(17)
(12)の画像入力装置を組み込んだことを特徴とするメモノート。
発光画素と受光画素を2次元状に配置したエリアセンサとすることにより、S/N比を低下させず、またバックライトも必要がなくなるため、薄型でコンパクトでしかも高感度な画像入力装置を提供することが可能となる。また、光電変換素子と発光素子とそれらを駆動するトランジスタに有機半導体を用いることにより、フレキシブル基板上に読み取りヘッドを作製することが可能となり、曲面をもつような原稿の入力も容易になる。
以下、本発明のエリアセンサについて、図面に基づいて説明するが、本発明はこの説明により限定されない。
図1には、本発明のエリアセンサの好適な実施の形態についての断面図が示されている。また、図2〜10には、本発明のエリアセンサにおける、発光画素と受光画素を2次元的に配置する仕方の例が、示されている。
本発明のエリアセンサは、発光素子110を含む発光画素100と、光電変換素子210を含む受光画素200とが、2次元的に配置されていることを特徴としている。
すなわち、発光素子110を含む発光画素100と、光電変換素子210を含む受光画素200とが、隣り合う等、近接して、平面状に配置されている。
本発明のエリアセンサは、発光素子110を含む発光画素100と光電変換素子210を含む受光画素200とが2次元的に配置されていることから、エリアセンサの発光画素100の発光素子110から発光された光は、開口部を通過したり、受光部を透過したりすることなく、原稿0に直接照射され、原稿0から反射されて返ってくる光を、近接した受光画素200の光電変換素子210で受光している。
図1に示されたエリアセンサでは、発光素子110と薄膜トランジスタ120とを積層して発光画素100を構成しており、また、光電変換素子210と薄膜トランジスタ220とを積層して受光画素200を構成している。
発光素子110は、無機材料、有機材料どちらにより構成されてもよいが、フレキシブルなエリアセンサとするには、有機材料からなる発光素子であることが好ましい。
また、光電変換素子210も、無機材料、有機材料どちらにより構成されてもよいが、フレキシブルなエリアセンサとするには、有機材料からなる光電変換素子であることが好ましい。
また、薄膜トランジスタ12、22についても、無機材料、有機材料どちらにより構成されてもよいが、フレキシブルなエリアセンサとするには、有機材料からなる薄膜トランジスタであることが好ましい。
発光画素100の発光素子110は、例えば、画素電極11、電子注入層、発光層13、正孔輸送層と、共通の対向電極15から構成される。また、受光画素200の光電変換素子210は、例えば、画素電極11、正孔ブロッキング層、光電変換層14、電子ブロッキング層と、共通の対向電極15から構成される。発光素子110と光電変換素子210の間には、光が直接あたらないように、遮光壁12を形成する。遮光壁12の壁の角度、絞込み等を調整すること等で、遠くの画素への影響(信号混入)を少なくすることも可能である
本発明のエリアセンサと、各発光画素の発光素子を発光させて露光を行うための露光制御装置と、各受光画素から信号を読み出す読み出し装置と、それらを制御する制御手段とで、画像入力装置を構成する。
発光画素100では、発光素子110に薄膜トランジスタ120が積層されており、発光素子110の画素電極11が、薄膜トランジスタ120のソース電極8に接続している。一方、薄膜トランジスタ120のゲート電極6には各発光画素100の発光素子110を発光させて露光を行うための露光制御装置が接続されている。
また、受光画素200では、光電変換素子210に薄膜トランジスタ220が積層されており、光電変換素子210の画素電極が、薄膜トランジスタ220のドレイン電極9に接続している。一方、薄膜トランジスタ220のゲート電極6には薄膜トランジスタ220を駆動する受光制御装置が接続され、薄膜トランジスタ220のソース電極8には各光電変換素子210から信号を読み出す読み出し装置が接続されている。
そして、それらを制御する制御手段を有することで、画像入力装置として作動する。
例えば、全面の発光画素100を発光させて露光するかわりに、各受光画素200の読み取る順序に応じてその近傍の各発光画素100を順次発光させて露光するような制御をすることができる。そのように制御することにより、全面発光させる場合に比べて、信号混入を大幅に減らすことができる。
本発明のエリアセンサにおいて、各発光画素100と各受光画素200とを2次元的に配置する仕方としては、様々な配置方法が可能である。例えば、図2に示されているように、発光画素の列と受光画素の列とが交互に並んだ配置とすることができる。
本発明のエリアセンサは、単色の画像を得るモノクロセンサとすることもできるし、また、2色以上の多色の画像を得るカラーセンサとすることもできる。
単色の画像を得るモノクロセンサの場合は、発光画素の発光素子が発光する(以下、簡単に「発光画素が発光する」という。)光の波長が、受光画素の光電変換素子が感受する(以下、簡単に「受光画素が感受する」という。)光の波長域と重なっていれば、適宜の組合せとすることができる。
また、白地に赤と黒等の2色の画像を得るための2色センサの場合は、例えば、各発光画素は白色発光であり、各受光画素は、赤色光に感受性のものと、すべての色光に感受する汎色感受性のものとが、交互に配置されているもので構成することができる。また、各受光画素を汎色感受性のものとし、各受光画素上に赤色フィルタを配置したものと配置しないものとを交互に並べて構成することもできる。
一方、フルカラーの画像を得るためのセンサの場合には、各受光画素については、それぞれ、RGBないしCMY等の3原色に分光した情報を得ることが必要となる。発光画素側での発光の仕方と、受光画素側での色光感受性を適当に組み合わせることで、各発光画素・受光画素の1セットごとに3原色に分光した色光の情報を得ることができる。
例えば、発光画素側を白色発光とし、受光画素側をRGBの3原色に感受性のものを交互に並べたものとすることで、RGB受光画素の1セットごとにRGBに分光した色光の情報が得られる。
具体的に、例えば、図2に示されているような発光画素の列と受光画素の列とが交互に並んだ配置とする場合を考える。
図3に示されているように、各発光画素はすべて白色発光とし、各受光画素については、赤色光感受性受光画素R、緑色光感受性受光画素G、青色光感受性受光画素Bの順に並べて、エリアセンサを構成することができる。この場合近接した発光画素からの白色光は、原稿から反射されて、各受光画素R、G、Bで受光される。
白色発光画素3つと受光画素R、G、B1つずつの1セットについて簡略化して言うと、赤色原稿から反射されてきた赤色光については受光画素Rのみが感受性である。同様に、緑色原稿からの緑色光についてはGのみが、青色原稿からの青色光についてはBのみが感受性であり、イエロー色原稿からのイエロー色光についてはRとGが、マゼンタ色原稿からのマゼンタ色光についてはRとBが、シアン色原稿からのシアン色光についてはGとBが、感受し、白色原稿からの白色光についてはR,G,Bすべての受光画素が感受する。また、黒色原稿からは、光は返ってこないのでR,G,Bすべての受光画素が感受しない。このようにして、エリアセンサはすべての色光を分光して感受することができる。
