JP2009005082A - 撮像素子及び撮像装置 - Google Patents

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誠之 林
Shunji Takada
俊二 高田
Katsuhisa Ozeki
勝久 大関
Atsushi Tanaka
淳 田中
Kimiatsu Nomura
公篤 野村
Masaya Nakayama
昌哉 中山
Kiyoshi Fujimoto
潔 藤本
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Abstract

【課題】発光領域と受光領域とが混在するシート状の撮像素子であって、医療用に最適な撮像素子を提供する。
【解決手段】平面視において発光領域2bと受光領域2aとが混在したシート状の撮像素子2であって、シート状の透光性基板23と、透光性基板23の表面上方の受光領域2aに形成された光電変換素子25と、透光性基板23の表面上方の発光領域2bに形成された光を透過する透光部24と、透光性基板23の裏面側から透光性基板23を介して透光部24に光を入射する発光シート22とを備え、透光性基板23が赤外光を透過するものであり、光電変換素子25が赤外光を検出するものであり、透光部24が赤外光を透過するものであり、発光シート22が赤外光を透光部24に入射するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、平面視において発光領域と受光領域とが混在したシート状の撮像素子に関する。
従来、発光領域と受光領域とが混在したシート状の撮像素子として様々なものが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。特許文献1記載の素子は、開口が設けられた基板の表面側に受光素子が設けられ、裏面側にバックライトが配置された構成であり、バックライトから発光されて開口を透過した光が被写体に当たり、この被写体からの反射光が受光素子で受光されることで、撮影を可能にしている。特許文献2,3記載の素子は、基板表面上に発光素子と受光素子を交互に配置した構成であり、発光素子から発光されて被写体から反射してきた光を受光素子で受光することで、撮影を可能にしている。
特開2004−47618号公報 特開2007−104088号公報 特開2004−81203号公報
上記いずれの素子も、カラー画像やモノクロ画像を撮影することを前提にしたものであり、その用途は限られたものとなっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発光領域と受光領域とが混在するシート状の撮像素子であって、医療用に最適な撮像素子を提供することを目的とする。
本発明の撮像素子は、平面視において発光領域と受光領域とを有し、これらが混在したシート状の撮像素子であって、シート状の透光性基体と、前記透光性基体の表面上方の前記受光領域に形成された一対の電極及び前記一対の電極によって挟まれる光電変換層を含む光電変換素子と、前記透光性基体の表面上方の前記発光領域に形成された光を透過する透光部と、前記透光性基体の裏面側から前記透光性基体を介して前記透光部に光を入射する光源部とを備え、前記透光性基体が赤外光を透過するものであり、前記光電変換層が赤外光を検出するものであり、前記透光部が赤外光を透過するものであり、前記光源部が赤外光を前記透光部に入射するものである。
本発明の撮像素子は、前記赤外光が波長700nm〜2500nmの範囲の光である。
本発明の撮像素子は、前記光源部が前記透光性基体の裏面側に設けられた発光シートである。
本発明の撮像素子は、前記光源部が、前記透光性基体の裏面側に設けられ、入射された赤外光を前記透光部に導くための導光板と、前記導光板に赤外光を入射する赤外光源とで構成される。
本発明の撮像素子は、前記透光性基体が可撓性材料で構成されたものである。
本発明の撮像素子は、前記光電変換層が有機光電変換材料によって構成されたものである。
本発明の撮像素子は、前記光電変換層と前記透光部との間、及び、前記光電変換層と前記透光性基体との間に、前記光源部からの光が前記透光性基体側から前記光電変換層に入射してしまうのを防ぐ遮光層を備える。
本発明の撮像素子は、前記透光性基体の表面上方に形成された前記光電変換素子を駆動するためのトランジスタを備える。
本発明の撮像素子は、前記トランジスタが有機半導体又は酸化物半導体で構成されている。
本発明の撮像素子は、前記光電変換素子と前記透光部とが前記透光性基体表面に平行な方向に交互に配列されている。
本発明の撮像素子は、前記透光部と前記光源部との間に前記透光部に対応して形成された液晶層及び前記液晶層の配向を制御するための電極を含む液晶素子を備える。
本発明の撮像素子は、前記透光部が液晶層を含んで構成される。
本発明の撮像素子は、前記透光部が前記液晶層の配向を制御するための電極を含む。
本発明の撮像装置は、前記撮像素子と、前記液晶層の配向を制御して、前記液晶素子を、前記光源部からの光を透過させて該光を前記透光部に入射可能にした状態である透過状態と、該光を透過させずに前記透光部に該光を入射不可能にした状態である非透過状態とに切り替える光透過制御手段とを備え、前記光透過制御手段は、前記光源部から赤外光が発光されている状態で、前記液晶素子を前記透過状態にするタイミングを前記液晶素子の位置に応じて順次ずらしていく制御を行う。
本発明の撮像装置は、前記撮像素子と、前記液晶層の配向を制御して、前記透光部を、光を透過する透過状態と光を透過しない非透過状態とに切り替える光透過制御手段とを備え、前記光透過制御手段は、前記光源部から赤外光が発光されている状態で、前記透光部を前記透過状態にするタイミングを前記透光部の位置に応じて順次ずらしていく制御を行う。
本発明によれば、発光領域と受光領域とが混在するシート状の撮像素子であって、医療用に最適な撮像素子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態である撮像装置の概略構成を示す図である。図2は、図1の撮像装置に搭載される撮像素子の受光面側から見た平面模式図である。図3は、図2に示すA−A線断面模式図である。図4は、図3に示す受光領域と発光領域の断面を拡大した模式図である。尚、図3では、図4に示す構成要素の一部を省略してある。図1に示す撮像装置1は、シート状の撮像素子2と、この撮像素子2にケーブル3を介して接続される制御装置4とを備える。
撮像素子2は、図2に示すように、平面視においてX方向に交互に配置された受光領域2aと発光領域2bとからなる行を、X方向に直交するY方向に多数配列した構成となっている。受光領域2aは、被写体からの反射光を受光するための領域であり、発光領域2bは、被写体に対して光を照射するための領域である。
図3、4に示すように、撮像素子2は、赤外光(波長700nm〜2500nmの範囲の光)を透過する透光性基体23と、透光性基体23の表面上に形成されたゲート絶縁層32と、ゲート絶縁層32上に形成された層間絶縁層33と、層間絶縁層33上に形成された層間絶縁層51と、層間絶縁層51の表面上の受光領域2aに形成された光電変換素子25と、層間絶縁層51の表面上方の発光領域2bに形成された赤外光を透過する透光部24と、透光性基体23の裏面側から透光性基体23を介して透光部24に赤外光を入射する光源部である発光シート22と、透光部24及び光電変換素子25上に形成された可視光をカットして赤外光を透過する可視光カット層47と、可視光カット層47上に形成された赤外光を透過する材料からなる封止基板27とを備える。
ゲート絶縁層32、層間絶縁層33,51は、それぞれ赤外光を透過することのできる材料で構成されている。