なお、上記では受光画素を、赤色光感受性R、緑色光感受性G、青色光感受性Bとしたが、各受光画素自体は汎色感受性であり、各汎色感受性受光画素上に、赤色、緑色、青色のカラーフィルタを配置した構成としてもよい。(図11)
また、図面上では、発光画素1つと受光画素1つの大きさを同じにしたが、大きさを変えること、例えば、発光画素の大きさを受光画素の大きさに比べて小さく設計することも可能である。
また、図4に示されているように、各発光画素はすべて白色発光とし、各受光画素については、イエロー色光感受性受光画素Y、マゼンタ色光感受性受光画素M、シアン色光感受性受光画素Cの順に並べて、エリアセンサを構成することもできる。
この場合も、各受光画素自体は汎色感受性であり、各汎色感受性受光画素上に、イエロー色Y、マゼンタ色Y、シアン色Cのカラーフィルタを配置した構成としてもよい。
これまでは、発光画素はすべて白色発光としたが、各発光画素について、赤色発光、緑色発光、青色発光のいずれかとし、各受光画素はすべて汎色感受性として、エリアセンサを構成することもできる。
具体的には、例えば、図5に示されているように、各発光画素については、赤色発光画素R、緑色発光画素G、青色発光画素Bの順に並べ、各受光画素はすべて汎色感受性として、エリアセンサを構成することができる。この場合近接した発光画素からの各色光は、原稿から反射されて、汎色感受性の各受光画素で受光される。
発光画素R、G、B1つずつと汎色感受性受光画素3つの1セットについて簡略化して言うと、赤色発光画素Rからの赤色光は赤色原稿やイエロー色原稿やマゼンタ色原稿で反射されて汎色感受性の受光画素で感受される。同様に、緑色発光画素Gからの緑色光は緑色原稿やイエロー色原稿やシアン色原稿で反射されて汎色感受性の受光画素で感受される。また、青色発光画素Bからの青色光は青色原稿やマゼンタ色原稿やシアン色原稿で反射されて汎色感受性の受光画素で感受される。そこで、例えば赤色発光画素R、緑色発光画素G、青色発光画素Bの発光時間をそれぞれずらして発光させれば、エリアセンサはすべての色光を分光して感受することができる。
なお、上記では発光画素を、赤色発光R、緑色発光G、青色発光Bとしたが、各発光画素自体は白色発光であり、各白色発光画素上に、赤色R、緑色G、青色Bのカラーフィルタを配置した構成としてもよい。(図12)
また、図6に示されているように、各発光画素については、イエロー色発光画素Y、マゼンタ色発光画素M、シアン色発光画素Cの順に並べ、各受光画素はすべて汎色感受性として、エリアセンサを構成することもできる。
この場合も、各発光画素自体は白色発光であり、各白色発光画素上に、イエロー色Y、マゼンタ色M、シアン色Cのカラーフィルタを配置した構成としてもよい。
前述したように、本発明のエリアセンサにおいて、各発光画素と各受光画素とを2次元的に配置する仕方としては、様々な配置方法が可能である。これまでは、図2に示されているように、発光画素の列と受光画素の列とが交互に並んだ配置について説明したが、その他の配置方法、例えば、図7に示されているように、発光画素と受光画素とが市松模様に交互に並んだ配置とすることもできるし、また3原色の配置についても様々な配置方法が可能である。
例えば、図8に示すように、発光画素1つと受光画素3つとをベイヤー配列とすることもできる。
図3では、白色発光画素3つと赤色光感受性受光画素R、緑色光感受性受光画素G、青色光感受性受光画素Bが1セットであったが、図9には、白色発光画素1つと赤色光感受性受光画素R、緑色光感受性受光画素G、青色光感受性受光画素Bが1セットでベイヤー配列としたものを、示している。
また、図10は、白色発光画素1つとイエロー色光感受性受光画素Y、マゼンタ色光感受性受光画素M、シアン色光感受性受光画素Cが1セットでベイヤー配列としたものである。
各発光画素100及び各受光画素200は、通常、基板3上に配置される。
基板3としては、機械的強度が充分なものであれば、ガラス、プラスチック、セラミック、金属、紙等、種々のものを用いることができる。透明な素材でも、不透明な素材でも良い。
ガラス、プラスチック等のように、基板3が透明な場合は、基板3側からの光を遮るために、各画素1,2の基板3側に遮光層4を設けることが好ましい。遮光層の素材は、光を充分に遮ることができる素材であればよい。図1では遮光層4は各画素1,2と基板3との間に位置しているが、遮光層4を基板3の外側に設けても良い。
また、本発明のエリアセンサにおいては、基板3がフレキシブル基板であることが好ましい。各画素1,2もフレキシブルな素材で構成することで、例えば有機発光素子と有機光電変換素子、有機半導体を用いた薄膜トランジスタ等を用いることで、フレキシブルなエリアセンサとすることができる。したがって、フレキシブルな読み取りヘッドを作製することが可能となり、曲面をもつような原稿の形状に合わせることができるので、曲面原稿の入力が容易になる。
以下、本発明のエリアセンサの各部材について、詳細に説明する。
〔基板 封止基板〕
本発明における基板は特に光が透過する必要はないが、プロセス中の熱安定性が高く、かつ可能な限り水分や酸素の透過率の低い基板がよい。可撓性が必要でなければ、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、または、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、クロム、スズ、ニッケル、鉄、ニッケル銅などの金属板やセラミック板でもよい。可撓性が必要な場合には、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステルやポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。また不透明なプラスチック基板でもよい。上記の中では、特に耐熱性の点などにおいてポリカーボネートなどが好んで用いられる。有機材料の場合、耐熱性以外にも、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。上記のようなフレキシブル基板を用いることにより、ガラスや金属、セラミック基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができかつ曲げ応力にも強いものにできる。プラスチック基板の厚さは20μmから500μmが適当である。
封止基板は、発光層から放出した光や原稿で反射し受光層に入射する光を透過する必要があり、透明、もしくは半透明であることが好ましく、具体的には400nm〜700nmの可視光の波長領域において、少なくとも50パーセント以上、好ましくは70パーセント以上、より好ましくは90%以上の光透過率を有するものが好ましい。
封止基板としては、ガラス基板や、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の可視光領域について透明度の高い材料を用いることができ、これらの材料をフィルム化した可撓性を有するフレキシブル基板であっても良い。
前記基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、画像入力装置の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、前記形状としては、板状である。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2種類以上の部材で形成されていてもよい。
〔遮光層〕
基板に光透過性のものを用いた場合は、受光画素への外光の進入を防ぐために、遮光層を用いる。これにより、外光の影響を受けず安定した画像読取が可能となる。遮光層としては、アルミニウム、クロム、スズ、インジウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、チタン、合金などの金属や、カーボンブラックなどの遮光性のある不透明材料などを分散させた樹脂を用いてもよい。遮光層は、単層構造であっても良いし、多層構造であってもよい。
遮光層の形成方法としては、金属の場合は真空蒸着法や電子ビーム蒸着法、スパッタリング法などの気相成膜法を採用することができ、樹脂を用いる場合は、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗布法を用いることができる。
〔保護層〕
導電性基板を用いた場合やアルミニウム等の導電性遮光層を用いた場合は、絶縁膜として第一保護層は必要である。また基板としてポリカーボネートなどの可撓性プラスチック基板などを用いた場合は、有機層や電極に水分・酸素が入り込むことによる素子性能の劣化を防止するために、透湿性の低い保護層が必要となる。
また、基板側からのみならず、素子側からの水分や酸素の浸入を防ぐために第二保護層も必要となる。第二保護層は発光層から放出した光や原稿で反射し受光層に入射する光を透過する必要があり、透明、もしくは半透明であることが好ましく、具体的には400nm〜700nmの可視光の波長領域において、少なくとも50パーセント以上、好ましくは70パーセント以上、より好ましくは90%以上の光透過率を有するものが好ましい。
保護層の材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、窒化炭化珪素、酸化窒化炭化珪素、酸化窒化ゲルマニウム、酸化炭化ゲルマニウム、窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、窒化炭化アルミニウム、酸化窒化炭化アルミニウムやこれらの混合物などの無機物を用いることができる。また、バリア性と可撓性を両立させるため、これらの多層積層膜が用いられる場合もある。
この保護層の厚さは、特に限定されないが、1〜1000μm程度であることが好ましく、5〜500μm程度であることがより好ましい。
この保護層の形成方法としては、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いることができる。
〔TFT〕
発光画素と受光画素をそれぞれ駆動制御するために必要な薄膜トランジスタには、公知の構造を用いることができ、例えばトップゲート型でもよいし、ボトムゲート型でもよいし、そのほかの型であってもよい。
〔半導体層〕
可撓性を必要とせず、金属板やガラス板を基板とした場合は、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等の無機半導体を用いることができる。また基板としてポリカーボネートなどの可撓性プラスチック基板などを用いた場合は、低温成膜可能で可撓性、柔軟性をもち導電性を有する種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物などの有機半導体を用いることができる。
具体的には、低分子有機半導体としては、ペンタセン、テトラセン、アントラセンに代表されるアセン系化合物、中心金属がCu、Zn、Co、Ni、Pb、Pt、Fe、Mg等の2価もしくは無金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、その他バアナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン等に代表されるフタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレンもしくはPTCDA、PTCDI、PTCBI.Me−PTCなどのペリレン系顔料、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、カーボンナノチューブ類、メロシアニン色素などの色素類などを用いることができる。
高分子有機半導体としては、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)などのポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーを用いることができる。
上記の材料は単体で用いてもよいし、樹脂などのバインダーに分散混合させて用いて用いることができる。
また、有機半導体の導電率を調整するために、ドナー性、もしくはアクセプター性の無機材料、無機化合物、有機化合物などのドーパントをドープしてもよい。
半導体層の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいし、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。真空蒸着法は抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法等の化合物の加熱の方法、るつぼ、ボ−ト等の蒸着源の形状、真空度、蒸着温度、基盤温度、蒸着速度等が基本的なパラメ−タ−である。均一な蒸着を可能とするために基盤を回転させて蒸着することは好ましい。真空度は高い方が好ましく10-4Torr以下、好ましくは10-6Torr以下、特に好ましくは10-8Torr以下で真空蒸着が行われる。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。真空蒸着の上述した条件は有機膜の結晶性、アモルファス性、密度、緻密度等に影響するので厳密に制御する必要がある。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
高分子を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解のおそれがあるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。
半導体層の膜厚は、好ましくは、10nm以上1μm以下、さらに好ましくは30nm以上500nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
〔ゲート絶縁膜〕
比誘電率の高い無機酸化物や有機化合物を用いることができる。
無機酸化物としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、窒化炭化珪素、酸化窒化炭化珪素、酸化窒化ゲルマニウム、酸化炭化ゲルマニウム、窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、窒化炭化アルミニウム、酸化窒化炭化アルミニウムやこれらの混合物を用いることができる。
有機化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。また、これらのポリマー微粒子に無機酸化物を被覆した粒子も用いることができる。
ゲート絶縁層の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