透光性基体23は赤外光を透過することのできる可撓性の材料で構成されている。700nm〜1700nmの赤外光に対して高い透過性を示す可撓性の材料としては、例えばポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどが挙げられる。1700nm〜2500nmの赤外光に対して高い透過性を示す可撓性の材料としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
発光シート22は、赤外光を発光する発光シートであり、透光性基板23の下方に設けられている。発光シート22は、透光性基体23と同様に可撓性の材料で構成されている。このような発光シート22は、例えばEL(エレクトロルミネッセンス)シートのように面発光する極薄のシート状光源を用いることができる。
発光シート22は、無機材料を用いた無機発光素子であってもよいし、主に有機材料を用いた有機発光素子であってもいが、フレキシブルな機能を必要とする場合は、可撓性である有機発光素子が好ましい。有機発光素子の構成としては、一対の電極間に1層以上の有機層を有する有機発光素子であって、有機層のうち少なくとも1層が赤外光発光材料を含有することを特徴とする。赤外光発光材料としては、蛍光スペクトルの少なくとも一部が700nm以上の波長領域に存在する蛍光性化合物(例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体等)を用いることができる。また、有機発光素子の構成として前記赤外発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。赤外発光材料を含有する有機層は、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層及び発光層のいずれであってもよく、これら層のうち2以上の機能を備えた層であってもよい。
有機層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、塗布法、インクジェット法及び印刷法などの方法が利用できる。有機発光素子に用いる一対の電極のうち陽極は、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物又はこれらの混合物等を用いることができる。好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム及び酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物;金、銀、クロム及びニッケル等の金属;これらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物;ヨウ化銅及び硫化銅などの無機導電性物質;ポリアニリン、ポリチオフェン及びポリピロールなどの有機導電性材料及びこれらとITOとの積層物:等が挙げられる。好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
前記陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。発光効率を高める為には、例えば陽極としてITO電極を用いる場合、UV−オゾン処理及びプラズマ処理等が効果的である。
前記一対の電極のうち陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を用いることができる。より具体的には、アルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられる。好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。トップエミッション型のように陰極から赤外光を取り出す場合は、これらの材料を薄膜として用いるか、もしくは酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム及び酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物を用いる。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜1μmである。前記陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、塗布法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
前記陽極及び前記陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
前記発光層は、電界印加時に陽極または正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。前記発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。前記発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、塗布法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、LB法及び印刷法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着及び塗布法である。
発光シート22は正孔注入層及び/又は正孔輸送層を有していてもよい。前記正孔注入層及び前記正孔注入層に含有される材料としては、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有するものであればよい。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン誘導体及び本発明の化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記正孔注入層及び前記正孔輸送層の膜厚は各々特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。前記正孔注入層及び正孔輸送層は各々上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、前記正孔注入層及び正孔輸送層の各々の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させて塗布する方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法が用いられる。
発光シート22は電子注入層及び/又は電子輸送層を有していてもよい。前期電子注入層及び前記電子輸送層に各々含有される材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体及び本発明の有機発光素子材料等が挙げられる。これらの材料は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
電子注入層及び電子輸送層の膜厚は各々特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層及び電子輸送層は各々上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、電子注入層及び電子輸送層の各々の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させて塗布する方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法などが用いられる。