また、TFTの構造にも依るが、ゲート電極の表面をO2プラズマ処理や陽極酸化法などにより酸化する方法や、N2プラズマを用いて窒化する方法などによりゲート絶縁膜を作製することもできる。
ゲート絶縁膜の膜厚としては、50nm〜3μmが好ましく、より好ましくは、100nm〜1μmである。
〔ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極〕
導電性材料であれば特に限定されず、例えば白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、これらの金属の合金、インジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、ドーピング等で導電率を向上させた無機及び有機半導体(シリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等)、これらの材料の複合体等が挙げられる。特にソース領域及びドレイン領域に用いる電極の材料は、上記の材料の中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
ゲート電極の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の膜厚としては、好ましくは、10nm以上1μm以下、さらに好ましくは30nm以上500nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
〔層間絶縁膜〕
層間絶縁膜には、ゲート絶縁膜と同様な材料を用いることができ、比誘電率の高い無機酸化物や有機化合物が好ましい。
無機酸化物としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、窒化炭化珪素、酸化窒化炭化珪素、酸化窒化ゲルマニウム、酸化炭化ゲルマニウム、窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、窒化炭化アルミニウム、酸化窒化炭化アルミニウムやこれらの混合物を用いることができる。
有機化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。また、これらのポリマー微粒子に無機酸化物を被覆した粒子も用いることができる。
層間絶縁層の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
層間絶縁膜の膜厚としては、50nm〜3μmが好ましく、より好ましくは、100nm〜1μmである。
〔受光部発光部画素電極 対向電極〕
受光部においては画素電極を陽極としてもよいし陰極としてもよい。陽極とする場合は、隣接する正孔輸送性光電変換膜または正孔輸送層または電子ブロッキング層から正孔を取り出すものであり、陰極とする場合は、隣接する電子輸送性光電変換層または電子輸送層または正孔ブロッキング層から電子を取り出すものである。
発光部においても画素電極を陽極としてもよいし陰極としてもよい。陽極とする場合は、隣接する正孔注入層、正孔輸送層などに正孔を注入するものであり、陰極とする場合は、隣接する電子注入層、電子輸送層などに電子を注入するものである。
受光部、発光部において画素電極は光利用効率を高めるために、反射率の高い材料を用いることが好ましい。また、受光部、発光部は同じ材料を使用することにより製造プロセスを簡略化することがきる。
対向電極には、受光部、発光部それぞれの画素電極と対極となる電極を設置する。対向電極は、光利用効率を高めるために、透明、もしくは半透明である必要があり、400nm〜700nmの可視光の波長領域において、少なくとも50パーセント以上、好ましくは70パーセント以上、より好ましくは90%以上の光透過率を有するものが好ましい。
画素電極と対向電極の材料は、隣接する層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれ、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができる材料である。
これらの具体例として、陽極の材料としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、シリコン化合物およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITO、IZOが好ましい。
陰極の材料としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物または酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物または酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、銀、金またはそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が挙げられる。また、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、あらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
画素電極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm以上1μm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは30nm以上500nm以下であり、更に好ましくは50nm以上300nm以下である。
対向電極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、光透過率を高めるために可能な限り薄い方がよく、通常3nm以上500nm以下の範囲が好ましく、より好ましくは5nm以上300nm以下であり、更に好ましくは7nm以上100nm以下である。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
電極の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
対向電極を形成する際は、直下の有機膜に対してダメージを与えないよう注意が必要である。例えばITOなどの透明電極を成膜する場合、プラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで透明電極膜を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、透明電極膜の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
透明電極膜の成膜中にプラズマが発生しない装置としては、例えば、電子線蒸着装置(EB蒸着装置)やパルスレーザー蒸着装置がある。EB蒸着装置またはパルスレーザー蒸着装置については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。プラズマ発生源から基体への距離が2cm以上であって基体へのプラズマの到達が減ずるような状態を実現できる装置(以下、プラズマフリーである成膜装置という)については、例えば、対向ターゲット式スパッタ装置やアークプラズマ蒸着法などが考えられ、それらについては沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シーエムシー刊、1999年)、沢田豊監修「透明導電膜の新展開II」(シーエムシー刊、2002年)、日本学術振興会著「透明導電膜の技術」(オーム社、1999年)、及びそれらに付記されている参考文献等に記載されているような装置を用いることができる。