発光シート22は保護層を有していてもよい。前期保護層に含有される材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
前記保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、塗布法及び印刷法を適用できる。
発光シート22は、蒸着法もしくは塗布法による作製が好ましい。塗布法にて赤外光発光素子を作製する場合は、有機層を構成する材料を有機溶媒に溶解及び/又は分散させ、塗布液を調製し、電極表面上または所定の層上に塗布して形成する。前記塗布液の調製時に樹脂成分を使用してもよい。前記樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂及びシリコン樹脂などが挙げられる。塗布に用いる赤外光発光材料としては、例えば下記の一般式(1)(2)に示す材料などが考えられる。
Figure 2009005082
式(1)中、R1及びR5は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環残基を表し、R2、R3及びR4は各々水素原子又は1価の置換基を表し、R1、R2、R3、R4及びR5のうち2以上が互いに結合して環を形成していてもよい。X11及びX12は各々窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はテルル原子を表し、R4−C=X12−は共通の環を構成していてもよい。n11及びn13は各々0〜2のいずれかの整数を表し、n12は1〜6のいずれかの整数を表す。但し、一般式(1)で表される化合物は、分子全体の電荷に応じて対イオンを有していてもよい。
式(2)中、R11、R12及びR13は各々水素原子又は1価の置換基を表し、R11、R12及びR13のうち2以上が互いに結合して環を形成してもよい。R14及びR15は各々アルキル基を表し、A11及びA12は各々炭素原子及び窒素原子と共に3〜9員環を形成するための原子団を表し、n1は0〜4のいずれかの整数を表す。但し、一般式(2)で表される化合物は、分子全体の電荷に応じて対イオンを有していてもよい。具体的な材料としては、例えば下記に示す化合物1や化合物2が挙げられる。
Figure 2009005082
蒸着に用いる赤外光発光材料としては、例えば下記の一般式(3)に示す材料などが考えられる。
Figure 2009005082
式(3)中、Rは、H、Cn H2n+1 (n=1〜10)、Cn H2n+1O(n=1〜10)、NH2 、N(Cn H2n+1)2 (n=1〜10)、N(C6 H5 )2 、NO2 、CF3 、ハロゲン元素、からなる群から選択される置換基を表す。
Figure 2009005082
光電変換素子25は、赤外光を吸収してこれに応じた電荷を発生する有機の光電変換材料(例えば、錫フタロシアニン)からなる光電変換層39と、これを挟む赤外光を透過可能な材料(例えばITO)で構成された電極40及び赤外光の透過を防ぐ不透明な材料(例えばアルミニウム)で構成された電極38から構成されており、これら一対の電極間にバイアス電圧を印加することで、光電変換層39に入射した光に応じて光電変換層39で発生した電荷が、一対の電極38,40に移動するようになっている。光電変換素子25の上にはこれを保護する保護層41が形成されている。保護層41は、赤外光を透過することのできる材料で構成されている。
〔光電変換層を含む有機層 (有機受光層)〕
有機受光層は一対の電極(画素電極と対向電極)に挟まれて設置され、その構成は、光電変換層のみでもよいし、電子ブロッキング層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブ ロッキング層、結晶化防止層、バッファ層、平滑化層などを積層してもよいし、これらの層を混合してもよい。受光層の具体的な構成(電極を含む)としては、 陽極/電子ブロッキング層/光電変換層/正孔ブロッキング層/陰極、陽極/電子ブロッキング層/正孔輸送層/光電変換層/電子輸送層/正孔ブロッキング層 /陰極、陽極/バッファ層/電子ブロッキング層/光電変換層/正孔ブロッキング層/陰極、陽極/電子ブロッキング層/光電変換層/正孔ブロッキング層/ バッファ層/陰極、陽極/電子ブロッキング層/結晶化防止層/光電変換層/正孔ブロッキング層/陰極などが挙げられる。また、光電変換層、電子ブロッキン グ層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロッキング層、結晶化防止層、バッファ層、平滑化層などを複数設けてもよい。光電変換層は、700nmから2500nmの中で発光素子の発光波長に対する吸収係数が高くかつ光電変換できる材料を用いることが好ましい。光電変換層は、n型半導体、もしくはp型半導体を単層で用いることもできるが、好ましくはn型半導体とp型半導体を組み合わせて用いるのがよい。
有機p型半導体は、ドナー性有機半導体であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2 つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合 物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラ ゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン 化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物 (ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテ ロ環化合物を配位子として有する金属錯体等上記の中でも特にフタロシアニン化合物やナフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
具体的には、下記に示す(化合物4) Tin(II) phthalocyanine (吸収ピーク 730nm)や、(化合物5) Silicon 2,3-naphthalocyanine bis(trihexylsilyloxide) (吸収ピーク 800nm) などは十分に光電変換を行うことが可能であり好ましい。
Figure 2009005082
有機n型半導体は、アクセプター性有機半導体であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機 化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、フラーレン類、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テ トラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えば ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、ア クリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベン ゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサ ジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、 フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。中でも、フラーレンC60を用いることが好ましく、化合物4や化合物5などのp型半導体と組み合わせることで大幅な光電変換効率向上が可能となる。