〔受光部有機層 (有機受光層)〕
受光部の有機層は画素電極と対向電極に挟まれて設置され、その構成は、光電変換層のみでもよいし、電子ブロッキング層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロッキング層、結晶化防止層、バッファ層、平滑化層などを積層してもよいし、これらの層を混合してもよい。受光層の具体的な構成(電極を含む)としては、陽極/電子ブロッキング層/光電変換層/正孔ブロッキング層/陰極、陽極/電子ブロッキング層/正孔輸送層/光電変換層/電子輸送層/正孔ブロッキング層/陰極、陽極/バッファ層/電子ブロッキング層/光電変換層/正孔ブロッキング層/陰極、陽極/電子ブロッキング層/光電変換層/正孔ブロッキング層/バッファ層/陰極、陽極/電子ブロッキング層/結晶化防止層/光電変換層/正孔ブロッキング層/陰極などが挙げられる。また、光電変換層、電子ブロッキング層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロッキング層、結晶化防止層、バッファ層、平滑化層などを複数設けてもよい。
装置全体の構成にも依るが、光電変換層は、青光、緑光、赤光をすべて吸収し光電変換するか、もしくはこれらのうち2つの光を吸収し光電変換するか、もしくはこれらのうち1つの光のみを吸収し光電変換することが好ましい。青光吸収層は少なくとも400〜500nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。緑光吸収層は少なくとも500〜600nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。赤光吸収層は少なくとも600〜700nmの光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。
光電変換層は、n型半導体、もしくはp型半導体を単層で用いることもできるが、好ましくはn型半導体とp型半導体を組み合わせて用いるのがよい。
有機p型半導体は、ドナー性有機半導体であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
有機n型半導体は、アクセプター性有機半導体であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
また、有機p型半導体、有機n型半導体として、有機色素p型有機色素やn型有機色素を用いることもでき、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)が挙げられる。
次に金属錯体化合物について説明する。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体であり、金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、または錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、または亜鉛イオンである。前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、H.Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社,1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社,1982年発行、等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
光電変換層の構成は、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜(感光層)を含有する場合が好ましい。このような場合、光電変換膜において、有機層にバルクへテロ接合構造を含有させることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。なお、バルクへテロ接合構造については、特願2004−080639号において詳細に説明されている。
また、光電変換層の構成として、1対の電極間にp型半導体の層とn型半導体の層で形成されるpn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数を2以上有する構造を持つ光電変換膜(感光層)を含有する場合も好ましく、さらに好ましくは、前記繰り返し構造の間に、導電材料の薄層を挿入する場合である。pn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数はいかなる数でもよいが、光電変換効率を高くするために好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜30であり、特に好ましくは2または10である。導電材料としては銀または金が好ましく、銀が最も好ましい。なお、タンデム構造については、特願2004−079930号において詳細に説明されている。
光吸収の点では有機色素層の膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、本発明における有機色素層の膜厚として好ましくは、30nm以上300nm以下、さらに好ましくは50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
〔電子ブロッキング層、正孔輸送層〕
電子ブロッキング層と正孔輸送層には、電子供与性有機材料を用いることができる。電子ブロッキング層や正孔輸送層は光電変換層で発生した正孔を陽極に輸送する能力が高いこと、また、逆バイアス印加時に陽極からの電子注入を阻止する能力が高いことを求められる。
具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。
電子ブロッキング層、もしくは正孔輸送層の膜厚として好ましくは、10nm以上300nm以下、さらに好ましくは30nm以上250nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
〔正孔ブロッキング層、電子輸送層〕
正孔ブロッキング層と電子輸送層には、電子受容性有機材料を用いることができる。正孔ブロッキング層や電子輸送層は光電変換層で発生した電子を陰極に輸送する能力が高いこと、また、逆バイアス印加時に陰極からの正孔注入を阻止する能力が高いことを求められる。
電子受容性材料としてはC60、C70をはじめとするフラーレンやカーボンナノチューブ、及びそれらの誘導体や、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物などを用いることができる。
正孔ブロッキング層、もしくは電子輸送層の膜厚として好ましくは、10nm以上300nm以下、さらに好ましくは30nm以上250nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
これら有機層の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
〔発光部有機層 (有機発光層)〕
発光部の有機層は画素電極と対向電極に挟まれて設置され、その構成は、発光層のみからなる単層構造であってもよいし、発光層の外に、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層等のその他の層を適宜有する積層構造であってもよい。有機化合物層22の具体的な構成(電極を含む)としては、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極などが挙げられる。また、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、電子注入層を複数設けてもよい。
装置全体の構成にも依るが、発光層は、青光、緑光、赤光をすべてを発光(白色光)するか、もしくはこれらのうち2つの光を発光するか、もしくはこれらのうち1つの光のみ発光するかことが好ましい。青光発光層は少なくとも400〜500nmの光を発光することができ、緑光発光層は少なくとも500〜600nmの光を発光することができ、赤光発光層は少なくとも600〜700nmの光を発光することができる必要がある。
発光層は、電界印加時に陽極又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
発光層は発光材料を含有する。発光材料は単一化合物で形成されても良いし、複数の化合物で形成されても良い。また、発光層は1層であっても2層以上であっても良く、それぞれの層が異なる発光色で発光しても良い。発光層が複数の場合は、それぞれの発光層は単一材料で形成されていても良いし、複数の材料で形成されていても良い。
発光層の材料としては、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノールの金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、及び、白金ポルフィリン錯体に代表される遷移金属錯体、及び、それらの誘導体等を用いることができる。
発光層の膜厚は、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜等をもちいることができる。
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールなどの有機シラン等を用いることができる。
電子注入層、電子輸送層の膜厚は、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
〔隔壁〕
発光層から放出された光の中には受光層に直接向かう光もあり受光層のS/Nを低下させてしまうので、この光を遮断するために隔壁が必要となる。隔壁は、ブラックあるいは不透明にすることが望ましい。
隔壁の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミド等の有機材料にカーボンブラックやチタンブラック、Cu−Fe−Mn系酸化物、合成鉄黒等の黒色顔料を混入したものを用いることができる。
隔壁の形成方法としては、湿式成膜法を用いることができる。具体的な例としては、キャスト法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
隔壁の膜厚は、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは50nm〜500nmである。
〔接着層〕
第二保護層による有機層や電極への水分、酸素の遮断が十分でない場合は、接着剤と封止基板を用いて封止を行う必要がある。
トランジスタ、発光層、受光層を含む有機層を封止する接着剤は、例えばウレタン系、シリコーン系、スチレン系、エステル系、塩化ビニル系、エポキシ系の樹脂などのように、柔軟性のある紫外線硬化型または熱硬化型の樹脂が用いられ、封止基板の貼り付け後に硬化される。全面封止の場合は紫外線による有機層へのダメージが考えられるため、熱硬化型の樹脂が好ましい。
接着層は発光層から放出した光や原稿で反射し受光層に入射する光を透過する必要があり、透明、もしくは半透明であることが好ましく、具体的には400nm〜700nmの可視光の波長領域において、少なくとも50パーセント以上、好ましくは70パーセント以上、より好ましくは90%以上の光透過率を有するものが好ましい。
接着層を形成する方法としては、スクリーン印刷機によって封止樹脂を印刷する方法と、ディスペンサーによって封止樹脂を描画する方法を用いることができる。
〔カラーフィルタ層〕
受光層、発光層にカラーフィルタが必要な場合は、例えば、第二保護層上に設置してもよいし、あらかじめ封止基板に設置したものを接着してもよい。
〔読み出し回路〕(図13、図14、図15)
原稿を照射するための発光部はデータ線によりシフトレジスタ、レベルシフタ、アナログスイッチなどを備えるデータ線駆動回路に接続され、また、走査線によりシフトレジスタとレベルシフタを備える走査線駆動回路に接続されており、発光部コントローラからの信号を受け、受光部コントローラと連携して画素を発光させる。受光部は、水平アドレス回路と垂直アドレス回路に接続され、受光部コントローラの信号を受け、画素選択、信号読み出しを行い、出力信号に対してアナログ信号処理、AD変換、デジタル信号処理を行う。
〔読み出し方法〕(図16)
発光画素の駆動方法としては、まず、走査線を介してトランジスタTr1のゲート電極Gが選択され電圧供給されると、Tr1はソース電極Sに供給されるデータ線からのデータ電圧に対応した電流を、ソース電極Sからドレイン電極Dに流す。すると、Tr1のゲート電極Gが選択されている間に、キャパシタC1が充電され、その電圧がトランジスタTr2のゲート電極Gに供給されて、Tr2にはそのゲート電圧とソース電圧に基づいた電流を、ソース電極Sから発光素子LEDに流し、LEDを発光させる。次に、Tr1のゲート電極Gへの電圧供給がオフになると、Tr1はカットオフとなり、Tr1のドレイン電極Dは開放状態となるものの、Tr2はキャパシタC1に蓄積された電荷によりゲート電極Gの電圧が保持され、次の走査まで駆動電流を維持し、LEDの発光が維持される。
受光画素は、光電変換効率を向上するために受光層に電圧を印加することが好ましく、印加電圧としては、いかなる電圧でも良いが、光電変換膜の膜厚により必要な電圧は変わってくる。すなわち、光電変換効率は、光電変換膜に加わる電場が大きいほど向上するが、同じ印加電圧でも光電変換膜の膜厚が薄いほど加わる電場は大きくなる。従って、光電変換膜の膜厚が薄い場合は、印加電圧は相対的に小さくても良い。光電変換膜に加える電場として好ましくは、10V/m以上であり、さらに好ましくは1×103V/m以上、さらに好ましくは1×105V/m以上、特に好ましくは1×106V/m以上、最も好ましくは1×107V/m以上である。上限は特にないが、電場を加えすぎると暗所でも電流が流れ好ましくないので、1×1012V/m以下が好ましく、さらに1×109V/m以下が好ましい。
受光画素の駆動方法としては、まず、選択線を介してトランジスタTr3のゲート電極Gを選択しフォトダイオードPDに光電変換に必要な逆バイアス電圧を供給する。この状態で原稿からの反射光を受光することによりPDに光電流が発生し、その信号をデータ線を介して読み出し、アンプによる増幅、アナログ信号処理、AD変換、デジタル信号処理を行う。