光電変換層の構成は、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層 の間に、該p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を中間層として有する光電変換膜(感光層)を含有する場合が好ましい。このような場 合、光電変換膜において、有機層にバルクへテロ接合構造を含有させることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させる ことができる。なお、バルクへテロ接合構造については、特願2004−080639号において詳細に説明されている。
また、光電変換層の構成として、1対の電極間にp型半導体の層とn型半導体の層で形成されるpn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数を2以上有する構造を持つ光電変換膜(感光層)を含有する場合も好ましく、さらに好ましくは、前記繰り返し構造の間に、導電材料の薄層を挿入する場合である。pn接合 層の繰り返し構造(タンデム構造)の数はいかなる数でもよいが、光電変換効率を高くするために好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは2〜30であ り、特に好ましくは2または10である。導電材料としては銀または金が好ましく、銀が最も好ましい。なお、タンデム構造については、特願2004− 079930号において詳細に説明されている。
光吸収の点では有機色素層の膜厚は大きいほど好ましいが、電荷分離に寄与しない割合を考慮すると、本発明における有機色素層の膜厚として好ましくは、 30nm以上300nm以下、さらに好ましくは50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
電子ブロッキング層と正孔輸送層には、電子供与性有機材料を用いることができる。電子ブロッキング層や正孔輸送層は光電変換層で発生した正孔を陽極に輸送する能力が高いこと、また、逆バイアス印加時に陽極からの電子注入を阻止する能力が高いことを求められる。具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N− (ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾー ル、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N− (3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタ ロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリー ルアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導 体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、 フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができ る。電子ブロッキング層、もしくは正孔輸送層の膜厚として好ましくは、10nm以上300nm以下、さらに好ましくは30nm以上250nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
〔正孔ブロッキング層、電子輸送層〕
正孔ブロッキング層と電子輸送層には、電子受容性有機材料を用いることができる。正孔ブロッキング層や電子輸送層は光電変換層で発生した電子を陰極に輸送する能力が高いこと、また、逆バイアス印加時に陰極からの正孔注入を阻止する能力が高いことを求められる。電子受容性材料としてはC60、C70をはじめとするフラーレンやカーボンナノチューブ、及びそれらの誘導体や、1,3−ビス(4−tert−ブチル フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、 バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メ チル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物などを用いることができる。正孔ブロッキング層、もしくは電子輸送層の膜厚として好ましくは、10nm以上300nm以下、さらに好ましくは30nm以上250nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
これら有機層の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング 法、イオンプレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート 法、ディッピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法 を用いてもよい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングに より行ってもよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
〔画素電極〕
受光部において、画素電極を陽極としてもよいし陰極としてもよい。陽極とする場合は、隣接する正孔輸送性光電変換膜または正孔輸送層または電子ブロッキ ング層から正孔を取り出すものであり、陰極とする場合は、隣接する電子輸送性光電変換層または電子輸送層または正孔ブロッキング層から電子を取り出すもの である。画素電極と対向電極の材料は、隣接する層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれ、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができる材料である。これらの具体例として、陽極の材料としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、 銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポ リチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、シリコン化合物およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、 特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITO、IZOが好ましい。
陰極の材料としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物または酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物 または酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネ シウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ま しくはアルミニウム、銀、金またはそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を 取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が挙げられる。また、二成分以上を同時に蒸着することも できる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、あらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
画素電極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常1nm以上1μm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは3nm以上500nm以下であり、更に好ましくは5nm以上300nm以下である。対向電極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、光透過率を高めるために可能な限り薄い方がよく、通常1nm以上500nm以下の範囲が好ましく、より好ましくは3nm以上300nm以下であり、更に好ましくは5nm以上100nm以下である。陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
電極の形成方法としては、乾式成膜法あるいは湿式成膜法を用いることができる。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン プレーティング法,MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法としては、キャスト法、スピンコート法、ディッ ピング法、LB法等の塗布法と用いることができる。また、インクジェット印刷やスクリーン印刷などの印刷法、熱転写やレーザー転写などの転写法を用いても よい。パターニングは、フォトリソグラフィ−などによる化学的エッチングにより行ってもよいし、紫外線やレ−ザ−などによる物理的エッチングにより行って もよいしマスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法、印刷法、転写法により行ってもよい。
対向電極を形成する際は、直下の有機膜に対してダメージを与えないよう注意が必要である。例えばITOなどの透明電極を成膜する場合、プラズマフリーで 作製することが好ましい。プラズマフリーで透明電極膜を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、透明電極膜の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましく は10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
透光性基体23表面上方で且つ光電変換素子25の下方の受光領域2a内には、更に、光電変換素子25の光電変換層39で発生した電荷に応じた信号を出力するためのMOSトランジスタからなるMOS回路34が形成されている。MOS回路34は、ゲート絶縁層32及び層間絶縁層33,51内に埋設されている。MOS回路34は、有機半導体や酸化物半導体(IGZO)等の半導体34aと、ゲート電極34bと、ドレイン電極34cと、ソース電極34dとで構成されている。又、このMOS回路34は図示しない遮光膜によって遮光されている。ドレイン電極34cは、アルミニウム等のコンタクト部36を介して光電変換素子25の電極38に電気的に接続されている。これにより、電極38に移動した電荷に応じた信号を、MOS回路34によって外部に出力することができるようになっている。
透光部24は、光電変換素子25同士の間の空間に、赤外光を透過することのできる材料52(例えば、窒化珪素や酸化アルミニウム)を埋めることで形成されたものである。
光電変換層39と透光部24との間及び光電変換層39と層間絶縁層51との間には、発光シート22からの赤外光が透光性基体23側から光電変換層39に入射してしまうのを防ぐ遮光層26が形成されている。遮光層26は、光電変換素子25と透光部24との間に形成されたタングステンやアルミニウム等からなる遮光層26aと電極38とによって構成されている。ここでは、電極38を不透明なものにして、これを遮光層として利用しているが、もちろん、電極38と層間絶縁層51との間に別途遮光層を設けて遮光層26を構成しても良い。
発光シート22の下方には遮光膜21が形成されている。遮光膜21は、発光シート22に外部からの光が入射するのを防ぐものである。遮光膜21は、透光性基板23と同様に可撓性の材料で構成されている。
制御装置4は、撮像素子2の光電変換素子25を駆動する駆動部、発光シート22の発光制御を行う発光制御部、及び光電変換素子25から得られた赤外撮像信号から赤外画像データを生成する画像処理部、及び生成された赤外画像データを記録する記録媒体等を含んでいる。
撮像素子2は、それぞれ可撓性の透光性基板23、発光シート22、及び遮光膜21を用い、光電変換素子25として有機光電変換材料を、トランジスタとして有機材料やIGZOを用いているため、図5(a)に示すように、容易に変形させることができる。又、撮像素子2は、赤外光を被写体に照射して、その反射光を検出するものである。このため、図5(b)に示すように、被写体として人間の体の一部(ここでは腕5)に封止基板27側から撮像素子2を密着又は近接させて撮像を実行すれば、人体の皮膚直下の血管を可視化した画像が得られる。この画像を利用することで、血流や酸素飽和度の計測が可能となり、肩こり、大腿部血流による腰痛、ストレス、床ずれ、凍傷、膠原病(リウマチ等)等の病気の状態を判断することが可能となる。
以下、撮像装置1の動作について説明する。
まず、図5(b)に示すように、撮像素子2を封止基板27側から被写体である腕5に密着させ、この状態で、撮影を開始する。撮影が開始されると、制御装置4の制御によって発光シート22が赤外光を発光する。発光された赤外光の一部は透光部24に入射し、ここを透過して腕5に入射する。更に、赤外光は腕5内部の血管に入射し、ここで反射して腕5外部へと出射する。出射した反射光の一部は光電変換素子25で受光され、ここで赤外光に応じた電荷に変換された後、その電荷に応じた信号が制御装置4へと出力される。
制御装置4では、図2に示した各受光領域2aから得られた撮像信号を用いて、各発光領域2bに対応する画素位置の撮像信号を補間する処理を行って、図2に示す受光領域2aと発光領域2bとを併せた数の解像度の赤外画像データを生成する。生成された赤外画像データは記録メディアに記録される。撮像装置1は、撮影指示が中止されるまで以上の動作を繰り返すことで、血管の動画撮影をも可能とすることができる。
以上のように、本実施形態の撮像装置1によれば、撮像素子2を密着させた人体の部位において、その内部の画像を、撮像素子2の面積と同一の大きさで得ることができる。内視鏡のように、人体内部に撮像素子を挿入して赤外画像を得る装置は存在するが、撮像装置1のように、撮像素子2を皮膚に直接貼り付けるだけの簡単な作業で人体内部の画像を得ることができる装置はこれまでになく、撮像装置1は医療の分野において非常に有用なものとなる。
又、撮像装置1によれば、撮像素子2を自由に変形させることができるため、撮影対象部位が曲面であっても、この曲面に沿って撮像素子2を密着させることができる。このため、撮影対象となる部位を限定することがなく、様々な部位の観察が可能となる。
尚、以上の説明では、撮像素子2と制御装置4とがケーブル3で接続されるものとしているが、撮像素子2と制御装置4とは無線又は有線のインターネット等のネットワークを介して接続することもできる。このようにすれば、家庭で撮影した赤外画像を、遠隔地にいる医者が確認することができ、遠隔医療や在宅医療に役立てることができる。
又、撮像素子2の受光領域2aと発光領域2bの配置は図2に示したものに限らず、例えば、図6に示すように、受光領域2aをY方向に多数配列した列と、発光領域2bをY方向に多数配列した列とをX方向に交互に配列した配置としても良いし、図7に示すように、1つの発光領域2bの周りに9つの受光領域2aが存在するような配置としても良い。