具体的な読み出し方法としては、まず、読み取りたい原稿を封止基板上に密着させる。次に一つの受光画素を駆動させ、非発光時の暗信号をデータ線を介して読み出す。その後、駆動させた受光画素に隣接、もしくは近接する一つの発光画素を発光させ原稿に光を照射することにより、原稿の情報に対応した反射光が得る。この原稿からの反射光を駆動させておいた受光画素で受け取り、明信号として電気信号として読み出す。全面同時照射ではなく、順次、各発光部発光させることにより、受光画素に進入する漏れ光や多重反射などによる偽信号がなくなり、明信号と暗信号の比が高くなり精細な情報を得ることができる。
例えば、図13では一例として、発光画素と受光画素を並べた場合を示してあり、発光画素(1)は赤色発光、発光画素(2)は緑色発光、発光画素(3)は青色発光、受光画素(4)、(5)、(6)、(7)、(8)はいずれも、赤色緑色青色の三色すべてを受光することができる。この例の場合では、まず受光画素(4)を駆動させ、暗信号を読み出しておく。続いて発光画素(1)を駆動し赤光を発光させることにより原稿へ赤光が照射する。この反射光を受光画素で光電変換し、明信号として読み出す。原稿が赤光を吸収する場合、受光画素への反射光はなく、原稿が赤色を吸収しない場合は、強い反射が受光画素(4)へ届く。同様に、発光画素(1)の発光に対して受光画素(5)、受光画素(6)を駆動させ原稿の赤色情報を検出する。
次に、受光画素(5)を駆動し暗信号を読み出した後、緑光発光画素(2)を駆動させ原稿の緑情報を明信号として読み出す。同じように、受光画素(6)、受光画素(7)で順に原稿の緑信号を検出する。
次に、受光画素(6)を駆動し暗信号を読み出した後、青光発光画素素(3)を駆動させ、原稿の青情報を明信号として読み出す。同じように、受光画素(6)、受光画素(7)で順に原稿の青信号を検出する。
このような原稿情報の検出動作を順次すべての受光画素で行い、得られた信号を演算回路で処理することにより、原稿情報を高精細にフルカラーで読み取ることができる。
有機トランジスタ、有機発光素子、有機光電変換素子の駆動時間それぞれ十分高速であり、上記のような逐次読取りを行っても極短時間で原稿情報を読み取ることができる。
読取は端から順番に行ってもよいし、任意の場所から任意の順で行ってもよい。また、受光画素に進入する漏れ光や多重反射などによる偽信号の影響がない程度に離れた場所であれば、2箇所以上で同時に発光を行い一連の読取動作を行うこともできる。
〔応用〕
本発明のエリアセンサを用いた画像入力装置は、例えば、パソコン等の画像読取用のスキャナとして用いることができることはもちろんであるが、その自発光、薄型コンパクト、フレキシブル、カラー用、等の種々の特性を生かして様々な装置に組み込むことが可能である。
例えば、普通の使い方としては、例えば電子写真装置等に、機械的走査をする必要がない原稿読取用のエリアセンサスキャナとして組み込むことができる。また、ホワイトボードに板書した内容をそのまま画像として読み取るためのエリアセンサスキャナとしてホワイトボードに組み込むことができる。読み取ったデータは、即時にプリントアウトするようにしても良いし、電子データとして保存して種々の加工をすることもできる。
薄型コンパクトとすることができることから、例えば携帯電話に組み込むことも可能であり、例えば暗いところでも簡便な小型のエリアセンサスキャナとして使用するようにすることも可能である。
フレキシブルな特性を生かして薄い下敷き様のエリアセンサスキャナに組み込むことも可能であり、ぶ厚い本等のように曲面状の原稿に対して曲面に沿わせてそのまま用いて原稿を読み取るようにすることができる。また、携帯可能な小型のメモノートに組み込むことで、紙や記載内容が消去可能な磁気ペーパー等に書いた内容をそのまま読み取るようにすることもできる。
以下、本発明のエリアセンサの作製例を示す。
〔実施例〕(図17〜19)
厚み200μmのポリカーボネートフィルム基板(1)上に遮光層(2)として、200nmのAl層をスパッタ法により成膜した。続いて、第一保護層(3)として、1μmのSiN、1μmのSiO、1μmのSiNをプラズマCVD法により順次成膜した。
続いて、マスクを用いた真空蒸着法により有機半導体層(4)として一辺約100μm、厚み200nmのペンタセンを成膜した。
その上に、基板を低温に保ったまま、プラズマCVD法により、酸化シリコン膜からなる200nmのゲート絶縁膜(5)を形成した。その上に200nmのクロム膜を形成しフォトリソ法によるパターニングを行い、ゲート電極(6)とした。
続いて層間絶縁層1(7)として厚み500nmの酸化シリコン膜を形成すると共にフォトリソ法によりゲート絶縁層、層間絶縁層をパターニングし、ソース電極とドレイン電極に対応する位置にコンタクトホールを形成した。
続いてコンタクトホールを覆うようにクロム膜を形成しフォトリソ法によるパターニングを行い、ソース電極(8)とドレイン電極(9)を形成した。
その上に層間絶縁層2(10)として厚み500nmの酸化シリコン膜を形成すると共にフォトリソ法により層間絶縁層2(10)をパターニングし、画素電極に対応する位置にコンタクトホールを形成した。
続いてこのコンタクトホールを覆うようにスパッタ法にて画素電極となる厚み100nmAl膜を形成し、その上にさらに厚み50nmのMo膜を形成し、その上にさらにスパッタ法により厚み50nmのITO膜を形成しそれらをフォトリソ法によるパターニングを行い、画素電極(11)を形成した。
続いて、その上に、遮光性樹脂膜として、黒色顔料を分散したアクリル樹脂を厚さ300nmでスピンコートした。続いてフォトリソ法によるパターニングを行い、遮光壁(12)を形成した。
次に、赤光発光層、緑光発光層、青光発光層(13)、受光層(14)をマスク法により順に形成した。赤光発光層(13)には、まずTPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン)約50nm蒸着した後、赤色発光材料(D)及びAlq(トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)を各々蒸着速度0.004nm/秒、0.4nm/秒で膜厚約50nmとなるように共蒸着した。さらに電子輸送材料(E)約20nmを順に基板温度室温の条件下蒸着した。つぎに緑光発光層(13)として、TPDを50nmの厚さで蒸着し、その上にルブレンを1モル%ドープしたAlqを50nm蒸着した。次に青光発光層(13)として、α−NPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン)を40nm蒸着し、その上に、下記に示す化合物F(DPVBi)を20nm蒸着し、さらにその上に、化合物Eを40nm蒸着した。
次に、受光層(14)として、まず電子ブロッキング層となるm−MTDATAを20nmし、その上にp型有機半導体の銅フタロシアニンを30nm、n型有機半導体の3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスイミダゾール(PTCBI)を30nm蒸着しさらにその上に、正孔ブロッキング層となる化合物Eを20nm蒸着した。
それらの上に、共通な半透明な対向電極(15)としてMgAg(10:1)を7nm蒸着した。