又、以上の説明では、透光性基板23、発光シート22、及び遮光膜21が可撓性を備えたものとしているが、これらは可撓性を備えたものでなくとも良い。この場合、曲面での撮影には向かないが、体の平面部分の撮影であれば可能となる。
又、以上の説明では、撮像装置1を医療用のものとして説明したが、これに限らず、例えば本等のスキャニングしたい部分に撮像素子2を密着させて、その本の内容をスキャンしてモノクロ画像又はカラー画像を得るような簡易型スキャナとしても利用することができる。
例えば、図4に示す構成において、可視光カット層47を削除し、透光性基板23、ゲート絶縁層32、層間絶縁層33,51、透光部24、封止基板27、保護層41、及び透明電極40を、可視光を透過可能な材料で構成し、発光シート22を、可視光を発光するものとし、光電変換層39を可視光を吸収して電荷を発生するものとすれば、被写体像をモノクロ画像として得ることが可能となる。
又は、図4に示す構成において、可視光カット層47を削除し、透光性基板23、ゲート絶縁層32、層間絶縁層33,51、透光部24、封止基板27、保護層41、及び透明電極40を、可視光を透過可能な材料で構成し、発光シート22を、可視光を発光するものとし、更に、光電変換素子25を光の赤色成分を検出する光電変換層を有するものと、光電変換素子25を光の青色成分を検出する光電変換層を有するものと、光電変換素子25を光の緑色成分を検出する光電変換層を有するものとの3種類にしておけば、被写体像をカラー画像として得ることが可能となる。
(第二実施形態)
図8は、本発明の第二実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の断面模式図である。図8において図3と同様の構成には同一符号を付してある。
図8に示す撮像素子2は、発光シート22の代わりに導光板28を設け、導光板28の側部に、ここに赤外光を入射する赤外光源29を配置し、導光板28と赤外光源29とにより、透光性基体23の裏面側から透光性基体23を介して透光部24に赤外光を入射する光源部を構成したものである。
導光板28は、透光性基体23と遮光膜21との間に設けられ、赤外光源29から入射された赤外光を透光部24に導くものである。導光板28は、例えば厚みが0.1mm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコン又はポリイミドのような可撓性を備えたシート部材で形成されており、自由な形状に折曲げが可能となっている。赤外光源29は、冷陰極管やLED等の点又は線光源である。
撮像素子2を図8に示すような構成としても、第一実施形態の撮像装置と同様に、人体内部の血管画像を得ることができる。図8に示した撮像素子は、図3に示したものよりも安価に作ることができる。
(第三実施形態)
図9は、本発明の第三実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の断面模式図である。図9において図3と同様の構成には同一符号を付してある。図10は、図9に示す素子の受光領域と透過領域の断面を拡大した模式図である。
図9に示す撮像素子2は、図3に示す撮像素子2の透光部24を液晶素子24’に変更し、透光性基体23とゲート絶縁層32との間に偏光層31を追加したものである。
液晶素子24’は、光電変換素子25同士の間の空間の層間絶縁層51上に形成された赤外光を透過することのできる材料(例えばITO)からなる透明電極42と、この上に形成された液晶層43と、液晶層43の上に形成された赤外光を透過することのできる材料(例えばITO)からなる透明電極44とを含んで構成され、透明電極44上には、赤外光を透過することのできる材料からなる偏光層45が形成されている。
透光性基体23表面上方で且つ液晶素子24’の下方の発光領域2b内には、更に、液晶素子24’を駆動するためのトランジスタからなる駆動回路35が形成されている。
駆動回路35は、ゲート絶縁層32及び層間絶縁層33,51内に埋設されている。駆動回路35は、有機半導体や酸化物半導体(IGZO)等の半導体35aと、ゲート電極35bと、ドレイン電極35cと、ソース電極35dとからなるトランジスタで構成されている。又、この駆動回路35は図示しない遮光膜によって遮光されている。ソース電極35dは、アルミニウム等のコンタクト部37を介して液晶素子24’の透明電極42に接続されている。この駆動回路35を介して液晶層43の配向を制御することで、液晶素子24’を、発光シート22からの赤外光を透過する透過状態と、透過しない非透過状態とに切り替え可能となっている。
液晶素子24’は、電極と液晶層の間に液晶を配向させるための配向膜を積層した構造でもよく、配向膜は液晶の両側ともある必要は無く片側だけでも良い。また、電極と配向膜の間に絶縁層を挿入したり、入射光を偏光させる偏光層などの機能層を積層したりした構造でもよい。透明電極としては、例えば、酸化インジウム(In2 O3 ),酸化スズ(SnO2 )およびITO(インジウム・スズ・オキサイド)等を挙げることができる。配向膜の材料としては、例えばジアミン化合物をジアミン成分として用いたポリイミドを用いることができる。配向膜形成用塗布液としては、ポリアミック酸溶液または再沈等で得られたポリアミック酸をピリジン、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、THF、グリコール誘導体などの適当な溶媒に溶解させた溶液を用いることができる。この配向膜形成用塗布液を、透明電極上に、スピンコーターもしくはインクジェットなどによって塗布し、常温〜150℃にて常圧又は減圧下1〜120分(好ましくは80〜120℃にて10〜80分)乾燥する。次いで、塗布膜は150〜180℃で常圧又は減圧下0.5〜3時間加熱処理が行われる。これによりポリイミドの配向膜が形成される。得られる配向膜の膜厚は、用いる液晶および配向膜の種類により異なるが、10〜800nmであり、好ましくは20〜100nmである。透明電極上に設けられた配向膜は、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリルのような合成繊維、綿、羊毛のような天然繊維などでラビング処理するのが好ましい。このようにして形成されたポリイミド配向膜により、液晶を大きなプレチルト角で配向させることができる。
次に、可視光カット層と偏光層と透明電極を配置した封止基板を、遮光壁をスペーサーとして張り合わせ、このセル内に液晶を注入、封止した後に徐冷して液晶素子を作成する。液晶としては、例えば、カイラルスメクティクC相(SmC* )、H相(SmH* )、I相(SmI* )、J相(SmJ* )、K相(SmK* )、G相(SmG* )またはF相(SmF* )を有する液晶などを用いることができる。たとえば、『高速液晶技術』(シーエムシー発行)p. 127〜161 に記載されているような公知の液晶がすべて、本発明に使用することができる。また、具体的な液晶組成物としては、チッソ(株)製のCS−1018、CS−1023、CS−1025、CS−1026、ロディック(株)製のDOF0004、DOF0006、DOF0008、メルク社製のZLI−4237−000、ZLI−4237−100、ZLI−4654−100、ZLI−2293などを挙げることができる。
本実施形態の撮像装置1では、制御装置4内に、液晶素子24’を透過状態と非透過状態とに切り替える制御を行う制御部が設けられている。制御装置4は、撮影時に液晶素子24’を全て同時に透過状態にするのではなく、例えば端にある液晶素子24’から順次透過状態にしていく制御を行う。撮影指示がなされるまで、制御装置4は、全ての液晶素子24’を非透過状態とする制御を行う。
以下、本実施形態の撮像装置1の動作を説明する。
まず、図5(b)に示すように、図9の撮像素子2を封止基板27側から被写体である腕5に密着させ、この状態で、撮影を開始する。撮影が開始されると、制御装置4の制御によって発光シート22が赤外光を発光する。次に、制御装置4によって図9の一番左の液晶素子24’の透明電極42に与える電圧を変化させて、この液晶素子24’のみを透過状態とする(図11参照)。これにより、発光された赤外光のうち透過状態の液晶素子24’に入射した光が、ここを透過して腕5に入射する。更に、赤外光は腕5内部の血管に入射し、ここで反射して腕5外部へと出射する。出射した反射光の一部は、透過状態の液晶素子24’近傍の光電変換素子25で受光され、ここで赤外光に応じた電荷に変換された後、その電荷に応じた信号が制御装置4へと出力される。
次に、制御装置4は、図9に示す一番左の液晶素子24’を非透過状態にし、真ん中の液晶素子24’を透過状態とする。これにより、発光された赤外光のうち透過状態の液晶素子24’に入射した光が、ここを透過して腕5に入射する。更に、赤外光は腕5内部の血管に入射し、ここで反射して腕5外部へと出射する。出射した反射光の一部は、透過状態の液晶素子24’近傍の光電変換素子25で受光され、ここで赤外光に応じた電荷に変換された後、その電荷に応じた信号が制御装置4へと出力される。
このように、制御装置4が、透過状態となる液晶素子24’を順次切り替えていき、全ての液晶素子24’を透過状態にした時点で、撮影が完了する。制御装置4では、図2に示した各受光領域2aから得られた撮像信号を用いて、各発光領域2bに対応する画素位置の撮像信号を補間する処理を行って、図2に示す受光領域2aと発光領域2bとを併せた数の解像度の赤外画像データを生成する。生成された赤外画像データは記録メディアに記録される。撮像装置2は、撮影指示が中止されるまで以上の動作を繰り返すことで、血管の動画撮影をも可能とすることができる。
このように、全ての液晶素子24’を同時に透過状態にして撮像を行うのではなく、各液晶素子24’を順次透過状態にしていくことにより、光電変換素子25に侵入する漏れ光や多重反射等による偽信号が少なくなり、明信号と暗信号の比が高くなるため、精細な情報を得ることができる。本実施形態の撮像装置の場合、人体内部に赤外光を入射して、人体内部からの反射光を検出する必要があるが、人体内部の構造は複雑であり、入射した光は多重反射や散乱等を起こしやすい。このため、このような撮影制御を行うことが特に有効となる。
有機トランジスタ、液晶素子24’、光電変換素子25の駆動時間はそれぞれ十分に高速であり、このような逐次読取りをおこなっても、極短時間で被写体情報を読み取ることができる。
尚、液晶素子24’を透過状態にさせていく順番は、撮像素子2の端から順次行っても良いし、任意の場所から任意の順に行っても良い。又、光電変換素子25に侵入する漏れ光や多重反射等による偽信号の影響がない程度に離れた場所であれば、2箇所以上の液晶素子24’を同時に透過状態とし、一連の読み取り動作を行うことも可能である。
又、本実施形態の撮像装置においても、光源部を発光シート22の代わりに導光板と赤外光源で構成しても良い。
(第四実施形態)
図12は、本発明の第四実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の断面模式図である。図12において図3と同様の構成には同一符号を付してある。図13は、図12に示す素子の受光領域と透過領域の断面を拡大した模式図である。
図12に示す撮像素子2は、図9に示した液晶素子24’を、透光部24の代わりに設けるのではなく、透光部24と発光シート22との間(たとえば透光性基体23と発光シート22との間)に、透光部24に対応させて設け、透光性基体23とゲート絶縁層32との間に偏光層31を設け、液晶素子24’と発光シート22との間に偏光層を設けた構成となっている。
本実施形態の撮像装置1は、制御装置4内に、液晶素子24’の電極に印加する電圧を制御することで液晶層43の配向を制御し、液晶素子24’を、発光シート22からの光を透過させて、該光を対応する透光部24に入射可能にした状態である透過状態と、発光シート22からの光を透過させずに、対応する透光部24に該光を入射不可能にした状態である非透過状態とに切り替える制御を行う制御部が設けられている。制御装置4は、撮影時に液晶素子24’を全て同時に透過状態にするのではなく、例えば端にある液晶素子24’から順次透過状態にしていく制御を行う。撮影指示がなされるまで、制御装置4は、全ての液晶素子24’を非透過状態とする制御を行う。
以下、本実施形態の撮像装置1の動作を説明する。
まず、図5(b)に示すように、図12の撮像素子2を封止基板27側から被写体である腕5に密着させ、この状態で、撮影を開始する。撮影が開始されると、制御装置4の制御によって発光シート22が赤外光を発光する。次に、制御装置4によって図12の一番左の液晶素子24’の透明電極42に与える電圧を変化させて、この液晶素子24’のみを透過状態とする。これにより、発光された赤外光のうち透過状態の液晶素子24’に入射した光が、ここを透過して透光部24に入射し、ここを透過して腕5に入射する。更に、赤外光は腕5内部の血管に入射し、ここで反射して腕5外部へと出射する。出射した反射光の一部は、透過状態の液晶素子24’に対応する透光部24近傍の光電変換素子25で受光され、ここで赤外光に応じた電荷に変換された後、その電荷に応じた信号が制御装置4へと出力される。
次に、制御装置4は、図12に示す一番左の液晶素子24’を非透過状態にし、真ん中の液晶素子24’を透過状態とする。これにより、発光された赤外光のうち透過状態の液晶素子24’に入射した光が、ここを透過して透光部24に入射し、ここを透過して腕5に入射する。更に、赤外光は腕5内部の血管に入射し、ここで反射して腕5外部へと出射する。出射した反射光の一部は、透過状態の液晶素子24’に対応する透光部24近傍の光電変換素子25で受光され、ここで赤外光に応じた電荷に変換された後、その電荷に応じた信号が制御装置4へと出力される。
このように、透光部24に対応させて、透光部24と発光シート22との間に液晶素子24’を設けることでも、第三実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
尚、液晶素子24’を透過状態にさせていく順番は、撮像素子2の端から順次行っても良いし、任意の場所から任意の順に行っても良い。又、光電変換素子25に侵入する漏れ光や多重反射等による偽信号の影響がない程度に離れた場所であれば、2箇所以上の液晶素子24’を同時に透過状態とし、一連の読み取り動作を行うことも可能である。
又、本実施形態の撮像装置においても、光源部を発光シート22の代わりに導光板と赤外光源で構成しても良い。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
ガラス基板上にアモルファスシリコンを用いた読み出し回路を形成し、その上に画素電極となるITOをパターンマスクを通してスパッタ成膜した。その上にパターンマスクを通して赤外光光電変換層となるスズフタロシアニンを100nm成膜し、続いてバッファ層としてAlq3を50nm蒸着した。さらにその上に対向電極となるITOをスパッタにより50nm蒸着した。その上に保護層として、ALCVDによりAlを100nm成膜し、最後にパリレンを1μm成膜し赤外光受光部とした。