その上には、第二保護層(16)として、1μmのSiN、1μmのSiO、1μmのSiNをプラズマCVD法により順次成膜した。その上に、封止基板(19)と張り合わせるために、接着剤(17)を塗布した。接着剤は、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート825」、(株)ジャパンエポキシレジン社製)、硬化剤としてジエチレントリアミン((株)東京化成工業社製)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(「KBM403」、(株)信越化学工業社製)を攪拌混合したものを用いた。硬化前にポリカーボネート封止基板を張り合わせ、その後、25℃で20時間接着剤の硬化を行った。
このシート状の画像読取素子に制御装置を接続し、画像入力装置とした。
Figure 0004911446
本発明のエリアセンサの好適な実施の形態についての断面図。 発光画素の列と受光画素の列とが交互に並んだ配置。 発光画素はすべて白色発光、受光画素は、赤色光感受性R、緑色光感受性G、青色光感受性Bの順。 各発光画素はすべて白色発光、受光画素は、イエロー色光感受性Y、マゼンタ色光感受性M、シアン色光感受性Cの順。 発光画素は、赤色発光R、緑色発光G、青色発光Bの順、各受光画素はすべて汎色感受性。 発光画素は、イエロー色発光Y、マゼンタ色発光M、シアン色発光Cの順、各受光画素はすべて汎色感受性。 発光画素と受光画素とが市松模様に交互に並んだ配置。 発光画素1つと受光画素3つとをベイヤー配列に配置。 白色発光画素1つと赤色光感受性R、緑色光感受性G、青色光感受性Bの各受光画素をベイヤー配列に配置。 白色発光画素1つとイエロー色光感受性Y、マゼンタ色光感受性M、シアン色光感受性Cの各受光画素をベイヤー配列に配置。 各汎色感受性受光画素上にカラーフィルタ(RGB又はYMC)を配置した構成。 各白色発光画素上カラーフィルタ(RGB又はYMC)を配置した構成。 発光画素と受光画素を配置した本発明のエリアセンサの装置構成例。 発光画素回路図例。 受光画素回路図例。 読み出し方法例の説明図。 本発明のエリアセンサ作製例(実施例)の説明図。 本発明のエリアセンサ作製例(実施例)の説明図(続き)。 本発明のエリアセンサ作製例(実施例)の説明図(続き)。
符号の説明
0 原稿
1 基板
2 遮光層
3 保護層
4 半導体層
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
7 層間絶縁層1
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 層間絶縁層2
11 画素電極
12 遮光壁
13 発光層
14 光電変換層
15 対向透明電極
16 保護層
17 接着層
19 封止基板
100 発光画素
110 発光素子
120 薄膜トランジスタ
200 受光画素
210 光電変換素子
220 薄膜トランジスタ

Claims (17)

  1. 発光素子と薄膜トランジスタとを積層してなる発光画素と、光電変換素子と薄膜トランジスタとを積層してなる受光画素とが、基板上に2次元的に配置されており、
    前記発光素子は、前記発光画素に含まれる前記薄膜トランジスタの上方に形成された第一の電極と、前記第一の電極上方に形成された発光層と、前記発光層上方に形成された第二の電極とを含んで構成され、
    前記光電変換素子は、前記受光画素に含まれる前記薄膜トランジスタの上方に形成され、前記第一の電極と同一層に形成された第三の電極と、前記第三の電極上方に形成された光電変換層と、前記光電変換層上方に形成された前記発光素子と共通の前記第二の電極とを含んで構成されるエリアセンサ。
  2. 前記発光素子が有機発光素子であり、前記光電変換素子が有機光電変換素子であることを特徴とする請求項1記載のエリアセンサ。
  3. 前記薄膜トランジスタに有機半導体を用いていることを特徴とする請求項またはに記載のエリアセンサ。
  4. 前記発光素子と光電変換素子の間に遮光壁を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  5. 前記各発光画素が白色発光であり、前記各受光画素が赤色光、緑色光、青色光のいずれかに感受性、もしくはイエロー色光、マゼンタ色光、シアン色光のいずれかに感受性であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  6. 前記各発光画素が赤色発光、緑色発光、青色発光のいずれか、もしくはイエロー色発光、マゼンタ色発光、シアン色発光のいずれかであり、前記各受光画素が汎色感受性であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  7. 前記各発光画素が白色発光、前記各受光画素が汎色感受性であり、各受光画素上に、赤色、緑色、青色フィルタのいずれか、もしくはイエロー色、マゼンタ色、シアン色フィルタのいずれかの、カラーフィルタを配置してあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  8. 前記各発光画素が白色発光、前記各受光画素が汎色感受性であり、各発光画素上に、赤色、緑色、青色フィルタのいずれか、もしくはイエロー色、マゼンタ色、シアン色フィルタのいずれかの、カラーフィルタを配置してあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  9. 前記各発光画素の列と各受光画素の列とが交互に並んでいることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  10. 前記各白色発光画素と、前記赤色光、緑色光、青色光のいずれかに感受性、もしくはイエロー色光、マゼンタ色光、シアン色光のいずれかに感受性の各受光画素とがベイヤー配列であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエリアセンサ。
  11. 前記基板がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のエリアセンサ。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載されたエリアセンサと、前記各発光画素の各薄膜トランジスタに接続され各発光素子を発光させて露光を行うための露光制御装置と、前記各受光画素の各薄膜トランジスタ接続され該薄膜トランジスタを駆動する受光制御装置と、該受光画素の各薄膜トランジスタに接続され各光電変換素子から信号を読み出す読み出し装置と、それらを制御する制御手段とを有することを特徴とする画像入力装置。
  13. 請求項12の画像入力装置を組み込んだことを特徴とする電子写真装置。
  14. 請求項12の画像入力装置を組み込んだことを特徴とするホワイトボード。
  15. 請求項12の画像入力装置を組み込んだことを特徴とする携帯電話。
  16. 請求項12の画像入力装置を組み込んだことを特徴とする下敷き様エリアセンサスキャナ。
  17. 請求項12の画像入力装置を組み込んだことを特徴とするメモノート。
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