次に、上記ガラス基板の裏面と別途用意した導光板を張り合わせた偏光層付きガラス基板の裏面にITOをストライプ状(電極の幅:100μm、電極間の間隙:10μm)に形成した。この二枚のITO電極付きのガラス板の電極を有する面に、SiO2 (大阪チタニウム(株)製)をスパッタリングして膜厚100nmの絶縁膜を設けた。式:CF3(CF2)7 CH2 CH2 Si(CH3)( OCH3)2 で表わされるケイ素化合物(東芝シリコーン(株)製、商品名TSL8231)0.5g、及び式:H2 N(CH22 NH(CH23 Si(CH3 )(OCH32 で表わされるケイ素化合物(信越シリコーン(株)製、商品名KBM602)0.5gを、イソプロピルアルコール100gに溶解して、配向層塗布液を調製した。電極及び絶縁膜を設けたガラス板を、配向層塗布液中に5分間浸漬した後取り出し、表面に圧縮空気を吹き付けて約25℃で乾燥させた。次いで、これをオーブン内に入れ130℃で1時間保持して熱処理して、絶縁層の表面に配向層を形成した。これを室温に冷却した後、配向層の表面をナイロン起毛布を使用しラビング処理した。このようにして製造した電極付き基板二枚を、配向層が互いに対面し、電極パターンが直交するように、スペーサー(真糸球、触媒化成工業(株)製)を介して重ね合せてエポキシ接着剤で接着して、セル・ギャップが2μmのセルを作成した。このセルに液晶材料としてチッソ(株)製のCS−1018を、ホットプレート上で、100℃で30分間かけて注入し、室温にまで自然冷却して、液晶スイッチ部を作製した。
次に導光板の周辺部に赤外光源を配置して赤外光発光部とした。これらの赤外光受光部と赤外光発光部と液晶スイッチ部を赤外情報読取部とし、この赤外情報読取部に制御装置を接続し、画像入力装置とした。
(実施例2)
ITO電極のついた厚み200μmのポリカーボネートフィルム基板上に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)12mg及び化合物2 1mgをジクロロエタン2.5mlに溶解し、洗浄した基板上にスピンコートし、100nmの有機薄膜層を形成した。この基板を蒸着装置に移し、LiF 1nmとAl 100nmを順に積層して対向電極を作製した。その上に保護層として、ALCVDによりAlを100nm成膜し、最後にパリレンを1μm成膜し赤外光発光部とした。実施例1と同じ条件で作製した赤外光受光部と液晶スイッチ部の裏面に、導光板の代わりにこの赤外発光部を張り合わせ、赤外情報読取部とし、この赤外情報読取部に制御装置を接続し、画像入力装置とした。
本発明の第一実施形態である撮像装置の概略構成を示す図 図1の撮像装置に搭載される撮像素子の受光面側から見た平面模式図 図2に示すA−A線断面模式図 図3に示す素子の部分拡大図 撮像装置の使用例を説明するための図 撮像素子の平面図の受光領域と発光領域の配置の変形例を示す図 撮像素子の平面図の受光領域と発光領域の配置の変形例を示す図 本発明の第二実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の断面模式図 本発明の第三実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の断面模式図 図9に示す素子の部分拡大図 本発明の第三実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の撮影動作時の状態 本発明の第四実施形態の撮像装置に搭載される撮像素子の断面模式図 図12に示す素子の部分拡大図を示す断面模式図
符号の説明
2 撮像素子
5 撮像被写体
2a 受光領域
2b 発光領域
21 遮光膜
22 発光シート
23 透光性基板
24 透光部
25 光電変換素子
26 遮光壁
27 保護膜

Claims (15)

  1. 平面視において発光領域と受光領域とを有し、これらが混在したシート状の撮像素子であって、
    シート状の透光性基体と、
    前記透光性基体の表面上方の前記受光領域に形成された一対の電極及び前記一対の電極によって挟まれる光電変換層を含む光電変換素子と、
    前記透光性基体の表面上方の前記発光領域に形成された光を透過する透光部と、
    前記透光性基体の裏面側から前記透光性基体を介して前記透光部に光を入射する光源部とを備え、
    前記透光性基体が赤外光を透過するものであり、
    前記光電変換層が赤外光を検出するものであり、
    前記透光部が赤外光を透過するものであり、
    前記光源部が赤外光を前記透光部に入射するものである撮像素子。
  2. 請求項1記載の撮像素子であって、
    前記赤外光が波長700nm〜2500nmの範囲の光である撮像素子。
  3. 請求項1又は2記載の撮像素子であって、
    前記光源部が前記透光性基体の裏面側に設けられた発光シートである撮像素子。
  4. 請求項1又は2記載の撮像素子であって、
    前記光源部が、前記透光性基体の裏面側に設けられ、入射された赤外光を前記透光部に導くための導光板と、前記導光板に赤外光を入射する赤外光源とで構成される撮像素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記透光性基体が可撓性材料で構成されたものである撮像素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記光電変換層が有機光電変換材料によって構成されたものである撮像素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記光電変換層と前記透光部との間、及び、前記光電変換層と前記透光性基体との間に、前記光源部からの光が前記透光性基体側から前記光電変換層に入射してしまうのを防ぐ遮光層を備える撮像素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記透光性基体の表面上方に形成された前記光電変換素子を駆動するためのトランジスタを備える撮像素子。
  9. 請求項8記載の撮像素子であって、
    前記トランジスタが有機半導体又は酸化物半導体で構成されている撮像素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記光電変換素子と前記透光部とが前記透光性基体表面に平行な方向に交互に配列されている撮像素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記透光部と前記光源部との間に前記透光部に対応して形成された液晶層及び前記液晶層の配向を制御するための電極を含む液晶素子を備える撮像素子。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項記載の撮像素子であって、
    前記透光部が液晶層を含んで構成される撮像素子。
  13. 請求項12記載の撮像素子であって、
    前記透光部が前記液晶層の配向を制御するための電極を含む撮像素子。
  14. 請求項11記載の撮像素子と、
    前記液晶層の配向を制御して、前記液晶素子を、前記光源部からの光を透過させて該光を前記透光部に入射可能にした状態である透過状態と、該光を透過させずに前記透光部に該光を入射不可能にした状態である非透過状態とに切り替える光透過制御手段とを備え、
    前記光透過制御手段は、前記光源部から赤外光が発光されている状態で、前記液晶素子を前記透過状態にするタイミングを前記液晶素子の位置に応じて順次ずらしていく制御を行う撮像装置。
  15. 請求項13記載の撮像素子と、
    前記液晶層の配向を制御して、前記透光部を、光を透過する透過状態と光を透過しない非透過状態とに切り替える光透過制御手段とを備え、
    前記光透過制御手段は、前記光源部から赤外光が発光されている状態で、前記透光部を前記透過状態にするタイミングを前記透光部の位置に応じて順次ずらしていく制御を行う撮像装置。
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